JPH1121258A - アセタール類の製造方法 - Google Patents

アセタール類の製造方法

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JPH1121258A
JPH1121258A JP9191944A JP19194497A JPH1121258A JP H1121258 A JPH1121258 A JP H1121258A JP 9191944 A JP9191944 A JP 9191944A JP 19194497 A JP19194497 A JP 19194497A JP H1121258 A JPH1121258 A JP H1121258A
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JP
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maleate
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alcohol
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JP9191944A
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Hideji Iwasaki
秀治 岩崎
Takashi Onishi
孝志 大西
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 置換基を有していてもよいマレイン酸ま
たはそのモノエステルとの塩である有機錫化合物の存在
下にアルデヒドまたはケトンとアルコールを反応させる
ことによりアセタール類を製造する。 【効果】 不安定なアセタール類の合成や反応系に水分
が存在する場合にも適用でき、アセタール類の製造方法
として利用範囲が広い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アセタール類の製
造方法に関する。本発明によって得られるアセタール類
は、香料、農薬、医薬等の原料として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルデヒドまたはケトンとアルコ
ールからアセタール類を合成する方法は数多く報告され
ており、例えば、下記の〜などの方法が知られてい
る。 p−トルエンスルホン酸を触媒として使用して合成す
る方法〔Org. Synth. Coll. Vol. V、第303頁(19
73年)〕。 ピリジニウムp−トルエンスルホネートを触媒として
使用して合成する方法〔Synthesis 、第724頁(19
79年)〕。 酸性型イオン交換樹脂を触媒として使用して合成する
方法〔J. Chem. Soc. Perkin Trans I、第158頁(1
979年)〕。 塩化アルミニウムを触媒として使用して合成する方法
〔Synthesis 、第711頁(1989年)〕。 アルミナを触媒として使用して合成する方法〔Tetrah
edron Lett. 、第4764頁(1985年)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜に記載されたアセタール類の製造方法にあっては、
使用する酸の酸性度が高く、例えば、エナールやエノン
から生成するアセタール、アリルアルコール類から生成
するアセタールなどの不安定なアセタール類の合成に適
用すると、副反応として脱アルコール反応や原料アルコ
ールからの脱水反応が進行し目的とするアセタール類を
収率よく得ることができない。また、上記またはに
記載されたアセタール類の製造方法では、含水率の高い
アルコールを使用する場合や、反応系からの脱水が十分
に行なわれない場合には、使用する触媒が失活し、反応
が進行しなくなるという問題点がある。
【0004】しかして、本発明は、上記の問題を解消
し、不安定なアセタール類の合成や反応系に水分が存在
する場合にも適用が可能な、利用範囲の広い、アセター
ル類の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、下記の式(1)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原
子または置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1
価の炭化水素基を表す。また、R1 とR2 は1つになっ
てエーーテル結合を有していてもよいアルキレン基を表
してもよい。)で示されるアルデヒドまたはケトンと下
記の式(2)または下記の式(3) R3 −OH (2) HO−R4 −OH (3) (式中、R3 は置換基を有していてもよい炭素数1〜2
0の1価の炭化水素基を表す。また、R4 はエーテル結
合を有していてもよいアルキレン基を表す。)で示され
るアルコールを反応させて下記の式(4)または式
(5)
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前
記定義のとおりである。)で示されるアセタール類を製
造するに際し、触媒として置換基を有していてもよいマ
レイン酸またはそのモノエステルとの塩である有機錫化
合物(以下、これを有機錫マレート類と略称することが
ある)を用いることを特徴とするアセタール類の製造方
法を提供することによって解決される。
【0011】本発明において、出発物質であるケトン、
アルデヒドおよびアルコール並びに目的化合物であるア
セタール類を表す上記の式(1)〜式(5)において、
1、R2 およびR3 が表す炭素数1〜20の1価の炭
化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、アミル基、イソアミル基、オクチル基等の
アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基;アリル基、メタリル基、クロチル
基、プレニル基等のアルケニル基;2−プロピニル基等
のアルキニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、
ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基
等のアラルキル基;シンナミル基などが挙げられる。
【0012】そして、これらの炭化水素基が有していて
もよい置換基としては、アセタール化反応に悪影響を及
ぼさないものであればよく、例えば、塩素、臭素、ヨウ
素等のハロゲン原子;カルボキシル基;メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニ
ル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基などが
挙げられる。
【0013】さらに、R1 とR2 が1つになってエーテ
ル結合を有していてもよいアルキレン基を表す場合、か
かるアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロ
ピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、また
は下記の式で示される2価の基などが挙げられる。
【0014】−CH2 −O−CH2 − −CH2 −CH2 −O−CH2 −CH2
【0015】また、R4 が表すエーテル結合を有してい
てもよいアルキレン基の具体例としては、上記と同じも
のを示すことができる。
【0016】本発明において使用されるアルデヒドまた
はケトンとしては、特に制限はなく、分子内に二重結
合、三重結合、芳香環を有するものであってもよい。こ
こで、アルデヒドまたはケトンの具体例を示せば、アル
デヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、
イソブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ヘキサ
ナール、オクタナール、アクロレイン、メタクロレイ
ン、クロトンアルデヒド、セネシオアルデヒド、シトラ
ール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナムア
ルデヒドなどが挙げられ、また、ケトンとしては、例え
ば、メチルエチルケトン、ピナコロン、シクロヘキサノ
ン、2−オクタノン、メシチルオキサイド、6−メチル
−5−ヘプテン−2−オン、アセトフェノン、プロピオ
フェノンなどが挙げられる。
【0017】また、本発明において使用されるアルコー
ルとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、アリルアルコール、メタリルアル
コール、プレノール、イソプレノール、ゲラニオール、
ネロール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノー
ル、エチレングリコール、1,2ープロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール等の第
1級アルコールが反応速度の点から好ましい。
【0018】アルコールの使用量は、特に限定されるも
のではないが、目的とするアセタール類を収率よく得る
ためには、通常、アルデヒドまたはケトンにおけるカル
ボニル基1モルに対してアルコール中の水酸基が1モル
以上、好ましくは2モル以上となる割合で使用される。
アルコールの使用量の上限については特に制限はない
が、アセタール類の製造コストの点で不利にならない範
囲の量とすることが望ましく、通常、アルデヒドまたは
ケトンにおけるカルボニル基1モルに対してアルコール
中の水酸基が10モル以下となる割合で使用される。
【0019】本発明において触媒として使用される有機
錫マレート類において、錫との塩を形成する置換基を有
していてもよいマレイン酸またはそのモノエステルとし
ては、例えば、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸モノエチル、メチルマレイン酸、メチルマレイ
ン酸モノメチル、エチルマレイン酸、2,3−ジメチル
マレイン酸などが挙げられるが、これらの中でもマレイ
ン酸またはそのモノエステルが好ましい。
【0020】有機錫マレートには、例えば、マレイン酸
錫(II)、マレイン酸錫(IV)、マレイン酸モノア
ルキル錫、ジアルキル錫マレイン酸塩、ジアルキル錫マ
レイン酸エステル塩などが包含されるが、ジアルキル錫
マレイン酸塩またはジアルキル錫マレイン酸エステル塩
が好ましい。ここで、ジアルキル錫マレイン酸塩として
は、下記の式(6)
【0021】
【化7】
【0022】で示すことができる構造単位を有する化合
物を例示することができ、また、ジアルキル錫マレイン
酸エステル塩としては、下記の式(7)または式(8)
【0023】 R2 Sn (OOCCH=CHCOOR´)2 (7)
【0024】
【化8】
【0025】で示すことができる化合物を例示すること
ができる。なお、上記の式(6)〜式(8)において、
Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、R´は炭素数
1〜6のアルキル基を表す。Rの具体例としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル
基などが挙げられ、R´の具体例としては、例えば、メ
チル基、エチル基などが挙げられる。また、ジアルキル
錫マレイン酸塩において、上記の式(6)で示される構
造単位の繰り返し数mは1以上の整数であればよいが、
好ましくは1〜10の整数である。
【0026】ここで、本発明で使用可能なジアルキル錫
マレイン酸塩の具体例を示せば、ジメチル錫マレイン酸
塩、ジメチル錫マレイン酸塩のポリマー、ジエチル錫マ
レイン酸塩、ジエチル錫マレイン酸塩のポリマー、ジ−
n−ブチル錫マレイン酸塩、ジ−n−ブチル錫マレイン
酸塩のポリマー、ジ−n−オクチル錫マレイン酸塩、ジ
−n−オクチル錫マレイン酸塩のポリマーなどが挙げら
れ、また、本発明で使用可能なジアルキル錫マレイン酸
エステル塩の具体例を示せば、ジメチル錫マレイン酸メ
チル塩、ジメチル錫マレイン酸メチル塩のポリマー、ジ
−n−ブチル錫マレイン酸モノメチル塩、ジ−n−ブチ
ル錫マレイン酸モノメチル塩のポリマー、ジ−n−オク
チル錫マレイン酸モノメチル塩、ジ−n−オクチル錫マ
レイン酸モノメチル塩のポリマーなどが挙げられる。
【0027】有機錫マレート類としては、市販されてい
るものを使用してもよいし、文献記載の方法に従って調
製したものを使用してもよい。また、有機錫マレート類
は固体状のものをそのまま使用してもよいし、原料であ
るアルデヒド、ケトンやアルコールさらには後述する溶
媒に溶解して使用してもよい。有機錫マレート類として
は、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。有機錫マレート類の使用量は、アセタール
化反応が進行するのに十分な量であって、かつ生成物で
あるアセタール類の安定性を損なわない量に設定される
が、通常、反応混合液に対し、0.1ppm〜2%の範
囲内、好ましくは1〜500ppmの範囲内の濃度とな
る量である。
【0028】本発明において触媒として使用される有機
錫マレート類は、その酸性度があまり高くなく、また水
分が存在してもその触媒活性が損なわれることがない。
このため、本発明の方法を、エナールやエノンから生成
するアセタール、アリルアルコール類から生成するアセ
タールなどの不安定なアセタール類を合成する場合に適
用しても、副反応を生じることがなく、収率よく目的化
合物であるアセタール類を得ることができる。また、本
発明の方法は、反応系に水分が存在する場合に適用して
も、収率よく目的化合物であるアセタール類を与える。
【0029】本発明では、溶媒は必須ではないが、アセ
タール化反応を阻害しない限り、溶媒の使用は差支えな
い。その際に使用し得る溶媒としては、例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和脂
肪族炭化水素系溶媒;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭
化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素系溶媒などが挙げられる。溶媒の使用量は特に限定さ
れないが、反応の容積効率を損なわない範囲とすること
が望ましく、通常、アルデヒドまたはケトンに対し、
0.1〜3倍容量の範囲内である。
【0030】また、本発明に従う反応は、窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガス雰囲気下で実施することが望まし
い。
【0031】本発明に従う反応は、アルデヒドまたはケ
トン、アルコール、触媒となる有機錫マレート類、およ
び必要により溶媒を混合し、撹拌機付きの反応容器中で
所定の反応温度において実施される。また、アルデヒド
またはケトンと触媒を予め投入した撹拌機付きの反応容
器に、アルコールを徐々に添加することによって行って
もよい。この場合、アルコールはそのまま添加してもよ
いし、溶媒に溶解して溶液の形で添加してもよい。
【0032】本発明では、反応の進行に伴い水が副生す
るので、目的とするアセタール類を収率よく得るために
は、かかる水を除去し、アセタール類の加水分解反応を
抑制することが好ましい。水を除去する方法としては、
共沸によって水を反応系外に留去する方法、モルキュラ
ーシューブ、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウ
ムなどの脱水剤を使用する方法など、公知の方法を挙げ
ることができる。
【0033】なお、共沸によって水を反応系外に留去す
る方法としては、水を原料であるアルデヒドまたはケト
ンなどとの共沸混合物として留出させる方法が簡便であ
る。この場合、Dean-Starkトラップなどの水分離器を利
用して留出物から水を分離し、水を分離した後の留出物
を再度反応系に戻すことが望ましい。また、トルエンな
ど水と共沸し得る溶媒を使用して水を反応系外に留去す
ることもできる。
【0034】本発明に従う反応は、通常、常圧または減
圧下で実施されるが、好ましくは15〜760mmHg
の範囲、より好ましくは100〜760mmHgの範囲
内で実施される。また、反応温度は、反応圧力に応じて
適宜設定されるが、通常−30℃〜200℃の範囲であ
る。なお、反応温度が低い程、アセタール類の収率が高
くなる傾向にある。
【0035】反応終了後、目的とするアセタール類は、
例えば、反応混合物を蒸留する方法などの常法により、
未反応のアルデヒドまたはケトンとアルコールから容易
に分離取得することができる。かくして得られたアセタ
ール類は、必要により、蒸留、カラムクロマトグラフィ
ーなどによってさらに純度を高めることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 水分離器を備えた300mlの3口フラスコにセネシオ
アルデヒド84g(1モル)、プレノール172g(2
モル)およびジ−n−ブチル錫マレイン酸塩25.6m
gを仕込み、窒素雰囲気下、90Torr、90℃で、
生成する水を共沸によって反応系外に除去しながら6時
間反応させた。得られた反応液を下記の条件にてガスク
ロマトグラフィーで内部標準法により分析したところ、
セネシオアルデヒドジプレニルアセタール〔R1 =2−
メチル−1−プロペニル基、R2=水素原子、R3 =3
−メチル−2−ブテニル基〕が197.54g(0.8
3モル、セネシオアルデヒド基準での収率:83.0
%)生成していることが分った。得られた反応液から未
反応のセネシオアルデヒドおよびプレノールを減圧下に
留去した後、得られた残留物を減圧下で蒸留することに
より、セネシオアルデヒドジプレニルアセタール(沸点
142℃/15mmHg)を183.7g得た。
【0038】ガスクロマトグラフィー分析条件 カラム:PEG−HT(長さ:3m、ジーエルサイエン
ス(株)社製) カラム温度:100℃→240℃(昇温速度:7℃/
分)
【0039】実施例2 水分離器を備えた300mlの3口フラスコにイソバレ
ルアルデヒド86g(1モル)、プレノール172g
(2モル)およびジ−n−ブチル錫マレイン酸塩25.
8mgを仕込み、窒素雰囲気下、90Torr、90℃
で、生成する水を共沸によって反応系外に除去しながら
6時間反応させた。得られた反応液を実施例1と同様に
してガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソバ
レルアルデヒドジプレニルアセタール〔R1 =イソブチ
ル基、R2 =水素原子、R3 =3−メチル−2−ブテニ
ル基〕が218.4g(0.91モル、イソバレルアル
デヒド基準での収率:91.1%)生成していることが
分った。
【0040】実施例3 水分離器を備えた300mlの3口フラスコにイソバレ
ルアルデヒド86g(1モル)、メタリルアルコール1
44g(2モル)およびジ−n−ブチル錫マレイン酸塩
46mgを仕込み、窒素雰囲気下、110Torr、9
0℃で、生成する水を共沸によって反応系外に除去しな
がら6時間反応させた。得られた反応液を実施例1と同
様にしてガスクロマトグラフィーで分析したところ、イ
ソバレルアルデヒドジメタリルアセタール〔R1 =イソ
ブチル基、R2 =水素原子、R3=2−メチル−2−プ
ロペニル基〕が186.6g(0.88モル、イソバレ
ルアルデヒド基準での収率:88.3%)生成している
ことが分った。
【0041】実施例4 実施例1においてジ−n−ブチル錫マレイン酸塩25.
8mgに代えてジ−n−ブチル錫マレイン酸塩のポリマ
ー(前記の式(6)においてRがn−ブチル基である構
造単位からなり、その繰り返し数mが8である化合物)
25.8mgを使用したこと以外は実施例1と同様の操
作を行い、セネシオアルデヒドジプレニルアセタールの
合成を実施した。得られた反応液を実施例1と同様にし
てガスクロマトグラフィーで分析したところ、セネシオ
アルデヒドジプレニルアセタールが195.6g(0.
82モル、セネシオアルデヒド基準での収率:82.2
%)生成していることが分った。
【0042】実施例5 実施例3においてジ−n−ブチル錫マレイン酸塩46m
gに代えてジ−n−オクチル錫マレイン酸塩46mgを
使用したこと以外は実施例3と同様の操作を行い、イソ
バレルアルデヒドジメタリルアセタールの合成を実施し
た。得られた反応液を実施例3と同様にしてガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、イソバレルアルデヒド
ジメタリルアセタールが181.5g(0.85モル、
イソバレルアルデヒド基準での収率:85.6%)生成
していることが分った。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、エナールやエノンから
生成するアセタール、アリルアルコール類から生成する
アセタールなどの不安定なアセタール類の合成にも適用
可能なアセタール類の製造方法が提供される。本発明に
よるアセタール類の製造方法は、反応系に水分が存在す
る場合にも適用でき、アセタール類の製造方法として利
用範囲が広く、極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1) 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子または置換
    基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素
    基を表す。また、R1 とR2 は1つになってエーテル結
    合を有していてもよいアルキレン基を表してもよい。)
    で示されるアルデヒドまたはケトンと下記の式(2)ま
    たは下記の式(3) R3 −OH (2) HO−R4 −OH (3) (式中、R3 は置換基を有していてもよい炭素数1〜2
    0の1価の炭化水素基を表す。また、R4 はエーテル結
    合を有していてもよいアルキレン基を表す。)で示され
    るアルコールを反応させて下記の式(4)または式
    (5) 【化2】 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前記定義のとお
    りである。)で示されるアセタール類を製造するに際
    し、触媒として置換基を有していてもよいマレイン酸ま
    たはそのモノエステルとの塩である有機錫化合物を用い
    ることを特徴とするアセタール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 置換基を有していてもよいマレイン酸が
    マレイン酸である請求項1記載のアセタール類の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記の有機錫化合物がジアルキル錫マレ
    イン酸塩および/またはジアルキル錫マレイン酸エステ
    ル塩である請求項1記載のアセタール類の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006206576A (ja) * 2004-12-27 2006-08-10 Sumitomo Chemical Co Ltd アセタール類の製造方法
JP2014510034A (ja) * 2011-01-10 2014-04-24 リライアンス、インダストリーズ、リミテッド 水性媒体中でのジアセタール化合物の製造方法

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