JPH11209817A - 製鋼用フラックス、その製造方法およびそれを使用する製鋼方法 - Google Patents

製鋼用フラックス、その製造方法およびそれを使用する製鋼方法

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JPH11209817A
JPH11209817A JP10015930A JP1593098A JPH11209817A JP H11209817 A JPH11209817 A JP H11209817A JP 10015930 A JP10015930 A JP 10015930A JP 1593098 A JP1593098 A JP 1593098A JP H11209817 A JPH11209817 A JP H11209817A
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flux
limestone
steelmaking
calcium oxide
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Mitsuo Hanada
光雄 花田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ホタル石に代えて使用する、カルシウム・フ
ェライトを有効成分とする製鋼用のフラックスと、その
製造方法を提供する。 【解決手段】 酸化カルシウム、とくに石灰石を焼成し
て得たものの粒子の表面の少なくとも一部分を、カルシ
ウム・フェライトの層が被覆した製鋼用フラックス。石
灰石を破砕して得た粒子の表面に、酸化鉄及び石灰石を
含む水性スラリーを付着させ、石灰石の粒子とともにロ
ータリーキルンに装入して1200〜1400℃の温度
で焼成し、酸化鉄と酸化カルシウムとの反応によりカル
シウム・フェライトを生成させたのち、酸化カルシウム
の粒子を分離することからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼のスラグ精錬に
当たって、スラグ原料の溶融を助ける目的で使用するフ
ラックスに関する。 本発明はまた、このフラックスの
製造方法と、それを使用した鋼の精錬方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】転炉や電気炉において行なう鋼の精錬、
とくに酸化カルシウムのような塩基性物質の溶融スラグ
を使用して脱硫および(または)脱リンを行なうとき
は、溶鋼上に投入したスラグ原料の溶融を助けるととも
に、スラグの流動性を高める目的で、スラグ組成物の融
点を低下させる物質をフラックス剤として添加すること
が普通である。 このフラックス剤としては、ホタル石
が好んで使用されている。よく知られているように、ホ
タル石はCaF2 を主成分とし、この物質の融点は約9
35℃である。
【0003】しかし、ホタル石は国内で得られない資源
であり、輸入に頼らなければならない。 この問題を別
にしても、排気中へのフッ素化合物の放出や、廃棄物で
あるスラグからのフッ素化合物の溶出の可能性があるか
ら、その使用は、好ましいものではない。 とはいえ、
これに代わるフラックス剤は、現在のところ得られてい
ないのが実情である。
【0004】発明者は、ホタル石と同様な効果があり、
資源的な問題もなく、かつ安価なフラックス剤を検討
し、カルシウム・フェライトの利用を着想した。 カル
シウムのフェライトには、モノカルシウム・フェライト
CaO・Fe23と、ダイカルシウム・フェライト2C
aO・Fe23とがあり、図1(CaO−Fe23系の
状態図)にみるように、CaF2 には及ばないが、比較
的低い温度で溶融するから、フラックスとして使用可能
なはずである。 しかし、このことは逆に、カルシウム
・フェライトの工業的な製造を困難にしており、製鋼用
のフラックスとしての利用を妨げてきたものと思われ
る。 この障害を克服することを企てて研究の結果、発
明者は、石灰石の仮焼による生石灰の製造と、酸化鉄と
生石灰の反応によるカルシウム・フェライトの生成とを
同時に行なうことで、カルシウム・フェライトの工業的
に有利な製造とを両立させることに成功した。
【0005】
【発明が解決すべき課題】したがって本発明の第一の目
的は、ホタル石に代えて使用する、カルシウム・フェラ
イトを有効成分とする製鋼用のフラックスを提供するこ
とにある。
【0006】本発明の第二の目的は、カルシウム・フェ
ライトを有効成分とする製鋼用のフラックスの、工業的
に有利な製造方法を提供することにある。
【0007】本発明の第三の目的は、上記のカルシウム
・フェライトを有効成分とする製鋼用のフラックスを使
用して、鋼のスラグ精錬を行う方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の製鋼用フラック
スは、基本的には、酸化カルシウムの粒子の表面の少な
くとも一部をカルシウム・フェライトの層が被覆した形
態のものである。
【0009】この製鋼用フラックスを製造するひとつの
方法は、石灰石を破砕して得た粒子の表面に、酸化鉄の
粉末を水に分散させてなる酸化鉄スラリーまたは酸化鉄
の粉末および石灰石の粉末を水に分散させてなる混合ス
ラリーを付着させ、トンネルキルンまたは炉床回転キル
ンに装入して1200〜1400℃の温度に焼成し、石
灰石を酸化カルシウムに変換するとともに、酸化カルシ
ウムの粒の表面または酸化カルシウムの粒の表面および
付着した混合スラリー層の内部において、酸化鉄と酸化
カルシウムとの反応によりカルシウム・フェライトを生
成させることからなる。
【0010】本発明の鋼の精錬方法は、上記した、また
は後記する製鋼用フラックスのいずれかを、酸化カルシ
ウムを主成分とする鋼精錬スラグ原料とともに、転炉ま
たは電気炉中の溶鋼上に投入し、フラックスの溶融によ
りスラグ原料を溶融させて脱硫および(または)脱リン
を主とする精錬を行なうことからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記した本発明の製鋼用フラック
スは、粒子サイズが5〜40mmの範囲にあるものが、製
造および使用に好都合である。 このフラックス中の酸
化カルシウムは、石灰石の焼成により得ることができ、
それが有利である。
【0012】カルシウム・フェライトは、多くの場合、
大量のダイカルシウム・フェライトと小量のモノカルシ
ウム・フェライトとの混合物である。
【0013】上述の製鋼用フラックスを製造するいまひ
とつの、そして最も実際的といえる方法は、図3のフロ
ーチャートにその工程を示すように、石灰石を破砕して
得た比較的粗大な粒子の表面に、酸化鉄の粉末を水に分
散させてなる酸化鉄スラリーまたは酸化鉄の粉末および
石灰石の粉末を水に分散させてなる混合スラリーを付着
させ、比較的微細な石灰石の粒子とともにロータリーキ
ルンに装入して1200〜1400℃の温度に焼成し、
石灰石を酸化カルシウムに変換するとともに、酸化カル
シウムの粒の表面または酸化カルシウムの粒の表面およ
び付着した混合スラリー層の内部において、酸化鉄と酸
化カルシウムとの反応によりカルシウム・フェライトを
生成させたのち、表面をカルシウム・フェライトで被覆
された比較的粗大な酸化カルシウムの粒子を、比較的微
細な酸化カルシウムの粒子から分離することからなる。
【0014】ロータリーキルンに細粒と粗粒とを供給す
ると、一般に細粒は炉壁に沿って存在し、粗粒は細粒の
上に乗った形で存在する。 本発明により製鋼用フラッ
クスを製造する場合も例外ではない。 その模様は、図
4に示すとおりであって、酸化鉄のスラリー(1A)で
被覆した石灰石の粗粒(2)は、被覆のない石灰石の細
粒(3)により炉壁(4)からへだてられた形で加熱さ
れつつ、キルンを通って来る。 このようにして、生成
したカルシウム・フェライトの溶融物が炉壁に付着する
ことが防止できる。
【0015】表面に酸化鉄または酸化鉄と石灰石粉末と
の混合物の被覆を有する石灰石の粒子と、被覆を有しな
い石灰石の粒子とで粒子の大きさを違えるのは、後記す
るように、焼成後に、表面にカルシウム・フェライトの
層を有する生石灰すなわち本発明の製鋼用フラックス
を、表面にカルシウム・フェライトの層を有しない生石
灰から分離するのに好都合だからである。
【0016】この、表面に酸化鉄または酸化鉄と石灰石
粉末との混合物の被覆を有する石灰石の粒子の間に被覆
のない石灰石の粒子を介在させて焼成する手法は、シャ
フトキルンを用いても実施できる。 その場合は、粒子
の大きさを違える必要はないが、焼成後の分離の方法を
別に考えなければならない。
【0017】本発明の製鋼用フラックスの別の態様は、
酸化カルシウムの粉末を、カルシウム・フェライトで結
合してブリケットの形態としたものである。
【0018】この製鋼用フラックスを製造する方法は、
酸化鉄の粉末と石灰石の粉末とを混合して加圧成形する
ことによりブリケットとし、このブリケットをトンネル
キルンまたは炉床回転キルンにおいて1200〜140
0℃の温度に焼成して、石灰石を酸化カルシウムに変換
するとともに、ブリケットの内部において、酸化鉄と酸
化カルシウムとの反応によりカルシウム・フェライトを
生成させることからなる。
【0019】別の製造方法は、酸化鉄の粉末と石灰石の
粉末とを混合して加圧成形することによりブリケットと
し、このブリケットを、それより微細な石灰石の粒子と
ともにロータリーキルンに装入して1200〜1400
℃の温度に焼成し、石灰石を酸化カルシウムに変換する
とともに、ブリケットの内部において、酸化鉄と酸化カ
ルシウムとの反応によりカルシウム・フェライトを生成
させたのち、カルシウム・フェライトを含有するブリケ
ットを、それより微細な酸化カルシウムの粒子から分離
することからなる。
【0020】ロータリーキルンに代えてシャフトキルン
を使用することは、上記のブリッケットを焼成する製鋼
用フラックスの製造方法においても可能である。
【0021】
【実施例】[実験例]酸化鉄原料として鉄鉱石(Fe品
位約60%)を使用し、その粉末を水中に分散させて、
固形分濃度30重量%のスラリーを用意した。 一方、
石灰石(CaCO3 純度90%)を破砕して、粒度が5
〜15mmの分画を採取した。 上記のスラリーを、この
石灰石の粒の一部にふりかけ、自然乾燥した。
【0022】大型の白金ルツボに残りの石灰石の粒の半
分を入れ、その上に表面を酸化鉄で覆われた石灰石の粒
を並べ、さらに上を石灰石の粒で覆い、あらかじめ12
00℃に加熱してある電気炉に入れ、大気中で2時間焼
成した。
【0023】図2Aに示したような、表面を酸化鉄の粉
末(1A)で被覆された石灰石(2A)の粒は、焼成に
より、図2Bに示すような、表面が黒色の溶融物(1
B)で覆われた生石灰(2B)に変化していた。 これ
を割ってみると、黒色の溶融物(1B)は、焼成によっ
て生じた生石灰(2B)の亀裂や、空洞の中にも侵入し
ていた。 スラリー被覆のない石灰石から生じた生石灰
への溶融物の転移は、ほとんど無視できる程度にわずか
であった。
【0024】この粒を破砕し、表面の黒色の溶融物(1
B)に富む部分を集めて粉砕し、X線回折分析にかけ
た。 得られたチャートは図5に示すとおりであって、
この黒色の溶融物が、カルシウム・フェライト(ほとん
どがダイカルシウム・フェライト2CaO・Fe23
であることが確認された。
【0025】破砕した製鋼用フラックスを水に入れ、生
石灰分を消化および溶解により除去して、水に難溶性の
カルシウム・フェライト分を集めた。 製鋼用フラック
ス中のカルシウム・フェライトの割合は、約5重量%で
あった。
【0026】[実施例1]鉄鉱石(Fe品位約60%)
の粉末を水中に分散させて、固形分濃度35重量%のス
ラリーを用意した。 一方、石灰石(CaCO3 純度9
0%)を破砕して粒度が5〜10mmの細粒と、10〜4
0mmの粗粒との二分画に分けた。 上記のスラリーを石
灰石の粗粒の分画にふりかけ、自然乾燥した。 石灰石
を焼成して生石灰を製造するロータリーキルンの予熱機
に、上記の石灰石細粒と、表面を鉄鉱石の粉末で覆った
石灰石粗粒とを供給し、それぞれのコンベアベルトから
炉内に入れた。 微粉炭または重油を燃料として、炉内
最高温度約1300℃、平均滞留時間2時間の条件で焼
成し、生石灰の残留CO2 が1%の生石灰を得た。
【0027】キルンから排出された焼成物は、細粒に由
来する生石灰と、粗粒に由来する、表面を黒色のカルシ
ウム・フェライトで覆われた生石灰とであって、両者は
容易に分離することができ、本発明の製鋼用フラックス
と生石灰とは別々に、それぞれの用途に向けることがで
きたた。 この製鋼用フラックス中のカルシウム・フェ
ライトの割合は、約3重量%であった。
【0028】[実施例2]石灰石を破砕して粒度10mm
以下の細粒としたものを、トンネルキルンに供給し、そ
の入り口の前で、上記の酸化鉄のスラリーをスプレーし
た。 キルンは重油バーナーで加熱し、炉内温度を約1
300℃に保ち、炉内滞留時間3時間で連続的に取り出
した。 表面が全面的に黒色のカルシウム・フェライト
で覆われた酸化カルシウムの粒を得た。 各粒はある程
度、相互に融着して「おこし」状になっていたが、わず
か力を加えることにより、ばらばらにすることができ
た。
【0029】[実施例3]実施例1において、石灰石の
破砕に伴って生じた2mm以下の微細粒と、酸化鉄のスラ
リーとを、重量で1:4の割合で混合した。 スラリー
の固形分濃度と原料石灰石および鉄鉱石の純度とを考慮
すると、混合スラリー中のCaO:Fe23 の比率
は、おおよそ1:2である。 この混合スラリーを使用
して実施例1を繰り返し、製鋼用フラックスを製造し
た。 得られた製鋼用フラックス中のカルシウム・フェ
ライトの割合は、約4重量%に増加していた。
【0030】[実施例4]石灰石の破砕に伴って生じた
1mm以下の粉末と、鉄鉱石の粉末とを、重量比にして
1:1の割合で混合した。 混合物中のCaO:Fe2
3の比率は、おおよそ1:2であって、ダイカルシウ
ム・フェライトの生成にとっても、なおCaOが過剰で
ある。 この混合粉末に少量のデンプン糊をバインダー
として添加して混練した上でブリケッティング・マシー
ンにかけ、長径50mm、短径30mm、厚さ30mmのアー
モンド型ブリケットに成形した。
【0031】このブリケットを、大差ない大きさの、す
なわち20〜40mmの石灰石破砕物の同量と配合し、や
はりほぼ同じ大きさのコークス粒とともに、シャフトキ
ルンに装入した。 キルンに点火して、炉内最高温度約
1250℃で焼き上げた。
【0032】焼成物は、軟化して若干変形したブリケッ
トの周囲に、石灰石の焼成によって生成した生石灰が付
着したものであった。 ブリケット部分を割ってみる
と、黒色のカルシウム・フェライトがマトリクスとなっ
て、生石灰の粉末を固めた構造をしていた。 このもの
の中のカルシウム・フェライト含有量は、20%に及ん
でいたが、その周囲の生石灰を含めた全体の焼成物の中
の含有量としては、約7%であった。
【0033】焼成物全体のカルシウム・フェライト含有
量を高める手段としては、ブリケットの中のCaO:F
23の比率を酸化鉄リッチに選ぶことと、石灰石に対
するブリケットの割合を高くすることとが考えられる。
しかし、前者は、ブリケットの溶融して焼成に不都合
を生じる危険があるし、後者は、焼成物全体の固結を招
いて、炉からの焼成物の取り出しに差しつかえが出るお
それがあり、どちらも限界がある。 上記の結果からわ
かるように、操炉に有利な条件で実施しても、製鋼用フ
ラックスとして必要なカルシウム・フェライトの含有量
を確保することに困難はないから、危険のない条件を選
択すべきである。
【0034】[実施例5]実施例4で用意したブリケッ
トを、酸化鉄スラリーで表面を被覆した石灰石粒に代え
て使用し、実施例1の操作を繰り返した。 実施例4に
似て、軟化して変形したブリケットの周囲に生石灰が付
着した製品が得られたが、ロータリーキルンの転動によ
り惹起されたブリケットの変形は著しかった。 それと
ともに、付着した生石灰はある程度剥落して、一個の塊
の中のカルシウム・フェライトの含有割合は、比較的高
い(50%)ものであった。
【0035】そこで、ブリケット中のCaO:Fe23
の比率を2:1に高め、CaOが大過剰であるようにし
て、焼成を行なった。 ブリケット中のカルシウム・フ
ェライトの含有量は低下したが、ブリケットの変形は少
なく、かつ生石灰の付着も少量であった。 生石灰の細
粒と分離した粗粒としてのブリケットは、結果としてむ
しろ、より高いカルシウム・フェライト含有量(70
%)を示した。
【0036】[試験例]白金ルツボの底に粒径1〜5mm
の酸化カルシウムCaOの粒子を敷き、その上に、実施
例1で製造した本発明の製鋼用フラックスの粒若干を置
き、さらにCaO粒子で覆った。これを、1250℃に
保持した電気炉中に入れ、3分後、5分後および10分
後に取り出して、ルツボ内を観察した。 比較のため、
カルシウム・フェライトとほぼ同量のホタル石を使用し
て、同様な試験をした。 結果は次のとおりであった。
【0037】 3分後 5分後 10分後 本発明フラックス 変化なし 溶融して周囲に浸透 CaOの溶融開始 ホタル石 変化なし 変化なし ホタル石の溶融開始。
【0038】実際の精錬炉では撹拌が行われているの
で、フラックス使用の効果はもっと速やかに得られる
が、いずれにしても、本発明の製鋼用フラックスは、常
用のホタル石と同等またはそれ以上の効果を示すことが
確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明の製鋼用フラックスを使用すれ
ば、在来のホタル石の使用を廃止することができるか
ら、輸入資源に頼ることに起因する問題が解消するだけ
でなく、製鋼作業に伴う排ガスや、廃棄物であるスラグ
にフッ素が含まれるていた場合に生じ得る環境への問題
も、その根源から防ぐことができる。
【0040】この製鋼用フラックスは、原料として、製
鉄原料である鉄鉱石粉末と精錬スラグ原料である石灰石
を使用し、これらから、常用の設備を使用して製造する
ことができるため、その製造コストはきわめて低廉であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CaO−Fe23系の状態図。
【図2】 本発明の製鋼用フラックスの一例について、
その粒内の構造を示す模式的な断面図であって、Aは焼
成前の状態を、Bは焼成後の状態である。
【図3】 本発明の製鋼用フラックスの製造方法の一例
について、その工程を示すフローチャート。
【図4】 図3に示したロータリーキルンの拡大横断面
図。
【図5】 本発明の試験例で製造した製鋼用フラックス
に含まれる、カルシウム・フェライトのX線回折チャー
ト。 このチャ−トにおいて、○を付したピ−クはCa
O、●を付したピ−クおよび□を付したピ−クは2Ca
O・Fe23に対応する。
【符号の説明】
1A 酸化鉄の粉末 1B 黒色の溶融物 2A 石灰石 2B 生石灰 2 酸化鉄の粉末で被覆された石灰石(粗粒) 3 石灰石の細粒 4 炉壁

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化カルシウムの粒子の表面の少なくと
    も一部分を、カルシウム・フェライトの層が被覆した形
    態である製鋼用フラックス。
  2. 【請求項2】 粒子サイズが5〜40mmの範囲にある請
    求項1の製鋼用フラックス。
  3. 【請求項3】 酸化カルシウムが石灰石の焼成により得
    たものである請求項1の製鋼用フラックス。
  4. 【請求項4】 カルシウム・フェライトが、大量のダイ
    カルシウム・フェライトと小量のモノカルシウム・フェ
    ライトとの混合物である請求項1の製鋼用フラックス。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した製鋼用フラックスを
    製造する方法であって、石灰石を破砕して得た粒子の表
    面に、酸化鉄の粉末を水に分散させてなる酸化鉄スラリ
    ーまたは酸化鉄の粉末および石灰石の粉末を水に分散さ
    せてなる混合スラリーを付着させ、トンネルキルンまた
    は炉床回転キルンに装入して1200〜1400℃の温
    度に焼成し、石灰石を酸化カルシウムに変換するととも
    に、酸化カルシウムの粒の表面または酸化カルシウムの
    粒の表面および付着した混合スラリー層の内部におい
    て、酸化鉄と酸化カルシウムとの反応によりカルシウム
    ・フェライトを生成させることからなる製鋼用フラック
    スの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載した製鋼用フラックスを
    製造する方法であって、石灰石を破砕して得た比較的粗
    大な粒子の表面に、酸化鉄の粉末を水に分散させてなる
    酸化鉄スラリー、または酸化鉄の粉末および石灰石の粉
    末を水に分散させてなる混合スラリーを付着させ、付着
    のない比較的微細な石灰石の粒子とともにロータリーキ
    ルンに装入し、1200〜1400℃の温度に焼成して
    石灰石を酸化カルシウムに変換するとともに、酸化カル
    シウムの粒の表面または酸化カルシウムの粒の表面およ
    び付着した混合スラリー層の内部において、酸化鉄と酸
    化カルシウムとの反応によりカルシウム・フェライトを
    生成させたのち、表面をカルシウム・フェライトで被覆
    された比較的粗大な酸化カルシウムの粒子を、比較的微
    細な酸化カルシウムの粒子から分離することからなる製
    鋼用フラックスの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載した製鋼用フラックスを
    製造する方法であって、石灰石を破砕して得た粒子の表
    面に、酸化鉄の粉末を水に分散させてなる酸化鉄スラリ
    ー、または酸化鉄の粉末および石灰石の粉末を水に分散
    させてなる混合スラリーを付着させ、付着のない石灰石
    の粒子とともにシャフトキルンに装入し、1200〜1
    400℃の温度に焼成して、石灰石を酸化カルシウムに
    変換するとともに、酸化カルシウムの粒の表面または酸
    化カルシウムの粒の表面および付着した混合スラリー層
    の内部において、酸化鉄と酸化カルシウムとの反応によ
    りカルシウム・フェライトを生成させたのち、表面をカ
    ルシウム・フェライトで被覆された酸化カルシウムの粒
    子を、被覆されていない酸化カルシウムの粒子から分離
    することからなる製鋼用フラックスの製造方法。
  8. 【請求項8】 酸化カルシウムの粉末をカルシウム・フ
    ェライトで結合してブリケットの形態とした製鋼用フラ
    ックス。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載した製鋼用フラックスを
    製造する方法であって、酸化鉄の粉末と石灰石の粉末と
    を混合して加圧成形することによりブリケットとし、こ
    のブリケットをトンネルキルンまたは炉床回転キルンに
    おいて1200〜1400℃の温度に焼成して、石灰石
    を酸化カルシウムに変換するとともに、ブリケットの内
    部において、酸化鉄と酸化カルシウムとの反応によりカ
    ルシウム・フェライトを生成させることからなる製鋼用
    フラックスの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載した製鋼用フラックス
    を製造する方法であって、酸化鉄の粉末と石灰石の粉末
    とを混合して加圧成形することによりブリケットとし、
    このブリケットを、それより微細な石灰石の粒子ととも
    にロータリーキルンに装入して1200〜1400℃の
    温度に焼成し、石灰石を酸化カルシウムに変換するとと
    もに、ブリケットの内部において、酸化鉄と酸化カルシ
    ウムとの反応によりカルシウム・フェライトを生成させ
    たのち、カルシウム・フェライトを含有するブリケット
    を、それより微細な酸化カルシウムの粒子から分離する
    ことからなる製鋼用フラックスの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載した製鋼用フラックス
    を製造する方法であって、酸化鉄の粉末と石灰石の粉末
    とを混合して加圧成形することによりブリケットとし、
    このブリケットを、石灰石の粒子とともにシャフトキル
    ンに装入して1200〜1400℃の温度に焼成し、石
    灰石を酸化カルシウムに変換するとともに、ブリケット
    の内部において、酸化鉄と酸化カルシウムとの反応によ
    りカルシウム・フェライトを生成させたのち、カルシウ
    ム・フェライトを含有するブリケットを、酸化カルシウ
    ムの粒子から分離することからなる製鋼用フラックスの
    製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし4に記載した製鋼用フ
    ラックスを、酸化カルシウムを主成分とする鋼精錬スラ
    グ原料とともに、転炉または電気炉中の溶鋼上に投入
    し、フラックスの溶融によりスラグ原料を溶融させて脱
    硫および(または)脱リン主とする精錬を行なうことか
    らなる鋼の精錬方法。
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