JPH1121121A - 鉄含有量の少ない人工ゼオライトの製造方法 - Google Patents

鉄含有量の少ない人工ゼオライトの製造方法

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JPH1121121A
JPH1121121A JP17741697A JP17741697A JPH1121121A JP H1121121 A JPH1121121 A JP H1121121A JP 17741697 A JP17741697 A JP 17741697A JP 17741697 A JP17741697 A JP 17741697A JP H1121121 A JPH1121121 A JP H1121121A
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JP
Japan
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iron
artificial zeolite
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zeolite
acid
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JP17741697A
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English (en)
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Akio Henmi
彰男 逸見
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NIPPON SYST KAKEN KK
Original Assignee
NIPPON SYST KAKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄分が多い石炭を燃焼させた場合に得られる石
炭灰は鉄分が多く、これを原料とした人工ゼオライトも
鉄含有量が多く、品質上問題があり、鉄分の少ない高品
質の人工ゼオライトを製造することが、課題となってい
る。 【解決手段】人工ゼオライト中の鉄含有量を低くする方
法としては、石炭灰に含まれる鉄分を除去し、原料の鉄
含有量を低くする方法、または生成した人工ゼオライト
中の鉄分を除去し、鉄含有量を低くする方法があるが、
生成した人工ゼオライトに含まれる鉄分は、水酸化鉄と
して珪酸から遊離しているので、この鉄分を除去するこ
との方が容易であることを見いだし、生成した人工ゼオ
ライトを希酸で処理することにより、あるいは人工ゼオ
ライトを還元条件下でキレート剤により処理することに
よって、鉄分0.05重量%以下の人工ゼオライトを製
造する方法を発明するにいたった。特に、人工ゼオライ
トを希酸で処理する場合には、希酸の濃度が0.001
乃至2Nであり、希酸が希塩酸であることが、人工ゼオ
ライトに含まれる鉄分を除去するうえで好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】微粉炭燃焼ボイラーから生成
される石炭灰、いわゆるフライアッシュまたはクリンカ
ーアッシュ、のうち鉄分の多い石炭灰を原料として製造
した人工ゼオライトに含まれる鉄分を、用途に合わせて
余剰の鉄分を除去し、鉄分0.05重量%以下の人工ゼ
オライトを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、日本国内で産出されるフライアッ
シュまたはクリンカーアッシュは、鉄分の含有量が比較
的少なく、製造された人工ゼオライトの品質について、
特に問題とならなかった。しかし、米国あるいは中国な
どの外国において産出されたフライアッシュまたはクリ
ンカーアッシュは、原料となる石炭の鉄含有量が多く、
製造した人工ゼオライトの品質が、用途によっては問題
となっている。例えば、鉄分によりゼオライトへの転換
率が低下すること、鉄分により人工ゼオライトが着色す
ること、鉄分により人工ゼオライトの有効成分が固定化
され吸着性能が低下すること、などをあげることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】石炭を燃焼した後のフ
ライアッシュまたはクリンカーアッシュより、人工ゼオ
ライトを製造する技術は既に確立されており、その用途
は、土壌改良剤、徐放性肥料、除臭剤、など多岐にわた
っている。しかし、その品質は原料のフライアッシュま
たはクリンカーアッシュの品質に依存している。すなわ
ち、鉄分が多い石炭の場合には、そのフライアッシュま
たはクリンカーアッシュも鉄分が多く、これを原料とし
た人工ゼオライトも鉄の含有量が多く、人工ゼオライト
が着色するなど、品質上問題があった。従って、どのよ
うな品質のフライアッシュを原料としても、鉄分の少な
い高品質の人工ゼオライトを製造することが、課題とな
っている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々の石炭
灰から一定の品質の人工ゼオライトを製造する方法を研
究した結果、人工ゼオライト中の鉄含有量を低くするた
めには、フライアッシュまたはクリンカーアッシュに含
まれる鉄分を除去し、原料とするフライアッシュまたは
クリンカーアッシュの鉄含有量を低くする方法、あるい
は生成した人工ゼオライト中の鉄分を除去し、鉄含有量
を低くする方法、によって、その目的を達成することが
できる。しかし、フライアッシュまたはクリンカーアッ
シュに含まれている鉄分を除くことは、鉄原子が珪酸鉄
として珪酸アルミニウムの結晶構造のなかに組み込まれ
ているため、非常に困難であるが、生成した人工ゼオラ
イトに含まれる鉄分は、水酸化鉄として珪酸から遊離し
ているので、この鉄分を除去することの方が容易である
ことを見いだし、本発明を完成するにいたった。
【0005】すなわち、生成した人工ゼオライトを希酸
で処理することによって、鉄分0.05重量%以下の人
工ゼオライトを製造する方法を発明するにいたった。特
に、希酸の濃度が0.001乃至2Nであり、希酸が希
塩酸であることが、人工ゼオライトに含まれる鉄分を除
去するうえで好ましい。
【0006】本発明の第2は、人工ゼオライトを還元条
件下でキレート剤により処理することによって、鉄分
0.05重量%以下の人工ゼオライトを製造する方法で
ある。この方法によっても、人工ゼオライトに含まれる
鉄分を除去し、目的とする品質の人工ゼオライトを製造
することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明にいうフライアッシュと
は、石炭を微粉にして微粉炭燃焼ボイラーにより燃焼し
た際、集塵機により採取するような微小な灰の粒子をい
い、シリカ45%以上、湿分1%以下、強熱減量5%以
下、比重1.95以上、比面積2700cm2 /g以
上、44μm標準篩を75%以上が通過するものであ
る。また、クリンカーアッシュとは、石炭を燃焼すると
き、石炭中の灰分が半溶融ないし溶融して塊になり、ボ
イラーの底に落ちてきた灰をいい、その粒径は1乃至数
ミリメートルに達するものである。
【0008】本発明にいう人工ゼオライトとは、石炭灰
をアルカリ処理により人工的に転換して得られたゼオラ
イトのことであって、その主成分はフィリップサイトで
あるが、ホージャサイト、ゼオライトA、ヒドロキシソ
ーダライトなどを少量含むこともある。また、ゼオライ
ト以外の部分、すなわち非ゼオライト成分としては、未
燃焼炭素、鉄分、その他の不純物およびゼオライトに至
るまでの中間生成物などの共存する成分も含まれる。
【0009】本発明にいう希酸とは、無機酸の水溶液を
いい、塩酸、硝酸、硫酸などの水溶液を例示することが
できる。その濃度は、0.001乃至2Nの酸性水溶液
をいい、好ましくは0.01乃至1.0Nの酸性水溶液
がよく、反応を制御するうえでは、0.05乃至0.1
Nの酸性水溶液がより好ましい。
【0010】本発明における還元条件とは、還元剤の存
在下において人工ゼオライトを処理することであって、
還元剤としては、ヨウ化水素、硫化水素、水素化アルミ
ニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、硫化ナトリ
ウム、ポリ硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、チオ硫
酸ナトリウムなどを例示することができる。還元剤の濃
度は、特に限定されないが、通常0.1乃至2Nで使用
することが好ましい。
【0011】本発明にいうキレート剤とは、金属イオン
に配位してキレート化合物をつくる多座配位子をもつ化
合物をいい、キレート試薬ともよばれるものである。造
塩能をもつ酸性基としては、カルボン酸基を複数もつ多
価カルボン酸、スルホン酸基、水酸基、などをもつ化合
物を例示することができる。また、配位能をもつ原子団
として、アミン類、カルボニル基、などがある。具体的
な化合物として、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、オ
キシン、アセチルアセトン、グリシン、クエン酸ナトリ
ウム、エチレンディアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニ
トリロトリ酢酸(NTA)などを例示することができ
る。キレート剤の濃度は、0.1乃至0.5Mが好まし
く、より好ましくは0.2乃至0.4Mである。また、
キレート剤の濃度が0.5Mを超えると人工ゼオライト
の構造が変化する場合があるので、好ましくない。
【0012】
【実施例】本発明において、フライアッシュ、クリンカ
ーアッシュおよび人工ゼオライトに含まれる鉄分の測定
は、原子吸光法によるもので、人工ゼオライトに含まれ
る鉄分が0.05重量%を超える場合には、鉄分により
人工ゼオライトが着色すること、鉄分により人工ゼオラ
イトの有効成分が固定化され吸着性能が低下すること、
などがあるため、本発明の鉄分除去方法が有用である。
【0013】(実施例1)500ml容のビーカーに、
フライアッシュをアルカリ溶液で処理して製造した人工
ゼオライト100gを入れ、そのうえに0.1Nの塩酸
200mlを注ぎ、よく攪拌しながら、室温で10分間
鉄分の溶解処理を行った。その結果、鉄分が除去された
人工ゼオライトが得られた。鉄分除去処理前の人工ゼオ
ライトおよび処理後の人工ゼオライトの鉄分含有量を表
1に示した。
【0014】(実施例2)鉄分の除去を行うために、
1.0Nの塩酸200mlを注ぎ、よく攪拌しながら、
室温で30秒間鉄分の溶解処理を行った。その結果、実
施例1と同様に鉄分を除去した人工ゼオライトが得られ
た。鉄分除去処理前の人工ゼオライトおよび処理後の人
工ゼオライトの鉄分含有量を表1に示した。
【0015】(実施例3)鉄分の除去を行うために、
2.0Nの塩酸200mlを注ぐ以外は、実施例2と同
様の処理を行った。その結果、鉄分を除去した人工ゼオ
ライトが得られた。鉄分除去処理前の人工ゼオライトお
よび処理後の人工ゼオライトの鉄分含有量を表1に示し
た。
【0016】(実施例4)鉄分の除去を行うために、
0.1Nの硫酸200mlを注ぐ以外は、実施例1と同
様の処理を行った。その結果、鉄分を除去した人工ゼオ
ライトが得られた。鉄分除去処理前の人工ゼオライトお
よび処理後の人工ゼオライトの鉄分含有量を表1に示し
た。
【0017】(実施例5)鉄分の除去を行うために、
1.0Nの硫酸200mlを注ぐ以外は、実施例2と同
様の処理を行った。その結果、鉄分を除去した人工ゼオ
ライトが得られた。鉄分除去処理前の人工ゼオライトお
よび処理後の人工ゼオライトの鉄分含有量を表1に示し
た。
【0018】(実施例6)500ml容のビーカーに、
フライアッシュをアルカリ溶液で処理して製造した人工
ゼオライト100gを入れ、そのうえにキレート剤とし
て0.3Mのクエン酸ナトリウム水溶液500mlを注
ぎよく攪拌し、還元剤として粉末のチオ硫酸ナトリウム
10gを加え、80℃にて30分間処理することにより
鉄分が上澄液に溶解し、鉄分の除去された人工ゼオライ
トが得られた。鉄分除去処理前の人工ゼオライトおよび
処理後の人工ゼオライトの鉄分含有量を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】(比較例1)500ml容のビーカーに、
フライアッシュ100gを入れ、そのうえに1.0Nの
塩酸200mlを注ぎよく攪拌して、1時間鉄分の溶解
反応を行った。その結果、鉄分を除去したフライアッシ
ュは得られなかった。鉄分除去処理前のフライアッシュ
および処理後のフライアッシュの鉄分含有量を表2に示
した。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】鉄分の含有量の多いフライアッシュまた
はクリンカーアッシュを原料として、製造された人工ゼ
オライトは、鉄分の含有量が多く用途によっては、その
品質が問題となっている。従って、本発明による人工ゼ
オライトから鉄分を除去する方法を採用することによ
り、鉄分の含有量の多いフライアッシュまたはクリンカ
ーアッシュを原料としても、鉄分の含有量が0.05重
量%以下である高品質の人工ゼオライトを製造すること
ができるようになり、鉄分によるゼオライトへの転換率
の低下、鉄分による人工ゼオライトの着色、鉄分により
人工ゼオライトの有効成分が固定化され吸着性能が低下
すること、などを改善することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人工ゼオライトを希酸により処理すること
    によって、鉄分0.05重量%以下の人工ゼオライトを
    製造する方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の希酸の濃度が0.001
    乃至2Nである、鉄分0.05重量%以下の人工ゼオラ
    イトを製造する方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の希酸が希
    塩酸である、鉄分0.05重量%以下の人工ゼオライト
    を製造する方法。
  4. 【請求項4】人工ゼオライトを還元条件下でキレート剤
    により処理することによって、鉄分0.05重量%以下
    の人工ゼオライトを製造する方法。
JP17741697A 1997-07-02 1997-07-02 鉄含有量の少ない人工ゼオライトの製造方法 Pending JPH1121121A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089133A (ja) * 1999-09-28 2001-04-03 Akio Henmi 鉄含有人工ゼオライトおよびその製造方法
JP2004008518A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Kao Corp 消臭剤
CN111252780A (zh) * 2020-01-22 2020-06-09 淮南师范学院 一种fau型分子筛及其制备方法

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