JPH11206278A - 中通し釣竿 - Google Patents

中通し釣竿

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JPH11206278A
JPH11206278A JP3042898A JP3042898A JPH11206278A JP H11206278 A JPH11206278 A JP H11206278A JP 3042898 A JP3042898 A JP 3042898A JP 3042898 A JP3042898 A JP 3042898A JP H11206278 A JPH11206278 A JP H11206278A
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裕之 小野
Eiji Sugaya
英二 菅谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガイド部材の耐久性を保持しつつ、ガイド部
材の基部に水滴が停留し難い中通し釣竿を提供する。 【解決手段】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
で強化された竿管10の内部に、釣糸のガイド部材12
が配設されており、竿管の長手方向に沿って切断した断
面において、前記ガイド部材は、少なくともコア領域1
2Aとそれに連続した撥水性を有する部材の領域12
B,12B’とを具備し、撥水性部材領域は少なくとも
前記コア領域の前後の何れかの側に配設されており、そ
の側の高さの少なくとも基部側半分以上に亘って配設さ
れており、少なくとも前記コア領域の頂部付近は前記撥
水性部材よりも耐摩耗性の高い部材で形成しており、該
コア領域の基部12K,12K’近くには、該基部から
竿管の長手方向に離れた部位及び前記頂部に近い部位に
比べて前記撥水性部材が厚く形成されているよう構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、竿管の内部に釣糸
をガイドする螺旋状に連続したガイド部材や独立したリ
ング状のガイド部材等を竿管と一体、又は別体に有する
中通し釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】中通し釣竿では竿管内部に釣糸を挿通さ
せるため、竿管内部に釣糸のガイド部材を配設すること
が一般的である。また、竿管内部には釣糸を介して水滴
が侵入する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、この場
合、単にガイド部材に耐摩耗性を持たせるだけではガイ
ド部材の耐久性は有するものの、竿管内部に侵入した水
滴がこのガイド部材に塞き止められることにより、該ガ
イド部材の基部に水滴が集まり、釣糸が竿管を挿通する
際に、他の場所と比較してガイド部材の基部付近により
多く溜った水が釣糸に付着し易くなる。釣糸に水滴が付
着すればそれだけ挿通抵抗が高くなり、仕掛けの投擲性
能等が低下する。
【0004】依って本発明は、ガイド部材の耐久性を保
持しつつ、ガイド部材の基部に水滴が停留し難い中通し
釣竿の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維で強化され
た竿管の内部に、釣糸のガイド部材が配設されており、
竿管の長手方向に沿って切断した断面において、前記ガ
イド部材は、少なくともコア領域とそれに連続した撥水
性を有する部材の領域とを具備し、撥水性部材領域は少
なくとも前記コア領域の前後の何れかの側に配設されて
おり、その側の高さの少なくとも基部側半分以上に亘っ
て配設されており、少なくとも前記コア領域の頂部付近
は前記撥水性部材よりも耐摩耗性の高い部材で形成して
おり、該コア領域の基部近くには、該基部から竿管の長
手方向に離れた部位及び前記頂部に近い部位に比べて前
記撥水性部材が厚く形成されていることを特徴とする中
通し釣竿を提供する。前後の、前側とは竿先側であり、
後側とは元側である。また、前記何れかの側はコア領域
の後側であるように構成する。
【0006】釣糸はガイド部材の頂部付近によってガイ
ドされるが、この部位のコア領域が撥水性部材よりも耐
摩耗性の高い部材で形成されているため、例えこの部位
のコア表面が撥水性部材によって覆われていて、これが
摩耗し易くてもガイド部材の耐久性が保持される。ガイ
ド部材のコア領域は、少なくとも前後の一側の基部側半
分以上が撥水性部材によって覆われており、撥水性部材
が無いとしてもそれは頂部付近に過ぎず、このため、ガ
イド部材の基部には水滴が停留し難い。然しながら、ガ
イド部材の基部から頂部に至る傾斜が急であれば、例え
表面に撥水性部材が設けられていても水滴は基部に集ま
り易い。これに対して本発明ではコア領域の少なくとも
前後の一側の基部近くには、該基部から竿管の長手方向
に離れた部位及び前記頂部に近い部位に比べて撥水性部
材が厚く配設されているため、ガイド部材の傾斜が緩や
かになり、このためガイド部材の基部には水滴が停留し
難い。更には、基部付近の撥水性部材の厚さが最も厚い
ため、竿管の掃除等を繰り返してもこの部位の撥水性部
材が永く保持でき、それだけ最も重要な部位の撥水性の
耐久性が向上する。釣竿操作をした際に内部に侵入して
いる水滴は竿先側に移動し、その結果、ガイド部材の後
側に集まる。従って、この後側に撥水性部材を上述の如
く形態に設ければ、水滴を溜めることを防止できる効果
が高い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を説
明する前に、従来の問題点を図示した図3につき説明す
る。図3の左側が竿先側であり、竿管10の内部には釣
糸20をガイドする螺旋状のガイド部材12’が配設さ
れている。この竿管10を有する釣竿で釣りを行うと、
釣糸20に付着した水滴18が竿管内部に侵入する。釣
りを行うには、仕掛けを目標位置に向って投擲操作する
ため、この際に竿管内部の水滴は竿先方向に移動させら
れ、その結果ガイド部材12’の基部12’K,12’
K’の内、主として後側(竿元側)の基部12’Kに集
まることになる。このため、図に示すように、ガイド部
材の基部後側では水滴が大きくなって挿通する釣糸20
に付着し易くなり、その分、釣糸抵抗が増大する。この
場合、竿管10の内面に概ね均一で薄い撥水性の層を設
けていても、ガイド部材12’の基部から頂部に向う傾
斜が急であれば、水滴が基部に停留する傾向は同様であ
る。
【0008】ガイド部材の基部への水滴の停留を防止す
る実施形態構造を、図1を参照しながら説明する。図1
は竿管の長さ方向に切断した縦断面図であり、竿管10
はエポキシ樹脂等の合成樹脂をマトリックスとし、炭素
繊維等の強化繊維で強化した繊維強化プリプレグ(熱可
塑性樹脂を含めた広い意味)製(FRP)竿管であり、
ここでは3層構造を成しており、中間層10Bが竿管の
長手方向に大部分の強化繊維を指向させた層であり、そ
の外側には、大部分の強化繊維を円周方向に指向させた
外側層10Aが、内側には、大部分の強化繊維を円周方
向に指向させた内側層10Cがそれぞれ配設されてい
る。
【0009】この内側層10Cの内周に螺旋状のガイド
部材12を配設しており、例えば該内側層10Cに使用
している強化繊維と同じ、又は同種の繊維を使用したコ
ア領域12Aと、該コア領域を覆う様に配設された撥水
性部材領域12B,12B’とを具備している。コア領
域12Aは、その繊維方向を概ね螺旋の長さ方向に指向
させているため、釣糸は繊維を横断する方向に走行し、
繊維の強度によってコア領域の摩耗を防止できる。特
に、釣糸はガイド部材12の頂部付近でガイドされるた
め、この頂部付近のコア領域を耐摩耗性に構成すれば、
基部近くは必ずしも耐摩耗性に構成しなくてもよい。耐
摩耗性に構成するには、上記の如く繊維の方向に依存さ
せたり、また、セラミックスや金属等の材料に依存させ
たりの方法がある。
【0010】この形態でのコア領域12Aは概ね3角形
を成しており、その頂部は曲面に仕上げている。この頂
部付近は撥水性部材でカバーされていてもいなくてもよ
いが、コア領域の高さH0の基部側半分以上に亘って
(この形態例では殆ど全体に亘っている)コア領域を覆
うと共に竿管内面を覆うように、コア領域の部材と比較
して柔軟であり、耐摩耗性の小さな撥水性部材が配設形
成されている。こうしてできたガイド部材12は、図示
のようにコア領域の傾斜に比べて緩やかな傾斜になって
いる。山に例えれば、裾野のなだらかな山になる。従っ
て、撥水性部材領域の、コア領域の基部付近で竿管の半
径方向に測った厚さH1は、頂部に近い部位のそれH3
や、基部から竿管の長手方向に離れた部位のそれH2よ
りも厚く形成されている。
【0011】このようになだらかであって撥水性を有す
る表面のため、水滴は基部付近に停留することが防止さ
れ、釣糸に水滴が付着することを防止できる。然しなが
ら、撥水性があれば表面は微小な凹凸が存在(粗面の表
面)していてもよく、更に、粗面表面に後述の撥水性粒
子が露出していてもよい。もし、上記裾野の大きく広が
っている形状のガイド部材12を、コア領域(の頂部付
近)と同じ部材で形成し、その表面に薄く撥水性の層を
形成した場合は、竿管10の撓み剛性を大きく増加させ
てしまい、竿管の撓み性に与える影響が大きくて適さな
い。従って、裾野は撓み剛性に与える影響の小さな柔軟
な材料で形成すべきであり、このため、本発明では撥水
性部材で形成している。然しながら、セラミックスや金
属のような耐摩耗性の有る粒子を混入させて、摩耗に対
する耐久性を向上させてもよい。
【0012】また、釣りを行ったり、釣りの終了後に竿
管内部を清掃したりすれば、徐々に撥水性部材領域は摩
耗して行くが、最も大切な基部付近の撥水性部材は厚く
形成されているため、永く残り、それだけガイド部材と
して耐久性が向上する。上記形態例では、コア領域12
Aの前側と後側に撥水性部材領域12B’,12Bを設
けているが、何れか1方の場合は竿の後側が好ましく、
撥水性部材の層の厚さに差を設ける場合には、先側を薄
く、後側を厚く形成するのが好ましい。これにより相対
的な軽量化が図れると共に、後側は釣糸が当り易く、そ
れだけ摩耗し易いが、後側が厚いために摩耗に対する耐
久性においてバランスがとれる。
【0013】撥水性部材を後側にのみ設けた場合、2点
鎖線で示すように前側の基部付近には竿管内面に薄い撥
水性の層を設ける程度で、前方のガイド部材の後側基部
付近の撥水性部材の領域12Bと連続させてもよい。ま
た本発明では、竿管10の内面全体に亘って撥水性部材
を設けることなく、前後に隣接したガイド部材間におい
て撥水性部材を設けていない領域が有ってもよい。
【0014】撥水性部材としては、フッ素樹脂、シリコ
ン樹脂、テフロン樹脂、ロウ等の撥水性材料のみによっ
てもよく、また、エポキシ樹脂にこれらの直径が10ミ
クロン以下の大きさの粒子等を混入させて形成してもよ
い。このエポキシ樹脂は、竿管10の内側層10Cに使
用されている樹脂と同種にする目的からであり、内側層
に他の合成樹脂が使用されている場合には、その合成樹
脂を使用すると一体化にとって好ましい。然しながら、
他の合成樹脂を使用してもよい。
【0015】図2はガイド部材の他の形態12’を例示
したものであり、コア領域12A’が台形状の場合であ
る。この場合も前側基部や後側基部に設ける撥水性部材
領域12B’,12Bは、対応する側の高さの基部側半
分以上に亘って設ける。頂部には撥水性部材を設けても
設けなくてもよい。その他、ガイド部材は夫々独立した
環状のリング状ガイド部材や、半環状ガイド部材等であ
ってもよい。
【0016】以上説明した各変形形態については、夫々
が単独でも適用でき、また、他の任意の変形形態と組み
合わせて適用することもできる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、ガイド部材の耐久性を保持しつつ、ガイド部材
の基部に水滴が停留し難い中通し釣竿が提供可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る中通し釣竿に使用する竿管
の部分縦断面図である。
【図2】図2は他の形態の竿管の部分縦断面図である。
【図3】図3は従来の状態を説明する竿管の部分縦断面
図である。
【符号の説明】
10 竿管 12 ガイド部材 12A コア領域 12B,12B’ 撥水性部材領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
    で強化された竿管の内部に、釣糸のガイド部材が配設さ
    れており、 竿管の長手方向に沿って切断した断面において、前記ガ
    イド部材は、少なくともコア領域とそれに連続した撥水
    性を有する部材の領域とを具備し、 撥水性部材領域は少なくとも前記コア領域の前後の何れ
    かの側に配設されており、その側の高さの少なくとも基
    部側半分以上に亘って配設されており、 少なくとも前記コア領域の頂部付近は前記撥水性部材よ
    りも耐摩耗性の高い部材で形成しており、 該コア領域の基部近くには、該基部から竿管の長手方向
    に離れた部位及び前記頂部に近い部位に比べて前記撥水
    性部材が厚く形成されていることを特徴とする中通し釣
    竿。
  2. 【請求項2】 前記の前後の何れかの側はコア領域の後
    側である請求項1記載の中通し釣竿。
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