JPH11210152A - 外装パネル取付け用のプレキャストコンクリート壁体 - Google Patents

外装パネル取付け用のプレキャストコンクリート壁体

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JPH11210152A
JPH11210152A JP900498A JP900498A JPH11210152A JP H11210152 A JPH11210152 A JP H11210152A JP 900498 A JP900498 A JP 900498A JP 900498 A JP900498 A JP 900498A JP H11210152 A JPH11210152 A JP H11210152A
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JP
Japan
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concrete wall
precast concrete
panel
anchor
mounting
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Application number
JP900498A
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English (en)
Inventor
Takamasa Sekiguchi
高正 関口
Kenjiro Komatsu
健二郎 小松
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Mitsubishi Chemical Corp
Schokbeton Japan Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Schokbeton Japan Co Ltd
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Publication date
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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外装パネルを取り付けるための下地形材を備
え、この下地形材が熱膨張収縮によってもこれを固定し
ているアンカーに応力を作用させることがないように取
り付けられた外装パネル取付け用のプレキャストコンク
リート壁体を提供すること。 【解決手段】 外装パネル取付け用の少なくとも2つの
下地形材14を備えるプレキャストコンクリート壁体1
0であって、下地形材14がその正面側に外装パネルを
係止する係止部15aを、更に裏面側に第1連結手段と
しての連結ホルダー16をそれぞれ備え、プレキャスト
コンクリート壁体10にアンカー13が埋め込まれ、こ
のアンカー13のプレキャストコンクリート壁体から突
出した端部に第2連結手段としての大径部13aを形成
し、アンカー13の大径部13aを下地形材14の連結
ホルダー16に入れて、下地形材14がアンカー13に
対してその長手方向に相対的に移動可能で且つアンカー
13の軸方向に不動に連結されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外装パネル取付け用
のプレキャストコンクリート壁体に関し、更に詳細には
例えば構築物の躯体壁面として使用されるプレキャスト
コンクリート壁体であって、この壁体に外装壁となる複
数の外装パネルを取り付けるための下地形材を備えるプ
レキャストコンクリート壁体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、構築物の躯体壁面としてプレキャ
ストコンクリート壁体即ちPCコンクリートウォールが
用いられることが多い。このプレキャストコンクリート
壁体は、周知のように工場で予め成形されたコンクリー
ト板であり、これを構築物の構成要素である鉄骨などに
ファスナーと呼ばれる取付金物を用いて設置し、外壁と
するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常の構築物では、こ
のプレキャストコンクリート壁体がそのまま外壁となる
ため、従来ではこの壁体の外壁面にフッ素塗装を工場で
施したりタイルなどを貼ったりして仕上げられていた。
プレキャストコンクリート壁体の外表面に施すフッ素塗
装は、非常に多くの工程があり、そのため非常に時間と
手間が掛かると共に当該壁体の表面を平滑にしなければ
ならないという問題があり、またタイルの貼り付けも非
常に面倒であった。
【0004】プレキャストコンクリート壁体の外表面に
施したフッ素塗装や貼り付けたタイルは、将来、経年劣
化した時に塗り直しや貼り付け直しをしなければならな
いが、その際の再塗装や貼り付けは現場で行わなければ
ならず、このような現場でのリフォームは多大な時間と
労力が掛かり、しかも仕上がりの品質は工場での施工に
比べてどうしても低下するという問題があった。
【0005】そこで、近年、プレキャストコンクリート
壁体即ちPCコンクリートウォールに金属製の外装パネ
ルを取り付けてこれを実質的な外壁とする提案がなされ
ている。外装パネルをコンクリート壁面に取り付ける従
来の方法は、一般的には、種々の形状をした断片的な鉄
製の取付け金具をアンカー等でコンクリート壁面に複数
固定し、この取付け金具に外装パネルを連結して取り付
けている。
【0006】ところで、この取付け金具が比較的に長尺
なものである場合には、金属製の取付け金具とコンクリ
ートの熱膨張収縮率が異なるため当該取付け金具がコン
クリート壁体に対してその壁面に沿って相対的にスライ
ドすることになり、この移動量は取付け金具の長さが長
い程大きい。従って、比較的に長尺の取付け金具をアン
カーボルトやビス等で不動状態に固定すると取付け金具
の熱膨張収縮によりアンカーやビスに大きな応力が作用
してコンクリート壁体の破壊を招く恐れがあった。
【0007】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、外装パネルを取り付ける
ための下地形材を備え、この下地形材が熱膨張収縮によ
ってもこれを固定しているアンカーに応力を作用させる
ことがないように取り付けられた外装パネル取付け用の
プレキャストコンクリート壁体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は外装パネル取付
け用のプレキャストコンクリート壁体であり、前述した
技術的課題を解決するため以下のような構成とされてい
る。すなわち、本発明は、外装パネル取付け用の少なく
とも2つの下地形材を備えるプレキャストコンクリート
壁体であって、下地形材がその正面側に外装パネルを係
止する係止部を、更に裏面側に第1連結手段をそれぞれ
備え、プレキャストコンクリート壁体にアンカーが埋め
込まれ、このアンカーのプレキャストコンクリート壁体
から突出した端部に第2連結手段が形成され、下地形材
の第1連結手段とアンカーの第2連結手段とが、プレキ
ャストコンクリート壁体の壁面に沿って相対的に移動可
能で且つアンカーの軸方向に不動に連結されていること
を特徴とする。
【0009】<本発明における具体的構成>本発明にお
ける外装パネル取付け用のプレキャストコンクリート壁
体は、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要
素が具体的に以下のような場合であっても成立する。そ
の具体的構成要素とは、下地形材に形成された第1連結
手段及びアンカーの第2連結手段部のいずれか一方が下
地形材の長手方向に沿って伸長すべく形成された溝部を
備える連結ホルダーであり、また他方がこの連結ホルダ
ーの溝部に収容可能な拡大部であり、第1連結手段及び
第2連結手段のいずれか一方の連結ホルダー内に他方の
拡大部を収容して下地形材をプレキャストコンクリート
壁体の壁面に沿って相対的に移動し得るようにすると共
にアンカーの軸方向に不動に連結したことを特徴とす
る。
【0010】また、本発明における外装パネル取付け用
のプレキャストコンクリート壁体では、外装パネルが、
パネル本体と、このパネル本体の裏面に接合して固定さ
れる支持部、パネル本体の周縁を包持する包持枠部、支
持部から立ち上がる脚部、及びこの脚部から連続する取
付けフランジからなり、パネル本体の各周囲縁部に取り
付けられてパネル本体を支持する複数の形材枠とから構
成されている形材枠一体パネルであり、形材枠における
取付けフランジの先端部を下地形材の係止部に係止して
取り付けることを特徴とする。
【0011】形材枠一体パネルを構成する「パネル本
体」としては、非金属材料からなる基板の両面に金属シ
ートを積層した複合板や金属、繊維材料等からなるハニ
カム構造物の両面に金属シートを積層した複合板を用い
ることができる。また、このパネル本体の周縁部を保護
する形材枠は、押出し成形された金属製の材料から構成
されることが望ましく、特にアルミニウム材から形成さ
れることが好ましい。
【0012】本発明における外装パネル取付け用のプレ
キャストコンクリート壁体によると、下地形材の裏面側
に設けられた第1連結手段がプレキャストコンクリート
壁体に設けられたアンカーの突出端部に形成された第2
連結手段にプレキャストコンクリート壁体の壁面に相対
的に移動可能で且つアンカーの軸方向に不動に連結され
ているため、下地形材が熱膨張収縮により延び縮みした
場合でもアンカーに対して相対的にスライドすることが
できる。
【0013】そのため、下地形材の熱膨張収縮によるス
ライドが生じてもこれを固定しているアンカーに応力を
及ぼすことがなく、従ってプレキャストコンクリート壁
体におけるアンカー取付け部の破壊を防止でき、長期に
亘り安全に外装パネルを支持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明における外装パネル
取付け用のプレキャストコンクリート壁体を図に示され
る実施形態について更に詳細に説明する。図1は本発明
の一実施形態に係る外装パネル取付け用のプレキャスト
コンクリート壁体の主要部である横目地部付近における
外装パネル支持構造部を示す断面図、図2はプレキャス
トコンクリート壁体の高さ方向中間部付近における外装
パネル支持構造部を示す断面図、図3は参考としてプレ
キャストコンクリート壁体の縦目地部付近における外装
パネルの側部を示す断面図である。
【0015】この実施形態おいて、構築物を構成するプ
レキャストコンクリート壁体(以下、単にPCコンクリ
ート壁体と称する)10の壁面における下端部、上端
部、及びその中間部適所(図2)には外装パネル20を
取付けるための下地形材14が固定されている。PCコ
ンクリート壁体10の下端部、中間部、及び上端部に設
けられた下地形材14は基本的には同じ形状のものであ
る。
【0016】1つの下地形材14は、PCコンクリート
壁体10の下端部における表面に後述するアンカー13
によって固定されている。この下地形材14は、横方向
に長いアルミニウム製の形材で、いわゆるリップ溝形を
した基本形材15とその裏面において上下方向に並んで
形成された3つの連結ホルダー16とが一体的に形成さ
れたものである。これらの各連結ホルダー16が第1連
結手段を構成している。
【0017】基本形材15の開口を区画すべく上下に位
置する2つのリップ15a、15bのうち、下リップ1
5aは、外装パネル20を支持する係止部として機能す
る。この下地形材14の3つの連結ホルダー16もそれ
ぞれ、当該下地形材14の長手方向に延びる溝部16a
と、この溝部16aの開口を区画形成すべく上下に形成
されたリップ16b、16cとからなるリップ溝形を呈
している。
【0018】他方、PCコンクリート壁体10には、内
部の主筋11やフープ筋12に邪魔にならないようにア
ンカー13が埋め込まれている。このアンカー13の軸
部先端はPCコンクリート壁体10の壁面から突出し、
その突出端にはアンカー13の軸部直径より大きい拡大
部である大径の6角ナット状頭部13aが形成されてい
る。この拡大部13aが第2連結手段を構成している。
【0019】このアンカー13のPCコンクリート壁体
10から突出した先端の拡大部13aは、下地形材14
における連結ホルダー16の溝部16a内に収容され
る。従って、アンカー13は、予め設計された下地形材
14の取付け位置に対応するように正確に埋め込まれて
取り付けられる。アンカー13の数は、下地形材14に
対する予定取付け強度に依存するため、当該下地形材1
4の大きさ又は長さによって適宜決められる。
【0020】通常は、図1に示されるように下地形材1
4の裏面側に形成された3つの連結ホルダー16のう
ち、上下2つの連結ホルダー16の溝部16a内に拡大
部13aを収容するように、PCコンクリート壁体10
の縦断面で見て2箇所にアンカー13を設けることが好
ましい。ただし、これらのアンカー13は、PCコンク
リート壁体10の正面側即ち壁面側から見たときには横
方向に例えば千鳥状に複数配列して設けられる。
【0021】これにより、アンカー13の拡大部13a
は、下地形材14における連結ホルダー16の溝部16
a内に収容され、その軸部が開口からPCコンクリート
壁体10内に埋め込まれているため、軸方向については
拡大部13aがリップ16b、16cに係合して下地形
材14をPCコンクリート壁体10に対して固定する
が、このPCコンクリート壁体10の壁面に沿う方向に
は下地形材14の移動を許すことになる。
【0022】このようにアンカー13によりPCコンク
リート壁体10の壁面に沿って移動可能なように固定さ
れた下地形材14は、前述したようにPCコンクリート
壁体10の少なくとも上端部と下端部に設けられ、PC
コンクリート壁体10の高さ方向中間部には、このPC
コンクリート壁体10に取り付けられる外装パネル20
の高さ寸法に応じた位置に適宜設けられている。
【0023】ところで、このPCコンクリート壁体10
の壁面に取り付ける外装パネル20は、形材枠一体パネ
ルと称し、基本的構造は例えば特開平7−102734
号公報に開示されていることから既によく知られてい
る。この公開特許公報に開示されたような形材枠一体パ
ネルは、その後更に改良され、その結果特に、耐候性、
施工性及び美観などの観点から建築物の外壁材として各
方面から高い評価が与えられている。
【0024】ここで使用する形材枠一体パネル20も公
知の当該パネルを更に改良したもので、その構成を簡単
に説明すると、外装パネルである形材枠一体パネル20
は、基本的には、非金属材料からなる基板21の両面に
金属シート22を積層して方形平板状に形成されたパネ
ル本体23と、このパネル本体23の周縁に組み付けら
れてパネル本体23の周縁を保護し且つ木口を覆う形材
枠24とから構成されている。
【0025】この形材枠24は、パネル本体23の裏面
に接合して固定される支持部24aと、パネル本体23
の周縁を包持する包持枠部24bと、前述の支持部24
aからほぼ垂直に立ち上がった脚部24cと、この脚部
24cからパネル本体23に沿う方向に延びる取付け用
フランジ部24dとを一体的に形成して構成されてい
る。この取付け用フランジ部24dは、形材枠一体パネ
ル20の取り付け位置即ちPCコンクリート壁体10に
対する位置によって若干の形状を異にしている。
【0026】すなわち、図1に示されるように、形材枠
一体パネル20がPCコンクリート壁体10に取り付け
られる時、このPCコンクリート壁体10の下端部に位
置する形材枠24の取付け用フランジ部24dは、その
対応する位置に設けられた下地形材14の係止部即ち下
リップ15aに係止するように逆U字形をしたフック状
に形成されている。
【0027】また、同様に図1に示されるように、形材
枠一体パネル20がPCコンクリート壁体10に取り付
けられる時、このPCコンクリート壁体10の上端部に
位置する形材枠24の取付け用フランジ部24dは、そ
の対応する位置に設けられた下地形材14の下リップ1
5aの内側溝内に差し込まれるように舌片状に形成され
ている。
【0028】更に、図2に示されるように、形材枠一体
パネル20がPCコンクリート壁体10に取り付けられ
る時、このPCコンクリート壁体10の高さ方向中間部
に位置し且つ形材枠一体パネル20の上端に設けられて
いる形材枠24の取付け用フランジ部24dは、その対
応する位置に設けられた下地形材14の下リップ15a
の内側溝内に差し込まれるように舌片状に形成されてい
る。
【0029】更にまた、図2に示されるように、形材枠
一体パネル20がPCコンクリート壁体10に取り付け
られる時、このPCコンクリート壁体10の高さ方向中
間部に位置し且つ形材枠一体パネル20の下端に設けら
れている形材枠24の取付け用フランジ部24dは、隣
接する下方の形材枠一体パネル20の上端に設けられた
形材枠24の脚部24cに形成された差込み溝24eに
差し込み可能なように舌片状に形成されている。
【0030】なお、形材枠一体パネル20の上端に設け
られた形材枠24は、安全のため特にPCコンクリート
壁体10に堅固に固定する必要があることから、脚部2
4cからパネル本体23縁部外側に延びる固定フランジ
24fが設けられ、この固定フランジ24fを下地形材
14の上リップ15b又はそれとは反対側に張り出した
フランジ15cにビス又はネジ17等で固定されてい
る。
【0031】ところで、図1に示されるようにPCコン
クリート壁体10の高さ方向重ね合わせ部に、形材枠一
体パネル20間の間隔即ち横目地部が位置する場合に
は、この目地部から雨水などの浸入が心配される。その
ため、上方に位置する形材枠一体パネル20の形材枠2
4には下向きに開放した断面コ字形のホルダー24gが
一体的に形成され、このホルダー24gにウインドバリ
ヤ25の基部を圧入嵌合して取付け、その先端部を隣接
して下方に位置する形材枠一体パネル20の形材枠24
の脚部24cに当接させるようにしておくことが好まし
い。
【0032】なお、PCコンクリート壁体10の間隔部
には、従来と同様にガスケット37が配置され、前述し
たウインドバリヤ25と協働し、等圧理論によって雨水
などの浸入を防ぐようにされている。
【0033】パネル本体23の上下端縁に組み付けられ
てその端縁を保護し且つ木口を覆う形材枠24は、通
常、これら4種類の形状で対応することができる。しか
し、パネル本体23の側方に位置する形材枠24は、1
種類の形状であり、その構成は図3に示されるように基
本的には前述したようにパネル本体23の裏面に接合し
て固定される支持部24aと、パネル本体23の周縁を
包持する包持枠部24bと、前述の支持部24aからほ
ぼ垂直に立ち上がった脚部24cとからなり、この脚部
24cの端部にパネル本体23に平行で且つ外方側に向
いたチャンネル部24hが特に形成されている。
【0034】そして、形材枠一体パネル20がPCコン
クリート壁体10に前述したようにして取り付けられた
時、横方向に隣接する形材枠一体パネル20において対
峙する側方の形材枠24におけるチャンネル部24hに
帯状のシール材18の各側部を嵌合して取り付けて縦方
向目地部が構成される。
【0035】このようなPCコンクリート壁体10は、
次のようにして製造される。すなわち、常法に従ってP
Cコンクリート壁体10を製造する際に、その型枠(図
示せず)内における所定の位置に下地形材14を設置す
る。その時、複数本のアンカー13は、その拡大部13
aを連結ホルダー16に端部開放側から滑らせるように
して押し込み、所定の位置に予め配置しておく。
【0036】なお、この時、下地形材14とコンクリー
トとの隙間から水などの浸入を防ぐため、一種の縁切り
として所定の箇所に変性シリコンシール材19を配置し
ておくことが好ましい。その後、主筋11やフープ筋1
2を配筋してコンクリートを型枠内に充填した後、一定
の期間養生し、次いで型枠を取り外してPCコンクリー
ト壁体10が完成する。
【0037】このようにして、表面に外装パネルである
形材枠一体パネル20を支持するための下地形材14を
当該PCコンクリート壁体10の表面に沿ってスライド
可能としながらも堅固に取り付けたPCコンクリート壁
体10が、大量に工場で製造される。
【0038】前述した実施形態で使用された下地形材1
4は、裏面側に第1連結手段として溝部を備える連結ホ
ルダー16を備えたものであったが、図4に示されるよ
うな構成の下地形材34であってもよい。この下地形材
34は、前述した実施形態で使用した下地形材14と同
様な基本形材15を備え、この基本形材15の表面に当
該基本形材15の長手方向に伸長して形成され、先端部
が拡大した突出帯36が第1連結手段として形成されて
いる。
【0039】このような下地形材34を使用する場合に
は、これに対応するアンカー33を使用する。すなわ
ち、このアンカー33の突出端部には、図5に示される
ように比較的に短いリップ溝形の連結ホルダー33aが
形成されており、この連結ホルダー33aが第2連結手
段として機能し、下地形材34の突出帯36をスライド
可能に収容する。
【0040】なお、前述した「形材枠一体パネル」とし
て非金属材料からなる基板の両面に金属シートを積層し
た複合板にアルミニウム製の形材枠を取り付けたものに
ついて説明したが、本発明では、このような構造の形材
枠一体パネルに限定されるものではなく、金属、繊維材
料等からなるハニカム構造物の両面に金属シートを積層
した複合板を用いることができる。
【0041】また、このパネル本体の周縁部を保護する
形材枠は、アルミニウム材以外の材料から形成してもよ
く、一般的には押し出し成形された金属製の材料から構
成されることが望ましい。
【0042】また、本発明における外装パネル取付け用
のプレキャストコンクリート壁体では、これに取り付け
る外装パネルとして「形材枠一体パネル」に限定される
ものではなく、これ以外の種々の外装パネルをPCコン
クリート壁体に取り付ける場合にも適用できることは言
うまでもない。
【0043】更に、本発明は下地形材をPCコンクリー
ト壁体に取り付けるアンカーとしては通常のボルトを使
用することがコスト的にも好ましいが、アンカーがコン
クリートに埋め込まれる軸部分の構造は如何なる形状で
あってもよいことは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における外
装パネル取付け用のプレキャストコンクリート壁体によ
れば、外装パネルを取り付けるための下地形材を備え、
この下地形材が熱膨張収縮によりコンクリート壁体に対
してその壁面に沿って相対的にスライドしても、これを
固定しているアンカーに応力を作用させることがなく、
その結果コンクリート壁体のアンカーを取付け部分にお
ける破壊を防止することができ、外装パネルを長期に亘
り安全に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る外装パネル取付け用
のプレキャストコンクリート壁体の主要部である横目地
部付近における外装パネル支持構造部を示す断面図であ
る。
【図2】図2はプレキャストコンクリート壁体の高さ方
向中間部付近における外装パネル支持構造部を示す断面
図である。
【図3】図3は参考としてプレキャストコンクリート壁
体の縦目地部付近における外装パネルの側部を示す断面
図である。
【図4】図1に示されるプレキャストコンクリート壁体
を構成する下地形材の変形例を部分的に示す斜視図であ
る。
【図5】図1に示されるプレキャストコンクリート壁体
を構成する下地形材を固定するアンカーの変形例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
10 プレキャストコンクリート壁体 11 主筋 12 フープ筋 13、33 アンカー 13a 拡大部(第2連結手段) 14、34 下地形材 15 基本形材 15a 下リップ 15b 上リップ 16 連結ホルダー(第1連結手段) 16a 溝部 16b リップ 16c リップ 17 ビス又はネジ 18 シール材 20 形材枠一体パネル(外装パネル) 21 基板 22 金属シート 23 パネル本体 24 形材枠 24a 支持部 24b 包持枠部 24c 脚部 24d取付け用フランジ部 24e 差込み溝 24f 固定フランジ 25 ウインドバリヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装パネル取付け用の少なくとも2つの
    下地形材を備えるプレキャストコンクリート壁体であっ
    て、 前記下地形材が、その正面側に前記外装パネルを係止す
    る係止部を、更に裏面側に第1連結手段をそれぞれ備
    え、 前記プレキャストコンクリート壁体にアンカーが埋め込
    まれ、このアンカーの前記プレキャストコンクリート壁
    体から突出した端部に第2連結手段が形成され、 前記下地形材の前記第1連結手段と前記アンカーの前記
    第2連結手段とが、前記プレキャストコンクリートと壁
    体の壁面に沿って相対的に移動可能で且つ前記アンカー
    の軸方向に不動に連結されていることを特徴とする外装
    パネル取付け用のプレキャストコンクリート壁体。
  2. 【請求項2】 前記下地形材に形成された前記第1連結
    手段及び前記アンカーの前記第2連結手段のいずれか一
    方が前記下地形材の長手方向に沿って伸長すべく形成さ
    れた溝部を備える連結ホルダーであり、また他方がこの
    連結ホルダーの前記溝部に収容可能な拡大部であり、 前記第1連結手段及び第2連結手段のいずれか一方の前
    記連結ホルダー内に他方の前記拡大部を収容して前記下
    地形材を前記プレキャストコンクリート壁体の壁面に沿
    って相対的に移動し得るようにすると共に前記アンカー
    の軸方向に不動に連結したことを特徴とする請求項1に
    記載の外装パネル取付け用のプレキャストコンクリート
    壁体。
  3. 【請求項3】 前記外装パネルが、パネル本体と、この
    パネル本体の裏面に接合して固定される支持部、前記パ
    ネル本体の周縁を包持する包持枠部、前記支持部から立
    ち上がる脚部、及びこの脚部から連続する取付けフラン
    ジからなり、前記パネル本体の各周囲縁部に取り付けら
    れて前記パネル本体を支持する複数の形材枠とから構成
    されている形材枠一体パネルであり、前記形材枠におけ
    る前記取付けフランジの先端部を前記下地形材の前記係
    止部に係止して取り付けることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の外装パネル取付け用のプレキャストコンク
    リート壁体。
JP900498A 1998-01-20 1998-01-20 外装パネル取付け用のプレキャストコンクリート壁体 Pending JPH11210152A (ja)

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