JPH11214594A - 異方性導電ゴムシート - Google Patents

異方性導電ゴムシート

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JPH11214594A
JPH11214594A JP2257998A JP2257998A JPH11214594A JP H11214594 A JPH11214594 A JP H11214594A JP 2257998 A JP2257998 A JP 2257998A JP 2257998 A JP2257998 A JP 2257998A JP H11214594 A JPH11214594 A JP H11214594A
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rubber sheet
anisotropic conductive
conductive rubber
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electrode
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Katsumi Sato
克巳 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検査物の接点電極と異方性導電ゴムシー
トの電極(導電部)とを対応させて電気的に導通するよ
う位置決めする際、相互の電極が正確に対応し、電気的
に導通するよう位置決めを容易にかつ正確に行うことが
でき、電気的にも安定した接続が可能となるとともに高
密度の端子を有する半導体素子等の被検査物についても
容易に試験を行うことができる異方性導電ゴムシートを
提供すること。 【解決手段】 電気絶縁性材料内に導電部を有する
異方性導電ゴムシートであって、該導電部は被検査物の
端子電極と電気的に接続可能であり、かつ該被検査物の
端子電極が係合される被係合部が設けられる接続部を有
することを特徴とする異方性導電ゴムシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面実装LSIの
検査時に治具基板上に被検査物の端子を対面させる位置
に置き、表面実装LSIと電気的に接続することを目的
とした弾性を有する異方性導電ゴムシートに関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器などに実装される表面実装LS
Iなどは、実装される以前の段階で試験が行われその潜
在的欠陥が除去される。かかる試験を行う場合、当該表
面実装LSIの端子電極と検査装置の治具基板の端子電
極とを電気的に接続するため、異方性導電ゴムシートが
使用されている。かかる異方性導電ゴムシートは、治具
基板上に置き、異方性導電ゴムシートの導電部を被検査
物である表面実装LSIの端子電極に対向させ、治具基
板と被検査物との間に挟み、圧縮した状態を保持しなが
ら相互に電気的に接続して表面実装LSIの電気的検査
をする方法が知られている。
【0003】一方近年、被検査物である表面実装LSI
の微細化が進むことにより電極間寸法の縮小が求めら
れ、又、多ピン化やパッケージ化による高密度化が進む
ことで電極寸法の小径化が求められるるようになった。
それに伴って、異方性導電ゴムシート及び治具基板もこ
れら微細化や高密度化に対応して導通電極部の微細化、
小径化が求められるようになってきた。このため治具基
板や異方性導電ゴムシートも電極間寸法及び電極寸法を
縮小することで対応してきた。例えば、治具基板と異方
性導電ゴムシートの導通電極部の微細化、小径化に対
し、治具基板と異方性導電ゴムシートの各電極同士を電
気的に導通化する位置決めについては、顕微鏡等を用い
てあらかじめ十分な位置決めをすることで対応してき
た。一方、被検査物である表面実装LSIについては、
その端子電極と異方性導電ゴムシートの各電極同士を電
気的の接続を行う際に、従来の方法では表面実装LSI
のパッケージ型IC等についてはその外形による位置決
めが行われている。しかし、該外形にはばらつきがある
ため、電極径の小さい導電ゴムシートでは十分な導通を
確保できない状況も生じることがあった。
【0004】このように、被検査物である表面実装LS
Iの微細化、高密度化に対応して異方性導電ゴムシート
も電極間寸法及び電極寸法を縮小する傾向にあることで
導通を確保しづらい方向へ進んでいる。その反面、被検
査物の表面実装LSIの位置決め方法は従来の製法と対
比し位置ずれを減少させる技術が大きく変化しておら
ず、パッケージ型ICでの外形精度が位置決め精度に対
する影響度は大きい。そこで、表面実装LSIパッケー
ジ型の一種であるBGA(ball grid array)型パッケー
ジにおいては外形合わせから電極であるボールによる位
置決めが注目されている。この方法は、治具側に被検査
物の固定と電極であるボールでの位置決めに関連性を持
たせた一つの動作機構で作用するが、被検査物の固定に
要する圧力と電極であるボールでの位置決め各々の圧力
とのバランスをとることが容易ではないので、二つの別
々の動作機構を有する圧力に配慮した形に移行し始めた
がその機構は装置等が複雑なもので高価である。
【0005】また、被検査物である表面実装LSIの微
細化、高密度化に対応して、異方性導電ゴムシートも電
極間寸法及び電極寸法を縮小する傾向にあり、被検査物
の端子電極と検査装置の治具基板の端子電極との導通を
確保しづらい方向で、且つ該シートの耐久性も減少する
方向に進んでおり、精度の高い位置合わせと、安定的な
導通の確保及び耐久性の向上が望まれている。
【0006】一方、異方性導電ゴムシートの性能に関す
る要素として、異方性導電ゴムシートの歪み量が制限さ
れた範囲内で連続的に用いられることが安定的な導通の
確保及び耐久性の向上という面で望ましい姿と言える。
しかし、これを達成する汎用的な治具を被検査物である
表面実装LSIの形状に対応して個別に作ることは極め
て非効率的である。従来の治具構造は、大きく二つに分
けられ、その一つとして、被検査物を治具側の構成体の
一部である弾性押圧体の加圧力、言い換えれば弾性力に
任せて押し圧する加圧構造方式と被検査物の総厚と異方
性導電ゴムシートの歪み量から押圧体を突き当てる突き
当て板の厚さをを算出し、リジット型の押圧体で突き当
て板に突き当たる下限一杯まで押圧し、突き当て板によ
り歪み量に規制を持たせる加圧構造方式とがある。
【0007】前記二つの加圧構造方式の内、弾性力によ
り歪み量の規制を求める方式は、被検査物の端子数や端
子形状等で弾性力を微妙に調節しなければならない。ま
た、もう一方の突き当てにより歪み量の規制を求める方
式は、被検査物の総厚によって歪み量を規制する突き当
て板の厚さを微妙に調節しなければならない。このよう
に、弾性力や突き当て板の厚さを微妙に調節することは
容易ではなく、工程も増し、製造コストも嵩むなどの難
点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような問題点を
解決するため、本発明は、被検査物である表面実装LS
Iの微細化、高密度化に対応して異方性導電ゴムシート
も電極間寸法及び電極寸法を縮小する傾向にあることで
導通を確保しづらい方向へ進んでも被検査物の位置決め
が容易に行え、且つ、異方性導電ゴムシートの性能を十
分に引き出し安定的な導通の確保及び耐久背の向上が得
られる異方性導電ゴムシートで、この異方性導電ゴムシ
ートを用いれば高価で複雑な機構を用いず、従来の治具
機構でも検査ができる異方性導電ゴムシートを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、電気
絶縁性材料内に導電部を有する異方性導電ゴムシートで
あって、該導電部は被検査物の端子電極と電気的に接続
可能であり、かつ該被検査物の端子電極が係合される被
係合部が設けられる接続部を有することを特徴とする異
方性導電ゴムシートを提供するものである。
【0010】また本発明は、異方性導電ゴムシートの接
合部が被検査物の端子電極と異方性導電ゴムシートの導
電部とを導通させるべく位置合わせをする機構を有する
ことを特徴とする前記の異方性導電ゴムシートを提供す
るものである。さらに本発明は、被検査物の端子電極と
異方性導電ゴムシートの導電部とを導通させるべく両者
を圧着させる際、異方性導電ゴムシートに加わる加圧力
を制限する加圧力制限部が設けられていることを特徴と
する前記の異方性導電ゴムシートを提供するものであ
る。
【0011】また本発明は、前記異方性導電ゴムシート
における導電部が、所定の圧力が作用されたとき選択的
に導通状態となる複合導電材料により形成されることを
特徴とする前記の異方性導電ゴムシートを提供するもの
である。さらに本発明は、前記の異方性導電ゴムシート
が、被検査物と検査用治具基板との間に配置されてなる
ことを特徴とする被検査物の電気的検査装置を提供する
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る異方性導電ゴムシー
トの構成の一例を図1に示す。図1において、異方性導
電ゴムシート1は基材となるシリコーンゴム等の電気絶
縁材料からなる絶縁部2にシリコーンゴムに、ニッケル
粒子あるいはこれに金メッキをした粒子等の導電性粒子
を配合してなる導電部3を複数個有するものである。被
検査物の表面実装LSIパッケージの一種であるBGA
型パッケージ4においては、BGA型パッケージ4から
突出した端子電極であるボール5での位置決め及び異方
性導電ゴムシートの歪み量を規制するため側壁6を異方
性導電ゴムシートと一体型で有することを特徴とする異
方性導電ゴムシートである。
【0013】本発明の異方性導電ゴムシートの導通部
は、異方性導電ゴムシート内で導電性粒子が厚み方向に
配向され、且つ、適正な歪みを受けることで電気的に導
通できる構造となっていることが好ましい。異方性導電
ゴムシートにおいて導通部と絶縁部は一体型になってい
れば、異方性導電ゴムシートが単層でも例えば、一層目
7と二層目8の導電部同士の位置を合わせ、積層した図
2のような多層構造をゆうするものでも構わない。
【0014】さらに、異方性導電ゴムシートは、図3の
ように枠9と一体化されていてもよいし、枠の存在がな
くとも構わない。さらに、異方性導電ゴムシートは、図
4のように絶縁部10と導通部11及び側壁部12の材
料が異なっても構わない。特に、側壁部は弾力性や導通
性の有無は問わず種々のものが使用できる。
【0015】前記側壁部12は、図5のように一直線上
の側壁13であってもよいし、側壁14のように千鳥状
の並べたものでもよく、また側壁15のように途切れ途
切れに配置された側壁15でもよく、その数も何個あっ
ても良い。これらは好ましくは対向する辺に各1つ以上
あること、さらに各対向する辺に各々1つ以上あること
が好ましい。また、図6のように位置決めのための側壁
16と歪み量規制のための側壁17など、各目的別に高
さや長さを変えた組み合わせで共存してもよい。また、
側壁は被検査物の電極であるボールでの位置決めを目的
とし、図7のようにボールの内側18、外側19又は、
内外両側のいづれかの位置に配置してもよい。
【0016】側壁の形状は、その断面が角形でもよい
し、図8のように内側の上面角部がテーパー状20で被
検査物の接点電極21をガイドし易い形になっていても
良いまた、側壁の形状は、図9のように電極の形に添っ
て半円状の側壁22でより位置決めを優先させる形にな
っていても良い
【0017】ここで、側壁についてさらに詳しく述べ
る。前記側壁6は、押圧体等により表面実装LSIを異
方性導電ゴムシートに押圧し、電気的に導通を得ようと
する際に、表面実装LSIの接点電極となるボールを基
準として表面実装LSIと異方性導電ゴムシートの各端
子電極同士の位置決めをする役目、及び異方性導電ゴム
シートの性能を十分に引き出す為の加圧力制御としての
二つの役目から形成されている。
【0018】前記側壁はBGA等の端子電極であるボー
ルでの位置決めを目的とし、ボールの内側、外側、横
側、内外両側などのいづれの位置に配置してもよい。こ
の場合、配置位置はBGA型パッケージ等の電極位置に
て決定される。さらに、被検査物の検査時に導電ゴムシ
ートを適正な歪み量に規制する目的でも側壁を共用する
ことができる。
【0019】例えば、図10に示されるように、被検査
物である表面実装LSI23の接点電極24を異方性導
電ゴムシートの導電部(電極)25に対向するように配
置したときに、前記表面実装LSI23の接点電極の底
部24aが異方性導電ゴムシートの電極径の中に入り、
さらにその電極径の中心に位置することが安定した導通
を得るために好ましい。しかし、被検査物の検査工程で
は、被検査物をセットして検査し、そして該被検査物を
交換することを繰り返すため、単にセットしたしただけ
では被検査物の接点電極の位置は異方性導電ゴムシート
の電極の中心に位置するとは限らない。このため、その
両者の相対的な位置を合わせることが重要となり、側壁
による位置の修正が必要となる。
【0020】そこで、被検査物の接点の外周に側壁を配
置する場合について図11に例を挙げて説明する。例え
ば図1において、表面実装LSIの隣り合わせた接点間
距離L1が1mmである場合、被検査物の接点電極を誘
導する側壁の内側の間隔L2は、被検査物の接点電極の
外周距離L3に0.1から0.2mmを加えた長さが好
ましい。これは、異方性導電ゴムシートに被検査物をセ
ットする際のセット性を良好にするために、接点電極と
側壁の間に若干の隙間を持たせているためである。この
ようにすると、異方性導電ゴムシートの電極径L4が、
例えば0.5mmであり、どちらか一方に偏っても異方
性導電ゴムシートの電極上に表面実装LSIの接点電極
が位置できるので安定した導通が確保できる。
【0021】側壁の高さは、図12において表面実装L
SI23の接点電極24を、異方性導電ゴムシート28
の導電部(電極)3に対向するように配置したときに、
押圧体26が表面実装LSIを押圧した際、異方性導電
ゴムシートの導電部3に表面実装LSI23の接点電極
24が押し込まれる。この押し込まれた長さを押込量H
pとしたとき、異方性導電ゴムシートの厚さLに対する
割合を歪み量とすると、この歪み量は10〜60%が好
ましく、さらに好ましくは25〜45%の範囲である。
側壁の高さは、異方性導電ゴムシートの適正押込量の関
係から表面実装LSIの接点となるボール部の高さによ
って、ボール部の押込量すなわち歪み量が上記範囲にな
るように設定されるのが好ましい。
【0022】押込量Hpがこのような範囲に設定される
のは、図13に示されるような、異方性導電ゴムシート
の電気的な抵抗値Rの特性に基づくものである。図13
においては、縦軸に抵抗値Rをとり、横軸に異方性導電
ゴムシートのひずみεをとり、異方性導電ゴムシートの
抵抗値Rのひずみεに対する変化を示すものである。異
方性導電ゴムシートが所定の圧力で圧縮される場合、抵
抗値Rは、ひずみεが値a、例えば、10%に到達する
まで急峻に値Raまで減少し、また、抵抗値Rはひずみ
εがさらに値aから値b、例えば、60%まで増大する
とき、値Raよりも大なる値Rbをとり、さらに、抵抗
値Rはひずみεが値bを超えるとき、値Rbよりもさら
に増大する傾向がある。従って、異方性導電ゴムシート
のひずみεを前記値aから値bの間に制約することによ
り、接触面積が増大し単位面積あたりの面圧が低減さ
れ、異方性導電ゴムシートの抵抗値Rが比較的安定した
値となる。従って、このように押込量Hpが設定されて
いることが好ましい。また、押込量Hpがこのような範
囲に設定されることにより、異方性導電ゴムシートを押
圧する際に所定の適正な許容圧力で加圧される状態が維
持され、ひずみが規制された安定的な状態に異方性導電
ゴムシートが変形させられ、過度のひずみを受けないの
で耐久性の向上が確保されることとなる。
【0023】図12に示すように、本発明の異方性導電
ゴムシートは表面実装LSI等の検査物の電気的検査を
行う時に、検査基板29と被検査物23の間に配置し、
かつ検査基板29の電極30と被検査物23の電極24
と異方性導電ゴムシートの電極3とを、お互いに電気的
に導通するように対面させた位置に置き、検査基板と被
検査物との間で挟み、加圧した状態を保持しながら被検
査物と検査基板とを電気的に接続し、被検査物の電気的
特性を安定にかつ確実に検査することができた。
【0024】次に本発明の異方性導電ゴムシートの構成
の一例を説明する。異方導電性ゴムシートは基材となる
シリコーンゴム等の電気絶縁性材料と導通部とで形成さ
れており、該導通部は異方導電性ゴムシート内で厚み方
向に貫通する構造になっており、好ましくは加圧した状
態で良好な電気的導通を確保するようになっている。
【0025】異方導電性ゴムシートは例えば次のような
方法で製造することができる。絶縁性のゴム状重合体に
磁性を有する導電性粒子を混入した組成物を製造し、そ
の組成物をシート状にしてその厚さ方向に磁場をかけて
導電性粒子を配向させ、硬化させることで導通部となる
粒子を保持固定する。なお、平行磁場を作用させる際に
は、磁場強度の異なる部分を有する磁極板を用いること
によって、硬化後のシート中の導電性粒子に粗密状態を
生じさせて導電部と絶縁部が存在する異方導電性ゴムシ
ートを形成することができる。異方導電性ゴムシートの
側壁部分は、上記異方導電性ゴムシートの成型時に一体
化して製造することができる。また、予め製造した導電
ゴムシートの上面に側壁となる部分を積層し、硬化させ
ることで導電ゴムシートを製造することもできる。ま
た、予め製造した導電ゴムシートに、組成の異なる側壁
となる部分を接着剤の存在下で、あるいは非存在下では
りあわせるなどの方法により、積層し、複合化して硬化
させることで導電ゴムシートを製造することもできる。
接着剤としては、シリコーンゴムなどが好適に使用でき
る。
【0026】本発明の異方導電性ゴムシートは各層の硬
度については特に制限はなく、適宜変化させてもよい。
また、導通部の太さの径及びピッチ等についても、表面
実装LSIの電極部形状及び配列により、個々に対応が
可能である。本発明の異方導電性ゴムシートは、同質の
異方導電性ゴムシートを積層してもよいし、異質の異方
導電性ゴムシートどうしを積層することも有効である。
例えば、1層目と2層目の硬度や弾性率を変えたり外層
の硬度や強度を変え、あるいはゴム質重合体の種類を変
えて耐久性、耐熱性、対候性などを向上させたり、内層
より外層を軟らかくして被検査基板等の電極を傷つける
ことを防止することもできる。
【0027】上記ゴム状重合体としては、ポリブタジエ
ン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR,NBRなどの
共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン
ブタジエンジエンブロック共重合体、スチレンイソプレ
ンブロック共重合体などのブロック共重合体およびこれ
らの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエ
ステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴ
ム、エチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレン
ジエン共重合体などが挙げられる。耐候性の必要な場合
は共役ジエン系ゴム以外のゴム状重合体が好ましく、特
に成形加工性および電気特性の点からシリコーンゴムが
好ましい。
【0028】ここでシリコーンゴムについてさらに詳細
に説明する。シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムはその粘度が歪速度10ー1secで105ポアズ以下の
ものが好ましく、縮合型、付加型、ビニル基やヒドロキ
シル基含有型などのいずれであってもよい。具体的には
ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生
ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙
げることができる。これらのうちビニル基含有シリコー
ンゴムとしては、通常、ジメチルジクロロシランまたは
ジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロ
シランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下
において、加水分解および縮合反応させ、例えば引き続
き溶解−沈澱の繰り返しによる分別を行うことにより得
ることができる。この成分の分子量(標準ポリスチレン
換算重量平均分子量)は10,000〜40,000であるものが好
ましい。なお、 上記ゴム状重合体の分子量分布指数
(標準ポリスチレン換算重量平均分子量と標準ポリスチ
レン換算数平均分子量との比(以下「Mw /Mn 」と記
す)は、得られる導電性エラストマーの耐熱性の点から
2 以下が好ましい。
【0029】導電性粒子としては、例えばニッケル、
鉄、コバルトなどの磁性を示す金属粒子またはこれらの
合金の粒子もしくはこれらを含有する粒子に貴金属を含
有させるか、またはこれらの芯粒子に貴金属をメッキな
どにより被覆したもの、非磁性金属粒子もしくはガラス
ビーズなどの無機質粒子またはポリマー粒子を芯粒子と
し、これらにニッケル、コバルトなどの導電性磁性体を
含有もしくは被覆し貴金属を被覆したもの、あるいは導
電性磁性体と貴金属の両方を被覆した粒子などを挙げる
ことができる。貴金属としては、金、銀、パラジウム、
ロジウムなどが挙げられ、好ましくは金、銀である。こ
れらの中ではニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金
や銀などの貴金属を被覆した粒子が好ましい。 また、
金の被覆と銀の被覆の両方を併用したものが好ましい。
芯粒子の表面への貴金属の被覆方法については特に制限
はないが、例えば化学メッキ、無電解メッキなどにより
行うことができる。
【0030】また、導電性粒子の粒子径は1〜1000μm
であることが好ましく、さらに好ましくは2〜500μm、
より好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μ
mである。 また、導電性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)
は1〜10であることが好ましく、さらに好ましくは1.
01〜7、より好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4
である。また、導電性粒子の含水率は5%以下が好まし
く、さらに好ましくは3%以下、より好ましくは2%以
下、特に好ましくは1%以下である。また、導電性粒子
の表面積は1〜200m2が好ましく、さらに好ましくは2
〜150m2、より好ましくは5〜100m2、特に好ま
しくは10〜80m2である。 この導電性粒子の形状
は特に限定されるものではないが、上記(a)成分およ
び(b)成分またはそれらの混合物に対する分散の容易
性から球状、星形状あるいはこれらが凝集した塊状であ
ることが好ましい。
【0031】本発明において、導電性粒子は、ゴム状重
合体100重量部に対して30〜1000重量部、好ましくは50
〜750 重量部の割合で用いられる。この割合が30重量部
未満の場合には、得られる異方導電性ゴムシートは、使
用時にも電気抵抗値が十分に低くならず、従って良好な
接続機能を有しないものとなり、また 1,000重量部を超
えると硬化されたエラストマーが脆弱になって異方導電
性ゴムシートとして使用することが困難となる。本発明
の異方導電性ゴムシートには、必要に応じて、通常のシ
リカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミ
ナなどの無機充填材を含有させることができる。このよ
うな無機充填材を含有させることにより、未硬化時にお
けるチクソ性が確保され、粘度が高くなり、しかも導電
性粒子の分散安定性が向上すると共に、硬化後における
ゴムシートの強度が向上する。
【0032】かかる構成のもとで製造した異方性導電ゴ
ムシートを用いて被検査物である表面実装LSI23の
試験を行うにあたっては、図12に示すように、先ず異
方性導電ゴムシート28をその導電部に治具基板29の
入出力部30を介して試験電圧が供給されるように配置
し、被検査物23を異方性導電ゴムシート28上にその
側壁部32にて誘導されるように配置する。この構成3
1において、被検査物23の接点電極24は、異方性導
電ゴムシート28の電極(導電部3)に対面させた位置
に配置される。このようにして異方性導電ゴムシート2
8を治具検査基板29と被検査物23との間に挟み、被
検査物23の上から押圧体26で加圧した状態を保持
し、被検査物23と治具検査基板29とを電気的に接続
しながら被検査物の電気的動作試験を行う。その際、本
発明の異方性導電ゴムシートの側壁の存在により、被検
査物である表面実装LSIの接点電極24の異方性導電
ゴムシートの電極(導電部3)に対する位置決めが精度
よく行われ、且つ、表面実装LSIの接点と異方性導電
ゴムシートの電極とが確実に接触することとなる。従っ
て、表面実装LSI23の外形部の加工精度に左右され
ることなく、表面実装LSIの接点電極24が異方性導
電ゴムシートの電極(導電部3)に対する位置決めが容
易に行われることとなり、より高密度の接点を有する表
面実装LSIについても容易に試験を行うことができ
る。
【0033】また、異方性導電ゴムシートが所定の圧力
で圧縮される場合、側壁によって接触面積が増大し、異
方性導電ゴムシートの電極単位面積あたりの面圧が低減
され、表面実装LSIの上面に均等に圧力が作用される
こととなるので表面実装LSIの接点を介して異方性導
電ゴムシートの電極部に加わる押圧力が、均等に付与さ
れる効果もある。また、異方性導電ゴムシートの抵抗値
Rが比較的安定した値となるように押込量Hpが設定で
きるため、異方性導電ゴムシートを押圧する際に所定の
適正な許容圧力で加圧される状態が維持でき、歪み量が
規制された安定的な状態に異方性導電ゴムシートが保持
でき、耐久性の向上が確保されることとなる。
【0034】次に、異方性導電ゴムシートの作製につい
て、実施例で説明する。
【実施例1】図14において、成形装置は成形時に下型
60を支持する型支持台50と、下型60に対して対向
配置される上型62、およびそれを成形する時に押圧す
る型支持台52とを含んで構成されている。型支持台5
2は図示が省略されている昇降機構により型支持台50
に対して近接もしくは離隔可能に支持されている。上型
62は例えば磁性材料で作られ、その両端部に後述する
位置決めピンが嵌合される位置決め用の一対の孔62a
を有している。また、上型62は下型60に対向する面
に図1の被検査物の表面実装LSIの接点電極5の位置
に対応する所定の間隔をもって磁極62bが複数配列さ
れている。磁極62bの電極間及び上型の両端部には、
非磁性材料で絶縁部62cが設けられている。上型62
のには各磁極62bが磁場を形成するための誘導電力を
供給するコイル部56が接続されている。
【0035】下型60は、上型62と同様に磁性材料と
非磁性材料で作られその両端部に位置決め用の位置決め
ピン58が嵌合される透孔60aをそれぞれ有してい
る。下型60には、上型62の各磁極62bごとに対向
して磁極60bが配列されており、その各磁極間および
両端部には、非磁性材料で絶縁部62cが設けられてい
る。また、上型62または下型には加圧力を制限するた
めの側壁を形成する凹部70を有している。さらに、下
型60には磁極60bに磁場を形成するための誘導電力
を供給するコイル部54が接続されている。
【0036】かかる構成のもとで、例えば、電気的絶縁
材料として硬度が40度のシリコーンゴムを用い、これ
に粒子表面に金メッキをしたニッケル粒子を7重量%と
なる割合で混合し、成形材料組成物(ペースト)64を
調製した。使用したニッケル粒子の平均粒子径は40μ
mであった。次に、図14に示される構成において、先
ず、上型62および下型60が互いに離隔した状態にお
いて、上記の割合で調製した成形材料組成物64を、下
型60に適量塗布し、真空下で脱泡した後、導電ゴムシ
ートに必要な厚さに応じてスペーサー27をセットす
る。
【0037】次に、型支持台56が下降されて上型62
を押圧し位置決めピン58Aが上型62の孔62aにそ
れぞれ嵌合され、図15に示すように型を閉じ、厚さ方
向に所定の圧縮力が成形材料組成物ペースト64に作用
されるもとで、電磁石による平行磁場を作用させ成形材
料組成物ペースト64を硬化させ成形した。成形は、コ
イル部56および54からの4000ガウスの磁力が磁
極60bおよび磁極62bの間に厚さ方向に形成される
平行磁場中で、100℃で1時間架橋を行う。これによ
り、ペースト64は、導電性粒子が各導電部を形成し、
加熱硬化され、型からはずして異方性導電ゴムシートを
得た。
【0038】以上のようにして製造した異方導電性ゴム
シートを、図12に示すように表面実装LSIと検査基
板上との間に挟み、これら3者の相互の電極位置合わせ
をして固定した。これを加圧圧縮した状態で保持し、検
査基板の接点電極より異方導電性ゴムシートの導電部を
通じて表面実装LSIの接点電極へ導通させ、表面実装
LSI7の電気的動作検査を行った。その結果、十分な
性能を持って電気的特性の検査が行えた。また、長時間
くりかえし検査を行ったが、導通不良や劣化が無く、長
期間にわたって安定した検査をすることができた。
【0039】
【実施例2】異方性導電ゴムシートのシート部と側壁と
のゴムの硬度や弾性率を変えたり、あるいはゴム質重合
体の種類を変えて耐久性、耐熱性、対候性などを向上さ
せる等の特徴を持たせた異方性導電ゴムシートを上記と
同様にして作製し、上記と同様にして良好な検査を行う
ことが出来た。
【0040】
【実施例3】図16に示すように、上型62に側壁を形
成する凹部70を有していない以外は、実施例1と同じ
構成で作られた上型66と下型60とを用いて、実施例
1と同様にして1層目の異方導電性ゴムシートを作製し
た。次に、側壁を作製するため、上記金型において下型
に導電ゴムシート73(図17)が残るように上型を下
型より取り外し、凹部を有する上型62を取り付け、図
17のようにシリコーンゴム67のみを上型62の凹部
に塗布し、真空脱泡をする。これを1層目に残っている
導電ゴムシート上に位置合わせし、上下型を重ね合わせ
て1層目と同じ方法により加熱硬化させて、積層された
異方性導電ゴムシートを作製した。得られた異方性導電
ゴムシートについて、実施例1と同様にして良好な検査
を行うことが出来た。
【0041】
【実施例4】図4に示すように異方性導電ゴムシートの
側壁の材質がゴムとは異なるもの、例えば耐熱性プラス
チック材料であるPES(ポリエチレンスルホン)樹
脂、PEI(ポリエチレンイミド)樹脂、PPS樹脂、
ポリイミドフィルムあるいは、アルミニウム合金材料等
で作られた場合、硬度や弾性率を変えたり、耐久性、耐
熱性、対候性などを向上させる等の特徴を持たせた異方
性導電ゴムシートを作製することができる。以下のよう
な製造方法について例示する。まず実施例3の手順に従
って1層目の異方性導電ゴムシート73を作製する。こ
れを図18に示すように金型内に入れ、その異方性導電
ゴムシート73の表面に、例えばシリコーン68を接着
剤として薄く塗り、別に製造したPES製の側壁69を
所定の位置に合わせて貼り付け、上型66と下型60の
間に必要な厚さのスペーサー71を挟み込んだ状態で上
型で圧接し、磁場を形成するための誘導電力を供給せず
にシリコーンを架橋させ、図4に示す異方性導電ゴムシ
ートを作製した。得られた異方性導電ゴムシートについ
て、実施例1と同様にして良好な検査を行うことが出来
た。
【0042】
【発明の効果】本発明の異方性導電ゴムシートは、表面
実装LSIなどの被検査物と加圧され電気的接続が行わ
れる際に、側壁の作用で押圧部材の当接部における加圧
力を制限する加圧力制限部とが備えられているので、許
容範囲の加圧力を被検査物の各端子電極に均等に加える
ことができ、安定した圧縮荷重が得られるとともに繰り
返し圧縮下においても圧縮接続に対する耐久性が優れて
いる。加えて、被検査物の接点電極と異方性導電ゴムシ
ートの電極(導電部)とを対応させて電気的に導通する
よう位置決めする際、異方性導電ゴムシートが側壁を有
していることで、相互の電極が正確に対応し、電気的に
導通するよう位置決めを容易にかつ正確に行うことがで
きる。これによって電気的にも安定した接続が可能とな
るとともに高密度の端子を有する半導体素子等の被検査
物についても容易に試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す断面図である。
【図2】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す断面図である。
【図3】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す断面図である。
【図4】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す断面図である。
【図5】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す平面図である。
【図6】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す断面図である。
【図7】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す断面図である。
【図8】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す断面図である。
【図9】本発明に係る異方性導電ゴムシートの一例を示
す平面図である。
【図10】本発明に係る異方性導電ゴムシートに示され
る例における要部を示す断面図である。
【図11】本発明に係る異方性導電ゴムシートに示され
る例における要部を示す断面図である。
【図12】本発明に係る検査治具の一例の動作説明に供
される図である。
【図13】異方性導電ゴムシートのひずみ量と抵抗値の
関係を示す図である。
【図14】本発明に係る異方性導電ゴムシートを成形す
る成形装置の概略構成図である。
【図15】本発明に係る異方性導電ゴムシートを成形す
る成形装置の概略構成図及び各工程の説明に供される断
面図である。
【図16】本発明に係る異方性導電ゴムシートを成形す
る成形装置の概略構成図及び各工程の説明に供される断
面図である。
【図17】本発明に係る異方性導電ゴムシートを成形す
る成形装置の概略構成図及び各工程の説明に供される断
面図である。
【図18】本発明に係る異方性導電ゴムシートを成形す
る成形装置の概略構成図及び各工程の説明に供される断
面図である。
【符号の説明】
1、7、8 異方性導電ゴムシート 2、10 絶縁部 3、11 導電部 4、23 表面実装LSI 5、21、24 接点電極 6、12、13、14、15、16、18、19、2
0、22、32 側壁 9 枠 60 下型 60b 磁性材料 60c 非磁性材料 62、66 上型 62b 磁性材料 62c 非磁性材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 21:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性材料内に導電部を有する異方性
    導電ゴムシートであって、該導電部は被検査物の端子電
    極と電気的に接続可能であり、かつ該被検査物の端子電
    極が係合される被係合部が設けられる接続部を有するこ
    とを特徴とする異方性導電ゴムシート。
  2. 【請求項2】異方性導電ゴムシートの接合部が被検査物
    の端子電極と異方性導電ゴムシートの導電部とを導通さ
    せるべく位置合わせをする機構を有することを特徴とす
    る請求項1記載の異方性導電ゴムシート。
  3. 【請求項3】被検査物の端子電極と異方性導電ゴムシー
    トの導電部とを導通させるべく両者を圧着させる際、異
    方性導電ゴムシートに加わる加圧力を制限する加圧力制
    限部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    異方性導電ゴムシート。
  4. 【請求項4】前記異方性導電ゴムシートにおける導電部
    が、所定の圧力が作用されたとき選択的に導通状態とな
    る複合導電材料により形成されることを特徴とする請求
    項1記載の異方性導電ゴムシート。
  5. 【請求項5】請求項1記載の異方性導電ゴムシートが、
    被検査物と検査用治具基板との間に配置されてなること
    を特徴とする被検査物の電気的検査装置。
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