JP2002308784A - ヘリコバクター・ピロリ除菌剤 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリ除菌剤

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JP2002308784A
JP2002308784A JP2001108519A JP2001108519A JP2002308784A JP 2002308784 A JP2002308784 A JP 2002308784A JP 2001108519 A JP2001108519 A JP 2001108519A JP 2001108519 A JP2001108519 A JP 2001108519A JP 2002308784 A JP2002308784 A JP 2002308784A
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Susumu Okabe
進 岡部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用が少なく、短期間の治療により十分な
除菌効果を有する、ヘリコバクター・ピロリが関与する
消化器疾患の予防剤、再発予防剤又は治療剤を提供す
る。 【解決手段】 銀化合物を有効成分とするヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌剤、及び銀化合物を有効成分とする、ヘ
リコバクター・ピロリが関与する消化器疾患の予防剤、
再発予防剤又は治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀化合物を有効成
分とするヘリコバクター・ピロリ除菌剤、即ちヘリコバ
クター・ピロリが関与する消化器疾患の予防剤、再発予
防剤又は治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ワーレン及びマーシャルが、胃炎又は胃
潰瘍患者の胃生検材料中には、カンピロバクター・ピロ
リ(Campylobacter pylori)が高率に検出されることを
報告〔Warren,J.R. and Marshall,B.J., Lancet, 1273-
1275, 1983〕して以来、胃炎や胃もしくは十二指腸潰瘍
等の胃腸疾患の発症に該菌が深く関与することが明らか
にされた〔Med.J.Aust., 142, 436 (1985); Gastroente
rology, 102, 1575 (19929; N.Engl.Med., 328, 308 (1
993)〕。該菌は、その後、同カンピロバクター属の他の
菌とは別属に属することが証明され、ヘリコバクター・
ピロリ(以下単に「ピロリ菌」という)と改名された。
更に、1991年Nomuraら、Formanらにより、胃癌とピロリ
菌の関連性も報告された。
【0003】上記ピロリ菌による胃粘膜傷害メカニズム
は、従来より種々研究がなされており、ほぼ次の通りと
されている。即ち、ピロリ菌は、他の大腸菌と同様に例
えば口から入って胃に到達し、その有する鞭毛を使って
粘液層を泳いで胃粘膜層に至り、胃粘膜細胞に接着(癒
着)する。ここで自らの産生するウレアーゼにより尿素
を分解しアンモニアを生成して胃酸を中和し、好ましい
生活環境を整備して増殖を開始する。上記ピロリ菌の胃
の粘膜上皮細胞への接着(感染)によれば、第1に、胃
の粘膜細胞から、好中球の走化性因子であるインターロ
イキン−8(IL−8)が放出され、感染部位に好中球が集
まる。第2に、ピロリ菌が好中球の活性化因子を産生・
放出し、これによって活性化された上記好中球は、血管
の内皮細胞に粘着しやすくなり、これが粘膜の微小循環
障害の原因となるに加えて、同微小循環障害の起因物質
として知られているプロテアーゼ、フリーラジカル(活
性酸素)、ロイコトリエン等を産生する。第3に、ピロ
リ菌の産生するウレアーゼの作用により生成されたアン
モニアが、フリーラジカルと反応して胃粘膜細胞等を傷
害する毒物であるモノクロラミンを生成する。かくし
て、炎症が惹起され、進展する。
【0004】また、ピロリ菌による胃粘膜傷害は、上記
した炎症反応のほかにも、例えばウレアーゼにより産生
されるアンモニア自体の胃粘膜への攻撃、ピロリ菌が産
生するサイトトキシン(空胞化毒素)による粘膜細胞の
空胞化変性等もその要因とすると考えられている。
【0005】しかして、従来より、胃潰瘍、十二指腸潰
瘍等の潰瘍性疾患の治療のための化学療法剤としては、
ソファルコン、プロウノトール等の抗潰瘍剤;オメプラ
ゾール、ランソプラゾール等のプロトンポンプ阻害剤
(PPI);ファモチジン、シメチジン等の胃酸分泌抑制
剤(H2ブロッカー)等が知られている。しかしながら、
これらの薬物は、ピロリ菌に対する増殖抑制等の効果を
奏し得るものではなく、かかる増殖抑制には別個に抗菌
剤等が必要になる。
【0006】ところで、ピロリ菌は、その生存環境が胃
粘膜上皮内にあり且つその分裂時間が通常の細菌の何倍
も長いことを特徴としている。従って、該ピロリ菌に有
効な抗菌剤としては、酸に安定で、胃粘膜間への浸透性
があり、しかも高い抗菌作用を有することが必要であ
る。
【0007】インビトロ(in vitro)において、ピロリ
菌に対して抗菌作用を有する薬剤としては、アモキシシ
リン、クラリスロマイシン等の抗生物質、メトロニダゾ
ール、チニダゾール等のニトロニダゾール系抗虫剤、ビ
スマス製剤等が知られている。しかしながら、これらの
化学療法剤はインビボ(in vivo)において充分な抗菌
効果を発揮できず、現在ではプロトンポンプ阻害剤に抗
生物質2剤を組み合わせた、いわゆる新3剤併用療法が除
菌治療の主流になっている。
【0008】しかるに、上記新3剤併用療法といえど
も、比較的多量の薬剤の長期投与が必要となる。その結
果、薬剤の副作用や耐性菌の形成等が懸念される。特に
抗生物質の長期投与による菌交代症は無視できない問題
である。
【0009】また、抗生物質の使用は、菌体の破壊に伴
い、ピロリ菌の有するエンドトキシン等の毒物や炎症の
起因物質等を胃粘膜周辺に排出させる可能性が高く、こ
れらが新たな炎症や粘膜傷害を惹起させ、胃炎、胃潰瘍
の再燃、再発の恐れが多分にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、副作
用が少なく、短期間の治療により十分な除菌効果を有す
る、ヘリコバクター・ピロリが関与する消化器疾患の予
防剤、再発予防剤又は治療剤を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の項1〜
項13に関する。 項1.銀化合物を有効成分とするヘリコバクター・ピロ
リ除菌剤。 項2.胃内に存在するヘリコバクター・ピロリを除菌す
る項1記載の除菌剤。 項3.銀化合物が有機酸塩及び無機酸塩からなる群から
選ばれる少なくとも1種である項1又は2記載のヘリコ
バクター・ピロリ除菌剤。 項4.無機酸塩が、臭化銀、炭酸銀、塩素酸銀、塩化
銀、フッ化銀、二フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、硝
酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、過塩素
酸銀、リン酸銀、セレン酸銀、セレン化銀、亜セレン酸
銀、亜フッ化銀、硫酸銀及びヨウ化水銀(II)銀(Ag2H
gI4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である項
3記載のヘリコバクター・ピロリ除菌剤。 項5.有機酸塩が、カルボン酸、スルホン酸及びフェノ
ールからなる群から選ばれる少なくとも1種である項3
記載のヘリコバクター・ピロリ除菌剤。 項6.銀化合物が、糖、アミノ酸、タンパク質及び脂質
からなる群から選ばれる少なくとも1種と銀との複合体
である項1又は2記載のヘリコバクター・ピロリ除菌
剤。 項7.銀化合物を有効成分とする、ヘリコバクター・ピ
ロリが関与する消化器疾患の予防剤、再発予防剤又は治
療剤。 項8.胃内に存在するヘリコバクター・ピロリを除菌す
る項7記載の予防剤、再発予防剤又は治療剤。 項9.ヘリコバクター・ピロリが関与する消化器疾患が
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、胃癌又はMALTリンパ腫で
ある項7又は8記載の予防剤、再発予防剤又は治療剤。 項10.銀化合物が有機酸塩及び無機酸塩からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種である項7〜9記載の予防
剤、再発予防剤又は治療剤。 項11.無機酸塩が、臭化銀、炭酸銀、塩素酸銀、塩化
銀、フッ化銀、二フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、硝
酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、過塩素
酸銀、リン酸銀、セレン酸銀、セレン化銀、亜セレン酸
銀、亜フッ化銀、硫酸銀及びヨウ化水銀(II)銀(Ag2H
gI4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である項
10記載の予防剤、再発予防剤又は治療剤。 項12.有機酸塩が、カルボン酸、スルホン酸及びフェ
ノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である項
10記載の予防剤、再発予防剤又は治療剤。 項13.銀化合物が、糖、アミノ酸、タンパク質及び脂
質からなる群から選ばれる少なくとも1種と銀との複合
体である項7〜9記載の予防剤、再発予防剤又は治療
剤。
【0012】
【発明の実施の形態】本明細書中において、銀化合物
は、有機酸塩、無機酸塩、金属銀及び複合体も含むもの
とする。本発明の有効成分として用いられる銀化合物
は、特に限定されず、公知のものを用いることができ
る。例えば、無機酸塩としては、臭化銀、炭酸銀、塩素
酸銀、塩化銀、フッ化銀、二フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨ
ウ化銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(I
I)、過塩素酸銀、リン酸銀、セレン酸銀、セレン化
銀、亜セレン酸銀、亜フッ化銀、硫酸銀、ヨウ化水銀
(II)銀(Ag 2HgI4)などが例示される。
【0013】有機酸塩としては、カルボン酸、スルホン
酸、フェノール等の塩が例示される。カルボン酸として
は酢酸等のモノカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、シ
ュウ酸、コハク酸等のジカルボン酸、クエン酸等のトリ
カルボン酸、乳酸、酒石酸、サリチル酸等のオキシ酸等
が挙げられ、スルホン酸としてはメタンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、タウリン等が挙げられ、フェノ
ールとしてはピクリン酸等が挙げられる。
【0014】銀と複合体を形成する糖としては、グリセ
ルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、
アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、ア
ルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イド
ース、ガラクトース、タロース、ジヒドロキシアセト
ン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシ
コース、フルクトース、ソルボース、タガトース、グル
コサミン、N−アセチルムグルコサミン、グルコース−6
−リン酸、ムラミン酸、N−アセチルムラミン酸、ガラ
クトサミン、マンノサミン、フコース、ラムノース、グ
ルクロネート、グルコノ−δ−ラクトン、シアル酸、グ
ルコン酸、グルクロン酸等の単糖類、マンノース、ラク
トース、スクロース、トレハロース等の二糖類、アミロ
ース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、キ
チン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫
酸等の多糖類等が例示される。
【0015】銀と複合体を形成するアミノ酸としては、
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプト
ファン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニ
ン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グル
タミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン等が例示さ
れる。
【0016】銀と複合体を形成するタンパク質として
は、ペプトン、アルブミン、アルブモーゼ、カゼイン、
コラーゲン、ゼラチン等が例示される。また、プロテイ
ン銀も用いることができる。
【0017】銀と複合体を形成する脂質としては、ホス
ファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホス
ファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチ
ジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カル
ジオリピン等のグリセロリン脂質、セラミド、スフィン
ゴミエリン、グルコシセレブロシド、ラクトシルセラミ
ド、ガングリオシド等のスフィンゴ脂質、トリアシルグ
リセロール等が例示される。
【0018】ピロリ菌が関与する消化器疾患としては、
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、胃癌、MALTリンパ腫等が
例示される。
【0019】本発明のピロリ菌除菌剤は、該消化器疾患
を予防する目的で使用する際には予防剤として、いった
ん治癒した該消化器疾患の再発を予防する目的で使用す
る際には再発予防剤として、ピロリ菌を除去することに
よって該消化器疾患を治療する目的で使用する際には治
療剤として使用され得る。また、治療及び再発予防を同
時に目的として使用することもできる。
【0020】また、該消化器疾患を予防、再発予防又は
治療する際に、本発明のヘリコバクター・ピロリ除菌剤
を単独で使用してもよいし、プロトンポンプ阻害剤及び
/又は抗生物質を併用してもよい。
【0021】本発明のヘリコバクター・ピロリ除菌剤に
は、より詳しくは、上記銀化合物の薬学的有効量を活性
成分とし、これを適当な医薬担体乃至希釈剤と共に含む
医薬組成物乃至医薬製剤が含まれる。
【0022】上記医薬組成物(医薬製剤)に利用できる
医薬担体としては、製剤の使用形態に応じて通常使用さ
れる、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面
活性剤、滑沢剤などの希釈剤或は賦形剤などが例示で
き、これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜
選択使用される。
【0023】該製剤形態としては各種のものが治療目的
に応じて選択でき、その代表的なものとしては液剤、カ
プセル剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤・乳剤、散剤、錠剤、
シロップ剤、トローチ剤、チュアブル錠等の経口剤が例
示できる。
【0024】特に好ましい本発明医薬製剤は、通常の製
剤などに使用され得る各種の成分、例えば安定化剤、殺
菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整剤、界面
活性剤などを適宜使用して調製される。
【0025】上記安定化剤としては、例えばヒト血清ア
ルブミンや通常のL−アミノ酸、糖類、セルロース誘導
体などを例示でき、これらは単独で又は界面活性剤など
と組合せて使用できる。特にこの組合せによれば、有効
成分の安定性をより向上させ得る場合がある。
【0026】上記L−アミノ酸としては、特に限定はな
く例えばグリシン、システイン、グルタミン酸などのい
ずれでもよい。
【0027】上記糖としても特に限定はなく、例えばグ
ルコース、マンノース、ガラクトース、果糖などの単糖
類、マンニトール、イノシトール、キシリトールなどの
糖アルコール、ショ糖、マルトース、乳糖などの二糖
類、デキストラン、ヒドロキシプロピルスターチ、コン
ドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの多糖類など及びそ
れらの誘導体などを使用できる。
【0028】界面活性剤としても特に限定はなく、イオ
ン性及び非イオン性界面活性剤のいずれも使用でき、例
えばポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキル
エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、
ソルビタンモノアシルエステル系、脂肪酸グリセリド系
などを使用できる。
【0029】セルロース誘導体としても特に限定はな
く、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースナトリウムなどを使用できる。
【0030】また本発明医薬製剤中には、各種添加剤、
例えば緩衝剤、等張化剤、キレート剤などをも添加する
ことができる。ここで緩衝剤としては、ホウ酸、リン
酸、酢酸、クエン酸、ε−アミノカプロン酸、グルタミ
ン酸及び/又はそれらに対応する塩(例えばそれらのナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩などのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩)などを
例示できる。
【0031】本発明医薬品製剤は、溶液製剤として使用
できる他に、これを凍結乾燥化し保存し得る状態にした
後、用時水、生理的食塩水などを含む緩衝液などで溶解
して適当な濃度に調製した後に使用することも可能であ
る。
【0032】また、本発明医薬製剤は、錠剤、丸剤、散
剤、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、チュア
ブル錠などの固体投与形態や、液剤、懸濁剤・乳剤、シ
ロップ剤などの液剤投与形態に調製されてもよい。
【0033】例えば、錠剤の形態に成形するに際して
は、上記製剤担体として乳糖、白糖、塩化ナトリウム、
ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリ
ン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウムなどの賦
形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブ
ドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル
セルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチル
セルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カン
テン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カル
シウムなどの崩壊剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン
酸モノグリセリドなどの界面活性剤、白糖、ステアリ
ン、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤、第4
級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸
収促進剤、グリセリン、デンプンなどの保湿剤、デンプ
ン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸
などの吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸
末、ポリエチレングリコールなどの滑沢剤などを使用で
きる。
【0034】更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した
錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、フィルムコーテ
ィング錠或は二重錠乃至多層錠とすることができる。
【0035】丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担
体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、
硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤、アラビア
ゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結
合剤、ラミナラン、カンテンなどの崩壊剤などを使用で
きる。
【0036】カプセル剤は、常法に従い通常本発明の有
効成分を上記で例示した各種の製剤担体と混合して硬質
ゼラチンカプセル、軟質カプセルなどに充填して調整さ
れる。
【0037】経口投与用液体投与形態は、慣用される不
活性希釈剤、例えば水を含む医薬的に許容される溶液、
エマルジョン、懸濁液、シロップ、エリキシルなどを包
含し、更に湿潤剤、乳剤、懸濁剤などの助剤を含ませる
ことができ、これらは常法に従い調製される。
【0038】また、トローチ剤、チュアブル錠用組成物
は、周知の標準賦形剤を用いて、常法に従い調製するこ
とができる。
【0039】なお、本発明医薬製剤中には、必要に応じ
て着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などや他の医
薬品などを含有させることもできる。
【0040】上記医薬製剤の投与方法は、特に制限がな
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度などに応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、
液剤、懸濁剤・乳剤、シロップ剤、顆粒剤及びカプセル
剤は経口投与され、チュアブル錠はかんで服用し、トロ
ーチ剤は口中で徐々に溶解又は崩壊させる。
【0041】なお、本発明の医薬品製剤は、例えば、シ
ュガー・コーティング、フィルム・コーティング等によ
る外皮、遮光物質の添加、カプセル、遮光ビン又は樹脂
製の容器等の入れ物、並びに包装等により遮光するのが
望ましい。
【0042】上記医薬製剤の投与量は、その用法、患者
の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選
択されるが、通常有効成分である本発明化合物の量が成
人1日当たり0.1〜2000mg程度、好ましくは0.5〜1800mg
程度、特に好ましくは1.0〜1500mg程度とするのがよ
く、1日1〜4回に分けて、例えば空腹時に投与すること
ができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0044】実施例1:ピロリ菌感染マウスにおける硝
酸銀の除菌効果 動物は、体重20〜30gの雄性C57BL/6マウス(SLC、6週
齢)を用い、ピロリ菌株は、空胞化毒素(Vac A)陽
性、サイトトキシン関連遺伝子産物(Cag A)陽性のSyd
ney Strain(SS)を使用した。
【0045】(1)ピロリ菌接種菌液の調製及び接種方
法 10% FBSを含むBHIBに保存菌液を2%となるように調製
し、微好気性条件下、24時間、37℃で振盪培養すること
により接種菌液を調製した。動物を24時間絶食後(ただ
し水は自由摂取)、菌液0.5ml(2.0×108 colony-formi
ng-units (CFU)/ml)を1日1回2日間経口接種した。接種
後は4時間絶食・絶水し、その後は自由摂食とした。
【0046】(2)使用薬物 薬物は、ピロリ菌接種2ヶ月後から硝酸銀(20mg/kg/day
又は100mg/kg/day)を滅菌蒸留水に溶かした後、1日2回
1週間連続経口投与した。各々の薬物を体重100g当たり
1.0mlの割合で投与した。なお対照群には溶媒のみを投
与した。
【0047】(3)ピロリ菌胃内生菌数の測定 薬物投与終了後、動物を24時間絶食し、エーテル致死さ
せ胃を摘出した。これをリン酸緩衝生理食塩水(PBS;p
H7.0)10mlに入れ、ポリトロンにて破砕した。この破砕
液を原液とし、これをPBS(pH7.0)にて10倍希尺した。
原液及び10倍希釈液の各々から100μlをピロリ菌選択培
養プレートに塗布し、微好気性条件下、7〜8日間、37℃
で培養した。また、ピロリ菌選択プレートは、ブルセラ
寒天培地に、10%馬脱繊維血、2.5μg/ml amphotericin
B、9μg/ml vancomycin、0.32μg/ml polymyxine B、5
μg/ml trimethoprim、50μg/ml 2,3,5−triphenyltetr
azolium chlorideを加えて作製した。その後、プレート
上の黒色及び金色のコロニーをピロリ菌としてコロニー
数を計測した。ピロリ菌の胃内生菌数はCFU/stomachで
表示した。結果を図1に示す。
【0048】硝酸銀20mg/kg投与群の胃内ピロリ菌数
は、約4.7×103 CFU/stomachであり、対照群(約1.0×1
05 CFU/stomach)と比較し有意に抑制されていた。特
に、硝酸銀100mg/kg投与群においては検出限界以下であ
り、ピロリ菌が完全に除菌されたことがわかる。
【0049】更に、図3に示すように、対照群と比較し
て体重の減少はほとんど見られず、硝酸銀投与による毒
性はないものと考えられる。
【0050】実施例2:ピロリ菌感染砂ネズミにおける
プロトンポンプ阻害薬及び/又は抗生物質の除菌効果 動物は体重30〜40gの雄性砂ネズミ(SLC、6週齢)を、
ピロリ菌株は、空胞化毒素(Vac A)陽性、サイトトキ
シン関連遺伝子産物(Cag A)陽性のピロリ菌ATCC43504
株を使用した。
【0051】(1)ピロリ菌接種菌液の調製及び接種方
法 10% FBSを含むBHIBに保存菌液を2%となるように調製
し、微好気性条件下、24時間、37℃で振盪培養すること
により接種菌液を調製した。動物を24時間絶食後(ただ
し水は自由摂取)、菌液1.0ml(2.0×108 colony-formi
ng-units (CFU)/ml)を単回経口接種した。接種後は4時
間絶食・絶水し、その後は自由摂食とした。
【0052】(2)使用薬物 薬物はピロリ菌接種5ヶ月後からオメプラゾール(OME、
60mg/kg/day)、クラリスロマイシン(CAM、100mg/kg/d
ay)をそれぞれ0.5%カルボキシメチルセルロースナトリ
ウムに懸濁した後、オメプラゾールは4週間、クラリス
ロマイシンは2週間、その後溶媒を2週間、1日1回経口投
与した。各々の薬物を体重100g当たり1.0mlの割合で単
独投与又は併用投与した。なお対照群には溶媒のみを投
与した。
【0053】(3)薬物投与終了後、実施例1と同様に
して、ピロリ菌胃内生菌数を測定した。結果を図2に示
す。
【0054】オメプラゾール単独投与群では、対照群と
比較してわずかに生菌数の減少が認められた。クラリス
ロマイシン単独投与群及び併用投与群において、胃内ピ
ロリ菌数は、各々約7.7×103 CFU/stomach、約3.3×102
CFU/stomachであり有意に抑制されてはいたが、完全に
は抑制されなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明のヘリコバクター・ピロリ除菌剤
を用いれば、毒性を生じることなく、感染したピロリ菌
を完全に、しかも短期間で除菌することができる。
【0056】また、短期間での完全な除菌により、ピロ
リ菌感染による消化器疾患の発生を予防、再発予防、治
療でき、更に、抗生物質の長期投与による副作用の発生
や耐性菌の出現もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1における結果を示す図である。
縦軸はピロリ菌胃内生菌数を示す。
【図2】図2は実施例2における結果を示す図である。
縦軸はピロリ菌胃内生菌数を示す。横軸のOMEはオメプ
ラゾール単独投与、CAMはクラリスロマイシン単独投
与、OME+CAMは両者の併用を示す。
【図3】図3は、実施例1におけるマウスの体重の変化
を示す図である。縦軸はマウスの体重(g)を、横軸は
薬物の投与日数を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7016 A61K 31/7016 31/702 31/702 38/00 37/02 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 NA14 ZA682 ZB352 4C086 AA01 AA02 EA01 EA20 HA01 HA15 HA16 HA17 HA19 HA20 HA21 HA24 HA28 MA01 MA04 NA14 ZA68 ZB35

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀化合物を有効成分とするヘリコバクタ
    ー・ピロリ除菌剤。
  2. 【請求項2】 胃内に存在するヘリコバクター・ピロリ
    を除菌する請求項1記載の除菌剤。
  3. 【請求項3】 銀化合物が有機酸塩及び無機酸塩からな
    る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2
    記載のヘリコバクター・ピロリ除菌剤。
  4. 【請求項4】 無機酸塩が、臭化銀、炭酸銀、塩素酸
    銀、塩化銀、フッ化銀、二フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ
    化銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(I
    I)、過塩素酸銀、リン酸銀、セレン酸銀、セレン化
    銀、亜セレン酸銀、亜フッ化銀、硫酸銀及びヨウ化水銀
    (II)銀(Ag2HgI4)からなる群から選ばれる少なくと
    も1種である請求項3記載のヘリコバクター・ピロリ除
    菌剤。
  5. 【請求項5】 有機酸塩が、カルボン酸、スルホン酸及
    びフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項3記載のヘリコバクター・ピロリ除菌剤。
  6. 【請求項6】 銀化合物が、糖、アミノ酸、タンパク質
    及び脂質からなる群から選ばれる少なくとも1種と銀と
    の複合体である請求項1又は2記載のヘリコバクター・
    ピロリ除菌剤。
  7. 【請求項7】 銀化合物を有効成分とする、ヘリコバク
    ター・ピロリが関与する消化器疾患の予防剤、再発予防
    剤又は治療剤。
  8. 【請求項8】 胃内に存在するヘリコバクター・ピロリ
    を除菌する請求項7記載の予防剤、再発予防剤又は治療
    剤。
  9. 【請求項9】 ヘリコバクター・ピロリが関与する消化
    器疾患が胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、胃癌又はMALTリ
    ンパ腫である請求項7又は8記載の予防剤、再発予防剤
    又は治療剤。
  10. 【請求項10】 銀化合物が有機酸塩及び無機酸塩から
    なる群から選ばれる少なくとも1種である請求項7〜9
    記載の予防剤、再発予防剤又は治療剤。
  11. 【請求項11】 無機酸塩が、臭化銀、炭酸銀、塩素酸
    銀、塩化銀、フッ化銀、二フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ
    化銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(I
    I)、過塩素酸銀、リン酸銀、セレン酸銀、セレン化
    銀、亜セレン酸銀、亜フッ化銀、硫酸銀及びヨウ化水銀
    (II)銀(Ag2HgI4)からなる群から選ばれる少なくと
    も1種である請求項10記載の予防剤、再発予防剤又は
    治療剤。
  12. 【請求項12】 有機酸塩が、カルボン酸、スルホン酸
    及びフェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種
    である請求項10記載の予防剤、再発予防剤又は治療
    剤。
  13. 【請求項13】 銀化合物が、糖、アミノ酸、タンパク
    質及び脂質からなる群から選ばれる少なくとも1種と銀
    との複合体である請求項7〜9記載の予防剤、再発予防
    剤又は治療剤。
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