JPH11210510A - 電磁駆動バルブの始動時制御装置 - Google Patents

電磁駆動バルブの始動時制御装置

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JPH11210510A
JPH11210510A JP10017427A JP1742798A JPH11210510A JP H11210510 A JPH11210510 A JP H11210510A JP 10017427 A JP10017427 A JP 10017427A JP 1742798 A JP1742798 A JP 1742798A JP H11210510 A JPH11210510 A JP H11210510A
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JP
Japan
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valve
intake
starter motor
electromagnetic coil
closing
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Pending
Application number
JP10017427A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Kamimaru
慎二 神丸
Mitsunori Ishii
光徳 石井
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH11210510A publication Critical patent/JPH11210510A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02NSTARTING OF COMBUSTION ENGINES; STARTING AIDS FOR SUCH ENGINES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02N19/00Starting aids for combustion engines, not otherwise provided for
    • F02N19/004Aiding engine start by using decompression means or variable valve actuation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】始動時におけるスタータモータの起動負荷を軽
減する。 【解決手段】スタータモータ通電開始時は、バルブ4を
開閉動作させる電磁コイル5,6に対して非通電とし、
全バルブ4をスプリング13,19にて釣り合いのとれ
た半開状態のままにしておく。その結果、始動初期にお
いてはピストンによる圧縮も膨張も無くなり、スムーズ
な始動により始動時間の短縮が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの吸排気
バルブを電磁駆動によって開閉作動させる電磁駆動バル
ブの始動時制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの吸排気バルブの開閉作
動を、カムシャフト等によって機械的に行うのではな
く、電磁駆動により行うことで、吸排気バルブの開閉タ
イミングを電子制御する動弁システムが開発されてい
る。
【0003】このような動弁システムでは、吸排気バル
ブの開閉タイミングが、クランク軸の回転に同期して出
力されるクランクパルスに従って制御されるため、エン
ジンが未だ稼働していない、スタータモータ通電開始時
には、上記吸排気バルブは略中立位置まで開弁してお
り、このとき、例えば圧縮行程にある気筒の吸排気バル
ブが開弁状態にあると、ピストンと干渉してしまうおそ
れがある。このため、例えば、特開平8−170509
号公報には、イグニッションスイッチをオンしたとき、
先ず、吸排気弁を一義的に閉弁させ、全ての吸排気バル
ブが閉弁した後、スタータモータに通電を開始する技術
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記先行技術
では、スタータモータに通電する際に、予め、全ての吸
排気バルブを閉弁するようにしているため、始動開始時
においては、密閉された筒内をピストンが膨張或いは圧
縮することになり、スタータモータの起動負荷が大きく
なるばかりでなく、始動時のエンジン回転数の上昇に時
間が掛かり、バッテリの負担も大きくなる。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、始動時のスタ
ータモータの起動負荷を軽減し、スタータモータの能力
を相対的に小さくできると共に、エンジン回転数を速く
上昇させることのできる電磁駆動バルブの始動時制御装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による第1の電磁駆動バルブの始動時制御装置
は、エンジンの吸排気ポートに介装した吸排気バルブを
電磁コイルにより駆動制御するものにおいて、スタータ
モータ通電開始時に全吸排気バルブを開状態とし、その
後該吸排気バルブを開閉制御することを特徴とする。
【0007】第2の電磁駆動バルブの始動時制御装置
は、第1の電磁駆動バルブの始動時制御装置において、
前記スタータモータ通電後の前記吸排気バルブの最初の
開弁または閉弁動作をクランク角度に非同期で行うこと
を特徴とする。
【0008】第3の電磁駆動バルブの始動時制御装置
は、第1の電磁駆動バルブの始動時制御装置において、
前記スタータモータ通電後の前記吸排気バルブの最初の
開弁または閉弁動作をクランク角度に同期して行うこと
を特徴とする。
【0009】第4の電磁駆動バルブの始動時制御装置
は、第2の電磁駆動バルブの始動時制御装置又は第3の
電磁駆動バルブの始動時制御装置において、前記電磁駆
動バルブはバルブリフトセンサを具備しており、前記吸
排気バルブの最初の開弁あるいは閉弁動作時に、バルブ
リフトセンサのバルブ全開位置あるいは全閉位置での出
力値を学習することを特徴とする。
【0010】即ち、本発明では、スタータモータに対し
て通電を開始するときは、全吸排気バルブを開状態とし
てスタータモータの起動負荷を軽減し、スタータモータ
作動後に上記吸排気バルブを開閉作動させる。
【0011】この場合、第2の電磁駆動バルブの始動時
制御装置に記載されているように、前記スタータモータ
通電後の前記吸排気バルブの最初の開弁あるいは閉弁動
作をクランク角度に非同期で行う。
【0012】或いは、第3の電磁駆動バルブの始動時制
御装置に記載されているように、前記スタータモータ通
電後の前記吸排気バルブの最初の開弁あるいは閉弁動作
をクランク角度に同期して行う。
【0013】また、第4の電磁駆動バルブの始動時制御
装置に記載されているように、前記電磁駆動バルブはバ
ルブリフトセンサを具備しており、前記吸排気バルブの
最初の開弁あるいは閉弁動作時に、バルブリフトセンサ
のバルブ全開位置あるいは全閉位置での出力値を学習す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施の形態を説明する。図1〜図7に本発明の第1実施
の形態を示す。
【0015】図1の符号1は、エンジンの各気筒の吸気
ポート及び排気ポートに介装される電磁駆動バルブであ
り、本実施の形態では、シリンダヘッド2の植設された
バルブステムガイド3に摺動自在に支持されているバル
ブ4(吸気バルブ或いは排気バルブ)を開閉作動させる
ため、開弁用電磁コイル5と閉弁用電磁コイル6とを対
向配置したツインコイル方式を採用している。
【0016】上記電磁駆動バルブ1では、上記開弁用電
磁コイル5がヨーク7に収納されて上記シリンダヘッド
2側に配設され、各部材の個体間の寸法ばらつきを吸収
して上記バルブ4のリフト量を調整するためのリフトア
ジャスタ8を介して上記閉弁用電磁コイル6を収納する
ヨーク9と結合されている。さらに、上記閉弁用電磁コ
イル6を収納するヨーク9の上部には、後述するアーマ
チュア17を軸方向に移動させるためのガイド部を形成
するとともに上記バルブ4のリフト量を検出するための
渦電流式バルブリフトセンサ10を装着するケース11
が接合されている。
【0017】上記開弁用電磁コイル5の内部には、上記
バルブ4のバルブヘッド4aをバルブシート12に押圧
する方向に付勢する閉弁用スプリング13が収納されて
いる。この閉弁用スプリング13は、上記バルブ4のバ
ルブステム4b端部にコッタピン14を介して固着され
るリテーナ15と、上記シリンダヘッド2側の上記バル
ブステムガイド3周囲に形成された受け座部分との間に
介装されている。尚、上記バルブステム4b先端には、
後述するクリアランス調整用のシム16が装着されてい
る。
【0018】また、上記電磁駆動バルブ1の上記リフト
アジャスタ8によって形成される空間内には、上記開弁
用電磁コイル5或いは上記閉弁用電磁コイル6が励磁さ
れたとき、これらからの磁力を受けて上記バルブ4を開
閉作動させるための平板状のアーマチュア17が配設さ
れている。
【0019】上記アーマチュア17の上記開弁用電磁コ
イル5側の中心部には、アーマチュアステム17aが一
体的或いは別体で立設されており、このアーマチュアス
テム17aが上記閉弁用電磁コイル6内部に突出する上
記ケース11の円筒部分に設けられたアーマチュアステ
ムガイド18に摺動自在に挿通されている。また、上記
アーマチュア17と上記ケース11の円筒部分基部に形
成された受け部との間には、上記バルブヘッド4aを上
記バルブシート12から離間する方向に付勢する開弁用
スプリング19が介装されている。
【0020】尚、上記開弁用電磁コイル5及び閉弁用電
磁コイル6が共にOFFの状態では、上記アーマチュア
17は、上記バルブステム4b先端のシム16に当接し
て上記閉弁用スプリング13の付勢力と上記開弁用スプ
リング19の付勢力とが釣り合う位置に止まっている。
【0021】さらに、上記アーマチュアステム17aの
先端側は、細径のニードル状に形成されて上記バルブリ
フトセンサ10の被検出体であるリフトセンサ用ターゲ
ット17cとなっており、このリフトセンサ用ターゲッ
ト17cの軸方向の動きが上記バルブ4のリフトとして
上記バルブリフトセンサ10によって検出される。尚、
上記バルブリフトセンサ10は、バルブリフト量に対し
てリニアな電圧を出力するものとする。
【0022】上記構成による電磁駆動バルブ1は、電磁
バルブ駆動制御装置30によって駆動制御される。この
電磁バルブ駆動制御装置30では、マイクロコンピュー
タ(マイコン)31により、エンジン回転数、アクセル
開度、クランク角パルス、エンジン冷却水温等の各種デ
ータに基づいて各気筒の吸気バルブ及び排気バルブの開
閉タイミングを演算し、閉弁用電磁コイル6、開弁用電
磁コイル5を、それぞれ、閉弁用電磁コイル駆動回路3
6、開弁用電磁コイル駆動回路37を介して交互にON
することで、バルブ4を開閉作動させる。
【0023】すなわち、バルブ4を閉弁状態から開弁さ
せるには、閉弁用電磁コイル6をOFFとして所定のタ
イミングで開弁用電磁コイル5をONする。これにより
開弁用電磁コイル5に吸引力が発生し、アーマチュアが
閉弁用スプリング13の付勢力と開弁用スプリング19
の付勢力との釣り合い位置から更に開弁用電磁コイル5
側に移動し、アーマチュア17が開弁用電磁コイル5側
に吸着されて停止したとき、バルブ4が最大リフト位置
(バルブ全開位置)に達して開弁動作が完了する。
【0024】一方、バルブ4を開弁状態から閉弁させる
には、開弁用電磁コイル5をOFFとした後、所定のタ
イミングで閉弁用電磁コイル6をONする。この閉弁動
作では、閉弁用スプリング13の付勢力と開弁用スプリ
ング19の付勢力との釣り合い位置への復帰力、及び、
閉弁用電磁コイル6の吸引力により、アーマチュア17
が閉弁用電磁コイル6側に移動し、最終的にアーマチュ
ア17が閉弁用電磁コイル6側に吸着されて停止したと
き、アーマチュア17がバルブステム4b先端のシム1
6から離間して所定のクリアランスが形成され、閉弁用
スプリング13によってバルブヘッド4aがバルブシー
ト12に押圧されて着座する(バルブ全閉)。
【0025】上記電磁バルブ駆動制御装置30は、マイ
クロコンピュータ31、電磁コイル制御回路33、ホー
ルド電流制御回路35を備えている。上記マイクロコン
ピュータ31では、エンジン回転数、アクセル開度、ク
ランク角パルス、エンジン冷却水温等の各種データに基
づいて、各気筒の吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイ
ミングを演算し、電磁コイル制御回路33へ吸気バルブ
及び排気バルブの閉弁或いは開弁の開始を表すトリガ信
号を出力すると共に、上記ホールド電流制御回路35
へ、バルブ全開或いはバルブ全閉の保持期間を定めるバ
ルブホールド時間データ及びPWM信号を出力する。
尚、図においては、1個の電磁駆動バルブ1を駆動する
回路系統を代表して示しており、実際には、マイクロコ
ンピュータ31の後段に、同様の構成の回路がエンジン
の吸排気バルブの数に応じた系統数だけ備えられてい
る。
【0026】電磁コイル制御回路33では、上記マイク
ロコンピュータ31からのトリガ信号に基づき、閉弁用
電磁コイル駆動回路36及び開弁用電磁コイル駆動回路
37へ閉弁時或いは開弁時の駆動パルス信号を出力す
る。
【0027】上記閉弁用電磁コイル駆動回路36、及び
開弁用電磁コイル駆動回路37では、上記電磁コイル制
御回路33から出力される駆動パルス信号に基づき、高
電圧での過励磁を行ってコイル電流の立ち上げを迅速化
して必要な吸引力を確保し、全閉位置あるいは全開位置
に達したとき、上記ホールド電流制御回路35から出力
されるPWM信号に基づいて定格電圧でのチョッパ制御
を行い、規定のホールド電流を維持する。
【0028】閉弁用電磁コイル駆動回路36及び開弁用
電磁コイル駆動回路37は同様の構成であり、図2に示
すように、電源(バッテリ)71にチャージャ制御部7
2を介して高圧電源チャージャ73が接続され、この高
圧電源チャージャ73に、ダイオード75を介して、立
ち上がり初期の吸排気バルブを加速させる過励磁(一次
過励磁)用電源をチャージするコンデンサ76が接続さ
れているとともに、ダイオード79を介して上記立ち上
がり初期の過励磁電圧より若干低い高電圧での、全閉或
いは全開に達する直前の速度を微調整する過励磁(二次
過励磁)用電源をチャージするコンデンサ80が接続さ
れている。
【0029】上記チャージャ制御部72は、マイクロコ
ンピュータ31からのチャージ信号(閉弁チャージ信号
あるいは開弁チャージ信号)によって上記高圧電源チャ
ージャ73を作動させ、上記高圧電源チャージャ73の
出力側に接続された充電電圧検出部74からの信号に基
づいて、上記電源71の電圧を設定電圧(例えば、12
0V)に昇圧させ、上記各コンデンサ76,80へ充電
する。
【0030】一次過励磁用電源をチャージするコンデン
サ76には、NPN型パワートランジスタ77のコレク
タが接続されており、このパワートランジスタ77のエ
ミッタがダイオード78を介して開弁用電磁コイル5あ
るいは閉弁用電磁コイル6に接続されている。
【0031】又、二次過励磁用電源をチャージするコン
デンサ80には、NPN型パワートランジスタ81のコ
レクタが接続されており、このパワートランジスタ81
のエミッタがダイオード82を介して開弁用電磁コイル
5あるいは閉弁用電磁コイル6に接続されている。
【0032】更に、上記電源71に、ホールド電流制御
回路35を介してホールド電流用のNPN型パワートラ
ンジスタ83のコレクタが接続されており、このパワー
トランジスタ83のエミッタがダイオード84を介して
開弁用電磁コイル5あるいは閉弁用電磁コイル6に接続
されている。
【0033】そして、上記各パワートランジスタ77,
81,83のベースに電磁コイル制御回路33がそれぞ
れ接続されている。この電磁コイル制御回路33では、
吸気バルブ或いは排気バルブの立ち上がり初期の区間で
は、上記パワートランジスタ77のベースにトリガ信号
を出力し、又、吸気バルブ或いは排気バルブの全開或い
は全閉に達する直前の区間では、上記パワートランジス
タ81のベースにトリガ信号を出力し、更に、バルブ全
開、或いは全閉の区間では、上記パワートランジスタ8
3のベースにトリガ信号を出力する。
【0034】その結果、吸排気バルブの閉弁或いは開弁
初期の加速応答性が良くなり、又全閉或いは全開に達す
るときには速度が微調整されるため衝撃が緩衝される。
【0035】又、上記マイクロコンピュータ31の入力
側には、バルブリフトセンサ10以外に、イグニッショ
ンスイッチ40、スタータスイッチ41、及びクランク
角センサ42が接続されていると共に、充電電圧検出部
74が接続されて、コンデンサ電圧がモニタされる。
【0036】更に、上記マイクロコンピュータ31の出
力側には、エンジン制御ユニット(図示せず)が接続さ
れており、このエンジン制御ユニット対し、スタータモ
ータの通電を許可するスタータモータ通電信号、電磁駆
動バルブ1の制御が始動時制御を終了して正規バルブタ
イミングでの制御に切換ったことを通知し、燃料噴射及
び点火時期を正規のタイミングで作動させるための正規
タイミングバルブ作動信号が出力される。
【0037】尚、イグニッションスイッチ40がOFF
状態にあるときの上記電磁駆動バルブ1に設けた各電磁
コイル6,7は非通電状態にあるため、各バルブ4は、
両スプリング13,19の釣り合いのとれた中立位置、
即ち、図3に示すように、バルブ半開状態で停止してい
る。そのため、各バルブ4が中立位置にあるとき互いに
干渉しないように、バルブ形状或いは配置が設定されて
おり、又、ピストン46には中立位置にあるときのバル
ブ4との干渉を避けるためにハーフリセス46aが形成
されている。
【0038】上記電磁バルブ駆動制御装置30における
電磁駆動バルブ1の始動時制御は、図4、図5に示すフ
ローチャートに従って処理される。
【0039】以下、図4の始動制御ルーチン、及び図5
のバルブ吸引サブルーチンに従い、図6のタイミングチ
ャートを参照しながら、本実施の形態で採用する始動時
制御処理について説明する。本実施の形態では、始動時
に閉弁用のコンデンサを先に充電させた後にスタータモ
ータを起動させる。そして、エンジン回転数が所定回転
数に到達時にすべてのバルブを順次クランク角度に非同
期で閉弁動作させ、その後、それぞれのバルブ4を正規
のバルブタイミングで開弁動作させるものである。
【0040】図4の始動時制御ルーチンでは、先ず、ス
テップS1で、イグニッションスイッチ40を参照し、
イグニッションスイッチ40がOFFのときは、そのま
まルーチンを抜け、イグニッションスイッチ40がON
動作するまで待機する。そして、イグニッションスイッ
チ40がON動作したとき(時間t1)、ステップS2
へ進み、閉弁用電磁コイル駆動回路36のコンデンサ7
6,80に対する充電を開始し、ステップS3で、コン
デンサ電圧を検出する。
【0041】そして、上記コンデンサ電圧がバルブ4を
吸引するのに十分な電圧(設定電圧)まで達したか否か
を調べ、達していないときはステップS1へ戻る。
【0042】そして、上記コンデンサ電圧が設定電圧に
達したとき(時間t2)、ステップS4へ進み、スター
タスイッチ41を参照する。ここで、スタータスイッチ
41がONされていないときは、始動前の状態であるた
めステップS1戻り、又、スタータスイッチ41がON
されているときは、ステップS5へ進み、スタータモー
タの通電を許可するスタータモータ通電信号を、図示し
ないエンジン制御装置へ出力し、スタータモータを起動
させる。従って、イグニッションスイッチ40をONし
た直後、スタータスイッチ41をONしても、コンデン
サ電圧が設定値まで達しないときは始動が禁止される。
【0043】ステップS5で、スタータモータに対する
通電が許可されると、ステップS6では、開弁用電磁コ
イル駆動回路37のコンデンサ76,80に対する充電
を開始する。
【0044】上記スタータモータを起動させるとき、上
記両電磁コイル駆動回路36,37では、コンデンサ7
6,80に電圧を充電しているだけであるため、各気筒
に配設されているバルブ4は、スプリング13,19で
釣り合いのとれた中立位置、即ち、半開状態にあるた
め、燃焼室内がピストン46により圧縮、或いは膨張さ
れず、スタータモータの起動負荷が軽減され、その分、
クランク軸を回転するスタータモータの容量を小さくす
ることができる。
【0045】そして、スタータモータが起動されると、
クランク角センサ42で検出した、クランク軸に同期し
て出力されるクランクパルスに基づき算出したエンジン
回転数と設定回転数とを比較し、エンジン回転数が設定
回転数に達するまでは、ステップS1へ戻り、設定回転
数に達したとき(時間t3)、ステップS8へ進み、全
バルブ4を閉弁させる処理を行う。
【0046】このバルブ閉弁処理は、図5に示すバルブ
吸引サブルーチンで行われる。以下、このバルブ吸引サ
ブルーチンにおいては、先ず、ステップS21で、特定
のバルブ4(例えば、ある気筒の吸気バルブ)の閉弁用
電磁コイル6に、上記コンデンサ76,80に充電され
ている一次過励磁電流、二次過励磁電流を所定のタイミ
ングで通電する(時間t3〜t4)。
【0047】そして、ステップS22で次回のバルブ吸
引に備えて閉弁用電磁コイル駆動回路36のコンデンサ
76,80を再充電する。さらに、ステップS23でバ
ルブリフトセンサ10の出力を読込み、ステップS2
4,S25でホールド状態を判別する。
【0048】本実施の形態では、上記バルブリフトセン
サ10の出力値が全閉時の出力値として初期設定されて
いる値から10%以内で、且つバルブリフトセンサ10
の出力変化が1%以内の状態が継続したとき、バルブホ
ールドと判定し、ステップS26へ進み、このときのバ
ルブリフトセンサ10の出力値を検出し、ルーチンを抜
ける。以後、イグニッションスイッチ40がOFFされ
るまで、この検出されたバルブリフトセンサ10の出力
値をバルブ全閉ホールド時の値、即ち、吸気バルブ4が
着座した状態の出力値であると設定する(時間t4〜t
6)。
【0049】そして、1つのバルブ4のバルブホールド
の検出が終了した後は、他のバルブ4(例えば、ある気
筒の排気バルブ)について、上述したバルブ吸引サブル
ーチンを実行し、閉弁用電磁コイル6に対して所定タイ
ミングで、一次過励磁電流、二次過励磁電流を通電し
(時間t4〜t5)、当該バルブ4のバルブホールド状
態をバルブリフトセンサ10の出力値に基づいて判定
し、バルブホールドと判定したときは、以後、このとき
のバルブリフトセンサ10の出力値をバルブ全閉ホール
ド時の出力値、即ち、排気バルブ4が着座した状態の出
力値であると設定する(時間t5〜t10)。
【0050】そして、上記排気バルブ4のバルブホール
ドの検出が終了したときは、他の全てのバルブ4につい
ても、上記バルブ吸引サブルーチンを実行し、バルブ4
を閉弁動作させると共にバルブホールド時のバルブリフ
トセンサ10の出力値を学習する。
【0051】上記バルブ吸引サブルーチンにより全ての
バルブ4が閉弁したときは、上記始動制御ルーチンのス
テップS9へ進み、クランク角センサ42で検出したク
ランクパルスを検出し、ステップS10にて特定クラン
ク角パルスを基準として正規のバルブタイミングで、各
気筒の吸気バルブ及び排気バルブを順次、全開作動させ
る(時間t6〜t8,t10〜t11)。同時に、全開
状態のバルブリフトセンサ10の出力値を検出し、以
後、このときのバルブリフトセンサ10の出力値をバル
ブ全開ホールド時の値として設定する。尚、図6に示す
ように、本実施の形態では、クランク角センサ42はク
ランク軸1回転で、1−2−1−3のクランク角パルス
を発生するように設定されており、パルス数をカウント
することで、クランク角パルスを特定できる。
【0052】その後、ステップS11へ進み、エンジン
制御装置へ正規タイミングでバルブ作動開始されたこと
を示す正規タイミングバルブ作動信号を出力し、燃料噴
射と点火とを許可し、ルーチンを抜ける。その結果、燃
料噴射対象気筒、及び点火対象気筒に対する燃料噴射と
点火とが正規のタイミングで順次開始され、エンジンが
始動する(時間t7,t8,t9)。
【0053】尚、燃料噴射と点火は、全てのバルブ4が
閉弁したときに開始するようにしても良い。
【0054】このように、本実施の形態では、イグニッ
ションスイッチ40をONした後、スタータスイッチ4
1をON動作させても、各閉弁用電磁コイル駆動回路3
6,37に設けたコンデンサ76,80に対する充電が
完了するまでは、スタータモータに対する通電を禁止す
るようにしたので、コンデンサ76,80への充電を十
分に行うことができ、バルブ4を確実に吸引することが
できる。
【0055】又、起動時には、全バルブ4がスプリング
13,19の釣り合いにより半開状態を維持しているた
め、スタータモータの起動負荷が軽減され、その分、ス
タータモータの容量を小さくすることができるばかりで
なく、エンジン回転数を早く上昇させることができる。
【0056】始動時の最初のバルブ4のホールド状態を
検出したときのバルブリフトセンサ10の出力値に基づ
いて、バルブ4の全閉、全開を判定するようにしたの
で、バルブ4の全閉位置、及び全開位置を確実に把握す
ることができ、始動以後の制御精度が向上する。
【0057】閉弁用電磁コイル駆動回路36のコンデン
サ76,80に対する充電を、イグニッションスイッチ
40をONしたときに開始するようにしたので、イグニ
ッションスイッチ40をONしたときからスタータモー
タ通電信号をONするまでの時間を有効に利用すること
ができ、エンジン始動時間を短縮することができる。
【0058】更に、始動時においては、各バルブ4を順
次、全閉、全開作動させるようにしたので、バルブ作動
時の電力が十分確保できると共に、作動後のコンデンサ
76,80に対する再充電が同時に行われることがな
く、その分、ピーク電流を低く抑えることができ、又、
他のバルブの電流変化によるノイズ等も防止でき、全
閉、全開位置の検出精度が向上する。
【0059】始動時はクランク角非同期で、各バルブ4
を閉弁させるようにしたので、早期に各バルブ4を正規
のタイミングにより全開動作させることができ、従っ
て、燃料噴射、及び点火を正規のタイミングで早期に出
力することができるようになり、エンジン始動時間の短
縮を図ることができる。
【0060】又、ピストン46にハーフリセスを形成し
たので、始動時にバルブ4が中立位置にあってもピスト
ン46とバルブ4とが干渉することが無く、燃焼室形状
の設計の自由度が大きくなる。
【0061】尚、本実施の形態では、始動時制御におい
て、始動時エンジン回転数が設定回転数まで上昇したと
き、先ず、各バルブ4を順次閉弁させ、次いで、順次開
弁させるようにしているが、これとは逆に、始動時エン
ジン回転数が設定回転数まで上昇したとき、先ず、全バ
ルブ4を順次開弁させ、次いで、順次閉弁させるように
しても良い。この場合、図7に示すように、リフト中の
バルブ4とピストン46との干渉を回避するために、こ
のピストン46にフルリセス46を形成し、更に、個々
のバルブ4同士は、リフト中に衝突しないような配列、
或いは形状に設定する。
【0062】この場合、始動初期において、先ず、全バ
ルブ4を全開にすることで、クランク軸に非同期で、バ
ルブ4を短時間に動かしても、吸気バルブと排気バルブ
とが同時に閉弁することがないので、始動時の圧縮、膨
張仕事が急激に発生せず、クランキング時の回転数変動
が少なくなる。
【0063】又、図8、図9に本発明の第2実施の形態
を示す。本実施の形態では、始動時に閉弁用と開弁用の
両コンデンサを先に充電させた後にスタータモータを起
動させる。そして、エンジン回転数が所定回転数に到達
時に、それぞれのバルブについて、その時のピストン動
作方向に応じて閉弁させるか開弁させるかを選択し、順
次クランク角度に非同期で選択された方向へ動作させ、
さらにその後、それぞれのバルブ4を順次クランク角度
に非同期で逆の方向へ動作させるものである。
【0064】即ち、図8に示す始動時制御ルーチンで
は、ステップS1でイグニッションスイッチ40のON
が検出されると、ステップS31へ進み、両電磁コイル
駆動回路36、37のコンデンサ76,80に対する充
電を開始し、ステップS3で、コンデンサ電圧を検出
し、バルブ4を吸引するのに十分な電荷が上記各コンデ
ンサ76,80に充電されたとき、即ち、コンデンサ7
6,80の電圧が設定電圧以上になったとき、ステップ
S4へ進み、スタータスイッチ41がONか否かを調
べ、ONのときはステップS5へ進み、スタータモータ
への通電を許可するスタータモータ通電信号を、エンジ
ン制御装置へ出力して、スタータモータを始動させる。
【0065】このとき、各バルブ4は、スプリング1
3,19の釣り合いにより半開状態で静止しているた
め、燃焼室内がピストン46により圧縮、或いは膨張さ
れず、スタータモータの起動負荷が軽減され、その分、
クランク軸を回転するスタータモータの容量を小さくす
ることができることは、第1実施の形態と同様である。
尚、エンジンが起動すると、クランク角センサ42か
ら、クランク軸に同期して出力されるクランク角パルス
が検出され、このクランク角パルスに基づきエンジン回
転数、及びクランク角度が算出される。
【0066】次いで、ステップS7で、算出したエンジ
ン回転数と設定回転数とを比較し、エンジン回転数が設
定回転数まで上昇したときは、ステップS32へ進み、
クランク角パルスに基づきクランク角度を検出する。そ
して、ステップS33へ進み、全バルブ4を、クランク
角度に非同期で、バルブ4を順次吸引して、全閉或いは
全開動作する処理を行う。
【0067】このバルブ吸引処理は、図9に示すバルブ
吸引サブルーチンで行われる。このバルブ吸引サブルー
チンにおいては、先ず、ステップS41で、ある気筒の
ピストン位置を上記クランクパルスから算出したクラン
ク角度に基づき検出し、下降中のときは、ステップS4
2へ進み、上昇中のときはステップS43へ進む。
【0068】ステップS42では、当該気筒のバルブ開
弁条件成立と判定し、ステップS21で当該気筒のバル
ブ4(例えば、吸気バルブ)の開弁用電磁コイル5に対
して、開弁用電磁コイル駆動回路37のコンデンサ7
6,80に充電さている電荷を所定タイミングで通電
し、上記バルブ4を開弁方向へ吸引する。
【0069】又、上記ステップS41でピストン上昇と
判定されてステップS43へ進むと、バルブ閉弁条件成
立と判定し、ステップS21で当該気筒のバルブ4(例
えば、吸気バルブ)の閉弁用電磁コイル6に対して、閉
弁用電磁コイル駆動回路36のコンデンサ76,80に
充電さている電荷を所定タイミングで放電させ、上記バ
ルブ4を閉弁方向へ吸引する。
【0070】そして、ステップS22以下で、第1実施
の形態と同様に、バルブ4の全開、或いは全閉時のバル
ブリフトセンサ10の出力値を検出してルーチンを抜け
る。
【0071】上記バルブ吸引サブルーチンは、全バルブ
4に対して順次行い、全バルブ4の全閉或いは全開時の
バルブリフトセンサ10の出力値を検出したら、上記始
動時制御ルーチンのステップS9へ進む。
【0072】ステップS9では、クランク角パルスを再
び検出し、ステップS32で検出したクランク角パルス
に対して、クランク角度が、例えば180°回転したと
きは、ステップS34へ進み、上記バルブ吸引サブルー
チンを再度実行する。
【0073】このとき、前回よりもクランク角度が18
0°進んでいるため、前回の下降中であった気筒は上昇
過程にあり、又、前回上昇中であった気筒では、今回は
下降過程にある。従って、前回、全閉方向へ吸引された
バルブ4は、今回は全開方向へ吸引され、又、前回、全
開方向へ吸引されたバルブは、今回は全閉方向へ吸引さ
れることになる。
【0074】そして、全てのバルブ4の全開と全閉との
動作を終了したときは、ステップS35へ進み、エンジ
ン制御装置(図示せず)へ正規タイミングバルブ作動信
号を出力し、燃料噴射と点火とを許可し、ルーチンを抜
ける。その結果、燃料噴射対象気筒、及び点火対象気筒
に対する燃料噴射と点火とが正規のタイミングで順次開
始され、エンジンが始動する。
【0075】このように、本実施の形態では、クランク
角度に同期せずに各バルブ4を吸引するようにしたの
で、バルブホールド時のバルブリフトセンサ10の出力
値を比較的早く検出することができ、バルブの着座制御
を早期に開始することができると共に、正規のバルブタ
イミングでの吸気量制御を早期に実行することができ、
始動時間の短縮化が図れるばかりでなく、始動時の空燃
比制御性が向上する。
【0076】又、スタータモータの始動前に、閉弁用電
磁コイル駆動回路36、開弁用電磁コイル駆動回路37
のコンデンサ76,80を充電するようにしたので、充
電時間が短くて済み、スタータモータに多くの電流が奪
われても、バルブを確実に吸引させることができる。
【0077】又、図10、図11に本発明の第3実施の
形態を示す。本実施の形態は第2実施の形態の変形例で
あり、エンジン回転数が所定回転数に到達時にそれぞれ
のバルブをクランク角度に同期させて正規のバルブタイ
ミングで閉弁もしくは開弁するものである。
【0078】図10に示す始動時制御ルーチンでは、ス
テップS32まで、前述した第2実施の形態の図8に示
すフローチャートと同様の処理を行い、ステップS32
からステップS46へ進むと、各バルブ4をクランク軸
に同期させて順次、全開、および全閉動作させるバルブ
吸引処理を実行する。
【0079】このバルブ吸引処理は、図11に示すバル
ブ吸引サブルーチンで実行される。先ず、ステップS5
1で、クランク角パルスに基づいて算出したクランク角
度から、ある気筒のバルブ4が正規の開弁、或いは閉弁
時期に達したか否かを調べ、所定の開弁或いは閉弁のタ
イミングになったとき、ステップS21へ進み、それぞ
れの開弁用電磁コイル駆動回路37、或いは閉弁用電磁
コイル駆動回路36のコンデンサ76,80に充電され
ている電荷を所定タイミングで放電し、上記バルブ4の
開弁用電磁コイル5或いは閉弁用電磁コイル6を過励磁
することで、上記バルブ4を全開、或いは全閉位置まで
吸引する。
【0080】その後、ステップS22以下では、前述し
た第1或いは第2実施の形態と同様の処理を行う。
【0081】そして、全てのバルブ4を正規のタイミン
グで全開、及び全閉動作させ、そのときのバルブリフト
センサ10の出力値を検出したときは、上記始動時制御
ルーチンのステップS35へ進み、エンジン制御装置
(図示せず)へ正規タイミングバルブ作動信号を出力
し、燃料噴射と点火とを許可し、ルーチンを抜ける。そ
の結果、燃料噴射対象気筒、及び点火対象気筒に対する
燃料噴射と点火とが正規のタイミングで順次開始され、
エンジンが始動する。
【0082】このように、本実施の形態では、クランク
角度と同期し、正規のバルブタイミングで各バルブ4を
吸引するようにしたので、第2実施の形態に比し、少な
くともピストン46にハーフリセス46a(図3参照)
を形成するだけで、バルブ4とピストン46との干渉を
回避することができ、しかも、正規のバルブタイミング
で燃料噴射、及び点火が開始されるまでは、各気筒内の
バルブ4が同時に全閉となることが無いので、始動時の
クランク角が大きく変動することが無い。
【0083】更に、設定回転数までエンジン回転数が上
昇した後は、クランク軸が2回転した後に、正規のバル
ブタイミングで各バルブ4が、順次、正規のバルブタイ
ミングで吸引されるので、燃料噴射開始までの時間が短
くなり、始動時間の短縮化が図れる。
【0084】又、図12に本発明の第4実施の形態を示
す。本実施の形態は第3実施の形態の変形例で、始動時
にバルブを最初に動作させる方向(閉弁または開弁)を
予め設定しておくものであり、エンジン回転数が所定回
転数に到達時にそれぞれのバルブをクランク角度に同期
させて正規のバルブタイミングで予め設定された一方向
へ動作させ、その後にクランク角度に同期させて正規の
バルブタイミングで他方向へ動作させるものである。
【0085】即ち、図12の始動時制御ルーチンでは、
イグニッションスイッチがONされて、ステップS1か
らステップS56へ進むと、閉弁用電磁コイル駆動回路
36と開弁用電磁コイル駆動回路37のうち予め設定さ
れた一方のコンデンサ76,80に対して充電を開始
し、このコンデンサ電圧が設定電圧以上になると、スタ
ータモータに対する通電を許可し、ステップS4でスタ
ータスイッチがONと判定したときは、ステップS5へ
進み、スタータモータに対する通電を開始する。
【0086】その後、ステップS57で、他方のコンデ
ンサ76,80に対して充電を開始する。
【0087】そして、エンジン回転数が設定回転数以上
まで上昇したら、ステップS7からステップS32へ進
み、クランク角パルスに基づきクランク角度を検出し、
ステップS58で、上記クランク角度に同期して、正規
のバルブタイミングでバルブ4を順次吸引して、予め設
定された一方向(全閉或いは全開)へ動作する処理を行
う。
【0088】このバルブ吸引処理は、前述した第3実施
の形態の図11に示すバルブ吸引サブルーチンと同様で
あるため、説明を省略する。
【0089】そして、全バルブ4が一方向へ動作したと
きは、ステップS59へ進み、クランク角度に同期し
て、バルブ4を逆方向へ順次吸引する処理を、上記図1
1に示すバルブ吸引サブルーチンに従い実行する。
【0090】その後、ステップS35へ進み、エンジン
制御装置(図示せず)へ正規タイミングバルブ作動信号
を出力し、燃料噴射と点火とを許可し、ルーチンを抜け
る。
【0091】このように、本実施の形態では、スタータ
始動前には、閉弁用電磁コイル駆動回路36と開弁用電
磁コイル駆動回路37との何れか一方に設けられている
コンデンサ76,80にのみ充電するようにしたので、
前述した第3実施の形態に比し、充電時間が短く、短時
間でスタータモータを始動させることができる。
【0092】又、図13、図14に本発明の第5実施の
形態を示す。本実施の形態では、始動前に、先ず全バル
ブ4を順次全開動作させ、始動開始後に、全バルブ4を
順次全閉動作させるようにしたものである。
【0093】以下、図13に示す始動時制御ルーチンに
従い、図14に記載されているタイミングチャートを参
照しながら、始動時制御処理について説明する。先ず、
イグニッションスイッチがONされると、ステップS1
からステップS61へ進み、開弁用電磁コイル駆動回路
37のコンデンサ76,80に対して充電を開始し(時
間t1)、このコンデンサ電圧が所定電圧に達したとき
(時間t16)、ステップS3からステップS62へ進
み、バルブ吸引サブルーチンを実行し、開弁用電磁コイ
ル駆動回路37のコンデンサ76,80に充電されてい
る電荷を所定タイミングで放電し(時間t16〜t1
7、t17〜t18)、上記バルブ4の開弁用電磁コイ
ル5を過励磁することで、上記バルブ4を全開位置まで
吸引する(時間t17、t18)。
【0094】尚、上記バルブ吸引サブルーチンは、第1
実施の形態で示す図5のフローチャートと同様の処理が
行われるため、ここでの説明を省略する。
【0095】そして、全バルブ4が全開したときは、ス
テップS63へ進み、閉弁用電磁コイル駆動回路36の
コンデンサ76,80に対して充電を開始し、ステップ
S4でスタータスイッチがONかを調べ、ONのとき
は、ステップS5でスタータモータを始動させる(時間
t18)。
【0096】その後、ステップS32でクランク角パル
スに基づきクランク角度を検出し、ステップS64へ進
み、クランク角度に同期した正規バルブタイミングで各
バルブ4を順次全閉作動させる(時間t19〜t21、
t20〜t22)。
【0097】そして、ステップS11へ進み、エンジン
制御装置へ正規タイミングバルブ作動信号を出力し、燃
料噴射と点火とを許可し、ルーチンを抜ける。
【0098】このように、本実施の形態では、最も電力
を必要とする中立位置からのバルブ吸引を、スタータモ
ータが始動する前に行うようにしたので、前述した第1
実施の形態のように、充電中にスタータモータに電力を
奪われることが無く、確実にバルブを吸引することがで
きる。
【0099】又、エンジン回転後に、全開されているバ
ルブ4を全閉させるようにしたので、始動初期のピスト
ン46による圧縮や膨張が無く、スタータモータ起動時
のエネルギー消費が少なく、クラッチ回転の変動も少な
くなる。
【0100】又、図15に本発明の第6実施の形態を示
す。本実施の形態は第5実施の形態の変形例であり、始
動前に、全バルブ4の全閉、全開作動を一度行い、その
後、スタータモータを起動させるようにしたものであ
る。
【0101】以下、図15に示す始動時制御ルーチンに
従い説明する。イグニッションスイッチがONされる
と、ステップS1からステップS66へ進み、全バルブ
4の閉弁作動が終了したか否かを調べる。イグニッショ
ンスイッチがONされた直後の各バルブ4は、スプリン
グ13,19により保持された中立位置にあり、閉弁作
動は未終了であるため、ステップS2へ進み、閉弁用電
磁コイル駆動回路36のコンデンサ76,80に対して
充電を開始する。そして、このコンデンサ76,80に
対するコンデンサ電圧が設定値以上になったときは、ス
テップS67へ進み、各バルブ4を順次全閉作動させる
処理を行う。
【0102】この処理はバルブ吸引サブルーチンで実行
されるが、このルーチンは、第1実施の形態で示す図5
のフローチャートと同様の処理が行われるため、ここで
の説明は省略する。但し、本実施の形態では、ステップ
S22のコンデンサ再充電の処理は行わず、ステップS
21からステップS23へジャンプする。
【0103】そして、全バルブ4が全閉したときはステ
ップS6へ進み、開弁用電磁コイル駆動回路37のコン
デンサ76,80に対して通電を開始し、ステップS6
8で、コンデンサ電圧を検出し、コンデンサ電圧が設定
値よりも低いときは、ステップS1へ戻り、イグニッシ
ョンスイッチの状態を調べ、ONのままのときは、ステ
ップS66へ進み、全バルブ4の閉弁作動が終了したか
否かを調べる。既に、全バルブ4の全閉作動が終了して
いるため、ステップS6へ戻り、再び開弁用電磁コイル
駆動回路37のコンデンサ76,80に充電する。
【0104】そして、上記コンデンサ76,80に充電
したコンデンサ電圧が設定値以上になったとき、ステッ
プS69へ進み、各バルブ4を順次全開作動させる処理
を行う。この処理はバルブ吸引サブルーチンで実行され
るが、このルーチンは、上述したように、第1実施の形
態で示す図5のフローチャートと、ほぼ同様の処理が行
われるため、ここでの説明は省略する。但し、本実施の
形態では、ステップS22のコンデンサ再充電の処理は
行わず、ステップS21からステップS23へジャンプ
する。
【0105】そして、全バルブ4の全開作動が終了する
と、ステップS70で、両電磁コイル駆動回路36,3
7のコンデンサ76,80に対し、次回の放電に備えて
再充電する。
【0106】その後、前述した第5実施の形態の図13
に示す始動時制御ルーチンのステップS4以下と同様の
処理を行い、ルーチンを抜ける。
【0107】このように、本実施の形態では、エンジン
を始動させる前に、全バルブ4を全閉、及び全開作動さ
せているので、前述の第5実施の形態に比し、始動後、
速やかに正規のタイミングで各バルブ4を作動させるこ
とができる。又、スタータモータの起動とは無関係にバ
ルブ4を全閉、及び全開作動させているため、バルブリ
フトセンサ10の出力をノイズ等の影響を受けずに検出
することができる。
【0108】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
スタータモータに対する通電を開始するとき、全吸排気
バルブが開弁されているので、スタータモータの起動負
荷が軽減され、その分、スタータモータの容量を小さく
することができると共に、エンジン回転数を早期に上昇
させることができ、始動時間の短縮化を図ることができ
る等の優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態による電磁バルブ駆動制御装置
の全体構成図
【図2】同、駆動回路の構成図
【図3】同、ピストン及びバルブの概略図
【図4】同、始動時制御ルーチンを示すフローチャート
【図5】同、バルブ吸引サブルーチンを示すフローチャ
ート
【図6】同、各作動部の作動状態を示すタイミングチャ
ート
【図7】同、他の態様によるピストン及びバルブの概略
【図8】第2実施の形態による始動時制御ルーチンを示
すフローチャート
【図9】同、バルブ吸引サブルーチンを示すフローチャ
ート
【図10】第3実施の形態による始動時制御ルーチンを
示すフローチャート
【図11】同、バルブ吸引サブルーチンを示すフローチ
ャート
【図12】第4実施の形態による始動時制御ルーチンを
示すフローチャート
【図13】第5実施の形態による始動時制御ルーチンを
示すフローチャート
【図14】同、各作動部の作動状態を示すタイミングチ
ャート
【図15】第6実施の形態による始動時制御ルーチンを
示すフローチャート
【符号の説明】
4…吸排気バルブ 5,7…電磁コイル 10…バルブリフトセンサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸排気ポートに介装した吸排気
    バルブを電磁コイルにより駆動制御する電磁駆動バルブ
    において、 スタータモータ通電開始時に全吸排気バルブを開状態と
    し、その後該吸排気バルブを開閉制御することを特徴と
    する電磁駆動バルブの始動時制御装置。
  2. 【請求項2】前記スタータモータ通電後の前記吸排気バ
    ルブの最初の開弁あるいは閉弁動作をクランク角度に非
    同期で行うことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動バ
    ルブの始動時制御装置。
  3. 【請求項3】前記スタータモータ通電後の前記吸排気バ
    ルブの最初の開弁あるいは閉弁動作をクランク角度に同
    期して行うことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動バ
    ルブの始動時制御装置。
  4. 【請求項4】前記電磁駆動バルブはバルブリフトセンサ
    を具備しており、前記吸排気バルブの最初の開弁あるい
    は閉弁動作時に、バルブリフトセンサのバルブ全開位置
    あるいは全閉位置での出力値を学習することを特徴とす
    る請求項2又は請求項3記載の電磁駆動バルブの始動時
    制御装置。
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