JPH11209663A - 塩基性カチオン電着塗料組成物及びその製造方法 - Google Patents

塩基性カチオン電着塗料組成物及びその製造方法

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JPH11209663A
JPH11209663A JP10025026A JP2502698A JPH11209663A JP H11209663 A JPH11209663 A JP H11209663A JP 10025026 A JP10025026 A JP 10025026A JP 2502698 A JP2502698 A JP 2502698A JP H11209663 A JPH11209663 A JP H11209663A
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JP
Japan
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basic
cationic electrodeposition
electrodeposition coating
coating composition
resin
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Application number
JP10025026A
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English (en)
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Hiroyuki Sakamoto
裕之 坂本
Ichiro Kawakami
一郎 川上
Takayuki Kokubu
孝幸 国分
Toshitaka Kawanami
俊孝 川浪
Takao Saito
孝夫 斉藤
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/44Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes for electrophoretic applications
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩基性であっても貯蔵安定性及び浴安定性が
損なわれず、電着槽、配管等の塗装設備を腐食、劣化さ
せることがない塩基性カチオン電着塗料組成物及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 水素イオン濃度が水素イオン指数(p
H)で表して7.5〜12.0である塩基性カチオン電
着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩基性領域におい
てカチオン電着塗装が可能である塩基性カチオン電着塗
料組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カチオン電着塗装は、複雑な形状を有す
る被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、
自動的かつ連続的に塗装することができるので、自動車
車体等の大型で複雑な形状を有し、高い防錆性が要求さ
れる被塗物の下塗り塗装方法として汎用されている。ま
た、他の塗装方法と比較して、塗料の使用効率が極めて
高いことから経済的であり、工業的な塗装方法として広
く普及している。
【0003】このようなカチオン電着塗装においては、
アミノエポキシ−酸中和型電着塗料が最も広く使用され
ている。このアミノエポキシ−酸中和型電着塗料は、エ
ポキシ基とアミンとを反応させて得られるポリアミノ樹
脂やこのポリアミノ樹脂を変性した樹脂を主成分とする
ものが一般的であるが、樹脂を水中で安定に分散させる
ために、蟻酸、酢酸、乳酸等の有機酸を添加して3級ア
ミノ基を水素イオン(プロトン)によって中和している
ため、浴液の水素イオン指数(pH)が6近傍の弱酸性
領域となる。
【0004】このような電着塗料は、耐腐食性を有しな
い塗装設備で使用した場合、電着槽や配管等を腐食させ
るおそれがあるため、安定に稼働させるためにステンレ
ス等の耐腐食性を有する材料を用いた塗装設備を別に設
ける必要があった。しかしながら、耐腐食性を有する材
料は高価であるためコスト的に不利であり、安価な鋼板
を用いた塗装設備であっても塗装可能なカチオン電着塗
料組成物の開発が望まれている。
【0005】電着槽や配管等の劣化、腐食を抑えるため
には、浴液の液性を少なくとも弱塩基性にすることが考
えられる。しかしながら、現在使用されているカチオン
電着塗料組成物を弱塩基性にするために、例えば、アミ
ン等の塩基性物質を加えると、凝集や沈降が生じ、塗料
の貯蔵安定性や、電着槽内での浴安定性が低下する問題
がある。この現象は、従来のカチオン電着塗料組成物が
3級アミノ基を酸で中和したプロトン水和型のものであ
るため、新たに添加した塩基性物質が3級アミノ基から
中和酸を引き抜いてしまうことによるものであると考え
られる。従って、プロトン水和型のカチオン電着塗料組
成物を塩基性にすることは実質的に不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、塩基性であっても貯蔵安定性及び浴安定性が損なわ
れず、電着槽、配管等の塗装設備を腐食、劣化させるこ
とがない塩基性カチオン電着塗料組成物及びその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素イオン濃
度が水素イオン指数(pH)で表して7.5〜12.0
である塩基性カチオン電着塗料組成物である。また、本
発明は、非プロトン型水和官能基を有する樹脂組成物を
調製した後、塩基性有機化合物を添加する塩基性カチオ
ン電着塗料組成物の製造方法である。以下に本発明を詳
述する。
【0008】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物
は、水素イオン濃度がpHで表して7.5〜12.0で
あるものである。上記水素イオン濃度[H+ ]とpHと
の関係は、下記式; pH=−log[H+ ] で表される。上記pHは、通常は、水溶液の水素イオン
指数であるが、本発明においては、塩基性カチオン電着
塗料組成物そのものを水溶液の場合と同様にpH計を用
いて測定したものである。本発明の塩基性カチオン電着
塗料組成物は、樹脂の水溶液又は樹脂の水分散液である
ので、水分散液の場合には、樹脂を均一に分散させるよ
うに攪拌しながら測定を行う。なお、本発明において、
pHの値は、通常の条件、すなわち、常温、常圧で測定
されたときの値である。
【0009】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物の
pHが7.5未満であると、電着槽、配管等の塗装設備
の腐食、劣化を充分に抑えることができず、本発明の効
果を得ることができず、12.0を超えると、強塩基性
となり、かえって不具合が生じるおそれがあるので、上
記範囲に限定される。好ましくは、pH7.8〜10.
0である。
【0010】本発明において、カチオン電着塗料組成物
のpHが7.5〜12.0の塩基性領域であることは非
常に重要な点である。なぜなら、電着槽等の塗装設備の
腐食、劣化を抑えるためには、浴液のpHは7.5以上
である必要があるが、従来より広く用いられているカチ
オン電着塗料組成物では、塗装浴液の液性を塩基性にす
ることは、塗料の貯蔵安定性や浴安定性の観点から全く
考慮されていなかったことであり、従来のカチオン電着
塗料組成物においては、実際に塩基性にすることは不可
能であった。本発明者らは、カチオン電着塗料組成物の
基体樹脂として弱塩基性においても安定であるものを用
いることによって、浴液が弱塩基性であっても浴安定性
が良好であり、カチオン電着塗装が可能であることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物
は、pHを上記範囲にするために、非プロトン型水和官
能基を有する成分を含有してなるものであることが好ま
しい。上記非プロトン型水和官能基とは、水中での高分
子の分散安定性を確保するために必要な官能基であっ
て、水和官能基にプロトンが含まれていないものであ
る。
【0012】上記非プロトン型水和官能基としては特に
限定されないが、例えば、スルホニウム塩、アンモニウ
ム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等のオニウム塩等
が好ましい。なかでも、製造が容易であるので、スルホ
ニウム塩、アンモニウム塩が好ましい。また、被塗物へ
のつきまわり性が良好であるので、スルホニウム塩がよ
り好ましい。
【0013】上記非プロトン型水和官能基の量は、塩基
性カチオン電着塗料組成物樹脂固形分100gに対し
て、10〜300ミリモルが好ましい。10ミリモル/
100g未満であると、所望の電着特性を発揮すること
ができず、また、浴安定性が悪くなり、300ミリモル
/100gを超えると、被塗物表面への被膜の析出が悪
くなる。より好ましくは、20〜100ミリモル/10
0gである。
【0014】本発明において、上記非プロトン型水和官
能基を有する成分は、塩基性カチオン電着塗料の基体樹
脂である。上記基体樹脂としては特に限定されないが、
樹脂骨格中にオニウム塩等の非プロトン型水和官能基を
容易に導入することができるように、グリシジル基を1
分子中に少なくとも2個有するポリエポキシドを原料と
して用いたものが好ましい。上記ポリエポキシドとして
は特に限定されず、例えば、エピビスエポキシ樹脂;エ
ピビスエポキシ樹脂をジオール、ジカルボン酸、ジアミ
ン等により鎖延長したもの;エポキシ化ポリブタジエ
ン;ノボラックフェノール型ポリエポキシ樹脂;ポリグ
リシジルアクリレート;脂肪族ポリオール又はポリエー
テルポリオールのグリシジルエーテル;多塩基性カルボ
ン酸のポリグリシジルエステル等を挙げることができ
る。
【0015】上記基体樹脂の数平均分子量は、250〜
20000が好ましい。250未満であると、カチオン
電着塗装の塗装効率が悪くなり、20000を超える
と、被塗物の表面で良好な被膜を形成することができな
い。より好ましくは、500〜5000である。
【0016】上記基体樹脂への上記非プロトン型水和官
能基の導入方法としては特に限定されず、例えば、基体
樹脂原料であるポリエポキシドのグリシジル基に、オニ
ウム塩を形成することができる化合物、例えば、スルフ
ィド/酸混合物等を反応させる方法;4級アンモニウム
塩を有するアクリルモノマーを重合させる方法等を挙げ
ることができる。
【0017】上記非プロトン型水和官能基の導入におい
て用いられる上記スルフィドとしては特に限定されず、
例えば、脂肪族スルフィド、脂肪族/芳香族スルフィ
ド、アラルキルスルフィド、環状スルフィド等を挙げる
ことができる。
【0018】上記非プロトン型水和官能基の上記基体樹
脂への導入量は、最終的に得られる塩基性カチオン電着
塗料組成物が有する非プロトン型水和官能基の量が上述
の規定量となるように、適宜設定することができる。
【0019】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物
は、塩基性有機化合物を含んでなることが好ましい。上
記塩基性有機化合物としては特に限定されず、例えば、
1級〜3級の単官能及び多官能の脂肪族アミン、脂環族
アミン、芳香族アミン等のアミン化合物等を挙げること
ができる。これらの塩基性有機化合物のうち、水溶性又
は水分散性を有するものが好ましく、具体的には、例え
ば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロ
ピルアミン、トリブチルアミン等の炭素数2〜8のアル
キルアミン;モノエタノールアミン、ジメタノールアミ
ン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、シクロヘキシルアミン、モルホリン、N−メチルモ
ルホリン、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、イミダゾ
リン、イミダゾール等を挙げることができる。これらは
単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。な
かでも、水分散安定性が優れているので、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールア
ミン等のヒドロキシアミンが好ましい。
【0020】上記塩基性有機化合物は、本発明の塩基性
カチオン電着塗料組成物の水素イオン濃度を制御するも
のである。従って、上記塩基性有機化合物の配合量は、
本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物のpHが7.5
〜12.0となるように適宜設定される。
【0021】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物
は、非プロトン型水和官能基を有する成分及び塩基性有
機化合物のほか、必要に応じて、通常のカチオン電着塗
料組成物に用いられるその他の成分を含んでいてもよ
い。上記その他の成分としては特に限定されず、例え
ば、硬化剤、顔料、顔料分散樹脂、触媒;界面活性剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤等の塗料用添加剤等を挙げる
ことができる。
【0022】上記硬化剤としては特に限定されず、ブロ
ックイソシアネート化合物、ポリ不飽和結合化合物等を
挙げることができる。上記顔料としては特に限定され
ず、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、ベンガ
ラ等の着色顔料;塩基性けい酸鉛、りんモリブデン酸ア
ルミニウム等の防錆顔料;カオリン、クレー、タルク等
の体質顔料等の一般にカチオン電着塗料組成物に使用さ
れるもの等を挙げることができる。上記顔料の配合量
は、塩基性カチオン電着塗料組成物中、固形分として0
〜50重量%であることが好ましい。
【0023】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物の
硬化官能基の様態としては、pHが7.5〜12.0で
あるものであれば特に限定されず、例えば、不飽和官能
基硬化系、ブロックイソシアネート硬化系等の通常のカ
チオン電着塗料に利用されている硬化系を利用すること
ができる。なかでも、脱離物がなく、非プロトン型水和
官能基の機能を充分に発揮させることができるので、不
飽和官能基硬化系が好ましい。
【0024】上記不飽和官能基硬化系としては、例え
ば、メタロサイクル反応を利用するもの、プロパルギル
/アレン硬化系等を挙げることができる。上記メタロサ
イクル反応を利用するものは、エチニル基、ニトリル基
等の三重結合や、その他の二重結合を有する化合物を金
属触媒存在下で酸化的付加、還元的脱離を経て環化させ
る反応を硬化に利用するものであり、上記プロパルギル
/アレン硬化系は、陰極において発生する強塩基雰囲気
を利用したプロパルギル基からアレンへの異性化反応を
硬化に利用するものである。非プロトン型水和官能基と
してオニウム塩を有する塩基性カチオン電着塗料組成物
を被塗物に電着させた場合には、電極反応により生じる
電解発生塩基をプロパルギル基のアレンへの異性化に利
用することができるので、本発明においては、プロパル
ギル/アレン硬化系を利用することがより好ましい。
【0025】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物
は、例えば、上記非プロトン型水和官能基を有する成
分、上記塩基性化合物、及び、必要に応じて、その他の
成分を混合し、水に溶解又は分散すること等により得る
ことができる。カチオン電着塗装に用いる場合には、不
揮発分が15〜25%の浴液となるように調整されるこ
とが好ましい。
【0026】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物
は、pHが7.5〜12.0の弱塩基性を示すものであ
るので、耐腐食性を有しない設備であっても腐食、劣化
を引き起こすことがない。また、弱塩基性にするため
に、塩基性有機化合物を添加しても、樹脂の水和官能基
が非プロトン型水和官能基であるので、凝集することな
く、貯蔵安定性や浴安定性が良好であり、カチオン電着
塗装に好適に用いることができる。
【0027】例えば、非プロトン型水和官能基がスルホ
ニウム塩である場合には、塩基性有機化合物は、求核剤
として作用し、電着時にスルホニウム塩の還元を促進す
ることができる。この反応を以下に示す。
【0028】
【化1】
【0029】上記反応により、電着によって被塗物表面
に析出した被膜が不導体化し、結果として、つきまわり
性を向上させることになる。従って、本発明の塩基性カ
チオン電着塗料組成物は、塗装物の美観や防錆性に対し
ても優れた効果を発揮することができる。
【0030】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物の
製造方法は、非プロトン型水和官能基を有する樹脂組成
物を調製した後、塩基性有機化合物を添加するものであ
る。なお、本明細書中、「塩基性有機化合物の添加」と
は、塩基性有機化合物を樹脂組成物を構成する一成分と
して用いる場合をも意味する。
【0031】上記非プロトン型水和官能基を有する樹脂
組成物は、非プロトン型水和官能基を有する基体樹脂、
及び、必要に応じて、硬化剤、顔料、顔料分散樹脂、触
媒、塗料用添加剤等を水中で混合分散させることによっ
て得ることができる。このようにして得られた樹脂組成
物は、一般に弱酸性を示すことが知られている。
【0032】上記非プロトン型水和官能基を有する基体
樹脂としては特に限定されず、例えば、上記非プロトン
型水和官能基を有する成分として説明したもの等を挙げ
ることができる。
【0033】本発明においては、上記樹脂組成物に、上
記塩基性有機化合物を添加することにより塩基性カチオ
ン電着塗料組成物を製造する。また、上記樹脂組成物を
構成する各成分を混合分散する際に使用する水に、予め
上記塩基性有機化合物を添加しておくことによっても塩
基性カチオン電着塗料組成物を得ることができる。
【0034】上記塩基性有機化合物としては特に限定さ
れず、例えば、上述したもの等を挙げることができる。
【0035】このようにして得られた塩基性カチオン電
着塗料組成物は、通常のカチオン電着塗料と同様にし
て、不揮発分の濃度を調整して、カチオン電着塗装に使
用することができる。
【0036】上記塩基性カチオン電着塗料組成物は、上
記塩基性有機化合物により、pHが7.5〜12.0の
弱塩基性を示す。このため、従来の弱酸性カチオン電着
塗料組成物と比較して、高価な耐腐食性材料を用いて設
備を設計する必要がなく、安価な鋼板等を塗装設備に適
用することができ、塗装ラインの新設や改築時のコスト
削減に寄与することができる。また、現在使用されてい
る塗装ラインをそのまま使用することができるうえ、従
来の弱酸性カチオン電着塗料組成物を用いた場合よりも
設備の寿命を延ばすことが可能である。
【0037】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0038】製造例1 スルホニウム塩を有する樹脂の
製造 エポキシ当量200.4のクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(エポトートYDCN−701、東都化成社
製)1663.5g、プロパルギルアルコール510.
5g及びジメチルベンジルアミン5.0gを、攪拌機、
温度計、窒素導入管及び還流冷却管を備えたセパラブル
フラスコに入れ、125℃に昇温し、3時間反応させ、
エポキシ当量1580のプロパルギル基を有する樹脂を
得た。得られたプロパルギル基を有する樹脂1089.
5g、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プ
ロパンジオール99.0g、氷酢酸39.0g及び脱イ
オン水93.5gを、攪拌機、温度計、窒素導入管及び
還流冷却管を備えたセパラブルフラスコに入れ、75℃
に昇温し、6時間反応させた後、脱イオン水286.0
gを加え、スルホニウム塩を有する樹脂溶液(A)を得
た。得られた樹脂溶液(A)は、固形分濃度が70.0
%、スルホニウム価が33ミリモル/100g樹脂固形
分であった。
【0039】製造例2 アンモニウム塩を有する樹脂の
製造 エポキシ当量200.4のクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(エポトートYDCN−701、東都化成社
製)1663.5g、プロパルギルアルコール510.
5g及びジメチルベンジルアミン5.0gを、攪拌機、
温度計、窒素導入管及び還流冷却管を備えたセパラブル
フラスコに入れ、125℃に昇温し、3時間反応させ
て、エポキシ当量1580のプロパルギル基を有する樹
脂を得た。得られたプロパルギル基を有する樹脂108
9.5g、ジメチルアミノエタノール64.7g、氷酢
酸39.0g及び脱イオン水93.5gを、攪拌機、温
度計、窒素導入管及び還流冷却管を備えたセパラブルフ
ラスコに入れ、75℃に昇温し、6時間反応させた後、
脱イオン水286.0gを加えて、アンモニウム塩を有
する樹脂溶液(B)を得た。得られた樹脂溶液(B)
は、固形分濃度が69.3%、アンモニウム価が37ミ
リモル/100g樹脂固形分であった。
【0040】比較製造例1 ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとをアルカリ触
媒下で反応させて得られたエポキシ当量950のビスフ
ェノール型エポキシ樹脂(エピコート1004、油化シ
ェル社製)1900.0gを、攪拌機、温度計、窒素導
入管及び還流冷却管を備えたセパラブルフラスコに入
れ、エチレングリコールモノブチルエーテル993gに
溶解した後、系を90℃に保温しながら、ジエタノール
アミン210gを滴下した。滴下終了後、110℃に昇
温し、90分間反応させ、樹脂固形分68%の樹脂溶液
を得た。ついで、得られた樹脂溶液と、ジフェニルメタ
ンジイソシアネートをエチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテルでブロックした硬化剤とが、重量
比で(樹脂溶液)/(硬化剤)=75/25となるよう
に混合し、これに3重量%のジブチルすずオキサイドを
配合した。この樹脂組成物1389g(固形分75%)
を予め用意した脱イオン水672g及び氷酢酸21gの
混合水溶液添加し、高速回転攪拌機で1時間攪拌した
後、更に、脱イオン水1381.5gを加え、固形分濃
度が30重量%となるように水溶液を調製し、比較検討
用エマルションとした。
【0041】実施例1 カチオン電着塗料の調製 製造例1で得られた樹脂溶液(A)1142.9gに、
ニッケルアセチルアセトネート8.0gを加え、高速回
転攪拌機で90分間攪拌した。その後、脱イオン水41
93.1gを加え、固形分濃度が15重量%となるよう
に水溶液を調整した。更に、攪拌条件下、ジメチルアミ
ノエタノールの20%水溶液26.7gを添加し、カチ
オン電着塗料(1)を調製した。
【0042】比較例1 ジメチルアミノエタノールの20%水溶液を添加しなか
ったこと以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗
料(2)を得た。
【0043】実施例2 製造例2で得られた樹脂溶液(B)1154.4gに、
ニッケルアセチルアセトネート8.0gを加え、高速回
転攪拌機で90分間攪拌した。その後、脱イオン水41
81.6gを加え、固形分濃度が15重量%となるよう
に水溶液を調整した。更に、攪拌条件下、ジメチルアミ
ノエタノールの20%水溶液26.7gを添加し、カチ
オン電着塗料(3)を調製した。
【0044】比較例2 ジメチルアミノエタノールの20%水溶液を添加しなか
ったこと以外は、実施例2と同様にしてカチオン電着塗
料(4)を得た。
【0045】比較例3 比較製造例1で得られた比較検討用エマルション267
2gに、攪拌条件下、脱イオン水2672gを加え、固
形分濃度が15重量%となるように水溶液を調整した。
更に、攪拌条件下、ジメチルアミノエタノールの20%
水溶液26.7gを添加したところ、凝集、分離してし
まい、電着塗料を調製することができなかった。
【0046】比較例4 ジメチルアミノエタノールの20%水溶液を添加しなか
ったこと以外は、比較例3と同様にしてカチオン電着塗
料(5)を得た。
【0047】実施例1〜2、比較例1〜2及び比較例4
で得られた電着塗料組成物について、塗料浴液のpHを
測定し、耐設備腐食性及び凝集安定性を評価した。測
定、評価方法を以下に示した。浴液のpHの測定 各カチオン電着塗料のpHを、pH計(HM−40S、
東亜電波工業社製)を用いて測定し、25℃換算での値
を求めた。結果を表1に示した。
【0048】耐設備腐食性の評価 内面が樹脂コートされた4Lの塗料缶に、各カチオン電
着塗料を充填し、40℃で4週間放置した。その後、缶
壁周辺(未コート部位)に生じた錆の発生程度により判
定した。結果を表1に示した。 ○:発錆なし △:わずかに発錆 ×:発錆が著しい
【0049】凝集安定性の評価 40℃で4週間放置した各カチオン電着塗料を、200
mlメスシリンダーに分取し、48時間静置した後、凝
集物の有無を目視で評価した。結果を表1に示した。 ○:沈降分離なし ×:アミン化合物添加と同時に凝集
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の塩基性カチオン電着塗料組成物
は、上述の構成よりなるので、貯蔵安定性及び浴安定性
が損なわれず、塩基性領域においてカチオン電着塗装が
可能であるため、電着槽、循環系配管、熱交換器等の塗
装設備を腐食、劣化させることがなく、カチオン電着塗
装に好適に使用することができる。また、本発明の塩基
性カチオン電着塗料組成物の製造方法は、上記本発明の
塩基性カチオン電着塗料組成物を非常に簡便な方法で製
造することができるので、上記塩基性カチオン電着塗料
組成物の製造方法として非常に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川浪 俊孝 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 斉藤 孝夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン濃度が水素イオン指数(p
    H)で表して7.5〜12.0であることを特徴とする
    塩基性カチオン電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】 非プロトン型水和官能基を有する成分を
    含有してなる請求項1記載の塩基性カチオン電着塗料組
    成物。
  3. 【請求項3】 非プロトン型水和官能基は、オニウム塩
    である請求項2記載の塩基性カチオン電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】 オニウム塩は、スルホニウム塩である請
    求項3記載の塩基性カチオン電着塗料組成物。
  5. 【請求項5】 塩基性有機化合物を含んでなる請求項
    1、2、3又は4記載の塩基性カチオン電着塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 塩基性有機化合物は、アミン化合物であ
    る請求項5記載の塩基性カチオン電着塗料組成物。
  7. 【請求項7】 非プロトン型水和官能基を有する樹脂組
    成物を調製した後、塩基性有機化合物を添加することを
    特徴とする塩基性カチオン電着塗料組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 非プロトン型水和官能基は、オニウム塩
    である請求項7記載の塩基性カチオン電着塗料組成物の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 塩基性有機化合物は、アミン化合物であ
    る請求項7又は8記載の塩基性カチオン電着塗料組成物
    の製造方法。
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