JPH11208317A - 自動変速機付車両のパワートレイン制御装置 - Google Patents

自動変速機付車両のパワートレイン制御装置

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Publication number
JPH11208317A
JPH11208317A JP10016091A JP1609198A JPH11208317A JP H11208317 A JPH11208317 A JP H11208317A JP 10016091 A JP10016091 A JP 10016091A JP 1609198 A JP1609198 A JP 1609198A JP H11208317 A JPH11208317 A JP H11208317A
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JP
Japan
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speed
vehicle
line
target
automatic transmission
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Application number
JP10016091A
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English (en)
Inventor
Minoru Kuriyama
実 栗山
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】変速時の空吹きを抑える。 【解決手段】ダウンシフト変速時の自動変速機の目標タ
ービン回転数を算出し、実タービン回転数を目標回転数
になるように制御する際に、目標タービン回転数と実タ
ービン回転数とを比較し、実タービン回転数が目標ター
ビン回転数に所定値を加えた値より大きい区間において
トルクダウン制御を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機付車両
のパワートレイン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−105341号には、変速終
了時の予測回転数から一定回転数を差し引いてトルクダ
ウン開始ポイント及び終了ポイントを設定し、この区間
でトルクダウン制御を実行する際に発生する変速ショッ
クを防止するものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動変速機の制御では、変速中に自動変速機の入力軸の
空吹きが発生する場合にはタービン回転数上昇が急激な
ため上記トルクダウン区間を一瞬よぎるだけで空吹き防
止効果が小さく、また、空吹きが発生しない場合にはト
ルクダウンが大きすぎて加速不良が発生してしまう。
【0004】本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、そ
の目的は、目標タービン回転数と実タービン回転数とを
比較し、実タービン回転数が目標タービン回転数に所定
オフセット値を加えた値より大きい区間においてトルク
ダウン制御を実行することにより、変速中の空吹きを抑
える自動変速機付車両のパワートレイン制御装置を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、目的
を達成するために、本発明の自動変速機付車両のパワー
トレイン制御装置は、以下の構成を備える。即ち、自動
変速機の入力軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
変速時の前記入力軸の目標回転数を算出する回転数算出
手段と、変速時に、前記入力軸の回転数が前記目標回転
数になるように前記入力軸の回転数と前記目標回転数と
の差に基づいて前記自動変速機をフィードバック制御す
る変速制御手段と、駆動源の出力を制御する出力制御手
段とを備え、前記出力制御手段は、前記回転数と目標回
転数との差が所定回転数以上となった場合に、前記駆動
源の出力を低下させる。
【0006】また、好ましくは、前記所定回転数を車両
の運転状態に応じて変更する変更手段を更に具備する。
【0007】また、好ましくは、車両の走行状態を検出
する走行状態検出手段と、前記走行状態に応じて目標変
速時間を設定する目標変速時間設定手段とを更に備え、
前記回転数算出手段が前記目標変速時間に基づいて前記
目標回転数を算出し、前記変更手段は、前記車両の運転
状態として、前記目標変速時間が大きくなるに従って、
前記所定回転数を増大方向に変更する。
【0008】また、好ましくは、前記変更手段は、前記
車両の運転状態として、前記自動変速機の入力軸の目標
回転数の変化速度が大きくなるに従って、前記所定回転
数を増大方向に変更する。
【0009】また、好ましくは、前記変更手段は、前記
車両の運転状態として、前記自動変速機の作動油温が低
い程、前記所定回転数を減少方向に変更する。
【0010】また、好ましくは、前記変更手段は、前記
車両の運転状態として、変速前後のギア比の変化幅が大
きい程、前記所定回転数を増大方向に変更する。
【0011】また、好ましくは、前記変更手段は、前記
車両の運転状態として、車速が大きくなるに従って、前
記所定回転数を増大方向に変更する。
【0012】また、好ましくは、変速初期は変速後期に
比べて前記所定回転数を増大方向に変更する変更手段を
更に具備する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して、機械的構成、油圧制御回路、
及び変速制御動作に分けて詳細に説明する。 [機械的構成]まず、図1の骨子図により本実施の形態
に係る自動変速機10の全体の機械的な概略構成を説明
する。
【0014】この自動変速機10は、主たる構成要素と
して、トルクコンバータ20と、該コンバータ20の出
力により駆動される変速歯車機構として隣接配置された
第1、第2遊星歯車機構30、40と、これらの遊星歯
車機構30、40でなる動力伝達経路を切り換えるクラ
ッチやブレーキ等の複数の摩擦要素51〜55及びワン
ウェイクラッチ56とを有し、これらによりDレンジに
おける1〜4速、Sレンジにおける1〜3速及びLレン
ジにおける1〜2速と、Rレンジにおける後退速とが得
られるようになっている。
【0015】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され、かつ、変速
機ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支持さ
れてトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース
21とタービン23との間に設けられ、該ケース21を
介してエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロ
ックアップクラッチ26とで構成されている。そして、
上記タービン23の回転がタービンシャフト27を介し
て遊星歯車機構30、40側に出力されるようになって
いる。
【0016】ここで、このトルクコンバータ20の反エ
ンジン側には、該トルクコンバータ20のケース21を
介してエンジン出力軸1に駆動されるオイルポンプ12
が配置されている。
【0017】一方、上記第1、第2遊星歯車機構30、
40は、いずれも、サンギヤ31、41と、このサンギ
ヤ31、41に噛み合った複数のピニオン32、42
と、これらのピニオン32、42を支持するピニオンキ
ャリヤ33、43と、ピニオン32、42に噛み合った
リングギヤ34、44とで構成されている。
【0018】そして、上記タービンシャフト27と第1
遊星歯車機構30のサンギヤ31との間にフォワードク
ラッチ51が、同じくタービンシャフト27と第2遊星
歯車機構40のサンギヤ41との間にリバースクラッチ
52が、また、タービンシャフト27と第2遊星歯車機
構40のピニオンキャリヤ43との間に3−4クラッチ
54がそれぞれ介設されていると共に、第2遊星歯車機
構40のサンギヤ41を固定する2−4ブレーキ54が
備えられている。
【0019】さらに、第1遊星歯車機構30のリングギ
ヤ34と第2遊星歯車機構40のピニオンキャリヤ43
とが連結されて、これらと変速機ケース11との間にロ
ーリバースブレーキ55とワンウェイクラッチ56とが
並列に配置されていると共に、第1遊星歯車機構30の
ピニオンキャリヤ33と第2遊星歯車機構40のリング
ギヤ44とが連結されて、これらに出力ギヤ13が接続
されている。
【0020】そして、この出力ギヤ13が、中間伝動機
構60を構成するアイドルシャフト61上の第1中間ギ
ヤ62に噛み合わされていると共に、該アイドルシャフ
ト61上の第2中間ギヤ63と差動装置70の入力ギヤ
71とが噛み合わされて、上記出力ギヤ13の回転が差
動装置70のデフケース72に入力され、該差動装置7
0を介して左右の車軸73、74が駆動されるようにな
っている。
【0021】ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩
擦要素51〜55及びワンウェイクラッチ56の作動状
態と変速段との関係をまとめると、次の表1に示すよう
になる。
【0022】なお、上記の骨子図に示す自動変速機10
の変速機ケース11には後述する制御で用いられるター
ビン回転センサ305が取り付けられている。このセン
サ305は、先端部がタービンシャフト27と一体的に
回転するフォワードクラッチ51のドラムの外周面に対
向するように取り付けられ、該ドラム外周面に設けられ
たスプラインによって生じる磁場の周期的変化を検知す
ることにより、上記タービンシャフト27の回転数を検
出するようになっている。
【0023】
【表1】
【0024】[油圧制御回路]次に、図1に示す各摩擦
要素51〜55に設けられた油圧室に対して作動圧を給
排する油圧制御回路の構成を図2により説明する。
【0025】なお、上記各摩擦要素のうち、バンドブレ
ーキでなる2−4ブレーキ54は、作動圧が供給される
油圧室として締結室54aと解放室54bとを有し、締
結室54aのみに作動圧が供給されているときに当該2
−4ブレーキ54が締結され、解放室54bのみに作動
圧が供給されているとき、両室54a、54bとも作動
圧が供給されていないとき、及び両室54a、54bと
も作動圧が供給されているときに、2−4ブレーキ54
が解放されるようになっている。また、その他の摩擦要
素51〜53、55は単一の油圧室を有し、該油圧室に
作動圧が供給されているときに当該摩擦要素が格納され
る。
【0026】図2に示すように、この油圧制御回路10
0には、主たる構成要素として、オイルポンプの吐出圧
を調整して所定のライン圧を生成するレギュレータバル
ブ101と、手動操作によってレンジの切り換えを行う
ためのマニュアルバルブ102と、変速時に作動して各
摩擦要素51〜55に通じる油路を切り換えるローリバ
ースバルブ103、バイパスバルブ104、3−4シフ
トバルブ105及びロックアップコントロールバルブ1
06と、これらのバルブ103〜106を作動させるた
めの第1、第2ON−OFFソレノイドバルブ(以下、
「第1、第2SV」と記す)111、112と、第1S
V111からの作動圧の供給先を切り換えるソレノイド
リレーバルブ(以下、「リレーバルブ」と記す)107
と、各摩擦要素51〜55の油圧室に供給される作動圧
の生成、調整、排出等の制御を行う第1〜第3デューテ
ィソレノイドバルブ(以下、「第1〜第3DSV」と記
す)121、122、123らが備えられている。
【0027】ここで、上記第1、第2SV111、11
2及び第1〜第3DSV121〜123はいずれも3方
弁であって、上、下流側の油路を連通させた状態と、下
流側の油路をドレンされた状態とが得られるようになっ
ている。そして、後者の場合、上流側の油路が遮断され
るので、ドレン状態で上流側からの作動油を徒に排出す
ることがなく、オイルポンプ12の駆動ロスが低減され
る。
【0028】なお、第1、第2SV111、112はO
Nのときに上、下流側の油路を連通させる。また、第1
〜第3DSV121〜123はOFFのとき、即ちデュ
ーティ率(1ON−OFF周期におけるON時間の比
率)が0%のときに全開となって、上、下流側の油路を
完全に連通させ、ONのとき、即ちデューティ率が10
0%のときに、上流側の油路を遮断して下流側の油路を
ドレン状態とすると共に、その中間のデューティ率で
は、上流側の油圧を元圧として、下流側にそのデューテ
ィ率に応じた値に調整した油圧を生成するようになって
いる。
【0029】上記レギュレータバルブ101によって調
整されるライン圧は、メインライン200を介して上記
マニュアルバルブ102に供給されると共に、ソレノイ
ドレデューシングバルブ(以下、「レデューシングバル
ブ」と記す)108と3−4シフトバルブ105とに供
給される。
【0030】このレデューシングバルブ108に供給さ
れたライン圧は、該バルブ108によって減圧されて一
定圧とされた上で、ライン201、202を介して第
1、第2SV111、112に供給される。
【0031】そして、この一定圧は、第1SV111が
ONのときには、ライン203を介して上記リレーバル
ブ107に供給されると共に、該リレーバルブ107の
スプールが図面上(以下同様)右側に位置するときは、
さらにライン204を介してバイパスバルブ104の一
端の制御ポートにパイロット圧として供給されて、該バ
イパスバルブ104のスプールを左側に付勢する。ま
た、リレーバルブ107のスプールが左側に位置すると
きは、ライン205を介して3−4シフトバルブ105
の一端の制御ポートにパイロット圧として供給されて、
該3−4シフトバルブ105のスプールを右側に付勢す
る。
【0032】また、第2SV112がONのときには、
上記レデューシングバルブ108からの一定圧は、ライ
ン206を介してバイパスバルブ104に供給されると
共に、該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置
するときは、さらにライン207を介してロックアップ
コントロールバルブ106の一端の制御ポートにパイロ
ット圧として供給されて、該コントロールバルブ107
のスプールを左側に付勢する。また、バイパスバルブ1
04のスプールが左側に位置するときは、ライン208
を介してローリバースバルブ103の一端の制御ポート
にパイロット圧として供給されて、該ローリバースバル
ブ103のスプールを左側に付勢する。
【0033】さらに、レデューシングバルブ108から
の一定圧は、ライン209を介して上記レギュレータバ
ルブ101の制御ポート101aにも供給される。その
場合に、この一定圧は、上記ライン209に備えられた
リニアソレノイドバルブ131により例えばエンジンの
スロットル開度等に応じて調整され、したがって、レギ
ュレータバルブ101により、ライン圧がスロットル開
度等に応じて調整されることになる。
【0034】なお、上記3−4シフトバルブ105に導
かれたメインライン200は、該バルブ105のスプー
ルが右側に位置するときに、ライン210を介して第1
アキュムレータ141に通じ、該アキュムレータ141
にライン圧を導入する。
【0035】一方、上記メインライン200からマニュ
アルバルブ102に供給されたライン圧は、D、S、L
の各前進レンジでは第1出力ライン211及び第2出力
ライン212に、Rレンジでは第1出力ライン211及
び第3出力ライン213に、また、Nレンジでは第3出
力ライン213にそれぞれ導入される。
【0036】そして、上記第1出力ライン211は第1
DSV121に導かれて、該第1DSV121に制御元
圧としてライン圧を供給する。この第1DSV121の
下流側は、ライン214を介してローリバースバルブ1
03に導かれ、該バルブ103のスプールが右側に位置
するときには、さらにライン(サーボアプライライン)
215を介して2−4ブレーキ54の締結室54aに導
かれる。また、上記ローリバースバルブ103のスプー
ルが左側に位置するときには、さらにライン(ローリバ
ースブレーキライン)216を介してローリバースブレ
ーキ55の油圧室に導かれる。
【0037】ここで、上記ライン214からはライン2
17が分岐されて、第2アキュムレータ142に導かれ
ている。
【0038】また、上記第2出力ライン212は、第2
DSV122及び第3DSV123に導かれて、これら
のDSV122、123に制御元圧としてライン圧をそ
れぞれ供給すると共に、3−4シフトバルブ105にも
導かれている。
【0039】この3−4シフトバルブ105に導かれた
ライン212は、該バルブ105のスプールが左側に位
置するときに、ライン218を介してロックアップコン
トロールバルブ106に導かれ、該バルブ106のスプ
ールが左側に位置するときに、さらにライン(フォワー
ドクラッチライン)219を介してフォワードクラッチ
51の油圧室に導かれる。
【0040】ここで、上記フォワードクラッチライン2
19から分岐されたライン220は3−4シフトバルブ
105に導かれ、該バルブ105のスプールが左側に位
置するときに、前述のライン210を介して第1アキュ
ムレータ141に通じると共に、該バルブ105のスプ
ールが右側に位置するときには、ライン(サーボリリー
スライン)221を介して2−4ブレーキ54の解放室
54の解放室54bに通じる。
【0041】また、第2出力ライン212から制御元圧
が供給される第2DSV122の下流側は、ライン22
2を介して上記リレーバルブ107の一端の制御ポート
に導かれて該ポートにパイロット圧を供給することによ
り、該リレーバルブ107のスプールを左側に付勢す
る。また、上記ライン222から分岐されたライン22
3はローリバースバルブ103に導かれ、該バルブ10
3のスプールが右側に位置するときに、さらにライン2
24に通じる。
【0042】このライン224からは、オリフィス15
1を介してライン225が分岐されていると共に、この
分岐されたライン225は3−4シフトバルブ105に
導かれ、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側
に位置するときに、前述のサーボリリースライン221
を介して2−4ブレーキ54の解放室54bに導かれ
る。
【0043】また、上記ライン224からオリフィス1
51を介して分岐されたライン225からは、さらにラ
イン226が分岐されていると共に、このライン226
はバイパスバルブ104に導かれ、該バルブ104のス
プールが右側に位置するときに、ライン(3−4クラッ
チライン)227を介して3−4クラッチ53の油圧室
に導かれる。
【0044】さらに、上記ライン224は直接バイパス
バルブ104に導かれ、該バルブ104のスプールが左
側に位置するときに、上記ライン226を介してライン
225に通じる。つまり、ライン224とライン225
とが上記オリフィス151をバイパスして通じることに
なる。
【0045】また、第2出力ライン212から制御元圧
が供給される第3DSV123の下流側は、ライン22
8を介してロックアップコントロールバルブ106に導
かれ、該バルブ106のスプールが右側に位置するとき
に、上記フォワードクラッチライン219に連通する。
また、該ロックアップコントロールバルブ106のスプ
ールが左側に位置するときには、ライン229を介して
ロックアップクラッチ26のフロント室26aに通じ
る。
【0046】さらに、マニュアルバルブ102からの第
3出力ライン213は、ローリバースバルブ103に導
かれ、該バルブ103にライン圧を供給する。そして、
該バルブ103のスプールが左側に位置するときに、ラ
イン(リバースクラッチライン)230を介してリバー
スクラッチ52の油圧室に導かれる。
【0047】また、第3出力ライン213から分岐され
たライン231はバイパスバルブ104に導かれ、該バ
ルブ104のスプールが右側に位置するときに、前述の
ライン208を介してローリバースバルブ103の制御
ポートにパイロット圧としてライン圧を供給し、該ロー
リバースバルブ103のスプールを左側に付勢する。
【0048】以上の構成に加えて、この油圧制御回路1
00には、コンバータリリーフバルブ109が備えられ
ている。このバルブ109は、レギュレータバルブ10
1からライン232を介して供給される作動圧を一定圧
に調圧した上で、この一定圧をライン233を介してロ
ックアップコントロールバルブ106に供給する。そし
て、この一定圧は、ロックアップコントロールバルブ1
06のスプールが右側に位置するときには、前述のライ
ン229を介してロックアップクラッチ26のフロント
室26aに供給され、また、該バルブ106のスプール
が左側に位置するときには、該一定圧はライン234を
介してリヤ室26bに供給されるようになっている。
【0049】このロックアップクラッチ26は、フロン
ト室26aに上記一定圧が供給されたときに解放される
と共に、上記ロックアップコントロールバルブ106の
スプールが左側に位置して、第3DSV123で生成さ
れた作動圧がフロント室26aに供給されたときには、
その作動圧に応じたスリップ状態に制御されるようにな
っている。
【0050】また、上記マニュアルバルブ102から
は、D、S、L、Nの各レンジでメインライン200に
通じるライン235が導かれて、レギュレータバルブ1
01の減圧ポート101bに接続されており、上記の各
レンジで該減圧ポート101bにライン圧が導入される
ことにより、これらのレンジで、他のレンジ、即ちRレ
ンジよりもライン圧の調圧値が低くなるようになってい
る。
【0051】ここで、上記2−4ブレーキ54の油圧ア
クチュエータの具体的構造を説明すると、図3に示すよ
うに、この油圧アクチュエータは、変速機ケース11と
該ケース11に固着されたカバー部材54cとで構成さ
れたサーボシリンダ54d内にピストン54eを嵌合
し、その両側に前述の締結室54aと解放室54bとを
形成した構成とされている。また、上記ピストン54e
にはバンド締め付け用ステム54fが取り付けられてい
ると共に、被制動部材(図示せず)に巻き掛けられたブ
レーキバンド54gの一端側に上記ステム54fが係合
され、また、該バンド54gの他端側はケース11に設
けられた固定用ステム54hに係合されており、さら
に、上記解放室54b内にはピストン54eを締結室5
4a側、即ちブレーキバンド54gの緩め側に付勢する
スプリング54iが収納されている。
【0052】そして、上記油圧制御回路100を構成す
るコントロールバブルユニットから油孔(図示せず)を
介して締結室54aと解放室54bとに作動圧が供給さ
れ、その供給状態に応じてブレーキバンド54gを締め
付けもしくは緩めることにより、2−4ブレーキ54を
締結もしくは解放するようになっていると共に、特に、
この油圧アクチュエータにおいては、上記ピストン54
eの締結室54a側および解放室54b側の受圧面積が
ほぼ等しくされ、したがって、例えば両室54a、54
bに等しい圧力の作動圧を供給すると、これらの圧力は
互いに打ち消し合い、スプリング54iの付勢力のみが
解放側に作用することになる。
【0053】一方、当該自動変速機10には、図4に示
すように、油圧制御回路100における上記第1、第2
SV111、112、第1〜第3DSV121〜123
及びリニアソレノイドバルブ131を制御するATコン
トローラ300が備えられていると共に、このATコン
トローラ300には、当該車両の車速を検出する車速セ
ンサ301、エンジンのスロットル開度を検出するスロ
ットル開度センサ302、エンジン回転数を検出するエ
ンジン回転センサ303、運転者によって選択されたシ
フト位置(レンジ)を検出するシフト位置センサ30
4、トルクコンバータ20におけるタービン23の回転
数を検出するタービン回転センサ305、作動油の油温
を検出する油温センサ306等からの信号が入力され、
これらのセンサ301〜306からの信号が示す当該車
両ないしエンジンの運転状態等に応じて上記各ソレノイ
ドバルブ111、112、121〜123、131の作
動を制御するようになっている。なお、上記タービン回
転センサ305については、図1にその取り付け状態が
示されている。 [変速段毎の説明]次に、この第1、第2SV111、
112及び第1〜第3DSV121〜123の作動状態
と各摩擦要素51〜55の油圧室に対する作動圧の給排
状態の関係を変速段ごとに説明する。
【0054】ここで、第1、第2SV111、112及
び第1〜第3DSV121〜123の各変速段ごとの作
動状態の組合せ(ソレノイドパターン)は、次の表2に
示すように設定されている。
【0055】この表2中、(○)は、第1、第2SV1
11、112についてはON、第1〜第3DSV121
〜123についてはOFFであって、いずれも、上流側
の油路を下流側の油路に連通させて元圧をそのまま下流
側に供給する状態を示す。また、(×)は、第1、第2
SV111、112についてはOFF、第1〜第3DS
V121〜123についてはONであって、いずれも、
上流側の油圧を遮断して、下流側の油圧をドレンさせた
状態を示す。
【0056】
【表2】
【0057】まず、1速(Lレンジの1速を除く)にお
いては、表2及び図5に示すように、第3DSV123
のみが作動して、第2出力ライン212からのライン圧
を元圧として作動圧を生成しており、この作動圧がライ
ン228を介してロックアップコントロールバルブ10
6に供給される。そして、この時点では該ロックアップ
コントロールバルブ106のスプールが右側に位置する
ことにより、上記作動圧は、さらにフォワードクラッチ
ライン219を介してフォワードクラッチ51の油圧室
にフォワードクラッチ圧として供給され、これにより該
フォワードクラッチ51が締結される。
【0058】ここで、上記フォワードクラッチライン2
19から分岐されたライン220が3−4シフトバルブ
105及びライン210を介して第1アキュムレータ1
41に通じていることにより、上記フォワードクラッチ
圧の供給が緩やかに行われる。
【0059】次に、2速の状態では、表2及び図6に示
すように、上記の1速の状態に加えて、第1DSV12
1も作動し、第1出力ライン211からのライン圧を元
圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライン21
4を介してローリバースバルブ103が供給されるが、
この時点では、該ローリバースバルブ103のスプール
が右側に位置することにより、さらにサーボリリースラ
イン215に導入され、2−4ブレく54の締結室54
aにサーボアプライ圧として供給される。これにより、
上記フォワードクラッチ51に加えて、2−4ブレーキ
54が締結される。
【0060】なお、上記ライン214はライン217を
介して第2アキュムレータ142に通じているから、上
記サーボアプライ圧の供給ないし2−4ブレーキ54の
締結が緩やかに行われる。そして、このアキュムレータ
142に蓄えられた作動油は、後述するLレンジの1速
への変速に際してローリバースバルブ103のスプール
が左側に移動したときに、ローリバースブレーキライン
216からローリバースブレーキ55の油圧室にプリチ
ャージされる。
【0061】また、3速の状態では、表2及び図7に示
すように、上記の2速の状態に加えて、さらに第2DS
V122も作動し、第2出力ライン212からのライン
圧を元圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライ
ン222及びライン223を介してローリバースバルブ
103に供給されるが、この時点では、該バルブ103
のスプールが同じく右側に位置することにより、さらに
ライン224に導入される。
【0062】そして、この作動圧は、ライン224から
オリフィス151を介してライン225に導入されて、
3−4シフトバルブ105に導かれるが、この時点で
は、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側に位
置することにより、さらにサーボリリースライン221
を介して2−4ブレーキ54の解放出力54bにサーボ
リリース圧として供給される。これにより、2−4ブレ
ーキ54が解放される。
【0063】また、上記ライン224からオリフィス1
51を介して分岐されたライン225からはライン22
6が分岐されており、上記作動圧は該ライン226によ
りバイパスバルブ104に導かれると共に、この時点で
は、該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置す
ることにより、さらに3−4クラッチライン227を介
して3−4クラッチ53の油圧室に3−4クラッチ圧と
して供給される。したがって、この3速では、フォワー
ドクラッチ51と3−4クラッチ53とが締結される一
方、2−4ブレーキ54は解放されることになる。
【0064】なお、この3速の状態では、上記のように
第2DSV122が作動圧を生成し、これがライン22
2を介してリレーバルブ107の制御ポート107aに
供給されることにより、該リレーバルブ107のスプー
ルが左側に移動する。
【0065】さらに、4速の状態では、表2及び図8に
示すように、3速の状態に対して、第3DSV123が
作動圧の生成を停止する一方、第1SV111が作動す
る。
【0066】この第1SV111の作動により、ライン
201からの一定圧がライン203を介してリレーバル
ブ107に供給されることになるが、上記のように、こ
のリレーバルブ107のスプールは3速時に左側に移動
しているから、上記一定圧がライン205を介して3−
4シフトバルブ105の制御ポート105aに供給され
ることになり、該バルブ105のスプールを右側に移動
する。そのため、サーボリリースライン221がフォワ
ードクラッチライン219から分岐されたライン220
に接続され、2−4ブレーキ54の解放出力54bとフ
ォワードクラッチ51の油圧室とが連通する。
【0067】そして、上記のように第3DSV123が
作動圧の生成を停止して、下流側をドレン状態とするこ
とにより、上記2−4ブレーキ54の解放室54b内の
サーボリリース圧とフォワードクラッチ51の油圧室内
のフォワードクラッチ圧とが、ロックアップコントロー
ルバルブ106及びライン228を介して該第3DSV
123でドレンされることになり、これにより、2−4
ブレーキ54が再び締結されると共に、フォワードクラ
ッチ51が解放される。
【0068】一方、Lレンジの1速では、表2及び図9
に示すように、第1、第2SV111、112及び第
1、第3DSV121、123が作動し、この第3DS
V123によって生成された作動圧が、Dレンジ等の1
速と同様に、ライン228、ロックアップコントロール
バルブ106及びフォワードクラッチライン219を介
してフォワードクラッチ51の油圧室にフォワードクラ
ッチ圧として供給され、該フォワードクラッチ51が締
結される。また、このとき、ライン220、3−4シフ
トバルブ105及びライン210を介して第1アキュム
レータ141に作動圧が導入されることにより、上記フ
ォワードクラッチ51の締結が緩やかに行われるように
なっている点も、Dレンジ等の1速と同様である。
【0069】また、第1SV111の作動により、ライ
ン203、リレーバルブ107、ライン204を介して
バイパスバルブ104の制御ポート104aにパイロッ
ト圧が供給されて、該バルブ104のスプールを左側に
移動させる。そして、これに伴って、第2SV112か
らの作動圧がライン206及び該バイパスバルブ104
を介してライン208に導入され、さらにローリバース
バルブ103の制御ポート103aに供給されて、該バ
ルブ103のスプールを左側に移動させる。
【0070】したがって、第1DSV121で生成され
た作動圧がライン214、ローリバースバルブ103及
びローリバースブレーキライン216を介してローリバ
ースブレーキ55の油圧室にローリバースブレーキ圧と
して供給され、これにより、フォワードクラッチ51に
加えてローリバースブレーキ55が締結されて、エンジ
ンブレーキが作動する1速が得られる。
【0071】さらに、Rレンジでは、表2及び図10に
示すように、第1、第2SV111、112及び第1〜
第3DSV121〜123が作動する。ただし、第2、
第3DSV122、123については、第2出力ライン
212からの元圧の供給が停止されているから作動圧を
生成することはない。
【0072】このRレンジでは、上記のように、第1、
第2SV111、112が作動するから、前述のLレン
ジの1速の場合と同様に、バイパスバルブ104のスプ
ールが左側に移動し、これに伴ってローリバースバルブ
103のスプールも左側に移動する。そして、この状態
で第1DSV121で作動圧が生成されることにより、
これがローリバースブレーキ圧としてローリバースブレ
ーキ55の油圧室に供給される。
【0073】一方、Rレンジでは、マニュアルバルブ1
02から第3出力ライン213にライン圧が導入され、
このライン圧が、上記のようにスプールが左側に移動し
たローリバースバルブ103、及びリバースクラッチラ
イン230を介してリバースクラッチ52の油圧室にリ
バースクラッチ圧として供給される。したがって、上記
リバースクラッチ52とローリバースブレーキ55とが
締結されることになる。
【0074】なお、上記第3出力ライン213には、N
レンジでもマニュアルバルブ102からライン圧が導入
されるので、ローリバースバルブ103のスプールが左
側に位置するときは、Nレンジでリバースクラッチ52
が締結される。 [車両のパワートレイン構成]次に、本実施形態に係わ
る車両のパワートレイン構成について説明する。
【0075】図11に示すように、この実施の形態にか
かるエンジン400においては、吸気通路411に、上
流側から吸入空気量を検出するエアフローセンサ412
と、スロットルバルブ413とが配設されていると共
に、各気筒毎に燃料噴射弁414と、点火プラグ415
とが配設されている。
【0076】また、このエンジン400と共にパワート
レインを構成する自動変速機10は、エンジン400の
出力軸1に連結されたトルクコンバータ20と、複数の
摩擦要素に選択的にライン圧を供給することにより上記
変速機構30、40の変速比(変速段)を切り換える油
圧制御回路100とを有する。
【0077】更に、上記エンジン400に対する各種の
制御を行なうエンジン制御用コントローラ(以下、「E
CU」という)500と、上記自動変速機10に対する
各種の制御を行なうATコントローラ300とが備えら
れている。これらのECU500及びATコントローラ
300は相互に信号を授受し合うと共に、ECU500
に対しては、吸気通路411におけるエアフローセンサ
412からの信号と、スロットルバルブ413の開度を
検出するスロットル開度センサ302からの信号と、エ
ンジン出力軸1の回転数を検出するエンジン回転数セン
サ303からの信号と、エンジン水温を検出する水温セ
ンサ307から信号などが入力される。また、ATコン
トローラ300に対しては、トルクコンバータ20の出
力回転数であるタービン回転数を検出するタービン回転
数センサ305からの信号と、当該車両の車速に対応す
る変速機構30、40の出力回転数を検出する出力回転
数センサ308からの信号などが入力されるようになっ
ている。
【0078】そして、上記ECU500は、上記各入力
信号とATコントローラ300から転送された信号とに
基づいて、エンジン400における燃料噴射弁414に
対する燃料噴射制御と、点火プラグ415に対する点火
制御とを行なうと共に、ATコントローラ300からの
トルクダウン要求に応じてトルクダウン制御を行うよう
になっている。
【0079】このトルクダウン制御は、基本的には上記
点火プラグ415の点火時期をリタードさせてエンジン
400の出力トルクを低減させることにより行われるよ
うになっているが、燃料噴射弁414からの燃料噴射量
を低減させたり、一部の気筒に対する燃料の供給を停止
させる作動気筒数を削減するなどの燃料の供給状態を変
更する制御、あるいはこの燃料供給状態変更制御と上記
の点火時期のリタード制御との併用によって行われるこ
とがある。
【0080】また、上記ATコントローラ300は、上
記各入力信号とECU500から転送された信号とに基
づいて、自動変速機10における油圧制御回路100に
備えられたソレノイドバルブ111、112を用いた変
速制御や、デューティソレノイドバルブ121〜123
や、リニアソレノイドバルブ131を用いたライン圧制
御などを行うようになっている。 [トルクダウン制御]次に、本発明の特徴部分であるダ
ウンシフト変速時のトルクダウン制御を説明する。
【0081】このトルクダウン制御では、目標タービン
回転数と実タービン回転数とを比較し、実タービン回転
数が目標タービン回転数に所定オフセット値を加えた値
より大きくなったときにおいてトルクダウン制御を実行
する際に、変速中のオフセット値を可変制御することに
より、空吹きを抑えるものである。
【0082】本実施形態のダウンシフト変速時における
トルクダウン制御は、具体的には図12に示すフローチ
ャートに従って実行される。
【0083】図12に示すように、処理が開始される
と、先ずステップS2では、図4、図11に示す車速セ
ンサ301、スロットル開度センサ302、エンジン回
転センサ303、シフト位置センサ304、タービン回
転センサ305、油温センサ306、水温センサ30
7、出力回転数センサ308等からの各種信号を取り込
む。ステップS4では、ダウンシフト状態になるのを待
つ。ステップS4でダウンシフト状態になったならばス
テップS6に進む。ステップS6では、図13の目標変
速時間Ttgとタービン回転数Nt(又は車速V)との関
係を示すマップから目標変速時間Ttgを読み取る。ステ
ップS8では、図14の目標変速時間Ttgと目標タービ
ン回転変化率dNt0との関係を示すマップからオフセッ
ト値dNofを設定する。このオフセット値dNofは、A
Tコントローラ300に搭載されたRAMやROM等か
らなるメモリ(不図示)に記憶され、各制御周期ts
(例えば、25msec)毎に設定される可変な値であり、
後述するステップS16でトルクダウン判定を行う際
に、摩擦締結要素のバラツキ等で発生する空吹きを油圧
制御で抑えることができる領域として加算される値であ
る。このオフセット値dNofは、高油温時には図14の
マップに従って設定され、また低油温時には高油温時に
比べてフィードバック油圧制御の応答性が遅いのでオフ
セット値dNofは高油温時に比べて小さな値に設定され
る。また、図14に示すように、目標変速時間Ttgが長
くなる程フィードバック油圧制御に時間的余裕があるた
めオフセット値dNofを大きくし、逆に目標変速時間T
tgが短くなる程フィードバック油圧制御が間に合わない
ことがあるためオフセット値dNofを小さくする。ま
た、目標タービン回転変化率dNt0が小さくなる程フィ
ードバック油圧制御に時間的余裕があるためオフセット
値dNofを大きくし、逆に目標タービン回転変化率dN
t0が大きくなる程フィードバック油圧制御が間に合わな
いことがあるためオフセット値dNofを小さくする。
【0084】ステップS10では、変速開始条件が成立
したか否かを判定する。この変速開始判定は、実タービ
ン回転数Ntと変速後の予測タービン回転数Nt0との差
が所定値αを超えるか否かを判定する(Nt−Nt0>
α)。ステップS10で実タービン回転数Ntと変速後
の予測タービン回転数Nt0との差が所定値αを超えるな
らばステップS12に進み、所定値αを超えないならば
ステップS2にリターンして本プログラムを再度実行す
る。
【0085】ステップS12では、現時点の目標タービ
ン回転数Nti0を計算する。この計算は、変速後の予測
タービン回転数Nt0と変速指令発生時のタービン回転数
Ntnと目標変速時間Ttgと制御周期ts(例えば、25
msec)に基づいて実行され、各制御サイクルts毎にそ
のサイクルでの目標タービン回転数Nti0が次式1、2
により求められる。 Nt0=Ntn×変速後のギヤ比/変速前のギヤ比…(1) Nti0=Nt0+(Nt0−Ntn)/Ttg×ts…(2) そして、ステップS14で、オフセット値dNofに補正
係数kを乗算して補正する(dNof←dNof×k)。オ
フセット値dNofの補正係数kは、図15に示す変速進
行度hと補正係数kとの関係を示すマップから求められ
る。ここで、変速進行度hは目標タービン回転数Nti0
から実タービン回転数Ntを差し引いた値(Nt−Nti
0)を変速後の予測タービン回転数Nt0から実タービン
回転数Ntを差し引いた値(Nt0−Nt)で除することに
より、次式3から求められる。
【0086】 h=(Nt−Nti0)/(Nt0−Nt)…(3) この変速進行度hは変速開始時は0、変速終了時は1と
なる。また、図15に示すように、変速初期である程フ
ィードバック油圧制御に時間的余裕があるためオフセッ
ト値dNofを大きくし、逆に変速後期である程フィード
バック油圧制御が間に合わないことがあるためオフセッ
ト値dNofを小さくする。
【0087】ステップS16では、トルクダウン実行条
件が成立したか否か判定する。このトルクダウン判定
は、実タービン回転数Ntが目標タービン回転数Nti0に
オフセット値dNofを加算した値より大きいか否かを判
定する(Nt>Nti0+dNof?)。
【0088】ステップS16で実タービン回転数Ntが
目標タービン回転数Nti0にオフセット値dNofを加算
した値より大きいならば、空吹きが発生するという判定
となり、ステップS20に進んでトルクダウン制御を実
行する。また、ステップS16で実タービン回転数Nt
が目標タービン回転数Nti0にオフセット値dNofを加
算した値以下ならばステップS18に進む。
【0089】ステップS18では、実タービン回転変化
率dNtが所定値βを超えるか否かを判定する。
【0090】ステップS18で実タービン回転変化率d
Ntが所定値βを超える場合には、ステップS16での
条件が成立しなかった場合でもタービン回転変化率dN
tが極端に大きな場合に(dNt>β)、次の制御サイク
ルにてステップS16の条件が成立することが予想され
るためステップS20に進んでトルクダウン制御を実行
する。
【0091】ステップS20ではトルクダウン制御を実
行する。このトルクダウン制御は、表3に示す各ダウン
シフトに応じたトルク係数tqを読み取り、このトルク
係数tqから目標タービントルクTt0を算出する。目標
タービントルクTt0は変速前のタービントルクTtにト
ルク係数tqを乗算することにより、次式4から求めら
れる。
【0092】Tt0=Tt×tq…(4)
【0093】
【表3】
【0094】そして、この目標タービントルクTt0から
次式5又は6に従って目標エンジントルクTegを算出
し、この目標エンジントルクTegに基づいて目標点火進
角を求め、図17の点火進角とエンジントルクとの関係
を示すマップに従ってエンジントルクを制御する。
【0095】Teg=Tt0/トルク比…(5) Teg=Tt0×速度比…(6) 但し、トルク比=Nt/エンジン回転数、速度比=エン
ジン回転数/Ntトルク比と速度比との関係は図16に
示すように逆数の関係となっている。
【0096】ステップS22では、変速終了か否かを判
定する。この変速終了判定は、実タービン回転数Ntと
変速後の予測タービン回転数Nt0との差が所定値γを超
える場合に変速終了と判定し、実タービン回転数Ntと
変速後の予測タービン回転数Nt0との差が所定値γ以下
の場合に変速未終了と判定する。
【0097】ステップS22で変速未終了ならば、再度
ステップS12〜S22までの処理を実行する。
【0098】以上のように、上述のトルクダウン制御処
理では、図18に示すように、実タービン回転数Ntが
目標タービン回転数Nti0にオフセット値dNofを加算
した値より大きいならば空吹き発生と判定し、トルクダ
ウン方向に目標タービントルクTt0と目標エンジントル
クTegを設定することにより、実タービン回転数の急激
な吹き上がりを抑えて空吹きを防止できる。
【0099】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能であ
る。
【0100】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、目標タ
ービン回転数と実タービン回転数とを比較し、実タービ
ン回転数が目標タービン回転数に所定値を加えた値より
大きい区間においてトルクダウン制御を実行することに
より、自動変速機の入力軸の空吹きを抑えることができ
る。
【0101】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動変速機の機械的
構成を示す骨子図である。
【図2】油圧制御回路の回路図である。
【図3】2−4ブレーキの油圧アクチュエータの構成を
示す断面図である。
【図4】同油圧制御回路における各ソレノイドバルブに
対する制御システム図である。
【図5】図3の油圧制御回路の1速の状態を示す要部拡
大回路図である。
【図6】同じく2速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図7】同じく3速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図8】同じく4速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図9】同じくLレンジ1速の状態を示す要部拡大回路
図である。
【図10】同じく後退速の状態を示す要部拡大回路図で
ある。
【図11】本発明の実施の形態に係るパワートレイン構
成を示す図である。
【図12】ダウンシフト変速時におけるトルクダウン制
御を説明するフローチャートである。
【図13】目標変速時間Ttgとタービン回転数Ntとの
関係を表すマップを示わす図である。
【図14】目標変速時間Ttgと目標タービン回転変化率
dNt0との関係を表わす示すマップを示す図である。
【図15】変速進行度hとオフセット値の補正係数kと
の関係を表わすマップを示す図である。
【図16】速度比とトルク比との関係を表わすマップを
示す図である。
【図17】点火進角と目標エンジントルクTegとの関係
を表わすマップを示す図である。
【図18】図12のフローチャートに基づくトルクダウ
ン制御実行例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 自動変速機 30、40 変速歯車機構 51〜55 摩擦要素 300 ATコントローラ 400 エンジン 500 ECU
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:72

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の入力軸の回転数を検出する
    回転数検出手段と、 変速時の前記入力軸の目標回転数を算出する回転数算出
    手段と、 変速時に、前記入力軸の回転数が前記目標回転数になる
    ように前記入力軸の回転数と前記目標回転数との差に基
    づいて前記自動変速機をフィードバック制御する変速制
    御手段と、 駆動源の出力を制御する出力制御手段とを備え、 前記出力制御手段は、前記回転数と目標回転数との差が
    所定回転数以上となった場合に、前記駆動源の出力を低
    下させることを特徴とする自動変速機付車両のパワート
    レイン制御装置。
  2. 【請求項2】 前記所定回転数を車両の運転状態に応じ
    て変更する変更手段を更に具備することを特徴とする請
    求項1に記載の自動変速機付車両のパワートレイン制御
    装置。
  3. 【請求項3】 車両の走行状態を検出する走行状態検出
    手段と、前記走行状態に応じて目標変速時間を設定する
    目標変速時間設定手段とを更に備え、前記回転数算出手
    段が前記目標変速時間に基づいて前記目標回転数を算出
    し、前記変更手段は、前記車両の運転状態として、前記
    目標変速時間が大きくなるに従って、前記所定回転数を
    増大方向に変更することを特徴とする請求項2に記載の
    自動変速機付車両のパワートレイン制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変更手段は、前記車両の運転状態と
    して、前記自動変速機の入力軸の目標回転数の変化速度
    が大きくなるに従って、前記所定回転数を増大方向に変
    更することを特徴とする請求項2に記載の自動変速機付
    車両のパワートレイン制御装置。
  5. 【請求項5】 前記変更手段は、前記車両の運転状態と
    して、前記自動変速機の作動油温が低い程、前記所定回
    転数を減少方向に変更することを特徴とする請求項2に
    記載の自動変速機付車両のパワートレイン制御装置。
  6. 【請求項6】 前記変更手段は、前記車両の運転状態と
    して、変速前後のギア比の変化幅が大きい程、前記所定
    回転数を増大方向に変更することを特徴とする請求項2
    に記載の自動変速機付車両のパワートレイン制御装置。
  7. 【請求項7】 前記変更手段は、前記車両の運転状態と
    して、車速が大きくなるに従って、前記所定回転数を増
    大方向に変更することを特徴とする請求項2に記載の自
    動変速機付車両のパワートレイン制御装置。
  8. 【請求項8】 変速初期は変速後期に比べて前記所定回
    転数を増大方向に変更する変更手段を更に具備すること
    を特徴とする請求項1に記載の自動変速機付車両のパワ
    ートレイン制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100412662B1 (ko) * 2001-07-12 2003-12-31 현대자동차주식회사 캔통신을 이용한 자동변속기 변속제어 장치 및 그 방법

Cited By (1)

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KR100412662B1 (ko) * 2001-07-12 2003-12-31 현대자동차주식회사 캔통신을 이용한 자동변속기 변속제어 장치 및 그 방법

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