JPH11209435A - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法

Info

Publication number
JPH11209435A
JPH11209435A JP2911298A JP2911298A JPH11209435A JP H11209435 A JPH11209435 A JP H11209435A JP 2911298 A JP2911298 A JP 2911298A JP 2911298 A JP2911298 A JP 2911298A JP H11209435 A JPH11209435 A JP H11209435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl acetate
ethylene
acetate copolymer
saponified
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2911298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3743696B2 (ja
Inventor
Makoto Kunieda
誠 国枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP02911298A priority Critical patent/JP3743696B2/ja
Publication of JPH11209435A publication Critical patent/JPH11209435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3743696B2 publication Critical patent/JP3743696B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/12Hydrolysis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色ムラがなく、着色の少ないエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物の製造法を提供する。 【解決手段】 エチレンと酢酸ビニルを溶媒中で共重合
させ、未反応の酢酸ビニルを除去してエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を得、更に該共重合体をケン化してエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を製造するに当たり、
未反応の酢酸ビニルの除去を10〜1000ppmのポ
リ酢酸ビニルの共存下で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペレットの色ムラ
がなく、色相に優れ、該ペレットをフィルムにすると、
フィルムの色相に優れ、フィルムのフィッシュアイも少
ないエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
はガスバリアー性、機械的強度等の諸性質に優れている
ことから、フィルム、シート、容器、繊維等の各種用途
に多用されている。該ケン化物はエチレンと酢酸ビニル
を共重合し、未反応の酢酸ビニルを除去した後、得られ
たエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することによ
って製造される。即ち、エチレン−酢酸ビニル共重合体
の重合は、通常ジャケット及び還流コンデンサーのつい
た高圧の重合缶が用いられ、アルコール溶媒中に原料で
あるエチレン及び酢酸ビニルを導入して行われる。重合
終了後、未反応の酢酸ビニルを除去してエチレン−酢酸
ビニル共重合体が得られ、通常未反応の酢酸ビニルの除
去は100ppm以下になるように行われる。その後、
該共重合体は、更にアルカリ触媒でケン化されてエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物となり、通常凝固浴中
にストランド状に押し出され、切断されてペレットにさ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如く未反応の酢酸ビニルを100ppm以下になるよう
に除去しただけでは、得られたケン化物をペレットにし
た時、色ムラが観察され、黄色に着色し、又、該ペレッ
トをフィルムにしても黄色に着色し、フィッシュアイが
多発するという品質低下の問題が発生する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題を
解決するために重合終了後の未反応の酢酸ビニルの除去
工程について鋭意研究を重ねた結果、エチレンと酢酸ビ
ニルを溶媒中で共重合させ、未反応の酢酸ビニルを除去
してエチレン−酢酸ビニル共重合体を得、該共重合体を
更にケン化してエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
を製造するに当たり、未反応の酢酸ビニルの除去を10
〜1000ppmのポリ酢酸ビニルの共存下で行う場
合、得られるケン化物ペレットは着色が少なく、色ムラ
がなく、該ペレットをフィルムにしても色相が良好で、
フィッシュアイが少ないことを見出し本発明を完成する
に到った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
エチレンと酢酸ビニルの共重合は、溶媒中での重合、す
なわち溶液重合法が実施される。エチレンと酢酸ビニル
との溶液重合法は、連続式、回分式のいずれであっても
良く、重合方式に応じて適宜条件が設定される。
【0006】溶媒としては炭素数4以下のアルコール又
は炭素数4以下のアルコールを主とする混合溶媒が用い
られ、該アルコールとしては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等が挙げられるが、好ましくはメタノ
ールが用いられ、溶媒量としては酢酸ビニル100重量
部に対して、1〜60重量部が好ましい。
【0007】また、上記の溶液重合法においては、通常
触媒が用いられ、かかる触媒としては、ラジカル開始剤
であれば特に制限なく用いられるが、好ましくは2,
2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−(2,4,4−トリメチル
バレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物、t−ブチ
ルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーピバレ
ートなどのアルキルパーエステル類、ビス−(4−t−
ブチルシクロヘキシル)パーオキシ−ジ−カーボネー
ト、ジ−シクロヘキシルパーオキシ−ジ−カーボネー
ト、ビス(2−エチルヘキシル)ジ−sec−ブチルパ
ーオキシ−ジ−カーボネート、ジ−イソプロピルパーオ
キシ−ジ−カーボネートなどのパーオキシ−ジ−カーボ
ネート類、アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキ
シド、ジ−ラウロイルパーオキシド、ジ−デカノイルパ
−オキシド、ジ−オクタノイルパーオキシド、ジ−プロ
ピルパーオキシドなどのパーオキシド類などが用いられ
る。
【0008】触媒の使用量は、回分式の場合、酢酸ビニ
ル100重量部に対して、0.002〜0.1重量部が
好ましく、0.002重量部未満では、触媒効率が悪く
重合時間が長くなったり、重合が進まない場合があり、
0.1重量部を越えると、重合の制御が困難となった
り、重合終了後も触媒が残存して後重合を起こすことが
あり好ましくない。連続式の場合、酢酸ビニル100重
量部に対して、0.002〜0.06重量部が好まし
く、0.002重量部未満では、触媒効率が悪く重合時
間が長くなったり、重合が進まない場合があり、0.0
6重量部を越えると、重合の制御が困難となったり、重
合終了後も触媒が残存して後重合を起こすことがあり好
ましくない。
【0009】上記の酢酸ビニル及び触媒の仕込み方法と
しては任意の手段が採用され、代表的には、酢酸ビニ
ル、溶媒、触媒全てを事前に混合した後、一括して仕込
む方法、溶媒に溶解した触媒、酢酸ビニル、溶媒を別
々に仕込む方法、酢酸ビニル、触媒と溶媒の混合液を
別々に仕込む方法、酢酸ビニルと溶媒の混合液、触媒
と溶媒の混合液を別々に仕込む方法等が挙げられる。
【0010】重合温度として好ましくは40〜80℃、
更に好ましくは55〜80℃である。該重合温度が40
℃未満では重合に長時間を要し、重合時間を短縮しよう
とすると触媒量が多量に必要となり、80℃を越えると
重合制御が困難となり好ましくない。
【0011】重合時間は、回分式の場合、好ましくは4
〜10時間、更に好ましくは6〜9時間である。該重合
時間が4時間未満では重合温度を高くしたり、触媒量を
多く設定しなければならず、重合制御が困難となり、1
0時間を越えると生産性の面で問題があり好ましくな
い。連続式の場合、重合缶内での平均滞留時間は2〜8
時間が好ましく、更に好ましくは2〜6時間である。該
滞留時間が2時間未満では重合温度を高くしたり、触媒
量を多く設定しなければならず、重合制御が困難とな
り、8時間を越えると生産性の面で問題があり好ましく
ない。
【0012】重合率(酢酸ビニル)は生産性の面から重
合制御が可能な範囲で出来るだけ高く設定され、好まし
くは20〜90%に設定される。該重合率が20%未満
では工業的に生産性が悪く、未重合の酢酸ビニルが多量
に残存するという問題があり、90%を越えると重合制
御が困難となり好ましくない。
【0013】また、得られるエチレン−酢酸ビニル共重
合体中のエチレン含有量は、重合缶内のエチレン圧等に
よりコントロールすることができ、かかる含有量として
は15〜60モル%が好ましく、更に好ましくは25〜
55モル%である。該エチレン含有量が15モル%未満
では、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得ら
れた、ケン化物を溶融成形する場合、溶融成形性が低下
すると共に、溶融成形物の高湿時のガスバリアー性が大
きく低下し、60モル%を越えると、該ケン化物を溶融
成形した場合、得られる成形物の機械的強度及びガスバ
リアー性が充分でなく好ましくない。この時のエチレン
圧としては、1.47〜7.35MPaに設定される。
【0014】又本発明においてエチレン−酢酸ビニル共
重合体はエチレン、酢酸ビニル以外に、これらと共重合
可能なエチレン性不飽和単量体を共重合成分として含有
しても差し支えない。該単量体としては、例えばプロピ
レン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α
−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又
はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアク
リロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタク
リルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリル
スルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスル
ホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N
−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメ
チルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)
アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリル
エーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポ
リオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキ
シアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレ
ン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メ
タ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)
アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)ア
クリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、
ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピ
レンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミ
ン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエ
チレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミ
ン等が挙げられる。
【0015】かくして、エチレンと酢酸ビニルの共重合
反応が終了し、次いで未反応の酢酸ビニルが除去され
て、ケン化工程へと進むのであるが、本発明において
は、かかる未反応の酢酸ビニルを除去するにあたり、1
0〜1000ppmのポリ酢酸ビニルを共存させること
を最大の特徴とするもので、好ましくは50〜300p
pm、更に好ましくは50〜200ppm、特に好まし
くは80〜200ppmである。かかるポリ酢酸ビニル
の量が10ppm未満では、得られたエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体をケン化して得られるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物に色ムラが起こり、着色が著しくな
る場合があり、1000ppmを越えると該ケン化物を
溶融成形した場合、フィッシュアイが発生する場合があ
り不適である。
【0016】10〜1000ppmのポリ酢酸ビニルを
共存させる方法としては特に限定されないが、エチレ
ンと酢酸ビニルの共重合反応の条件をコントロールし
て、目的範囲内のポリ酢酸ビニルが生成する様にする方
法、エチレンと酢酸ビニルの重合時あるいは重合後に
ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を添加する方法等が挙
げられるが、の方法が好ましく用いられ、具体的には
まず所定の重合反応終了後、エチレン圧を下げて常圧と
して、20〜70℃、好ましくは40〜60℃で、5分
〜3時間、好ましくは15〜60分間撹拌下で放置する
ことにより、系中に目的量のポリ酢酸ビニルを生成させ
ることができる。
【0017】上記の如きポリ酢酸ビニルの共存下に未反
応の酢酸ビニルを除去するにあたっては、慣用手段でよ
く、例えば、減圧下で、酢酸ビニルを留去する方法、
アルコール(メタノ−ル)を仕込み、アルコール/酢
酸ビニル共沸液として酢酸ビニルを除去する方法等が挙
げられる。
【0018】次いで上記で得られたエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体はケン化される。ケン化に当たっては、上記
エチレン−酢酸ビニル共重合体を、アルコール(通常メ
タノールが用いられる)又はアルコール含有媒体中に通
常20〜60重量%程度の濃度になる如く溶解し、アル
カリ触媒(通常水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物が用いられる)を添加して40
〜140℃の温度で反応せしめる。
【0019】かかるケン化によりエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物の酢酸ビニル成分のケン化度は80〜
100モル%とすることが好ましく、更に好ましくはケ
ン化度90〜100モル%、特に好ましくは95〜10
0モル%とするのが有利である。ケン化度が80モル%
未満の場合、該エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
を用いて溶融成形する場合の熱安定性が悪くなると共
に、得られた成形物も機械的強度やガスバリアー性が大
きく低下して好ましくない。
【0020】次に上記で得られたエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物アルコール溶液はそのままでもよい
が、好ましくは直接水を加えるか、水を加えて該ケン化
物溶液を適宜濃度調整して、アルコール/水溶液として
ストランド製造用の溶液とする。
【0021】次いで、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物アルコール/水溶液は、水又は水/アルコール
(混合)溶液等の凝固液中にストランド状に押し出して
析出させるのである
【0022】析出させたストランドは次に切断されてペ
レット状となり、次いで水洗される。水洗したペレット
は酸及び/又はそれらの塩類等の薬剤の水溶液中に浸漬
させる等の方法で化学処理されることが好ましく、かか
る薬剤としては、ギ酸、酢酸、アジピン酸、リン酸、ホ
ウ酸あるいはそれらの塩類等が挙げられ、より好ましく
は酢酸、リン酸、ホウ酸あるいはそれらの塩類が用いら
れる。
【0023】上記の製造法で得られたペレットは溶融成
形されて所望する成形物に成形されるのであるが、溶融
成形に際しての温度条件としては160〜260℃程度
とするのが望ましい。成形に際しては必要に応じガラス
繊維、炭素繊維などの補強材、フィラー、着色剤、ハイ
ドロタルサイトなどの安定剤、発泡剤、乾燥剤などの公
知の添加剤を適当配合することもある。又、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物には改質用の熱可塑性樹脂
を適当量配合することもできる。
【0024】溶融成形法としては射出成形法、圧縮成形
法、押出成形法など任意の成形法が採用できる。このう
ち押出成形法としてはT−ダイ法、中空成形法、パイプ
押出法、線条押出法、異形ダイ押出法、インフレーショ
ン法などが挙げられるが、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物単独の成形物(フィルム、シート、テープ、
ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物など)
のみならず、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層
と他の熱可塑性樹脂層との共押出成形も可能である。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
断りのない限り重量基準である。
【0026】実施例1 内容量10l容の重合缶を用いて以下の条件でエチレン
−酢酸ビニル共重合体を連続重合した。 酢酸ビニル供給量 1290 g/hr メタノール供給量 200 g/hr ベンゾイルパーオキサイド供給量 250 mg/hr 重合温度 67 ℃ エチレン圧 3.92 MPa 平均滞留時間 4 hr 反応終了後、別の撹拌機付き10l容の反応缶に反応液
を移し、脱エチレンして、反応圧を常圧にして45℃で
20分間、撹拌しながら放置して共重合体溶液を得た。
該共重合体溶液には90ppmのポリ酢酸ビニルが含有
していた。次いで蒸留塔に該共重合体溶液を導入すると
ともにメタノールを供給し、未反応の酢酸ビニルをメタ
ノール/酢酸ビニル共沸液として留出させ、未反応の酢
酸ビニルを100ppm以下になるまで留去した。得ら
れたエチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有量は
32モル%であった。
【0027】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体を50
%含むメタノール溶液100部に、該共重合体中の酢酸
ビニル基に対して0.017当量の水酸化ナトリウムを
含有するメタノール溶液150部を供給し、120〜1
30℃、圧力0.39MPaで、30分間ケン化反応を
行った。得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物(ケン化度99.8モル%)メタノール溶液の樹脂分
濃度は30%であった。次に含水率62.5%のメタノ
ール水溶液60部を、該エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物メタノール溶液に共沸下で供給し、100〜1
10℃、圧力0.29MPaで、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物メタノール/水溶液中の樹脂分濃度が
40%になるまでメタノールを留出させ、完全透明なメ
タノール/水均一溶液を得た。続いて得られたエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物のメタノール/水溶液
を、水/メタノール溶液(重量比95/5)よりなる凝
固液槽にストランド状に押し出してカッターで切断し、
ペレットを得、該ペレットを30℃の水で洗浄後、30
℃の酢酸水溶液中で5時間撹拌した後、110℃で9時
間乾燥して製品ペレットを得た。
【0028】得られた製品ペレットを以下の様に評価し
た。 (1)ペレットの色ムラ ○・・・目視でなし ×・・・目視であり (2)ペレットの色相 ○・・・目視で着色なし △・・・目視でやや黄色に着色 ×・・・目視で黄色に着色 次に上記で得られた製品ペレットを以下の条件で製膜
し、得られたフィルムの色相とフィッシュアイを以下の
様に評価した。 (製膜条件) 押 出 機 :40mm径押出機 スクリュー :L/D=28,圧縮比3.2 ダ イ :コートハンガータイプダイ スクリュー回転数:40rpm フィルム厚み :30μ
【0029】(3)フィルムの色相 上記で得られた製膜フィルムを60枚重ね合わせて、以
下の様に評価した。 ○・・・目視で着色なし △・・・目視でやや黄色に着色 ×・・・目視で黄色に着色 (4)フィルムのフィッシュアイ 上記で得られた製膜フィルム(10cm×10cm)中
のフィッシュアイを測定し、以下のように評価した。 ○・・・0〜10個 △・・・11〜50個 ×・・・51個以上 上記(1)〜(4)の結果を表1に示した。
【0030】実施例2 実施例1において、反応終了後、脱エチレンし、常圧に
してからの放置時間を45分間としてポリ酢酸ビニルの
共存量を300ppmに変更した以外は同様に行って、
エチレン含有量32モル%、ケン化度99.8モル%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を得、実施例1
と同様に評価し、結果を表1に示した。
【0031】実施例3 実施例1において、反応終了後、脱エチレンし、常圧に
してからの放置時間を90分間としてポリ酢酸ビニル共
存量を600ppmに変更した以外は同様に行って、エ
チレン含有量32モル%、ケン化度99.8モル%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を得、実施例1と
同様に評価し、結果を表1に示した。
【0032】比較例1 実施例1において、共重合の終了時に重合停止剤として
ベンゾキノンを反応液中に5ppm入れてから、脱エチ
レンし、常圧にして、共重合体溶液中のポリ酢酸ビニル
共存量を5ppmとした後、直ちに蒸溜塔に導入し、実
施例1と同様に酢酸ビニルを留去し、以下実施例1と同
様にケン化してエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
を調製し、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示し
た。
【0033】比較例2 実施例1において、共重合の終了時に脱エチレンし、常
圧にしてからの放置を60℃で60分間として、共重合
体溶液中のポリ酢酸ビニルの共存量を1100ppmと
した後、直ちに蒸溜塔に導入し、実施例1と同様に酢酸
ビニルを留去し、以下実施例1と同様にケン化してエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を調製し、実施例1
と同様に評価し、結果を表1に示した。
【0034】
【表1】 エチレン ケン化 ペレット フィルム 含有量 度 (1) (2) (3) (4) (モル%) (モル%) 色ムラ 色相 色相 フィッシュアイ 実施例1 32 99.8 ○ ○ ○ ○ 実施例2 32 99.8 ○ ○ ○ ○実施例3 32 99.8 ○ ○ ○ △ 比較例1 32 99.8 × × × ○比較例2 32 99.8 ○ ○ ○ ×
【0035】
【発明の効果】本発明では、エチレンと酢酸ビニルを溶
媒中で共重合させ、未反応の酢酸ビニルを除去してエチ
レン−酢酸ビニル共重合体を得、更に該共重合体をケン
化してエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を製造す
るに当たり、未反応の酢酸ビニルの除去を特定量のポリ
酢酸ビニルの共存下で行うので、得られたケン化物は色
ムラがなく、着色が少なく、更には該ケン化物を成形物
にした時の着色も少なく、成形性も良好である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと酢酸ビニルを溶媒中で共重合
    させ、未反応の酢酸ビニルを除去してエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体を得、更に該共重合体をケン化してエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を製造するに当たり、
    未反応の酢酸ビニルの除去を10〜1000ppmのポ
    リ酢酸ビニルの共存下で行うことを特徴とするエチレン
    −酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法。
  2. 【請求項2】 未反応の酢酸ビニルの除去を50〜30
    0ppmのポリ酢酸ビニルの共存下で行うことを特徴と
    する請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
    化物の製造法。
  3. 【請求項3】 溶媒が炭素数4以下のアルコールである
    ことを特徴とする請求項1あるいは2記載のエチレン−
    酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法。
JP02911298A 1998-01-26 1998-01-26 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法 Expired - Fee Related JP3743696B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02911298A JP3743696B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02911298A JP3743696B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11209435A true JPH11209435A (ja) 1999-08-03
JP3743696B2 JP3743696B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=12267249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02911298A Expired - Fee Related JP3743696B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3743696B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6653400B2 (en) 2000-06-29 2003-11-25 Kuraray Co., Ltd. Method for producing saponified ethylene-vinyl acetate copolymer
CN115991841A (zh) * 2021-10-19 2023-04-21 中国石油化工股份有限公司 一种热稳定性优异的evoh树脂组合物及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6653400B2 (en) 2000-06-29 2003-11-25 Kuraray Co., Ltd. Method for producing saponified ethylene-vinyl acetate copolymer
US7041731B2 (en) 2000-06-29 2006-05-09 Kuraray Co., Ltd. Method for producing saponified ethylene-vinyl acetate copolymer
CN115991841A (zh) * 2021-10-19 2023-04-21 中国石油化工股份有限公司 一种热稳定性优异的evoh树脂组合物及其制备方法
CN115991841B (zh) * 2021-10-19 2024-05-31 中国石油化工股份有限公司 一种热稳定性优异的evoh树脂组合物及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3743696B2 (ja) 2006-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4536703B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法
JP3895022B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合法
CN113544163A (zh) 聚乙烯醇系树脂、聚乙烯醇系树脂的制造方法、分散剂及悬浮聚合用分散剂
EP0495495B1 (en) Process for producing ethylene-vinyl ester copolymers, process for producing ethylene-vinyl alcohol copolymers and process for producing shaped articles
JP4832623B2 (ja) 酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法
JPH0967411A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法
JP4451935B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のフィルムの製造方法
JP2003089706A (ja) 酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法
JPS61197603A (ja) 品質の良好なビニルアルコ−ル系共重合体の製造方法
JP3743696B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法
JPH11116637A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合法
JP4520544B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体の製造法
JPH11116638A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合法
JP4257757B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体の製造法
US6646087B2 (en) Method of manufacturing ethylene-vinyl acetate copolymer
JP4341937B2 (ja) 酢酸ビニル系重合体の製造法
JP2661654B2 (ja) エチレン−ビニルエステル共重合体の製法
JP2003089741A (ja) 酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法
JP2002301715A (ja) ポリビニルアルコール系樹脂ペレットの製造方法
JP2003089739A (ja) 酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法
JP2002053728A (ja) 酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法
JP6203038B2 (ja) 成形品及びその製造方法
JP2003089740A (ja) 酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法
JP2916440B2 (ja) エチレン−ビニルアルコール共重合体の成形物の製法
JP2000178306A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101125

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121125

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131125

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees