JPH11213914A - 偏向ヨーク装置 - Google Patents

偏向ヨーク装置

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JPH11213914A
JPH11213914A JP2777598A JP2777598A JPH11213914A JP H11213914 A JPH11213914 A JP H11213914A JP 2777598 A JP2777598 A JP 2777598A JP 2777598 A JP2777598 A JP 2777598A JP H11213914 A JPH11213914 A JP H11213914A
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JP
Japan
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lead wire
coil
deflection coil
substrate
groove
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JP2777598A
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English (en)
Inventor
Keiji Morimoto
桂司 森本
Naoki Hatakeyama
直樹 畠山
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リード線が基板に設けたリード線収納用の溝
から外れてしまうことのない偏向ヨーク装置を提供す
る。 【解決手段】 セパレータ1の側面には、リード線収納
用の溝5bを備えた基板5が取り付けられている。フラ
ンジ1a3には略L字状のリブ13が設けられている。リ
ブ13とフランジ1a3とは略コ字状の凹部14を形成す
る。水平偏向コイル2のリード線2aは、凹部14を通
して溝5bに収められ、ピン(端子)10に配線され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路等を搭載
した基板や、電気回路等を搭載せず端子のみを設けた端
子板を備えた偏向ヨーク装置に係り、特に、基板や端子
板に設けた端子に接続するリード線の保持構造を改良し
た偏向ヨーク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は従来の偏向ヨーク装置の一例を
示す斜視図、図18は従来の偏向ヨーク装置の一例を示
す一部破断の側面図である。図17,図18を用いて偏
向ヨーク装置の一般的構成について説明する。
【0003】図17もしくは図18において、この偏向
ヨーク装置は、例えば一対の半環状のものを組み合わせ
たセパレータ1により、一方(図中の下側)が大径部と
され、他方(図中の上側)が小径部とされた漏斗状に形
成されている。なお、大径部は陰極線管の画面(フェイ
ス)側であり、小径部はネック側である。このセパレー
タ1の内面にはサドル型の水平偏向コイル2が装着さ
れ、外面にはサドル型の垂直偏向コイル3が装着され、
セパレータ1は水平偏向コイル2と垂直偏向コイル3と
を電気的に絶縁して保持する。垂直偏向コイル3の外面
にはフェライト等からなるコア4が装着されている。
【0004】水平偏向コイル2は、ネック側の拡大部2
Aとフェイス側の拡大部2Bとを備え、ネック側の拡大
部2A(図18に図示)はセパレータ1の収納部1c
(図18に図示)に収納され、フェイス側の拡大部2B
は後述するフランジ1bに収納される。垂直偏向コイル
3は、ネック側の拡大部3A(図18に図示)とフェイ
ス側の拡大部3Bとを備える。
【0005】このように構成される偏向ヨーク装置に
は、通常、偏向特性を補正する回路が必要であり、この
ような回路等を搭載した基板5がセパレータ1の側面に
取り付けられている。なお、以下の説明では、基板5の
面方向より見た状態を正面図、基板5の端面より見た状
態を側面図と称することとする。基板5の回路には高電
圧が印加されているので、基板5には、感電防止と回路
等の保護のために絶縁素材で形成された保護カバー6が
被せられている。保護カバー6には複数の爪6aが形成
されており、保護カバー6はこの複数の爪6aによって
基板5に取り付けられる。なお、図17においては、保
護カバー6の図示を省略し、図18においては、保護カ
バー6を断面にて示している。
【0006】セパレータ1のネック側には、複数枚のフ
ランジ1a1,1a2,1a3なるフランジ(以下、ネック側
フランジと称する)1aが設けられており、フェイス側
にはフランジ(以下、フェイス側フランジと称する)1
bが設けられている。ネック側フランジ1aの最もネッ
ク側のフランジ1a1上には、一対の4Pコイルと称され
る4極の補正コイル7が嵌着されている。
【0007】最もフェイス側のフランジ1a3には、基板
5をセパレータ1に装着するための爪8が一体成形によ
って設けられている。基板5には、孔5a(図17に図
示)が形成されており、この孔5aにフランジ1a3に設
けた爪8が係合するようになっている。一方、フェイス
側フランジ1bには、一対の板状のリブ9が一体成形に
よって設けられている。基板5はその下端部を一対のリ
ブ9によって挟まれて保持される。このようにして、基
板5は、フランジ1a3に設けた爪8及びリブ9によっ
て、セパレータ1の側面に取り付けられる。
【0008】さらに、基板5にはリード線を接続するた
めの端子である複数のピン10が圧入されており、これ
らのピン10には、水平偏向コイル2のリード線2aや
垂直偏向コイル3のリード線3a、補正コイル7のリー
ド線7aがからませてある。また、この偏向ヨーク装置
に電流を供給するため、電源に接続するコネクタ11に
は、コネクタワイヤ12が接続されており、コネクタワ
イヤ12のリード線12aも基板5のピン10にからま
せてある。なお、コネクタワイヤ12は基板5を貫通し
てピン10に配線している。そして、ピン10とリード
線2a,3a,7a,12aはそれぞれ半田付けされて
電気的及び機械的に基板5に接続される。保護カバー6
はこれらのリード線2a,3a,7a,12aの基板5
への接続が終了した後に基板5に装着される。
【0009】ここで、リード線2a,3a,7aの基板
5のピン10への配線について、詳細に説明する。補正
コイル7は垂直偏向コイル3側の回路に接続される。周
知の通り、水平偏向コイル2と垂直偏向コイル3との間
には高い電位差があるので、補正コイル7のリード線7
aと水平偏向コイル2のリード線2aとは、絶縁のた
め、所定の沿面距離を確保することが必要である。
【0010】そこで、補正コイル7のリード線7aを、
ネック側フランジ1aのフランジ1a1,1a2間に通し、
水平偏向コイル2のリード線2aをネック側フランジ1
aのフランジ1a2,1a3間に通すことにより、両者を分
けて配線する。これによって、ネック側フランジ1aの
フランジ1a1,1a3間の管軸方向(図18の上下方向)
の間隔は狭いものの、リード線2aとリード線7aとの
必要な沿面距離を容易に確保することが可能である。
【0011】また、垂直偏向コイル3のリード線3a
は、基板5のピン10の内、水平偏向回路から十分離れ
た位置に設けた垂直偏向回路用のピン10に配線され
る。
【0012】図17に示すように、基板5の端部には、
リード線2a,3a,7aを通すための複数の溝5bが
ピン10の近傍に形成されている。基板5方向に引き回
されたリード線2a,3a,7aは、それぞれ基板5の
端部に形成した溝5bに収められ、ピン10にからませ
て半田付けされる。なお、ここでは半田は図示していな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の偏向ヨ
ーク装置においては、リード線2a,3a,7aが基板
5の溝5bより外れやすく、リード線2a,3a,7a
の断線のおそれがあったり、作業性の低下を招くという
問題点があった。この問題点について、図19及び図2
0を用いて説明する。ここでは、補正コイル7のリード
線7aを例にして説明する。なお、図19は保護カバー
6を取り付けていない状態の部分斜視図であり、図20
は保護カバー6を取り付ける直前の状態を示す一部判断
の部分側面図である。
【0014】図19に示すように、補正コイル7のリー
ド線7aをピン10にからませようとした場合、リード
線7aがピン10の先端部に偏ってしまう場合がある。
すると、基板5に近い側の補正コイル7のリード線7a
は、補正コイル7とピン10とが近く、かつ、管軸方向
に若干離れているため、図20にも一点鎖線で示すよう
に、溝5bより外れてしまう。この状態で、保護カバー
6を取り付けてしまうと、基板5の端部と保護カバー6
の端部とでリード線7aを挟んでしまい、リード線7a
を断線させてしまう。従って、作業者は、図20に実線
にて示すように、図示していない治具等を用いてリード
線7aを矢印F方向に押さえて溝5bに収め、リード線
7aをピン10にからませる作業を行わなければならな
かった。
【0015】この図20の状態では、リード線7aは弛
んだ状態であるので、振動等によってリード線7aが溝
5bより外れやすい。そのため、偏向ヨーク装置の組み
立て工程内で、リード線7aを溝5bに収め直すという
作業を行うこともあり、偏向ヨーク装置製造の作業性を
著しく低下させていた。なお、この問題点は、基板5に
遠い側の補正コイル7のリード線7aについても発生す
る可能性があり、他のリード線2a,3aについても同
様に発生する可能性がある。
【0016】さらに、上述した従来の偏向ヨーク装置に
おいては、基板5の大きさと収納部1cの大きさとの関
係によって、以下のような問題点がある。図21(A)
は、図18におけるA−A断面をネック側より見た部分
断面図である。図21(A)において、セパレータ1の
中心から収納部1cの最外部までの寸法をα、セパレー
タ1の中心から基板5のピン10までの寸法をβ、基板
5のピン10より外側の寸法をγとすると、この図21
(A)は、α>βなる関係の偏向ヨーク装置を示してい
る。即ち、この偏向ヨーク装置は比較的小さな基板5を
装着した場合である。
【0017】このようなα>βなる関係の偏向ヨーク装
置においては、水平偏向コイル2のリード線2aを、ピ
ン10の先端方向に引っ張ってピン10にからませるこ
とから、リード線2aがピン10の先端部に偏ってしま
う場合がある。すると、図示のように、リード線2aが
溝5bより外れてしまう。この状態で、保護カバー6を
取り付けてしまうと、基板5の端部と保護カバー6の端
部とでリード線2aを挟んでしまい、リード線2aを断
線させてしまうこととなる。
【0018】そこで、従来においては、リード線2aが
ピン10の先端部に偏ってしまっても、リード線2aが
必ず溝5bに収まるように、図21(B)に二点鎖線に
て示すように、基板5のピン10より外側の寸法γを長
くし、溝5bをある程度深くする必要があった。する
と、基板5は必然的に大きくなるので、保護カバー6ひ
いては偏向ヨーク装置を小型化しにくいという問題点が
あった。
【0019】さらに、図22も、図17におけるA−A
断面をネック側より見た部分断面図であり、この図22
は、セパレータ1の中心から収納部1cの最外部までの
寸法αと、セパレータ1の中心から基板5のピン10ま
での寸法βとが、α<βなる関係の偏向ヨーク装置を示
している。即ち、この偏向ヨーク装置は比較的大きな基
板5を装着した場合である。
【0020】このようなα<βなる関係の偏向ヨーク装
置においては、水平偏向コイル2のリード線2aが、図
示のように、基板5の近傍でネック側フランジ1aより
外側にはみ出してしまうことになる。すると、前述の補
正コイル7のリード線7aもしくは垂直偏向コイル3の
リード線3aと水平偏向コイル2のリード線2aとの沿
面距離を確保することができないおそれがある。
【0021】そこで、従来においては、図22に二点鎖
線で示すように、ネック側フランジ1aをある程度大き
くする必要があった。すると、セパレータ1は必然的に
大きくなり、ひいては、偏向ヨーク装置自体が大きくな
り、偏向ヨーク装置を小型化しにくいという問題点があ
った。
【0022】以上の問題点は、電気回路等を搭載した基
板を装着した偏向ヨーク装置だけでなく、電気回路等を
搭載せず端子のみを設けた端子板を装着した偏向ヨーク
装置においても同様に発生するものである。本明細書で
は、基板とは、電気回路等を搭載した基板のみならず、
電気回路等を搭載せず端子のみを設けた端子板も含むも
のとし、簡略化のため基板と称することとする。
【0023】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、リード線が基板に設けたリード線収納用の
溝から外れてしまうことなく、また、基板や偏向ヨーク
装置を小型化することも可能なリード線保持構造を備え
た偏向ヨーク装置を提供することを目的とする。さらに
は、基板にリード線収納用の溝を設ける必要がなく、リ
ード線を良好に保持することができるリード線保持構造
を備えた偏向ヨーク装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、(1)一方が大径部とさ
れ、他方が小径部とされて漏斗状に形成され、前記小径
部側に形成された第1のフランジと、前記大径部側に形
成された第2のフランジとを有するセパレータと、前記
セパレータの一方の面に保持される水平偏向コイルと、
前記セパレータの他方の面に保持される垂直偏向コイル
と、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルとは異
なる他のコイルと、前記水平偏向コイルと前記垂直偏向
コイルと前記他のコイルのリード線を接続する端子を有
すると共に、端部に前記リード線を収納する溝を有する
基板とを備えた偏向ヨーク装置において、前記水平偏向
コイルと前記垂直偏向コイルと前記他のコイルのリード
線を収納する少なくとも1つの溝の近傍に設けられ、そ
のリード線の挿通方向より見て、前記基板の端面である
前記溝の開口部をふさいで実質的に閉じた形状を形成す
るリブを設けて構成したことを特徴とする偏向ヨーク装
置を提供し、(2)一方が大径部とされ、他方が小径部
とされて漏斗状に形成され、前記小径部側に形成された
第1のフランジと、前記大径部側に形成された第2のフ
ランジとを有するセパレータと、前記セパレータの一方
の面に保持される水平偏向コイルと、前記セパレータの
他方の面に保持される垂直偏向コイルと、前記水平偏向
コイル及び前記垂直偏向コイルとは異なる他のコイル
と、前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記他
のコイルのリード線を接続する端子を有する基板とを備
えた偏向ヨーク装置において、前記水平偏向コイルと前
記垂直偏向コイルと前記他のコイルのリード線を接続す
る少なくとも1つの端子の近傍に設けられ、そのリード
線の挿通方向より見て、前記基板の端面と共に実質的に
閉じた形状を形成してそのリード線を保持するリブを設
けて構成したことを特徴とする偏向ヨーク装置を提供
し、(3)一方が大径部とされ、他方が小径部とされて
漏斗状に形成され、前記小径部側に形成された第1のフ
ランジと、前記大径部側に形成された第2のフランジと
を有するセパレータと、前記セパレータの一方の面に保
持される水平偏向コイルと、前記セパレータの他方の面
に保持される垂直偏向コイルと、前記水平偏向コイル及
び前記垂直偏向コイルとは異なる他のコイルとを備えた
偏向ヨーク装置において、開口部を管軸方向に向け、前
記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記他のコイ
ルの少なくとも1つのリード線を係止させる凹状のリー
ド線係止部を設けて構成したことを特徴とする偏向ヨー
ク装置を提供し、(4)一方が大径部とされ、他方が小
径部とされて漏斗状に形成され、前記小径部側に形成さ
れた第1のフランジと、前記大径部側に形成された第2
のフランジとを有するセパレータと、前記セパレータの
一方の面に保持される水平偏向コイルと、前記セパレー
タの他方の面に保持される垂直偏向コイルと、前記水平
偏向コイル及び前記垂直偏向コイルとは異なる他のコイ
ルと、前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記
他のコイルのリード線を接続する端子を有すると共に、
端部に前記リード線を収納する溝を有する基板とを備え
た偏向ヨーク装置において、開口部を前記基板の内側に
向け、前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記
他のコイルの少なくとも1つのリード線を係止させる凹
状のリード線係止部を設けて構成したことを特徴とする
偏向ヨーク装置を提供するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の偏向ヨーク装置に
ついて、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の
偏向ヨーク装置の第1実施例を示す斜視図、図2は本発
明の偏向ヨーク装置の第1実施例を示す一部破断の側面
図、図3は本発明の偏向ヨーク装置の第1実施例の要部
を示す部分斜視図、図4は本発明の偏向ヨーク装置の第
1実施例の要部を示す部分正面図、図5及び図6は本発
明の偏向ヨーク装置の第1実施例の作用効果を説明する
ための図、図7及び図8は本発明の偏向ヨーク装置の第
1実施例の変形例を示す部分正面図、図9は本発明の偏
向ヨーク装置の第1実施例の変形例を示す部分斜視図、
図10は本発明の偏向ヨーク装置の第1実施例の変形例
を示す部分正面図、図11は本発明の偏向ヨーク装置の
第2実施例の要部を示す部分正面図、図12は本発明の
偏向ヨーク装置の第3実施例を示す部分斜視図、図13
は本発明の偏向ヨーク装置の第3実施例を示す部分側面
図、図14は本発明の偏向ヨーク装置の第3実施例を示
す部分正面図、図15は本発明の偏向ヨーク装置の第4
実施例を示す部分斜視図、図16は本発明の偏向ヨーク
装置の第1,第3,第4実施例をまとめて示す斜視図で
ある。なお、図1〜図16において、図17〜図22と
同一部分には同一符号が付してある。
【0026】<第1実施例>図1もしくは図2におい
て、この偏向ヨーク装置は、例えば一対の半環状のもの
を組み合わせたセパレータ1により、一方(図中の下
側)が大径部とされ、他方(図中の上側)が小径部とさ
れた漏斗状に形成されている。なお、大径部は陰極線管
の画面(フェイス)側であり、小径部はネック側であ
る。このセパレータ1の内面にはサドル型の水平偏向コ
イル2が装着され、外面にはサドル型の垂直偏向コイル
3が装着され、セパレータ1は水平偏向コイル2と垂直
偏向コイル3とを電気的に絶縁して保持する。垂直偏向
コイル3の外面にはフェライト等からなるコア4が装着
されている。
【0027】水平偏向コイル2は、ネック側の拡大部2
Aとフェイス側の拡大部2Bとを備え、ネック側の拡大
部2A(図2に図示)はセパレータ1の収納部1c(図
2に図示)に収納され、フェイス側の拡大部2Bは後述
するフランジ1bに収納される。垂直偏向コイル3は、
ネック側の拡大部3A(図2に図示)とフェイス側の拡
大部3Bとを備える。
【0028】このように構成される偏向ヨーク装置に
は、通常、偏向特性を補正する回路が必要であり、この
ような回路等を搭載した基板5がセパレータ1の側面に
取り付けられている。基板5の回路には高電圧が印加さ
れているので、基板5には、感電防止と回路等の保護の
ために絶縁素材で形成された保護カバー6が被せられて
いる。保護カバー6には複数の爪6aが形成されてお
り、保護カバー6はこの複数の爪6aによって基板5に
取り付けられる。なお、図1においては、保護カバー6
の図示を省略し、図2においては、保護カバー6を断面
にて示している。
【0029】セパレータ1のネック側には、複数枚のフ
ランジ1a1,1a2,1a3なるフランジ(以下、ネック側
フランジと称する)1aが設けられており、フェイス側
にはフランジ(以下、フェイス側フランジと称する)1
bが設けられている。ネック側フランジ1aの最もネッ
ク側のフランジ1a1上には、一対の4Pコイルと称され
る4極の補正コイル7が嵌着されている。
【0030】最もフェイス側のフランジ1a3には、基板
5をセパレータ1に装着するための爪8が一体成形によ
って設けられている。基板5には、孔5a(図1に図
示)が形成されており、この孔5aにフランジ1a3に設
けた爪8が係合するようになっている。一方、フェイス
側フランジ1bには、一対の板状のリブ9が一体成形に
よって設けられている。基板5はその下端部を一対のリ
ブ9によって挟まれて保持される。このようにして、基
板5は、フランジ1a3に設けた爪8及びリブ9によっ
て、セパレータ1の側面に取り付けられる。
【0031】さらに、基板5にはリード線を接続するた
めの端子である複数のピン10が圧入されており、これ
らのピン10には、水平偏向コイル2のリード線2aや
垂直偏向コイル3のリード線3a、補正コイル7のリー
ド線7aがからませてある。また、この偏向ヨーク装置
に電流を供給するため、電源に接続するコネクタ11に
は、コネクタワイヤ12が接続されており、コネクタワ
イヤ12のリード線12aも基板5のピン10にからま
せてある。なお、コネクタワイヤ12は基板5を貫通し
てピン10に配線している。そして、ピン10とリード
線2a,3a,7a,12aはそれぞれ半田付けされて
電気的及び機械的に基板5に接続される。保護カバー6
はこれらのリード線2a,3a,7a,12aの基板5
への接続が終了した後に基板5に装着される。
【0032】ここで、リード線2a,3a,7aの基板
5のピン10への配線について、詳細に説明する。補正
コイル7は垂直偏向コイル3側の回路に接続される。周
知の通り、水平偏向コイル2と垂直偏向コイル3との間
には高い電位差があるので、補正コイル7のリード線7
aと水平偏向コイル2のリード線2aとは、絶縁のた
め、所定の沿面距離を確保することが必要である。
【0033】そこで、補正コイル7のリード線7aを、
ネック側フランジ1aのフランジ1a1,1a2間に通し、
水平偏向コイル2のリード線2aをネック側フランジ1
aのフランジ1a2,1a3間に通すことにより、両者を分
けて配線する。これによって、ネック側フランジ1aの
フランジ1a1,1a3間の管軸方向(図2の上下方向)の
間隔は狭いものの、リード線2aとリード線7aとの必
要な沿面距離を容易に確保することが可能である。
【0034】また、垂直偏向コイル3のリード線3a
は、基板5のピン10の内、水平偏向回路から十分離れ
た位置に設けた垂直偏向回路用のピン10に配線され
る。
【0035】図1に示すように、基板5の端部には、リ
ード線2a,3a,7aを通すための複数の溝5bがピ
ン10の近傍に形成されている。基板5方向に引き回さ
れたリード線2a,3a,7aは、それぞれ基板5の端
部に形成した溝5bに収められ、ピン10にからませて
半田付けされる。なお、ここでは半田は図示していな
い。
【0036】このとき、本発明の第1実施例である図
1,図2に示す構成では、ネック側フランジ1aのフラ
ンジ1a3には、略L字状のリブ13が一体成形により設
けられているので、水平偏向コイル2のリード線2a
は、リブ13とフランジ1a3とがなす略コ字状の凹部1
4(図1に図示)を通して溝5bに収められる。本発明
の要部であるリブ13について、図3及び図4を用いて
説明する。なお、図4は、図3を矢印Y方向である正面
側より見た図である。
【0037】図3に示すように、基板5はネック側フラ
ンジ1aの端面に近接して配置されている。略L字状の
リブ13は、フランジ1a3に連結した立設部13aと、
この立設部13aより管軸方向に折れ曲がった屈曲部1
3bとよりなる。そして、リブ13とフランジ1a3とが
なす略コ字状の凹部14は、フランジ1a3におけるリー
ド線2aを通す溝5bの近傍に位置し、その開口部は、
内側(管軸側)、即ち、基板5側に向いている。なお、
開口部とは、リード線2aを収納する際の入口、即ち、
屈曲部13bの先端とフランジ1a3との間のことであ
る。
【0038】図4(A)に示すように、凹部14と溝5
bとは、リード線2aの溝5bに対する挿通方向(図3
の矢印Y方向)から見て、少なくとも部分的に重なった
位置となっている。即ち、リード線2aの溝5bに対す
る挿通方向から見たとき、リブ13の立設部13aが溝
5bの開口部(基板5の端面)を閉じるようになってい
る。このとき、溝5bとリブ13によって、閉じた形
状、□abcdが形成される。
【0039】この図4(A)に示す構成では、リブ13
の立設部13a(辺bc)が基板5の端面より内側に位
置しているが、図4(B)に示すように、リブ13の立
設部13aが基板5の端面より外側に位置し、屈曲部1
3bも含めた部分が溝5bの開口部を閉じるようにして
もよい。この場合は、リード線2aを収納する部分が、
溝5bだけでなく凹部14の少なくとの一部を含んで拡
大されることになる。従って、図4(B)に示す構成よ
りも図4(A)に示す構成の方が好ましいが、図4
(B)に示す構成でもある程度の効果を得ることができ
る。
【0040】図4(A)の構成では、リード線2aの溝
5bに対する挿通方向から見れば、溝5bとリブ13に
よって□abcdが形成され、溝5bの開口部はふさが
れているが、基板5とリブ13とは、接触している訳で
はなく、両者は、リード線2aの溝5bに対する挿通方
向に離間している。従って、リード線2aを、まず、リ
ブ13とフランジ1a3とがなす略コ字状の凹部14を通
し、その後、溝5bに通すことにより、何らの困難もな
く、□abcd内に収めることができる。リード線2a
は□abcd内に収められているので、リード線2aが
溝5bより外れてしまうことはない。
【0041】本実施例では、フランジ1a3にリブ13を
形成したが、フランジ1a2にリブ13を形成してもよ
い。この場合は、フランジ1a2の図3,図4中の下面に
リブ13を形成すればよい。勿論、フランジ1a3にリブ
13を形成する場合でも、溝5bとの位置関係により、
フランジ1a3の図3,図4中の下面にリブ13を形成し
てもよい。
【0042】また、リブ13を設ける位置は、本実施例
に限定されることはなく、リード線2aを通す溝5bの
近傍であればよい。図4(C)に示すように、リブ13
をさらに内側(管軸側)に形成してもよい。これは、上
記の閉じた形状、□abcdをなくしてしまった状態で
ある。溝5bが基板5の図3,図4中の上下方向に近接
して形成されている場合には、図4(D)に示すよう
に、リブ13をフランジ1a3の下面にも設け、フランジ
1a3の上下(表裏)でリード線2a及び他のリード線を
保持するようにしてもよい。
【0043】さらに、本実施例では、リブ13とフラン
ジ1a3とによって略コ字状の凹部14を形成したが、コ
字状やU字状の凹部を有するリブをフランジ1a3等に設
けても同様の効果を奏する。また、以上説明した構成
は、水平偏向コイル2のリード線2aだけではなく、基
板5の端面方向に配線する全てのリード線に対して利用
することができる。即ち、コ字状やU字状等の凹部の開
口部を基板5の内側(第1実施例では管軸方向)に向
け、水平偏向コイル2や垂直偏向コイル3、あるいは、
他のコイル(例えば、補正コイル7)のリード線を係止
させる凹状のリード線係止部であればよい。
【0044】このようなリブ13を形成した本発明の構
成では、リード線2aが溝5bより外れないという効果
を奏するだけでなく、基板5やセパレータ1(ひいては
偏向ヨーク装置)を小型化することも可能である。これ
について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図
6において、(A)は図2におけるA−A断面をネック
側より見た部分断面図であり、(B)は(A)の部分拡
大図である。
【0045】図5及び図6の(A)において、セパレー
タ1の中心から収納部1cの最外部までの寸法をα、セ
パレータ1の中心から基板5のピン10までの寸法を
β、基板5のピン10より外側の寸法をγとする。図5
(A)は、α>βなる関係の偏向ヨーク装置を示してい
る。即ち、この偏向ヨーク装置は比較的小さな基板5を
装着した場合である。図6(A)はα<βなる関係の偏
向ヨーク装置を示している。即ち、この偏向ヨーク装置
は比較的大きな基板5を装着した場合である。
【0046】まず、図5(A)に示すα>βなる関係の
偏向ヨーク装置においては、望ましい実施形態として、
図5(B)に示すように、ピン10の先端10aと、基
板5の裏面側の端部5cとを結ぶ線15と、基板5の裏
面とによって得られる斜線を付した範囲内に、リブ13
を位置せしめる。さらに望ましくは、リード線2aが接
触する□abcdの辺bcを上記の斜線を付した範囲内
に位置せしめる。このようにすると、リード線2aをリ
ブ13とフランジ1a3とがなす略コ字状の凹部14を通
してからリード線2aをピン10に配線すると、リード
線2aを自ずと溝5bに通すことができる。
【0047】そして、リード線2aがピン10の先端部
に偏ってしまった場合でも、リード線2aは□abcd
内に収められているので、リード線2aが溝5bより外
れてしまうことはない。また、基板5のピン10より外
側の寸法γを長くして溝5bをそれほど深くする必要も
ない。図5(B)の場合では、寸法γを図示よりもさら
に短くしてもよいことが分かる。従って、基板5を必要
以上に大きくする必要がないので、基板5の小型化が可
能であり、保護カバー6ひいては偏向ヨーク装置の小型
化が可能である。
【0048】次に、図6(A)に示すα<βなる関係の
偏向ヨーク装置においては、望ましい実施形態として、
図6(B)に示すように、□abcdの辺bcを溝5b
より内側の斜線を付した範囲内に位置せしめる。このよ
うにすると、図6(A)に示すように、リード線2aが
基板5の近傍でネック側フランジ1aより外側にはみ出
してしまうことがなく、リード線2aの全てをフランジ
1a2,1a3間に収納することができる。従って、ネック
側フランジ1aを必要以上に大きくする必要はない。よ
って、セパレータ1ひいては偏向ヨーク装置の小型化が
可能である。また、溝5bもそれほど深くする必要もな
いので、基板5の小型化も可能である。
【0049】さらに、基板5を小型化することができれ
ば、保護カバー6も小型化できるので、偏向ヨーク装置
全体の小型化に対して非常に有効である。
【0050】ところで、リブ13の形状もしくはリブ1
3とフランジ1a3とがなす凹部14の形状、あるいは、
リード線2aの溝5bに対する挿通方向から見たときの
溝5bとリブ13とがなす形状は、図3,図4に示すよ
うなものに限定されることはない。リブ13や凹部14
の変形例について、図7〜図10を用いて説明する。な
お、図7,図8,図10は、溝5b付近の部分正面図で
あり、図3を矢印Y方向である正面側より見たものに相
当する。図9は、溝5b付近の部分斜視図である。
【0051】図7は、リブ13の代わりにリブ16をフ
ランジ1a3に形成したものである。このリブ16はリブ
13と同様に略L字状となっており、フランジ1a3に連
結し、大きく傾斜した立設部16aと、この立設部16
aより管軸方向に折れ曲がった屈曲部16bとよりな
る。リブ16とフランジ1a3とがなす略コ字状の凹部1
7は、フランジ1a3におけるリード線2aを通す溝5b
の近傍に位置し、その開口部は、内側(管軸側)、即
ち、基板5側に向いている。
【0052】そして、リード線2aの溝5bに対する挿
通方向から見たとき、リブ16が溝5bの開口部(基板
5の端面)を閉じ、溝5bとリブ16によって、閉じた
形状、△efgを形成することによって、リード線2a
を保持するようにしている。これによる作用効果は上記
の実施例と同様である。
【0053】図8は、リブ13の代わりにリブ18をフ
ランジ1a3に形成したものである。このリブ18はリブ
13と同様に略L字状となっており、フランジ1a3に連
結し、大きく傾斜した立設部18aと、この立設部18
aより管軸方向に折れ曲がった屈曲部18bとよりな
る。立設部18aの内側(管軸側)には、円弧状の凹部
18a1が形成されている。リブ18とフランジ1a3とが
なす略U字状の凹部19は、フランジ1a3におけるリー
ド線2aを通す溝5bの近傍に位置し、その開口部は、
内側(管軸側)、即ち、基板5側に向いている。
【0054】そして、リード線2aの溝5bに対する挿
通方向から見たとき、リブ18が溝5bの開口部を閉
じ、溝5bとリブ18によって円弧hiを有する半月状
の閉じた形状を形成することによって、リード線2aを
保持するようにしている。これによる作用効果は上記の
実施例と同様である。
【0055】図9は、リブ13の代わりに円柱状のリブ
20をフランジ1a3に形成したものである。前述のL字
状のリブ13,16,18の方がより好ましい実施形態
であるが、このような管軸方向に折れ曲がった屈曲部を
有さない形状でも効果がある。リード線2aの溝5bに
対する挿通方向から見たとき、リブ20が溝5bの開口
部を閉じ、溝5bとリブ20によって、閉じた形状を形
成することによって、リード線2aを保持するようにし
ている。
【0056】以上の実施例は、いずれも、リード線2a
の溝5bに対する挿通方向から見た状態にて、リブ1
3,16,18,20によって、溝5bの開口部を完全
に閉じるようにしたものであるが、溝5bの開口部を完
全に閉じなくてもよい。図10は溝5bの開口部を完全
に閉じない構成例であり、図9と同様、円柱状のリブ2
0をフランジ1a3に形成したものである。この図10の
構成では、リブ20の先端部と溝5bとの間に若干の隙
間がある。リブ20の先端部と溝5bとの隙間が、リー
ド線2aの線径よりも小さければ、リード線2aは溝5
bより外れることはない。従って、この場合でも同様の
効果を得ることができる。このことは、図3,図7,図
8の場合でも同様である。
【0057】以上をまとめれば、リード線2aの溝5b
に対する挿通方向から見たとき、溝5bを実質的に閉じ
るようなリブもしくはそれに準じたものを、ネック側フ
ランジ1aを代表として、偏向ヨーク装置のいずれかの
部分に設ければよい。
【0058】以上の実施例を発展させると、基板5の溝
5bを削除することも可能である。図11は溝5bを有
しない基板5によるリード線2aの保持構造の一実施例
を示している。これを本発明の偏向ヨーク装置の第2実
施例として説明する。
【0059】<第2実施例>図11に示すように、リブ
13とフランジ1a3とがなす略コ字状の凹部14と基板
5の端部(端面)とによって、閉じた形状、□jklm
を形成している。この第2実施例は、リード線2aを良
好に保持するという点では、上記の第1実施例よりも若
干劣るものの、基板5をさらに小型化できる上に、溝5
bを有さないので基板5の強度を上げることができる。
【0060】この第2実施例は、基板5に直接、保護カ
バー6を装着するのではなく、特願平8−44293号
(特開平9−213237号)に開示されているよう
な、ネック側フランジ1aとフェイス側フランジ1bと
の間に保護カバーをかけ渡すことによって、基板5とは
独立してセパレータ1に装着して基板5を保護する保護
カバーを設けた構成の偏向ヨーク装置に対して、特に有
効である。
【0061】<第3実施例>前述の第1及び第2実施例
は、水平偏向コイル2のリード線2aの保持構造を示し
たが、本発明は他のリード線3a,7aに対しても用い
ることができる。図12〜図14に示す第3実施例は、
補正コイル7のリード線7aの保持構造を示している。
【0062】図12に示すように、フランジ1a2におけ
るリード線7aを通すそれぞれの溝5bの近傍には、略
L字状のリブ21が形成されている。図中手前側の補正
コイル7及びここでは図示していない図中奥側の補正コ
イル7からのリード線7aは、それぞれ、リブ21の下
側を通され、溝5bを経てピン10に配線されている。
リード線7aをリブ21の下側を通すことによって、図
13に示すように、リード線7aをフランジ1a2に近接
して位置せしめることができる。
【0063】図14に示すように、リブ21は、基板5
の上端面よりも低くなるように形成されているので、リ
ード線7aの溝5bに対する挿通方向から見たとき、リ
ブ21が溝5bの開口部(基板5の上端面)を閉じるよ
うになっている。このとき、溝5bとリブ21によっ
て、閉じた形状、□nopqが形成される。
【0064】リード線7aの溝5bに対する挿通方向か
ら見れば、溝5bとリブ21によって□nopqが形成
され、溝5bの開口部はふさがれているが、基板5とリ
ブ21とは、接触している訳ではなく、リード線7aの
溝5bに対する挿通方向に離間している。従って、リー
ド線7aを、まず、リブ21の下側に通し、その後、溝
5bに通すことにより、何らの困難もなく、□nopq
内に収めることができる。リード線7aは□nopq内
に収められているので、リード線7aが溝5bより外れ
てしまうことはない。
【0065】このとき、作業者は、リード線7aをリブ
21に一旦係止させてしまえば、リード線7aがフラン
ジ1a2より離れることがないので、従来のように、図示
していない治具等を用いてリード線7aを図13の下方
向(フランジ1a2方向)に押さながら、リード線7aを
溝5bに収める必要がない。従って、作業性が極めてよ
い。また、リード線7aが振動等によって溝5bより外
れることもない。このようなリブ21を形成した本発明
の構成では、リード線7aが溝5bより外れないという
効果を奏するだけでなく、溝5bをそれほど深くする必
要がないので、基板5を小型化することも可能である。
【0066】<第4実施例>図15に示す第4実施例
は、垂直偏向コイル3のリード線3aの保持構造を示し
ている。図15は、リード線3aを配線するピン10の
付近を示す部分斜視図である。図15に示すように、フ
ェイス側フランジ1bには、複数の溝22aを有するリ
ブ22が設けられている。このリブ22は、セパレータ
1に一体成形により設けてもよいし、図示していない所
定の係止手段によってフェイス側フランジ1bに固定し
てもよい。
【0067】図15に示すように、リブ22は基板5に
近接して配置されている。リブ22の溝22aは、その
開口部を基板5側に向けている。そして、リード線3a
の溝5bに対する挿通方向から見たとき、リブ22が溝
5bの開口部を閉じるようになっている。このとき、溝
5bとリブ22の溝22aとによって実質的に閉じた形
状が形成される。
【0068】リード線3aの溝5bに対する挿通方向か
ら見れば、溝5bの開口部はふさがれているが、基板5
とリブ22とは、接触している訳ではなく、リード線3
aの溝5bに対する挿通方向に離間している。従って、
リード線3aを、まず、リブ22の溝22aに通し、そ
の後、溝5bに通すことにより、何らの困難もなく、溝
5bに内に収めることができる。リード線3aは、溝5
bと溝22aとによる閉じた形状に収められているの
で、リード線3aが溝5bより外れてしまうことはな
い。この例でも、溝5bをそれほど深くする必要がない
ので、基板5を小型化することが可能であり、保護カバ
ー6ひいては偏向ヨーク装置の小型化が可能である。
【0069】図16は、以上のリブ13,21,22の
全てを備えた偏向ヨーク装置を示している。ここでは、
基板5及び保護カバー6をセパレータ1に装着する前の
状態を示している。水平偏向コイル2のリード線2aを
保持するリブ13、垂直偏向コイル3のリード線3aを
保持するリブ21、補正コイル7のリード線7aを保持
するリブ22を備えた本発明の構成では、図示のよう
に、リード線2a,3a,7aをそれぞれリブ13,2
1,22に引っ掛け、ほぼ直角以上に曲げた状態でリー
ド線2a,3a,7aをセパレータ1に係止することが
できる。
【0070】従って、偏向ヨーク装置の製造作業におい
て、次工程の基板5の装着作業は極めて容易となる。勿
論、この基板5の装着作業が容易となるという効果は、
図16のようなリブ13,21,22の全てを備えた偏
向ヨーク装置だけではなく、リブ13,21,22のい
ずれか1つを備えた偏向ヨーク装置においても、同様に
奏することは当然である。
【0071】上記の実施例においては、リブ13,2
1,22と基板5とをリード線2a,3a,7aの溝5
bに対する挿通方向に離間させた例を示したが、図16
で説明したように、リード線2a,3a,7aをそれぞ
れリブ13,21,22に引っ掛けた後に基板5をセパ
レータ1に装着するので、リブ13,21,22と基板
5とを接触させるようにしても、何ら問題ない。予めセ
パレータ1に装着してある基板5にリード線2a,3
a,7aを配線するような場合には、リブ13,21,
22と基板5とを離間させることが必要である。
【0072】本発明は以上説明した本実施例に限定され
ることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々変更可能である。例えば、本実施例では、サドル・
サドル型の偏向ヨーク装置を例にしたが、サドル・トロ
イダル型の偏向ヨーク装置であってもよい。保護カバー
6の形状やセパレータ1への係止構造は、本実施例に限
定されなし、保護カバー6はなくてもよい。
【0073】また、本実施例では、水平偏向コイル2と
垂直偏向コイル3とは異なる他のコイルとして、補正コ
イル7を例にしたが、補正コイル7以外の他のコイルで
あっても本発明の構成を用いてリード線を保持すること
ができる。例えば、特願平9−211403号や平成1
0年1月7日出願の特許願(整理番号40900145
0)に記載の補助偏向コイルも、水平偏向コイル2と垂
直偏向コイル3とは異なる他のコイルに含まれる。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の偏
向ヨーク装置は、リード線を収納する基板に設けた少な
くとも1つの溝の近傍に設けられ、そのリード線の挿通
方向より見て、基板の端面である溝の開口部をふさいで
実質的に閉じた形状を形成したりリブを設けたり、開口
部を基板の内側(その一部として管軸方向)に向け、リ
ード線を係止させる凹状のリード線係止部を設けて構成
したので、リード線が溝から外れてしまうことがない。
従って、リード線が断線するおそれをなくすことがで
き、偏向ヨーク装置を製造する際の作業性を向上させる
ことができる。また、基板や偏向ヨーク装置を小型化す
ることも可能である。
【0075】さらに、リード線を接続する基板に設けた
少なくとも1つの端子の近傍に設けられ、そのリード線
の挿通方向より見て、基板の端面と共に実質的に閉じた
形状を形成してそのリード線を保持するリブを設けて構
成すれば、基板にリード線収納用の溝を設ける必要がな
く、リード線を良好に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す一部破断の側面図で
ある。
【図3】本発明の第1実施例の要部を示す部分斜視図で
ある。
【図4】本発明の第1実施例の要部を示す部分正面図で
ある。
【図5】本発明の第1実施例の作用効果を説明するため
の図である。
【図6】本発明の第1実施例の作用効果を説明するため
の図である。
【図7】本発明の第1実施例の変形例を示す部分正面図
である。
【図8】本発明の第1実施例の変形例を示す部分正面図
である。
【図9】本発明の第1実施例の変形例を示す部分斜視図
である。
【図10】本発明の第1実施例の変形例を示す部分正面
図である。
【図11】本発明の第2実施例の要部を示す部分正面図
である。
【図12】本発明の第3実施例を示す部分斜視図であ
る。
【図13】本発明の第3実施例を示す部分側面図であ
る。
【図14】本発明の第3実施例を示す部分正面図であ
る。
【図15】本発明の第4実施例を示す部分斜視図であ
る。
【図16】本発明の第1,第3,第4実施例をまとめて
示す斜視図である。
【図17】従来例を示す斜視図である。
【図18】従来例を示す一部破断の側面図である。
【図19】従来例の問題点を説明するための部分斜視図
である。
【図20】従来例の問題点を説明するための部分正面図
である。
【図21】従来例の問題点を説明するための図である。
【図22】従来例の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 セパレータ 2 水平偏向コイル 2a,3a,7a,12a リード線 3 垂直偏向コイル 4 コア 5 基板 5b,22a 溝 6 保護カバー 7 補正コイル(他のコイル) 10 ピン(端子) 11 コネクタ 12 コネクタワイヤ 13,16,18,20,21,22 リブ(リード線
係止部) 14,17,19,凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方が大径部とされ、他方が小径部とされ
    て漏斗状に形成され、前記小径部側に形成された第1の
    フランジと、前記大径部側に形成された第2のフランジ
    とを有するセパレータと、 前記セパレータの一方の面に保持される水平偏向コイル
    と、 前記セパレータの他方の面に保持される垂直偏向コイル
    と、 前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルとは異なる
    他のコイルと、 前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記他のコ
    イルのリード線を接続する端子を有すると共に、端部に
    前記リード線を収納する溝を有する基板とを備えた偏向
    ヨーク装置において、 前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記他のコ
    イルのリード線を収納する少なくとも1つの溝の近傍に
    設けられ、そのリード線の挿通方向より見て、前記基板
    の端面である前記溝の開口部をふさいで実質的に閉じた
    形状を形成するリブを設けて構成したことを特徴とする
    偏向ヨーク装置。
  2. 【請求項2】一方が大径部とされ、他方が小径部とされ
    て漏斗状に形成され、前記小径部側に形成された第1の
    フランジと、前記大径部側に形成された第2のフランジ
    とを有するセパレータと、 前記セパレータの一方の面に保持される水平偏向コイル
    と、 前記セパレータの他方の面に保持される垂直偏向コイル
    と、 前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルとは異なる
    他のコイルと、 前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記他のコ
    イルのリード線を接続する端子を有する基板とを備えた
    偏向ヨーク装置において、 前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記他のコ
    イルのリード線を接続する少なくとも1つの端子の近傍
    に設けられ、そのリード線の挿通方向より見て、前記基
    板の端面と共に実質的に閉じた形状を形成してそのリー
    ド線を保持するリブを設けて構成したことを特徴とする
    偏向ヨーク装置。
  3. 【請求項3】一方が大径部とされ、他方が小径部とされ
    て漏斗状に形成され、前記小径部側に形成された第1の
    フランジと、前記大径部側に形成された第2のフランジ
    とを有するセパレータと、 前記セパレータの一方の面に保持される水平偏向コイル
    と、 前記セパレータの他方の面に保持される垂直偏向コイル
    と、 前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルとは異なる
    他のコイルとを備えた偏向ヨーク装置において、 開口部を管軸方向に向け、前記水平偏向コイルと前記垂
    直偏向コイルと前記他のコイルの少なくとも1つのリー
    ド線を係止させる凹状のリード線係止部を設けて構成し
    たことを特徴とする偏向ヨーク装置。
  4. 【請求項4】一方が大径部とされ、他方が小径部とされ
    て漏斗状に形成され、前記小径部側に形成された第1の
    フランジと、前記大径部側に形成された第2のフランジ
    とを有するセパレータと、 前記セパレータの一方の面に保持される水平偏向コイル
    と、 前記セパレータの他方の面に保持される垂直偏向コイル
    と、 前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルとは異なる
    他のコイルと、 前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルと前記他のコ
    イルのリード線を接続する端子を有すると共に、端部に
    前記リード線を収納する溝を有する基板とを備えた偏向
    ヨーク装置において、 開口部を前記基板の内側に向け、前記水平偏向コイルと
    前記垂直偏向コイルと前記他のコイルの少なくとも1つ
    のリード線を係止させる凹状のリード線係止部を設けて
    構成したことを特徴とする偏向ヨーク装置。
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JP2777598A Pending JPH11213914A (ja) 1998-01-26 1998-01-26 偏向ヨーク装置

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JP (1) JPH11213914A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100619422B1 (ko) * 2000-09-01 2006-09-06 대우전자부품(주) 편향요크의 코마코일 인출선 보호구조

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