JPH11211429A - 透明板状物体の形状の測定方法および測定装置 - Google Patents

透明板状物体の形状の測定方法および測定装置

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JPH11211429A
JPH11211429A JP2378798A JP2378798A JPH11211429A JP H11211429 A JPH11211429 A JP H11211429A JP 2378798 A JP2378798 A JP 2378798A JP 2378798 A JP2378798 A JP 2378798A JP H11211429 A JPH11211429 A JP H11211429A
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JP2378798A
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Makoto Kurumisawa
信 楜澤
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面形状の影響を受けずに表面形状を測定
し、表面形状の影響を受けずに裏面形状を測定したい。 【解決手段】 照射光が被測定物を透過して得られる透
過画像と反射して得られる反射画像とを入力し、両画像
の光強度の和および差を被測定物の裏面形状および表面
形状の凹凸を表す信号とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスに代表され
る透明板状物体の表面または裏面の形状を測定する透明
板状物体の形状の測定方法および測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の透明板状物体の平坦度などの
表面形状の特性を評価する方法として、接触式測定機に
よる被測定物の断面形状を測定する方法がある。そのよ
うな方法では、被測定物の全面にわたって表面形状の凹
凸を測定し、その測定結果にもとづいて被測定物の平坦
度などを評価することが理想的である。しかし、そのよ
うな測定方法によると測定に時間がかかるとともに多大
な設備費用が要求される。そこで、実際のガラス等の生
産工程では、離散的に断面部位を選択し選択された各部
位について表面形状の測定を実行することが考えられ
る。例えば、板状物体のある方向に向かって数mあるい
はそれ以上の長さに対して1つの割りで断面部位が選定
されそれらについて測定が行われることになる。
【0003】しかし、ガラスの筋状の表面変形は、短い
もので例えば100〜200mmといわれている。離散
的な形状測定にもとづく表面形状評価によると、短い表
面変形が見落とされるおそれがある。そこで、厳密な評
価が求められる場合には、やはり、時間と費用をかけた
評価を行わざるを得ない。レーザ光などを用いた非接触
式のプローブも実用化されている。非接触式による断面
形状の測定によれば、測定規模の縮小が期待される。し
かし、被測定物の断面形状を測定することに関しては接
触式測定機による測定と変わらず、被測定物の全面にわ
たって表面形状の凹凸を測定しようとすると、長い測定
時間が必要とされる。
【0004】より簡便に透明板状物体の表面形状を評価
する方法として、画像処理を用いた方法がある。例え
ば、特開平8−152403号公報に記載されたよう
な、明暗が例えば市松模様(チェッカー模様)状になっ
ている面光源から被測定物に光を投射し、被測定物から
の透過光または反射光をCCDカメラ等の撮像素子で受
光し、受光にもとづく電気信号を処理して表面形状を評
価する方法がある。また、特開昭55−101002号
公報や特開平3−272408号公報には、光束の透過
光または反射光の強度分布にもとづいて透明板状物体の
表面形状を評価する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、被測
定物の断面形状を測定することによって平坦度などの表
面形状の特性を評価する方法では測定に手間と時間がか
かり、その結果、精度のよい測定を実施することは実用
上困難であるという課題がある。また、画像処理を用い
て断面形状を評価する場合には、透過光学系を用いたと
きには被測定物の表面形状だけではなく裏面形状の影響
も測定結果の反映されてしまい、反射光学系を用いたと
きには表面反射光と裏面反射光とを弁別することが難し
く、やはり測定結果が裏面形状の影響を受けてしまう。
特開平9−152318号公報には、反射光学系を用い
たときに裏面反射光の影響を除去するためにガラスにお
ける透過率が低い紫外線を用いる方法が記載されてい
る。しかし、そのような場合には光源および光学系が特
殊なものとなってしまい、簡便に被測定物の表面形状を
評価する方法とはいい難い。
【0006】そこで、本発明は、簡便に、かつ精度よく
板状物体等の形状を測定できる方法であって、測定時に
被測定物の裏面形状の影響を受けずに表面形状を測定で
き、また、表面形状の影響を受けずに被測定物の裏面形
状を測定できる透明板状物体の形状の測定方法および測
定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による透明板状物
体の形状の測定方法は、被測定物を透過した光束による
透過像の光強度と被測定物で反射された光束による反射
像の光強度とを得るステップと、透過像の光強度と反射
像の光強度との和または差を算出するステップとを備え
たものである。透過像の光強度と反射像の光強度との差
を算出するステップで、被測定物上の同じ位置にあたる
部分の光強度に透過光量と反射光量との相違を補正する
係数を掛け、補正後の透過像の光強度と反射像の光強度
との差を、前記部分の表面形状の凹凸の度合いを示すデ
ータとして算出するようにしてもよい。透過像の光強度
と反射像の光強度との和を算出するステップで、被測定
物上の同じ位置にあたる部分の光強度に透過光量と反射
光量との相違を補正する係数を掛け、補正後の透過像の
光強度と反射像の光強度との和を、前記部分の裏面形状
の凹凸の度合いを示すデータとして算出するようにして
もよい。被測定物で反射された光束による反射像の光強
度を得るステップで、被測定物の表面で反射された光束
による反射像の光強度と被測定物の裏面で反射された光
束による反射像の光強度との差を、被測定物で反射され
た光束による反射像の光強度として用いてもよい。被測
定物を透過した光束による透過像の光強度と被測定物で
反射された光束による反射像の光強度とを得るステップ
で、被測定物の一方の面に入射した光による透過光と他
方の面に入射した光による反射光とを重ね合わせ、重ね
合わされた光による像の光強度を、透過像の光強度と反
射像の光強度との和として得るようにしてもよい。
【0008】また、本発明による透明板状物体の形状の
測定装置は、被測定物を透過した光束による透過像と被
測定物で反射された光束による反射像とを撮像する撮像
手段と、撮像手段で撮像された透過像の光強度と反射像
の光強度との和または差を算出する演算手段とを備えた
ものである。演算手段は、被測定物の表面で反射された
光束による反射像の光強度と被測定物の裏面で反射され
た光束による反射像の光強度との差を被測定物で反射さ
れた光束による反射像の光強度として、透過像の光強度
と反射像の光強度との和または差を算出する構成であっ
てもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明による測定装置の第1の実施の形態
を示す構成図である。図に示すように、点光源1から発
せられた拡散光束は、ガラス等の被測定物2に照射され
る。被測定物2を透過した光である透過光束3は、被測
定物2の表裏面形状に応じた明暗像をスクリーン5A上
に形成する。また、被測定物2で反射された光である反
射光束4は、被測定物2の表裏面形状に応じた明暗像を
スクリーン5B上に形成する。スクリーン5A,5B上
に形成された明暗像は、それぞれ、撮像素子6A,6B
で受光される。そして、撮像素子6A,6Bからの明暗
に応じた光強度信号が演算装置7に入力される。演算装
置7は、入力された光強度信号にもとづいて被測定物2
の表裏面形状の凹凸等を評価するための信号を出力す
る。
【0010】ガラス等の板状物体の面上の同一位置に相
当する座標における透過像の光強度と反射像の光強度と
の差が反射面の形状を表し、両者の和が反射面と反対側
の面の形状を表す。以下、このことを、図2および図3
の説明図を参照して説明する。なお、この明細書では、
照射される光の反射面が被測定物2の表面に相当し、反
射面と反対側の面が裏面に相当するものとする。
【0011】空気中からガラス等の板状物体に光が進む
場合、透過光の光束は、板状物体の面が凸形状(空気中
側に凸)のときには集光され、凹形状(空気中側に凹)
のときには拡散される。板状物体から空気中に光が進む
場合も、同様に、板状物体の面が凸形状(空気中側に
凸)のときには集光され、凹形状(空気中側に凹)のと
きには拡散される。
【0012】一方、反射光の光束は、空気中からの光が
ガラス等の板状物体で反射される場合、板状物体の面が
凸形状のときには拡散され、凹形状のときには集光され
る。板状物体内部を空気中に向かって光が進む場合に
は、板状物体の面が凸形状のときには集光され、凹形状
のときには拡散される。また、反射光は、表面反射光と
裏面反射光との和である。
【0013】従って、板状物体の肉厚が変動し、図2
(a)に示すように表裏面ともに凸形状になった場合に
は、透過光は表面および裏面で屈折され強く集光する。
また、表面での反射光は拡散され、裏面での反射光は集
光される。すると、拡散反射光と集光反射光と混在する
ので、結局、集光も拡散もない反射光の強度が観測され
る。図2(b)に示すように表裏面ともに凹形状になっ
た場合には、透過光は表面および裏面で屈折され強く拡
散する。また、表面での反射光は集光され、裏面での反
射光は拡散される。集光反射光と拡散反射光と混在する
ので、やはり、集光も拡散もない反射光の強度が観測さ
れる。なお、図2において、透過光は実線で示され、反
射光は破線で示されている。
【0014】図2(c)に示すように表面が凸状になり
裏面が凹状になるが肉厚の変動がない場合には、透過光
は表面で集光され裏面で拡散される。よって、観測され
る透過光は、集光も拡散もないものになる。また、表面
での反射光は拡散され、裏面での反射光も拡散されるの
で、観測される反射光は強く拡散したのものになる。図
2(d)に示すように表面が凹状になり裏面が凸状にな
るが肉厚の変動がない場合には、透過光は表面で拡散さ
れ裏面で集光される。よって、観測される透過光は、こ
の場合にも、集光も拡散もないものになる。また、表面
での反射光は集光され、裏面での反射光も集光されるの
で、観測される反射光は強く集光したのものになる。
【0015】図2(e)に示すように表面のみが凸形状
に変形した場合には、透過光は表面のみで屈折されて集
光する。しかし、(a)の場合よりも弱い集光である。
また、表面での反射光は拡散され、裏面での反射光は集
光も拡散もされないので、弱く拡散されたように反射光
の強度が観測される。図2(f)に示すように表面のみ
が凹形状に変形した場合には、透過光は表面のみで屈折
されて拡散する。しかし、(b)の場合よりも弱い拡散
である。また、表面での反射光は集光され、裏面での反
射光は集光も拡散もされないので、弱く集光されたよう
に反射光の強度が観測される。図2(g)に示すように
裏面のみが凸形状に変形した場合には、透過光は裏面の
みで屈折されて集光する。しかし、(a)の場合よりも
弱い集光である。また、裏面での反射光は集光され、表
面での反射光は集光も拡散もされないので、弱く集光さ
れたように反射光の強度が観測される。図2(h)に示
すように裏面のみが凹形状に変形した場合には、透過光
は裏面のみで屈折されて拡散する。しかし、(b)の場
合よりも弱い拡散である。また、裏面での反射光は拡散
され、表面での反射光は集光も拡散もされないので、弱
く拡散されたように反射光の強度が観測される。
【0016】図3は、以上に述べた関係が数値化して示
された説明図である。図3において、透過光および反射
光の欄で、表面および裏面の2面で集光の効果がある場
合には+2、表面または裏面の1面で集光の効果がある
場合には+1、表面および裏面の2面で拡散の効果があ
る場合には−2、表面または裏面の1面で拡散の効果が
ある場合には−1、集光も拡散もない場合(集光光と反
射光とが混在している場合を含む)には0としている。
「透過+反射」の欄および「透過−反射」の欄には、そ
れぞれの数値に関する和と差を示す。
【0017】図3を見ると、表面形状と「透過−反射」
とに関して、「凸」は+2に、「凹」は−2に、「平
(凹凸なし)」は0に対応していることがわかる。ま
た、裏面形状と「透過+反射」とに関して、「凸」は+
2に、「凹」は−2に、「平(凹凸なし)」は0に対応
していることがわかる。透過光および反射光を観測する
と、集光は明るく拡散光は暗く観測されるので、図3に
示された関係を用いると、「凸」は明るく「凹」は暗く
なる。すなわち、「透過光−反射光」の光量が多い地点
では表面形状が凸に変形し、「透過光−反射光」の光量
が少ない地点では表面形状が凹に変形していることがわ
かる。また、「透過光+反射光」の光量が多い地点では
裏面形状が凸に変形し、「透過光+反射光」の光量が少
ない地点では裏面形状が凹に変形していることがわか
る。
【0018】本発明による測定方法および測定装置は上
述した関係を利用したものである。以下、図4のブロッ
ク図および図5のフローチャートを参照して図1に示さ
れた演算装置7の動作を説明する。図4は、演算装置の
構成例を示すブロック図である。演算装置7は、透過画
像,反射画像を入力して所定のフィルタ処理を施すハイ
パスフィルタ71,74、フィルタ出力に所定の係数を
掛け合わせる係数器72,75、係数器72,75が出
力する各画像における画素の座標変換を行う座標変換器
73,76、座標変換器73,76の出力を加算する加
算器77、および座標変換器73,76の出力について
減算処理を行う減算器78を含む。
【0019】演算装置7は、撮像素子6Aから透過画像
を入力する(ステップS11)。また、撮像素子6Bか
ら反射画像を入力する(ステップS21)。入力された
透過画像および反射画像は光源特有の面内の光量分布
(光量のばらつきの影響)を含んでいる場合が多く、そ
の影響を除去するために、ハイパスフィルタ71,74
は、透過画像データおよび反射画像データにハイパスフ
ィルタ処理を施す(ステップS12,S22)。例え
ば、表裏面形状におけるうねり1周期分相当の範囲の平
均化処理を行って光量分布画像(シェーディング画像)
を求め、入力された原画像とシェーディング画像との差
によって、光源面内の光量分布の影響が除去された光量
データとする。
【0020】次に、透過画像と反射画像の強度補正を行
う(ステップS13,S23)。すなわち、透過光量と
反射光量とが異なっている場合には、光量の違いの影響
が除去されるように、係数器72,75は透過画像と反
射画像に係数をかける。例えば、被測定物2の物性によ
って決まる入射角度に応じた透過率および反射率から係
数を決定することができる。被測定物2の物性が不明等
の場合には、例えば、透過画像および反射画像の面内の
平均光量にもとづいて係数を決定することができる。な
お、ステップS13とステップS23とのうちのいずれ
か一方の処理において補正を行うようにすることもでき
る。すなわち、いずれか一方の係数器が設けられている
構成であってもよい。
【0021】以上のようにして得られた各画像には、被
測定物2における長い周期の反りの影響、および、被測
定物2と光軸の角度が場所によって異なることに起因す
る拡大率の相違の影響が含まれている。それらを除去す
るために、画像の座標を被測定物2上の座標に直す(ス
テップS14,S24)。具体的には、座標変換器7
3,76は、係数器72,75が出力した透過画像と反
射画像において、一端を基準面として、被測定物2の幅
分の画素数を求める。そして、各画素位置における拡大
率を用いて、スクリーン上の各画素の座標値を被測定物
2上の座標値に補正する(ステップS14,S24)。
ここで、被測定物2上の位置において等間隔(例えば1
mmおき)に光量データが得られるように、粗にデータ
が存在する箇所では補間によって各座標における光量デ
ータを求める。
【0022】加算器77は、被測定物2上の座標に変換
された透過画像の光量データと反射画像の光量データと
を画素毎に加算して和信号を出力する(ステップS
5)。減算器78は、被測定物2上の座標に変換された
透過画像の光量データから反射画像の光量データを画素
毎に減算して差信号を出力する(ステップS6)。上述
したように、加算値は、裏面形状の凹凸に対応してい
る。また、減算値は表面形状の凹凸に対応している。従
って、演算装置7による光量データの加算値は被測定物
2の裏面形状の基準面(和または差が0の面)からの高
さ(凹凸)を示し、光量データの減算値は被測定物2の
表面形状の基準面からの高さ(凹凸)を示していること
になる。
【0023】よって、各値を用いて被測定物2の表裏面
形状に関する評価を行うことができる(ステップS
7)。例えば、被測定物2の表面または裏面全体におけ
る各減算値または各加算値が所定の範囲内に収まってい
る否かを判断することによって、被測定物2の品質を判
定する等の処理を行うことができる。
【0024】なお、ハイパスフィルタ71,74、係数
器72,75、座標変換器73,76、加算器77およ
び減算器78は、計算機におけるソフトウェアで実現で
きる。また、ステップS11〜S14の処理とステップ
S21〜S24の処理とは、並列実行してもよいし、い
ずれか一方を先に実行してもよい。
【0025】次に、本発明による測定方法を実際に実行
した結果について説明する。ここでは、サンプル(被測
定物2)として厚さ0.7mm、250mm角のガラス
を用い、サンプル面の中央で光軸が20゜傾くように点
光源1を設定した。また、サンプル面上で1画素の幅が
0.63mmとなる条件(0.63mm間隔で光量デー
タが得られる条件)で実行した。図6は、本発明の測定
方法による表面形状の測定結果と、同一断面形状の被測
定物2を接触式測定機で測定した表面形状の測定結果と
を示す説明図である。(a)は接触式測定機による測定
結果を示し、(b)は本発明の測定方法による測定結果
を示す。また、図7は、本発明の測定方法による裏面形
状の測定結果と、同一断面形状の被測定物2を接触式測
定機で測定した裏面形状の測定結果とを示す説明図であ
る。(a)は接触式測定機による測定結果を示し、
(b)は本発明の測定方法による測定結果を示す。な
お、図6(a)および図7(a)において数値は測定さ
れた実際の凹凸の値(単位はμm)を示すが、図6
(b)および図7(b)において数値は光量データにも
とづく値(単位は任意)を示す。
【0026】図6および図7からわかるように、本発明
の測定方法による測定結果と接触式測定機による測定結
果とは、凹凸の振幅やピッチなど定性的には類似してい
る。図8は、本発明の測定方法による表面形状の測定結
果における波形のばらつきと、接触式測定機による表面
形状の測定結果における波形のばらつきとを標準偏差で
表し、測定した10サンプルについて両者の相関を示し
たものである。両者の相関はR2 =0.80と高い。ま
た、図9は、本発明の測定方法による裏面形状の測定結
果における波形のばらつきと、接触式測定機による裏面
形状の測定結果における波形のばらつきとを標準偏差で
表し、測定した10サンプルについて両者の相関を示し
たものである。両者の相関はR2 =0.82と高い。
【0027】よって、本発明の測定方法による測定結果
を接触式測定機による測定結果に代えて採用しても被測
定物2の形状を正しく把握できることになり、本発明の
有用性が確認された。すなわち、接触式測定機による測
定に代えて本発明の測定方法を用いても、被測定物2の
表面形状および裏面形状を実用上問題なく測定できる。
【0028】上記の実施の形態では、表面反射の光量と
裏面反射の光量とは同じであるとした。しかし、被測定
物2と光軸との角度が小さくなった場合など、表裏面の
反射光量の差が無視できない場合がある。例えば、反射
率が30%であったとすると、表面反射光量は全光量の
30%になる。しかし、裏面反射光量は、被測定物2内
での減衰を無視しても、70%(表面透過率)×30%
(裏面反射率)×70%(表面透過率)となり、裏面反
射光量は全光量のほぼ15%になってしまう。すなわ
ち、裏面反射光量は、表面反射光量の半分になってしま
う。
【0029】図10は、表面反射の光量と裏面反射の光
量とに差があってもその影響を除去しうる本発明の第2
の実施の形態を示すブロック図である。図10に示すよ
うに、被測定物2による透過光束3および表面側の反射
光束4Aを得るための点光源1Aと、被測定物2の裏面
側の反射光束4Bを得るための点光源1Bとが設けられ
ている。
【0030】図11は、図2に示された各断面形状につ
いて表裏面反射光量の違いの影響を除去する原理を示す
説明図である。集光の場合を+、拡散の場合を−とし
て、表面反射光量を1、裏面反射光量を0.5とした。
図11における「表面から」および「裏面から」の各欄
には、表面側から反射像を撮像した場合および裏面側か
ら反射像を撮像した場合の集光および拡散の度合いが示
されている。また、「表面から」の値と「裏面から」の
値との差が「表面−裏面」の欄に示されている。
【0031】図3における「反射光」の欄の各値と図1
1における「表面−裏面」の欄の各値とを比較すると、
図11における各値は、図3における各値の1.5倍に
なっていることがわかる。すなわち、図11における
「表面−裏面」の欄の各値は、図3における「反射光」
の欄の各値と同様の意味あいをもち、しかも、表裏面反
射光量の違いの影響が除去されたものとなっている。従
って、表面側で観測される反射光の光量に代えて、表面
側で観測される反射光の光量と裏面側で観測される反射
光の光量の差を用いれば、被測定物2の表面形状および
裏面形状の測定に際して、表裏面反射光量の違いの影響
が除去された光量データを得ることができる。ただし、
ここでも、透過光量と反射光量との光量差を補正するた
めに、表面側で観測される反射光の光量と裏面側で観測
される反射光の光量との差に所定の係数を掛けたものを
用いる。
【0032】次に、図10に示された測定装置の動作に
ついて説明する。まず、撮像素子6Aは、点光源1Aか
ら照射された光が被測定物2を透過した光である透過光
束3がスクリーン5A上に形成した明暗像を撮像し、撮
像素子6Bは、被測定物2で反射された光である反射光
束4A(表面からの反射光束)がスクリーン5B上に形
成した明暗像を撮像する。撮像素子6A,6Bからの明
暗に応じた光強度信号が演算装置7に入力される。次い
で、撮像素子6Aは、点光源1Bから照射された光が被
測定物2で反射された光である反射光束4B(裏面から
の反射光束)がスクリーン5A上に形成した明暗像を撮
像する。撮像素子6Aからの明暗に応じた光強度信号が
演算装置7に入力される。
【0033】演算装置7は、入力された各画像データに
対して必要なハイパスフィルタ処理を施して、透過像の
光量データと、表面からの反射像の光量データと裏面か
らの反射像の光量データとの差の光量データ(差デー
タ)を得る。そして、透過像の光量データと差データと
を用いて、第1の実施の形態の場合と同様に、和信号と
差信号とを出力する。この場合に出力される和信号およ
び差信号は、表裏面反射光量の違いの影響が除去された
裏面形状および表面形状に対応した信号になっている。
【0034】図12は、本発明による測定装置の第3の
実施の形態を示すブロック図である。例えば、被測定物
2の一方の面の測定のみが必要であるような場合には、
このような構成を用いることができる。測定したい面を
下側にして被測定物2が設置される。そして、点光源1
Aからの光が被測定物2を透過した透過光束と点光源1
Bからの光が被測定物2で反射された反射光束とが重ね
合わされた重ね合わせ光束8による像がスクリーン5上
に形成される。スクリーン5上の像は撮像素子6で撮像
されて演算装置7に入力されるので、演算装置7は、一
時に、透過光+反射光による画像の光量データを入力す
ることができる。そして、演算装置7は、必要なハイパ
スフィルタ処理や座標変換処理を行って、光量データを
和信号として出力する。
【0035】この場合には、図12に示されたように装
置構成が簡略化されるとともに、加減算処理が不要にな
って演算装置7におけるデータ処理も簡略化される。な
お、点光源1A,1Bから出る光束が被測定物2で同様
の広がり方になるように、また、スクリーン5において
透過光量と反射光量とが同じになるように、点光源1
A,1Bは調整される。
【0036】図13は、本発明による測定装置の第4の
実施の形態を示すブロック図である。この場合には、図
12に示された点光源1A,1Bに代えて、1つの点光
源1とミラー9A,9Bとが設けられる。点光源1から
の光はミラー9A,9Bで反射され、ミラー9Aからの
光が被測定物2を透過した透過光束と、ミラー9Bから
の光が被測定物2で反射された反射光束とが重ね合わさ
れて重ね合わせ光束8となる。以後の処理は、第3の実
施の形態の場合と同様である。
【0037】この場合には、点光源1は1つでよく、さ
らに構成が簡略化される。なお、ミラー9A,9Bの反
射率は、スクリーン5において透過光量と反射光量とが
同じになるように、選定または調整されている。また、
点光源1からの光のうち不要な方向の光は遮光されるよ
うに遮光手段(図示せず)等も設けられている。
【0038】図14は、移動中のガラス等の被測定物2
の表裏面形状を測定するのに適した測定装置を示すブロ
ック図である。被測定物2は、図中矢印の方向に連続的
に移動している。図1に示された第1の実施の形態の場
合と同様に、撮像素子6A,6Bで撮像された透過像お
よび反射像にもとづいて、演算装置7は、表裏面形状を
示す信号を作成する。ただし、この例では、撮像素子6
A,6Bはラインカメラでよく、演算装置7には1次元
画像データが入力される。しかし、被測定物2が移動し
ているので、第1の実施の形態の場合と同様に、被測定
物2の全面の表裏面形状が測定される。
【0039】なお、図10や図12に示された実施の形
態の場合と同様に2つの点光源1A,1Bを用いてもよ
いし、図13に示された実施の形態の場合と同様にミラ
ー9A,9Bを用いた構成とすることもできる。また、
図12および図13に示された構成を用いる場合に、ス
クリーン5を下側に設置して上下逆の構成にしてもよ
い。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、透明板
状物体の形状の測定方法および測定装置を、被測定物を
透過した光束による透過像と被測定物で反射された光束
による反射像とを得て、透過像の光強度と反射像の光強
度との和または差を算出するように構成したので、被測
定物の裏面形状の影響を受けずに表面形状を容易に測定
でき、また、表面形状の影響を受けずに被測定物の裏面
形状を容易に測定できるようになり、製品の平坦度に関
して工程管理や製品管理を正確に、かつ簡易に実施でき
る効果がある。また、被測定物の表面で反射された光束
による反射像の光強度と被測定物の裏面で反射された光
束による反射像の光強度との差を被測定物で反射された
光束による反射像の光強度として用いる場合には、表面
反射の光量と裏面反射の光量とに差があってもその影響
を除去して、被測定物の表面形状および裏面形状を測定
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による測定装置の第1の実施の形態を
示す構成図である。
【図2】 被測定物の形状変化と透過光および反射光の
光路との関係を示す説明図である。
【図3】 被測定物の形状と透過光量および反射光量と
の関係を示す説明図である。
【図4】 演算装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】 演算装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】 本発明の測定方法による表面形状の測定結果
と接触式測定機で測定した表面形状の測定結果とを示す
説明図である。
【図7】 本発明の測定方法による裏面形状の測定結果
と接触式測定機で測定した裏面形状の測定結果とを示す
説明図である。
【図8】 本発明の測定方法による表面形状のばらつき
と接触式測定機による表面形状のばらつきとの相関を示
す説明図である。
【図9】 本発明の測定方法による裏面形状のばらつき
と接触式測定機による裏面形状のばらつきとの相関を示
す説明図である。
【図10】 本発明の第2の実施の形態を示すブロック
図である。
【図11】 図2に示された各断面形状について表裏面
反射光量の違いの影響を除去する原理を示す説明図であ
る。
【図12】 本発明の第3の実施の形態を示すブロック
図である。
【図13】 本発明の第4の実施の形態を示すブロック
図である。
【図14】 移動中の被測定物の表裏面形状を測定する
のに適した測定装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 点光源 2 被測定物 5,5A,5B スクリーン 6,6A,6B 撮像素子 7 演算装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性を有する板状の被測定物の表面形
    状または裏面形状を測定する方法であって、 前記被測定物を透過した光束による透過像の光強度と、
    前記被測定物で反射された光束による反射像の光強度と
    を得て、 前記透過像の光強度と前記反射像の光強度との和または
    差を算出することを特徴とする透明板状物体の形状の測
    定方法。
  2. 【請求項2】 透過像の光強度と反射像の光強度との差
    を算出する際に、 被測定物上の同じ位置にあたる部分の光強度に透過光量
    と反射光量との相違を補正する係数を掛け、 補正後の前記透過像の光強度と前記反射像の光強度との
    差を、前記部分の表面形状の凹凸の度合いを示すデータ
    として算出する請求項1記載の透明板状物体の形状の測
    定方法。
  3. 【請求項3】 透過像の光強度と反射像の光強度との和
    を算出する際に、 被測定物上の同じ位置にあたる部分の光強度に透過光量
    と反射光量との相違を補正する係数を掛け、 補正後の前記透過像の光強度と前記反射像の光強度との
    和を、前記部分の裏面形状の凹凸の度合いを示すデータ
    として算出する請求項1記載の透明板状物体の形状の測
    定方法。
  4. 【請求項4】 被測定物で反射された光束による反射像
    の光強度を得る際に、 前記被測定物の表面で反射された光束による反射像の光
    強度と前記被測定物の裏面で反射された光束による反射
    像の光強度との差を、前記被測定物で反射された光束に
    よる反射像の光強度とする請求項1ないし請求項3記載
    の透明板状物体の形状の測定方法。
  5. 【請求項5】 被測定物を透過した光束による透過像の
    光強度と前記被測定物で反射された光束による反射像の
    光強度とを得る際に、 前記被測定物の一方の面に入射した光による透過光と他
    方の面に入射した光による反射光とを重ね合わせ、 重ね合わされた光による像の光強度を、透過像の光強度
    と反射像の光強度との和として得る請求項1または請求
    項3記載の透明板状物体の形状の測定方法。
  6. 【請求項6】 透明性を有する板状の被測定物の表面形
    状または裏面形状を測定する装置であって、 前記被測定物を透過した光束による透過像と前記被測定
    物で反射された光束による反射像とを撮像する撮像手段
    と、 前記撮像手段で撮像された透過像の光強度と反射像の光
    強度との和または差を算出する演算手段とを備えたこと
    を特徴とする透明板状物体の形状の測定装置。
  7. 【請求項7】 演算手段は、被測定物の表面で反射され
    た光束による反射像の光強度と前記被測定物の裏面で反
    射された光束による反射像の光強度との差を前記被測定
    物で反射された光束による反射像の光強度として、透過
    像の光強度と前記反射像の光強度との和または差を算出
    する請求項6記載の透明板状物体の形状の測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292668A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 表面検査装置および表面検査方法
JP2016156822A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社昭和電気研究所 ウェハ欠陥検査装置

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