JPH11214375A - 塗布膜形成装置 - Google Patents

塗布膜形成装置

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JPH11214375A
JPH11214375A JP3050298A JP3050298A JPH11214375A JP H11214375 A JPH11214375 A JP H11214375A JP 3050298 A JP3050298 A JP 3050298A JP 3050298 A JP3050298 A JP 3050298A JP H11214375 A JPH11214375 A JP H11214375A
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和宏 竹下
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誠 村松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばTEOSのコロイドを溶媒に分散させ
た塗布液を半導体ウエハに塗布ユニットで塗布し、次い
で塗布膜中のコロイドをエ−ジングユニットでゲル化し
て、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜を得る場合に、
溶媒の蒸発を抑えて良質な膜とすること。 【解決手段】 塗布ユニット20とエ−ジングユニット
30とを、同一ユニット内に互いに隣接して配置し、塗
布ユニット20で処理されたウエハWを、専用のサブア
−ム51によりエ−ジングユニット30に搬送する。こ
のようにすると、塗布ユニット20にて処理されたウエ
ハWを速やかにエ−ジングユニット30に搬送すること
ができるので、塗布膜中の溶媒の蒸発が抑えれ、良質な
膜を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の上に塗布膜
を塗布して例えばシリコン酸化膜を形成する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの層間絶縁膜を形成する
方法として、CVD法や熱酸化法などがあるが、その他
にゾル−ゲル法と呼ばれている方法がある。この方法
は、例えばTEOS(テトラエトキシシラン;Si(C
2 5 O)4 )のコロイドをエタノ−ル溶液などの有機
溶媒に分散させた塗布液を半導体ウエハ(以下単にウエ
ハという)の表面に塗布し、その塗布膜をゲル化した後
乾燥させてシリコン酸化膜を得る手法であり、特開平8
−162450号及び特開平8−59362号などに記
載されている。
【0003】この方法における塗布膜の変性の様子を模
式的に図11に示すと、先ず塗布液をウエハに塗布した
ときにはTEOSの粒子あるいはコロイド100が溶媒
200中に分散された状態になっており(図11(a)
参照)、次いでこの塗布液がアルカリ性雰囲気に晒され
ることによりTEOSが縮重合すると共に加水分解して
塗布膜がゲル化し、TEOS300の網状構造が形成さ
れる(図11(b)参照)。
【0004】そして塗布液中の水分を除去するために塗
布膜中の溶媒を他の溶媒400に置き換え(図11
(c)参照)、その後乾燥させてシリコン酸化膜の塗布
膜が得られる。なお図11(c)に示す溶媒の置換工程
では、水分を除去する目的の他にエタノ−ルよりも表面
張力の小さい溶媒を用いて、溶媒が蒸発するときにTE
OSの網状構造体に大きな力が加わらないようにして膜
の構造が崩れることを抑える目的もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなゾル−ゲル
法を実際の製造ラインに適用しようとすると、塗布液を
ウエハに塗布するための塗布ユニット、塗布膜をゲル化
するためのゲル化ユニット及び塗布膜中の溶媒を別の溶
媒に置換するための置換ユニットが必要であり、またウ
エハに対する疎水化処理などの前処理を行うための前処
理ユニット、ウエハを乾燥させるためのベ−クユニット
なども必要であって、さらにこれら各ユニット間にウエ
ハを搬送するための搬送機構を設けて装置が構成され
る。
【0006】ところでウエハに塗布液を塗布すると、溶
媒が有機溶剤であるため蒸発し、蒸発量が多いと予定の
膜厚、膜質が得られないという問題がある。
【0007】本発明はこのような事情の下になされたも
のであり、その目的は、コロイドあるいは粒子状の成膜
成分の出発物質を溶媒に分散させた塗布液を基板に塗布
した後、次段の工程を速やかに実施することができ、良
質な薄膜例えば層間絶縁膜を得ることのできる技術を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため本発明の塗布膜
形成装置は、成膜成分の出発物質の粒子またはコロイド
を溶媒に分散させた塗布液を基板に塗布して塗布膜を形
成するための塗布部と、この塗布部に隣接して設けら
れ、当該塗布部にて形成された塗布膜中の粒子またはコ
ロイドをゲル化するためのゲル化処理部と、前記塗布液
を基板に塗布する前の処理を行うための複数の前処理部
と、前記ゲル化処理部にて処理された後の基板を乾燥す
るための複数の加熱部と、外部からの基板を受け取るた
めの受け取り部と、この受け取り部から基板を受け取っ
て前記前処理部を介して塗布部に搬送すると共に、前記
ゲル化処理部にて処理された後の基板を前記加熱部に搬
送する主搬送部と、前記塗布部で塗布された基板をゲル
化処理部に搬送する補助搬送部と、を備えたことを特徴
とする。
【0009】このような発明によれば、基板は塗布部か
らゲル化処理部まで専用の補助搬送部により搬送される
ので、基板に塗布液が塗布された後は速やかに次段の工
程に移行でき、これにより溶媒の蒸発が抑えられ、この
結果良質な薄膜が得られる。
【0010】ここで前記塗布膜形成装置では、前記補助
搬送部における基板の搬送路には前記溶媒の成分の蒸気
例えばエチレングリコ−ルを供給する手段を備えるよう
にしてもよいし、前記塗布部及びゲル化処理部を覆うた
めのケ−スと、このケ−ス内に前記溶媒の成分の蒸気を
供給するための手段と、を備えるようにしてもよく、こ
の場合には基板の搬送中における塗布膜中の溶媒の蒸発
がさらに抑えられる。
【0011】また前記塗布膜形成装置に、ゲル化処理部
に隣接して設けられ、ゲル化処理部にて処理された基板
に前記溶媒とは別の溶媒を供給し、前記塗布膜中の溶媒
を別の溶媒と置換するための溶媒置換処理部を備え、補
助搬送部によりゲル化処理部にて処理された基板を前記
溶媒置換処理部に搬送するようにしてもよい。この場合
には、溶媒の大きな表面張力がTEOSの網状構造に加
わる時間が短縮されるので、膜の構造の崩れが抑えら
れ、良質な薄膜が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
塗布膜形成装置の全体構成を概略的に示す平面図であ
る。11は基板であるウエハの入出力ポ−トであり、1
2は受け取り部をなす搬送ア−ム、13は主搬送部をな
すメインア−ムである。メインア−ム13の搬送路(ガ
イドレ−ル)14の一方側には、塗布部である塗布ユニ
ット20とゲル化処理部であるエ−ジングユニット30
とを備えた塗布・エ−ジングユニット2及び溶媒置換処
理部である溶媒置換ユニット4がこの順に並んで配列さ
れている。
【0013】また前記搬送路14の他方側にも処理ユニ
ットU1〜U4が並んでおり、これら処理ユニットU1
〜U4については、疎水化処理、冷却処理及び熱処理
(べ−ク処理)などを行うためのユニットが夫々割り当
てられる。本実施の形態では前記疎水化処理や冷却処理
を行うためのユニットが、塗布液をウエハWに塗布する
前の処理を行うための前処理部に相当し、また前記熱処
理を行うためのユニットが、エ−ジングユニット30に
て処理されたウエハWを乾燥するための加熱部に相当す
る。
【0014】前記搬送ア−ム12及びメインア−ム13
はx方向及びy方向に移動自在、回転自在に構成されて
おり、カセットステ−ジCSに置かれたカセットCから
ウエハWが搬送ア−ム12により取り出されてメインア
−ム13に受け渡され、当該ウエハWはメインア−ム1
3によって前記各ユニット2,4,U1〜U4に順次搬
送されるようになっている。
【0015】続いて前記塗布・エ−ジングユニット2に
ついて図2〜図4を参照して説明するが、このユニット
には図2に示すように例えば塗布ユニット20とエ−ジ
ングユニット30とが隣接して設けられている。先ず塗
布ユニット20について図3を参照しながら述べると、
この塗布ユニット20は、上面が蓋21によって開閉さ
れる固定カップ22と、このカップ22の底面から挿入
され、駆動部23によって昇降及び回転できる回転軸2
4と、この回転軸24の上端に設けられたウエハ保持部
であるバキュ−ムチャック25と、前記蓋21に組み合
わせて設けられ、ウエハWの中心部に塗布液を供給する
ための塗布液ノズル26とを備えている。カップ22に
は、溶媒蒸気発生源27aにて発生した、塗布液で用い
られている溶媒の蒸気を供給するための溶媒蒸気供給管
27が接続されると共に、更にドレイン管28、排気管
29が接続されている。
【0016】また前記エ−ジングユニット30について
図4を参照しながら説明すると、このエ−ジングユニッ
ト30は、ヒ−タ31aを内蔵した例えばセラミックス
からなる加熱プレ−ト31と、この加熱プレ−ト31の
上方に処理室をなす空間Sを形成するように、当該加熱
プレ−ト31の周縁部にシ−ル部材32を介して密接す
ると共に、加熱プレ−ト31に対して接離する蓋33
と、加熱プレ−ト31に置かれたウエハWを囲むよう
に、当該加熱プレ−ト31の表面に供給口が形成された
ガス供給路34と、蓋33の中央部に吸い込み口が形成
された排気路35と、加熱プレ−ト31とその上方位置
との間でウエハWを昇降させる例えば3本の昇降ピン3
6とを備えている。なお蓋33にも加熱手段例えばヒー
タを設けることが好ましい。
【0017】これら塗布ユニット20の固定カップ22
ととエ−ジングユニット30とは、例えば図2に示すよ
うに共通の水平な基台50上に隣接して配設されてお
り、基台50上のこれらのユニット20,30の間には
補助搬送部をなすサブア−ム機構5が設けられている。
【0018】このサブア−ム機構5は塗布ユニット20
で処理されたウエハWをエ−ジングユニット30まで専
用に搬送するためのものであり、このため例えばウエハ
Wの下面の周縁部の一部を保持するサブア−ム51を備
えると共に、このサブア−ム51がガイドレ−ル52に
沿って水平方向(図1中x方向)に移動可能に構成さ
れ、さらにガイドレ−ル52自体が駆動部53によって
鉛直な回転軸54を介して水平な方向に回転可能に構成
されている。こうしてサブア−ム51は、塗布ユニット
20とエ−ジングユニット30との間でウエハWを受け
取るために向きが反転されると共に、待機位置(図2中
実線で示す位置)と塗布ユニット20からウエハWを受
け取る位置との間及び待機位置とエ−ジングユニット3
0にウエハWを受け渡す位置との間を移動できるように
なっている。またこの例ではガイドレ−ル52が基台5
0よりも上方側に位置するように配置されている。
【0019】またサブア−ム51の上方側には、塗布ユ
ニット20とエ−ジングユニット30との間のウエハW
の搬送路(ガイドレ−ル52)に、塗布液で用いられて
いる溶媒の成分の蒸気を供給するための手段をなす溶媒
蒸気供給部55が設けられている。この溶媒蒸気供給部
55は、待機位置にあるサブア−ム51と対向するよう
に設けられた溶媒の蒸気を分散するための分散室56
と、この分散室56の下面に取り付けられ、多数の蒸気
孔57aが穿設された蒸気拡散板57とを備えており、
前記分散室56には、例えば図示しない溶媒蒸気発生源
にて発生した溶媒の蒸気を供給するための溶媒蒸気供給
管58が接続されている。
【0020】続いて前記溶媒置換ユニット4について図
5を用いて説明する。このユニット4は、ウエハWを水
平に保持して回転させるバキュ−ムチャック41と、こ
のチャック41上のウエハWを囲むように設けられ、排
液孔40を有する回転カップ42と、この回転カップ4
2の外側に設けられ、排液路41a及び排気路41bが
接続された固定カップ43と、ウエハWに溶媒を供給す
るためのノズル44とを備えている。また図中45はチ
ャック41の回転軸41aを回転及び昇降させるための
駆動部、42aは回転カップ4を回転させるための駆動
部である。
【0021】前記固定カップ43の上面の開口部は昇降
可能な蓋46により開閉されるように構成されている。
また前記ノズル44としては、この例ではエタノ−ル、
HMDS(ヘキサメチルジシラン)及びヘプタンを夫々
吐出する3個のノズル44a,44b,44Cが用意さ
れており、これらノズル44a,44b,44cは、こ
の順に搬送ア−ム47により夫々ノズル受け部48a,
48b,48cから把持して取り出され、ウエハWの中
心部の上方側に搬送されるようになっている。
【0022】このような塗布膜形成装置では、疎水化処
理及び冷却処理が行なわれたウエハWがメインア−ム1
3により塗布・エ−ジングユニット2、溶媒置換ユニッ
ト4、ベ−ク処理を行うユニットに順次搬送され、各ユ
ニットにおいて所定の処理が行われることによりウエハ
W表面にシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜が形成され
る。
【0023】続いて塗布・エ−ジングユニット2及び溶
媒置換ユニット4にて行われる処理について説明する。
先ず塗布・エ−ジングユニット2では、塗布ユニット2
0にてウエハWの表面に塗布液を塗布して塗布膜を形成
する処理が行なわれた後、当該ウエハWがサブア−ム5
1によりエ−ジングユニット30に搬送され、次いで当
該ユニット30においてウエハW上に形成された塗布膜
の粒子またはコロイドをゲル化する処理が行なわれる。
【0024】具体的には、塗布ユニット20では、前記
メインア−ム13により塗布ユニット20まで搬送され
たウエハWは、例えば図3の鎖線の位置でチャック25
に受け渡され、チャック25が下降した後、蓋21によ
りカップ22が密閉される。ここで用いられる塗布液
は、金属アルコキシドであるTEOSのコロイドあるい
は粒子を、有機溶媒である例えばエチレングリコ−ル及
びエチルアルコ−ルと更に水及び微量の塩酸とを含む溶
媒に分散させたものである。エチレングリコ−ルは塗布
時の塗布液の粘度を適切な値に調整する役割の他、塗布
後の工程では蒸気圧の低いエチルアルコ−ルはほとんど
蒸発してしまうと考えられるので、溶媒として残って
(エチレングリコ−ルは蒸気圧が高いので)その蒸発を
押さえる役割もある。
【0025】そしてこの例では例えば排気管29から排
気をしながら溶媒蒸気供給管27からエチレングリコ−
ルの蒸気をカップ22内に供給し、カップ22内が蒸気
で満たされた後排気を止め、ノズル26から塗布液をウ
エハWの中心部に供給する。次いでチャック25により
ウエハWを回転させ、塗布液を遠心力によりウエハW表
面に伸展させて塗布膜を形成する。このようにカップ2
2内をエチレングリコ−ルの蒸気で満たした状態で処理
を行うのは、塗布液中の溶媒の蒸発を抑えるためであ
る。なお図示していないがこの後カップ22内のノズル
から溶剤がウエハWの周縁部に吹き付けられて周縁部の
塗布膜が除去される。
【0026】こうして塗布ユニット20にて塗布処理を
行った後、ウエハWをサブア−ム51によりエ−ジング
ユニット30まで搬送する。先ず例えば蓋21を少し持
ち上げた状態にしてカップ22内を排気し、蓋21及び
チャック25を上昇させて、ウエハWをチャック25か
らサブア−ム51に受け渡す。つまり溶媒蒸気供給部5
5からガイドレ−ル52上に溶媒例えばエチレングリコ
−ルの蒸気を供給し、サブア−ム51の向きを塗布ユニ
ット20側に向け、当該サブア−ム51を待機位置から
塗布ユニット20からウエハWを受け取る位置まで移動
させて、ウエハWをチャック25からサブア−ム51に
受け渡す。
【0027】そしてエ−ジングユニット30の蓋33を
上昇させて、サブア−ム51の向きをエ−ジングユニッ
ト30側に向け、当該サブア−ム51をエ−ジングユニ
ット30にウエハWを受け渡す位置まで移動させ、昇降
ピン36とサブア−ム51との協動作用により、サブア
−ム51から加熱プレ−ト31上にウエハWを受け渡
す。
【0028】次いでエ−ジングユニット30では、ウエ
ハW上の塗布膜に含まれるTEOSのコロイドをゲル化
して、コロイドを網目状に連鎖させる処理が行われる。
つまりエ−ジングユニット30では加熱プレ−ト31に
ウエハWが載置された後、蓋33を閉じ、排気路35か
ら排気しながら、ガス供給路34から例えばエチレング
リコ−ルの蒸気を処理室内に導入する。このときウエハ
Wは例えば100℃前後に加熱されている。
【0029】前記TEOSのコロイドをゲル化して、コ
ロイドを網目状に連鎖させる処理は塗布膜を加熱するこ
とにより促進されるが、この際加熱を行う代わりにアン
モニアガスを用い、当該アンモニアガスをアルカリ触媒
として用いてTEOSに作用させ、ゲル化を促進させる
ようにしてもよい。またエチレングリコ−ルの蒸気を処
理室内に導入しているのは塗布膜中の溶媒の蒸発を抑え
るためであり、従って例えば処理室内の温度において飽
和蒸気(エチレングリコ−ルの相対湿度で100%)と
なるように、配管及び蒸気発生源などが温度調整され
る。
【0030】続いて溶媒置換ユニット4にて行われる処
理について説明する。前記エ−ジングユニット3にて処
理されたウエハWは加熱プレ−ト31からメインア−ム
13に受け渡され、このメインア−ム13により溶媒置
換ユニット4に搬送される。そしてこのユニット4で
は、塗布液の溶媒とは別の溶媒を供給し、ウエハW上に
形成された塗布膜中の溶媒を別の溶媒と置換する処理が
行われる。
【0031】具体的には蓋46が開いている状態で、固
定カップ43の上方位置にてチャック41にメインア−
ム13からウエハWを受け渡し、チャック41を下降さ
せる。次いで先ずノズル44aから水分が可溶な薬品例
えばエタノ−ルをウエハWのほぼ回転中心部に滴下しす
ると共にウエハWと回転カップ42とを回転させ、遠心
力によりエタノ−ルをウエハW表面全体に拡散させる。
これによって塗布膜中の水分にエタノ−ルが溶け込み、
結果として水分がエタノ−ルで置換されることになる。
【0032】続いて蓋46を開け、同様にしてHMDS
をウエハW表面のほぼ回転中心部に供給し、塗布膜中の
水酸基を除去する。さらにヘプタンをウエハW表面のほ
ぼ回転中心部に供給し、塗布膜中の溶媒をヘプタンによ
って置き換える。ヘプタンを用いる理由は、表面張力が
小さい溶媒を用いることによりポ−ラスな構造体つまり
TEOSの網状構造体に加わる力を小さくしてそれが崩
れないようにするためである。なお溶媒置換ユニット4
は、固定カップ43及び回転カップ42の2重カップ構
造の例で説明したが、塗布ユニット2と同様に固定カッ
プのみを用いた構造としてもよい。
【0033】上述の実施の形態では、塗布ユニット20
とエ−ジングユニット30とを同一ユニット2内に隣接
して配設し、ウエハWを塗布ユニット20からエ−ジン
グユニット30まで専用のサブア−ム51により搬送す
るようにしたので、塗布ユニット20にて塗布処理が行
われたウエハWは、別のウエハWの搬送を待つことなく
速やかにエ−ジングユニット30まで搬送されて処理さ
れる。このため塗布膜の溶媒の蒸発が抑えられた状態で
ゲル化処理を行うことができるので、予定している膜
厚、膜質が確保できる。
【0034】さらに塗布ユニット20とエ−ジングユニ
ット30との間の搬送路は距離が短いので、搬送時間が
短かくなり、搬送中の塗布膜の溶媒の蒸発をより低減で
きる上、搬送路にはエチレングリコ−ルの蒸気が供給さ
れているので、このエチレングリコ−ルにより搬送中の
前記溶媒の蒸発がさらに抑えられる。
【0035】ここでサブア−ム51が無い場合には、塗
布ユニット20とエ−ジングユニット30との間をメイ
ンア−ム13で搬送することになる。このため塗布処理
が終了しても、メインア−ム13が他のユニット間の搬
送に用いられている場合にはメインア−ム13を待つ必
要がある。またメインア−ム13は中央のガイドレ−ル
14に沿って移動するので、塗布ユニット20とエ−ジ
ングユニット30との間の搬送路が長くなってしまい、
搬送時間が長くなる。このためウエハWを塗布ユニット
20からエ−ジングユニット30まで搬送するまでにか
なりの時間がかかるので、塗布膜の溶媒の蒸発量が多く
なるおそれがある。
【0036】続いて本発明の他の実施の形態について図
6及び図7を用いて説明する。この実施の形態は、塗布
・エ−ジングユニット2全体を処理室(ケ−ス)6で覆
うと共に、処理室6内を塗布膜の溶媒の成分例えばエチ
レングリコ−ルの蒸気で満たすことを特徴とするもので
ある。前記処理室6のガイドレ−ル14に対向する側壁
には、メインア−ム13から塗布ユニット20にウエハ
Wを受け渡すための開口部61aと、エ−ジングユニッ
ト30からメインア−ム13にウエハWを受け渡すため
の開口部61bとが夫々適切な位置に形成されており、
これら開口部61a,61bは常時はドア62a,62
bにより閉じられている。
【0037】また処理室6には溶媒蒸気発生源63にて
発生したエチレングリコ−ルの蒸気を供給するための溶
媒蒸気供給管64と排気管65とが夫々接続されてい
る。ここでこの例では溶媒蒸気発生源63と溶媒蒸気供
給管64とにより処理室6内に前記溶媒の成分の蒸気を
供給するための手段が構成されている。
【0038】この実施の形態では、処理室6内を排気し
ながら、当該処理室6内にエチレングリコ−ルの蒸気を
供給して、例えば処理室6内がエチレングリコ−ルの飽
和蒸気となるように調整されている。そして処理室6内
をエチレングリコ−ル雰囲気とした状態で、ドア62a
を開いてメインア−ム13から塗布ユニット20のチャ
ック25上にウエハWを受け渡し、ドア62aを閉じ
る。次いで既述のように塗布膜の形成処理を行なって、
ウエハWを塗布ユニット20からサブア−ム51により
エ−ジングユニット30に搬送し、エ−ジングユニット
30にてゲル化処理を行なう。この後ドア62bを開い
て加熱プレ−ト31からメインア−ム13にウエハWを
受け渡す。
【0039】このような構成では、処理室6内はエチレ
ングリコ−ルの蒸気で満たされているので、塗布ユニッ
ト20にて塗布処理を行なってから、エ−ジングユニッ
ト30でゲル化処理を行なうまでの工程全体に亘って塗
布膜中の溶媒の蒸発が抑えられる。このためさらに塗布
膜のゲル化の阻害が抑えられるので、より良質な薄膜を
形成することができる。
【0040】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて図8により説明する。本実施の形態は塗布ユニット
20とエ−ジングユニット30及び溶媒置換ユニット4
とを同一ユニット70内にこの順に隣接して設け、エ−
ジングユニット30と溶媒置換ユニット4との間に、エ
−ジングユニット30にて処理されたウエハWを溶媒置
換ユニット4に専用に搬送するための補助搬送部をなす
サブア−ム機構7を設けたことである。
【0041】この例においても塗布ユニット20とエ−
ジングユニット30との間には、塗布ユニット20にて
処理されたウエハWをエ−ジングユニット30に専用に
搬送するためのサブア−ム機構5が設けられており、エ
−ジングユニット30と溶媒置換ユニット4との間のサ
ブア−ム機構7はこのサブア−ム機構5と同様に構成さ
れている。つまりサブア−ム71はエ−ジングユニット
30と溶媒置換ユニット4との間で向きが反転されると
共に、両ユニット30,4間をガイドレ−ル(搬送路)
72に沿って移動可能に構成されている。
【0042】この実施の形態では、メインア−ム13か
ら塗布ユニット20のチャック25上にウエハWを受け
渡し、このユニット20において塗布処理を行なった
後、ウエハWをサブア−ム51によりエ−ジングユニッ
ト30に搬送し、加熱プレ−ト31に受け渡す。次いで
このユニット30にてゲル化処理を行なった後、ウエハ
Wをサブア−ム71に受け渡して溶媒置換ユニット4に
搬送し、チャック41上に受け渡す。そしてこのユニッ
ト4にて溶媒の置換処理を行なった後、ウエハWをチャ
ック41からメインア−ム13に受け渡し、このア−ム
13にて当該ウエハWをベ−ク処理を行なうユニットに
搬送する。
【0043】このような構成では、塗布ユニット20と
エ−ジングユニット30との間のみならず、エ−ジング
ユニット30と溶媒置換ユニット4との間のウエハWの
搬送も速やかに行われる。このため塗布膜の溶媒の蒸発
が抑えられた状態でゲル化処理を行うことができるの
で、膜減り、膜質の悪化が抑えられるうえ、溶媒の大き
な表面張力がTEOSの網状構造に加わる時間が短いの
で、膜の構造が崩れることが抑えられるので、さらに良
質な薄膜を形成することができる。
【0044】以上において本発明では補助搬送部を図9
に示すように構成してもよい。この例では、例えば塗布
ユニット20,エ−ジングユニット30,溶媒置換ユニ
ット4は夫々別ユニットとして構成されている。補助搬
送部8は、例えばウエハWの両周縁部の一部を挟んで保
持する一対のア−ム部材81a,81bを備えており、
このア−ム部材81a,81bは、開閉機構82によっ
て例えばy方向に開閉自在に構成されている。また開閉
機構82は各ユニット20,30,4の上方位置にて、
ガイドレ−ル83に沿ってx方向に移動可能に構成され
ている。
【0045】このような構成では、ウエハWは塗布ユニ
ット20からエ−ジングユニット30まで、及びエ−ジ
ングユニット30から溶媒置換ユニット4までをア−ム
部材81a,81bにより保持されてガイドレ−ル83
に沿って専用に搬送される。このためこれらユニット2
0,30,4が別ユニットとして構成される場合であっ
ても、これらユニット間のウエハWの搬送が速やかに行
われ、この結果塗布膜中の溶媒の蒸発が抑えられるの
で、薄膜の膜質の悪化が防止される。なおこの補助搬送
部は塗布ユニット20,エ−ジングユニット30,溶媒
置換ユニット4が同一ユニットとして構成される場合に
適用してもよいし、塗布ユニット20とエ−ジングユニ
ット30との間のみの搬送に適用するようにしてもよ
い。
【0046】また本発明は図10に示すような縦型の塗
布膜形成装置にも適用することができる。この装置につ
いて簡単に説明すると、図中91は昇降自在、進退自
在、回転自在に構成されたメインア−ムであり、このメ
インア−ム91の一方側(左側)には、ウエハWの疎水
化処理を行なうための前処理部をなす疎水化処理ユニッ
ト92と、ウエハWに対して加熱処理(ベ−ク処理)を
行なうための加熱部をなす例えば5つの加熱ユニット9
3a〜93eが下からこの順に積み重ねられて設けられ
ている。
【0047】一方メインア−ム91の他方側(右側)に
は、装置外部からウエハWを受けとるための受け取り部
94と、塗布ユニット20,エ−ジングユニット30,
溶媒置換ユニット4とが下からこの順に積み重ねられて
設けられている。こうしてメインア−ム91の両側には
夫々複数のユニット群が設けられ、これらユニット群の
間にメインア−ム91の搬送路が形成されている。そし
て塗布ユニット20とエ−ジングユニット30の側方部
の、例えばメインア−ム91の搬送路の反対側にはケ−
ス95内に補助搬送部をなすサブア−ム96が、昇降自
在、進退自在、回転自在に設けられており、前記ケ−ス
95の内部がサブア−ム96の搬送路となっている。
【0048】このような構成でも、ウエハWは塗布ユニ
ット20とエ−ジングユニット30との間をサブア−ム
96により専用に搬送されるので、これらユニット2
0,30間の搬送が速やかに行われる。このため塗布膜
中の溶媒の蒸発が抑えられるので、薄膜の膜質の悪化が
防止される。またこの例においても、ケ−ス95内をエ
チレングリコ−ル雰囲気とするようにしてもよいし、ケ
−ス95を溶媒置換ユニット4の側方まで延長し、エ−
ジングユニット30と溶媒置換ユニット4との間でウエ
ハWをサブア−ム96により専用に搬送するようにして
もよい。なお以上において本発明では、基板としてはウ
エハに限らず液晶ディスプレイ用のガラス基板であって
もよい。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、成膜成分の出発物質で
あるコロイドあるいは粒子を溶媒に分散させた塗布液を
基板に塗布した後、次段の工程を速やかに実施すること
ができ、良質な薄膜例えば層間絶縁膜を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布膜形成装置の一実施の形態の一例
を示す平面図である。
【図2】前記塗布膜形成装置の塗布・エ−ジングユニッ
トの一例を示す断面図である。
【図3】前記塗布・エ−ジングユニットの塗布ユニット
の一例を示す断面図である。
【図4】前記塗布・エ−ジングユニットのエ−ジングユ
ニットの一例を示す断面図である。
【図5】前記塗布膜形成装置の溶媒置換ユニットの一例
を示す断面図である。
【図6】塗布・エ−ジングユニットの他の例を示す平面
図である。
【図7】塗布・エ−ジングユニットの他の例を示す斜視
図である。
【図8】前記塗布膜形成装置の他の例を示す平面図であ
る。
【図9】前記塗布膜形成装置のさらに他の例を示す平面
図である。
【図10】前記塗布膜形成装置のさらに他の例を示す平
面図である。
【図11】ゾル−ゲル法における塗布膜の変性の様子を
示す説明図である。
【符号の説明】
13 メインア−ム 2 塗布・エ−ジングユニット 20 塗布ユニット 30 エ−ジングユニット 4 溶媒置換ユニット 5,7 サブア−ム機構 6 処理室 W 半導体ウエハ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/768 H01L 21/90 Q (72)発明者 水谷 洋二 東京都港区赤坂5丁目3番6号 東京エレ クトロン株式会社赤坂事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜成分の出発物質の粒子またはコロイ
    ドを溶媒に分散させた塗布液を基板に塗布して塗布膜を
    形成するための塗布部と、 この塗布部に隣接して設けられ、当該塗布部にて形成さ
    れた塗布膜中の粒子またはコロイドをゲル化するための
    ゲル化処理部と、 前記塗布液を基板に塗布する前の処理を行うための複数
    の前処理部と、 前記ゲル化処理部にて処理された後の基板を乾燥するた
    めの複数の加熱部と、 外部からの基板を受け取るための受け取り部と、 この受け取り部から基板を受け取って前記前処理部を介
    して塗布部に搬送すると共に、前記ゲル化処理部にて処
    理された後の基板を前記加熱部に搬送する主搬送部と、 前記塗布部で塗布された基板をゲル化処理部に搬送する
    補助搬送部と、を備えたことを特徴とする塗布膜形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記補助搬送部における基板の搬送路に
    前記溶媒の成分の蒸気を供給する手段を備えたことを特
    徴とする請求項1記載の塗布膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記塗布部及びゲル化処理部を覆うため
    のケ−スと、 このケ−ス内に前記溶媒の成分の蒸気を供給するための
    手段と、を含むことを特徴とする請求項1記載の塗布膜
    形成装置。
  4. 【請求項4】 ゲル化処理部に隣接して設けられ、ゲル
    化処理部にて処理された基板に前記溶媒とは別の溶媒を
    供給し、前記塗布膜中の溶媒を別の溶媒と置換するため
    の溶媒置換処理部を備え、 主搬送部は前記溶媒置換処理部にて処理された基板を加
    熱部に搬送し、 補助搬送部はゲル化処理部にて処理された基板を前記溶
    媒置換処理部に搬送することを特徴とする請求項1、2
    または3記載の塗布膜形成装置。
  5. 【請求項5】 成膜成分の出発物質は、テトラエトキシ
    シランであることを特徴とする請求項1、2、3または
    4記載の塗布膜形成装置。
  6. 【請求項6】 溶媒の成分の蒸気は、エチレングリコ−
    ルであることを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5記載の塗布膜形成装置。
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