JPH11210341A - 遮音換気ドア - Google Patents

遮音換気ドア

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Publication number
JPH11210341A
JPH11210341A JP10032244A JP3224498A JPH11210341A JP H11210341 A JPH11210341 A JP H11210341A JP 10032244 A JP10032244 A JP 10032244A JP 3224498 A JP3224498 A JP 3224498A JP H11210341 A JPH11210341 A JP H11210341A
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JP
Japan
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sound
ventilation
door
sound absorbing
sound insulation
Prior art date
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Application number
JP10032244A
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English (en)
Inventor
Satoshi Nokuwa
聡 野桑
Megumi Yamanaka
恵 山中
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Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
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Publication date
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で、機械的強度に優れ、しかも遮
音特性および換気特性のバランスに優れた遮音換気ドア
を提供すること。 【解決手段】 吸音性を有する材料で構成され、換気通
路が内部に形成してある芯材層4と、遮音性を有する材
料で構成され、芯材層4の外側表面および内側表面にそ
れぞれ装着される遮音材層10,12とを有し、芯材層
4が、少なくとも二枚の吸音板6,8を貼り合わして形
成してあり、少なくとも一方の吸音板6,8の貼り合わ
せ面には、換気通路21を構成するための複数の通気溝
22と、各通気溝22間に位置するリブ24とが形成し
てあり、各遮音材層10,12には、芯材層4の換気通
路21に連通する遮音材開口部30,32が形成してあ
り、各遮音材開口部が、ドアの平面において互い違いの
位置に形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内外の出入り口
などに用いて好適な遮音換気ドアに係り、さらに詳しく
は、製造が容易で、機械的強度に優れ、しかも遮音特性
および換気特性のバランスに優れた遮音換気ドアに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅建築においては、住宅内の暖
房や冷房の効率を上げるために、高気密の建築物が求め
られている。また、外からの騒音を遮断、または室内の
騒音が外に漏れないように遮断することも求められ、そ
の点からも高気密が求められている。
【0003】そのために、床や天井および壁などの高気
密構造が達成され、それらの防音性は向上している。ま
た、室内外の出入り口または部屋の出入り口に取り付け
られるドアの防音性も求められ、その気密性を高めよう
としてきた。
【0004】ところが、気密性を追求していくと、住居
としての換気が不十分となり、いずれかの箇所におい
て、換気を図る必要が生じる。そこで、ある程度の気密
性を維持し、防音特性も図りながら、換気をも図ること
ができるドアが開発されている(特開平9−23596
0号公報)。
【0005】この公報に記載の防音換気ドアによれば、
ドアの内部に空洞を形成し、その内面に吸音材を取り付
けてあり、空洞から成る換気通路を通して換気を図れる
と共に、吸音材によりある程度の防音が図れる効果が期
待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に記載の防音換気ドアでは、換気通路を通過する音の
吸音を図り、ある程度の防音を図ることができるが、ド
アの面に垂直に直進する音を遮音するものではなく、遮
音特性の向上が望まれていた。また、この公報に示す技
術では、ドアの内部に空洞を形成するために、ドアの機
械的強度が弱いという課題も有している。
【0007】また、特開平9−217561号公報およ
び図5に示すように、ドアの厚み方向の中心部に遮音材
層60を設け、その両面に換気通路61,63が形成さ
れた支持層62,64を張り付け、換気通路61,63
には吸音材66,68を装着し、これらを換気口71,
73がそれぞれ形成された表面材70,72でサンドウ
ィッチしたドアも開発されている。この公報に示すドア
では、中心部に遮音材層60を有するために、遮音特性
に優れ、しかも換気をも図れると言う優れた効果を奏す
る。
【0008】しかしながら、中央部に遮音材層60を配
置する構成では、遮音特性を上げるためには、換気通路
65を狭く構成せざるを得ず、換気性能の低下が免れな
い。また、換気性能を上げるために、通路65を大きく
することも考えられるが、その場合には、遮音材層60
に大きな孔が開くので、遮音性能の低下が免れないと言
う課題を有している。
【0009】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、製造が容易で、機械的強度に優れ、しかも遮音特性
および換気特性のバランスに優れた遮音換気ドアを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る遮音換気ドアは、吸音性を有する材料
で構成され、換気通路が内部に形成してある芯材層と、
遮音性を有する材料で構成され、前記芯材層の外側表面
および内側表面にそれぞれ装着される遮音材層とを有
し、前記芯材層が、少なくとも二枚の吸音板を貼り合わ
して形成してあり、少なくとも一方の吸音板の貼り合わ
せ面には、換気通路を構成するための複数の通気溝と、
各通気溝間に位置するリブとが形成してあり、前記各遮
音材層には、前記芯材層の換気通路に連通する遮音材開
口部が形成してあり、各遮音材開口部が、ドアの平面に
おいて互い違いの位置に形成してあることを特徴とす
る。
【0011】本発明に係る遮音換気ドアでは、芯材層
が、少なくとも二枚の吸音板を貼り合わして形成してあ
り、少なくとも一方の吸音板の貼り合わせ面には、換気
通路を構成するための複数の通気溝が形成してある。こ
の換気通路を構成する通気溝は、遮音材開口部に連通
し、各遮音材開口部が、ドアの内外表面に形成された換
気口に連通するので、ドアの内外が、換気通路を通して
の通気が可能になる。しかも、換気通路を構成する通気
溝が、吸音材に形成してあるので、通気溝を通過する空
気の流れに沿って伝搬する音の吸音あるいは減音を図る
ことができる。
【0012】また、本発明に係る遮音換気ドアでは、芯
材層の換気通路に連通するように各遮音材層に形成され
た遮音材開口部が、ドアの平面において互い違いの位置
に形成してある。このため、ドアの面に対して略垂直に
伝搬しようとする音は、一方の遮音材層に形成された開
口部を通り抜けても、他方の遮音材層で必ず遮られるこ
とになり、ドアの遮音特性が向上する。
【0013】すなわち、本発明に係る遮音換気ドアは、
遮音特性および換気特性のバランスに優れている。
【0014】また、従来の防音換気ドアでは、芯材層を
吸音材で構成した場合、吸音材の内部が空洞になり、ド
ア全体の機械的強度が低下する傾向にあったが、本発明
に係るドアでは、吸音材から成る芯材層の換気通路を構
成する通気溝間にリブが形成してあるので、芯材層の機
械的強度が向上し、ドア全体の機械的強度も向上する。
【0015】さらに、本発明に係る遮音換気ドアでは、
芯材層が、少なくとも二枚の吸音板で構成してあり、吸
音板を貼り合わせるのみで、換気通路が芯材層の内部に
形成されるので、吸音性能を持つ換気通路を芯材層の内
部に容易に形成することができる。また、このようにし
て得られた芯材層の外側表面および内側表面に、遮音材
層をそれぞれ貼り合わせ、必要に応じて表面下地板およ
び表面化粧板を取り付けるのみで遮音換気ドアを製造す
ることができ、その製造が極めて容易である。
【0016】本発明において、前記吸音板の貼り合わせ
面に形成してある通気溝およびリブが吸音板の長手方向
に沿って形成してあり、これら通気溝およびリブの長手
方向一端には、前記遮音材開口部に連通する吸音板開口
部が、各吸音板の表裏面を貫通するように形成してある
ことが好ましい。
【0017】前記二枚の吸音板は、一方の吸音板に形成
してある吸音板開口部と、他方の吸音板に形成してある
吸音板開口部とが、吸音板の長手方向に沿って相互に反
対側に位置するように貼り合わされることが好ましい。
【0018】また、二枚の吸音板を同じ形状に成形して
も良い。すなわち、双方の吸音板の貼り合わせ面の同じ
位置に通気溝とリブと吸音板開口部を成形し、それらの
吸音板開口部が互い違いの位置となるように、各吸音板
の上下または左右が逆になるように貼り合わせても良
い。互い違いの位置とは、ドアの長手方向(上下方向)
に沿って相互に反対側の位置であることが好ましいが、
ドアの長手方向と略直交する方向(水平方向)に沿って
相互に反対側の位置であっても良い。換気用開口部がド
アの長手方向に沿って反対側の位置となるように吸音板
を貼り合わせることが好ましいのは、通気溝の長さを長
く構成することができ、通気溝に沿って空気と共に伝搬
する音に対する吸音効果が大きくなるからである。ま
た、二枚の吸音板を同じ形状に成形することで、部品の
共用化が可能となり、部品点数の削減および製造の容易
化が図れる。
【0019】本発明において、ドアとは、通常の回動す
るドアに限らず、引き戸などのようにスライドするドア
も含む広い概念で用いる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0021】図1は本発明の1実施形態に係る遮音換気
ドアの分解斜視図、図2は遮音換気ドアの縦断面図、図
3(A)は遮音換気ドアの正面図、同図(B)は遮音換
気ドアの背面図である。
【0022】図1に示すように、本発明の1実施形態に
係る遮音換気ドア2は、芯材層4と、芯材層4の外側表
面および内側表面にそれぞれ装着される遮音材層10,
12と、各遮音材層の外側表面および内側表面にそれぞ
れ装着される支持層14,16と、各支持層14,16
の外側表面および内側表面にそれぞれ装着される表面下
地層18,20とを有する。
【0023】芯材層4は、二枚の吸音板6,8を貼り合
わして構成してある。各吸音板6,8の貼り合わせ面に
は、換気通路21(図2参照)を構成するための複数の
通気溝22と、各通気溝22間に位置するリブ24と
が、各吸音板6,8の長手方向に沿って形成してある。
また、各吸音板6,8に形成してある通気溝22および
リブ24の長手方向一端には、図2に示す外側換気口4
2および内側換気口44にそれぞれ連通する吸音板開口
部26,28が、各吸音板6,8の表裏面を貫通するよ
うに形成してある。
【0024】各吸音板6,8に形成してある通気溝22
およびリブ24の幅w1およびw2は、特に限定されな
いが、w1=50〜200mmが好ましく、w2=10
〜200mmが好ましい。また、通気溝22の深さd
は、特に限定されないが、5〜50mmが好ましい。な
お、通気溝22およびリブ24は、いずれか一方の吸音
板6または8のみに形成しても良く、その場合には、通
気溝22の深さdは、上記数値範囲の二倍程度が好まし
い。
【0025】各吸音板6,8の厚みtは、特に限定され
ないが、好ましくは3〜30mmである。
【0026】これら各吸音板6,8は、吸音性能に優れ
た材料で構成してあり、具体的には、発泡ポリウレタン
などの発泡プラスチック、発泡ゴム、ガラスウール、ロ
ックウール、フェルトなどで構成することができるが、
好ましくは廃棄プラスチックの再生品を含むプラスチッ
クで構成してある。廃棄プラスチックの再生品を含むプ
ラスチックとしては、たとえば自動車のシートなどを構
成するフェルト廃材をポリウレタン破砕品に混合してバ
インダーで熱硬化成形したものなどが例示される。廃棄
プラスチックの再生品を用いることで、廃棄物の有効利
用を図ることができる。
【0027】本実施形態では、吸音板6,8相互は、形
状が同一の部材であり、それらの貼り合わせ時に、吸音
板開口部26,28が長手方向(上下方向)に互い違い
の位置となるように、一方の吸音板の上下を逆にして、
通気溝22が形成された側を貼り合わせ面として貼り合
わせる。吸音板6,8として、形状が同一のものを使用
することで、部品の共用化が可能となり、部品点数の削
減および製造の容易化が図れる。貼り合わせに際して用
いられる接着剤としては、特に限定されないが、エポキ
シ樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ゴム系接着
剤などの接着剤が用いられる。
【0028】吸音板6,8から成る芯材層4の外側表面
および内側表面にそれぞれ装着される遮音材層10,1
2は、遮音特性に優れた高比重で高制振性の材料で構成
してあり、具体的には、ベース材料中に、高比重粒子を
配合したシートなどで構成してある。高比重粒子として
は、特に限定されないが、鉄粉や硫酸バリウムなどの無
機充填剤が好ましく用いられ、ベース材料としては、軟
質ポリ塩化ビニルや合成ゴム、好ましくはブチルゴムな
どが用いられる。高比重粒子の配合量としては、ベース
材料を100重量%とした場合に、50〜300重量%
程度が好ましい。
【0029】遮音材層10,12の厚みは、それぞれ好
ましくは0.3〜5mm程度、さらに好ましくは0.5
〜2mm程度である。各遮音材層10,12には、遮音
材開口部30,32が形成してあり、各吸音板6,8に
形成してある吸音板開口部26,28と連通するよう
に、各遮音材層10,12は、各吸音板6,8に貼り付
けられる。貼り付けるための手段としては、接着剤によ
る貼着が用いられる。本実施形態では、これら遮音材層
10,12相互も、同じ部材であり、貼り付けるとき
に、上下が逆になるように貼り付けられる。なお、貼り
付ける際に用いられる接着剤としては、吸音板6,8を
貼り付ける際に用いた接着剤と同様な接着剤が用いられ
る。
【0030】遮音材層10,12の外側表面および内側
表面にそれぞれ装着される支持層14,16は、本実施
形態では、厚みが好ましくは1〜10mm、さらに好ま
しくは3〜5mm程度の合板で構成してあるが、その他
の板材で構成することも可能である。支持層14,16
を構成するその他の板材としては、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂製板を
用いることができる。
【0031】これら支持層14,16にも、遮音材層1
0,12と同じ位置に支持層開口部34,36が形成し
てあり、遮音材層10,12の遮音材開口部30,32
と連通するように、支持層14,16が遮音材層10,
12に貼り合わされる。本実施形態でも、支持層14,
16は、同一部材で構成してあり、部品の共用化が図れ
る。なお、支持層14,16を貼り付ける際に用いられ
る接着剤としては、吸音板6,8を貼り付ける際に用い
た接着剤と同様な接着剤が用いられる。
【0032】支持層14,16の外側表面および内側表
面にそれぞれ装着される表面下地層18,20は、本実
施形態では、厚みが好ましくは0.5〜5mm、さらに
好ましくは1〜4mm程度のポリ塩化ビニル樹脂製板で
構成してあるが、その他の板材で構成することも可能で
ある。表面下地層18,20を構成するその他の板材と
しては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエス
テルなどを用いることができる。
【0033】これら表面下地層18,20にも、支持層
14,16と同じ位置に下地層開口部38,40が形成
してあり、支持層14,16の支持層開口部34,36
と連通するように、表面下地層18,20が支持層1
4,16に貼り合わされる。本実施形態でも、表面下地
層18,20は、同一部材で構成してあり、部品の共用
化が図れる。なお、表面下地層18,20を貼り付ける
際に用いられる接着剤としては、吸音板6,8を貼り付
ける際に用いた接着剤と同様な接着剤が用いられる。
【0034】表面下地層18,20の各表面には、化粧
シートなどが貼られたり、塗装が行われることによりド
ア2の表面仕上げが成される。また、図2,3に示すよ
うに、ドア2の周縁部には、たとえば金属または合成樹
脂製のドア枠41が装着され、ドア2の下端部には、ボ
トムタイトナー52が装着される。ボトムタイトナー5
2は、たとえばポリクロロプレン系ゴム、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、およびこれらの発泡体などで構成してある。図
1に示す芯材層4、遮音材層10,12、支持層14,
16および表面下地層18,20を積層することで、こ
れらに形成してある開口部26,30,34および38
が連通し、図2および3に示す外側換気口42が形成さ
れると共に、開口部28,32,36,40が連通し、
図2および3に示す内側換気口42が形成される。
【0035】本実施形態では、外側換気口42がドアの
上部に形成され、内側換気口44がドアの下部に形成さ
れる。本実施形態において、外側換気口42が室外側に
位置し、内側換気口44が室内側に位置する。本実施形
態において、外側換気口42をドアの上部に位置させ、
内側換気口44を下側に位置させたのは、音の空気伝搬
距離を長くすることにより音の減衰効果を高めるためで
あるが、その逆であっても良い。これら換気口42,4
4には、それぞれガラリ板46,48や網体などが装着
され、昆虫や異物の侵入を防止している。
【0036】図2,3に示すように、ドア2のドア枠4
1には、ドア2を建物の出入り口に開閉自在に取り付け
るためのヒンジ部56が装着してある。また、ドア2に
は、ドアの開閉を行うためのドアノブ50が装着され
る。さらに、図2に示すように、出入り口の周縁には、
ドア2がしまった状態で、ドア2の周縁部と出入り口の
周縁部との隙間を密封するためのパッキン54が装着し
てある。
【0037】本実施形態に係る遮音換気ドア2では、換
気通路21を構成する通気溝22は、ドア2の内外表面
に形成された換気口42,44に連通するので、ドア2
の内外が、換気通路21を通しての通気が可能になる。
しかも、換気通路21を構成する通気溝22が、吸音板
6,8に形成してあるので、通気溝22を通過する空気
の流れに沿って伝搬する音の吸音あるいは減音を図るこ
とができる。
【0038】また、本実施形態に係る遮音換気ドア2で
は、芯材層4の換気通路21に連通するように各遮音材
層10,12に形成された遮音材開口部30,32が、
ドア2の平面において上下方向互い違いの位置に形成し
てある。このため、ドア2の面に対して略垂直に伝搬し
ようとする音は、一方の遮音材層10,12に形成され
た開口部30,32を通り抜けても、他方の遮音材層1
2,10で必ず遮られることになり、ドア2の遮音特性
が向上する。
【0039】すなわち、本実施形態に係る遮音換気ドア
2は、遮音特性および換気特性のバランスに優れてい
る。
【0040】また、従来の防音換気ドアでは、芯材層を
吸音材で構成した場合、吸音材の内部が空洞になり、ド
ア全体の機械的強度が低下する傾向にあったが、本実施
形態に係るドア2では、吸音材6,8から成る芯材層4
の換気通路21を構成する通気溝22間にリブ24が形
成してあるので、芯材層4の機械的強度が向上し、ドア
2全体の機械的強度も向上する。
【0041】さらに、本実施形態に係る遮音換気ドア2
では、芯材層4が、二枚の吸音板6,8で構成してあ
り、吸音板6,8を貼り合わせるのみで、換気通路21
が芯材層4の内部に形成されるので、吸音性能を持つ換
気通路21を芯材層4の内部に容易に形成することがで
きる。また、このようにして得られた芯材層4の外側表
面および内側表面に、遮音材層10,12をそれぞれ貼
り合わせ、さらに支持層14,16、表面下地板18,
20および表面化粧板を取り付けるのみで遮音換気ドア
2を製造することができ、その製造が極めて容易であ
る。
【0042】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、上述した実施形態では、二枚
の吸音板6,8で芯材層4を構成したが、3枚以上の吸
音板で芯材層4を構成しても良い。
【0043】また、上述した実施形態では、外側換気口
42をドア2の上部に配置し、内側換気口44をドア2
の下部に配置したが、これに限らず、外側換気口42を
ドア2の外側正面側から見て右側(または左側)に位置
するように配置し、内側換気口44をドア2の外側正面
側から見て左側(または右側)に位置するように配置し
ても良い。この場合には、吸音板6の貼り合わせ面に形
成される通気溝22およびリブ24の延びる方向が、上
下方向ではなく左右方向となる。また、各部材に形成さ
れる開口部の位置も、換気口の位置に合わせて変更する
必要がある。
【0044】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0045】実施例1 図1に示す遮音換気ドアを作成した。芯材層4を構成す
る吸音板6,8としては、それぞれ厚みが10mmの発
泡ポリウレタン樹脂板を用いた。これら吸音板6,8の
張り合わせ面には、通気通路を構成する通気溝22とリ
ブ24とをそれぞれ形成した。
【0046】各吸音板6,8に形成してある通気溝22
およびリブ24の長手方向一端には、図2に示す外側換
気口42および内側換気口44にそれぞれ連通する吸音
板開口部26,28を、各吸音板6,8の表裏面を貫通
するように形成した。
【0047】各吸音板6,8に形成してある通気溝22
およびリブ24の幅w1およびw2は、w1=100m
mであり、w2=10mmであった。また、通気溝22
の深さdは5mmであった。また、開口部26,28の
大きさは、図2に示す外側換気口42および内側換気口
44の大きさと同じであり、70cm×90mmであっ
た。吸音板6,8の大きさは、80cm×2mであっ
た。
【0048】吸音板6,8から成る芯材層4の外側表面
および内側表面には、それぞれ遮音材層10,12を装
着した。遮音材層10,12は、それぞれ70重量%鉄
粉を配合した厚み1mmの軟質ポリ塩化ビニルシートで
構成した。各遮音材層10,12には、遮音材開口部3
0,32を形成した。これら遮音材開口部30,32の
大きさは、吸音材開口部26,28と同じ大きさであ
り、各遮音材層10,12の大きさも、吸音板10,1
2と同じであった。
【0049】遮音材層10,12の外側表面および内側
表面にそれぞれ装着される支持層14,16は、厚みが
5mmの合板でそれぞれ構成した。支持層14,16に
は、遮音材層10,12の開口部と同じ位置に支持層開
口部34,36を形成した。支持層14,16の大きさ
は、吸音板6,8と同じ大きさであり、支持層開口部3
4,36の大きさも、吸音材開口部26,28と同じ大
きさであった。
【0050】支持層14,16の外側表面および内側表
面にそれぞれ装着される表面下地層18,20は、木質
合板表面に化粧板を積層した合計厚みが3.5mmの板
でそれぞれ構成した。表面下地層18,20にも、支持
層14,16の開口部と同じ大きさの下地層開口部3
8,40を形成した。表面下地層18,20の大きさ
は、吸音板6,8と同じ大きさであった。
【0051】このようにして構成した遮音換気ドア2を
用いて、JIS A 1416に準じて遮音特性を示す
音響透過損失Ts(単位dB)を求めた結果を、図4中
の黒三角で示す。図4中、横軸は、1/3オクターブバ
ンド中心周波数であり、縦軸は、音響透過損失Tsであ
る。音響透過損失Tsが高いほど、遮音特性が良い。
【0052】比較例1 図5に示す従来例に係る遮音換気ドアを作成した。中央
部に配置された遮音材層60は、70重量%鉄粉を配合
した厚み1mmの軟質ポリ塩化ビニルシートで構成し
た。遮音材層60の中央部には、90mm×90mmの
通路65を形成した。その両面に配置された支持層6
2,64は、それぞれ厚み16mmの硬質発泡ポリスチ
レンシートで構成した。
【0053】これらの支持層62,64には、通路6
1,63を形成した。通路61,63の幅は90mmで
あり、表面材70,72に形成された換気口71,73
の大きさと通路65の大きさに合わせて形成した。これ
ら通路61,63の内側には、通路と略同じ大きさの吸
音材66,68を貼り付けた。吸音材66,68は、厚
み10mmの発泡ポリウレタン板で構成した。表面材7
0,72は、木質合板表面に化粧板を積層した合計厚み
が3.5mmの板でそれぞれ構成した。各表面材70,
72に形成された換気口71,73の大きさは、90m
m×70cmであった。また、ドアの大きさは、80c
m×2mであった。
【0054】このようにして構成した遮音換気ドアを、
実施例1と同様にして、JIS A1416に準じて遮
音特性を示す音響透過損失Ts(単位dB)を求めた結
果を、図4中の白四角で示す。
【0055】評価 実施例1に係る遮音換気ドアの方が、比較例1に係る遮
音換気ドアに比較して、特に高周波数領域での遮音特性
に優れていることが確認された。2k程度の1/3オク
ターブバンド中心周波数領域が、建築物の水洗トイレの
騒音に相当し、この領域での実施例1に係るドアの遮音
特性が優れていることが確認された。
【0056】これらドアについての換気特性に関して
は、特に実験しなかったが、比較例1のドアでは、90
mm×90mmの狭い通路65を通過する必要があるこ
とから、実施例1に係るドアの方が換気特性に優れてい
ることが容易に類推される。
【0057】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、製造が容易で、機械的強度に優れ、しかも遮音特性
および換気特性のバランスに優れた遮音換気ドアを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係る遮音換気ドア
の分解斜視図である。
【図2】図2は遮音換気ドアの縦断面図である。
【図3】図3(A)は遮音換気ドアの正面図、同図
(B)は遮音換気ドアの背面図である。
【図4】図4は本発明の一実施例に係る遮音換気ドアの
遮音特性を示すグラフである。
【図5】図5は従来例に係る遮音換気ドアの分解斜視図
である。
【符号の説明】
2… 遮音換気ドア 4… 芯材層 6,8… 吸音板 10,12… 遮音材層 14,16… 支持層 18,20… 表面下地層 21… 換気通路 22… 通気溝 24… リブ 26,28… 吸音材開口部 30,32… 遮音材開口部 42,44… 換気口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸音性を有する材料で構成され、換気通
    路が内部に形成してある芯材層と、 遮音性を有する材料で構成され、前記芯材層の外側表面
    および内側表面にそれぞれ装着される遮音材層とを有
    し、 前記芯材層が、少なくとも二枚の吸音板を貼り合わして
    形成してあり、少なくとも一方の吸音板の貼り合わせ面
    には、換気通路を構成するための複数の通気溝と、各通
    気溝間に位置するリブとが形成してあり、 前記各遮音材層には、前記芯材層の換気通路に連通する
    遮音材開口部が形成してあり、各遮音材開口部が、ドア
    の平面において互い違いの位置に形成してあることを特
    徴とする遮音換気ドア。
  2. 【請求項2】 前記吸音板の貼り合わせ面に形成してあ
    る通気溝およびリブが吸音板の長手方向に沿って形成し
    てあり、これら通気溝およびリブの長手方向一端には、
    前記遮音材開口部に連通する吸音板開口部が、各吸音板
    の表裏面を貫通するように形成してある請求項1に記載
    の遮音換気ドア。
  3. 【請求項3】 前記二枚の吸音板は、一方の吸音板に形
    成してある吸音板開口部と、他方の吸音板に形成してあ
    る吸音板開口部とが、吸音板の長手方向に沿って相互に
    反対側に位置するように貼り合わされることを特徴とす
    る請求項2に記載の遮音換気ドア。
JP10032244A 1998-01-29 1998-01-29 遮音換気ドア Pending JPH11210341A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015175104A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 大和ハウス工業株式会社 遮音建具
JP2022526000A (ja) * 2019-04-03 2022-05-20 サン-ゴバン グラス フランス 遮断グレージングのためのスペーサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015175104A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 大和ハウス工業株式会社 遮音建具
JP2022526000A (ja) * 2019-04-03 2022-05-20 サン-ゴバン グラス フランス 遮断グレージングのためのスペーサ

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