JP4275661B2 - 変位測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物の光を当てて走査しつつその反射光を受けることにより、被測定物の表面の変位を三角測量する変位測定装置及びそれを用いた形状検査装置に関する。特に、本発明は、走査方向に傾斜する被測定物の表面の変位を測定できる技術に係る。
従来、三角測量により変位測定する装置として、特許文献1の従来技術に示されるものがあった。このような従来技術により変位測定を行うと、被測定物の表面の傾斜が良く測定できない問題があった。例えば、図10(A)に示すように、被測定物のシール材の表面形状を測定しようとすると、走査位置がm点(略頂上付近の平面の点)で走査光を入力したとき正反射する反射光を測定して変位を測定し、そのまま位置n点(斜面の点)に移して、m点での測定と同じ角度の走査光を入力して測定しようとするとn点で正反射する反射光が、m点での反射光とは異なった方向へ反射する。つまり、反射光を検出する検出器をm点の反射光を受ける位置に配置すると、n点の反射光を受けられないことが起きる。したがって、測定結果を走査方向に沿ってプロットすると、図10(B)の実線で示すようにシール材の傾斜部において、シール材の実断面(図10(B)の点線)に比べ落ち込んだ波形が得られる。上記のように傾斜部においては正反射した反射光を受光できないためである。
そこで、特許文献1の発明は、光変位センサーそのものを被測定物の傾斜面に応じて回転させて測定するものであった。特許文献1の発明に係る技術は、光変位センサーの出力が所定値になるよう、光変位センサーを回転するように自動制御する構成にされていた。したがって、測定点の斜面や平面等に追随して測定する事が可能であった。
特公平7−69151号公報
上記の特許文献1の技術によれば、光変位センサーの出力が所定値になるように光センサーの回転位置(角度)を自動制御するものであるから、光変位センサーの出力が所定値に落ち着くまでの制御時間が必要であること、またその制御時間は、測定点における形状(平面、斜面等)に依存するということがあって、測定点を次々と走査しながら測定する変位測定装置においては、その走査時間を遅延させる恐れがあった。また、構成も回転位置の制御機構も複雑であった。
本発明の目的は、被測定物上の測定点の形状に応じて異なった角度で正反射する光を検出できる複眼機能を備えた光センサーにより、その測定点における形状の影響を防止して、測定点を走査しつつ(形状の変化に依存する時間をかけることなく)測定できる技術を提供する。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一つの光源を有し、該光源からの光を被測定物上に集光させることにより集光された位置を測定点として斜めに照射する投光部(100)と、前記測定点から正反射する反射光を受光するための受光部(210)とを有する光変位センサーを備え、前記投光される光を含み前記被測定物に垂直な平面に直交する方向に相対的に前記光変位センサーを移動させることにより走査して、前記被測定物の変位を測定する変位測定装置であって、前記一つの光源に対して前記受光部を少なくとも三つ以上の複数有し、前記複数の受光部のいずれかが前記被測定物の前記平面に沿った断面における、前記走査の方向に立ち上がる傾斜面、その傾斜の頂部、及びその頂部より立ち下がる傾斜面のいずれを測定点としても前記正反射した反射光を受光できるように、前記複数の受光部を前記測定点を中心に配列して備えた。
請求項2に記載の発明は、光を被測定物上に集光させることにより集光された位置を測定点として斜めに照射する投光部(100)と、前記測定点から正反射する反射光を受光するための受光部(210)とを有する光変位センサーを備え、前記投光される光を含み前記被測定物に垂直な平面に直交する方向に相対的に前記光変位センサーを移動させることにより走査して、前記被測定物の変位を測定する変位測定装置であって、複数の前記受光部が前記測定点に向けて、前記平面を挟んで対称に、かつ前記平面と交差する方向に配列され、かつ各前記受光部の受光面が占める前記測定点から前記正反射した反射光を受光できる受光範囲が、変位測定上、隣り合う受光部の受光面同士で連続するように配置されて構成された。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記複数の受光部は、前記平面上に1つと、その平面を挟んで対称に、かつ該平面の両側に同じ数だけ配列された構成とした。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記投光部は、光源(LD)と、該光源から出射した光を被測定物上に集光させることにより集光された位置を測定点として斜めに照射する集光レンズ(2)とを備え、前記複数の受光部は、それぞれ前記測定点から正反射した光を受けて集光する受光レンズ機能素子(3a、3b、3c)と、該受光レンズ機能素子で集光された光を受ける受光素子(PSD1、PSD2、PSD3)とを備え、該受光レンズ機能素子の受光面は、前記測定点に向けて、前記平面を挟んで対称に、かつ前記平面と交差する方向に配列され、かつ隣合う受光面同士が連続するように配置された構成とした。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、 前記複数の受光レンズ機能素子からその前記集光される位置までの距離は同一であり、前記各受光レンズ機能素子は前記測定点から同一距離に配置され、かつ隣り合う受光レンズ機能素子の受光面が互いに接するように近傍に配置された構成とした。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記各受光レンズ機能素子は、前記測定点から正反射した光を受けて平行光にするコリメータレンズ(3a1、3b1、3c1)と該コリメータレンズからの平行光を前記対応する受光素子へ集光する受光用集光レンズ(3a2、3b2、3c2)とを有し、
前記受光部の受光面は、前記コリメータレンズの受光面であって、隣り合うコリメータレンズの受光面が前記測定点に対して占める受光範囲が、変位測定上、互いに連続するように配置されるとともに、各受光レンズ機能素子における、前記測定点と前記コリメータレンズ間の距離と、前記受光用集光レンズと前記受光素子間の距離の比が、同一である構成とした。
なお、上記発明の表現を変えると次のように言える。つまり、光源と、該光源から出射した光を被測定物上に集光させることにより集光された位置を測定点として照射する集光レンズと、前記測定点を境にして対称に正反射した光を受けて集光する受光レンズ機能素子と、該受光レンズ機能素子で集光された光を受ける受光素子と、を有する光変位センサーを備え、前記光変位センサーを前記被測定物に対して相対的に、かつ前記光源から前記測定点までの光路を含み前記被測定物に対してほぼ垂直な平面に直交する方向に移動させることにより前記測定点を走査させて、前記受光素子の受光面上の受光位置により前記測定点における前記被測定物の変位を検出する変位測定装置であって、
前記光変位センサーは、前記受光レンズ機能素子が複数、前記平面と交差する方向に該平面を境に対称に前記測定点を軸として略扇状に配列され、かつ各前記受光レンズ機能素子の測定点に対して有する受光範囲が、変位測定上、隣合う受光レンズ機能素子間で連続するように配置され、さらに、前記受光素子が複数、前記配列された受光レンズ機能素子に対応して各受光レンズ機能素子によって集光される位置に配置される構成を備えたことを特徴とする変位測定器。
本発明は、光変位センサーが、異なる角度の複数の光を検出できる受光部を備える構成、いわゆる複眼機能をもつ構成であるから、走査中に測定点の形状変化に応答して、受光できるので、形状の変化に応じた変位を走査しつつ直ちに測定きる。また、従来の特許文献1のように単眼の光変位センサーを回転させる機構がないので、容易に構成できる。
本発明の実施形態を図を用いて説明する。図1は、本発明に係る光変位センサーの実施形態を説明するための模式的な構成図である。図1(A)は光源であるLD(レーザーダイオード)から被測定物へ照射される光を含み被測定物に垂直な平面に直交する方向から見た図である。言い換えれば、走査方向から見た図である。図2は、図1の構成を矢視Aから見た模式的な図である。図3は、受光素子であるPSD及び受光レンズ(機能素子)を含む受光部を説明するための図であり、複数の受光部を同一構成とした場合を説明するための図である。図4は、複数の受光部の受光レンズ機能素子を変えた場合の例を説明するための図である。図5は、複数の受光部における受光レンズ機能素子及び受光素子であるPSDが異なる場合の例を説明するための図である。図6は、本発明の変位測定装置に係る実施形態の機能構成を示す図である。図7は、図6の実施形態を用いた形状検査装置の実施形態の機能構成を示す図である。図8は、変位測定結果の例を示す図である。図9は、受光範囲の連続性を説明するための図である。
[光変位センサー]
ここでは、図1における光源LD、コリメータレンズ1及び集光レンズ2で構成される投光部100と、受光レンズ(機能素子)及び受光素子(この1組み合わせが1受光部)からなる3つの受光部200,210,220(代表して「受光部」と言うことがある。)とで構成される光変位センサーの構成及び動作について説明する。
なお、本発明において、「受光レンズ機能素子」と言う表現を用いているが、同一機能・性能を単一のレンズ或いは複数のレンズで達成できることから、それら全体を表すための表現である。
図1において、光源LDは、例えばレーザダイオードであり光を発生する。実際は、光の束(ビーム)であるが、図1には、単純な線で示している。コリメータレンズ1は、光源LDからの光を受けて平行光に変換して集光レンズ2へ送る。集光レンズ2は、コリメータレンズ1から受けた平行光を集光して被測定物上を照射する。以下では、この照射された位置を「測定点」と言う。
図1及び図2において、この例では、受光レンズ(機能素子)としては受光レンズ3a、3b、3c(代表して「受光レンズ3」と言うことがある。)の3つを有し、照射された被測定物上の測定点で正反射した光を受けて受光素子PSD1〜3のいずれかに集光させる。この例では、受光素子としてもPSD1〜3の3つを有している。受光素子PSD1〜3(代表して「受光素子PSD」と言うことがある。)のそれぞれは、この場合は、図1(B)に示すように同一の構成を有する。受光素子PSD1〜3は、光学的に変位を測定し電気信号に変換する素子であり、フォトダイオードで構成されも良いし、CCDで構成されても良い。受光素子PSD1〜3は、光学図1(B)の縦方向に、光を受けたPSD上の位置、つまり変位Lpは、その両端から出力される強度、例えば、出力A1と出力B1の値を用いて、Lp1=(A1−B1)/(A1+B1)で示される。したがって、図1に示すように測定点の形状、高さの変化は、受光素子PSD1〜3が受光する位置P1,P2,P3がそれぞれの出力A1〜3,出力B1〜3で上式により特定され、変位Lp1〜Lp3が測定できる(詳細は後記。)。
図1,2の受光レンズ3a、3b、3cは、同じ焦点距離のものを使用し、例えば、図3のように比(PSD側の焦点距離F2/測定点側の焦点距離F1)が同じレンズ(レンズ機能素子)を使用している。受光素子PSDの性能、受光レンズ3の性能が同じなので、測定点と各受光レンズ3との間の距離は同じであり、かつ測定点と各受光素子PSDとの間の距離も同じである。受光部200,210,220の3つの変位検出感度を同一にするためである。
また、図2に示すように、投光部100から投光される光の光路を含み被測定物に垂直な面(図1の面、或いは図2の受光素子PSD2と測定点とを結ぶ線上に立てた面)と交差するようにほぼ扇状に配設された受光レンズ3a、3b、3cの受光面は互いに隣合う同士で接触するように構成することが望ましい。つまり、図2に示すように受光レンズ3aで受けた光は受光素子PSD1に集光し、受光レンズ3bで受けた光はPSD2に集光し、受光素子3cで受けた光は受光素子PSD3に集光させることにより、受光レンズ3aから3cまでの扇状に配設された各角度範囲(受光範囲)にある光を漏れなく受光できる構成とするためである。隣合う各受光素子の受光面間に隙間があれば、その隙間に入った光は受光できないので、その隙間に入った位置における測定点の変位に誤差を生ずることになるためである。
なお、上記のように「扇状に配設された受光レンズ3a、3b、3cの受光面は互いに隣合う同士で接触するように構成」とは、いわば各受光部(受光レンズ3)の受光面が測定点に対して有する受光範囲を隣合う受光面同士で連続するように配置させることであり、完全に連続すれば良いが、配置・構造上の誤差等の問題がある。そこで、ここでの「連続するように配置」は、配置した結果あくまで実質的に変位測定ができることを意味する。言い換えれば、実質的に測定に影響のない受光範囲の不連続を許容する。例えば、光を光束として捉えた場合、図9に示すように少なくとも光の一部がいずれかの受光レンズに入力されていれば、測定可能なので、連続性がある。図9は、説明のため図4の受光レンズ3a1、3b1,3c1だけ取り出して配列し直したものである。図9において、測定点からの反射光A(斜線部分の光束)の一部が受光レンズ3b1と3c1の間を抜けて、一部が受光レンズ3b1で受光している。反射光B(斜線部分の光束)の一部が受光レンズ3b1に入力され、他の一部が受光レンズ3a1に入力され、更に他の一部が受光レンズ3b1と3a1の間を抜けて、一部が受光レンズ3b1で受光している。このように、測定点からの反射光が全部抜けない寸法関係の構造にすることで、連続性ができる。
一方、走査過程において、例えば、次の(イ)又は(ロ)のような測定方法で、所定距離間において反射光が抜けることがあっても、測定上は実質的に連続して測定するものであって、その変位測定上許容される誤差範囲内であれば、実質的に受光面の受光範囲が連続するように配置されたものとみなすものとする。
(イ)走査方向に走査して、所定距離毎(走査方向の測定分解能)に変位を測定する。つまり、走査方向に所定距離毎に連続して測定できれば良い。また、上記のように所定距離毎に測定するのであるが、被測定物の凹凸の傾斜度の程度や、平坦度の程度が被測定物の種類等で予想されるとき、その所定距離間隔を大きくしたり、或いは集中的に一部細かく一部大きくしたりすることがある。
(ロ)被測定部の凹凸の形状の傾斜度の程度や、平坦度の程度によっては、所定距離間隔の一つ又は複数間隔おきに変位測定し、その一つ又は複数間隔における値は前後の測定値で補正する、或いは前後の測定値を結んだ線上の推定値とすることも可能である。
以上のように実質的な悪影響がなければ、受光範囲の不連続性があっても本発明の範疇に属する。以下、受光範囲の連続については、上記意味を呈するものとする。
図2は、図1の矢視Aから見た図であり(光源側の構成を省略)、かつ主走査の位置により、正反射の角度が変わり、かつ受光素子PSD1〜3での受光位置が変化する様子を示している。第1の走査光、第2の走査光及び第3の走査光は、本来一つの光で測定点を主走査するのであるが、説明上、被測定物上の測定点Xn−1を走査したときの光を第1の走査光、測定点Xnを走査したときの光を第2の走査光及び測定点Xn+1を走査したときの光を第3の走査光として表現している。第の1の走査光によって測定点Xn−1の傾斜(主走査方向に対して右上がりの傾斜点)で正反射した光は、受光レンズ3aで受光素子PSD1に集光されて(p2)、その変位が、Lp2=(A1−B1)/(A1+B1)として測定される。第2の走査光によって測定点Xnの頂上で正反射した光は、受光レンズ3bで受光素子PSD2に集光されて(p1)、その変位が、Lp1=(A2−B2)/(A2+B2)として測定される。第3の走査光によって測定点Xn+1の傾斜(主走査方向に対して右下がりの傾斜点)で正反射した光は、受光レンズ3cで受光素子PSD3に集光されて(p3)、その変位が、Lp3=(A3−B3)/(A3+B3)として測定される。実際は、後記する変位測定装置(図6参照)で説明するように、変位L=(A−B)/(A+B)、A=A1+A2+A3、B=B1+B2+B3で表すことができる。
図8にその測定結果を示す。図8は、横軸が主走査方向の走査位置を示し、縦軸は各受光素子PSDの出力を基に計算した変位である。この図のように、斜面で正反射した光を受光して、その形状変位を求めることができる。
[光変位センサーの態様]
ここでは、光変位センサーの態様、特に受光部の態様について説明する。受光部は、それを構成する受光素子PSD、受光レンズ機能素子等の違いによって次の(1)〜(4)に示すような実施態様があり、いずれを採用してもよい。
(1)3つの受光部を構成する、それぞれの受光素子PSD、受光レンズ機能素子の
性能・機能が同じ場合:
これについては、上記の図1,2で説明したものと同じで、測定点と各受光レン
ズ3との間の距離は同じであり、かつ測定点と各受光素子PSDとの間の距離も同
じである。
(2)各受光部の受光素子PSDの性能・機能は同じであるが、各受光レンズ機能素
子の性能・機能が異なる場合:
この例を図4において説明する。図4の各受光レンズ機能素子は、それぞれ測定
点からの正反射を受光して平行光にするコリメータレンズ(3a1,3b1,3c
1)と、その平行光を受光素子PSDに集光させる受光用集光レンズ(3a2,3
b2,3c2)で構成される。ここで、コリメータレンズ3a1,3b1,3c1
の各焦点距離をFa1,Fb1,Fc1とし、受光用集光レンズ3a2,3b2,
3c2の各焦点距離をFa2,Fb2,Fc2として、各受光部としての光学的拡
大率Fa2/Fa1,Fb2/Fb2,Fc2/Fc1が全て同一の値である。こ
の場合、測定点と各コリメータレンズとの間の距離、測定点と各受光素子PSDと
の間の距離(図4の距離La,Lb,Lc)は、それぞれ異なっても良い。特に、
コリメータレンズ(3a1,3b1,3c1)と受光素子PSDとの間によっても
距離が異なってくる。
この例では、コリメータレンズ3a1,3b1,3c1が測定点からの光を集光
するので、隣合うコリメータレンズ3a1とコリメータレンズ3b1,コリメータ
レンズ3b1とコリメータレンズ3cの各受光面の測定点に対する受光範囲が互い
に連続するように配列されることが必要である。測定点からの正反射がコリメータ
レンズ間で漏れないようにするためである。この場合は、コリメータレンズ3a1
,3b1,3c1に焦点距離の違いに応じて、測定点からの距離を異ならせること
もできるので(図4を参照)、上記(1)と違って、隣合う受光面で受光範囲を連
続させることが容易になる。
(3)各受光部の受光素子PSDの性能・機能、及び各受光レンズ機能素子の性能・
機能が異なる場合:
この例を図5の2つの受光部について比較して説明する。図5(A)の各受光レ
ンズ機能素子は、それぞれ測定点からの正反射を受光して平行光にするコリメータ
レンズ(3b1,3c1)と、その平行光を受光素子PSDに集光させる受光用集
光レンズ(3b2,3c2)で構成される。ここで、コリメータレンズ3b1,3
c1の各焦点距離をFb1,Fc1とし、受光用集光レンズ3b2,3c2の各焦
点距離をFb2,Fc2とすると、各受光部としての光学的拡大率Fb2/Fb1
,Fc2/Fc1である。一方、図5(B)は、図5(A)の受光素子PSD2,
3の部分を拡大した図である。この図で、受光素子PSD2とPSD3とでは、後
段のデジタル処理により同じ区画数Q(例えば、4096)として扱われ処理され
るが、それらの処理の1区画(画素、ドット)当たりのサイズの比(PSD2の1
区画サイズ/PSD3の1区画サイズ)が、光学的拡大率の比{(Fb2/Fb1
)/(Fc2/Fc1)}に等しくされている。結果として、受光素子PSD2と
受光素子PSD3とが同一光から受ける1区画当たりの感度は、同じになる。した
がって、この態様でも、測定点から各受光素子PSD1〜3までの距離は受光部毎
に異ならせることができる。このような考え方は、受光素子PSDとして、CCD
素子、CMOS素子等をアレイ状に配して形成した場合も、それらの受光素子間で
画素数(例:CCD素子数)が同じで、その1画素あたりのサイズ(例:CCD素
子のサイズ)が異なる構成のものを用いることで対応できる。
(4)上記3で、各受光部の各受光レンズ機能素子の性能・機能が異なるが、受光素
子PSDの性能・機能が同じで、ソフトウェア又はアンプのゲイン等でオフセット
、感度等を調整する場合:
各受光レンズ機能素子の性能・機能が異なることによって、光学的倍率(感度)
やオフセットが異なるが、その分をソフトウェアやアンプで調整する。つまり、上
記(3)のように拡大率がFb2/Fb1と拡大率Fc2/Fc1が異なっても、
同一機能・性能の受光素子PSD2とPSD3が受光する像の位置は変わらないの
で、そのソフトウェアやアンプで調整することができる。
[変位測定装置]
図6を基に、上記説明した光変位センサーを使用した変位測定装置の実施形態について説明する。
図6において、光変位センサー4が、上記図1,2で説明した変位センサーを簡単に示したものである。光変位センサー4には、代表して図1における光源LDと、受光素子PSD1〜3が記載されている。図6において、制御部6,走査機構5、加算器7,8、演算器9及び画像処理部10は、変位測定部300を構成している。
図6の制御部6は、予め被測定物の表面を走査して測定するために必要な、被測定物の表面に係るレイアウト情報を有し、そのレイアウトに基づいて、主走査範囲とその回数、主走査方向に直交する方向への副走査範囲とその回数を決定し、走査機構5に対して指示するとともに、走査開始を指示する。一方、走査しているときの位置の情報、つまり測定点の位置情報を出力している。
走査機構5は、制御部位6の指示にしたがって、光変位センサー4と被測定物を相対的に主走査に移動させ、及び副走査方向に移動させる駆動機構及び手段を備える。例えば、それらの手段は、光変位センサー4を主走査方向に直線的に移動させ、1つの主走査が終わると主走査方向と直交方向に被測定物を移動させることにより、光変位センサー4による測定点を、相対的に走査する。
加算器7は、受光素子PSD1〜3の上段の各出力A1、A2,A3を加算し、A=A1+A2+A3を出力し、加算器8は、受光素子PSD1〜3の下段の各出力B1、B2,B3を加算し、B=B1+B2+B3を出力している。 そして、これらの出力A,Bを基に演算器9が、変位情報としての出力L=(A−B)/(A+B)を演算して出力する。なお、測定対象が鏡面で反射光の指向性が強い場合は、測定点からの正反射光は一本なので、受光素子PSD1〜3のいずれかに入力されるので、出力L1=(A1−B1)/(A1+B1)、出力L2=(A2−B2)/(A2+B2)又は出力L3=(A3−B3)/(A3+B3)の中で光を受けた1つの演算結果と、出力L=(A−B)/(A+B)の演算結果は同じである。
変位測定装置として、図8に示すように測定点と変位をプロットするだけであれば、演算器9の出力を制御部6の位置情報に対してプロットすることにより得られる。画像処理部10は、演算器9の出力と制御部6の位置情報を基に、被測定物の表面形状を各画素が変位情報からなる3次元画像として再現するためのものである。主走査方向、副走査方向及び変位方向を3次元とする画像を演算して出力しても良い。
[形状検査装置]
図7を基に、上記説明した光変位センサー4を使用した変位測定装置を利用して被測定物の表面の変位を検査する形状検査装置に利用した実施形態について説明する。例えば、プリント基板に電子部品を搭載リフロー後の特に斜面のはんだ状態の良否判定にも有効である。図7において、制御部6,比較手段11、判定手段12及び表示手段13は、検査部400を構成している。
画像処理部10は、演算器9の出力と制御部6からの被測定物の測定点の位置(座標)とから測定したエリア(測定点の集合領域:例えば、プリント基板上に印刷されたクリームはんだ面)における面積(例えば、はんだ印刷された面積)や体積(例えば、はんだ量)を表す画像データを生成する。比較手段11は、制御部6からそのエリアにおける、設計値等をレファレンス(面積や体積)として受けて、画像データとレファレンスとの差を演算し出力する。なお、画像データに変換することなく、その測定点において測定した変位(高さ:例えば、はんだの高さ)とレファレンス(この場合は、例えば、測定点における設計上の高さ)との差を出力しても良い。
判定手段12は、レファレンスに対応してその許容値を制御部から受けて、比較手段11からの出力と比較し、比較手段11の出力が、許容値内であれば合格とし、許容値外であれば不良(否)と判定する。
表示手段13は、判定手段12の判定結果を表示する。また、制御部6からレイアウト情報(例えば、プリント基板のはんだ箇所の配置図)を受けて表示し、レイアウトのどの位置が不良(否)であり、合格であるかを識別可能に表示してもよい。また、それらと別に或いは併せて、画像処理部10で生成した画像データに基づく画像を表示させて、どの箇所が不良であり、合格であるかを識別可能に表示させることもできる。
上記の複眼の光変位センサーを用いて被測定物の表面形状を検査すると、単に頂点やフラット部分のならず傾斜部分の形状も含めて良否判定の検査ができる。
上記説明において、被測定物における測定対象として図8のように被測定物の表面の凸部で傾斜とその頂点が、本実施形態で変位測定できる旨を説明したが、反対に凹部であっても、その凹部の開口の広さにもよるがその傾斜部と底部の変位を測定できる。
本発明に係る光変位センサーの実施形態を説明するための模式的な構成図である。 図1の構成を略矢視Aから見た模式的な図である。 受光素子であるPSD及び受光レンズ(機能素子)を含む受光部を説明するための図であり、複数の受光部を同一構成とした場合を説明するための図である。 複数の受光部の受光レンズ機能素子を変えた場合の例を説明するための図である。 複数の受光部における受光レンズ機能素子及び受光素子であるPSDが異なる場合の例を説明するための図である。 本発明の変位測定装置に係る実施形態の機能構成を示す図である。 図6の実施形態を用いた形状検査装置の実施形態の機能構成を示す図である。 変位測定結果の例を示す図である。 受光レンズの受光範囲の連続性を説明するための図である。 先行技術を説明するための図である。
符号の説明
1 コリメータレンズ、 2 集光レンズ、 3 受光レンズ(機能素子)、
4 光変位センサー、5 走査機構、6 制御部、7 加算器、8加算器、9 演算器、
10 画像処理部、11 比較手段、12 判定手段、 13 表示手段、LD 光源、
PSD 受光素子、100 投光部、200 受光部、210 受光部、
220 受光部、300 変位測定部、400 検査部

Claims (6)

  1. 一つの光源を有し、該光源からの光を被測定物上に集光させることにより集光された位置を測定点として斜めに照射する投光部(100)と、前記測定点から正反射する反射光を受光するための受光部(210)とを有する光変位センサーを備え、前記投光される光を含み前記被測定物に垂直な平面に直交する方向に相対的に前記光変位センサーを移動させることにより走査して、前記被測定物の変位を測定する変位測定装置であって、
    前記一つの光源に対して前記受光部を少なくとも三つ以上の複数有し、前記複数の受光部のいずれかが前記被測定物の前記平面に沿った断面における、前記走査の方向に立ち上がる傾斜面、その傾斜の頂部、及びその頂部より立ち下がる傾斜面のいずれを測定点としても前記正反射した反射光を受光できるように、前記複数の受光部を前記測定点を中心に配列して備えたことを特徴とする変位測定装置。
  2. 光を被測定物上に集光させることにより集光された位置を測定点として斜めに照射する投光部(100)と、前記測定点から正反射する反射光を受光するための受光部(210)とを有する光変位センサーを備え、前記投光される光を含み前記被測定物に垂直な平面に直交する方向に相対的に前記光変位センサーを移動させることにより走査して、前記被測定物の変位を測定する変位測定装置であって、
    複数の前記受光部が前記測定点に向けて、前記平面を挟んで対称に、かつ前記平面と交差する方向に配列され、かつ各前記受光部の受光面が占める前記測定点から前記正反射した反射光を受光できる受光範囲が、変位測定上、隣り合う受光部の受光面同士で連続するように配置されて構成されたことを特徴とする変位測定装置。
  3. 前記複数の受光部は、前記平面上に1つと、その平面を挟んで対称に、かつ該平面の両側に同じ数だけ配列されたことを特徴とする請求項2に記載の変位測定装置。
  4. 前記投光部は、光源(LD)と、該光源から出射した光を被測定物上に集光させることにより集光された位置を測定点として斜めに照射する集光レンズ(2)とを備え、
    前記複数の受光部は、それぞれ前記測定点から正反射した光を受けて集光する受光レンズ機能素子(3a、3b、3c)と、該受光レンズ機能素子で集光された光を受ける受光素子(PSD1、PSD2、PSD3)とを備え、該受光レンズ機能素子の受光面は、前記測定点に向けて、前記平面と交差する方向に対称に、前記平面を挟んで対称に、かつ前記平面と交差する方向に配列され、かつ隣合う受光面同士が連続するように配置されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の変位測定装置。
  5. 前記複数の受光レンズ機能素子からその前記集光される位置までの距離は同一であり、前記各受光レンズ機能素子は前記測定点から同一距離に配置され、かつ隣り合う受光レンズ機能素子の受光面が互いに接するように近傍に配置されたことを特徴とする請求項4に記載の変位測定装置。
  6. 前記各受光レンズ機能素子は、前記測定点から正反射した光を受けて平行光にするコリメータレンズ(3a1、3b1、3c1)と該コリメータレンズからの平行光を前記対応する受光素子へ集光する受光用集光レンズ(3a2、3b2、3c2)とを有し、
    前記受光部の受光面は、前記コリメータレンズの受光面であって、隣り合うコリメータレンズの受光面が前記測定点に対して占める受光範囲が、変位測定上、互いに連続するように配置されるとともに、各受光レンズ機能素子における、前記測定点と前記コリメータレンズ間の距離と、前記受光用集光レンズと前記受光素子間の距離の比が、同一であることを特徴とする請求項5に記載の変位測定装置。
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