JPH11209170A - 単斜晶セルシアン焼結体およびその製造方法 - Google Patents
単斜晶セルシアン焼結体およびその製造方法Info
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- JPH11209170A JPH11209170A JP10011717A JP1171798A JPH11209170A JP H11209170 A JPH11209170 A JP H11209170A JP 10011717 A JP10011717 A JP 10011717A JP 1171798 A JP1171798 A JP 1171798A JP H11209170 A JPH11209170 A JP H11209170A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】熱膨張係数が小さくかつ緻密質のセルシアン焼
結体を容易に得る。 【解決手段】ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物を含有することを特徴とする単斜晶セルシアン
焼結体。
結体を容易に得る。 【解決手段】ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物を含有することを特徴とする単斜晶セルシアン
焼結体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルシアン焼結体
およびその製造方法に関する。
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高温耐火物セラミックス材料は、耐火性
という用途から、その材料を合成し、形状化するために
きわめて高い温度を必要とする。よって、上記セラミッ
クス材料を用いた製品を合成するには標準的な装置では
難しく、生産性がよくなかった。このような状況は、鉄
鋼窯用、ガラス窯用などの耐火物によく見られたが、セ
ルシアンについても同様のことがいえる。典型的なセル
シアンはモル比でBaO・Al2 O3 ・2SiO2 から
なるアルミノシリケートの酸化物材料である。セルシア
ンは、融点が1800℃と高く耐火性に優れ、熱膨張係
数が小さい(0℃〜1000℃の温度範囲で2×10-6
〜4×10-6/℃)。よって、セルシアンは熱衝撃にも
強く、高温の過酷な条件での使用に耐えうる材料であ
る。
という用途から、その材料を合成し、形状化するために
きわめて高い温度を必要とする。よって、上記セラミッ
クス材料を用いた製品を合成するには標準的な装置では
難しく、生産性がよくなかった。このような状況は、鉄
鋼窯用、ガラス窯用などの耐火物によく見られたが、セ
ルシアンについても同様のことがいえる。典型的なセル
シアンはモル比でBaO・Al2 O3 ・2SiO2 から
なるアルミノシリケートの酸化物材料である。セルシア
ンは、融点が1800℃と高く耐火性に優れ、熱膨張係
数が小さい(0℃〜1000℃の温度範囲で2×10-6
〜4×10-6/℃)。よって、セルシアンは熱衝撃にも
強く、高温の過酷な条件での使用に耐えうる材料であ
る。
【0003】また、セルシアンはその高い耐熱性、耐熱
衝撃性に加え、電気絶縁性(誘電率ε=7.0)に優れ
ており、電気絶縁材料としても好適な材料である。アル
ミナ、ムライト、ホルステライト等の、ICパッケージ
や多層基板として従来使用されている材料は、電気絶縁
性に優れているが一般的に熱膨張係数が大きい(6×1
0-6〜9×10-6/℃)。このような材料と比較する
と、セルシアンは電気絶縁性と低い熱膨張性を兼ね備え
た高性能な材料である。
衝撃性に加え、電気絶縁性(誘電率ε=7.0)に優れ
ており、電気絶縁材料としても好適な材料である。アル
ミナ、ムライト、ホルステライト等の、ICパッケージ
や多層基板として従来使用されている材料は、電気絶縁
性に優れているが一般的に熱膨張係数が大きい(6×1
0-6〜9×10-6/℃)。このような材料と比較する
と、セルシアンは電気絶縁性と低い熱膨張性を兼ね備え
た高性能な材料である。
【0004】このような優れた物性を有するにもかかわ
らず、セルシアンを用いた製品が実用化されていないの
は、この高い耐熱性ゆえに、合成、溶融しガラス組成物
を得ることが一般的な方法では困難であったこと、また
低い熱膨張を示す単斜晶相析出の制御が困難であったこ
とによる。
らず、セルシアンを用いた製品が実用化されていないの
は、この高い耐熱性ゆえに、合成、溶融しガラス組成物
を得ることが一般的な方法では困難であったこと、また
低い熱膨張を示す単斜晶相析出の制御が困難であったこ
とによる。
【0005】特開昭48−4899は、単斜晶セルシア
ンが主結晶であるガラスセラミックスの作製方法を開示
している。上記方法においては、単斜晶セルシアンのセ
ラミックスを作製するにあたりR2 O(ただし、RはL
i、NaまたはK)で示されるアルカリ金属酸化物を添
加している。この方法によると所望の単斜晶セルシアン
を含む緻密質セラミックスが低温で得られるが、耐火物
として使用する場合の耐熱性は著しく低下する。一方、
上記緻密質セラミックスを電気絶縁用部材として使用す
る場合は、イオン伝導性の高い元素を含有することから
電気絶縁性の劣化が生じやすい。
ンが主結晶であるガラスセラミックスの作製方法を開示
している。上記方法においては、単斜晶セルシアンのセ
ラミックスを作製するにあたりR2 O(ただし、RはL
i、NaまたはK)で示されるアルカリ金属酸化物を添
加している。この方法によると所望の単斜晶セルシアン
を含む緻密質セラミックスが低温で得られるが、耐火物
として使用する場合の耐熱性は著しく低下する。一方、
上記緻密質セラミックスを電気絶縁用部材として使用す
る場合は、イオン伝導性の高い元素を含有することから
電気絶縁性の劣化が生じやすい。
【0006】また、特開昭62−252340は、セル
シアンを一部含むガラスセラミックス焼結体の作製方法
を開示している。この方法によると、アルカリ金属酸化
物を使用することなく、低温で電気絶縁性の高い焼結体
を作製できるが、主結晶となるセルシアンの割合の低下
に伴い熱膨張係数が大きくなり、耐熱性を損なう問題が
ある。
シアンを一部含むガラスセラミックス焼結体の作製方法
を開示している。この方法によると、アルカリ金属酸化
物を使用することなく、低温で電気絶縁性の高い焼結体
を作製できるが、主結晶となるセルシアンの割合の低下
に伴い熱膨張係数が大きくなり、耐熱性を損なう問題が
ある。
【0007】また、Ceram.Eng.Sci.Pr
oc.,12(1991)p.1222−1234に
は、バリウムの一部をストロンチウムに置換した単斜晶
セルシアン焼結体を製造する方法が報告されている。し
かし、この方法によるセルシアン焼結体は、バリウムの
一部がストロンチウムに置換されているため、ストロン
チウムを含まないセルシアン焼結体に比べ熱膨張係数が
大きく、強度も低い問題がある。
oc.,12(1991)p.1222−1234に
は、バリウムの一部をストロンチウムに置換した単斜晶
セルシアン焼結体を製造する方法が報告されている。し
かし、この方法によるセルシアン焼結体は、バリウムの
一部がストロンチウムに置換されているため、ストロン
チウムを含まないセルシアン焼結体に比べ熱膨張係数が
大きく、強度も低い問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小さい熱膨
張係数を有し、電気絶縁性の高い単斜晶セルシアン焼結
体およびその製造方法を提供する。
張係数を有し、電気絶縁性の高い単斜晶セルシアン焼結
体およびその製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題を
解決すべくなされたものであり、第1の発明は、ジルコ
ニウム、ハフニウム、セリウムおよびタングステンから
なる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物を含有する
ことを特徴とする単斜晶セルシアン焼結体であり、第2
の発明は、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよび
タングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属の
酸化物と、セルシアン組成物の粉末とを混合した後、焼
結することを特徴とする単斜晶セルシアン焼結体の製造
方法であり、第3の発明は、ジルコニウム、ハフニウ
ム、セリウムおよびタングステンからなる群から選ばれ
る1種以上の金属の酸化物を含有するセルシアン組成物
の粉末を焼結することを特徴とする単斜晶セルシアン焼
結体の製造方法である。
解決すべくなされたものであり、第1の発明は、ジルコ
ニウム、ハフニウム、セリウムおよびタングステンから
なる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物を含有する
ことを特徴とする単斜晶セルシアン焼結体であり、第2
の発明は、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよび
タングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属の
酸化物と、セルシアン組成物の粉末とを混合した後、焼
結することを特徴とする単斜晶セルシアン焼結体の製造
方法であり、第3の発明は、ジルコニウム、ハフニウ
ム、セリウムおよびタングステンからなる群から選ばれ
る1種以上の金属の酸化物を含有するセルシアン組成物
の粉末を焼結することを特徴とする単斜晶セルシアン焼
結体の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の単斜晶セルシアン焼結体
は、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよびタング
ステンからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物
を含有する。なお、これら金属の酸化物の形態は通常、
ZrO2 、HfO2 、CeO2 およびWO2 である。上
記酸化物は、単斜晶相の析出を促進する。上記酸化物を
含有させないで、セルシアン組成物を焼結させた場合
は、緻密な焼結体は得られるが、結晶化後析出する結晶
相が高い熱膨張性を示す六方晶となり、低い熱膨張性を
示す実質的に単斜晶からなるセルシアン焼結体は得られ
ない。
は、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよびタング
ステンからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物
を含有する。なお、これら金属の酸化物の形態は通常、
ZrO2 、HfO2 、CeO2 およびWO2 である。上
記酸化物は、単斜晶相の析出を促進する。上記酸化物を
含有させないで、セルシアン組成物を焼結させた場合
は、緻密な焼結体は得られるが、結晶化後析出する結晶
相が高い熱膨張性を示す六方晶となり、低い熱膨張性を
示す実質的に単斜晶からなるセルシアン焼結体は得られ
ない。
【0011】また、ジルコニウム、ハフニウム、セリウ
ムおよびタングステンからなる群から選ばれる1種以上
の金属の酸化物は、セルシアン焼結体の耐熱性、電気絶
縁性をほとんど低下させないので好ましい。アルカリ金
属の酸化物またはアルカリ土類金属の酸化物は、単斜晶
相の析出を促進することはできるが、耐熱性、電気絶縁
性を著しく低下させるため好ましくない。
ムおよびタングステンからなる群から選ばれる1種以上
の金属の酸化物は、セルシアン焼結体の耐熱性、電気絶
縁性をほとんど低下させないので好ましい。アルカリ金
属の酸化物またはアルカリ土類金属の酸化物は、単斜晶
相の析出を促進することはできるが、耐熱性、電気絶縁
性を著しく低下させるため好ましくない。
【0012】ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物の含有量は、ZrO2 、HfO2 、CeO2 お
よびWO2 として、焼結体中において合量で0.1〜5
重量%、特には0.5〜1.5重量%であるのが好まし
い。上記含有量が0.1重量%未満ではセルシアン組成
物を焼結する段階において、実質的に単斜晶相のみを析
出できず、単斜晶と六方晶の混合相からなる焼結体が生
成する。また5重量%超では単斜晶相のみを析出できる
が、焼結体の熱膨張係数が大きくなり好ましくない。
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物の含有量は、ZrO2 、HfO2 、CeO2 お
よびWO2 として、焼結体中において合量で0.1〜5
重量%、特には0.5〜1.5重量%であるのが好まし
い。上記含有量が0.1重量%未満ではセルシアン組成
物を焼結する段階において、実質的に単斜晶相のみを析
出できず、単斜晶と六方晶の混合相からなる焼結体が生
成する。また5重量%超では単斜晶相のみを析出できる
が、焼結体の熱膨張係数が大きくなり好ましくない。
【0013】なお、本発明の単斜晶セルシアン焼結体
は、実質的に単斜晶であればよく、本発明の目的および
効果を損なわない範囲、例えば4×10-6/℃以下の小
さい熱膨張係数を維持すべく、熱膨張係数を著しく上げ
ない程度(具体的には10体積%以下、好ましくは1体
積%以下)において、六方晶等の結晶相が含まれていて
もよい。
は、実質的に単斜晶であればよく、本発明の目的および
効果を損なわない範囲、例えば4×10-6/℃以下の小
さい熱膨張係数を維持すべく、熱膨張係数を著しく上げ
ない程度(具体的には10体積%以下、好ましくは1体
積%以下)において、六方晶等の結晶相が含まれていて
もよい。
【0014】本発明による単斜晶セルシアン焼結体を得
るための重要な第1段階は、原料であるセルシアン組成
物の入手であるが、本発明に適したセルシアン組成物は
市販されておらず、合成する必要がある。本発明者ら
は、先に特願平9−264253においてアーク溶融法
によって工業的に有意な製造法でセルシアン組成物を合
成する手段を提供しており、本目的に対して有効に使用
できることが判明した。すなわち、アーク溶融後、急冷
によって得られたセルシアン組成物を粉砕によって微粉
化し、成形後、所定の焼結条件のもとに焼結することに
よって緻密な焼結体が得られる。
るための重要な第1段階は、原料であるセルシアン組成
物の入手であるが、本発明に適したセルシアン組成物は
市販されておらず、合成する必要がある。本発明者ら
は、先に特願平9−264253においてアーク溶融法
によって工業的に有意な製造法でセルシアン組成物を合
成する手段を提供しており、本目的に対して有効に使用
できることが判明した。すなわち、アーク溶融後、急冷
によって得られたセルシアン組成物を粉砕によって微粉
化し、成形後、所定の焼結条件のもとに焼結することに
よって緻密な焼結体が得られる。
【0015】ここで、焼結に用いるセルシアン組成物
は、本質的に非晶質からなるガラスであることが重要で
あり、結晶化したセルシアン組成物を用いて焼結しても
充分に緻密な焼結体は得られない。
は、本質的に非晶質からなるガラスであることが重要で
あり、結晶化したセルシアン組成物を用いて焼結しても
充分に緻密な焼結体は得られない。
【0016】また、本発明において単斜晶セルシアン焼
結体を得るためには、セルシアン組成物としては、Ba
O・xAl2 O3 ・ySiO2 (ここでxは0.5〜
1.2、yは1.5〜2.5)で示されるバリウムアル
ミニウムシリケートを用いるのが好ましい。セルシアン
組成物として、xまたはyが上記範囲外であるものを用
いた場合は、目的のセルシアン焼結体以外に、バリウム
シリケートであるBaO・2SiO2 、バリウムアルミ
ネートであるBaO・Al2 O3 、アルミノシリケート
であるムライト、または出発原料であるアルミナやシリ
カ等が混合相として得られ、耐熱性や低い熱膨張性を損
なうおそれがあるので好ましくない。
結体を得るためには、セルシアン組成物としては、Ba
O・xAl2 O3 ・ySiO2 (ここでxは0.5〜
1.2、yは1.5〜2.5)で示されるバリウムアル
ミニウムシリケートを用いるのが好ましい。セルシアン
組成物として、xまたはyが上記範囲外であるものを用
いた場合は、目的のセルシアン焼結体以外に、バリウム
シリケートであるBaO・2SiO2 、バリウムアルミ
ネートであるBaO・Al2 O3 、アルミノシリケート
であるムライト、または出発原料であるアルミナやシリ
カ等が混合相として得られ、耐熱性や低い熱膨張性を損
なうおそれがあるので好ましくない。
【0017】なお、本発明においてセルシアン組成物と
は、焼結により単斜晶セルシアン焼結体を生成しうるも
のをいい、該セルシアン組成物は、ジルコニウム、ハフ
ニウム、セリウムおよびタングステンからなる群から選
ばれる1種以上の金属の酸化物を生成しうる化合物を含
有していてもよい。
は、焼結により単斜晶セルシアン焼結体を生成しうるも
のをいい、該セルシアン組成物は、ジルコニウム、ハフ
ニウム、セリウムおよびタングステンからなる群から選
ばれる1種以上の金属の酸化物を生成しうる化合物を含
有していてもよい。
【0018】本発明のセルシアン焼結体の製造方法とし
ては、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよびタン
グステンからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化
物と、セルシアン組成物の粉末とを混合した後、焼結す
る方法が挙げられる。ジルコニウム、ハフニウム、セリ
ウムおよびタングステンからなる群から選ばれる1種以
上の金属の酸化物は、純度が99.5%以上のものが好
ましい。また、上記酸化物の平均粒径は3μm以下、特
には1μm以下であるのが好ましい。
ては、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよびタン
グステンからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化
物と、セルシアン組成物の粉末とを混合した後、焼結す
る方法が挙げられる。ジルコニウム、ハフニウム、セリ
ウムおよびタングステンからなる群から選ばれる1種以
上の金属の酸化物は、純度が99.5%以上のものが好
ましい。また、上記酸化物の平均粒径は3μm以下、特
には1μm以下であるのが好ましい。
【0019】また、本発明の別のセルシアン焼結体の製
造方法としては、ジルコニウム、ハフニウム、セリウム
およびタングステンからなる群から選ばれる1種以上の
金属の酸化物を含有するセルシアン組成物の粉末を焼結
する方法が挙げられる。前記酸化物を含有するセルシア
ン組成物は、セルシアン組成物を合成する際に上記酸化
物を添加、混合する方法、または、セルシアン組成物を
合成する際にジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の水酸化物、塩化物、硫化物等、酸化物を生成しうる化
合物を添加、混合する方法等によって得られる。
造方法としては、ジルコニウム、ハフニウム、セリウム
およびタングステンからなる群から選ばれる1種以上の
金属の酸化物を含有するセルシアン組成物の粉末を焼結
する方法が挙げられる。前記酸化物を含有するセルシア
ン組成物は、セルシアン組成物を合成する際に上記酸化
物を添加、混合する方法、または、セルシアン組成物を
合成する際にジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の水酸化物、塩化物、硫化物等、酸化物を生成しうる化
合物を添加、混合する方法等によって得られる。
【0020】セルシアン組成物の粉末は以下の方法によ
り製造される。非晶質のセルシアンガラス組成物をジョ
ークラッシャ、振動ミルなどの一般的な粗粉砕機により
破砕する。破砕して得られた粉末は100μm以上であ
り、焼結用原料としては粗いため、該粉末をボールミ
ル、遊星ミルなどの微粉砕機によりさらに粉砕する。上
記の方法により得られる粒子の粒径は、大部分が30μ
m以下であるのが好ましい。また、上記粒子の平均粒径
は10μm以下、特には5μm以下にするのが好まし
い。平均粒径が10μm超のものを用いると、上記ガラ
ス組成物が、粘性流動により充分に緻密化する前に結晶
化を開始し、理論密度に対して95%以上の充分に緻密
な焼結体を得ることが困難となる。
り製造される。非晶質のセルシアンガラス組成物をジョ
ークラッシャ、振動ミルなどの一般的な粗粉砕機により
破砕する。破砕して得られた粉末は100μm以上であ
り、焼結用原料としては粗いため、該粉末をボールミ
ル、遊星ミルなどの微粉砕機によりさらに粉砕する。上
記の方法により得られる粒子の粒径は、大部分が30μ
m以下であるのが好ましい。また、上記粒子の平均粒径
は10μm以下、特には5μm以下にするのが好まし
い。平均粒径が10μm超のものを用いると、上記ガラ
ス組成物が、粘性流動により充分に緻密化する前に結晶
化を開始し、理論密度に対して95%以上の充分に緻密
な焼結体を得ることが困難となる。
【0021】成形方法は、一般的な金型成形、射出成形
など従来のセラミックス成形方法で用いられている方法
でよい。また、セルシアン組成物と、ジルコニウム、ハ
フニウム、セリウムおよびタングステンからなる群から
選ばれる1種以上の金属の酸化物の混合粉末に、セラミ
ックス系の分散剤であるトリポリリン酸ナトリウム、コ
ハク酸アンモニウムのような多塩基酸アンモニウム塩を
添加し、さらに結合強化するためのポリビニルアルコー
ル(以下PVAという)などのバインダを加え、鋳込み
成形することもできる。
など従来のセラミックス成形方法で用いられている方法
でよい。また、セルシアン組成物と、ジルコニウム、ハ
フニウム、セリウムおよびタングステンからなる群から
選ばれる1種以上の金属の酸化物の混合粉末に、セラミ
ックス系の分散剤であるトリポリリン酸ナトリウム、コ
ハク酸アンモニウムのような多塩基酸アンモニウム塩を
添加し、さらに結合強化するためのポリビニルアルコー
ル(以下PVAという)などのバインダを加え、鋳込み
成形することもできる。
【0022】本発明における焼結方法としては、充分乾
燥した成形体をガス炉、電気炉などの中に入れ焼結を行
う。昇温速度は常温から焼結温度まで400℃/h以下
であることが好ましい。本発明による焼結方法の場合、
800〜1200℃でガラスの軟化および結晶化が始ま
り緻密化する。400℃/h超で昇温するとこの過程に
おける焼結体の体積変化により、焼結後、残留応力によ
る多数の亀裂が発生する。より好ましくは結晶化が開始
する800〜1200℃の温度範囲で昇温速度を下げ、
100℃/h以下とするのがよい。
燥した成形体をガス炉、電気炉などの中に入れ焼結を行
う。昇温速度は常温から焼結温度まで400℃/h以下
であることが好ましい。本発明による焼結方法の場合、
800〜1200℃でガラスの軟化および結晶化が始ま
り緻密化する。400℃/h超で昇温するとこの過程に
おける焼結体の体積変化により、焼結後、残留応力によ
る多数の亀裂が発生する。より好ましくは結晶化が開始
する800〜1200℃の温度範囲で昇温速度を下げ、
100℃/h以下とするのがよい。
【0023】焼結温度は1200〜1700℃とするの
が好ましい。1200℃未満では焼結体の緻密化および
結晶化が充分に進行せず、良好な焼結体を得ることが難
しい。また、1700℃超では緻密化終了後、焼結体中
のガラス相内に溶解しているガス成分(例えば炭酸ガ
ス、窒素ガス)が吐き出されて発泡し、密度が低下する
ため好ましくない。そして、ガラス相を少なくした良好
な焼結体を得るには1200〜1700℃の温度範囲に
おいて長時間保持するのが好ましい。以上の方法によ
り、従来製造できなかった、密度が理論密度に対して9
5%以上である実質的に単斜晶からなるセルシアン焼結
体を容易に提供できる。
が好ましい。1200℃未満では焼結体の緻密化および
結晶化が充分に進行せず、良好な焼結体を得ることが難
しい。また、1700℃超では緻密化終了後、焼結体中
のガラス相内に溶解しているガス成分(例えば炭酸ガ
ス、窒素ガス)が吐き出されて発泡し、密度が低下する
ため好ましくない。そして、ガラス相を少なくした良好
な焼結体を得るには1200〜1700℃の温度範囲に
おいて長時間保持するのが好ましい。以上の方法によ
り、従来製造できなかった、密度が理論密度に対して9
5%以上である実質的に単斜晶からなるセルシアン焼結
体を容易に提供できる。
【0024】
【実施例】「例1」溶融後のガラス組成が、モル比でB
aO:Al2 O3 :SiO2 =1:1:2.1である非
晶質のガラスフリットをジョークラッシャにより粗粉砕
し平均粒径が1mmの粉末とした。さらに遊星ミルでア
ルミナボールを用い、粒径が10μm以下であり平均粒
径が3μmの微粉末とした。この微粉末に平均粒径が
0.4μmの酸化ジルコニウム(ZrO2 、純度99.
5重量%以上)微粉末を、両微粉末の合量中1重量%と
なるように添加し、ボールミル混合を行った。その混合
粉末をPVA水溶液を添加して造粒し、200kg/c
m2 の圧力で金型成形後、1.5t/cm2 の圧力で低
温等方圧圧密成形(以下CIP成形という)を行い成形
体を得た。
aO:Al2 O3 :SiO2 =1:1:2.1である非
晶質のガラスフリットをジョークラッシャにより粗粉砕
し平均粒径が1mmの粉末とした。さらに遊星ミルでア
ルミナボールを用い、粒径が10μm以下であり平均粒
径が3μmの微粉末とした。この微粉末に平均粒径が
0.4μmの酸化ジルコニウム(ZrO2 、純度99.
5重量%以上)微粉末を、両微粉末の合量中1重量%と
なるように添加し、ボールミル混合を行った。その混合
粉末をPVA水溶液を添加して造粒し、200kg/c
m2 の圧力で金型成形後、1.5t/cm2 の圧力で低
温等方圧圧密成形(以下CIP成形という)を行い成形
体を得た。
【0025】得られた成形体を抵抗加熱式の電気炉に入
れ、空気中で800℃までは昇温速度300℃/h、9
00〜1200℃の温度範囲では80℃/h、1200
〜1500℃の温度範囲では300℃/hで昇温し、1
500℃で4時間保持し、焼結を行った。得られたセル
シアン焼結体は相対密度が95%と高密度であった。ま
た、この焼結体を粉砕し粉末X線回折により結晶相の同
定を行ったところ、単斜晶セルシアンの単一相であり、
熱膨張係数は3×10-6/℃と低膨張であった。また、
得られた焼結体より試験片を切り出し、機械的性質の測
定を行ったところ弾性率は220GPa、曲げ強度は1
90MPaであった。
れ、空気中で800℃までは昇温速度300℃/h、9
00〜1200℃の温度範囲では80℃/h、1200
〜1500℃の温度範囲では300℃/hで昇温し、1
500℃で4時間保持し、焼結を行った。得られたセル
シアン焼結体は相対密度が95%と高密度であった。ま
た、この焼結体を粉砕し粉末X線回折により結晶相の同
定を行ったところ、単斜晶セルシアンの単一相であり、
熱膨張係数は3×10-6/℃と低膨張であった。また、
得られた焼結体より試験片を切り出し、機械的性質の測
定を行ったところ弾性率は220GPa、曲げ強度は1
90MPaであった。
【0026】「例2」溶融後のガラス組成がモル比でB
aO:Al2 O3 :SiO2 =1:1:2.1となる原
料粉末中に、酸化ジルコニウム(ZrO2 、純度99.
5重量%以上)を、上記原料粉末と酸化ジルコニウムの
合量中1重量%となるように乾式で混合した。混合した
粉末を溶融、急冷し非晶質のガラスフリットを得た。得
られたガラスフリットの組成はモル比でBaO:Al2
O3 :SiO2 =0.9:1:1.9であり、酸化ジル
コニウム(ZrO2 )の含有量は0.7重量%であっ
た。
aO:Al2 O3 :SiO2 =1:1:2.1となる原
料粉末中に、酸化ジルコニウム(ZrO2 、純度99.
5重量%以上)を、上記原料粉末と酸化ジルコニウムの
合量中1重量%となるように乾式で混合した。混合した
粉末を溶融、急冷し非晶質のガラスフリットを得た。得
られたガラスフリットの組成はモル比でBaO:Al2
O3 :SiO2 =0.9:1:1.9であり、酸化ジル
コニウム(ZrO2 )の含有量は0.7重量%であっ
た。
【0027】このガラスフリットをジョークラッシャに
より粗粉砕し平均粒径が1mmの粉末とした。さらに遊
星ミルでアルミナボールを用い、粒径が15μm以下で
あり平均粒径が5μmの微粉末とした。そのガラス粉末
をPVA水溶液を添加して造粒し、200kg/cm2
の圧力で金型成形後、1.5t/cm2 の圧力でCIP
成形を行い成形体を得た。
より粗粉砕し平均粒径が1mmの粉末とした。さらに遊
星ミルでアルミナボールを用い、粒径が15μm以下で
あり平均粒径が5μmの微粉末とした。そのガラス粉末
をPVA水溶液を添加して造粒し、200kg/cm2
の圧力で金型成形後、1.5t/cm2 の圧力でCIP
成形を行い成形体を得た。
【0028】得られた成形体を抵抗加熱式の電気炉に入
れ、空気中で900℃までは昇温速度400℃/h、9
00〜1200℃の温度範囲では100℃/h、120
0〜1600℃の温度範囲では400℃/hで昇温し、
1600℃で4時間保持し、焼結を行った。得られたセ
ルシアン焼結体の密度は理論密度に対して98%と高密
度であった。この焼結体を粉砕し粉末X線回折により結
晶相の同定を行ったところ、単斜晶セルシアンの単一相
であり、熱膨張係数は3.2×10-6/℃と低膨張であ
った。また、得られた焼結体より試験片を切り出し機械
的性質を測定したところ、弾性率は250GPa、曲げ
強度は210MPaであった。
れ、空気中で900℃までは昇温速度400℃/h、9
00〜1200℃の温度範囲では100℃/h、120
0〜1600℃の温度範囲では400℃/hで昇温し、
1600℃で4時間保持し、焼結を行った。得られたセ
ルシアン焼結体の密度は理論密度に対して98%と高密
度であった。この焼結体を粉砕し粉末X線回折により結
晶相の同定を行ったところ、単斜晶セルシアンの単一相
であり、熱膨張係数は3.2×10-6/℃と低膨張であ
った。また、得られた焼結体より試験片を切り出し機械
的性質を測定したところ、弾性率は250GPa、曲げ
強度は210MPaであった。
【0029】「例3」例1で酸化ジルコニウムを用いる
かわりに酸化ハフニウム(HfO2 、純度99.5%以
上)を用いた以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体
を得た。得られたセルシアン焼結体の密度は理論密度に
対して96%と高密度であった。この焼結体を粉砕し粉
末X線回折により同定を行ったところ、単斜晶セルシア
ンの単一相であり、熱膨張係数は3.1×10-6/℃と
低膨張であった。また、得られた焼結体より試験片を切
り出し機械的性質を測定したところ、弾性率は220G
Pa、曲げ強度は190MPaであった。
かわりに酸化ハフニウム(HfO2 、純度99.5%以
上)を用いた以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体
を得た。得られたセルシアン焼結体の密度は理論密度に
対して96%と高密度であった。この焼結体を粉砕し粉
末X線回折により同定を行ったところ、単斜晶セルシア
ンの単一相であり、熱膨張係数は3.1×10-6/℃と
低膨張であった。また、得られた焼結体より試験片を切
り出し機械的性質を測定したところ、弾性率は220G
Pa、曲げ強度は190MPaであった。
【0030】「例4」例1で酸化ジルコニウムを用いる
かわりに酸化セリウム(CeO2 、純度99.5%以
上)を用いた以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体
を得た。得られたセルシアン焼結体の密度は理論密度に
対して95%と高密度であった。この焼結体を粉砕し粉
末X線回折により同定を行ったところ、単斜晶セルシア
ンの単一相であり、熱膨張係数は3.2×10-6/℃と
低膨張であった。また、得られた焼結体より試験片を切
り出し機械的性質を測定したところ、弾性率は210G
Pa、曲げ強度は180MPaであった。
かわりに酸化セリウム(CeO2 、純度99.5%以
上)を用いた以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体
を得た。得られたセルシアン焼結体の密度は理論密度に
対して95%と高密度であった。この焼結体を粉砕し粉
末X線回折により同定を行ったところ、単斜晶セルシア
ンの単一相であり、熱膨張係数は3.2×10-6/℃と
低膨張であった。また、得られた焼結体より試験片を切
り出し機械的性質を測定したところ、弾性率は210G
Pa、曲げ強度は180MPaであった。
【0031】「例5」例1で酸化ジルコニウムを用いる
かわりに酸化タングステン(WO2 、純度99.5%以
上)を用いた以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体
を得た。得られたセルシアン焼結体の密度は理論密度に
対して97%と高密度であった。この焼結体を粉砕し粉
末X線回折により同定を行ったところ、単斜晶セルシア
ンの単一相であり、熱膨張係数は3.5×10-6/℃と
低膨張であった。また、得られた焼結体より試験片を切
り出し機械的性質を測定したところ、弾性率は210G
Pa、曲げ強度は200MPaであった。
かわりに酸化タングステン(WO2 、純度99.5%以
上)を用いた以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体
を得た。得られたセルシアン焼結体の密度は理論密度に
対して97%と高密度であった。この焼結体を粉砕し粉
末X線回折により同定を行ったところ、単斜晶セルシア
ンの単一相であり、熱膨張係数は3.5×10-6/℃と
低膨張であった。また、得られた焼結体より試験片を切
り出し機械的性質を測定したところ、弾性率は210G
Pa、曲げ強度は200MPaであった。
【0032】「例6(比較例)」酸化ジルコニウム粉末
を添加せず、800℃までの昇温速度を300℃/hと
した以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体を得た。
得られた焼結体の密度は理論密度に対して95%と高密
度であった。しかし、この焼結体を粉砕し粉末X線回折
により同定を行ったところ、六方晶セルシアンの単一相
であり、熱膨張係数は8.2×10-6/℃と高膨張であ
った。また、得られた焼結体より試験片を切り出し、機
械的性質を測定したところ弾性率は200GPa、曲げ
強度は180MPaであった。
を添加せず、800℃までの昇温速度を300℃/hと
した以外は例1と同様にしてセルシアン焼結体を得た。
得られた焼結体の密度は理論密度に対して95%と高密
度であった。しかし、この焼結体を粉砕し粉末X線回折
により同定を行ったところ、六方晶セルシアンの単一相
であり、熱膨張係数は8.2×10-6/℃と高膨張であ
った。また、得られた焼結体より試験片を切り出し、機
械的性質を測定したところ弾性率は200GPa、曲げ
強度は180MPaであった。
【0033】「例7(比較例)」溶融後の組成がモル比
でBaO:SrO:Al2 O3 :SiO2 =0.9:
0.1:1:2となる原料粉末を、溶融、急冷し非晶質
のガラスフリットを得た。得られたガラスフリットの組
成はモル比でBaO:SrO:Al2 O3 :SiO2 =
0.89:0.11:0.9:2.1であった。このガ
ラスフリットをジョークラッシャにより粗粉砕し平均粒
径が1mmの粉末とし、さらに遊星ミルでアルミナボー
ルを用いて粉砕し、平均粒径が3μmの微粉末とした。
そのガラス粉末をPVA水溶液を添加して造粒し200
kg/cm2 の圧力で金型成形後、1.5t/cm2 の
圧力CIP成形を行った。
でBaO:SrO:Al2 O3 :SiO2 =0.9:
0.1:1:2となる原料粉末を、溶融、急冷し非晶質
のガラスフリットを得た。得られたガラスフリットの組
成はモル比でBaO:SrO:Al2 O3 :SiO2 =
0.89:0.11:0.9:2.1であった。このガ
ラスフリットをジョークラッシャにより粗粉砕し平均粒
径が1mmの粉末とし、さらに遊星ミルでアルミナボー
ルを用いて粉砕し、平均粒径が3μmの微粉末とした。
そのガラス粉末をPVA水溶液を添加して造粒し200
kg/cm2 の圧力で金型成形後、1.5t/cm2 の
圧力CIP成形を行った。
【0034】得られた成形体を抵抗加熱式の電気炉に入
れ、空気中で800℃までは昇温速度300℃/h、8
00〜1200℃の温度範囲では100℃/h、120
0〜1600℃の温度範囲では400℃/hとし、焼結
温度1600℃で4時間保持し、焼結を行った。得られ
たセルシアン焼結体の密度は理論密度に対して98%と
高密度であった。この焼結体を粉砕し粉末X線回折によ
り同定を行ったところ、単斜晶セルシアンの単一相であ
ったが、熱膨張係数を測定したところ、5.5×10-6
/℃と中程度の熱膨張であった。また得られた焼結体よ
り試験片を切り出し、機械的性質の測定を行ったところ
弾性率は180GPa、曲げ強度は120MPaと低強
度であった。
れ、空気中で800℃までは昇温速度300℃/h、8
00〜1200℃の温度範囲では100℃/h、120
0〜1600℃の温度範囲では400℃/hとし、焼結
温度1600℃で4時間保持し、焼結を行った。得られ
たセルシアン焼結体の密度は理論密度に対して98%と
高密度であった。この焼結体を粉砕し粉末X線回折によ
り同定を行ったところ、単斜晶セルシアンの単一相であ
ったが、熱膨張係数を測定したところ、5.5×10-6
/℃と中程度の熱膨張であった。また得られた焼結体よ
り試験片を切り出し、機械的性質の測定を行ったところ
弾性率は180GPa、曲げ強度は120MPaと低強
度であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐熱衝撃性に
優れ、熱膨張係数が小さく、好ましくは4.0×10-6
/℃以下の熱膨張係数であり、かつ緻密質のセルシアン
焼結体を容易に製造できる。
優れ、熱膨張係数が小さく、好ましくは4.0×10-6
/℃以下の熱膨張係数であり、かつ緻密質のセルシアン
焼結体を容易に製造できる。
Claims (7)
- 【請求項1】ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物を含有することを特徴とする単斜晶セルシアン
焼結体。 - 【請求項2】ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物の含有量が合量で0.1〜5重量%である請求
項1記載の単斜晶セルシアン焼結体。 - 【請求項3】ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物と、セルシアン組成物の粉末とを混合した後、
焼結することを特徴とする単斜晶セルシアン焼結体の製
造方法。 - 【請求項4】ジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよ
びタングステンからなる群から選ばれる1種以上の金属
の酸化物を含有するセルシアン組成物の粉末を焼結する
ことを特徴とする単斜晶セルシアン焼結体の製造方法。 - 【請求項5】セルシアン組成物がモル比でBaO・xA
l2 O3 ・ySiO2 (ここでxは0.5〜1.2、y
は1.5〜2.5)で示されるバリウムアルミニウムシ
リケートである請求項3または4記載の単斜晶セルシア
ン焼結体の製造方法。 - 【請求項6】セルシアン組成物が、焼結により単斜晶セ
ルシアン焼結体を生成しうる非晶質のガラスである請求
項3または4記載の単斜晶セルシアン焼結体の製造方
法。 - 【請求項7】1200〜1700℃の温度範囲で焼結す
る請求項3、4、5または6記載の単斜晶セルシアン焼
結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10011717A JPH11209170A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 単斜晶セルシアン焼結体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10011717A JPH11209170A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 単斜晶セルシアン焼結体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209170A true JPH11209170A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=11785804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10011717A Pending JPH11209170A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 単斜晶セルシアン焼結体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11209170A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011514872A (ja) * | 2008-02-13 | 2011-05-12 | サン−ゴベン・セントル・ドゥ・レシェルシェ・エ・デチュード・ユーロペアン | Bsas粉末 |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP10011717A patent/JPH11209170A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011514872A (ja) * | 2008-02-13 | 2011-05-12 | サン−ゴベン・セントル・ドゥ・レシェルシェ・エ・デチュード・ユーロペアン | Bsas粉末 |
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