JPH11211545A - 小魚の自動秤量装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】コンベアにより連続的に送られて来るしらす魚
を所定の量づつに分離して箱詰めや袋詰めを容易にする
ための装置を得ることにある。 【解決手段】重量センサを介して台枠に支持された秤量
ロータと、その秤量ロータへ被計量物を供給する供給コ
ンベアとを有し、その供給コンベアの供給速度を重量セ
ンサから送られる重量信号によって制御する制御手段を
備え、前記供給速度を被計量物の投入初期に比較的速
く、終期に遅く設定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はしらす干しなど、小魚
の自動秤量装置に関し、特に、ベルトコンベアによって
搬送されてくる小魚（以下、単にしらす魚という）を一
定の量づつ分けて取り出すための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、しらす魚を箱詰めして出荷する前
段階の作業として、その箱を満たす所定の量に小分けす
る作業があり、秤を使用して計測しつゝ箱詰めしてい
た。そのため、箱詰め作業に多くの人手を要するばかり
か、計測に大きなバラツキがあり、予測されるばらつき
の分を見込んで多めに計ることが行われていた。一般
に、多量にある物品を所定の重量ごとに分別するための
秤量装置として、水平方向に支持した開閉ドアの上に被
計量物を落下させ、所定の重量に達した都度、前記開閉
ドアを反転させて下方へ落下させる技術が知られてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな方法では、一旦開閉ドアが開いた後、閉じるまでの
時間が一定しない上、開閉ドアの開閉動作中にも多量の
被計量物が供給されてしまうため、計測誤差が大きくな
った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記した課題は、台枠に
重量センサを介して支持された秤量ロータと、その秤量
ロータへ被計量物を供給する供給コンベアとを有し、そ
の供給コンベアの供給速度を重量センサから送られる重
量信号によって制御する制御手段を備え、前記供給速度
を被計量物の投入初期に比較的速く、終期に遅く設定す
ることによって解決される。また、前記秤量ロータは回
転軸から放射方向へ伸びる４枚の仕切板によって区画さ
れた等しい容量の４個の回転升によって構成することも
好ましい態様である。また、前記回転升は回転軸から放
射方向へ伸びる４枚の仕切板と、各仕切板の側面を連結
する円板、および、台枠に支持した補助枠とによって構
成することも望ましい態様である。さらに、前記仕切板
の外周縁には弾性体からなる網を設け、その網の外縁を
前記補助枠に摺接させてもよい。前記課題はさらに、重
量センサを備え所定の重量を受けたとき回動する仕切板
と、その仕切板の上へ被計量物を供給する供給コンベア
とを有し、供給コンベアの下流端に分配樋を揺動可能に
枢支し、前記分配樋を重量センサの出力に応動させて、
被計量物の投入位置を初期には仕切板の中央に近く、終
期には仕切板の縁に近くに設定することによっても解決
される。

【０００５】

【作用】請求項１ 秤量ロータへ連続的に送られる被計量物の量が所定値に
達すると、秤量ロータが反転して堆積した分を排出する
が、その反転の時期には供給される被計量物の量が少な
くなり、秤量ロータが反転する際、計量されずに通過す
る被計量物の量が減じる。 請求項２ 秤量ロータは回転軸の周りに連続して形成された回転升
から構成され、隣接する回転升の間は相互に仕切板によ
って区画されている。よって、計測に際して秤量ロータ
を所定の角度だけ回動させるだけで一の回転升から次の
回転升へと投入先が変わり、被計量物の投入は連続して
行われる。 請求項３ 回転升は水平な仕切板によって底が作られ、垂直の仕切
板と２枚の円板、および、台枠に支持した補助枠とによ
って平面が略四角形の升形となる。 請求項４ 上記底をなす仕切板の先端と補助枠との間に形成される
隙間が弾性体からなる網によって閉じられる。 請求項５ 被計量物の投入初期の量が多く回転升へ短時間で所定量
の被計量物が投入される。また、投入の終期には投入量
が減るので、秤量ロータの回転速度や回転開始時期にば
らつきがあっても、それによって受ける影響が少なくな
る。

【０００６】

【実施例】以下、本願に係る発明を図示の実施例によっ
て説明する。図１中、１０は本願発明の実施である小魚
の自動秤量装置であり、しらす魚を箱詰めする前段階と
して所定の重量づつ分別する作業に使用される。自動秤
量装置１０には第１コンベア１１と第２コンベア１２と
の２台のコンベアが付属している。それら２台のコンベ
アはしらす魚を第１コンベア１１のコンベアベルト１１
ｃから第２コンベア１２のコンベアベルト１２ｃ上へ移
動させる過程で、コンベアベルト１２ｃの上へ載せられ
たしらす魚の厚さを可及的に均一とするために準備され
る。両コンベアベルト１１ｃ、１２ｃの搬送面は傾斜し
て設けられ、その下側から上側へと移動する。

【０００７】第１コンベア１１の下流端にはホッパ１１
ａが設けられ、そこには天日干しされ乾燥あるいは半乾
燥したしらす魚が投入され柔らかい回転ブラシ１１ｂに
よって解きほぐされた後、第２コンベア１２へ移送され
る。第１コンベア１１の終端は第２コンベア１２の始端
の直上に配置され、しらす魚は第１コンベア１１の終端
に達したとき、第２コンベア１２の始端へと落下する。

【０００８】第２コンベア１２はコンベアベルト１２ｃ
の移送速度が高速と低速とに切替え可能に構成されてお
り、後述する秤量器３０に供給されたしらす魚の重量に
応じ、当初は高速で移送され、しらす魚の重量が予定値
に接近すると、減速する構成となっている。第２コンベ
ア１２の始端には金網で作られた受け枠１２ａが設けら
れ、その中には回転円板１２ｂが設置してある。しらす
魚は第１コンベア１１から回転円板１２ｂの上へ落下
し、遠心力で受け枠１２ａ中へ一匹づつに分離して降り
飛ばされる。そして、コンベアベルト１２ｃの上へ均一
の幅、均一な厚さに堆積する。

【０００９】自動秤量装置１０は図２〜図４で示すよう
に、第２コンベア１２の下流端に設けられた分配樋２１
を通して秤量器３０へと流動する。分配樋２１はステン
レス板を上向きコ字形に折り曲げて底板とその両側から
立ち上がる側壁とによって樋状にしたもので、減速機付
きのブレーキ電動機２３によって駆動される。すなわ
ち、分配樋２１は前記第２コンベア１２のブラケット１
４へピン１５によって傾斜した姿勢で揺動可能に枢支さ
れ、連結杆２５を介してブレーキ電動機２３に連結され
たクランク腕２４へ連結されていて所定の周期で揺動す
る。よって、分配樋２１は第２コンベア１２から落下す
るしらす魚を上部で受け、下端部から排出する。２７は
前記分配樋２１の前方に位置して第２コンベア１２に取
り付けられたガイド板であり、分配樋２１の上から飛び
散ったしらす魚を後述する仕切板３３ｂの上へ戻すため
に設けられている。

【００１０】秤量器３０は鋼材を溶接して組み立てられ
た四角形の台枠３１に、重量を計測する自動秤３２を介
して支持された秤量ロータ３３を有する。３４は補助壁
であり、秤量ロータ３３の周面に面して設けられ、しら
す魚の飛散を防止すると共に、回転升３３ａの一側壁を
なしている。補助壁３４に対向して設けられた網カバー
は補助壁３４と同一の形状をなし、しらす魚の飛散を防
止すると共に、秤量ロータ３３に残留しているしらす魚
を除去するために設けられている。３５は前記台枠３１
に支持された漏斗、３６は箱であり、しらす魚を出荷す
るためのダンボール箱である。前記自動秤３２は２個を
一対とした２組のロードセルからなり、それらの上に短
冊状の支持板３７が橋架され、各支持板３７、３７の上
に前記秤量ロータ３３が支持されている。３８は秤量ロ
ータ３３を支持するための軸受ブロックであり前記短冊
状の支持板３７によって支持されている。よって、秤量
ロータ３３は、それ自体の重量と共に、そこへ被計量物
が投入されゝば、合算した重量が出力されるので、その
値から秤量ロータ３３自体の重量を減算し、投入された
被計量物の重量が時々刻々に出力される。

【００１１】秤量ロータ３３は前記軸受ブロック３８に
よって支持された回転軸３９の周りに４個の回転升３３
ａが形成されている。回転升３３ａは回転軸３９の周り
に９０゜の間隔で取り付けられた４枚の仕切板３３ｂ、
３３ｂのいずれかを底とし、上方へ垂直に伸びる他の仕
切板３３ｂとそれらの左右に取り付けられた２枚の円板
３３ｃ、３３ｃ、および、台枠３１に支持した補助壁３
４とを側壁として平面形状が略四角形の升形に形成され
る。前記回転軸３９は軸継ぎ手４２を介して連結された
減速器付きのブレーキ電動機４１に駆動され、必要な時
期に９０゜だけ回転し前記仕切板３３ｂ、３３ｂのいず
れかが水平にある位置に停止する。３３ｄは各仕切板３
３ｂ、３３ｂの先端部に取り付けられた合成樹脂製の網
である。この網３３ｄは仕切板３３ｂと前記補助壁３４
との隙間を埋めるため設けられたもので、素線の径や網
目の大きさは一般家庭の網戸に使用される程度のものに
設定してある。

【００１２】次に、上記自動秤量装置１０の作動を図６
に従って説明する。天日干しを終えたしらす魚が第１コ
ンベア１１のホッパ１１ａへ投入されると、コンベアベ
ルト１１ｃの移動に伴い、バラバラにほぐされて第２コ
ンベア１２へ移送され、均一な厚さ、均一な幅で移送さ
れる。しらす魚は第２コンベア１２の終端から分配樋２
１の上へ落下し、分配樋２１を経て回転升３３ａの中へ
落下する。回転升３３ａの中に溜まったしらす魚の重量
は、ある範囲まで時間の経過とともに直線的に増加し、
その間、分配樋２１はしらす魚を回転升３３ａの略中央
部へ投下し、第２コンベア１２は高速で運転されて多量
のしらす魚が回転升３３ａへ供給される。

【００１３】回転升３３ａへ供給されたしらす魚の重量
が所定値に達すると、第２コンベア１２の送り速度が減
速され、分配樋２１はしらす魚の排出先を回転軸３９
側、すなわち、垂直に立った仕切板３３ｂの近傍へと移
動させ、その後、秤量ロータ３３がブレーキ電動機４１
によって図２中で反時計方向へ１／４回転する。その結
果、回転升３３ａの中に溜まったしらす魚が下方の漏斗
３５の中へ落下し、空の回転升３３ａがしらす魚を受け
る所定の位置に入れ代わる。

【００１４】

【発明の効果】請求項１によれば、連続して供給される
被計量物を自動的に所定の重量に分けて排出することが
できる。また、計測の初期には大量の被計量物が供給さ
れるから、高速の測定が可能となり、しかも、秤量ロー
タが反転し次の仕切板と切り換わる際に、生じ易い計測
誤差が最少となる。請求項２によれば、秤量ロータへ被
計量物の所定の量が供給され、秤量ロータが反転してこ
れを排出するとき、投入される被計量物は仕切板を越え
るだけで次の回転升へ流入するから、被計量物の投入を
停止させることなく連続して行っても測定精度の低下が
少なく、効率よく多量の秤量が可能となる。請求項３に
よれば、秤量ロータと補助枠によって回転升が形成さ
れ、被計量物はその中へ投入されるので、投入された被
計量物が周囲へ飛散することがなく、測定精度を向上さ
せることができる。請求項４によれば、被計量物が回転
升から漏れることがなく、その測定精度を向上させるこ
とができる。請求項５によれば、コンベアから落下する
被計量物が計量終期には仕切板の近くへ排出されるの
で、計測ロータが所定の重量に達し、回転を始めると
き、その排出先が迅速に次の回転升へと切替えられて、
計測誤差を少なくすることができる。などの効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の一実施例である、小魚の秤量装置を
示す側面図である。

【図２】その要部を拡大して示す拡大側面図である。

【図３】図２中のＩＩＩ−ＩＩＩ断面図である。

【図４】図３中の矢視ＩＶ図である。

【図５】図１中の矢視Ｖ図である。

【図６】秤量装置の動作を示す動作表である。

【符号の説明】

１０・・・・小魚の自動秤量装置 １１・・・・
第１コンベア １１ａ・・・ホッパ １１ｂ・・・
回転ブラシ １１ｃ・・・コンベアベルト １２・・・・
第２コンベア １２ａ・・・受け枠 １２ｂ・・・
回転円板 １２ｃ・・・コンベアベルト １４・・・・
ブラケット １５・・・・ピン ２１・・・・
分配樋 ２３・・・・ブレーキ電動機 ２４・・・・
クランク腕 ２５・・・・連結杆 ２７・・・・
ガイド板 ３０・・・・秤量器 ３１・・・・
台枠 ３２・・・・自動秤 ３３・・・・
秤量ロータ ３３ａ・・・回転升 ３３ｂ・・・
仕切板 ３３ｃ・・・円板 ３３ｄ・・・
網 ３４・・・・補助壁 ３５・・・・
漏斗 ３６・・・・箱 ３７・・・・
支持板 ３８・・・・軸受ブロック ３９・・・・
回転軸 ４０・・・・位置センサ ４１・・・・
ブレーキ電動機 ４２・・・・軸継ぎ手 ４３・・・・
カバー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】重量センサを介して台枠に支持された秤量
   ロータと、その秤量ロータへ被計量物を供給する供給コ
   ンベアとを有し、その供給コンベアの供給速度を重量セ
   ンサから送られる重量信号によって制御する制御手段を
   備え、前記供給速度を被計量物の投入初期に比較的速
   く、終期に遅く設定してなる小魚の自動秤量装置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記秤量ロータは回転
   軸から放射方向へ伸びる４枚の仕切板によって区画され
   た等しい容量の４個の回転升によって構成されている小
   魚の自動秤量装置。
3. 【請求項３】請求項２において、前記回転升は回転軸か
   ら放射方向へ伸びる４枚の仕切板と、各仕切板の側面を
   連結する円板、および、台枠に支持した補助枠とによっ
   て構成される小魚の自動秤量装置。
4. 【請求項４】請求項３において、前記仕切板の外周縁に
   は弾性体からなる網を設け、その網の外縁を前記補助枠
   に摺接させてなる小魚の自動秤量装置。
5. 【請求項５】重量センサを備え所定の重量を受けたとき
   回動する仕切板と、その仕切板の上へ被計量物を供給す
   る供給コンベアとを有し、供給コンベアの下流端に分配
   樋を揺動可能に枢支し、前記分配樋を重量センサの出力
   に応動させて、被計量物の投入位置を初期には仕切板の
   中央に近く、終期には仕切板の縁に近くに設定してなる
   小魚の自動秤量装置。