JPH11208532A - スペアタイヤ支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純な構造を有し、かつタイヤの取り出しお
よび収納が容易に行える、車両の車体下面に設けるスペ
アタイヤ支持装置を提案する。 【解決手段】 本支持装置は、タイヤキャリヤと、一端
を前記キャリヤの外周部に、他端を車体下面にそれぞれ
回転自在に取り付けられて、前記キャリヤをほぼ水平に
吊下する少なくとも３本の支持部材と、前記キャリヤの
昇降手段とを具え、タイヤ収納時には、前記昇降手段に
より、前記各支持部材を互いに平行に保ちつつ、車体下
面側の各取り付け部を中心にそれぞれ車体内側方向へ揺
動させて前記キャリアを車体内側方向に斜め上方へ移動
させ、タイヤ取出し時には、前記昇降手段により、前記
各支持部材を互いに平行に保ちつつ、車体下面側の各取
り付け部を中心にそれぞれ車体外側方向へ揺動させて前
記キャリアを車体外側方向に斜め下方へ移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車のスペアタイ
ヤを収納かつ支持するスペアタイヤ支持装置に関するも
のであり、特に車体下面に取り付ける装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】自動車の車体下面に取り付けるスペアタ
イヤ支持装置として、例えば特開平8-295267号に記載の
ものがある。

【０００３】このスペアタイヤ支持装置は、車体下面に
取り付けた支持部材と、タイヤキャリアとを具え、この
タイヤキャリアは、その一端が支持部材にリンクを介し
て枢支され、この枢支された部分を中心に上下に揺動可
能となっている。タイヤをキャリアへ収納またはキャリ
アから取り出す際には、前記枢支部を中心にキャリアを
回転させている。

【０００４】しかし、このようなスペアタイヤ支持装置
には、次のような問題点があった。通常、車体下面の外
縁部にはシルやサイドメンバといった部材が突出してお
り、これらを避けるために支持装置を車体内側、すなわ
ち、より車体の奥の方に設ける必要がある。そのため、
タイヤ交換作業に際しては、支持装置からタイヤを取り
出すために作業者が車体の奥へ手を伸ばしたり、あるい
は車体下に入り込んで作業せざるを得ない場合がある。
また、タイヤを収納または取り出す場合、キャリヤを斜
めに降ろした状態で行うこととなるため、作業がし難
い。

【０００５】また、この支持装置のような構造では、キ
ャリヤからタイヤが脱落するのを防止するためにストッ
パを設ける必要がある。そのため、ストッパを設けるこ
とにより部品点数や重量の増加を招き、コスト上昇の要
因ともなる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点を解決した、タイヤ交換時の作業性を向上させ、かつ
単純な構造で比較的低コストで実現可能なスペアタイヤ
支持装置を提案することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明によるスペアタイヤ支持装置は、タイヤキャリヤ
と、一端を前記キャリヤの外周部に、他端を車体下面に
それぞれ回転自在に取り付けけられて、前記キャリヤを
ほぼ水平に吊下する少なくとも３本の支持部材と、前記
キャリヤの昇降手段とを具え、タイヤ収納時には、前記
昇降手段により、前記各支持部材を互いに平行に保ちつ
つ、車体下面側の各取り付け部を中心にそれぞれ車体内
側方向へ揺動させて前記キャリアを車体内側方向に斜め
上方へ移動させ、タイヤ取出し時には、前記昇降手段に
より、前記各支持部材を互いに平行に保ちつつ、車体下
面側の各取り付け部を中心にそれぞれ車体外側方向へ揺
動させて前記キャリアを車体外側方向に斜め下方へ移動
させることを特徴とする。

【０００８】本発明に係るスペアタイヤ支持装置は、タ
イヤ取り出しに際しては、キャリアを水平に保った状態
で車体内側から外部へ引き出すことができ、またタイヤ
収納時には、同様にキャリアを水平に保った状態で収納
することができる。そのため、タイヤ交換作業をより簡
便に行うことができる。また、キャリア支持部材をキャ
リア外周部に設けたことにより、これら支持部材がタイ
ヤの脱落を防止するストッパとしても作用することとな
り、別にストッパを設ける必要がない。さらに、このよ
うな構成とすることにより、大きさの異なるタイヤに対
しても容易に対応できる。

【０００９】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記各支持部材の車体下面側の
取付位置を、車体内側寄りに少なくとも一箇所、車体外
縁寄りに少なくとも二箇所設けたことを特徴とする。す
なわち、車体内側寄りに設けた支持部材により、スペア
タイヤの車体内側方向への移動を規制することができ、
同時に車体外縁寄りの支持部材により、スペアタイヤの
横方向の移動を規制することができる。

【００１０】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記各支持部材がほぼ等しい長
さを有することを特徴とする。それによって、タイヤの
取り出しおよび収納に際し、キャリヤを常に水平に保つ
ことが可能となる。また、それによって幅の異なるタイ
ヤに対しても対応可能となる。

【００１１】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記車体外縁寄りの取付位置に
一端を取り付けた前記支持部材が屈曲形状を有し、該支
持部材の前記車体下面側の取付位置の間隔を、前記キャ
リア側の取付位置の間隔よりも狭くしたことを特徴とす
る。そのため、該支持部材がスペアタイヤの移動を規制
することとなり、ストッパとしての作用をなすこととな
る。

【００１２】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、車体下面側の取付位置を車体外
縁寄りに設けた前記支持部材を、連結部材によって互い
に連結したことを特徴とする。すなわち、前記連結部材
が、支持部材と共にスペアタイヤの移動を規制するスト
ッパとして機能することとなる。

【００１３】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、車体内側寄りの取付位置に一端
を取り付けた前記支持部材が、約90°で屈曲した略くの
字状をなすことを特徴とする。それによって、キャリヤ
を昇降させる際に、前記支持部材がタイヤと干渉するこ
とが可能となり、また、収納時にはタイヤのストッパと
して機能することとなる。

【００１４】本発明に係るスペアタイヤ支持装置におい
ては、前記昇降手段が、一端を前記キャリアと回転可能
に接続し、他端を車体下面と回転可能に接続した伸縮自
在のアームを具え、前記アームを伸縮させて前記キャリ
アを昇降させることを特徴とする。それによって、キャ
リヤの昇降を比較的単純な手段により実現できることな
り、スペアタイヤ支持装置を比較的低コストで実現でき
ると共に、作業性の向上をも図ることができる。

【００１５】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記アームが、その一端が前記
キャリアと回転可能に接続し、他端が車体下面に回転可
能に支持されたボルトと内側で螺合する円筒部材であ
り、前記ボルトを回転させることにより該アームを伸縮
させて前記キャリアを昇降させることを特徴とする。す
なわち、キャリアの昇降手段をこのような単純な構成と
することにより、スペアタイヤ支持装置を比較的低コス
トで実現することが可能となり、かつ作業性の向上も図
れることとなる。

【００１６】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記昇降手段が、車体下面に回
転可能に取り付けた円筒部材と、前記円筒部材に巻き付
けた、一端が前記キャリヤと接続したワイヤとを具え、
前記円筒部材を回転させて前記ワイヤの前記円筒部材か
らの繰り出し、または前記円筒部材への巻き付けを行う
ことにより前記キャリヤの昇降を行うことを特徴とす
る。このような構成とすることにより、キャリヤの昇降
手段を比較的単純な構成で実現することとなり、低コス
ト化に寄与すると共に作業性の向上をも図ることができ
る。

【００１７】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記昇降手段が、車体下面に回
転可能に取り付けた円筒部材と、この円筒部材の一端に
取り付けた第一の歯車と、前記円筒部材に巻き付けた、
一端が前記キャリヤと接続したワイヤと、前記第一の歯
車と噛み合う、車体下面に回転可能に取り付けた第二の
歯車とを具え、前記第二の歯車を回転させて前記ワイヤ
の前記円筒部材からの繰り出し、または前記円筒部材へ
の巻き付けを行うことにより前記キャリヤの昇降を行う
ことを特徴とする。このような構成とすることにより、
比較的単純な構成でキャリヤ昇降手段が実現でき、また
キャリヤの昇降が容易となり、作業性の向上をも図るこ
とができる。

【００１８】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記昇降手段が、前記支持部材
の内少なくとも一つを車体側取付部の周りに揺動させ得
るように取り付けたウォームホイールと、これと噛み合
う、車体下面に回転可能に取り付けたウォームとを具
え、前記ウォームを回転させることにより前記支持部材
を揺動させて前記キャリアの昇降を行うことを特徴とす
る。このような構成とすることにより、キャリヤの昇降
手段を比較的単純な構成で実現することとなり、低コス
ト化に寄与すると共に作業性の向上をも図ることができ
る。

【００１９】本発明に係るスペアタイヤ支持装置の好適
な実施形態においては、前記昇降手段が、前記車体下面
に車幅方向へ移動可能に取り付けたスライダを具え、こ
のスライダを介して、前記支持部材の少なくとも一つの
車体側取付部を車体下面に取り付け、前記スライダの移
動により前記支持部材を揺動させて前記キャリアの昇降
を行うよう構成したことを特徴とする。このような構成
とすることにより、キャリヤの昇降手段を比較的単純な
構成で実現することとなり、低コスト化に寄与すると共
に作業性の向上をも図ることができる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。

【００２１】図１は、本発明によるスペアタイヤ支持装
置のキャリアの一形態を示すものである。キャリア１
は、略６角形状の枠部材２、縦部材３および横部材４か
らなり、縦部材３の一端および横部材４の両端部がそれ
ぞれ上方に折り曲げられて、キャリア１上に載置したス
ペアタイヤの移動を規制する。またキャリア１には支持
部材５〜８が設けられ、各支持部材は枠部材２に設けた
ジョイント2a〜2dでキャリア１と、車体下面９（図示せ
ず）に設けたジョイント9a〜9dで車体下面９と、それぞ
れ回転可能に接続する。

【００２２】図２は、本発明に係るスペアタイヤ支持装
置の一実施形態を示す側面図であり、この装置では図１
に示すキャリア１を用いている。キャリア１は、支持部
材５〜８によって車体下面９に回転可能に取り付けられ
ている。ここで符号10はスペアタイヤ、11は車体のサイ
ドメンバ、12はサイドシルをそれぞれ示している。図で
は、支持部材５〜８は全て長さが等しい。そのため、キ
ャリア１の収納時および昇降時において、これを常に水
平に保つことが可能である。

【００２３】また、図２に示す支持装置には、キャリア
１の昇降手段として、伸縮自在のアーム13が設けられて
いる。アーム13の内面にはねじ溝が設けられており、ア
ーム13の一端には、このねじ溝と螺合するボルト14が、
車体下面の取付金具15を貫通して設けられている。ここ
で、ボルト14が貫通する取付金具15の貫通穴は、後述す
るキャリアの昇降動作のため、細長の溝状をなす。ま
た、アーム13の他端は、ジョイント2aと回転可能に接続
している。

【００２４】図３は、図２に示す支持装置の動作状態を
示すものである。以下、図を参照して支持装置の動作手
順を説明する。タイヤ交換のためにキャリアを降ろす場
合を考えると、まず、図３に想像線で示す収納状態か
ら、アーム13先端のボルト14を回転させる。ボルト14の
回転によってアーム13が伸び、これに伴って支持部材５
〜８が、その車体下面９のジョイント9a〜9dを中心に、
図の左側から右側に（すなわち、車体の内側から外側
に）向かって揺動する。そのためこれら支持部材とジョ
イント2a〜2dで接続しているキャリア１が、水平状態を
保ちつつ車体の外側に向かって斜め下方に、図の実線で
示す位置まで移動する。その後、キャリア１よりスペア
タイヤ10をそのまま引き出す、あるいはキャリア１に交
換したタイヤを載せれば良い。また、ボルト14を逆方向
に回転させてアーム13を縮めることにより、キャリア１
を車体内側方向に斜め上方に移動させて収納状態に戻す
ことができる。

【００２５】本支持装置は、上述したような構成として
いることにより、スペアタイヤの取り出し、および収納
作業が容易に行えることとなる。特に本例のようにキャ
リアを車体外側に向かって下降させるようにすること
で、サイドシルなどの車体下面に突出している部材を避
けるように車体内側に支持装置を取り付けても、スペア
タイヤの取り出しおよび収納が容易となる。また、キャ
リアが移動の際に常に水平状態を保つことから、例えば
パンク時のように車体下面と地面との間が比較的狭くな
っている状態でもタイヤ交換作業が行える。さらに、キ
ャリア１が最下方に位置する（図３の実線で示す位置）
際にもアーム13とボルト14とが分離しないようにするこ
とで、キャリア１は固定された状態となり、タイヤの取
り出しおよび収納時にキャリアが動いたりすることがな
い。

【００２６】また、一般にスペアタイヤは、通常のタイ
ヤと比較して幅の狭いものであり、タイヤ交換を行った
後には、スペアタイヤと交換した通常のタイヤを収納す
る必要がある。この場合、本支持装置では、図４に示す
ように通常のタイヤ10' をキャリア１に載せても、収納
位置でのキャリア１がわずかに下がるだけである。した
がって、幅の異なるタイヤに対応するための部品の追加
などの必要がない。さらに、本支持装置では、収納状態
において支持部材５〜８によってタイヤ10が挟まれる、
換言すれば支持部材がタイヤの横方向の移動を規制する
ストッパの役割をも果たすこととなるので、別にストッ
パを設ける必要がない。

【００２７】図５および６は、本発明に係るスペアタイ
ヤ支持装置の第二の実施形態を示すものである。本装置
においては、ドラム16が取付金具17により車体下面９に
回転可能に取り付けられ、このドラム16にはワイヤ18が
巻き付けられている。ワイヤ18の一端はジョイント2aと
接続している。ドラム16の一端には歯車19が設けられ、
またボルト20が取り付け金具21により車体下面に回転可
能に取り付けられ、さらにボルト20の一端には、歯車19
と噛み合う歯車20が設けられている。ボルト20を回転さ
せると、その一端に設けた歯車19と噛み合う歯車20が回
転し、それによってドラム16も回転してワイヤ18が繰り
出される。これに伴って支持部材５〜８が車体下面のジ
ョイント9a〜9dを中心に揺動して、キャリア１が下降す
る。また、ボルト20を逆回転させてワイヤ18を巻き取る
ことにより、キャリア１を収納位置まで上昇させること
ができる。

【００２８】本例ではワイヤを用いてキャリアを昇降さ
せていることから、図２〜３に示す支持装置のように、
アームの長さや揺動する角度によってキャリアの昇降す
る高さや水平方向の移動距離が制約を受けることがな
い。

【００２９】図７および８は、本発明に係るスペアタイ
ヤ支持装置の第三の実施形態を示すものであり、図５〜
６に示した装置と同様にワイヤによってキャリアを昇降
させるものである。本装置は、ワイヤ18を巻き付けたド
ラム23を取付金具24により車体下面９に回転可能に設
け、ドラム23の軸の一端に設けたボルト25を回転させて
ワイヤ18の繰り出しおよび巻き取りを行ってキャリア１
を昇降させるもので、ワイヤ18は取付金具24に設けたガ
イド穴24a を通してキャリア１と接続している。このガ
イド穴24a を通すことにより、キャリア１の昇降に伴う
ワイヤの方向の変化に対応している。本装置は、図５〜
６に示す装置と比較して、簡単な機構でキャリアの昇降
が行えるという利点を有する。

【００３０】図９および図10は、本発明に係るスペアタ
イヤ支持装置における、キャリア支持部材の配置の一形
態を示すものであり、例えば図２〜図８に示すような装
置における支持部材の配置を示すものである。図９は、
収納状態にあるキャリアを上から見た平面図であるが、
支持部材５’および８’が、車体下面側の端部がキャリ
ア内側寄りに屈曲した形状をなしている。このような構
成により、収納状態におけるタイヤ10のキャリア１上で
の、車体前後方向の移動のみならず、車体外側方向への
移動をも規制することができ、走行中にタイヤ10がキャ
リア１から脱落するのを防ぐことが可能となる。また、
図10に示すように、キャリアを降ろした際には支持部材
５’および８’の屈曲部はタイヤ10の上方に位置するこ
ととなるため、タイヤの取り出しおよび収納時の妨げに
はならない。

【００３１】図11および図12は、キャリア支持部材の配
置の他の形態を示すものである。本例では、支持部材５
〜８は全て直線状をなしているが、支持部材５と８との
間に中間部材26を設けている。図11に示すように、キャ
リア１の収納時には、この中間部材26がタイヤ10の車体
外側方向への移動を規制するストッパの役割を果たす。
また、図12に示すように、中間部材26をジョイント9aお
よび9d寄りに設けることで、この部材がタイヤの取り出
しおよび収納時の妨げとならないようにすることができ
る。

【００３２】図13は、本発明に係るスペアタイヤ支持装
置のキャリヤの、他の実施形態を示すものである。図示
のキャリア27は、図１のキャリア１と同様に、略６角形
状の枠部材28、縦部材29および横部材30からなるが、縦
部材29の一端に設けたジョイント29a に支持部材31が回
転可能に取り付けられ、枠部材28の二箇所のジョイント
28a および28b に支持部材32および33がそれぞれ回転可
能に取り付けられている。

【００３３】図14は、本発明に係るスペアタイヤ支持装
置の第四の実施形態を示すものである。本装置では図13
に示すキャリア27を用い、支持部材31' は約90°に曲げ
られた略くの字状をなす。これによって、図に想像線で
示すように支持部材31' がタイヤ10のストッパの役割を
なす。本装置には、車体下面９の設けた取付金具35を貫
通して回転可能にボルト34が設けられ、ボルト34先端に
はウォーム36が取り付けられている。ウォーム36は、ジ
ョイント9eに、支持部材32と共に回転するように取り付
けられた略扇形のウォームホイール37と噛み合う。ボル
ト34を回転させると、ウォームホイール37が回転すると
共に支持部材31' 、32および33がそれぞれジョイント9e
〜9gを中心に揺動し、それによってキャリア27が昇降す
る。

【００３４】図15は、本発明に係るスペアタイヤ支持装
置の第五の実施形態を示すものである。本装置では、支
持部材31の他端はスライドピン44と回転可能に接続し、
ピン44は車体下面９に取り付けたブラケット38の溝38a
中を水平に移動する。このピン44の移動によってキャリ
ア27が昇降する。

【００３５】図16は、スライドピン44の移動する機構を
示すものである。一端がスライドピン44と接続した支持
部材31は、二つのブラケット38、39に挟まれている。ブ
ラケット39の内側にはねじ切りされた軸40が、取付金具
41および42により車体下面９（図示せず）に取り付けら
れ、軸40の一端にはボルト43が設けられている。スライ
ドピン44の一端は、軸40上を前後に移動するナット45に
取り付けられている。ボルト43を回転させると、ナット
45が軸40上を移動し、それによってスライドピン44がブ
ラケット38、39内を移動する。そのため、支持部材31、
32が揺動し、その結果キャリア27が昇降することとな
る。

【００３６】以上述べたように、本発明に係るスペアタ
イヤ支持装置は、タイヤキャリアを水平状態に保ったま
ま昇降させることができることから、タイヤ交換作業が
容易となる。また本装置は比較的単純な構造を有し、特
にキャリア支持部材にタイヤストッパの機能をも持たせ
ることにより、支持装置に係る部品点数を削減すること
ができ、コストの低減化に寄与することができる。

【００３７】なお、本発明は上述した例に限定されるも
のではなく、他の実施形態も可能である。例えば、図２
〜８に記載の装置に図13のキャリアを適用することも可
能であり、また図14〜16記載の装置においても、図１の
キャリアを用いることができる。さらに図13のキャリア
の、枠部材に取り付けた支持部材を、図９〜12のような
形状および配置にすることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るスペアタイヤ支持装置のキャリヤ
の外観を示す斜視図である。

【図２】本発明の第一の実施形態に係るスペアタイヤ支
持装置の側面図である。

【図３】図２に示す装置の動作状態を示す側面図であ
る。

【図４】図２に示す装置のスペアタイヤ収納状態を示す
側面図である。

【図５】本発明の第二の実施形態に係るスペアタイヤ支
持装置の側面図である。

【図６】図５に示す装置の動作状態を示す側面図であ
る。

【図７】本発明の第三の実施形態に係るスペアタイヤ支
持装置の側面図である。

【図８】図７に示す装置の動作状態を示す側面図であ
る。

【図９】本発明に係るスペアタイヤ支持装置におけるキ
ャリヤ支持部材の配置の一形態を示す平面図である。

【図１０】図１０に示す支持装置の正面図である。

【図１１】本発明に係るスペアタイヤ支持装置における
キャリヤ支持部材の配置の他の形態を示す平面図であ
る。

【図１２】図１１に示す支持装置の正面図である。

【図１３】本発明に係るスペアタイヤ支持装置のキャリ
ヤの、他の実施形態の外観を示す斜視図である。

【図１４】本発明の第四の実施形態に係るスペアタイヤ
支持装置の側面図である。

【図１５】本発明の第五の実施形態に係るスペアタイヤ
支持装置の側面図である。

【図１６】図５に示す装置の、支持部材の移動機構を示
す平面図である。

【符号の説明】

１，27 タイヤキャリア ２，28 タイヤキャリアの枠部材 ３，29 タイヤキャリアの縦部材 ４，30 タイヤキャリアの横部材 ５，６，７，８，31，32，33 タイヤキャリア支持部材 ９ 車体下面 10 タイヤ 11 車体のサイドメンバ 12 車体のサイドシル 13 キャリア昇降用アーム 14 ボルト 15 昇降用アーム取付金具 16，23 ワイヤ巻き取りドラム 17，24 ワイヤ巻き取りドラム取付金具 18 ワイヤ 19，22 歯車 20，25，34，43 ボルト 21，35 ボルト取付金具 26 中間部材 36 ウォーム 37 ウォームホイール 38，39 ブラケット 40 軸 41，42 軸40の取付金具 44 スライドピン 45 ナット

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タイヤキャリヤと、 一端を前記キャリヤの外周部に、他端を車体下面にそれ
   ぞれ回転自在に取り付けられて、前記キャリヤをほぼ水
   平に吊下する少なくとも３本の支持部材と、 前記キャリヤの昇降手段と、 を具え、 タイヤ収納時には、前記昇降手段により、前記各支持部
   材を互いに平行に保ちつつ、車体下面側の各取り付け部
   を中心にそれぞれ車体内側方向へ揺動させて前記キャリ
   アを車体内側方向に斜め上方へ移動させ、 タイヤ取出し時には、前記昇降手段により、前記各支持
   部材を互いに平行に保ちつつ、車体下面側の各取り付け
   部を中心にそれぞれ車体外側方向へ揺動させて前記キャ
   リアを車体外側方向に斜め下方へ移動させることを特徴
   とするスペアタイヤ支持装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の装置において、 前記各支持部材の車体下面側の取付位置を、車体内側寄
   りに少なくとも一箇所、車体外縁寄りに少なくとも二箇
   所設けたことを特徴とするスペアタイヤ支持装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の装置において、 前記各支持部材がほぼ等しい長さを有することを特徴と
   するスペアタイヤ支持装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の装置において、 前記車体外縁寄りの取付位置に一端を取り付けた前記支
   持部材が屈曲形状を有し、 該支持部材の前記車体下面側の取付位置の間隔を、前記
   キャリア側の取付位置の間隔よりも狭くしたことを特徴
   とするスペアタイヤ支持装置。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれか１項記載の装置
   において、 車体下面側の取付位置を車体外縁寄りに設けた前記支持
   部材を連結部材によって互いに連結したことを特徴とす
   るスペアタイヤ支持装置。
6. 【請求項６】 請求項１〜５のいずれか１項記載の装置
   において、 前記車体内側寄りの取付位置に一端を取り付けた前記支
   持部材が、約90°で屈曲した略くの字型をなすことを特
   徴とするスペアタイヤ支持装置。
7. 【請求項７】 請求項１〜６のいずれか１項記載の装置
   において、 前記昇降手段が、一端を前記キャリアと回転可能に接続
   し、他端を車体下面と回転可能に接続した伸縮自在のア
   ームを具え、 前記アームを伸縮させて前記キャリアを昇降させること
   を特徴とするスペアタイヤ支持装置。
8. 【請求項８】 請求項７記載の装置において、 前記アームが、その一端が前記キャリアと回転可能に接
   続し、他端が車体下面に回転可能に支持されたボルトと
   内側で螺合する円筒部材であり、 前記ボルトを回転させることにより該アームを伸縮させ
   て前記キャリアを昇降させることを特徴とするスペアタ
   イヤ支持装置。
9. 【請求項９】 請求項１〜５のいずれか１項記載の装置
   において、 前記昇降手段が、車体下面に回転可能に取り付けた円筒
   部材と、前記円筒部材に巻き付けた、一端が前記キャリ
   ヤと接続したワイヤとを具え、 前記円筒部材を回転させて前記ワイヤの前記円筒部材か
   らの繰り出し、または前記円筒部材への巻き付けを行う
   ことにより前記キャリヤの昇降を行うことを特徴とする
   スペアタイヤ支持装置。
10. 【請求項１０】 請求項９記載の装置において、 前記昇降手段が、車体下面に回転可能に取り付けた円筒
    部材と、この円筒部材の一端に取り付けた第一の歯車
    と、前記円筒部材に巻き付けた、一端が前記キャリヤと
    接続したワイヤと、前記第一の歯車と噛み合う、車体下
    面に回転可能に取り付けた第二の歯車とを具え、 前記第二の歯車を回転させて前記ワイヤの前記円筒部材
    からの繰り出し、または前記円筒部材への巻き付けを行
    うことにより前記キャリヤの昇降を行うことを特徴とす
    るスペアタイヤ支持装置。
11. 【請求項１１】 請求項１〜５のいずれか１項記載の装
    置において、 前記昇降手段が、前記支持部材の内少なくとも一つを車
    体側取付部の周りに揺動させ得るように取り付けたウォ
    ームホイールと、これと噛み合う、車体下面に回転可能
    に取り付けたウォームとを具え、 前記ウォームを回転させることにより前記支持部材を揺
    動させて前記キャリアの昇降を行うことを特徴とするス
    ペアタイヤ支持装置。
12. 【請求項１２】 請求項１〜５のいずれか１項記載の装
    置において、 前記昇降手段が、前記車体下面に車幅方向へ移動可能に
    取り付けたスライダを具え、このスライダを介して、前
    記支持部材の少なくとも一つの車体側取付部を車体下面
    に取り付け、前記スライダの移動により前記支持部材を
    揺動させて前記キャリアの昇降を行うよう構成したこと
    を特徴とするスペアタイヤ支持装置。