JPH11207952A - インクジェットヘッド及びその駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその駆動方法

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JPH11207952A
JPH11207952A JP10011697A JP1169798A JPH11207952A JP H11207952 A JPH11207952 A JP H11207952A JP 10011697 A JP10011697 A JP 10011697A JP 1169798 A JP1169798 A JP 1169798A JP H11207952 A JPH11207952 A JP H11207952A
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jet head
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discharge port
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧、高応答性のインクジェエトヘッドを
得る。 【解決手段】 インクジェットヘッド51において、吐
出口及びインク供給口を有し一つの内壁面を絶縁体から
なる可撓板39によって形成したインク加圧室43と、
可撓板39に対向させてインク加圧室43に設けた共通
電極23と、共通電極23に対向して可撓板39に設け
た信号電極45とを具備する。共通電極23と信号電極
45とに電圧を印加することで発生した静電気力によ
り、可撓板39をインク加圧室45の内側に変形させ
て、インク加圧室内のインクを吐出口からインク滴とし
て発射させる構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気力をインク
発射の駆動源に用いるインクジェットヘッドに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクを加圧によって発射させ、記録紙
に衝突させて印字を行うインクジェットヘッドには、発
熱体により気泡を発生させてインクを発射するバブル型
のものがある。このバブル型のインクジェットヘッド1
は、図51に示すようにノズル3内に発熱体5を設けて
あり、ノズル3の後部(図51の上部)には不図示のイ
ンクカートリッジよりインク7が供給されるようになっ
ている。発熱体5が加熱されると、ノズル3内にバブル
9が発生し、バブル9により押し出されたインクがイン
ク滴7aとなって不図示の記録紙へ向けて発射される。
駆動電圧が切られると、バブル9は消滅し、毛管現象に
よりノズル3内にインク7が流入して、これを繰り返す
ことで、記録紙への印字が行われる。
【0003】また、インクジェットヘッドには、ピエゾ
素子等をインク発射の駆動源に用いた圧電素子型のもの
がある。この圧電素子型のインクジェットヘッド11は
図52に示すように基端を固定した圧電素子13の先端
にピン15を固定してあり、ピン15の先端はノズル1
7内に挿入してある。ノズル17にはインク流路19を
接続してあり、インク流路19には不図示のインクカー
トリッジによりインク7が供給される。圧電素子13に
駆動パルスが印加されると、圧電素子13が変位してピ
ン15がインク流路19を開閉するようにノズル17内
で移動する。インク7は、ノズル17内に生じる負圧に
より吸入され、ピン15が再びノズル17内に入ること
で、インク滴7aとなって発射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たバブル型のインクジェットヘッドは、瞬時にインクを
加熱してバブルを発生させなければならないため、駆動
電力が大きくなる不利があった。また、駆動パルスを発
熱体に印加してから、バブルを発生させるまでの時間
が、発熱体の発熱効率、発熱体(固体)とインク(流
体)との間の熱伝達率、インク自体の昇温特性等の種々
のファクタにより遅延することとなるため、応答の高速
化が困難である問題があった。
【0005】他方、圧電素子型のインクジェットヘッド
は、圧力、振動等の機械量を得るためには高い駆動電圧
が必要となる不利があった。また、変換感度が比較的低
く、応答の高速化が困難である問題があった。更に、変
形材料と一体に用いた場合には、変形材料と共振構造と
しなければならないため、設計が困難である問題があっ
た。また、圧電素子を同一基板上に成膜することによ
り、電子回路と接続して集積回路化することも期待され
るが、この場合、厚膜による成膜法では微細化、マルチ
化が困難であり、薄膜による成膜法ではピエゾ膜自体の
形成が困難となる問題があった。
【0006】このような問題を解消するものとして、イ
ンク加圧室の一部を振動壁で形成し、この振動壁を静電
気力(マクスウェルの応力)により変形させてインクを
吐出させるインクジェットヘッドが提案されている。例
えば、米国特許第4520375号公報には、インク室
の一方に半導体平行平板の振動板を設け、静電気力によ
る負圧後の加圧によりインクを吐出させるものが開示さ
れている。
【0007】特開平5−50601号公報には、複数の
ノズル孔と、このノズル孔のそれぞれに連通する複数の
吐出室と、この吐出室の一部を変形可能とした振動板と
を具備し、静電気力により振動板を変形させて吐出室を
負圧にし、その後振動板が復帰するときに吐出室を加圧
してインクを吐出させるものが開示されている。特開平
6−106725号公報には、剛体電極と弾性体電極と
を対向配置してノズルを形成し、このノズル内に誘電率
の高いインクを入れ、両電極間に電圧を印加して静電吸
引力により弾性体電極を剛体電極の方向に変形させ、ノ
ズル先端からインクを吐出させるものが開示されてい
る。
【0008】これらの方式によるインクジェットヘッド
は、上述したバブル型、圧電素子型のものに比較して、
駆動電圧を低くでき、高速駆動が可能であり、高集積化
が可能であるとともに、素子の材料選択の自由度が高く
設計が容易であり、しかも、シリコン等の半導体で作成
することにより、駆動回路が一体形成できる利点があ
る。
【0009】ところが、これらのインクジェットヘッド
においては、高速吐出、高効率吐出を達成するための手
段について言及されていない。また、階調制御や、マル
チノズル時のインク量の補正についても言及されていな
い。
【0010】この高速吐出、高効率吐出を実現するには
以下の課題がある。即ち、インク加圧室には、インク吐
出口とインク供給口とが存在する。インク加圧室を加圧
してインク吐出口からインクを吐出させる場合、同時に
インク供給口からインク供給室へ向かってインクが逆流
するため、インクを吐出させるためのエネルギー効率が
悪く(高効率吐出が行えず)、インクを高速に吐出させ
ることのできない問題が生じる。この問題に対処するに
は、インク供給口の流路抵抗を、インク吐出口に比べて
高くする必要がある。
【0011】他方、インク加圧室を負圧にしてインク供
給室からインクを供給する場合、インク供給口の流路抵
抗が高いと、インク供給速度が低下し、インクを高速に
供給できない問題が生じる。また、この場合にはインク
吐出口から気泡が侵入する可能性もある。この問題に対
処するには、インク供給口の流路抵抗を、インク吐出口
に比べて低くする必要がある。
【0012】これらは、相反する関係にあり、従来では
双方の妥協値により中立値を求めて、インク供給口、イ
ンク吐出口の流路抵抗を決定していた。このような課題
を解消するために、インク供給口の形状をテーパ状とし
た特開平9−0141855号公報に開示されるものも
提案されているが、流路形状のみに依存して流路抵抗を
インク流れ方向別に制御することから、効果には限界が
あった。
【0013】また、階調制御については以下の課題があ
る。即ち、従来、インク滴濃度や面積をダイレクトに変
化させる階調手段として、加圧の程度(印加電圧や印加
時間、印加パルス数等)を制御し、吐出インク量を変化
させる方法が知られているが、インクジェットヘッドの
場合、インク加圧室の体積が吐出するインク滴の体積に
比べて非常に大きいため、精度良くインク滴の量を制御
することが困難であった。
【0014】このような課題を解消するために、単一の
圧電素子による加圧手段と、複数の発熱による座屈バル
ブ手段とにより、階調制御や複数ノズルの吐出時の補正
を可能とした特開平9−193385号公報に開示され
るものも提案されているが、圧電素子による加圧手段
は、上述したように応答が遅く、駆動電圧が高い問題が
ある。また、圧電素子の組み込みアッセンブリはコスト
高となり、高集積化マルチノズルに不向きである。座屈
バルブは、熱膨張によるもので、応答が遅く、信頼性及
び寿命も問題となる。更に、一つの加圧手段で複数のノ
ズルから吐出させることにより、補正が必要となる。
【0015】マルチノズル時のインク量の補正について
は以下の課題がある。即ち、共通のインク供給室に連通
した複数のインク加圧室を有するマルチノズル型ヘッド
では、隣接するノズル相互間の干渉により、高品位なイ
ンク吐出が得られない問題がある。このような課題を解
消するために、ノズル端部(インク供給口)にバルブを
設け、隣接ノズルの干渉を防止する特開平5−1931
49号公報に開示されるものも提案されているが、加圧
手段がバブル(サーマル気泡)方式であり、高速化、信
頼性に問題がある。また、バルブの構造、アッセンブリ
が複雑である。更に、この構成の場合、隣接ノズルの相
互干渉防止が目的であり、高速吐出や階調制御を行う構
造ではなかった。
【0016】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、その第一の目的とするところは、低電圧、高応答性
が得られるインクジェットヘッドを得ることにある。さ
らに、第2の目的とするところは、高速吐出、高効率吐
出の可能なインクジェットヘッドを得ることにある。さ
らに、また、第3の目的とするところは、インク量変化
による高品質な階調制御の可能なインクジェットヘッド
を得ることにある。
【0017】さらに、また、第4の目的とするところ
は、フォトリソプロセスにより一体形成が可能で、設計
自由度を高めることができ、しかも、集積回路化が可能
で、微細化、マルチ化の容易なインクジェットヘッドを
得ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1の
インクジェットヘッドは、吐出口及びインク供給口に連
通する空隙を有し一つの内壁面を絶縁体からなる可撓板
によって形成したインク加圧室と、前記可撓板に対向さ
せて該インク加圧室に設けた共通電極と、該共通電極に
対向して前記可撓板に設けた信号電極とを具備し、前記
共通電極と前記信号電極とに電圧を印加することで発生
したクーロン力により前記可撓板を前記インク加圧室の
内側に変形させて前記インク加圧室内の空隙に充填され
ているインクを前記吐出口からインク滴として発射させ
るものである。
【0019】このインクジェットヘッドでは、共通電極
と信号電極との間に電圧を印加すると、クーロン力によ
って可撓板が吸引されて撓み、インク加圧室内のインク
が吐出口からインク滴となって発射される。また、電圧
を消去すると、可撓板が弾性復帰し、インク加圧室内が
負圧となって、インク供給口からインクが流入して、次
のインク滴の発射に備える。
【0020】請求項2のインクジェットヘッドは、前記
共通電極を帯状に形成し、該共通電極の長手方向に複数
の前記インク加圧室を配設し、該インク加圧室の前記可
撓板に形成したそれぞれの前記信号電極に、印字情報に
基づく駆動電圧を選択的に印加することを特徴とする。
このインクジェットヘッドでは、印字情報に基づき、電
圧をそれぞれの信号電極へ選択的に印加することによ
り、所望のインク加圧室からインク滴を発射させるマル
チ化が可能となる。
【0021】請求項3のインクジェットヘッドは、少な
くとも前記共通電極と、前記インク加圧室と、前記可撓
板と、前記信号電極とをフォトリソプロセスにより順次
積層して形成したことを特徴とする。このインクジェッ
トヘッドでは、フォトリソプロセスによりインク加圧室
等の要部が形成可能となり、要部の一体形成、微細化、
集積回路化、マルチ化が容易となる。
【0022】請求項4のインクジェットヘッドは、吐出
口及びインク供給口を有するインク加圧室と、該インク
加圧室に設けられる圧力発生手段とを具備し、該圧力発
生手段を静電気力によって変形させることで前記インク
加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧室内のインクを
前記吐出口からインク滴として発射させるインクジェッ
トヘッドにおいて、静電気力によって前記吐出口の開口
率を任意に変化させるバルブを前記インク加圧室に設け
たことを特徴とする。
【0023】このインクジェットヘッドでは、インク供
給時に、吐出口を閉鎖することで、インク供給口からの
インクの供給が高効率に行え、吐出サイクルの短縮が可
能となり、高速吐出が可能となる。
【0024】請求項5のインクジェットヘッドは、吐出
口及びインク供給口を有するインク加圧室と、該インク
加圧室に設けられる圧力発生手段とを具備し、該圧力発
生手段を静電気力によって変形させることで前記インク
加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧室内のインクを
前記吐出口からインク滴として発射させるインクジェッ
トヘッドにおいて、静電気力によって前記インク供給口
の開口率を任意に変化させるバルブを前記インク加圧室
に設けたことを特徴とする。
【0025】このインクジェットヘッドでは、インク吐
出時に、インク供給口を閉鎖することにより、加圧時の
インクの吐出が高効率に行え、吐出サイクルの短縮が可
能となり、高速な吐出が可能となる。
【0026】請求項6のインクジェットヘッドは、吐出
口及びインク供給口を有するインク加圧室と、該インク
加圧室に設けられる圧力発生手段とを具備し、該圧力発
生手段を静電気力によって変形させることで前記インク
加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧室内のインクを
前記吐出口からインク滴として発射させるインクジェッ
トヘッドにおいて、静電気力によって前記吐出口及び前
記インク供給口の開口率をそれぞれ任意に且つ独立に変
化させるバルブを前記インク加圧室に設けたことを特徴
とする。
【0027】このインクジェットヘッドでは、インク供
給時に、吐出口を閉鎖することにより、インク供給口か
らのインクの供給を高効率に行え、インク吐出時に、イ
ンク供給口を閉鎖することにより、加圧時のインクの吐
出を高効率に行え、吐出サイクルが飛躍的に短縮され
て、高速な吐出が可能となる。
【0028】請求項7のインクジェットヘッドは、前記
圧力発生手段及び前記バルブのそれぞれが、空隙を隔て
て対向する二つの可撓性部材からなり、該可撓性部材間
に電圧を印加したときに静電気力によって少なくとも一
方の可撓性部材が弾性的に変形することを特徴とする。
このインクジェットヘッドでは、静電気力により変形す
る可撓性部材を、インク加圧室の圧力発生手段、或いは
吐出口及びインク供給口の開閉バルブとして用いること
で、圧力発生手段、バルブが簡単な構造で製作可能とな
る。
【0029】請求項8のインクジェットヘッドは、前記
バルブが、静電気力によって移動又は回転することを特
徴とする。このインクジェットヘッドでは、静電気力の
引力、斥力を利用して可撓性部材が動作するので、発熱
体、圧電素子を用いる場合に比べて、圧力発生手段或い
はバルブの高速な動作が可能となる。
【0030】請求項9のインクジェットヘッドは、前記
可撓性部材が、導電体又は導電体を絶縁体で一部若しく
は全部覆ったものであることを特徴とする。このインク
ジェットヘッドでは、可撓性部材を導電体とすること
で、大きな静電気力が得られるとともに、導電体を絶縁
体で覆うことで、短絡の防止、電界放出の防止が可能と
なる。
【0031】請求項10のインクジェットヘッドは、前
記バルブの可撓性部材が、インクの吐出流入方向に対し
て略垂直に移動することを特徴とする。このインクジェ
ットヘッドでは、バルブの板面にインク流が垂直に当た
らず、インク流れからの影響を受けずに、小さな力でバ
ルブの開閉が可能となる。
【0032】請求項11のインクジェットヘッドは、前
記バルブの可撓性部材が、インクの吐出流入方向に対し
て略平行に移動することを特徴とする。このインクジェ
ットヘッドでは、バルブの板面で、吐出口、或いはイン
ク供給口を閉鎖するので、比較的大きな開口面積の閉鎖
が確実に行える。
【0033】請求項12のインクジェットヘッドは、複
数の前記インク加圧室を設け、該インク加圧室に連通す
る共通のインク供給室を設けたことを特徴とする。この
インクジェットヘッドでは、複数のインク加圧室がフォ
トリソ、エッチング等により一体形成可能となる。ま
た、吐出口、或いはインク供給口にバルブが設けられる
ことにより、共通のインク供給室に連通させた場合であ
っても、隣接するインク加圧室の圧力が相互に干渉する
ことがない。
【0034】請求項13のインクジェットヘッドの駆動
方法は、吐出口及びインク供給口を有するインク加圧室
と、該インク加圧室に設けられる圧力発生手段とを具備
し、該圧力発生手段を静電気力によって変形させること
で前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧室
内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させる
インクジェットヘッドの駆動方法において、インク吐出
時に、前記インク供給口の開口率を小さくすることを特
徴とする。
【0035】このインクジェットヘッドの駆動方法で
は、インク吐出時に、インク供給口の開口率を小さくす
ることにより、インク加圧室への加圧力を吐出口へ集中
させて、圧力損失の少ない高効率のインク吐出が可能と
なる。
【0036】請求項14のインクジェットヘッドの駆動
方法は、吐出口及びインク供給口を有するインク加圧室
と、該インク加圧室に設けられる圧力発生手段とを具備
し、該圧力発生手段を静電気力によって変形させること
で前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧室
内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させる
インクジェットヘッドの駆動方法において、インク供給
時に、前記吐出口の開口率を小さくすることを特徴とす
る。
【0037】このインクジェットヘッドの駆動方法で
は、インク供給時に、吐出口の開口率を小さくすること
により、インク加圧室に作用させた負圧をインク供給口
へ集中させて、圧力損失の少ない高効率のインク供給が
可能となる。
【0038】請求項15のインクジェットヘッドの駆動
方法は、吐出口及びインク供給口を有するインク加圧室
と、該インク加圧室に設けられる圧力発生手段とを具備
し、該圧力発生手段を静電気力によって変形させること
で前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧室
内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させる
インクジェットヘッドの駆動方法において、インク吐出
時には前記インク供給口の開口率を小さくする一方、イ
ンク供給時には前記吐出口の開口率を小さくすることを
特徴とする。
【0039】このインクジェットヘッドの駆動方法で
は、インク吐出時に、インク供給口の開口率を小さくし
て、圧力損失の少ない高効率のインク吐出が可能になる
とともに、インク供給時に、吐出口の開口率を小さくし
て、圧力損失の少ない高効率のインク供給が可能とな
る。
【0040】請求項16のインクジェットヘッドの駆動
方法は、吐出口及びインク供給口を有するインク加圧室
と、該インク加圧室に設けられる圧力発生手段とを具備
し、該圧力発生手段を静電気力によって変形させること
で前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧室
内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させる
インクジェットヘッドの駆動方法において、前記吐出
口、前記インク供給口、又は前記吐出口及び前記インク
供給口の開口率を変化させることで吐出インク量を可変
させて階調表現を行うことを特徴とする。
【0041】このインクジェットヘッドの駆動方法で
は、吐出口、インク供給口、又は吐出口及びインク供給
口の開口率を変化させることで、吐出インク量が任意に
制御でき、階調表現が可能となる。
【0042】請求項17のインクジェットヘッドの駆動
方法は、前記開口率の変化を時間的に変化させることで
吐出インク量を可変させて階調表現を行うことを特徴と
する。このインクジェットヘッドの駆動方法では、吐出
口、インク供給口、又は吐出口及びインク供給口の開閉
時間を可変させることで、吐出インク量が任意に制御で
き、階調表現が可能となる。
【0043】請求項18のインクジェットヘッドの駆動
方法は、複数の前記インク加圧室を設け、該インク加圧
室に連通する共通のインク供給室を設け、前記吐出口、
前記インク供給口、又は前記吐出口及び前記インク供給
口を前記インク加圧室ごとに独立に開閉制御することを
特徴とする。このインクジェットヘッドの駆動方法で
は、共通のインク供給室に、複数のインク加圧室を連通
させて設けた場合であっても、吐出口、或いはインク供
給口に設けられたバルブをインク加圧室ごとに開閉制御
することで、隣接するインク加圧室の圧力が相互に干渉
することなく、マルチノズルヘッドにおいても高効率な
インク吐出、インク供給が可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るインクジェッ
トヘッドの実施の形態を図面を参照して説明する。図1
は本発明に係る第1の実施の形態のインクジェットヘッ
ドの断面図、図2は図1のA−A矢視図である。
【0045】基板21上には帯状の共通電極23を形成
してあり、共通電極23は基板21上に形成した絶縁性
を有する電極保護膜25によって覆われている。電極保
護膜25上には、平行な複数の隔壁27を共通電極23
の長手方向に等間隔で形成してある。隔壁27は、例え
ば電極保護膜25と同質材料をエッチングすることによ
り形成することができる。
【0046】基板21上の前後端には隣接する隔壁27
同士によって挟まれる前壁31、後壁33を形成してあ
り、前壁31、後壁33には吐出口35、インク供給口
37を形成してある。隔壁27、前壁31、後壁33の
上端面には、絶縁性を有する可撓板39を密接して形成
してある。これにより、共通電極23の長手方向には、
隔壁27によって仕切られ、電極保護膜25と可撓板3
9とによって挟まれる空隙41を有した複数のインク加
圧室43が形成される。
【0047】インク加圧室43は、吐出口35、インク
供給口37のみを開口させて液密構造となっている。イ
ンク供給口37には、不図示のインク流路を介してイン
クカートリッジに接続してある。なお、インク供給口3
7は、インク加圧室43が負圧となった時に、インク供
給口37からのみインクがインク加圧室43に流入する
ように、吐出口35に比べて開口面積が十分に大きく形
成されている。
【0048】可撓板39上には、それぞれのインク加圧
室43に対応させて複数の信号電極45を形成してあ
る。この信号電極45には、共通電極23との間で、印
字情報に基づく電圧が電源47から選択的に印加され
る。
【0049】このように構成されるインクジェットヘッ
ド51は、基板21を透明ガラス板の他、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂フィルム、
金属酸化物、セラミックなどの無機絶縁体、半導体によ
り形成することができる。また、共通電極23は、金属
或いは導電性を有する金属化合物で形成することができ
る。この場合、金属としては、金、銀、パラジウム、亜
鉛、アルミニウム等を用いることができ、金属化合物と
しては、酸化イリジウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム
等を用いることができる。
【0050】共通電極23は、基板21の表面に上述し
た導電性材料の薄膜を、スパッタリング法、真空蒸着法
により積層し、この薄膜の表面にレジストを塗布して、
露光、現像を行うことで形成できる。露光はフォトレジ
ストの上にフォトマスクを配置し、その上から紫外線を
照射して行い、現像はフォトレジストの可溶部が除去で
きる現像液にて処理することにより行う。
【0051】共通電極23は、基板21上に積層した電
極保護膜25によって覆う。そして、電極保護膜25上
に不図示の圧力室形成層を積層し、これにエッチングを
施すことにより隔壁27、前壁31、後壁33、吐出口
35、インク供給口37を形成する。この隔壁27、前
壁31、後壁33の上端面に、可撓板39を密着させて
インク加圧室43を形成する。可撓板39の上面には、
導電性材料の薄膜を積層し、上述した共通電極23の場
合と同様にして露光、現像を行うことで信号電極45を
成形する。なお、共通電極23、信号電極45に接続さ
れる電源供給回路も、これら共通電極23及び信号電極
45の形成と同時にパターン形成することができる。
【0052】図3は本発明に係る第1の実施の形態のイ
ンクジェットヘッドの動作を説明する断面図である。こ
のインクジェットヘッド51では、共通電極23と信号
電極45との間に電源47により電圧を印加すると、ク
ーロン力によって可撓板39が吸引されて空隙41側に
撓む。これにより、インク加圧室43内の圧力が上昇し
て、インク加圧室43内の不図示のインクが吐出口35
からインク滴となって発射される。
【0053】電圧を消去すると、可撓板39が弾性復帰
し、インク加圧室43内が負圧となってインク供給口3
7からインクが空隙41に流入して、次のインク滴の発
射に備えることになる。従って、印字情報に基づき、電
源47の電圧をそれぞれの信号電極45へ選択的に印加
することにより、所望画像の形成が可能となる。このイ
ンクジェットヘッド51によれば、発熱体を発熱させる
バブル型のインクジェットヘッドや、機械的損失の多い
圧電素子を変形させる圧電素子型のインクジェットヘッ
ドに対し、クーロン力によって可撓板39を直接動作さ
せることができるので、機械的損失が少なく、小さな消
費電力での駆動を可能にすることができる。
【0054】そして、バブルを発生させるまでの遅延フ
ァクタの多いバブル型のインクジェットヘッドや、比較
的変換感度の低い圧電素子型のインクジェットヘッドに
対し、応答高速を高速にすることができる。また、共通
電極23、電極保護膜25、インク加圧室43、可撓板
39、共通電極23を順次積層する構造であるので、フ
ォトリソプロセスにより、一体形成することができる。
また、このことから、シリコン基板に駆動回路と一体に
形成することも可能になる。
【0055】更に、インク加圧室43の一つの内壁を直
接可撓板39として形成できるため、変形材料と一体に
用いる場合のように、変形材料と共振構造をとる必要が
なく、設計の設計自由度を高めることができる。また、
精密な機械加工の必要とされる圧電素子を用いたインク
ジェットヘッドに対し、フォトリソプロセスによる一体
形成が可能となるので、微細化、マルチ化を容易にする
ことができる。
【0056】次に、本発明に係る第2の実施の形態のイ
ンクジェットヘッドを説明する。図4は本発明に係る第
2の実施の形態のインクジェットヘッドの断面図、図5
は図4のB−B矢視図、図6は図4のC−C矢視図、図
7は図4のインクジェットヘッドの分解斜視図である。
第2の実施の形態のインクジェットヘッド61は、基板
部63と、バルブ部65と、カバー部67とによって要
部が構成される。基板部63は、更に、基板69と、共
通電極71と、電極保護層73と、第一周壁75とから
なる。基板69上には共通電極71を形成してあり、共
通電極71は基板69上に形成した絶縁性を有する電極
保護層73によって覆われる。
【0057】電極保護層73の上面には、四角枠状の第
一周壁75を形成してある。第一周壁75の平行な対向
壁の一方には吐出口77を形成してあり、他方にはイン
ク供給口79を形成してある。バルブ部65は、第一周
壁75と略同一外形状の枠体81からなる。枠体81
は、第一周壁75の上端面に密着して形成される。吐出
口77に対応する枠体81の辺部には、スリット83を
形成してある。枠体81は、スリット83を形成するこ
とで、このスリット83と内周穴81aとの間に、可撓
可能な両端支持梁状の可撓性部材(吐出口バルブ板)8
5を形成している。この吐出口バルブ板85は、枠体8
1を第一周壁75に積層することで、吐出口77の内部
開口上方に位置する。吐出口バルブ板85の内部には、
導電体である吐出口バルブ電極87を形成してある。
【0058】枠体81の上面には、カバー部67が積層
される。カバー部67は、第二周壁89と、圧力発生手
段である加圧板91とからなる。第二周壁89は、第一
周壁75と略同一外形状の四角枠状である。この第二周
壁89の上面には、加圧板91が積層される。加圧板9
1は、可撓性を有し、内部に加圧電極93を形成してあ
る。
【0059】従って、電極保護層73と加圧板91との
間には、第一周壁75、枠体81、第二周壁89によっ
て周囲の包囲されたインク加圧室95が形成される。イ
ンク加圧室95は、第一周壁75に形成された吐出口7
7、インク供給口79のみを開放させて、液密構造とな
っている。インク加圧室95は、インク供給口79を介
して不図示のインク供給室に接続される。
【0060】このように構成されるインクジェットヘッ
ド61は、上述の第1の実施の形態と同様に、基板69
を透明ガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート等の樹脂フィルム、金属酸化物、セラミ
ックなどの無機絶縁体、半導体により形成することがで
きる。また、共通電極71、吐出口バルブ電極87、加
圧電極93は、金属或いは導電性を有する金属化合物で
形成することができる。この場合、金属としては、金、
銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム等を用いることが
でき、金属化合物としては、酸化イリジウム、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム等を用いることができる。
【0061】次に、このように構成したインクジェット
ヘッド61の動作を説明する。図8は本発明に係る第2
の実施の形態のインクジェットヘッドの動作を説明する
断面図、図9は本発明に係る第2の実施の形態のインク
ジェットヘッドの駆動タイミングを示すタイムチャート
である。インクジェットヘッド61は、図8(a)に示
す静止状態では、吐出口バルブ板85が、吐出口77の
内部開口の上方に位置し、吐出口77を開放状態として
いる。
【0062】静止状態で、図9(b)に示すように加圧
電極93に電圧+Vp を印加すると、図8(b)に示す
ように加圧板91がインク加圧室95側へ撓む。これに
より、インク加圧室95内の圧力が上昇して、インク加
圧室95内のインクが吐出口77からインク滴となって
発射される。次いで、加圧電極93に電圧を印加した状
態のまま、図9(c)に示すように吐出口バルブ電極8
7に電圧+Vn を印加する。これにより、図8(c)に
示すように吐出口バルブ板85が静電気力によって、共
通電極71側に撓み、吐出口77の内部開口を塞ぐ。こ
の際、吐出口バルブ板85は、吐出口77からのインク
の吐出方向に対して略垂直に移動することとなる。
【0063】この状態で吐出口バルブ電極87に電圧を
印加したまま、図9(d)に示すように加圧電極93へ
の電圧を消去すると、図8(d)に示すように加圧板9
1が弾性復帰し、インク加圧室95内が負圧となり、イ
ンク供給口79からインクがインク加圧室95内に流入
する。次いで、図9(e)に示すように吐出口バルブ電
極87への電圧を消去すること、図8(e)に示すよう
に吐出口バルブ板85が弾性復帰し、吐出口77を開
き、次のインク滴の発射に備えることになる。
【0064】このように、本実施の形態に係るインクジ
ェットヘッド61によれば、吐出口77を開閉する吐出
口バルブ板85を設けたので、インク供給時に、吐出口
77を閉鎖することにより、インク供給室からのインク
の供給を効率良く行うことができる。この結果、吐出サ
イクルを短縮することができ、高速な吐出を可能にする
ことができる。
【0065】また、このような構成によれば、インク加
圧室95を加圧するとき、及び吐出口バルブ板85を閉
じるときに、静電気力(引力)の作用による高速な動作
が可能となる。そして、インク加圧室95を負圧にする
とき、及び吐出口バルブ板85を開くときにおいても、
静電気力(斥力)の作用及び材料の弾性復帰力による高
速な動作が可能となる。加圧板91、吐出口バルブ板8
5は、変形部の形状、材質、電極間隙を、力学的、静電
気学的に適宜に設計することにより、高効率且つ低電圧
での動作が可能となる。
【0066】また、このような構成によれば、簡素な積
層構造であるため、製作を容易に行うことができる。即
ち、図7に示した基板部63、バルブ部65、カバー部
67をフォトリソ、エッチングにより加工した後、接合
してもよく、基板部63とバルブ部65とを一体形成し
た後、カバー部67を接合してもよく、更には、全てを
一体形成することによっても製作が可能となる。この結
果、容易な製作が可能となって、製造コストを安価にで
きる。
【0067】なお、共通電極71、吐出口バルブ電極8
7、加圧電極93は、一般に金属が好ましいが、高濃度
不純物が添加された半導体であってもよい。更に、これ
らの電極71、87、93は、電極部を保護する目的か
ら図10に示すようにシリコン酸化膜、シリコン窒化
膜、PSG等のガラス類、ポリイミド等からなる絶縁膜
97により覆われることが望ましい。
【0068】また、図示は省略するが、インクジェット
ヘッド61は、静電気力による変形量を安定させるた
め、所望の位置に機械的ストッパを設けて、吐出口バル
ブ板85、加圧板91の変形量を一定に規制するもので
あってもよい。
【0069】次に、この第2の実施の形態の種々の変形
例を説明する。これら変形例は、第2の実施の形態の構
成の要部である吐出口バルブ板を共通に備えるものであ
る。まず、第2の実施の形態の変形例1を図11に基づ
き説明する。図11は第2の実施の形態の変形例1を示
す断面図である。この変形例1では、共通電極を分離し
て、吐出口バルブ電極87に対向するバルブ対向電極1
01と、加圧電極93に対向する加圧板対向電極103
とを独立に形成してある。
【0070】このような変形例1によれば、各電極間の
電界クロストークを低減させることができ、より高精度
にインクジェットヘッドを動作させることができる。
【0071】次に、第2の実施の形態の変形例2を図1
2乃至図16に基づき説明する。図12は第2の実施の
形態の変形例2を示す断面図、図13は図12のD−D
矢視図、図14は図12のE−E矢視図、図15は図1
2のF−F矢視図、図16は第2の実施の形態の変形例
2の動作を説明する断面図である。この変形例2では、
第一周壁75にインク供給口79のみが形成されてい
る。吐出口77は、加圧板91に形成されている。枠体
81に形成された吐出口バルブ板85は、インク加圧室
95内において、吐出口77の内部開口の下方に配置さ
れている。加圧板91には加圧電極93が形成されてお
り、吐出口バルブ板85には吐出口バルブ電極87が形
成されている。
【0072】吐出口バルブ板85は、吐出口バルブ電極
87に電圧が印加されることにより、静電気力により、
加圧板91方向へ撓み、図16に示すように吐出口77
の内部開口を塞ぐようになっている。即ち、この変形例
2では、吐出口77からのインクの吐出方向に対して略
平行に吐出口バルブ板85が移動するようになってい
る。
【0073】このような変形例2によれば、静電気力に
より吐出口バルブ板85を加圧板91方向に撓めて移動
させることで、吐出口77の流路抵抗を高めたり、或い
は吐出口77を閉鎖させることができる。そして、吐出
口バルブ板85の上面を密接して吐出口77を塞ぐの
で、比較的大口径の吐出口77を開閉することができ
る。
【0074】この変形例2の他にも、吐出口77の位
置、構造は適宜決定されるものであってよい。更に、吐
出バルブの構成は、上述した構造以外に、静電気力(引
力、斥力)により機械的に変形又は移動するものであれ
ばよく、例えば片持ち梁構造の吐出口バルブ板や、静電
リニアアクチュエータ型のバルブや、静電回転型のバル
ブであってもよい。
【0075】次に、第2の実施の形態の変形例3を図1
7に基づき説明する。図17は第2の実施の形態の変形
例3の動作を説明する断面図である。第2の実施の形態
で説明したインクジェットヘッド61は、インク吐出時
に、吐出口バルブ電極87に電圧を印加せず、加圧電極
93のみに電圧を印加することで、吐出口77を全開し
た状態でインク加圧室95内のインクを吐出口77から
吐出した。従って、この場合には、吐出口77の流路抵
抗が最小であるため、インク吐出量は、最大量となる。
【0076】一方、この変形例3によるインクジェット
ヘッドは、加圧電極93に印加する電圧が一定で、且つ
加圧時間が一定の場合、吐出口バルブ電極87に適宜な
電圧を印加することで、吐出口77の開口率を任意に変
化させる。従って、インク加圧室95を加圧する際、図
17(b)に示すように吐出口バルブ電極87に適宜な
電圧Vn1を印加して、吐出口77の開口率を適宜に制御
することにより、吐出インク量を所望の量に制御するこ
とができる。
【0077】このような変形例3によるインクジェット
ヘッドの駆動方法によれば、吐出口77の開口率を変化
させることにより、インク吐出量を任意に且つ高精度に
制御して、階調制御を可能にすることができる。なお、
この変形例3による駆動方法は、加圧電極93に印加す
る電圧、時間を変化させて、インク量を制御する手段を
組み合わせてもよく、この場合にはよりキメ細かな階調
制御が可能となる。
【0078】次に、第2の実施の形態の変形例4を図1
8、図19に基づき説明する。図18は第2の実施の形
態の変形例4の動作を説明する断面図、図19は第2の
実施の形態の変形例4の駆動タイミングを示すタイムチ
ャートである。上述した変形例3の階調制御では、吐出
口バルブ板85によって吐出口77の開口率を変化させ
ることにより、インク吐出量を変化させて階調制御を行
ったが、この変形例4の場合では、吐出口バルブ板85
の開閉時間を制御することにより、インク吐出量を変化
させて、階調制御を可能としている。
【0079】即ち、図19に示すようにインク吐出開始
時には、吐出口バルブ電極87には電圧を印加せずに、
加圧電極93のみに電圧+Vp を印加して、インクを全
開した吐出口77より吐出させる。この際、加圧開始か
ら任意時間Tn 経過後に、吐出口バルブ電極87に電圧
+Vn を印加することで、図18(b)に示すように吐
出口77を閉じる。
【0080】図19において、Tm は、インクが吐出す
る最大時間であり、Tn は、加圧してインクが吐出して
から、吐出口77を閉じてインクの吐出が停止するまで
の時間である。従って、このTn を、0≦Tn ≦Tm
範囲で変化させることで、吐出インク量を精度良く任意
に制御して、階調制御を可能にすることができる。な
お、この変形例4による駆動方法は、加圧電極93に印
加する電圧、或いは吐出口バルブ電極87に印加する電
圧を変化させて、インク量を制御する手段を組み合わせ
てもよく、この場合にはよりキメ細かな階調制御が可能
となる。
【0081】次に、第2の実施の形態の変形例5を図2
0、図21に基づき説明する。図20は第2の実施の形
態の変形例5の動作を説明する断面図、図21は第2の
実施の形態の変形例5の駆動タイミングを示すタイムチ
ャートである。この変形例によるインクジェットヘッド
は、図20(a)に示すようにインク加圧室95内に加
圧板91を設け、加圧板91と共通電極71との間に、
加圧板91の可撓空間となるキャビティ111を形成し
てある。この変形例では、加圧板91を、バルブ部65
の枠体81に形成することができる。
【0082】このように構成したインクジェットヘッド
は、加圧板91を、共通電極71に接近させて設けるこ
とができる。従って、インク加圧室95内に加圧板91
を設けることにより、カバー部67には加圧板91を設
ける必要がなくなり、カバー部67はインク加圧室95
を封止するカバーとしてのみ形成すればよいことにな
る。
【0083】このように構成したインクジェットヘッド
の動作を説明する。図20(a)に示すように静止状態
では、吐出口バルブ電極87、加圧電極93に電圧が印
加されず、吐出口77は全開した状態となる。この状態
で、図21(b)に示すように吐出口バルブ電極87に
電圧+Vn を印加し、図20(b)に示すように吐出口
バルブ板85を可撓させて吐出口77を閉じる。
【0084】次いで、吐出口バルブ電極87に電圧を印
加したままの状態で、図21(c)に示すように加圧電
極93に電圧+Vp を印加する。これにより、加圧板9
1は、図20(c)に示すようにキャビティ111側に
撓み、インク加圧室95内を負圧にする。インク加圧室
95が負圧になることにより、インク供給口79からイ
ンクがインク加圧室95内に供給される。
【0085】次いで、図21(d)に示すように吐出口
バルブ電極87の電圧を消去することにより、図20
(d)に示すように吐出口77を開く。次いで、図21
(e)に示すように加圧電極93の電圧を消去すること
により、図20(e)に示すように加圧板91がインク
加圧室95内の圧力を上昇させる方向に弾性復帰し、こ
れにより、インク加圧室95内のインクが吐出口77か
ら発射されることになる。
【0086】この変形例5によるインクジェットヘッド
によれば、全ての電極71、87、93、変形板を、同
一の基板部63に形成することができる。このため、可
動部の相対位置を高精度に製作することができる。ま
た、加圧電極93と共通電極71との間隙を、小さくす
ることができるため、より低い電圧での駆動を可能にす
ることができる。
【0087】次に、第2の実施の形態の変形例6を図2
2乃至図24に基づき説明する。図22は第2の実施の
形態の変形例6を示すマルチノズル部の斜視図、図23
は第2の実施の形態の変形例6を示すマルチノズルヘッ
ド内部の平面図、図24は第2の実施の形態の変形例6
の動作を説明するマルチノズルヘッド内部の平面図であ
る。
【0088】この変形例では、基板69上に、複数のイ
ンク加圧室95を並設してあり、それぞれのインク加圧
室95には上述した吐出口バルブ板85及び加圧板91
を設けてある。また、それぞれのインク加圧室95のイ
ンク供給口79には、共通のインク供給室121を連通
させて接続してある。インク供給室121にはインクカ
ートリッジ接続口123を設けてあり、インクカートリ
ッジ接続口123には不図示のインクカートリッジが接
続される。
【0089】このように構成したインクジェットヘッド
(マルチノズルインクジェットヘッド)の動作を説明す
る。先ず、図24(a)に示すように全ての吐出口77
を開き、この状態で、図24(b)に示すように任意の
インク加圧室95a、95cを加圧してインクを吐出さ
せる。
【0090】次いで、図24(c)に示すように吐出口
バルブ板85を可撓させることで、全ての吐出口77を
閉じる。次いで、図24(d)に示すように吐出口77
を閉じた状態で、加圧したインク加圧室95a、95c
の加圧電極93への電圧を消去し、加圧板91を弾性復
帰させることで加圧したインク加圧室95内を負圧に
し、インク供給口79を介してインク供給室121から
インクを供給する。
【0091】マルチヘッド部は、フォトリソ、エッチン
グ等により一体形成可能である。これに別途製作したイ
ンク供給室121を接合することによりヘッド全体が製
作されるが、マルチヘッド部とインク供給室121とを
一体形成することによって製作するものであってもよ
い。このマルチノズルインクジェットヘッドによれば、
インク供給時に、全ての吐出口77が閉じられるので、
負圧によるインク供給時に、インク吸引圧力の損失を無
くして、高効率で高速にインクを供給することができ
る。
【0092】また、共通のインク供給室121から、共
通の負圧によりインクを吸引するので、ノズル数に関係
なく、インク供給能力を一定にすることができ、安定し
たインク供給を可能にすることができる。
【0093】次に、本発明に係る第3の実施の形態のイ
ンクジェットヘッドを説明する。図25は本発明に係る
第3の実施の形態のインクジェットヘッドの断面図、図
26は図25のG−G矢視図、図27は図25のH−H
矢視図、図28は図25のインクジェットヘッドの分解
斜視図である。第3の実施の形態のインクジェットヘッ
ド131は、基板部63と、バルブ部133と、カバー
部67とによって要部が構成される。基板部63は、更
に、基板69と、共通電極71と、電極保護層73と、
第一周壁75とからなる。基板69上には共通電極71
を形成してあり、共通電極71は基板69上に形成した
絶縁性を有する電極保護層73によって覆われる。
【0094】電極保護層73の上面には、四角枠状の第
一周壁75を形成してある。第一周壁75の平行な対向
壁の一方には吐出口77を形成してあり、他方にはイン
ク供給口79を形成してある。バルブ部133は、第一
周壁75と略同一外形状の枠体135からなる。枠体1
35は、第一周壁75の上端面に密着して形成される。
インク供給口79に対応する枠体135の辺部には、ス
リット137を形成してある。枠体135は、スリット
137を形成することで、このスリット137と内周穴
135aとの間に、可撓可能な両端支持梁状の可撓性部
材(供給口バルブ板)139を形成している。この供給
口バルブ板139は、枠体135を第一周壁75に積層
することで、インク供給口79の内部開口上方に位置す
る。供給口バルブ板139の内部には、導電体である供
給口バルブ電極141を形成してある。
【0095】枠体135の上面には、カバー部67が積
層される。カバー部67は、第二周壁89と、加圧板9
1とからなる。第二周壁89は、第一周壁75と略同一
外形状の四角枠状である。この第二周壁89の上面に
は、加圧板91が積層される。加圧板91は、可撓性を
有し、内部に加圧電極93を形成してある。従って、電
極保護層73と加圧板91との間には、第一周壁75、
枠体81、第二周壁89によって周囲の包囲されたイン
ク加圧室95が形成される。インク加圧室95は、第一
周壁75に形成された吐出口77、インク供給口79の
みを開放させて、液密構造となっている。インク加圧室
95は、インク供給口79を介して不図示のインク供給
室に接続される。
【0096】このように構成されるインクジェットヘッ
ド131は、上述の第1の実施の形態と同様に、基板6
9を透明ガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート等の樹脂フィルム、金属酸化物、セラ
ミックなどの無機絶縁体、半導体により形成することが
できる。また、共通電極71、供給口バルブ電極14
1、加圧電極93は、金属或いは導電性を有する金属化
合物で形成することができる。この場合、金属として
は、金、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム等を用い
ることができ、金属化合物としては、酸化イリジウム、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム等を用いることができる。
【0097】次に、このように構成したインクジェット
ヘッド131の動作を説明する。図29は本発明に係る
第3の実施の形態のインクジェットヘッドの動作を説明
する断面図、図30は本発明に係る第3の実施の形態の
インクジェットヘッドの駆動タイミングを示すタイムチ
ャートである。インクジェットヘッド131は、図29
(a)に示す静止状態では、供給口バルブ板139が、
インク供給口79の内部開口の上方に位置し、インク供
給口79を開放状態としている。
【0098】静止状態で、図30(b)に示すように供
給口バルブ電極141に電圧+Vsを印加すると、図2
9(b)に示すように供給口バルブ板139が静電気力
によって、共通電極71側に撓み、インク供給口79の
内部開口を塞ぐ。次いで、図30(c)に示すように加
圧電極93に電圧+Vp を印加すると、図29(c)に
示すように加圧板91が静電気力によって、インク加圧
室95側へ撓む。これにより、インク加圧室95内の圧
力が上昇して、インク加圧室95内のインクが吐出口7
7からインク滴となって発射される。
【0099】次いで、加圧電極93に電圧を印加した状
態のまま、図30(d)に示すように供給口バルブ電極
141への電圧を消去すると、図29(d)に示すよう
に供給口バルブ板139が弾性復帰し、インク供給口7
9を開放する。次いで、図30(e)に示すように加圧
電極93への電圧を消去すると、図29(e)に示すよ
うに加圧板91が弾性復帰し、インク加圧室95内が負
圧となり、インク供給口79からインクがインク加圧室
95内に流入し、次のインク滴の発射に備えることにな
る。
【0100】このように、本実施の形態に係るインクジ
ェットヘッド131によれば、インク供給口79を開閉
する供給口バルブ板139を設けたので、インク吐出時
に、インク供給口79を閉鎖することにより、加圧時の
インクの吐出を効率良く行うことができる。この結果、
吐出サイクルを短縮することができ、高速な吐出を可能
にすることができる。
【0101】そして、インク供給口79が供給口バルブ
板139で閉鎖できるので、インク供給口79を大きく
形成でき、インク供給時の流路抵抗を小さくして、イン
ク供給時間を短縮することができる。これによっても、
高速のインク吐出が安定して可能になる。また、このよ
うな構成によれば、インク加圧室95を加圧するとき、
及び供給口バルブ板139を閉じるときに、静電気力
(引力)の作用による高速な動作が可能となる。そし
て、インク加圧室95を負圧にするとき、及び供給口バ
ルブ板139を開くときにおいても、静電気力(斥力)
の作用及び材料の弾性復帰力による高速な動作が可能と
なる。加圧板91、供給口バルブ板139は、変形部の
形状、材質、電極間隙を、力学的、静電気学的に適宜に
設計することにより、高効率且つ低電圧での動作が可能
となる。
【0102】また、このような構成によれば、簡素な積
層構造であるため、製作を容易に行うことができる。即
ち、図28に示した基板部63、バルブ部133、カバ
ー部67をフォトリソ、エッチングにより加工した後、
接合してもよく、基板部63とバルブ部133とを一体
形成した後、カバー部67を接合してもよく、更には、
全てを一体形成することによっても製作が可能となる。
この結果、容易な製作が可能となって、製造コストを安
価にできる。
【0103】なお、共通電極71、供給口バルブ電極1
41、加圧電極93は、一般に金属が好ましいが、高濃
度不純物が添加された半導体であってもよい。更に、こ
れらの電極71、141、93は、電極部を保護する目
的からシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、PSG等のガ
ラス類、ポリイミド等からなる絶縁膜により覆われるこ
とが望ましい。
【0104】また、図示は省略するが、インクジェット
ヘッド131は、静電気力による変形量を安定させるた
め、所望の位置に機械的ストッパを設けて、供給口バル
ブ板139、加圧板91の変形量を一定に規制するもの
であってもよい。インクジェットヘッド131は、第2
の実施の形態の場合と同様に、共通電極を分離して、加
圧電極93、供給口バルブ電極141に対して独立に対
向電極を設けてもよい。これにより、各電極間の電界ク
ロストークを低減させることができ、より高精度にイン
クジェットヘッドを動作させることができる。
【0105】インクジェットヘッド131は、第一周壁
75に吐出口77のみを形成し、インク供給口79を加
圧板91に形成するものであってもよい。この場合、枠
体135の供給口バルブ板139は、インク加圧室95
内において、インク供給口79の内部開口下方に配置
し、静電気力により、加圧板91方向へ撓み、インク供
給口79の内部開口を塞ぐようにする。このように、供
給口バルブ板139は、インク供給口79からのインク
の吐出方向に対して略平行に移動するものとしてもよ
い。
【0106】この他にも、インク供給口79の位置、構
造は適宜決定されるものであってよい。更に、供給口バ
ルブの構成は、上述した構造以外に、静電気力(引力、
斥力)により機械的に変形又は移動するものであればよ
く、例えば片持ち梁構造の供給口バルブ板139や、静
電リニアアクチュエータ型のバルブや、静電回転型のバ
ルブであってもよい。
【0107】次に、この第3の実施の形態の種々の変形
例を説明する。これら変形例は、第3の実施の形態の構
成の要部である供給口バルブ板を共通に備えるものであ
る。まず、第3の実施の形態の変形例1を図31に基づ
き説明する。図31は第3の実施の形態の変形例1の動
作を説明する断面図である。第3の実施の形態で説明し
たインクジェットヘッド131は、インク吐出時に、供
給口バルブ電極141に電圧を印加し、インク供給口7
9を閉じた状態で、加圧電極93に電圧を印加すること
で、インク加圧室95内のインクを吐出口77から吐出
した。従って、この場合には、開口が吐出口77のみと
なるため、加圧力が高効率に作用してインク吐出量は、
最大量となる。
【0108】一方、インク吐出時に、供給口バルブ電極
141に電圧を印加せず、インク供給口79を全開した
状態で加圧電極93に電圧を印加し、インクを吐出口7
7から吐出した場合には、加圧力が低下してインク吐出
量は、図31(a)に示すように小量となる。この変形
例1によるインクジェットヘッドでは、加圧電極93に
印加する電圧+Vp が一定で、且つ加圧時間が一定の場
合、供給口バルブ電極141に適宜な電圧Vs1を印加す
ることで、インク供給口79の開口率を任意に変化さ
せ、吐出インク量を所望の量に制御する。
【0109】このような変形例1によるインクジェット
ヘッドの駆動方法によれば、インク供給口79の開口率
を変化させることにより、インク吐出量を任意に且つ高
精度に制御して、階調制御を可能にすることができる。
なお、この変形例1による駆動方法は、加圧電極93に
印加する電圧、時間を変化させて、インク量を制御する
手段を組み合わせてもよく、この場合にはよりキメ細か
な階調制御が可能となる。
【0110】次に、第3の実施の形態の変形例2を図3
2、図33に基づき説明する。図32は第3の実施の形
態の変形例3の動作を説明する断面図、図33は第3の
実施の形態の変形例2の駆動タイミングを示すタイムチ
ャートである。この変形例によるインクジェットヘッド
は、図32(a)に示すようにインク加圧室95内に加
圧板91を設け、加圧板91と共通電極71との間に、
加圧板91の可撓空間となるキャビティ111を形成し
てある。この変形例では、加圧板91を、バルブ部13
3の枠体135に形成することができる。
【0111】このように構成したインクジェットヘッド
は、加圧板91を、共通電極71に接近させて設けるこ
とができる。従って、インク加圧室95内に加圧板91
を設けることにより、カバー部67には加圧板91を設
ける必要がなくなり、カバー部67はインク加圧室95
を封止するカバーとしてのみ形成すればよいことにな
る。
【0112】このように構成したインクジェットヘッド
の動作を説明する。図32(a)に示す静止状態では、
図33(a)に示すように供給口バルブ電極141、加
圧電極93に電圧が印加されず、インク供給口79は全
開した状態となる。この状態で、図33(b)に示すよ
うに加圧電極93に電圧+Vp を印加する。これによ
り、加圧板91は、図32(b)に示すようにキャビテ
ィ111側に撓み、インク加圧室95内を負圧にする。
インク加圧室95が負圧になることにより、インク供給
口79からインクがインク加圧室95内に供給される。
【0113】次いで、加圧電極93に電圧を印加したま
まの状態で、図33(c)に示すように供給口バルブ電
極141に電圧+Vs を印加し、図32(c)に示すよ
うに供給口バルブ板139を可撓させてインク供給口7
9を閉じる。次いで、図33(d)に示すように加圧電
極93の電圧を消去することにより、図32(d)に示
すように加圧板91がインク加圧室95内の圧力を上昇
させる方向に弾性復帰する。これにより、インク加圧室
95内のインクが吐出口77から発射されることになる
が、インク供給口79が閉じられているため、高速、高
効率、且つ安定なインクの吐出が可能となる。
【0114】次いで、図33(e)に示すように供給口
バルブ電極141の電圧を消去することにより、図32
(e)に示すように供給口バルブ板139を弾性復帰さ
せ、インク供給口79を開いて次のインク供給に備え
る。この変形例2によるインクジェットヘッドによれ
ば、全ての電極71、141、93、変形板を、同一の
基板部63に形成することができる。このため、可動部
の相対位置を高精度に製作することができる。
【0115】また、加圧電極93と共通電極71との間
隙を、小さくすることができるため、より低い電圧での
駆動を可能にすることができる。
【0116】次に、第3の実施の形態の変形例3を図3
4乃至図36に基づき説明する。図33は第3の実施の
形態の変形例3を示すマルチノズル部の斜視図、図35
は第3の実施の形態の変形例3を示すマルチノズルヘッ
ド内部の平面図、図36は第3の実施の形態の変形例3
の動作を説明するマルチノズルヘッド内部の平面図であ
る。
【0117】この変形例では、基板69上に、複数のイ
ンク加圧室95を並設してあり、それぞれのインク加圧
室95には上述した供給口バルブ板139及び加圧板9
1を設けてある。また、それぞれのインク加圧室95の
インク供給口79には、共通のインク供給室121を連
通させて接続してある。インク供給室121にはインク
カートリッジ接続口123を設けてあり、インクカート
リッジ接続口123には不図示のインクカートリッジが
接続される。
【0118】このように構成したインクジェットヘッド
(マルチノズルインクジェットヘッド)の動作を説明す
る。先ず、図36(a)に示すように全てのインク供給
口79を閉じ、この状態で、図36(b)に示すように
任意のインク加圧室95a、95cを加圧してインクを
吐出させる。
【0119】次いで、図36(c)に示すように加圧し
たインク加圧室95a、95cの供給口バルブ板139
を開く。次いで、図36(d)に示すように加圧したイ
ンク加圧室95の加圧電極93への電圧を消去し、加圧
板91を弾性復帰させることで加圧したインク加圧室9
5a、95c内を負圧にし、インク供給口79を介して
インク供給室121からインクを供給する。
【0120】マルチヘッド部は、フォトリソ、エッチン
グ等により一体形成可能である。これに別途製作したイ
ンク供給室121を接合することによりヘッド全体が製
作されるが、マルチヘッド部とインク供給室121とを
一体形成することによって製作するものであってもよ
い。このマルチノズルインクジェットヘッドによれば、
インク吐出時に、全てのインク供給口79が閉じられる
ので、隣接するインク加圧室95に圧力の相互干渉が発
生せず、高精度にインクを吐出させることができる。
【0121】また、加圧に要するエネルギーと吐出能
力、及びインク供給に要するエネルギーとインク供給能
力が、吐出口77の数に関係なく略一定になるので、高
効率、高速で且つ安定したインクの吐出及び供給を可能
にすることができる。なお、図36(a)(b)では、
全てのインク供給口79を閉じたが、インクを吐出する
インク加圧室95a、95cのインク供給口79のみを
閉じてもよい。
【0122】また、図36(c)(d)では、加圧した
インク加圧室95a、95cのインク供給口79を開い
たが、全てのインク供給口79を開いてから、インク加
圧室95を負圧にしてインクを供給してもよい。次に、
本発明に係る第4の実施の形態のインクジェットヘッド
を説明する。
【0123】図37は本発明に係る第4の実施の形態の
インクジェットヘッドの断面図、図38は図37のJ−
J矢視図、図39は図37のK−K矢視図、図40は図
37のインクジェットヘッドの分解斜視図である。第4
の実施の形態のインクジェットヘッド151は、基板部
63と、バルブ部153と、カバー部67とによって要
部が構成される。基板部63は、更に、基板69と、共
通電極71と、電極保護層73と、第一周壁75とから
なる。基板69上には共通電極71を形成してあり、共
通電極71は基板69上に形成した絶縁性を有する電極
保護層73によって覆われる。
【0124】電極保護層73の上面には、四角枠状の第
一周壁75を形成してある。第一周壁75の平行な対向
壁の一方には吐出口77を形成してあり、他方にはイン
ク供給口79を形成してある。バルブ部153は、第一
周壁75と略同一外形状の枠体155からなる。枠体1
55は、第一周壁75の上端面に密着して形成される。
吐出口77に対応する枠体155の辺部と、インク供給
口79に対応する枠体155の辺部とには、それぞれス
リット157を形成してある。枠体155は、スリット
157を形成することで、このスリット157と内周穴
155aとの間に、可撓可能な両端支持梁状の吐出口バ
ルブ板85及び供給口バルブ板139を形成している。
【0125】吐出口バルブ板85は、枠体155を第一
周壁75に積層することで、吐出口77の内部開口上方
に位置する。また、供給口バルブ板139は、枠体15
5を第一周壁75に積層することで、インク供給口79
の内部開口上方に位置する。吐出口バルブ板85の内部
には、吐出口バルブ電極87を形成してある。供給口バ
ルブ板139の内部には、供給口バルブ電極141を形
成してある。
【0126】枠体81の上面には、カバー部67が積層
される。カバー部67は、第二周壁89と、加圧板91
とからなる。第二周壁89は、第一周壁75と略同一外
形状の四角枠状である。この第二周壁89の上面には、
加圧板91が積層される。加圧板91は、可撓性を有
し、内部に加圧電極93を形成してある。従って、電極
保護層73と加圧板91との間には、第一周壁75、枠
体155、第二周壁89によって周囲の包囲されたイン
ク加圧室95が形成される。インク加圧室95は、第一
周壁75に形成された吐出口77、インク供給口79の
みを開放させて、液密構造となっている。インク加圧室
95は、インク供給口79を介して不図示のインク供給
室に接続される。
【0127】このように構成されるインクジェットヘッ
ド151は、上述の第1の実施の形態と同様に、基板6
9を透明ガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート等の樹脂フィルム、金属酸化物、セラ
ミックなどの無機絶縁体、半導体により形成することが
できる。また、共通電極71、吐出口バルブ電極87、
供給口バルブ電極141、加圧電極93は、金属或いは
導電性を有する金属化合物で形成できる。この場合、金
属としては、金、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム
等を用いることができ、金属化合物としては、酸化イリ
ジウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等を用いることが
できる。
【0128】次に、このように構成したインクジェット
ヘッド151の動作を説明する。図41は本発明に係る
第4の実施の形態のインクジェットヘッドの動作を説明
する断面図、図42は本発明に係る第4の実施の形態の
インクジェットヘッドの駆動タイミングを示すタイムチ
ャートである。インクジェットヘッド151は、図41
(a)に示す静止状態では、吐出口バルブ板85、供給
口バルブ板139が、吐出口77の内部開口の上方、イ
ンク供給口79の内部開口の上方に位置し、吐出口7
7、インク供給口79を開放状態としている。
【0129】静止状態で、図42(b)に示すように供
給口バルブ電極141に電圧+Vsを印加すると、図4
1(b)に示すように供給口バルブ板139が静電気力
によって共通電極71側へ撓み、インク供給口79を塞
ぐ。次いで、供給口バルブ電極141に電圧を印加した
ままの状態で、図42(c)に示すように加圧電極93
に電圧+Vp を印加すると、図41(c)に示すように
加圧板91がインク加圧室95側へ撓む。これにより、
インク加圧室95内の圧力が上昇して、インク加圧室9
5内のインクが吐出口77からインク滴となって発射さ
れる。
【0130】次いで、加圧電極93に電圧を印加した状
態のまま、図42(d)に示すように吐出口バルブ電極
87の電圧+Vn を印加する。これにより、図41
(d)に示すように吐出口バルブ板85が静電気力によ
って、共通電極71側に撓み、吐出口77の内部開口を
塞ぐ。この直後に、供給口バルブ電極141の電圧+V
sを消去する。これにより、供給口バルブ板139が弾
性復帰して、インク供給口79が開かれることとなる。
【0131】この状態で図42(e)に示すように加圧
電極93への電圧を消去すると、図41(e)に示すよ
うに加圧板91が弾性復帰し、インク加圧室95内が負
圧となり、インク供給口79からインクがインク加圧室
95内に流入する。次いで、図42(f)に示すように
吐出口バルブ電極87への電圧を消去すること、図41
(f)に示すように吐出口バルブ板85が弾性復帰し、
吐出口77を開き、次のインク滴の発射に備えることに
なる。
【0132】このように、本実施の形態に係るインクジ
ェットヘッド151によれば、吐出口77を開閉する吐
出口バルブ板85と、インク供給口79を開閉する供給
口バルブ板139とを設けたので、インク供給時には、
吐出口77を閉鎖することにより、インク供給室からの
インクの供給を効率良く行うことができ、インク吐出時
には、インク供給口79を閉鎖することにより、加圧時
のインクの吐出を効率良く行うことができる。この結果
吐出サイクルを飛躍的に短縮することができ、高速吐出
が可能となる。また、入力エネルギを飛躍的に低減する
ことができる。
【0133】また、このような構成によれば、インク加
圧室95を加圧するとき、吐出口バルブ板85及び供給
口バルブ板139を閉じるときに、静電気力(引力)の
作用による高速な動作が可能となる。そして、インク加
圧室95を負圧にするとき、吐出口バルブ板85及び供
給口バルブ板139を開くときにおいても、静電気力
(斥力)の作用及び材料の弾性復帰力による高速な動作
が可能となる。加圧板91、吐出口バルブ板85、供給
口バルブ板139は、変形部の形状、材質、電極間隙
を、力学的、静電気学的に適宜に設計することにより、
高効率且つ低電圧での動作が可能となる。
【0134】また、このような構成によれば、簡素な積
層構造であるため、製作を容易に行うことができる。即
ち、図40に示した基板部63、バルブ部153、カバ
ー部67をフォトリソ、エッチングにより加工した後、
接合してもよく、基板部63とバルブ部153とを一体
形成した後、カバー部67を接合してもよく、更には、
全てを一体形成することによっても製作が可能となる。
この結果、容易な製作が可能となって、製造コストを安
価にできる。
【0135】なお、共通電極71、吐出口バルブ電極8
7、供給口バルブ電極141、加圧電極93は、一般に
金属が好ましいが、高濃度不純物が添加された半導体で
あってもよい。更に、これらの電極71、87、14
1、93は、電極部を保護する目的からシリコン酸化
膜、シリコン窒化膜、PSG等のガラス類、ポリイミド
等からなる絶縁膜97により覆われることが望ましい。
【0136】また、図示は省略するが、インクジェット
ヘッド151は、静電気力による変形量を安定させるた
め、所望の位置に機械的ストッパを設けて、吐出口バル
ブ板85、供給口バルブ板139、加圧板91の変形量
を一定に規制するものであってもよい。インクジェット
ヘッド151は、第2の実施の形態の場合と同様に、共
通電極を分離して、加圧電極93、吐出口バルブ電極8
7、供給口バルブ電極141に対して独立に対向電極を
設けてもよい。これにより、各電極間の電界クロストー
クを低減させることができ、より高精度にインクジェッ
トヘッドを動作させることができる。
【0137】インクジェットヘッド151は、第2、第
3の実施の形態の場合と同様に、吐出口77或いはイン
ク供給口79をカバー部67に配設し、吐出口バルブ板
85、供給口バルブ板139の動作方向を、インクの流
れ方向と平行とするものであってもよい。この他にも、
吐出口77或いはインク供給口79の位置、構造は適宜
決定されるものであってよい。更に、吐出バルブ、供給
口バルブの構成は、上述した構造以外に、静電気力(引
力、斥力)により機械的に変形又は移動するものであれ
ばよく、例えば片持ち梁構造のバルブ板や、静電リニア
アクチュエータ型のバルブや、静電回転型のバルブであ
ってもよい。
【0138】次に、この第4の実施の形態の種々の変形
例を説明する。これら変形例は、第4の実施の形態の構
成の要部である吐出口バルブ板及び供給口バルブ板を共
通に備えるものである。まず、第4の実施の形態の変形
例1を図43に基づき説明する。図43は第4の実施の
形態の変形例1のの動作を説明する断面図である。
【0139】第4の実施の形態で説明したインクジェッ
トヘッド151は、インク吐出時に、吐出口バルブ電極
87に電圧を印加せず、加圧電極93、供給口バルブ電
極141に電圧を印加することで、吐出口77を全開し
た状態でインク加圧室95内のインクを吐出口77から
吐出した。従って、この場合には、吐出口77の流路抵
抗が最小であるため、インク吐出量は、最大量となる。
【0140】一方、この変形例1によるインクジェット
ヘッドは、加圧電極93に印加する電圧が一定で、且つ
加圧時間が一定の場合、吐出口バルブ電極87に適宜な
電圧Vn1を印加することで、吐出口77の開口率を任意
に変化させる。従って、インク加圧室95を加圧する
際、図43(b)に示すように供給口バルブ電極141
にVs を印加してインク供給口79を閉じる一方で、吐
出口バルブ電極87に適宜な電圧Vn1を印加して、吐出
口77の開口率を適宜に制御することにより、吐出イン
ク量を所望の量に制御することができる。
【0141】このような変形例1によるインクジェット
ヘッドの駆動方法によれば、吐出口77の開口率を変化
させることにより、インク吐出量を任意に且つ高精度に
制御して、階調制御を可能にすることができる。なお、
この変形例1による駆動方法は、加圧電極93に印加す
る電圧、時間を変化させて、インク量を制御する手段を
組み合わせてもよく、この場合にはよりキメ細かな階調
制御が可能となる。
【0142】更に、この変形例1による駆動方法は、イ
ンク供給口79の開口率を任意に変えてインク加圧室9
5内の圧力を制御する手段と組み合わせ、インク量を制
御するものであってもよい。
【0143】次に、第4の実施の形態の変形例2を図4
4、図45に基づき説明する。図44は第4の実施の形
態の変形例2の動作を説明する断面図、図45は第4の
実施の形態の変形例2の駆動タイミングを示すタイムチ
ャートである。上述した変形例1の階調制御では、吐出
口バルブ板85によって吐出口77の開口率を変化させ
ることにより、インク吐出量を変化させて階調制御を行
ったが、この変形例2の場合では、吐出口バルブ板85
の開閉時間を制御することにより、インク吐出量を変化
させて、階調制御を可能としている。
【0144】即ち、図45に示すようにインク吐出開始
時には、吐出口バルブ電極87には電圧を印加せずに、
加圧電極93、供給口バルブ電極141に電圧+Vp
電圧+Vs を印加して、インクを全開した吐出口77よ
り吐出させる。この際、加圧開始から任意時間Tn 経過
後に、吐出口バルブ電極87に電圧+Vn を印加するこ
とで、吐出口77を閉じる。
【0145】図45において、Tm は、インクが吐出す
る最大時間であり、Tn は、加圧してインクが吐出して
から、吐出口77を閉じてインクの吐出が停止するまで
の時間である。従って、このTn を、0≦Tn ≦Tm
範囲で変化させることで、吐出インク量を精度良く任意
に制御して、階調制御を可能にすることができる。な
お、この変形例2による駆動方法は、加圧電極93に印
加する電圧、或いは吐出口バルブ電極87に印加する電
圧を変化させて、インク量を制御する手段を組み合わせ
てもよく、この場合にはよりキメ細かな階調制御が可能
となる。
【0146】更に、この変形例2による駆動方法は、イ
ンク供給口79の開口率を任意に変えてインク加圧室9
5内の圧力を制御する手段と組み合わせ、インク量を制
御するものであってもよい。
【0147】次に、第4の実施の形態の変形例3を図4
6、図47に基づき説明する。図46は第4の実施の形
態の変形例3の動作を説明する断面図、図47は第4の
実施の形態の変形例3の駆動タイミングを示すタイムチ
ャートである。この変形例によるインクジェットヘッド
は、図46(a)に示すようにインク加圧室95内に加
圧板91を設け、加圧板91と共通電極71との間に、
加圧板91の可撓空間となるキャビティ111を形成し
てある。この変形例では、加圧板91を、バルブ部15
3の枠体155に形成することができる。
【0148】このように構成したインクジェットヘッド
は、加圧板91を、共通電極71に接近させて設けるこ
とができる。従って、インク加圧室95内に加圧板91
を設けることにより、カバー部67には加圧板91を設
ける必要がなくなり、カバー部67はインク加圧室95
を封止するカバーとしてのみ形成すればよいことにな
る。
【0149】このように構成したインクジェットヘッド
の動作を説明する。図47(a)に示すように静止状態
では、吐出口バルブ電極87、供給口バルブ電極14
1、加圧電極93に電圧が印加されず、吐出口77及び
インク供給口79は全開した状態となる。この状態で、
図47(b)に示すように吐出口バルブ電極87に電圧
+Vn を印加し、図46(b)に示すように吐出口バル
ブ板85を可撓させて吐出口77を閉じる。
【0150】次いで、吐出口バルブ電極87に電圧を印
加したままの状態で、図47(c)に示すように加圧電
極93に電圧+Vp を印加する。これにより、加圧板9
1は、図46(c)に示すようにキャビティ111側に
撓み、インク加圧室95内を負圧にする。インク加圧室
95が負圧になることにより、インク供給口79からイ
ンクがインク加圧室95内に供給される。
【0151】次いで、図47(d)に示すように供給口
バルブ電極141に電圧+Vs を印加して、インク供給
口79を閉じる。その直後に、吐出口バルブ電極87の
電圧を消去することにより、図46(d)に示すように
吐出口77を開く。次いで、図47(e)に示すように
加圧電極93の電圧を消去することにより、図46
(e)に示すように加圧板91がインク加圧室95内の
圧力を上昇させる方向に弾性復帰し、これにより、イン
ク加圧室95内のインクが吐出口77から発射されるこ
とになる。
【0152】インクの発射の後、図47(f)に示すよ
うに供給口バルブ電極141の電圧を消去することによ
り、インク供給口79を開き、再び次のインク発射に備
えることとなる。この変形例3によるインクジェットヘ
ッドによれば、全ての電極71、87、141、93、
変形板を、同一の基板69に形成することができる。こ
のため、可動部の相対位置を高精度に製作することがで
きる。
【0153】また、加圧電極93と共通電極71との間
隙を、小さくすることができるため、より低い電圧での
駆動を可能にすることができる。
【0154】次に、第4の実施の形態の変形例4を図4
8乃至図50に基づき説明する。図48は第4の実施の
形態の変形例4を示すマルチノズル部の斜視図、図49
は第4の実施の形態の変形例4を示すマルチノズルヘッ
ド内部の平面図、図50は第4の実施の形態の変形例4
の動作を説明するマルチノズルヘッド内部の平面図であ
る。
【0155】この変形例では、基板69上に、複数のイ
ンク加圧室95を並設してあり、それぞれのインク加圧
室95には上述した吐出口バルブ板85、供給口バルブ
板139及び加圧板91を設けてある。また、それぞれ
のインク加圧室95のインク供給口79には、共通のイ
ンク供給室121を連通させて接続してある。インク供
給室121にはインクカートリッジ接続口123を設け
てあり、インクカートリッジ接続口123には不図示の
インクカートリッジが接続される。
【0156】このように構成したインクジェットヘッド
(マルチノズルインクジェットヘッド)の動作を説明す
る。先ず、図50(a)に示すように全ての吐出口77
を開くとともに、全てのインク供給口79を閉じ、この
状態で、図50(b)に示すように任意のインク加圧室
95a、95cを加圧してインクを吐出させる。
【0157】次いで、図50(c)に示すように吐出口
バルブ板85を可撓させることで、全ての吐出口77を
閉じ、供給口バルブ板139を弾性復帰させることで、
加圧したインク加圧室95a、95cのインク供給口7
9を開く。次いで、図50(d)に示すように吐出口7
7を閉じた状態で、加圧したインク加圧室95a、95
cの加圧電極93への電圧を消去し、加圧板91を弾性
復帰させることで加圧したインク加圧室95a、95c
内を負圧にし、インク供給口79を介してインク供給室
121からインクを供給する。
【0158】マルチヘッド部は、フォトリソ、エッチン
グ等により一体形成可能である。これに別途製作したイ
ンク供給室121を接合することによりヘッド全体が製
作されるが、マルチヘッド部とインク供給室121とを
一体形成することによって製作するものであってもよ
い。このマルチノズルインクジェットヘッドによれば、
インク吐出時に、全てのインク供給口79が閉じられる
ので、隣接するインク加圧室95の吐出圧力が相互干渉
せず、高品位のインク吐出が高効率、高速に可能とな
る。また、インク供給時に、全ての吐出口77が閉じら
れるので、負圧によるインク供給時に、インク吸引圧力
の損失を無くして、高効率で高速にインクを供給するこ
とができる。
【0159】そして、共通のインク供給室121から、
共通の負圧によりインクを吸引するので、ノズル数に関
係なく、インク供給能力を一定にすることができ、安定
したインク供給を可能にすることができる。更に、加圧
に要するエネルギーと吐出能力、及びインク供給に要す
るエネルギーとインク供給能力が、吐出口77の数に関
係なく略一定になるので、高効率、高速で且つ安定した
インクの吐出及び供給を可能にすることができる。
【0160】なお、図50(a)(b)では、全てのイ
ンク供給口79を閉じたが、インクを吐出するインク加
圧室95a、95cのインク供給口79のみを閉じても
よい。また、図50(c)(d)では、加圧したインク
加圧室95a、95cのインク供給口79を開いたが、
全てのインク供給口79を開いてから、インク加圧室9
5を負圧にしてインクを供給してもよい。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
共通電極と信号電極とに電圧を印加することで発生した
静電気力により、可撓板をインク加圧室に変形させ、イ
ンク加圧室内のインクを発射させるので、発熱体、圧電
素子を用いた場合に比べて、低電圧、高応答性のインク
ジェットヘッドを得ることができる。
【0162】そして、本発明によれば、吐出口を開閉す
るバルブ、或いはインク供給口を開閉するバルブを設け
たので、インク供給時には、吐出口を閉鎖してインクの
供給を効率良く行うことができ、インク吐出時には、イ
ンク供給口を閉鎖してインクの吐出を効率良く行うこと
ができ、高速吐出、高効率吐出の可能なインクジェット
ヘッドを得ることができる。
【0163】また、本発明によれば、吐出口の開口率を
変化させ、或いは吐出口の開閉時間を制御することによ
り、インク吐出量を変化させるようにしたので、高品質
に階調制御の行えるインクジェットヘッドを得ることが
できる。
【0164】更に、本発明によれば、インク加圧室等の
要部がフォトリソプロセスにより形成できるので、一体
形成が可能になるとともに、設計自由度を高めることが
でき、且つ微細化、集積回路化、マルチ化の容易なイン
クジェットヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のインクジェッ
トヘッドの断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態のインクジェッ
トヘッドの動作を説明する断面図である。
【図4】本発明に係る第2の実施の形態のインクジェッ
トヘッドの断面図である。
【図5】図4のB−B矢視図である。
【図6】図4のC−C矢視図である。
【図7】図4のインクジェットヘッドの分解斜視図であ
る。
【図8】本発明に係る第2の実施の形態のインクジェッ
トヘッドの動作を説明する断面図である。
【図9】本発明に係る第2の実施の形態のインクジェッ
トヘッドの駆動タイミングを示すタイムチャートであ
る。
【図10】図4の吐出口バルブ板の構造を示す断面図で
ある。
【図11】第2の実施の形態の変形例1を示す断面図で
ある。
【図12】第2の実施の形態の変形例2を示す断面図で
ある。
【図13】図12のD−D矢視図である。
【図14】図12のE−E矢視図である。
【図15】図12のF−F矢視図である。
【図16】第2の実施の形態の変形例2の動作を説明す
る断面図である。
【図17】第2の実施の形態の変形例3の動作を説明す
る断面図である。
【図18】第2の実施の形態の変形例4の動作を説明す
る断面図である。
【図19】第2の実施の形態の変形例4の駆動タイミン
グを示すタイムチャートである。
【図20】第2の実施の形態の変形例5の動作を説明す
る断面図である。
【図21】第2の実施の形態の変形例5の駆動タイミン
グを示すタイムチャートである。
【図22】第2の実施の形態の変形例6を示すマルチノ
ズル部の斜視図である。
【図23】第2の実施の形態の変形例6を示すマルチノ
ズルヘッド内部の平面図である。
【図24】第2の実施の形態の変形例6の動作を説明す
るマルチノズルヘッド内部の平面図である。
【図25】本発明に係る第3の実施の形態のインクジェ
ットヘッドの断面図である。
【図26】図25のG−G矢視図である。
【図27】図25のH−H矢視図である。
【図28】図25のインクジェットヘッドの分解斜視図
である。
【図29】本発明に係る第3の実施の形態のインクジェ
ットヘッドの動作を説明する断面図である。
【図30】本発明に係る第3の実施の形態のインクジェ
ットヘッドの駆動タイミングを示すタイムチャートであ
る。
【図31】第3の実施の形態の変形例1の動作を説明す
る断面図である。
【図32】第3の実施の形態の変形例2の動作を説明す
る断面図である。
【図33】第3の実施の形態の変形例2の駆動タイミン
グを示すタイムチャートである。
【図34】第3の実施の形態の変形例3を示すマルチノ
ズル部の斜視図である。
【図35】第3の実施の形態の変形例3を示すマルチノ
ズルヘッド内部の平面図である。
【図36】第3の実施の形態の変形例3の動作を説明す
るマルチノズルヘッド内部の平面図である。
【図37】本発明に係る第4の実施の形態のインクジェ
ットヘッドの断面図である。
【図38】図37のJ−J矢視図である。
【図39】図37のK−K矢視図である。
【図40】図37のインクジェットヘッドの分解斜視図
である。
【図41】本発明に係る第4の実施の形態のインクジェ
ットヘッドの動作を説明する断面図である。
【図42】本発明に係る第4の実施の形態のインクジェ
ットヘッドの駆動タイミングを示すタイムチャートであ
る。
【図43】第4の実施の形態の変形例1のの動作を説明
する断面図である。
【図44】第4の実施の形態の変形例2の動作を説明す
る断面図である。
【図45】第4の実施の形態の変形例2の駆動タイミン
グを示すタイムチャートである。
【図46】第4の実施の形態の変形例3の動作を説明す
る断面図である。
【図47】第4の実施の形態の変形例3の駆動タイミン
グを示すタイムチャートである。
【図48】第4の実施の形態の変形例4を示すマルチノ
ズル部の斜視図である。
【図49】第4の実施の形態の変形例4を示すマルチノ
ズルヘッド内部の平面図である。
【図50】第4の実施の形態の変形例4の動作を説明す
るマルチノズルヘッド内部の平面図である。
【図51】従来のバブル型のインクジェットヘッドの断
面図である。
【図52】従来の圧電素子型のインクジェットヘッド断
面図である。
【符号の説明】
23、71 共通電極 35、77 吐出口 37、79 インク供給口 39 可撓板 43、95 インク加圧室 45 信号電極 51、61、131、151 インクジェットヘッド 85 吐出口バルブ板(可撓性部材) 87 吐出口バルブ電極(導電体) 91 加圧板(圧力発生手段) 97 絶縁体 121 インク供給室 139 供給口バルブ板(可撓性部材) 141 供給口バルブ電極(導電体)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口(35)及びインク供給口(3
    7)に連通する空隙(41)を有し一つの内壁面を絶縁
    体からなる可撓板(39)によって形成したインク加圧
    室(43)と、 前記可撓板に対向させて該インク加圧室に設けた共通電
    極(23)と、 該共通電極に対向して前記可撓板に設けた信号電極(4
    5)とを具備し、 前記共通電極と前記信号電極とに電圧を印加することで
    発生したクーロン力により前記可撓板を前記インク加圧
    室の内側に変形させて前記インク加圧室内の空隙に充填
    されているインクを前記吐出口からインク滴として発射
    させることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記共通電極を帯状に形成し、該共通電
    極の長手方向に複数の前記インク加圧室を配設し、該イ
    ンク加圧室の前記可撓板に形成したそれぞれの前記信号
    電極に、印字情報に基づく駆動電圧を選択的に印加する
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記共通電極と、前記インク
    加圧室と、前記可撓板と、前記信号電極とをフォトリソ
    プロセスにより順次積層して形成したことを特徴とする
    請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 吐出口及びインク供給口を有するインク
    加圧室と、該インク加圧室に設けられる圧力発生手段と
    を具備し、該圧力発生手段を静電気力によって変形させ
    ることで前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク
    加圧室内のインクを前記吐出口からインク滴として発射
    させるインクジェットヘッドにおいて、 静電気力によって前記吐出口の開口率を任意に変化させ
    るバルブを前記インク加圧室に設けたことを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 吐出口及びインク供給口を有するインク
    加圧室と、該インク加圧室に設けられる圧力発生手段と
    を具備し、該圧力発生手段を静電気力によって変形させ
    ることで前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク
    加圧室内のインクを前記吐出口からインク滴として発射
    させるインクジェットヘッドにおいて、 静電気力によって前記インク供給口の開口率を任意に変
    化させるバルブを前記インク加圧室に設けたことを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 吐出口及びインク供給口を有するインク
    加圧室と、該インク加圧室に設けられる圧力発生手段と
    を具備し、該圧力発生手段を静電気力によって変形させ
    ることで前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク
    加圧室内のインクを前記吐出口からインク滴として発射
    させるインクジェットヘッドにおいて、 静電気力によって前記吐出口及び前記インク供給口の開
    口率をそれぞれ任意に且つ独立に変化させるバルブを前
    記インク加圧室に設けたことを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  7. 【請求項7】 前記圧力発生手段及び前記バルブのそれ
    ぞれが、空隙を隔てて対向する二つの可撓性部材からな
    り、該可撓性部材間に電圧を印加したときに静電気力に
    よって少なくとも一方の可撓性部材が弾性的に変形する
    ことを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記バルブが、静電気力によって移動又
    は回転することを特徴とする請求項4乃至6の何れか1
    項記載のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 前記可撓性部材が、導電体又は導電体を
    絶縁体で一部若しくは全部覆ったものであることを特徴
    とする請求項7記載のインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 前記バルブの可撓性部材が、インクの
    吐出流入方向に対して略垂直に移動することを特徴とす
    る請求項7記載のインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 前記バルブの可撓性部材が、インクの
    吐出流入方向に対して略平行に移動することを特徴とす
    る請求項7記載のインクジェットヘッド。
  12. 【請求項12】 複数の前記インク加圧室を設け、該イ
    ンク加圧室に連通する共通のインク供給室を設けたこと
    を特徴とする請求項4乃至6の何れか1項記載のインク
    ジェットヘッド。
  13. 【請求項13】 吐出口(35)及びインク供給口(3
    7)を有するインク加圧室(43)と、前記インク加圧
    室に設けられる圧力発生手段(23、45)とを具備
    し、前記圧力発生手段を静電気力によって変形させるこ
    とで前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧
    室内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させ
    るインクジェットヘッドの駆動方法において、 インク吐出時に、前記インク供給口の開口率を小さくす
    ることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
  14. 【請求項14】 吐出口(35)及びインク供給口(3
    7)を有するインク加圧室(43)と、前記インク加圧
    室に設けられる圧力発生手段(23、45)とを具備
    し、前記圧力発生手段を静電気力によって変形させるこ
    とで前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧
    室内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させ
    るインクジェットヘッドの駆動方法において、 インク供給時に、前記吐出口の開口率を小さくすること
    を特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
  15. 【請求項15】 吐出口(35)及びインク供給口(3
    7)を有するインク加圧室(43)と、前記インク加圧
    室に設けられる圧力発生手段(23、45)とを具備
    し、前記圧力発生手段を静電気力によって変形させるこ
    とで前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧
    室内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させ
    るインクジェットヘッドの駆動方法において、 インク吐出時には前記インク供給口の開口率を小さくす
    る一方、インク供給時には前記吐出口の開口率を小さく
    することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方
    法。
  16. 【請求項16】 吐出口(35)及びインク供給口(3
    7)を有するインク加圧室(43)と、前記インク加圧
    室に設けられる圧力発生手段(23、45)とを具備
    し、前記圧力発生手段を静電気力によって変形させるこ
    とで前記インク加圧室を加圧又は負圧にしてインク加圧
    室内のインクを前記吐出口からインク滴として発射させ
    るインクジェットヘッドの駆動方法において、 前記吐出口、前記インク供給口、又は前記吐出口及び前
    記インク供給口の開口率を変化させることで吐出インク
    量を可変させて階調表現を行うことを特徴とするインク
    ジェットヘッドの駆動方法。
  17. 【請求項17】 前記開口率の変化を時間的に変化させ
    ることで吐出インク量を可変させて階調表現を行うこと
    を特徴とする請求項16記載のインクジェットヘッドの
    駆動方法。
  18. 【請求項18】 複数の前記インク加圧室を設け、該イ
    ンク加圧室に連通する共通のインク供給室を設け、前記
    吐出口、前記インク供給口、又は前記吐出口及び前記イ
    ンク供給口を前記インク加圧室ごとに独立に開閉制御す
    ることを特徴とする請求項13乃至15の何れか1項記
    載のインクジェットヘッドの駆動方法。
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