JPH11209691A - 塗料、常温硬化光触媒塗料、これを用いた光触媒含有塗膜の形成方法及び光触媒含有塗膜 - Google Patents

塗料、常温硬化光触媒塗料、これを用いた光触媒含有塗膜の形成方法及び光触媒含有塗膜

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JPH11209691A
JPH11209691A JP2678498A JP2678498A JPH11209691A JP H11209691 A JPH11209691 A JP H11209691A JP 2678498 A JP2678498 A JP 2678498A JP 2678498 A JP2678498 A JP 2678498A JP H11209691 A JPH11209691 A JP H11209691A
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Osamu Morita
収 森田
Tadao Nakatsuji
忠夫 仲辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温硬化が可能であるとともに、基材に対す
る密着性に優れた塗膜を安価に形成することができる塗
料を提供する。 【解決手段】 バインダーとして、メチル基を含むオル
ガノモノシラン及びメチル基を含むオルガノシランオリ
ゴマーからなる群から選択された少なくとも1種、並び
に、硬化触媒として、酸、アルカリ、亜鉛化合物、チタ
ン化合物及びジルコニウム化合物からなる群から選択さ
れた少なくとも1種を含む組成物からなることを特徴と
する塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温硬化可能な塗
料、該塗料を第1層用として使用した常温硬化可能な光
触媒塗料、これを用いた光触媒含有塗膜の形成方法及び
光触媒含有塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス、金属、セラミックス、コンクリ
ート、プラスチック等からなる建築物外壁材や橋梁等の
表面の汚染や腐食を防止するために、従来より、フッ素
樹脂系塗料やポリウレタン系塗料等が使用されている。
しかし、これらの塗料が使用された外壁等は、時間の経
過に従って表面が汚染されるため、定期的にクリーニン
グを行ったり、塗り替える等の必要が生じ、メンテナン
スのために費用がかかるという問題があった。また、例
えば、ガラス窓のクリーニング等においては、危険を伴
うという問題もあった。
【0003】これらの問題を解決するために、最近、塗
膜中に酸化チタンを含有する、セルフクリーニング機能
を有する塗料が注目されている。この塗料を使用して塗
膜を形成すると、塗膜中のアナターゼ型酸化チタンが太
陽光線に含まれる紫外線を吸収し、これにより電子と正
孔とが生成する。生成した正孔は、強い酸化力を有する
ため、塗膜表面に付着した有機物等を分解し、これによ
り塗膜表面の有機物による汚染を防止することができ
る。
【0004】しかし、酸化チタンはこのような強力な酸
化作用を有するため、塗膜中にプラスチック等の有機物
がバインダーとして含まれていると、この有機物は酸化
チタンにより分解され易くなり、塗膜の劣化の原因とな
るので、プラスチック等の有機物をバインダーとして用
いることは困難である。
【0005】そこで、シリカゾルやアルミナゾル等の無
機物をバインダーとして用いた塗料も検討されている
が、これらの塗料は、プラスチック、金属、ガラス等と
の密着性に劣るという問題があり、現在は、シリコンを
含有するオルガノシラン系化合物が主に検討されてい
る。
【0006】これらオルガノシラン系塗料は、塗膜を形
成した後、熱を加えて硬化させる形式のものが大部分で
あるため、塩化ビニル樹脂等の熱に弱いプラスチック基
材の場合には、加熱により塗膜を硬化させようとすると
基材自身が熱により変形する等の問題がある。
【0007】また、酸化チタンを含有する塗料をプラス
チック等の基材に直接塗布すると、酸化チタンの強力な
酸化作用のため、基材自身が酸化されて劣化する。その
ため、第1層(プライマー層)として、酸化チタンを含
有しない塗膜を形成する必要があるが、基材との密着性
に優れるとともに、上の層である酸化チタンを含有する
層との密着性にも優れる第1層を常温で形成するのが困
難であるという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、常温硬化が可能で、基材に対する密着性に優れた塗
膜を安価に形成することができる塗料、該塗料と同様の
機能を有するとともに、光触媒機能を有し、安価に塗膜
を形成することができる光触媒塗料、該光触媒塗料を用
いた光触媒含有塗膜の形成方法、及び該光触媒含有塗膜
の形成方法により形成された光触媒含有塗膜を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の塗料は、バイン
ダーとして、メチル基を含むオルガノモノシラン及びメ
チル基を含むオルガノシランオリゴマーからなる群から
選択された少なくとも1種、及び、硬化触媒として、
酸、アルカリ、亜鉛化合物、チタン化合物及びジルコニ
ウム化合物からなる群から選択された少なくとも1種を
含む組成物からなることを特徴とする。以下に本発明を
詳述する。
【0010】本発明の塗料は、バインダーとして、メチ
ル基を含むオルガノモノシラン及びメチル基を含むオル
ガノシランオリゴマーからなる群から選択された少なく
とも1種、及び、硬化触媒として、酸、アルカリ、亜鉛
化合物、チタン化合物及びジルコニウム化合物からなる
群から選択された少なくとも1種を含む組成物である。
【0011】上記バインダーとして使用されるメチル基
を含むオルガノモノシランは、一般式(1): (CH3 4-a SiXa (式中、Xは、アルコキシル基又はハロゲン原子であ
り、aは、2又は3である)で表される。上記アルコキ
シル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、上記ハロゲン原
子としては、例えば、Cl、Br等が挙げられる。
【0012】一般式(1)で表されるオルガノモノシラ
ンとしては特に限定されず、例えば、メチルトリクロル
シラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、ジメ
チルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙
げられる。
【0013】上記バインダーとして使用されるメチル基
を含むオルガノシランオリゴマーは、上記オルガノモノ
シラン等が重合した重合体であって、Si原子同士は、
酸素を介して、Si−O−Siの形で結合され、Si原
子に、メチル基、アルコキシル基等が結合しているオリ
ゴマーをいう。
【0014】上記オルガノシランオリゴマーは、通常、
数百以下の重合度を有するものであるが、20以上の重
合度を有し、分子量が1700以上のものが好ましい。
これらメチル基を含むオルガノモノシラン及びメチル基
を含むオルガノシランオリゴマーは、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0015】上記塗料用の硬化触媒としては、例えば、
塩酸、硫酸等の酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ、酸化亜鉛、塩化亜鉛等の亜
鉛化合物、四塩化チタン、チタニウムテトラ−n−ブト
キシド、チタニウムテトラ−i−プロポキシド、チタニ
ル硫酸等のチタン化合物、四塩化ジルコニウム、オキシ
塩化ジルコニウム等のジルコニウム化合物等が挙げられ
る。これらのなかでは、チタン化合物が好ましく、四塩
化チタンがより好ましい。これらの触媒は、単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】上記塗料は、通常、上記バインダー及び上
記硬化触媒のほかに溶剤を含む。上記溶剤としては特に
限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−
ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロオク
タン、ノナン、デカン等の脂肪族系炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系
炭化水素類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の
エーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル
類、アセトン、メチルメソブチルケトン等のケトン類等
が挙げられる。これら溶剤のなかでは、室温でも比較的
大きな蒸気圧を有し、乾燥時に蒸発し易いものが好まし
く、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−
プロパノール等が好ましい。これら溶剤は、単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】上記塗料中には、例えば、タルク、硫酸バ
リウム、炭酸カルシウム、マイカ、アルミナ等の体質顔
料が含まれていてもよい。これら体質顔料は、単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。塗膜中にこれ
らの顔料が含まれていると、基材に対する密着性が向上
する。
【0018】上記塗料において、バインダーと硬化触媒
(Ti化合物を使用した場合)との割合は、バインダー
中のSiをSiO2 に換算した値(以下、「SiO2
算値」という)100重量部に対し、硬化触媒中のTi
をTiO2 に換算した値(以下、TiO2 換算値」とい
う)で、0.3〜20重量部が好ましく、0.8〜5.
0重量部がより好ましい。
【0019】また、上記塗料中のバインダー含有量は、
SiO2 換算値で5〜15重量%が好ましい。上記塗料
が顔料を含有する場合の含有量は、顔料/(バインダー
のSiO2 換算値)で、60/40〜10/90が好ま
しい。
【0020】上記塗料を用いて基材表面に塗膜を形成す
る際には、バインダー、硬化触媒等を含有する塗料組成
物を、プラスチック板等からなる外壁材等に塗布して塗
膜を形成した後、常温で数時間〜数十時間乾燥させる。
これにより、べたつきがなく、基材との密着性に優れた
塗膜を形成することができる。
【0021】上記塗料による塗膜の形成方法としては特
に限定されず、例えば、スプレーコーティング法、ディ
ップコーティング法、フローコーティング法、ロールコ
ーティング法、スピンコーティング法、刷毛塗り、スポ
ンジ塗り等の方法が挙げられる。塗膜形成後に、加熱処
理を施すことにより、より早く乾燥、硬化させることが
できるが、このような加熱処理を施さなくても、優れた
特性の塗膜を形成することができるところに本発明の特
徴がある。
【0022】上記塗料は、常温硬化光触媒塗料の第1層
用の塗料として使用することができる。本発明の常温硬
化光触媒塗料は、上記塗料からなる第1層用塗料と、上
記第1層用塗料を構成する成分及び光触媒用酸化チタン
を含有する組成物からなる第2層用塗料との2つの塗料
から構成されることを特徴とする。
【0023】上記第1層用塗料を使用することにより形
成された塗膜は、基材との密着性に優れるとともに、第
2層との密着性にも優れる。また、上記第1層用塗料を
用いて、基材表面に第1層を形成することにより、光触
媒作用を有する酸化チタンを含有する第2層が、直接、
基材と接触しないため、塩化ビニルのようなプラスチッ
ク製基材であっても、酸化による基材の劣化が進行しな
い。
【0024】また、ソーダガラスのようなアルカリを含
有する基材に、塗膜を形成した場合であっても、上記第
1層により、基材からのアルカリの溶出を抑えることが
でき、アルカリによる酸化チタンの光触媒機能の低下を
防止することができる。また、石膏や発泡コンクリート
等の多孔性基材表面に第1層を形成することににより、
第2層が基材中にしみこむのを防止することができる。
【0025】上記第2層用の塗料は、上記第1層用の塗
料を構成する成分及び光触媒用酸化チタンを含有する。
すなわち、上記上記第1層用の塗料は第2層用塗料の原
料となるものであり、上記光触媒用酸化チタンを除いて
第1層用の塗料を構成する成分と同じである。
【0026】上記光触媒用酸化チタンとしては、アナタ
ーゼ型又はルチル型のものが好ましく、アナターゼ型の
ものがより好ましい。この光触媒用酸化チタンとして
は、例えば、微粒子状の酸化チタンを含有するチタニア
ゾル、酸化チタンの粉末微粒子等が挙げられる。酸化チ
タンの粒径は特に限定されないが、この酸化チタンは、
塗膜形成後の塗膜中に含まれるものであるため、数十μ
m程度以下のものが好ましい。
【0027】上記酸化チタンとしては、例えば、堺化学
社製のCBS、CBS−M等のチタニアゾルが挙げられ
る。第2層用の塗料中の酸化チタンの含有量は、TiO
2 /(バインダーのSiO2 換算値)で、90/10〜
10/90が好ましく、80/20〜20/80がより
好ましい。
【0028】第2層用塗料には、酸化チタンが含有され
ているので、体質顔料を含有しなくても、密着性に優れ
るが、より高硬度の塗膜を形成したい場合には、アルミ
ナ等の体質顔料を添加してもよい。また、着色された塗
膜を形成したい場合には、カーボンブラック、酸化鉄、
黄鉛、酸化クロム等の着色顔料を添加してもよい。第2
層塗膜の形成方法は、第1層塗膜の形成方法とほぼ同様
であり、第1層の塗膜を形成し、充分乾燥させた後、第
2層の塗膜を形成する。
【0029】本発明の塗料又は常温硬化光触媒塗料が対
象とする基材は特に限定されず、例えば、ガラス、金
属、セラミックス、コンクリート、プラスチック等から
なる建築物外壁材や橋梁等が挙げられる。上記常温硬化
光触媒塗料は、紫外線が照射される環境にある部材であ
れば、上記以外のものにも使用することができる。
【0030】上記第2層用の塗料は、光触媒用酸化チタ
ンを含有するため、形成された塗膜は強力な酸化作用を
有し、塗膜表面に種々の有機物からなる汚物が付着した
際には、上記酸化作用により有機物を分解し、塗膜表面
が汚染されるのを防止することができる。
【0031】また、本発明の常温硬化光触媒塗料を使用
することにより、第1層及び第2層とも、形成した塗膜
を常温で乾燥、硬化させることができるので、加熱によ
り変形し易いプラスチック等を基材に用いた場合でも、
塗膜を形成することが可能であり、かつ、塗膜形成時に
加熱処理用の設備を必要としないため、安価に塗膜を形
成することができる。上記第1層及び第2層からなり、
第2層が光触媒を含有する塗膜の形成方法、及び、上記
方法により形成された光触媒含有塗膜も本発明の一つで
ある。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0033】実施例1 まず、TiCl4 を54重量%含む四塩化チタン溶液
3.9重量部を10倍量のエタノールで希釈した後、メ
チルトリメトキシシラン100重量部を加え、さらに、
溶液中のSiの含有量がSiO2 換算で10重量%にな
るように、エタノールを加えて濃度調整を行い、第1層
用の塗料組成物を調製した。
【0034】次に、以下の方法により、第2層用の塗料
組成物を調製した。まず、堺化学社製のチタニアゾル
(CSB アナターゼ型TiO2 の含有量:40重量
%、硝酸酸性:pH1以下)を水及び若干の硝酸で希釈
して、TiO2の含有量を25重量%に調整した。
【0035】次に、上記四塩化チタン溶液0.5重量部
を10倍量のエタノールで希釈した後、メチルトリメト
キシシラン24.3重量部を加え、さらに、濃度調整し
たチタニアゾル100重量部を加え、しばらく放置した
後、エタノール228重量部を加え、メチルトリメトキ
シシランのSiO2 換算値が10重量%になるように調
整した。このようにして調製した第2層用の塗料組成物
中のTiO2 とメチルトリメトキシシランのSiO2
算値との割合(TiO2 /SiO2 )は、70/30で
あった。
【0036】このようにして、第1層用の塗料組成物と
第2層用の塗料組成物とを調製した後、これらを使用し
て、塗膜を形成した。まず、第1層用の塗料組成物に、
アセトンで表面を脱脂、洗浄した硬質塩化ビニル板(5
0×50×0.8mm)を侵漬した後引き上げ、その後
室温で20時間乾燥、硬化させることにより、第1層の
塗膜を形成した。
【0037】次に、第2層用の塗料組成物に、第1層が
形成された塩化ビニル板を侵漬した後引き上げ、その後
室温で20時間乾燥させることにより、第2層の塗膜を
形成した。
【0038】評価方法 (1)室温硬化性(第1層、第2層) 形成された塗膜について、以下のような方法で常温硬化
性について、評価を行った。 乾燥性 形成された塗膜に指で触れることにより、べとつき具合
を調べ、以下のように評価した。 ○:塗料が指に全然付着しない △:塗料が指に少し付着する ×:塗料が指にべっとりと付着する
【0039】 密着性 塗膜にセロハンテープを圧着した後、一気にセロハンテ
ープを剥がし、セロハンテープへの塗膜の付着具合によ
り、塗膜の密着性を評価した。 ○:セロハンテープに塗膜がほとんど付着しない △:セロハンテープに塗膜が少し付着する ×:セロハンテープに塗膜がほぼ全部付着する
【0040】(2)光触媒性(第2層) また、上記方法とは別に、以下の方法により第2層の塗
膜を形成し、光触媒性についての評価を行った。 耐黄変性 マイクロ・スライド・グラス(76×26×0.8m
m)を塗料用組成物に侵漬することにより塗膜を形成
し、室温で20時間放置した。次に、この試料に10W
のブラックライトブルー蛍光灯(東芝社製 FL15B
LB)を用いて、1.2mW/cm2 の照度で2日間紫
外線を照射し、塗膜の色を観察し、以下のような評価を
行った。 ○:白色を維持 △:少し黄色を帯びた白色に変化 ×:黄色に変化
【0041】 親水性 に使用した試料を用い、純水100ミリリットルが入
ったビーカーに侵漬した後引き上げ、水の接触角を測定
し、以下のような基準で評価を行った。 ○:塗膜の大部分において、水の接触角が10°以下で
ある △:塗膜の一部に、水の接触角が10°以上の部分があ
る ×:塗膜の大部分において、水の接触角が10°以上で
ある
【0042】 赤インキ分解性(有機物分解性) アセトンで脱脂した50ミリリットルのガラス製ビーカ
ーの内面に第2層用の塗料組成物を刷毛で塗布し、20
時間室温で放置した。このビーカーに、市販の赤インキ
(パイロット社製)を純水で0.1重量%に希釈した液
50ミリリットルを入れ、と同様にブラックライトを
用いて1.2mW/cm2 の照度で2日間紫外線を照射
し、赤インキの色を観察し、以下のように評価した。 ○:完全に無色透明である △:薄いピンク色である ×:照射前と変わらないオレンジ色である 評価結果を表2に示した。
【0043】実施例2〜5 バインダー、硬化触媒、エタノール(溶剤)、タルク
(体質顔料)及びチタニアゾルを表1に示した割合で添
加したほかは、実施例1と同様に第1層用及び第2層用
の塗料組成物を調製し、塩化ビニル板等に塗膜を形成
し、評価を行った。評価結果を表2に示した。
【0044】比較例1 TiCl4 を54重量%含む四塩化チタン溶液3.5重
量部を10倍量のエタノールで希釈した後、メチルトリ
メトキシシラン100重量部を加え、さらに、溶液中の
Siの含有量がSiO2 換算で10重量%になるよう
に、エタノールを加えて濃度調整を行い、第1層用の塗
料組成物を調製した。
【0045】次に、アセトンで表面を脱脂、洗浄した硬
質塩化ビニル板(50×50×0.8mm)を侵漬した
後引き上げ、その後室温で20時間乾燥させることによ
り、第1層の塗膜を形成し、室温硬化性を評価した。評
価結果を表2に示した。上記評価の結果、室温硬化性が
不良であったので、第2層は形成しなかった。
【0046】比較例2〜3 バインダー、硬化触媒及びエタノール(溶剤)を表1に
示した割合で添加したほかは、比較例1と同様に第1層
用の塗料組成物を調製し、塩化ビニル板等に塗膜を形成
し、評価を行った。評価結果を表2に示した。上記評価
の結果、室温硬化性が不良であったので、第2層は形成
しなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表2に示した評価結果より明らかなよう
に、本発明の常温硬化光触媒塗料を用いることにより、
塗膜を常温で乾燥、硬化させることができ、硬化塗膜
は、光触媒機能を有し、基材に対する密着性に優れたも
のとなった。また、光触媒機能を有する第2層中の有機
物は、酸化チタンにより分解されることはなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明の塗料は、上述の構成よりなるの
で、常温硬化が可能であるとともに、基材に対する密着
性に優れた塗膜を安価に形成することができる。また、
本発明の常温硬化光触媒塗料は、上述の構成よりなるの
で、常温硬化が可能であるとともに、基材に対する密着
性に優れた光触媒含有塗膜を安価に形成することができ
る。上記常温硬化光触媒塗料を用いた光触媒含有塗膜の
形成方法も、本発明の一つである。また、上記方法によ
り形成された本発明の光触媒含有塗膜は、上述の構成よ
りなるので、光触媒機能を有し、塗膜に付着した有機物
を分解、除去することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーとして、メチル基を含むオル
    ガノモノシラン及びメチル基を含むオルガノシランオリ
    ゴマーからなる群から選択された少なくとも1種、並び
    に、硬化触媒として、酸、アルカリ、亜鉛化合物、チタ
    ン化合物及びジルコニウム化合物からなる群から選択さ
    れた少なくとも1種を含む組成物からなることを特徴と
    する塗料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塗料からなる第1層用塗
    料と、前記第1層用塗料を構成する成分及び光触媒用酸
    化チタンを含有する組成物からなる第2層用塗料との2
    つの塗料から構成されることを特徴とする常温硬化光触
    媒塗料。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の常温硬化光触媒塗料を用
    いた光触媒含有塗膜の形成方法であって、第1層用塗料
    を基材上に塗布し、常温で乾燥、硬化させて第1層を形
    成した後、前記第1層上に第2層用塗料を塗布し、常温
    で乾燥、硬化させ、前記第1層上に第2層を形成するこ
    とを特徴とする光触媒含有塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 基材上に、バインダーとして、メチル基
    を含むオルガノモノシラン及びメチル基を含むオルガノ
    シランオリゴマーからなる群から選択された少なくとも
    1種、並びに、硬化触媒として、酸、アルカリ、亜鉛化
    合物、チタン化合物及びジルコニウム化合物からなる群
    から選択された少なくとも1種を含む塗膜からなる第1
    層と、前記第1層を構成する成分及び光触媒用酸化チタ
    ンを含有する塗膜からなる第2層とが順次形成されたこ
    とを特徴する光触媒含有塗膜。
JP2678498A 1998-01-22 1998-01-22 塗料、常温硬化光触媒塗料、これを用いた光触媒含有塗膜の形成方法及び光触媒含有塗膜 Pending JPH11209691A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005002180A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Yamane Norimasa 外構物用被膜形成材
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