JPH11207873A - 化粧板 - Google Patents

化粧板

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JPH11207873A
JPH11207873A JP2782898A JP2782898A JPH11207873A JP H11207873 A JPH11207873 A JP H11207873A JP 2782898 A JP2782898 A JP 2782898A JP 2782898 A JP2782898 A JP 2782898A JP H11207873 A JPH11207873 A JP H11207873A
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JP
Japan
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resin
resin layer
decorative sheet
board
layer
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Pending
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JP2782898A
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English (en)
Inventor
Keishi Hanamoto
恵嗣 花本
Kahori Miyashita
香保里 宮下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧板に必要な耐候性、成形加工適正があ
り、しかも廃棄処分して放置しても自然に消滅してしま
う新規な化粧板を提供する。 【解決手段】 ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂層2を木質
板1に積層する。木質板1の表面、樹脂層2の表面、樹
脂層2の裏面のいずれか1箇所以上に絵柄を形成してあ
ってもよい。この化粧板は一旦廃棄処分して土壌に接し
て或いは土壌に放置した際に、木質板が腐敗して自然に
帰すると共に、その樹脂層2が土中の微生物の働きによ
り水と炭酸ガスに完全に分解して消滅するので、地球環
境にとって好ましいものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物内装材を始
めとして各種の装飾に使用される化粧板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の化粧板の一つとして、木
質板の表面にポリ塩化ビニル系樹脂を積層したものが用
いられてきた。このポリ塩化ビニル系樹脂を積層した化
粧板は、Vカット、ラッピング等の後加工性にも優れて
おり、さらに安価であるという利点がある。しかしなが
ら、このタイプの化粧板は、耐熱性が不足するとか、可
塑剤のブリードにより表面の耐汚染性が悪いと言う欠点
がある。そこで、最近では、ポリ塩化ビニル系樹脂に代
わる素材としてスチレン系、オレフィン系、ウレタン
系、ポリアミド系、エステル系等の熱可塑性エラストマ
ーやEVA(エチレンビニルアルコール共重合体)、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル樹脂を
表面に積層した化粧板が各種提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したい
ずれの素材を使用した化粧板も、廃棄処分した際に樹脂
層がそのままゴミとして永久に残ってしまい、自然環境
保護の観点から好ましくないという問題点がある。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、化粧板に
必要な耐候性、成形加工適正があり、しかも廃棄処分し
て放置しても自然に消滅してしまう新規な化粧板を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の化粧板は、ポリ乳酸系樹脂をからなる樹脂
層を木質板に積層してなることを特徴とするもので、木
質板の表面、樹脂層の表面、樹脂層の裏面のいずれか1
箇所以上に絵柄が形成されている形態でもよいものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係る化粧板の側面図を図
1に示す。同図に示されるように、この化粧板は木質板
1の表面に樹脂層2を積層したものであり、樹脂層2を
形成する樹脂としてポリ乳酸系樹脂が使用される。
【0007】ポリ乳酸系樹脂はデンプンから製造される
もので、本発明で使用するポリ乳酸系樹脂としてはポリ
−L−乳酸を主成分とするものが好適である。なお、ポ
リ乳酸系樹脂にさらに成形加工適性を付与する必要があ
る場合には、ポリ−L−乳酸系樹脂をハードセグメント
とし、これにソフトセグメントを組み合わせたものを用
いることもできる。ソフトセグメントを組み合わせて可
塑化させたものはVカット加工等の成形加工の用途に好
適である。ソフトセグメントは可塑性を付与する改質材
の役目を果たすものであり、本発明で使用するソフトセ
グメントとしてはカプロラクトンが挙げられ、中でもε
−カプロラクトンが好適である。
【0008】これらハードセグメントとソフトセグメン
トとの組合せの形態としては、混合体と共重合体の2つ
の形態がある。すなわち、混合体とは、単独重合体とな
った乳酸(ポリ乳酸系樹脂)と、単独重合体となったカ
プロラクトン(ポリカプロラクトン)とを混合してなる
ものである。また、共重合体とは、未重合の乳酸(以下
これを「乳酸単量体」とも呼称)乃至はそのプレポリマ
ーと、未重合のカプロラクトン等(以下これを「カプロ
ラクトン単量体等」とも呼称)乃至はそのプレポリマー
を共重合させてなるものである。ソフトセグメントとし
ては、純粋なポリ乳酸系樹脂と混合又は共重合して、そ
の硬さを低下させ得るもの(すなわち、ヤング率、弾性
限度、軟化温度等を下げ、破断時伸度、耐衝撃性を上げ
させ得るもの)であればいずれのものでもよいが、通常
好ましく用いられるものは、カプロラクトンの単量体、
プレポリマー、又は重合体(ポリカプロラクトン)であ
る。以下、主にこれらを例に挙げて説明する。
【0009】ポリ乳酸系樹脂とソフトセグメントとなる
重合体とを混合してなる樹脂を製造するに際して、ポリ
−L−乳酸とポリ(ε−カプロラクトン)を使用する場
合、ポリ−L−乳酸は重量平均分子量が10万以上、好
ましくは20万以上のものを使用し、ポリ(ε−カプロ
ラクトン)は重量平均分子量が1〜10万のものを使用
する。両者の混合比は、ポリ乳酸系樹脂/ソフトセグメ
ントとなる重合体=1/9〜9/1(重合比)である。
【0010】乳酸単量体又はそのプレポリマーとソフト
セグメントとなる単量体又はそのプレポリマーとの共重
合体を製造するに際して、L−乳酸単量体とε−カプロ
ラクトンを使用する場合、L−乳酸としては単量体又は
プレポリマーを使用し、ε−カプロラクトンもその単量
体又はプレポリマーを使用する。両者の共重合比は、乳
酸単量体又はプレポリマー/ソフトセグメント単量体又
はプレポリマー=1/9〜9/1(投入重合比)であ
る。共重合体の分子量は10万以上、好ましくは20万
以上とする。
【0011】そして必要に応じ、これらの樹脂に、染
料、顔料等の着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防黴
剤、難燃剤等の各種の添加剤を加える。また、紙粉や木
粉などの生分解性の充填剤を混ぜるようにしてもよい。
【0012】紫外線吸収剤と光安定剤はともに化粧板に
耐候(光)性を付与するために添加するものであり、い
ずれかの単独使用でもよいが、通常は両者を混合して使
用する。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、サリシレート系等の有機系のも
の、或いは微粒子の二酸化チタン、酸化セリウム等の無
機系のものが用いられる。また、光安定剤としては、ヒ
ンダードアミン系ラジカル捕捉剤等が用いられる。紫外
線吸収剤、光安定剤とも0.1〜1重量%程度の添加量
である。
【0013】ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂層は、下地と
なる木質板の色調、外観を隠蔽する必要のある場合は、
チタン白、カーボンブラック等の高隠蔽性顔料を主体と
する着色剤を添加して隠蔽性(不透明)とする。一方、
該樹脂層を通して下地となる木質板の色調、照り(光
沢)、木目等の外観を透視して化粧板全体の意匠の一部
として活かしたい場合は、該樹脂層は無色又は着色透明
とする。
【0014】上記の樹脂を積層する木質板としては、材
種として、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、オーク、
メラピー等が挙げられ、構成として、単板、合板、パー
ティクルボード、木質繊維板、MDF(中密度繊維板)
等が挙げられる。厚さは通常2.5〜9mm程度のもの
が使用される。木質板には必要に応じて、研磨、目止
め、着色塗装等の処理を予め施しておいてもよい。
【0015】木質板の表面、樹脂層の表面、樹脂層の裏
面のいずれか1箇所以上に必要に応じて所望の絵柄を印
刷する。印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印
刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリ
ーン印刷等のような通常の印刷方式を用いることができ
る。また、剥離性の支持体シート上にインキ層、さらに
必要に応じて接着剤層が形成された転写シートを予め準
備しておき、転写シートに形成されたインキ層を加圧、
又は加圧と加熱により模様層(インキ絵柄層)を形成す
る面に転写させる、いわゆる転写印刷法によることもで
きる。特に、木質板表面に絵柄を印刷する場合には、グ
ラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写印
刷が好ましい。絵柄の例としては、木目柄を始めとし
て、石目、布目、皮紋、文字、図形、全面ベタ等があ
る。インキは樹脂バインダーに染料又は顔料からなる着
色剤を添加してなる。樹脂バインダーとしては、ウレタ
ン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、セルロース系樹脂等が用いられる。着色剤として
は、チタン白、カーボンブラック、弁柄、群青、黄鉛等
の無機顔料、キナクリドン、イソインドリノン、フタロ
シアニンブルー等の有機顔料、アルミニウム箔粉等から
なる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母箔粉等のパール顔
料等が用いられる。
【0016】木質板に上記樹脂を積層する方法として
は、有機溶剤で希釈した樹脂を塗布して乾燥させるこ
とで製膜する方法、熔融押出し塗工による方法、予
め製膜したシートを貼着する方法、が挙げられる。ま
た、必要に応じて樹脂層の表面にエンボス加工で木目導
管溝等の凹凸模様を形成したり、該凹凸模様の凹部にワ
イピング加工で着色インキを充填したりする。凹凸模様
の形成は、具体的には、加熱軟化した樹脂層にエンボス
版を押圧することで行う。凹凸模様としては、木目導管
溝、砂目、梨地、花崗岩劈開面等の石板表面凹凸、ヘア
ライン、布目テクスチュア等が挙げられる。また、ワイ
ピング加工は、具体的には、凹凸模様全面に着色インキ
を塗工した後、凸部の着色インキのみドクターブレード
等により掻き取り、凹部のみに着色インキを残留させる
公知の方法により行う。
【0017】ポリ乳酸系樹脂層を木質板に積層する前に
予め単独の層として製膜する場合には、必要に応じて、
該樹脂層に延伸倍率2〜4倍程度の延伸処理を施して、
透明度、引張強度、伸度を向上させたり、80〜120
℃程度の温度で熱処理(アニーリング)を施して、耐熱
収縮性を向上させたり等の処理を施すことができる。ま
た、該樹脂層表面及び裏面には必要に応じ、コロナ放電
処理等の易接着処理を施す。
【0018】本発明の化粧板の表面には、必要に応じ
て、表面の保護、光沢の調節等の目的で、塗膜を形成し
てもよい。塗膜の樹脂としては、セルロース系樹脂、ア
クリル樹脂、ウレタン樹脂、弗素樹脂等が用いられる。
塗膜には、必要に応じ、シリカ、アルミナ等の艶消剤乃
至は減摩剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、
染料・顔料等の着色剤等を添加する。塗膜の厚さは通常
1〜100μm程度である。
【0019】本発明の化粧板の用途としては、例えば、
壁、床、天井等の建築物内装材、窓枠、扉枠、扉、手摺
等の建具、箪笥等の家具、テレビジョン受像機を始めと
する家電製品やOA機器のキャビネット等を挙げること
ができる。
【0020】
【実施例】(実施例1)まず、厚さ2.5mmのラワン
合板の表面を研磨した後、ウレタン樹脂系の透明目止め
剤を塗工し、その上にグラビアオフセット印刷により絵
柄を印刷した。具体的には、ヘキサメチレンジイソシア
ネートとアクリルポリオールからなる2液硬化型ポリウ
レタン樹脂をバインダーとし、顔料として弁柄、カーボ
ンブラック、二酸化チタン、ベンジジンイエローを混合
してなるインキを用い、グラビア印刷により楢板目の下
地が透視可能な木目柄を形成した。
【0021】次いで、重量平均分子量20万のポリ−L
−乳酸系樹脂70重量%と重量平均分子量3万のポリ
(ε−カプロラクトン)30重量%を混合してなる樹脂
の100重量部に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤を0.5重量部、及びヒンダードアミン系ラジカ
ル捕捉剤を0.5重量部添加した組成物を使用し、この
組成物をTダイから熔融状態で押し出して、前記合板の
印刷面に厚さ60μmに積層すると同時にエンボス版を
兼用した冷却ロールにより楢材表面の導管溝凹凸をエン
ボスした。次いで、導管溝内にセピア色の着色インキ
(バインダーはアクリル樹脂、顔料は弁柄)をワイピン
グ法で充填した。そして最後に上塗り層を3μmの厚さ
で塗装して化粧板を製造した。この上塗り層は、ヘキサ
メチレンジイソシアネートとアクリルポリオールからな
る2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとし、これの1
00重量部に対し艶消剤としてシリカ顔料を3重量部添
加した組成物を使用して形成した。
【0022】(実施例2)ラクチドの開環重合時にε−
カプロラクトンを共重合させて、共重合比がL−乳酸/
ε−カプロラクトン=70/30(投入量比)の共重合
体を製造した。共重合体の重量平均分子量は20万とし
た。ポリ−L−乳酸系樹脂とポリ(ε−カプロラクト
ン)の混合樹脂の代わりにこの樹脂を使用し、また目止
め剤層上への印刷は行わなかった以外は実施例と同様に
して化粧板を製造した。
【0023】(評価) 加工適性 実施例1,2で製造した各化粧板の裏面に断面V字型の
溝を合板と樹脂層との境界面まで刻み、その溝に酢酸ビ
ニル系接着剤を塗布して合板を樹脂層ごと90度に折り
曲げて所謂Vカット加工を行った。加工時の雰囲気温度
は20℃であった。折曲げ部には、樹脂層の破れ、亀
裂、白化等は見られなかった。
【0024】耐候性 カーボンアーク燈型サンシャインウェザオメータにて1
000時間照射する曝露試験を行った。条件はブラック
パネル温度63℃、降雨サイクル18分/120分とし
た。そして、実施例1,2で得られた化粧板について曝
露後における変褪色を目視にて観察したところ、外観に
目立った変化は見られなかった。
【0025】分解性 実施例1,2の各化粧板を埼玉県入間郡三芳町の土壌中
に埋設し、4月〜9月の6箇月間放置してから発掘し
た。そして、目視にて外観を観察したところ、樹脂層の
分解が進行しており、原形を保持していなかった。ま
た、回収した樹脂層の断片について参考までに分子量保
持率を測定したところ40%であった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧板
は、化粧板としての必要な耐候性、成形加工適正を備え
ており、一旦廃棄処分して土壌に接して或いは土壌中に
放置した際に、木質板が腐敗して自然に帰すると共に、
その樹脂層が土中の微生物の働きにより水と炭酸ガスに
完全に分解して消滅するので、地球環境にとって好まし
いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化粧板の側面図である。
【符号の説明】
1 木質板 2 樹脂層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂層を木質板
    に積層してなることを特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】 木質板の表面、樹脂層の表面、樹脂層の
    裏面のいずれか1箇所以上に絵柄が形成されている請求
    項1に記載の化粧板。
JP2782898A 1998-01-27 1998-01-27 化粧板 Pending JPH11207873A (ja)

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