JPH11209335A - 置換グアニジン誘導体の製法 - Google Patents

置換グアニジン誘導体の製法

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JPH11209335A
JPH11209335A JP10312197A JP31219798A JPH11209335A JP H11209335 A JPH11209335 A JP H11209335A JP 10312197 A JP10312197 A JP 10312197A JP 31219798 A JP31219798 A JP 31219798A JP H11209335 A JPH11209335 A JP H11209335A
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calcium cyanamide
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alkyl
cyanamide
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JP10312197A
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Thomas Dr Greindl
グラインドル トーマス
Guenter Dr Scherr
シェアー ギュンター
Rolf Schneider
シュナイダー ロルフ
Klaus Dr Mundinger
ムンディンガー クラウス
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C277/00Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C277/08Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups of substituted guanidines

Abstract

(57)【要約】 【課題】 置換グアニジン誘導体の製法 【解決手段】 式I: 【化1】 の置換グアニジン誘導体の製法において、カルシウムシ
アナミドと一般式II: 【化2】 の1級又は2級アミノカルボン酸又は1級又は2級アミ
ノスルホン酸又はその誘導体とを反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウムシアナ
ミドと1級又は2級アミノカルボン酸又は1級又は2級
アミノスルホン酸又はそれらの誘導体とを反応させるこ
とによる置換グアニジニウム化合物の改善製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】置換されたグアニジニウム化合物は、天
然に広く分布している。これらの物質群の重要な代表物
は例えば、アミノ酸、例えばアルギニン及びクレアチン
である。更に、置換されたグアニジン化合物は、立体障
害された塩基として、殺虫剤として、並びに錯体リガン
ドとして公知である。このタイプの化合物の多くは、高
い製造コストの故に、その工業的使用性が著しく限られ
ている。
【0003】生物学的に活性なグアニジン誘導体の例
は、「細胞のエネルギー担体」として栄養補給のために
食品及び薬品分野で使用されるクレアチンである。
【0004】シアナミドからのグアニジニウム塩の合成
は公知であり、かつ例えば米国特許(US)第2425
341号明細書中に記載されており、そこでは温度>8
0℃でシアナミド水溶液をアミン水溶液とpH−値>8
で反応させている。
【0005】クレアチンの製造は例えば、ヨーロッパ特
許(EP−A)第0754679号明細書及びそこに引
用されていて、更に参考になる文献中に記載されてお
り、その際、70%の最大収率が達成されるにすぎな
い。
【0006】グアニジニウム化合物のための前記の合成
の欠点は、純粋なシアナミドの水溶液を使用することで
ある。この溶液は非常に高価であり、かつそのシアナミ
ドの不安定性の故に、一般に広く使用することができな
い。
【0007】純粋なシアナミド又はその水溶液の大工業
的な製造は、石灰窒素から出発して行われる。しかし生
産には経費がかかる。それというのも、シアナミドの著
しい不安定性の故に、製造及び貯蔵の際に特別な予防措
置を行う必要があるためである。この製造は例えば、
D.R.P267514及びD.R.P.648542
中に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、前記の欠点を
示さない、十分に利用できる使用物質をベースにして置
換グアニジンを製造するための費用的に有利で、かつ簡
単に実施可能な方法を提供するという課題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題は、式I:
【0010】
【化3】
【0011】の置換グアニジン誘導体の製法において、
カルシウムシアナミドと一般式II:
【0012】
【化4】
【0013】の1級又は2級アミノカルボン酸又は1級
又は2級アミノスルホン酸又はそれらの誘導体とを反応
させるが、その際式中の置換基R1及びR2は相互に無関
係に:R1はH、C1〜C20−アルキルを表し;R2は−
(C1〜C20−アルキレン)−COOR3、−(C1〜C20
アルキレン)−CONR45、−(C1〜C20−アルキレ
ン)−CN、−(C1〜C20−アルキレン)−SO26を表
し;R3はH、C1〜C20−アルキル、C2〜C10−アル
ケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C18−アリ
ール、Na、K、Li、Ca、Mg、N(R1)4を表し;
4及びR5は相互に無関係にH、C1〜C20−アルキ
ル、C2〜C10−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキ
ル、C6〜C18−アリールを表し;R6はOR7、N(R8)
2を表し;R7はH、C1〜C20−アルキル、C2〜C10
アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C18
アリール、Na、K、Li、Ca、Mg、N(R1)4を表
し;R8はH、C1〜C20−アルキル、C2〜C10−アル
ケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C18−アリ
ールを表すことを特徴とする、式Iの置換グアニジン誘
導体の製法により解決された。
【0014】本発明の方法は、殊に経済的な周辺条件、
例えば低い使用物質経費、工業的に簡単な実施性、改善
された収率及び生成物の十分な純度を満たしている。
【0015】カルシウムシアナミドとの反応のために原
則的に、式IIの前記のアミノカルボン酸及びアミノス
ルホン酸及びそれらの誘導体全てが好適である。
【0016】R1、R3〜R5並びにR7及びR8のための
アルキル基として次のものを挙げることができる:分枝
鎖又は非分枝鎖のC1〜C20−アルキル鎖、有利にメチ
ル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブ
チル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,
1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチルブチ
ル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジ
メチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、
1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピ
ル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メ
チルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチル
ブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブ
チル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチ
ル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−
エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,
2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチル
−プロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘ
プチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−
ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テト
ラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−
ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル又は
n−エイコシル。
【0017】R3〜R5並びにR7及びR8のためのアルケ
ニル基としては次のものを挙げることができる:分枝鎖
又は非分枝鎖のC2〜C10−アルケニル鎖、有利にビニ
ル、プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−
ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、2−メチ
ル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メ
チル−1−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニ
ル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニル
又は2−オクテニル。
【0018】R2のためのアルキレン基としては次のも
のを挙げることができる:分枝鎖又は非分枝鎖のC1
20−アルキレン鎖、有利にメチレン、エチレン、n−
プロピレン、1−メチルエチレン、n−ブチレン、1−
メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,1−ジ
メチルエチレン、n−ペンチレン、1−メチルブチレ
ン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、2,2
−ジメチルプロピレン、1−エチルプロピレン、n−ヘ
キシレン、1,1−ジメチルプロピレン、1,2−ジメ
チルプロピレン、1−メチルペンチレン、2−メチルペ
ンチレン、3−メチルペンチレン、4−メチルペンチレ
ン、1,1−ジメチルブチレン、1,2−ジメチルブチ
レン、1,3−ジメチルブチレン、2,2−ジメチルブ
チレン、2,3−ジメチルブチレン、3,3−ジメチル
ブチレン、1−エチルブチレン、2−エチルブチレン、
1,1,2−トリメチルプロピレン、1,2,2−トリ
メチルプロピレン、1−エチル−1−メチルプロピレ
ン、1−エチル−2−メチルプロピレン、n−ヘプチレ
ン、n−オクチレン、n−ノニレン、n−デシレン、n
−ウンデシレン、n−ドデシレン、n−トリデシレン、
n−テトラデシレン、n−ペンタデシレン、n−ヘキサ
デシレン、n−ヘプタデシレン、n−オクタデシレン、
n−ノナデシレン又はn−エイコシレン。
【0019】1〜20−員のアルキレン鎖は付加的に次
の基で置換されていて良い:C1〜C6−アルキル、例え
ばメチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、
n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピ
ル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチ
ルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,
2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキ
シル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプ
ロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3
−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメ
チルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチ
ルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチル
ブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、
2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、
1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メ
チルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル;スル
フヒドリルメチル、1−アミノブチル、1−カルボキシ
エチル;アリールアルキル、例えばベンジル、p−ヒド
ロキシベンジル、インドリルメチル。
【0020】R3からR5並びにR7及びR8のためのシク
ロアルキル基として有利に次のものを挙げることができ
る:分枝鎖又は非分枝鎖C3〜C8−シクロアルキル基、
例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、1−メチルシク
ロプロピル、1−エチルシクロプロピル、1−プロピル
シクロプロピル、1−ブチルシクロプロピル、1−ペン
チルシクロプロピル、1−メチル−1−ブチルシクロプ
ロピル、1,2−ジメチルシクロプロピル、1−メチル
−2−エチルシクロプロピル又はシクロオクチル。
【0021】シクロアルキル基は場合により、1つ以上
の、例えば1〜3個の基、例えばハロゲン、フッ素、塩
素又は臭素、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C4−アル
キルアミノ、C1〜C4−ジアルキルアミノ、ヒドロキ
シ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又は他
の基によって置換されていてよいか、又は遊離の原子価
が水素又はC1〜C4−アルキルにより飽和されていてよ
い1〜3個のヘテロ原子、例えばイオウ、窒素又は酸素
を環中に有して良い。
【0022】R6のためのアルコキシ基としては、1〜
20個のC−原子、有利に1〜12個のC−原子、特に
遊離に1〜8個のC−原子を有するものがこれに該当す
る。
【0023】例えば、次のものを挙げることができる:
メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキ
シ、1−メチルプロポキシ、n−ブトキシ、n−ペント
キシ、2−メチルプロポキシ、3−メチルブトキシ、
1,1−ジメチルプロポキシ、2,2−ジメチルプロポ
キシ、ヘキソキシ、1−メチル−1−エチルプロポキ
シ、ヘプトキシ、オクトキシ、2−エチルヘキソキシ。
【0024】R6のためのモノ又はジ置換アミノ基とし
ては、1〜20個、有利に1〜12個のC−原子を有す
るアルキル基、例えば、メチル、n−プロピル、n−ブ
チル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピ
ル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、イソプ
ロピル、1−メチルプロピル、n−ペンチル、3−メチ
ルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−メチル−1
−エチルプロピル及びオクチルを有するものが有利にこ
れに該当する。
【0025】R3及びR7のためのテトラアルキルアンモ
ニウム基としては、1〜20個、有利に1〜12個、特
に有利に1〜6個のC−原子を有するアルキル基、例え
ばメチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプ
ロピル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルプロピ
ル、2,2−ジメチルプロピル、1−メチル−1−エチ
ルプロピル、n−ブチル、3−メチルブチル、n−ペン
チル及びヘキシルを有するものがこれに該当する。
【0026】アリールとは、芳香環又は環系中に6〜1
8個の炭素原子を有する環系のことであり、例えばフェ
ニル又はナフチルであるが、これらは場合により、1個
以上の基、例えばハロゲン、例えばフッ素、塩素又は臭
素、シアノ、ニトロ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミ
ノ、C1〜C4−ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、C1
4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はその他の基
で置換されていてよい。場合により置換されたフェニ
ル、メトキシフェニル及びナフチルが有利である。
【0027】式IIの有利に使用される化合物として、
水又は水と混合可能な溶剤に可溶性の1級及び2級アミ
ノカルボン酸又はアミノスルホン酸の全てを挙げること
ができる。特に有利な代表物は特にタウリン及びアミノ
カルボン酸、例えばグリシン、アラニン、バリン、プロ
リン、ロイシン、フェニルアラニン、リシン、メチオニ
ン、システイン、アスパラギン酸、イミノ二酢酸、サル
コシン並びにそれらのエステル、アミド及びニトリル及
びそれらの塩である。
【0028】式IIの極めて有利な化合物はサルコシン
であり、これを遊離酸としても殊にNa−又はK−塩と
しても、5〜60重量%、有利に35〜45重量%濃度
の水溶液として使用することができる。
【0029】置換グアニジン誘導体の製造のための本発
明の方法は特に、通常、結晶化純粋生成物として、又は
pH3〜6で安定化された溶液として市販されている高
価な純粋なシアナミドの代わりに、非常に安価で、かつ
広く利用可能な石灰窒素を使用することができることに
おいて優れている。
【0030】石灰窒素とは、例えば800〜1100℃
の非常に高い温度でのCaC2とN2との反応により生じ
る生成物のことである。これは通常、カルシウムシアナ
ミド5〜98重量%、有利に20〜95重量%、特に有
利に30〜90重量%を含有する。工業的に得られる灰
色から黒色の石灰窒素は、カルシウムシアナミドの他に
付加的に更に不純物、例えば炭素、Ca−カーバイド、
CaO並びに痕跡量の金属を通常<1%の割合で含有す
る。勿論、純粋なCa−シアナミドを使用することもで
きる。しかし、工業用で、高純度ではない石灰窒素の使
用が、経済的には特に有利である。これを粉末状で、粒
度分布1〜100μmで使用するのが有利である。しか
し、顆粒化された、押し出された、又は他の方法で密に
された材料を、更に水、アルコール又は他の水−混合性
溶剤中の適当な懸濁液として使用することもできる。
【0031】カルシウムシアナミドとアンモニアとの反
応は米国特許(US)第2114280号明細書中に記
載されている。この場合、圧力下及び温度>130℃で
カルシウムシアナミドを過剰のアンモニアと反応させ
て、未置換のグアニジンにする。
【0032】Gagnon et al. はCan. J. Chem.36(1
958)中で、カルシウムシアナミドと1級C1〜C5
アミン−ニトレートとの反応を記載している。
【0033】H.Michaud et alがChem. Ztg. 112(1988)1
0, 287-294中で、かつF.Baum in Biochem. Z. 26(191
0),325-332中に記載しているように、酸添加を伴わな
い石灰窒素の加水分解では、一方で大量の副産物、例え
ばジシアンジアミド及び尿素が生じる。
【0034】この副反応を回避するために、一方で、温
度を40℃未満、有利には20℃未満に保持しなければ
ならず、従って経費のかかる冷却が必要であり、他方
で、酸、殊に炭酸の添加により、pH−値を酸性範囲に
しなければならない。
【0035】しかしこの工程は時間がかかり、それに加
えて、付加的留去により濃縮する必要のある著しく希釈
されたシアナミド溶液をもたらす。
【0036】更に、アルカリ中のシアナミドの加水分解
は、重金属イオンにより、殊に鉄及びマンガンにより触
媒されることが公知である。
【0037】従って、工業用のCa−シアナミドが痕跡
量の重金属と一緒にアルカリ中で、良好な収率で、グア
ニジン−誘導体に反応可能であるということはますます
意外であった。
【0038】該方法のもう1つの利点は、それ自体水中
でアルカリ性に反応する使用石灰窒素を、別の工程で酸
性加水分解する必要が無く、意外にも更なる予備処理を
行わずに直接、アミンとの反応のために所定のpH−値
で使用することができるという事実にある。意外にもそ
の場合、アミンのpK−値の範囲内のpH−値を使用す
る。即ち、6〜14の範囲、有利に8〜12の範囲、特
に有利に9〜11の範囲内である。
【0039】これにより、カルシウムシアナミドからの
シアナミドを別に製造し、かつグアニジンに更に反応さ
せる場合に比べて、かなり酸の量が節約される。それと
いうのも、本発明の方法は、専らアルカリ中で処理され
るためである。
【0040】この合成は、石灰窒素を1級又は2級アミ
ンの溶液に前記のpH範囲を一定に保持しながら配量導
入する方法で行うことができる。その場合、配量導入を
固体の形で、又は懸濁液で行うことができる。その際反
応温度は、20〜120℃の範囲内、殊に40〜80℃
の範囲内である。
【0041】石灰窒素の添加を、均等に少量ずつ、0.
5〜10時間、有利に1〜6時間、特に有利に2.5〜
3時間かけて行う。
【0042】配量導入の後に通常、0.5〜10時間、
有利に1〜3時間、後撹拌する。
【0043】カルシウムシアナミドと1級又は2級アミ
ンとのモル比は、0.9〜5.0、有利に0.9〜4.
0、殊に1.0〜2.0である。
【0044】溶解した重金属イオンを分離除去するため
に、錯体形成剤、例えばリン酸塩、硫酸塩、アミノポリ
カルボン酸塩、例えばEDTA又はアミノポリリン酸塩
を使用することができる。
【0045】臭気を発生させる副産物の除去のために、
付加的に酸化剤、例えばH22を添加することができ
る。
【0046】この方法では、収率損失を伴わずに、形成
されたグアニジン誘導体の純度を改善することができ
る。
【0047】続く反応の後に、場合により沈殿した無機
副産物を、温度20〜100℃、有利に50〜90℃で
自体公知の方法で、例えば濾過又は遠心分離により除去
することができる。
【0048】所望のグアニジニウム誘導体の単離を自体
公知の方法で行う。例えば、濾別された反応溶液を−2
0〜60℃に、殊に0〜40℃に冷却することにより、
有価生成物を結晶で得ることができる。濾過の後に場合
により、更なる再結晶化により純度を改善することがで
きる。しかし、生成物を、反応混合物から抽出により除
去し、引き続き、蒸留又は結晶により丁寧に単離するこ
ともできる。
【0049】本発明の方法のもう1つの利点は、シアナ
ミドの製造の際に必要とされるような工業的に経費のか
かる冷却を放棄しうることにある。適用される穏やかな
温度の故に、反応は、技術的に特に簡単に圧力をかけず
に行うことができる。
【0050】本発明の反応の収率が純粋なシアナミドの
反応の場合に匹敵し、従って、 シアナミドの遊離及び
グアニジニウム塩への反応の全行程に渡り、方法工程の
より少ない数に基づき、Ca−シアナミド−含有率に対
して、本発明の反応の収率の方が高いことは特に意外で
ある。
【0051】更に、純粋なシアナミドの使用ではしばし
ば不経済だが、安価な石灰窒素を過剰に使用して、さら
により高い変換率を達成することができる。単離された
グアニジニウム塩の増した純度は、純粋なシアナミドか
ら製造された製品に匹敵する。工業用の著しく不純な使
用物質を処理するので、このことは、殊に意外である。
【0052】使用物質としては、シアナミドのCa−塩
の他に、他のアルカリ土類金属塩も使用することができ
る。
【0053】使用される1級及び2級アミンの場合に
も、この場合、純粋な物質の他に、有利に特に工業用生
成物、例えば、純粋なサルコシンの代わりに、作用物質
含有率5〜60%、有利に40%を有し、更に場合によ
り水溶性不純物、例えばN−メチル−イミノジ酢酸も含
有する工業用Na−塩溶液を使用することができる。
【0054】他の反応性アミンが混合されてなく、かつ
経済的な理由から特に有利である場合には、例えばアミ
ンの精製が高くつき、かつ損失が多いので、工業用生成
物の使用が殊に推奨される。
【0055】pH−値の保持のために、塩基の出発pH
−値に応じて、酸、例えばCO2、SO2、HCl、HN
3、H2SO4、H2SO3、H3PO3、H3PO2及びH3
PO4及び/又は塩基、例えばNaOH、KOK、Li
OH、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Mg(OH)2を使用
することができる。アミンが、塩基性の形で、かつ中和
された形で、又は部分中和された形で存在している場合
には、酸のみが必要とされる。
【0056】酸としては、工業的に容易に入手すること
ができ、かつ痕跡量の重金属と一緒に難溶性錯体をもた
らすようなもの、例えばCO2、H2SO4、H3PO4
有利である。しかし、種々の酸の混合物も有利に使用す
ることができる。
【0057】
【実施例】次の例で、置換グアニジン誘導体の製法を詳
述する。
【0058】例1 硫酸の存在下、pH10でのサルコシン−Na−塩溶液
とCa−シアナミドの反応 還流冷却機、パドル型撹拌機、温度調節器及びpH−調
節硫酸配量器を備えた2l−撹拌反応器中で、40.1
%濃度のNa−サルコシン酸塩−溶液133g及び水5
3gの混合物に、pH−値を10に調節するために、5
0%硫酸全部で14.0gを配量導入した。引き続き、
60℃の温度で、2時間かけて少量ずつ、石灰窒素全部
で87.2g(Aldrich社、顆粒製品、CaCN2−含有
率=84%)を添加した。pH−値を10に保持するた
めに添加期間に亙り25%硫酸を全部で403g配量導
入した。反応温度を、冷却により60℃に保持した。添
加の終了後に、更に前記の温度で2時間撹拌し、引き続
き20分かけて80℃に加熱した。生じた緑色がかった
懸濁液を80℃で濾過し、かつ黒色濾過ケーキを2回、
80℃の温水250mlで洗浄した。母液及び洗浄水を
濃縮させ、かつ85%H3PO42gで処理した。生じた
微細な無色沈殿物を新たに濾別し、かつ無色溶液を5℃
に冷却した。生じた結晶の分離除去の後に、残留した母
液を真空中で50%の残量まで濃縮させると、冷却の後
に、第2の結晶フラクションが生じた。乾燥の後に、ク
レアチン−含有率89.0%及び残留含水率11%の総
じて無色の結晶66.4gが得られ、これは単離収率5
8%に相応する。母液中のクレアチン含有率は、1.3
%であり、従って、68%の反応収率と算出された。
【0059】例2 pH11、硫酸の存在下でのサルコシン−Na−塩溶液
とCa−シアナミドとの反応 pH−値(pH10の代わりにpH11)を除いて例1
と同様に実施された反応は、総収率56%でクレアチン
をもたらした。
【0060】例3 pH10、リン酸の存在下でのサルコシン−Na−塩−
溶液とCa−シアナミドとの反応 反応を例1と同様に実施した。pH−値調整を85%リ
ン酸により行った。全収率75%及び結晶前純度約89
%でクレアチンが得られた。
【0061】例4 pH10、硫酸及びリン酸からなる混合物の存在下での
サルコシン−Na−塩−溶液とCa−シアナミドの反応 例1と同様に実施された反応で、pH−値調整のために
硫酸の代わりに、硫酸及びリン酸からなる混合物を使用
した。総収率86%及び再結晶前の純度約95%でクレ
アチンが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 309/15 C07C 309/15 309/69 309/69 311/47 311/47 (72)発明者 ギュンター シェアー ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスハー フェン アン デア ミッタークスヴァイ デ 17 (72)発明者 ロルフ シュナイダー ドイツ連邦共和国 マンハイム フェルト ベルクシュトラーセ 21 (72)発明者 クラウス ムンディンガー ドイツ連邦共和国 リムブルガーホーフ シラーシュトラーセ 28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 の置換グアニジン誘導体の製法において、カルシウムシ
    アナミドと一般式II: 【化2】 の1級又は2級アミノカルボン酸あるいは1級又は2級
    アミノスルホン酸あるいはそれらの誘導体とを反応させ
    るが、その際式中の置換基R1及びR2は相互に無関係
    に:R1はH、C1〜C20−アルキルを表し;R2は−(C
    1〜C20−アルキレン)−COOR3、−(C1〜C20−ア
    ルキレン)−CONR45、−(C1〜C20−アルキレン)
    −CN、−(C1〜C20−アルキレン)−SO26を表
    し;R3はH、C1〜C20−アルキル、C2〜C10−アル
    ケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C18−アリ
    ール、Na、K、Li、Ca、Mg、N(R1)4を表し;
    4及びR5は相互に無関係にH、C1〜C20−アルキ
    ル、C2〜C10−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキ
    ル、C6〜C18−アリールを表し;R6はOR7、N(R8)
    2を表し;R7はH、C1〜C20−アルキル、C2〜C10
    アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C18
    アリール、Na、K、Li、Ca、Mg、N(R1)4を表
    し;R8はH、C1〜C20−アルキル、C2〜C10−アル
    ケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C6〜C18−アリ
    ールを表すことを特徴とする、式Iの置換グアニジン誘
    導体の製法。
  2. 【請求項2】 カルシウムシアナミドと式IIの1級又
    は2級アミンとを、水及び/又は水と混合可能な有機溶
    剤中で、温度20〜120℃及びpH−値6〜14で反
    応させる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 カルシウムシアナミドを、30〜95重
    量%のカルシウムシアナミド含有率を有する工業用石灰
    窒素の形で使用する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 水溶性又は水と混合可能な溶剤中に可溶
    性のアミノカルボン酸又はアミノスルホン酸又はそれら
    の誘導体を使用する、請求項1から3のいずれか1項に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 サルコシンをアミノカルボン酸として使
    用する、請求項4に記載の方法。
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