JPH1121237A - ヘリコバクター・ピロリ菌用抗菌剤 - Google Patents
ヘリコバクター・ピロリ菌用抗菌剤Info
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- JPH1121237A JPH1121237A JP17247197A JP17247197A JPH1121237A JP H1121237 A JPH1121237 A JP H1121237A JP 17247197 A JP17247197 A JP 17247197A JP 17247197 A JP17247197 A JP 17247197A JP H1121237 A JPH1121237 A JP H1121237A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 人体に緩和でかつヘリコバクター・ピロリ菌
に対して抗菌作用を有する薬剤を提供することである。 【解決手段】クエン酸鉄とアンモニア水とを有効成分と
して含有する抗菌剤、またはクエン酸鉄、クエン酸鉄ア
ンモニウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、乳酸鉄および
ピロリン酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1
つを有効成分として含有する抗菌剤である。
に対して抗菌作用を有する薬剤を提供することである。 【解決手段】クエン酸鉄とアンモニア水とを有効成分と
して含有する抗菌剤、またはクエン酸鉄、クエン酸鉄ア
ンモニウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、乳酸鉄および
ピロリン酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1
つを有効成分として含有する抗菌剤である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘリコバクター・ピ
ロリ菌用抗菌剤に関する。
ロリ菌用抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍など
の胃腸疾患の発症に、グラム陰性菌であるヘリコバクタ
ー・ピロリ菌が深く関与していることが明らかとなった
(Med.J.Aust.,142,436(1985) 、Gastroenterology,10
2,1575(1992) 、N.Engl.J.Med.,328,308(1993) )。
の胃腸疾患の発症に、グラム陰性菌であるヘリコバクタ
ー・ピロリ菌が深く関与していることが明らかとなった
(Med.J.Aust.,142,436(1985) 、Gastroenterology,10
2,1575(1992) 、N.Engl.J.Med.,328,308(1993) )。
【0003】従来、これらの潰瘍性疾患の治療には、ソ
ファルコン、プロウノトールなどの抗潰瘍剤;オメプラ
ゾール、ランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害
剤;ファモチジン、シメチジンなどの胃酸分泌抑制剤が
使用されていた。しかし、これらの薬物はヘリコバクタ
ー・ピロリ菌に対する増殖抑制などの効果を奏し得るも
のでなく、別途、抗菌剤による治療が必要である。
ファルコン、プロウノトールなどの抗潰瘍剤;オメプラ
ゾール、ランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害
剤;ファモチジン、シメチジンなどの胃酸分泌抑制剤が
使用されていた。しかし、これらの薬物はヘリコバクタ
ー・ピロリ菌に対する増殖抑制などの効果を奏し得るも
のでなく、別途、抗菌剤による治療が必要である。
【0004】ところで、上記ヘリコバクター・ピロリ菌
は、その生存環境が胃粘膜上皮内にあり且つその分裂時
間が通常の細菌の何倍も長いことを特徴とするものであ
る。従って、上記ヘリコバクター・ピロリ菌に有効な抗
菌剤としては、酸に安定で、胃粘膜間への浸透性があ
り、しかも強い抗菌作用を有することが必要とされる。
in vitro(試験管内)においてヘリコバクター・ピロリ
菌に対して抗菌作用を有する薬剤としては、アモキシシ
リン、クラリスロマイシンなどの抗生物質;メトロニダ
ゾール、チニダゾールなどのニトロニダゾール系抗虫
剤;ビスマス製剤などが知られている。しかし、これら
抗菌剤はin vivo (生体内)において十分な抗菌効果を
発揮できず、現状では抗生物質、抗虫剤およびビスマス
製剤による3重療法が最も有効な手段とされている。
は、その生存環境が胃粘膜上皮内にあり且つその分裂時
間が通常の細菌の何倍も長いことを特徴とするものであ
る。従って、上記ヘリコバクター・ピロリ菌に有効な抗
菌剤としては、酸に安定で、胃粘膜間への浸透性があ
り、しかも強い抗菌作用を有することが必要とされる。
in vitro(試験管内)においてヘリコバクター・ピロリ
菌に対して抗菌作用を有する薬剤としては、アモキシシ
リン、クラリスロマイシンなどの抗生物質;メトロニダ
ゾール、チニダゾールなどのニトロニダゾール系抗虫
剤;ビスマス製剤などが知られている。しかし、これら
抗菌剤はin vivo (生体内)において十分な抗菌効果を
発揮できず、現状では抗生物質、抗虫剤およびビスマス
製剤による3重療法が最も有効な手段とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記3重療
法においても、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの患者に対し
ては満足ゆく治療が行えず、薬剤の投与量が通常よりも
多くなり、しかも長期にわたる薬剤の投与が必要であ
る。その結果、薬剤の副作用あるいは耐性菌の形成など
が懸念されている。
法においても、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの患者に対し
ては満足ゆく治療が行えず、薬剤の投与量が通常よりも
多くなり、しかも長期にわたる薬剤の投与が必要であ
る。その結果、薬剤の副作用あるいは耐性菌の形成など
が懸念されている。
【0006】そこで本発明の目的は、上記3重療法に代
わるべく、人体に緩和で且つ優れた抗菌作用を有する新
規な抗菌剤を提供することである。
わるべく、人体に緩和で且つ優れた抗菌作用を有する新
規な抗菌剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヘリコバ
クター・ピロリ菌に対して優れた抗菌活性を有する薬剤
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、クエン酸鉄とアン
モニア水とを有効成分とする薬剤が、驚くべきことに、
ヘリコバクター・ピロリ菌に対して優れた抗菌作用を有
するという新たな事実を見出し本発明を完成するに到っ
たのである。
クター・ピロリ菌に対して優れた抗菌活性を有する薬剤
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、クエン酸鉄とアン
モニア水とを有効成分とする薬剤が、驚くべきことに、
ヘリコバクター・ピロリ菌に対して優れた抗菌作用を有
するという新たな事実を見出し本発明を完成するに到っ
たのである。
【0008】すなわち、本発明のヘリコバクター・ピロ
リ菌用抗菌剤は、クエン酸鉄とアンモニア水とを有効成
分として含有することを特徴とするものである。これら
の両成分はあらかじめ混合してもよく、あるいは服用時
に混合してもよい。上記クエン酸鉄は、従来より食品の
鉄強化剤として調製粉乳、小麦粉、ビスケットなどに含
有する食品添加物である。またアンモニア水は、医薬品
として興奮剤、制酸剤、局所刺激剤などに用いられてい
る。ところが、クエン酸鉄とアンモニア水とを併用した
ときに、上記のようなヘリコバクター・ピロリ菌に対す
る抗菌作用を有することは知られていない。
リ菌用抗菌剤は、クエン酸鉄とアンモニア水とを有効成
分として含有することを特徴とするものである。これら
の両成分はあらかじめ混合してもよく、あるいは服用時
に混合してもよい。上記クエン酸鉄は、従来より食品の
鉄強化剤として調製粉乳、小麦粉、ビスケットなどに含
有する食品添加物である。またアンモニア水は、医薬品
として興奮剤、制酸剤、局所刺激剤などに用いられてい
る。ところが、クエン酸鉄とアンモニア水とを併用した
ときに、上記のようなヘリコバクター・ピロリ菌に対す
る抗菌作用を有することは知られていない。
【0009】また、本発明ではクエン酸鉄とアンモニウ
ム水とに代えて、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウ
ム、クエン酸第一鉄ナトリウム、乳酸鉄およびピロリン
酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1つを有効
成分として使用しても同様の抗菌作用が得られる。これ
らの各成分は必要に応じて2種以上を混合して使用して
もよい。
ム水とに代えて、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウ
ム、クエン酸第一鉄ナトリウム、乳酸鉄およびピロリン
酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1つを有効
成分として使用しても同様の抗菌作用が得られる。これ
らの各成分は必要に応じて2種以上を混合して使用して
もよい。
【0010】上記クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸第
一鉄ナトリウムおよび乳酸鉄はクエン酸鉄と同様に食品
の鉄強化剤として、またピロリン酸第二鉄は日本薬局方
記載の医薬品で従来より鉄欠乏性貧血剤として用いられ
ているが、いずれもヘリコバクター・ピロリ菌に対する
抗菌作用を有することは知られていない。
一鉄ナトリウムおよび乳酸鉄はクエン酸鉄と同様に食品
の鉄強化剤として、またピロリン酸第二鉄は日本薬局方
記載の医薬品で従来より鉄欠乏性貧血剤として用いられ
ているが、いずれもヘリコバクター・ピロリ菌に対する
抗菌作用を有することは知られていない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌剤における一の有効
成分であるクエン酸鉄としては、クエン酸第一鉄および
クエン酸第二鉄が使用でき、これらは単独あるいは併用
してもよい。なお、前記クエン酸鉄は結晶水を含んでい
てもよく、そのような場合も本発明の範囲に含まれる。
成分であるクエン酸鉄としては、クエン酸第一鉄および
クエン酸第二鉄が使用でき、これらは単独あるいは併用
してもよい。なお、前記クエン酸鉄は結晶水を含んでい
てもよく、そのような場合も本発明の範囲に含まれる。
【0012】本発明の抗菌剤における他の有効成分であ
るアンモニア水としては、例えば市販の濃アンモニア水
(28重量%)または日本薬局方医薬品アンモニア水
(10重量%)などを適宜希釈して使用することができ
る。クエン酸鉄に対するアンモニア水の使用量は、アン
モニアに換算して少なくとも0.1〜1倍モル量、好ま
しくは2〜10倍モル量とするのがよい。
るアンモニア水としては、例えば市販の濃アンモニア水
(28重量%)または日本薬局方医薬品アンモニア水
(10重量%)などを適宜希釈して使用することができ
る。クエン酸鉄に対するアンモニア水の使用量は、アン
モニアに換算して少なくとも0.1〜1倍モル量、好ま
しくは2〜10倍モル量とするのがよい。
【0013】本発明では、上記クエン酸鉄とアンモニア
水とに代えて、またはこれらの有効成分と共にクエン酸
鉄、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸第一鉄ナトリウ
ム、乳酸鉄およびピロリン酸第二鉄からなる群より選ば
れる少なくとも1つを有効成分として使用してもよい。
なお、これらの鉄塩は結晶水を含んでいてもよく、その
ような場合も本発明の範囲に含まれる。
水とに代えて、またはこれらの有効成分と共にクエン酸
鉄、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸第一鉄ナトリウ
ム、乳酸鉄およびピロリン酸第二鉄からなる群より選ば
れる少なくとも1つを有効成分として使用してもよい。
なお、これらの鉄塩は結晶水を含んでいてもよく、その
ような場合も本発明の範囲に含まれる。
【0014】上記クエン酸鉄アンモニウムとしては、ク
エン酸第一鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄アンモニウ
ムいずれも使用でき、これらは単独あるいは併用しても
よい。乳酸鉄としては、乳酸第一鉄、乳酸第二鉄いずれ
も使用でき、これらは単独あるいは併用してもよい。
エン酸第一鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄アンモニウ
ムいずれも使用でき、これらは単独あるいは併用しても
よい。乳酸鉄としては、乳酸第一鉄、乳酸第二鉄いずれ
も使用でき、これらは単独あるいは併用してもよい。
【0015】本発明の抗菌剤に前記クエン酸鉄とアンモ
ニア水とを有効成分として使用した場合には液剤の形態
に調製される。各有効成分はあらかじめ混合してもよ
く、あるいは服用時に混合してもよい。また、液剤の形
態に成形するに際しては、安息香酸ナトリウム、p−オ
キシ安息香酸メチル、デヒドロ酢酸ナトリウムなどの保
存剤、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香
酸ナトリウムなどの溶解補助剤、着色剤、香料、風味
剤、甘味剤などを必要に応じて配合し、さらに水または
エタノールなどの希釈剤を必要に応じて加えて調製して
もよい。
ニア水とを有効成分として使用した場合には液剤の形態
に調製される。各有効成分はあらかじめ混合してもよ
く、あるいは服用時に混合してもよい。また、液剤の形
態に成形するに際しては、安息香酸ナトリウム、p−オ
キシ安息香酸メチル、デヒドロ酢酸ナトリウムなどの保
存剤、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香
酸ナトリウムなどの溶解補助剤、着色剤、香料、風味
剤、甘味剤などを必要に応じて配合し、さらに水または
エタノールなどの希釈剤を必要に応じて加えて調製して
もよい。
【0016】本発明では、クエン酸鉄とアンモニア水と
に代えて上記鉄塩を有効成分として使用する場合には、
通常、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、座剤、
液剤、懸濁剤などの一般的な医薬製剤の形態で用いられ
る。これらの医薬製剤は通常使用される充填剤、増量
剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤など
の稀釈剤又は賦形剤を用いて調整される。
に代えて上記鉄塩を有効成分として使用する場合には、
通常、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、座剤、
液剤、懸濁剤などの一般的な医薬製剤の形態で用いられ
る。これらの医薬製剤は通常使用される充填剤、増量
剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤など
の稀釈剤又は賦形剤を用いて調整される。
【0017】錠剤の形態に形成するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、でんぷ
ん、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、硅酸
などの賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、ブドウ糖液、でんぷん液、ゼラチン溶液、カルボ
キシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピ
ロリドンなどの結合剤、乾燥デンプンアルギン酸ナトリ
ウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン
酸モノグリセリド、デンプン、乳糖などの崩壊剤、白
糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊
抑制剤、第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリ
ウムなどの吸収促進剤、グリセリン、デンプン、乳糖、
カオリン、ベントナイト、コロイド状硅酸などの吸着
剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチ
レングリコールなどの滑沢剤などがあげられる。さらに
錠剤は、必要に応じて糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被
錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠と
することができる。
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、でんぷ
ん、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、硅酸
などの賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、ブドウ糖液、でんぷん液、ゼラチン溶液、カルボ
キシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピ
ロリドンなどの結合剤、乾燥デンプンアルギン酸ナトリ
ウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン
酸モノグリセリド、デンプン、乳糖などの崩壊剤、白
糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊
抑制剤、第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリ
ウムなどの吸収促進剤、グリセリン、デンプン、乳糖、
カオリン、ベントナイト、コロイド状硅酸などの吸着
剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチ
レングリコールなどの滑沢剤などがあげられる。さらに
錠剤は、必要に応じて糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被
錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠と
することができる。
【0018】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カ
オリン、タルクなどの賦形剤、アラビアゴム末、トラガ
ント末、ゼラチン、エタノールなどの崩壊剤などがあげ
られる。座剤の形態に成形するに際しては、担体として
従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレング
リコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコール
のエステル類、ゼラチン、半合成グリセライドなどがあ
げられる。
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カ
オリン、タルクなどの賦形剤、アラビアゴム末、トラガ
ント末、ゼラチン、エタノールなどの崩壊剤などがあげ
られる。座剤の形態に成形するに際しては、担体として
従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレング
リコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコール
のエステル類、ゼラチン、半合成グリセライドなどがあ
げられる。
【0019】液剤の形態に成形するに際しては、安息香
酸ナトリウム、p−オキシ安息香酸メチル、デヒドロ酢
酸ナトリウムなどの保存剤、サリチル酸ナトリウム、酢
酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどの溶解補助剤、
さらに着色剤、香料、風味剤、甘味剤などを必要に応じ
て配合し、さらに水またはエタノールなどの希釈剤を必
要に応じて加えて調製される。
酸ナトリウム、p−オキシ安息香酸メチル、デヒドロ酢
酸ナトリウムなどの保存剤、サリチル酸ナトリウム、酢
酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどの溶解補助剤、
さらに着色剤、香料、風味剤、甘味剤などを必要に応じ
て配合し、さらに水またはエタノールなどの希釈剤を必
要に応じて加えて調製される。
【0020】懸濁剤の形態に成形するに際しては、例え
ばアラビアゴム、トラガント、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウム、ベントナイトマグマ、ペ
クチンなどの懸濁化剤を配合し、さらに着色剤、香料、
風味剤、甘味剤などを必要に応じて配合し、水またはエ
タノールなどの希釈剤を必要に応じて加えて調製され
る。
ばアラビアゴム、トラガント、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウム、ベントナイトマグマ、ペ
クチンなどの懸濁化剤を配合し、さらに着色剤、香料、
風味剤、甘味剤などを必要に応じて配合し、水またはエ
タノールなどの希釈剤を必要に応じて加えて調製され
る。
【0021】また本発明の有効成分に、クエン酸鉄とア
ンモニア水と共に前記鉄塩を使用した場合には、上述し
た液剤または懸濁剤の形態に調製される。上記抗菌剤中
に含有されるべき有効成分の量は特に限定されず広範囲
に選択されるが、通常組成物中1〜90重量%、好まし
くは10〜70%重量である。投与量は特に限定されな
いが、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度などの条件
に応じて適宜選択すればよく、体重1kgに対して有効
成分中の鉄分が0.01〜0.4mg,好ましくは0.
1〜0.2mgとなる量を一日1〜4回に分けて投与さ
れる。
ンモニア水と共に前記鉄塩を使用した場合には、上述し
た液剤または懸濁剤の形態に調製される。上記抗菌剤中
に含有されるべき有効成分の量は特に限定されず広範囲
に選択されるが、通常組成物中1〜90重量%、好まし
くは10〜70%重量である。投与量は特に限定されな
いが、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度などの条件
に応じて適宜選択すればよく、体重1kgに対して有効
成分中の鉄分が0.01〜0.4mg,好ましくは0.
1〜0.2mgとなる量を一日1〜4回に分けて投与さ
れる。
【0022】また、本発明の除菌剤は、他の薬理作用を
有する薬剤、例えばアモキシリン、クラリスロマイシン
などの抗生物質;チニダゾール、チアベンダゾールなど
のイミダゾール系の抗原虫剤;ビスマス製剤やソファル
コン、プロウノトールなどの抗潰瘍剤;オメプラゾー
ル、ランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤など
と併用してもよい。
有する薬剤、例えばアモキシリン、クラリスロマイシン
などの抗生物質;チニダゾール、チアベンダゾールなど
のイミダゾール系の抗原虫剤;ビスマス製剤やソファル
コン、プロウノトールなどの抗潰瘍剤;オメプラゾー
ル、ランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤など
と併用してもよい。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
する。 実施例1 クエン酸第二鉄(和光純薬工業(株)社製,26mg)
と28%アンモニア水(和光純薬工業(株)社製,26
μl)とを、蒸留水(600ml)に添加し、混合する
ことにより、鉄分0.007〜0.01mg/mlの供
試薬剤を調製した。 実施例2 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてクエン酸第
二鉄(キシダ化学社製,34mg)を使用した以外は、
実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例3 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてピロリン酸
第二鉄(富田製薬社製,20mg)を使用した以外は、
実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例4 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えて乳酸第一鉄
(武蔵野化学社製,35mg)を使用した以外は、実施
例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例5 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてクエン酸第
一鉄ナトリウム(三生製薬社製,58mg)を使用した
以外は、実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例6 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてクエン酸第
二鉄アンモニウム(キシダ化学社製,40mg)を使用
した以外は、実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 抗菌試験 (接種用ヘリコバクター・ピロリ菌液の調製)臨床分離
株ヘリコバクター・ピロリ菌C0001保存液0.1m
lを、7%FBS(Gibco)添加Brucella
agar(DCM社製,ブルセラ寒天培地)に塗布
し、85%窒素、10%二酸化炭素、5%酸素の雰囲気
下、37℃で2日間培養した。
する。 実施例1 クエン酸第二鉄(和光純薬工業(株)社製,26mg)
と28%アンモニア水(和光純薬工業(株)社製,26
μl)とを、蒸留水(600ml)に添加し、混合する
ことにより、鉄分0.007〜0.01mg/mlの供
試薬剤を調製した。 実施例2 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてクエン酸第
二鉄(キシダ化学社製,34mg)を使用した以外は、
実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例3 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてピロリン酸
第二鉄(富田製薬社製,20mg)を使用した以外は、
実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例4 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えて乳酸第一鉄
(武蔵野化学社製,35mg)を使用した以外は、実施
例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例5 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてクエン酸第
一鉄ナトリウム(三生製薬社製,58mg)を使用した
以外は、実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 実施例6 クエン酸第二鉄およびアンモニア水に代えてクエン酸第
二鉄アンモニウム(キシダ化学社製,40mg)を使用
した以外は、実施例1と同様に供試薬剤を調製した。 抗菌試験 (接種用ヘリコバクター・ピロリ菌液の調製)臨床分離
株ヘリコバクター・ピロリ菌C0001保存液0.1m
lを、7%FBS(Gibco)添加Brucella
agar(DCM社製,ブルセラ寒天培地)に塗布
し、85%窒素、10%二酸化炭素、5%酸素の雰囲気
下、37℃で2日間培養した。
【0024】ついで、前記寒天培地から菌体を掻き取
り、7%FBS添加Brucellabroth20m
lに懸濁させた後、85%窒素、10%二酸化炭素、5
%酸素の雰囲気下、37℃で1日間前培養を行った。さ
らに、前培養液5mlを、7%FBS添加Brucel
la broth(BBL社製,ブルセラ液体培地)4
5mlに接種し、85%窒素、10%二酸化炭素、5%
酸素の雰囲気下、37℃で1日培養することにより、接
種菌液(10 7 cfu/ml)を調製した。 (実験方法)被験動物として雄性ddYマウス(3週
齢,日本エスエルシー(株))を大塚製薬(株)徳島研
究所Hizタワー5階アイソレーター実験室に搬入し、
飼育期間中は飼料(γ滅菌済CRF1固形飼料,オリエ
ンタル酵母工業(株)社製)および飲料水(注射用蒸留
水)は自由摂取とし、搬入4日目に一晩絶食させた。
り、7%FBS添加Brucellabroth20m
lに懸濁させた後、85%窒素、10%二酸化炭素、5
%酸素の雰囲気下、37℃で1日間前培養を行った。さ
らに、前培養液5mlを、7%FBS添加Brucel
la broth(BBL社製,ブルセラ液体培地)4
5mlに接種し、85%窒素、10%二酸化炭素、5%
酸素の雰囲気下、37℃で1日培養することにより、接
種菌液(10 7 cfu/ml)を調製した。 (実験方法)被験動物として雄性ddYマウス(3週
齢,日本エスエルシー(株))を大塚製薬(株)徳島研
究所Hizタワー5階アイソレーター実験室に搬入し、
飼育期間中は飼料(γ滅菌済CRF1固形飼料,オリエ
ンタル酵母工業(株)社製)および飲料水(注射用蒸留
水)は自由摂取とし、搬入4日目に一晩絶食させた。
【0025】ついで、前記マウスに、接種用ヘリコバク
ター・ピロリ菌液0.5mlを強制的に経口投与し、ヘ
リコバクター・ピロリ菌を感染させた。感染後7日目か
ら16日目までの10日間、上記マウス(各群10匹)
に、実施例1〜6で得た供試薬剤を1日に体重1kg当
たり0.05mlの投与量で1日2回、午前9時と午後
3時とに分けて強制的に経口投与した。被験物の投与後
10日目に、マウスを一晩絶食させ、屠殺し、胃を摘出
した。
ター・ピロリ菌液0.5mlを強制的に経口投与し、ヘ
リコバクター・ピロリ菌を感染させた。感染後7日目か
ら16日目までの10日間、上記マウス(各群10匹)
に、実施例1〜6で得た供試薬剤を1日に体重1kg当
たり0.05mlの投与量で1日2回、午前9時と午後
3時とに分けて強制的に経口投与した。被験物の投与後
10日目に、マウスを一晩絶食させ、屠殺し、胃を摘出
した。
【0026】上記摘出した胃をBrucella br
oth2ml入りの15ml遠沈管に加え、氷冷下でポ
リトロン(Kinematica社製,ホモジナイザ
ー)を用いてホモジナイズした。このうち0.2ml
を、24ウェル(well)のマイクロプレートに分注
したBrucella broth0.8mlに添加混
合し、上記と同様の操作を2回繰り返して、50倍、2
50倍および1250倍希釈液を調製した。
oth2ml入りの15ml遠沈管に加え、氷冷下でポ
リトロン(Kinematica社製,ホモジナイザ
ー)を用いてホモジナイズした。このうち0.2ml
を、24ウェル(well)のマイクロプレートに分注
したBrucella broth0.8mlに添加混
合し、上記と同様の操作を2回繰り返して、50倍、2
50倍および1250倍希釈液を調製した。
【0027】前記希釈液から各々0.2mlを変法スキ
ロー寒天培地(日本水産(株)社製)に塗布し、85%
窒素、10%二酸化炭素、5%酸素の雰囲気下、37℃
で5日間培養した後、生育したコロニーを計数すること
により胃内に生息するヘリコバクター・ピロリ菌数を測
定し、各供試薬剤の抗菌効果について評価した。なお、
対照として蒸留水を用いて、上記と同様にして実験を行
った。それらの結果を図1〜2に示す。
ロー寒天培地(日本水産(株)社製)に塗布し、85%
窒素、10%二酸化炭素、5%酸素の雰囲気下、37℃
で5日間培養した後、生育したコロニーを計数すること
により胃内に生息するヘリコバクター・ピロリ菌数を測
定し、各供試薬剤の抗菌効果について評価した。なお、
対照として蒸留水を用いて、上記と同様にして実験を行
った。それらの結果を図1〜2に示す。
【0028】図1はDunnet Two−taile
d Testにより検定を行い、縦軸に菌数(log
(cfu/胃))をとり、実施例および対照における計
測結果を棒グラフで表したものである。また、図2はF
isher’s exact probability
Testにより検定を行い、対照におけるヘリコバク
タ・ピロリ菌の感染率を100%としたときの実施例1
〜6の感染率を棒グラフで表したものである。
d Testにより検定を行い、縦軸に菌数(log
(cfu/胃))をとり、実施例および対照における計
測結果を棒グラフで表したものである。また、図2はF
isher’s exact probability
Testにより検定を行い、対照におけるヘリコバク
タ・ピロリ菌の感染率を100%としたときの実施例1
〜6の感染率を棒グラフで表したものである。
【0029】図1および2の結果から明らかなように、
対照に比べて、実施例の薬剤を併用するとマウス胃内の
ヘリコバクター・ピロリ菌数が減少することがわかっ
た。
対照に比べて、実施例の薬剤を併用するとマウス胃内の
ヘリコバクター・ピロリ菌数が減少することがわかっ
た。
【0030】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は、ヘリコバクター・ピ
ロリ菌に対して優れた抗菌力を有すると共に、使用する
有効成分は従来より食品添加物として使用されているも
のであるから、安全性が高いという効果がある。従っ
て、本発明の抗菌剤は、ヘリコバクター・ピロリ菌が起
因する慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍などの胃腸疾患の治
療に好適なものと考えられる。
ロリ菌に対して優れた抗菌力を有すると共に、使用する
有効成分は従来より食品添加物として使用されているも
のであるから、安全性が高いという効果がある。従っ
て、本発明の抗菌剤は、ヘリコバクター・ピロリ菌が起
因する慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍などの胃腸疾患の治
療に好適なものと考えられる。
【図1】ヘリコバクター・ピロリ菌感染マウスに、各供
試薬剤を10日間投与した後における胃内のヘリコバク
ター・ピロリ菌数(log(cfu/胃)を示すグラフ
である。
試薬剤を10日間投与した後における胃内のヘリコバク
ター・ピロリ菌数(log(cfu/胃)を示すグラフ
である。
【図2】対照におけるヘリコバクタ・ピロリ菌の感染率
を100%としたときの各実施例の感染率を示すグラフ
である。
を100%としたときの各実施例の感染率を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 弘之 福岡県久留米市日ノ出町72−6−305 (72)発明者 清水 精一 佐賀県鳥栖市元町1237−2−1001 (72)発明者 岡松 洋 福岡県久留米市津福今町491−15 (72)発明者 斎藤 高雄 福岡県小郡市寺福童496−12−505 (72)発明者 佐々木 香苗 福岡県久留米市通町107−10
Claims (2)
- 【請求項1】クエン酸鉄とアンモニア水とを有効成分と
して含有するヘリコバクター・ピロリ菌用抗菌剤。 - 【請求項2】クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、ク
エン酸第一鉄ナトリウム、乳酸鉄およびピロリン酸第二
鉄からなる群より選ばれる少なくとも1つを有効成分と
して含有するヘリコバクター・ピロリ菌用抗菌剤。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17247197A JP4081157B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | ヘリコバクター・ピロリ菌用抗菌剤 |
PCT/JP1997/003100 WO1998009652A1 (fr) | 1996-09-06 | 1997-09-04 | COMPOSITION, AGENT ANTIMICROBIEN, AGENT DE PREVENTION DES INFECTIONS, ET PRODUIT ALIMENTAIRE CONTRE L'$i(HELICOBACTER PYLORI) |
AU41346/97A AU4134697A (en) | 1996-09-06 | 1997-09-04 | Composition, antimicrobial agent, infection preventive, and food against (helicobacter pylori) |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17247197A JP4081157B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | ヘリコバクター・ピロリ菌用抗菌剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121237A true JPH1121237A (ja) | 1999-01-26 |
JP4081157B2 JP4081157B2 (ja) | 2008-04-23 |
Family
ID=15942609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17247197A Expired - Fee Related JP4081157B2 (ja) | 1996-09-06 | 1997-06-27 | ヘリコバクター・ピロリ菌用抗菌剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4081157B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP17247197A patent/JP4081157B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4081157B2 (ja) | 2008-04-23 |
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