JPH11207447A - 連続鋳造用浸漬ノズルの耐用寿命判定方法 - Google Patents

連続鋳造用浸漬ノズルの耐用寿命判定方法

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JPH11207447A
JPH11207447A JP2643198A JP2643198A JPH11207447A JP H11207447 A JPH11207447 A JP H11207447A JP 2643198 A JP2643198 A JP 2643198A JP 2643198 A JP2643198 A JP 2643198A JP H11207447 A JPH11207447 A JP H11207447A
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利行 室井
Kazumi Oguri
和己 小栗
Mitsuru Ando
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造用浸漬ノズル10の耐用寿命を高精
度に判定できる方法を提供すること。 【解決手段】 ノズル本体10のパウダーライン部15
が溶損し、中空室16とパウダーライン部15外表面の
間の肉厚が薄くなると、ボンベ21から供給された中空
室16の不活性ガスがノズル本体10の外表面から漏出
するので、中空室16の圧力が低下し中空室16へ供給
される不活性ガスの流量が増加する。パウダーライン部
15の溶損侵食が進行し、ノズル本体10の外表面から
中空室16まで達すると、中空室16の圧力が急激に低
下し、流量も急増する。そこで、中空室16の圧力低下
や流量増加を圧力計23や流量計24の指針で読み取っ
てパウダーライン部15の溶損侵食の状態を推定し、浸
漬ノズル10の耐用寿命を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造において
タンディシュからモールド内へ溶鋼を鋳込むとき溶鋼が
空気に触れて酸化したり、溶鋼が飛散するのを防止する
ため、またモールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれるの
を防止するためタンディッシュの排出孔に取付けて使用
される連続鋳造用浸漬ノズルの耐用寿命の判定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造用浸漬ノズルの本体1は図4に
例示するように、ノズル内孔2と吐出孔3が設けられ、
その材質にAl23−SiO2−Cから成る材質を用い
ると共に、モールド内の溶鋼4の酸化防止、スラブ半凝
固部とモールド間の潤滑、抜熱制御等の目的で投入され
るモールドパウダー5と接触する外表面のパウダーライ
ン部6にモールドパウダー5に対する耐蝕性の高いZr
2−C材質層7を形成した構造のものが主流となって
いる。このような浸漬ノズル1では、使用中とくにパウ
ダーライン部6がアルカリ成分や弗化物を含むモールド
パウダー5によって激しく溶損侵食されるので、ノズル
使用後、パウダーライン部6の肉厚の減少を測定して溶
損速度を算出し、この算出結果から浸漬ノズル1の耐用
寿命を判定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳造速
度や鋳造温度の変化、モールドパウダー5の種類の変
更、モールド湯面の変動等、連続鋳造における各種操業
条件の変化に起因して浸漬ノズル1のパウダーライン部
6が予測に反する異常溶損を来すことがあり、パウダー
ライン部6の厚みの測定に基づく推定では高精度に浸漬
ノズル1の耐用寿命を判定することは困難であった。本
発明はかかる問題点に鑑み、連続鋳造用浸漬ノズルの耐
用寿命を高精度に判定できる方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は
連続鋳造用浸漬ノズルの耐用寿命判定方法であって、ノ
ズル本体の内部にノズル内孔を囲む環状の中空室を区画
形成し、ノズル本体外部から前記中空室に不活性ガスを
供給し、中空室の圧力の低下叉は中空室に供給される不
活性ガスの流量増加に基づいて前記ノズル本体のモール
ドパウダーと接触するパウダーライン部の溶損の状態を
推定することを特徴とする。
【0005】
【発明の作用・効果】ノズル本体を構成するAl23
SiO2−C等の材質やパウダーライン部を構成するZ
rO2−C等の材質には溶鋼に対する耐蝕性を高めるた
め低通気率のもの、例えば通気率が1.0×10-3〜1
-5darcyの材質が用いられるので、中空室に供給
された不活性ガスがノズル本体内部の気孔を通って中空
室の外部に漏出することは殆どない。従って、浸漬ノズ
ルの使用開始当初に中空室の圧力が低下したり、中空室
へ供給される不活性ガスの流量が増加することはない。
しかし、連続鋳造中にノズル本体のパウダーライン部の
溶損侵食が進行して中空室とパウダーライン部外表面の
間の肉厚が薄くなると、中空室の不活性ガスが溶損侵食
部から漏出するので、中空室の圧力が低下したり中空室
へ供給される不活性ガスの流量が増加する。さらに、パ
ウダーライン部の溶損侵食が進行してノズル本体の外表
面から中空室まで達すると、中空室の圧力が急激に低下
し、流量も急増する。このように、パウダーライン部の
溶損侵食の進行に伴って中空室の圧力が低下したり、中
空室へ供給される不活性ガスの流量が増加するので、圧
力低下または流量増加を検知し、それに基づいてパウダ
ーライン部の溶損侵食の状態を推定することにより、連
続鋳造の操業条件の違いに拘らず、浸漬ノズルの耐用寿
命を高精度に判定することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に基づき説明
するに、図1には本発明の一実施形態に係る連続鋳造用
浸漬ノズルの耐用寿命判定方法が模式的に示されてい
る。当該判定方法では、図示の構造を有する浸漬ノズル
が使用される。この浸漬ノズルの本体10はAl23
SiO2−C材質から成り、内部にノズル内孔11と吐
出口12が形成されている。溶鋼13の湯面に投入した
モールドパウダー14や溶融スラグと接触するノズル本
体10の外表面のパウダーライン部15にはモールドパ
ウダー14に対する耐蝕性を高めるためにZrO2−C
材質層15Aが形成されている。Al23−SiO2
C材質及びZrO2−C材質にはいずれも通気率が1.0
×10-3〜10-5darcyのものが使用されている。
【0007】ノズル本体10の内部には内孔11を囲む
環状の中空室16が区画形成されている。中空室16の
下部はパウダーライン部15を形成するZrO2−C材
質層15Aに隣接するように設けられている。またノズ
ル本体10には中空室16と本体外部を連通する通孔1
7が形成され、該通孔17に鉄パイプ18が接続されて
いる。気密保持のため鉄パイプ18と通孔17の内壁の
間にモルタル19を充填し、環状の鉄皮20で通孔17
の外側開口端を被覆している。鉄パイプ18は不活性ガ
スを充填したボンベ21にフレキシブルホース22を介
して接続され、ボンベ21に圧力計23と流量計24が
付設されている。
【0008】浸漬ノズル10の耐用寿命を判定するに
は、操業中、ボンベ21から不活性ガスを中空室16へ
供給し、中空室16の圧力の低下叉は中空室16へ供給
される不活性ガスの流量の増加を圧力計23及び流量計
24で検知する。ノズル本体10の材質及びパウダーラ
イン部15の材質はいずれも低通気率のものを使用して
いるので、浸漬ノズル10の使用開始当初は中空室16
の不活性ガスが外部へ漏出することは殆どない。従っ
て、圧力計23及び流量計24の指針は変化しない。操
業中にノズル本体10のパウダーライン部15が溶損侵
食され、図2に模式的に示すように中空室16とパウダ
ーライン部15外表面の間の肉厚が薄くなると、ボンベ
21から供給された中空室16の不活性ガスが溶損侵食
部から漏出するので、中空室16の圧力が低下したり中
空室16へ供給される不活性ガスの流量が増加する。さ
らに、パウダーライン部15の溶損侵食が進行し、図3
に模式的に示すようにノズル本体10の外表面から中空
室16まで達すると、中空室16の圧力が急激に低下
し、流量も急増する。このように、パウダーライン部1
5の溶損侵食の進行に伴って中空室16の圧力が低下し
たり、中空室16へ供給される不活性ガスの流量が増加
するので、中空室16のノズル本体10外表面からの深
さやノズル10使用開始当初に中空室16へ供給するガ
ス圧力を実験等に基づいて適切に設定しておき、中空室
16の圧力低下や流量増加を圧力計23や流量計24の
指針で読み取ってパウダーライン部15の溶損の状態を
推定し、浸漬ノズル10の耐用寿命を判定する。例え
ば、浸漬ノズル10の使用開始当初に1kg/cm2
あった圧力計23の指示が、溶損侵食に伴うガス漏出で
0.3kg/cm2まで低下したときに耐用寿命の終わり
が近いと判断して浸漬ノズル10の交換の準備を行った
り、あるいは溶損侵食が中空室16まで達して圧力計の
指示が0になったとき、浸漬ノズル10が安全使用の限
界に至ったものと判定して、浸漬ノズル10を交換す
る。
【0009】本実施形態に係る浸漬ノズルの耐用寿命判
定方法は以上の通りであって、圧力室16の圧力低下叉
は流量増加を圧力計23叉は流量計24の指針から読み
取ってパウダーライン部15の溶損の状態を推定するの
で、操業中でも正確に浸漬ノズル10の安全な使用限界
を判別することができ、操業の安全性が向上する。な
お、本実施形態ではボンベに付設した圧力計や流量計を
観察して溶損侵食の状態を推定しているが、中空室の圧
力低下や流量増加を自動的に記録して点検したり、所定
レベルの圧力低下や流量増加を検知して警報を発生する
ように構成すれば、より安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に懸かる連続鋳造用浸漬
ノズルの耐用寿命判定方法を示す説明図である。
【図2】 同耐用寿命判定方法に用いる浸漬ノズルの主
要部の拡大断面図である。
【図3】 同耐用寿命判定方法に用いる浸漬ノズルの主
要部の拡大断面図である。
【図4】 従来の連続鋳造用浸漬ノズルを示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10…連続鋳造用浸漬ノズル、11…内孔、14…モー
ルドパウダー、15…パウダーライン部、16…中空
室、21…不活性ガスボンベ、23…圧力計、24…流
量計。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体の内部にノズル内孔を囲む環
    状の中空室を区画形成し、ノズル本体外部から前記中空
    室に不活性ガスを供給し、中空室の圧力の低下叉は中空
    室に供給される不活性ガスの流量増加に基づいて前記ノ
    ズル本体のモールドパウダーと接触するパウダーライン
    部の溶損の状態を推定することを特徴とする連続鋳造用
    浸漬ノズルの耐用寿命判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1716945A1 (en) * 2005-04-26 2006-11-02 Vesuvius Crucible Company Immersed pour tube, installation comprising it, process of manufacture and use thereof.
JP2007050438A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Kobe Steel Ltd ノズル状耐火物の管理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1716945A1 (en) * 2005-04-26 2006-11-02 Vesuvius Crucible Company Immersed pour tube, installation comprising it, process of manufacture and use thereof.
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