JPH11206258A - かん水式養液栽培用ベッド - Google Patents
かん水式養液栽培用ベッドInfo
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- JPH11206258A JPH11206258A JP10015592A JP1559298A JPH11206258A JP H11206258 A JPH11206258 A JP H11206258A JP 10015592 A JP10015592 A JP 10015592A JP 1559298 A JP1559298 A JP 1559298A JP H11206258 A JPH11206258 A JP H11206258A
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- staple
- hydroponic
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-
- Y02P60/216—
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- Cultivation Of Plants (AREA)
- Hydroponics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】従来のかん水式溶液栽培用ベッドの特徴に加え
て、養液のｐＨ調整の必要もなく、リサイクルが可能等
環境に対する負荷が著しく軽減されたかん水式養液栽培
用ベッドを得る。 【解決手段】（Ａ）芳香族系ポリエステル樹脂からなる
ステープル、（Ｂ）非晶性芳香族系ポリエステル樹脂を
鞘部、芳香族系ポリエステル樹脂を芯部とする複合繊維
からなるステープルよりなる不織布塊状物を部分的に熱
融着させてなるかん水式養液栽培用ベッドであって、ガ
ラス転移点が６５℃以上であり、Ａ：Ｂの配合比が１：
１〜１：０．０５の範囲で、不織布の積層方向が水平面
に対して垂直であって、嵩密度が０．０１〜０．１０ｇ
／ｃｍ3 であり、ベッドの表面が親水性天然高分子体で
被覆されているかん水式養液栽培用ベッド。
て、養液のｐＨ調整の必要もなく、リサイクルが可能等
環境に対する負荷が著しく軽減されたかん水式養液栽培
用ベッドを得る。 【解決手段】（Ａ）芳香族系ポリエステル樹脂からなる
ステープル、（Ｂ）非晶性芳香族系ポリエステル樹脂を
鞘部、芳香族系ポリエステル樹脂を芯部とする複合繊維
からなるステープルよりなる不織布塊状物を部分的に熱
融着させてなるかん水式養液栽培用ベッドであって、ガ
ラス転移点が６５℃以上であり、Ａ：Ｂの配合比が１：
１〜１：０．０５の範囲で、不織布の積層方向が水平面
に対して垂直であって、嵩密度が０．０１〜０．１０ｇ
／ｃｍ3 であり、ベッドの表面が親水性天然高分子体で
被覆されているかん水式養液栽培用ベッド。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は養液栽培市場に関す
るものであり、キュウリ、トマトなどの野菜類、バラ、
カーネーションなどの花き類の養液栽培に用いられるか
ん水式養液栽培ベッドである。本発明のベッドは現行品
に比して、養液の保水性、排水性のバランスに優れ、空
気相を保有するので過湿による根腐れが少ない。
るものであり、キュウリ、トマトなどの野菜類、バラ、
カーネーションなどの花き類の養液栽培に用いられるか
ん水式養液栽培ベッドである。本発明のベッドは現行品
に比して、養液の保水性、排水性のバランスに優れ、空
気相を保有するので過湿による根腐れが少ない。
【０００２】
【従来の技術】現在も野菜類、花き類の栽培は露地栽培
が主流であるが、作業者の高齢化、単位面積当たりの収
穫量、連作制約、病害虫の被害等の諸要因から、養液栽
培が急速に拡大しつつある。
が主流であるが、作業者の高齢化、単位面積当たりの収
穫量、連作制約、病害虫の被害等の諸要因から、養液栽
培が急速に拡大しつつある。
【０００３】養液栽培システムとしては、例えばＭ式水
耕プラント、ＮＦＴ水耕プラント、れき耕栽培方式、ロ
ックウール栽培システムなど数多くの方式があり、採用
されている。この中で、最近ロックウールを使用した栽
培方式が注目を集めている。ロックウールはベッドが簡
易化される、耐久性がある、かん水方式でも栽培可能で
あるなど、いくつかの利点を持っており、養液栽培に使
用される資材としては優れている。
耕プラント、ＮＦＴ水耕プラント、れき耕栽培方式、ロ
ックウール栽培システムなど数多くの方式があり、採用
されている。この中で、最近ロックウールを使用した栽
培方式が注目を集めている。ロックウールはベッドが簡
易化される、耐久性がある、かん水方式でも栽培可能で
あるなど、いくつかの利点を持っており、養液栽培に使
用される資材としては優れている。
【０００４】しかし、本発明者等がロックウールベッド
を使用して、養液栽培を行った結果、幾つかの問題点が
判明した。例えば、ロックウールは保水性がありすぎて
植物の根腐れを起こしやすい、形状保持性にやや劣る、
取扱い時ロックウールの微粉末が作業者の皮膚、呼吸気
系を刺激しやすい、アルカリ性であるためｐＨ調整が必
要などが指摘される。特に、保水性がありすぎる為に、
ベッドの培地内に水分と空気を共存させるためには、補
給液である養液の厳密な管理が必要である事が分かっ
た。
を使用して、養液栽培を行った結果、幾つかの問題点が
判明した。例えば、ロックウールは保水性がありすぎて
植物の根腐れを起こしやすい、形状保持性にやや劣る、
取扱い時ロックウールの微粉末が作業者の皮膚、呼吸気
系を刺激しやすい、アルカリ性であるためｐＨ調整が必
要などが指摘される。特に、保水性がありすぎる為に、
ベッドの培地内に水分と空気を共存させるためには、補
給液である養液の厳密な管理が必要である事が分かっ
た。
【０００５】さらに、使用後のロックウールからなる養
液用ベッドは不燃性で、自然分解もしないため、埋め立
て処理等の多大な苦労が必要である。
液用ベッドは不燃性で、自然分解もしないため、埋め立
て処理等の多大な苦労が必要である。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる従
来技術の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、本発明
を完成したものであって、その目的とするところは以下
の点にある。即ち、ベッド中の養液の保水性、排水性の
バランスに優れ植物の根ばりを良くし、ベッドの取扱い
作業中の環境を改善し、ベッドの形状保持性が良好で変
形しにくく、耐腐食性に優れ、養液のｐＨ調整の必要も
なく、更には、使用後はリサイクルが可能であり、また
焼却しても窒素酸化物などの有害ガスの発生も殆どない
かん水式養液栽培用ベッドを提供しようとするものであ
る。
来技術の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、本発明
を完成したものであって、その目的とするところは以下
の点にある。即ち、ベッド中の養液の保水性、排水性の
バランスに優れ植物の根ばりを良くし、ベッドの取扱い
作業中の環境を改善し、ベッドの形状保持性が良好で変
形しにくく、耐腐食性に優れ、養液のｐＨ調整の必要も
なく、更には、使用後はリサイクルが可能であり、また
焼却しても窒素酸化物などの有害ガスの発生も殆どない
かん水式養液栽培用ベッドを提供しようとするものであ
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、（Ａ）
芳香族系ポリエステル樹脂からなる単糸繊度３〜５０デ
ニールのステープルと、（Ｂ）非晶性芳香族系ポリエス
テル樹脂を鞘部、芳香族系ポリエステル樹脂を芯部とす
る複合繊維からなる単糸繊度１〜２０デニールのステー
プルを均一に分散配合した混合物よりなる不織布塊状物
を部分的に熱融着させてなるかん水式養液栽培用ベッド
であって、そのガラス転移点が６５℃以上であり、Ａ：
Ｂの配合比が１：１〜１：０．０５の範囲で、不織布の
積層方向が水平面に対して垂直であって、嵩密度が０．
０１〜０．１０ｇ／ｃｍ3 であり、しかもベッドの繊維
表面が親水性天然高分子体で被覆されているかん水式養
液栽培用ベッドである。
芳香族系ポリエステル樹脂からなる単糸繊度３〜５０デ
ニールのステープルと、（Ｂ）非晶性芳香族系ポリエス
テル樹脂を鞘部、芳香族系ポリエステル樹脂を芯部とす
る複合繊維からなる単糸繊度１〜２０デニールのステー
プルを均一に分散配合した混合物よりなる不織布塊状物
を部分的に熱融着させてなるかん水式養液栽培用ベッド
であって、そのガラス転移点が６５℃以上であり、Ａ：
Ｂの配合比が１：１〜１：０．０５の範囲で、不織布の
積層方向が水平面に対して垂直であって、嵩密度が０．
０１〜０．１０ｇ／ｃｍ3 であり、しかもベッドの繊維
表面が親水性天然高分子体で被覆されているかん水式養
液栽培用ベッドである。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明のベッドの原材料となる芳
香族系ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレ
ート（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）
及びこれらの共重合物が挙げられる。共重合物成分とし
てはエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ヘキサンジオールなどのグリコール
類、或いはテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イ
ソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸類があ
る。
香族系ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレ
ート（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）
及びこれらの共重合物が挙げられる。共重合物成分とし
てはエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ヘキサンジオールなどのグリコール
類、或いはテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イ
ソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸類があ
る。
【０００９】本発明に使用される芳香族系ポリエステル
樹脂は融点が２３５℃以上、ガラス転移点６５℃以上の
ものが好ましい。融点が２３５℃以上のポリエステル樹
脂は製造工程で糸が膠着しにくいので好適である。ま
た、ガラス転移点６５℃未満では本ステープルを使用し
て得られるベッドの形状保持性が低下し好ましくない。
樹脂は融点が２３５℃以上、ガラス転移点６５℃以上の
ものが好ましい。融点が２３５℃以上のポリエステル樹
脂は製造工程で糸が膠着しにくいので好適である。ま
た、ガラス転移点６５℃未満では本ステープルを使用し
て得られるベッドの形状保持性が低下し好ましくない。
【００１０】ステープルの単糸繊度としては３〜５０デ
ニールが好ましく、更に好ましくは７〜２５デニールで
ある。３デニール未満では得られるベッドの組織が緻密
になるため養液の保持性は良いが根ばりが不充分とな
り、５０デニールを超えると組織が疎となるため根ばり
は良いが養液の保持性が不充分となり好ましくない。な
お、３デニール未満のステープルと５０デニールを超え
るステープルをある比率で混合し使用することも可能で
あるが操作が繁雑となり、均一に配合されたベッドを製
造し難い。ステープルの繊維長としては、通常使用され
る糸長３８ｍｍ〜１２５ｍｍで何等差し支えないが、一
般的には５１ｍｍ〜７５ｍｍが好ましく使用される。
ニールが好ましく、更に好ましくは７〜２５デニールで
ある。３デニール未満では得られるベッドの組織が緻密
になるため養液の保持性は良いが根ばりが不充分とな
り、５０デニールを超えると組織が疎となるため根ばり
は良いが養液の保持性が不充分となり好ましくない。な
お、３デニール未満のステープルと５０デニールを超え
るステープルをある比率で混合し使用することも可能で
あるが操作が繁雑となり、均一に配合されたベッドを製
造し難い。ステープルの繊維長としては、通常使用され
る糸長３８ｍｍ〜１２５ｍｍで何等差し支えないが、一
般的には５１ｍｍ〜７５ｍｍが好ましく使用される。
【００１１】複合繊維に使用される非晶性芳香族系ポリ
エステル樹脂としては、ガラス転移点が６５℃以上が必
要であり、この条件を満足するには、樹脂組成は自ずと
制限される。中でも、ＰＥＴを主成分とする共重合ポリ
エステルが最も好ましい。共重合に用いられる成分とし
ては、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダ
イマー酸等が好ましい。これら共重合成分の配合量は一
義的ではないが、概ね２０モル％〜５０モル％が完全非
晶となり使用される。
エステル樹脂としては、ガラス転移点が６５℃以上が必
要であり、この条件を満足するには、樹脂組成は自ずと
制限される。中でも、ＰＥＴを主成分とする共重合ポリ
エステルが最も好ましい。共重合に用いられる成分とし
ては、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダ
イマー酸等が好ましい。これら共重合成分の配合量は一
義的ではないが、概ね２０モル％〜５０モル％が完全非
晶となり使用される。
【００１２】本発明の複合繊維の芯部に使用される芳香
族系ポリエステル樹脂組成の好ましい例としては、先に
述べたポリエステルステープルに用いられる芳香族系ポ
リエステル樹脂の化合物例を挙げることが出来る。
族系ポリエステル樹脂組成の好ましい例としては、先に
述べたポリエステルステープルに用いられる芳香族系ポ
リエステル樹脂の化合物例を挙げることが出来る。
【００１３】複合繊維からなるステープルの単糸繊度は
１〜２である好ましく、２〜１０デニールが更に好まし
い。１デニール未満では糸の生産性が悪く、且つ、作製
されたベッドの接着強度、剥離強度が小さく、また、２
０デニールを超えると接着強度は良好であるが接着点が
減少するため剥離強度は小さく、いずれも好ましくな
い。なお、複合繊維の芯／鞘接合比率は任意で良いが、
製造的見地からすれば９／１〜３／７が好ましい。
１〜２である好ましく、２〜１０デニールが更に好まし
い。１デニール未満では糸の生産性が悪く、且つ、作製
されたベッドの接着強度、剥離強度が小さく、また、２
０デニールを超えると接着強度は良好であるが接着点が
減少するため剥離強度は小さく、いずれも好ましくな
い。なお、複合繊維の芯／鞘接合比率は任意で良いが、
製造的見地からすれば９／１〜３／７が好ましい。
【００１４】芳香族系ポリエステルステープル（Ａ）と
ポリエステル複合繊維ステープル（Ｂ）との配合比率は
１：１〜１：０．０５が必要である。好ましくは１：
０．２５〜１：０．１である。配合比率が１：１を超
え、複合ステープル量の方が多くなると使用上の効果は
充分であるが、商業的には高価となるため経済的でな
く、また、１：０．０５未満で複合ステープル量が少な
くなり過ぎると、ＡとＢの接着点が減少し剥離強度が低
下するので好ましくない。
ポリエステル複合繊維ステープル（Ｂ）との配合比率は
１：１〜１：０．０５が必要である。好ましくは１：
０．２５〜１：０．１である。配合比率が１：１を超
え、複合ステープル量の方が多くなると使用上の効果は
充分であるが、商業的には高価となるため経済的でな
く、また、１：０．０５未満で複合ステープル量が少な
くなり過ぎると、ＡとＢの接着点が減少し剥離強度が低
下するので好ましくない。
【００１５】本発明のベッドの嵩密度としては、０．０
１〜０．１０ｇ／ｃｍ3 が必要である。なかでも、０．
０２５〜０．０５ｇ／ｃｍ3 が更に好ましい。嵩密度が
０．０１ ｇ／ｃｍ3 未満では、荷重下におけるベッド
の形状安定性が充分でなく、０．１０ｇ／ｃｍ3 を超え
ると長期間に亘る形状安定性は良好であるが、ベッド中
への植物の根ばりが不充分となる。
１〜０．１０ｇ／ｃｍ3 が必要である。なかでも、０．
０２５〜０．０５ｇ／ｃｍ3 が更に好ましい。嵩密度が
０．０１ ｇ／ｃｍ3 未満では、荷重下におけるベッド
の形状安定性が充分でなく、０．１０ｇ／ｃｍ3 を超え
ると長期間に亘る形状安定性は良好であるが、ベッド中
への植物の根ばりが不充分となる。
【００１６】本発明のベッドはガラス転移点が６５℃以
上である事が肝要である。ガラス転移点が低い素材を用
いたベッドは、ベッド上に設置される育苗キューブ
（７．５ｃｍの角片、あるいは１０ｃｍの角片で厚み５
ｃｍのものが多い）の重量に耐え切れず、応力緩和によ
り徐々に圧縮される。実際上はガラス転移点が５０℃以
上あればトラブルは少ないが、夏場の局部昇温、養液湿
潤によるガラス転移点低下を考慮すれば６５℃以上であ
る事が必要となる。
上である事が肝要である。ガラス転移点が低い素材を用
いたベッドは、ベッド上に設置される育苗キューブ
（７．５ｃｍの角片、あるいは１０ｃｍの角片で厚み５
ｃｍのものが多い）の重量に耐え切れず、応力緩和によ
り徐々に圧縮される。実際上はガラス転移点が５０℃以
上あればトラブルは少ないが、夏場の局部昇温、養液湿
潤によるガラス転移点低下を考慮すれば６５℃以上であ
る事が必要となる。
【００１７】次に、本発明をなんら規制するものではな
いが、かん水式養液用ベッドは長時間にわたって使用す
るためベッドのヘタリを小さくする必要がある。例え
ば、表面硬度（ＡＳＫＥＲ硬度計測定値）３０以上、静
荷重圧縮試験（初期の厚さに対して２０℃×４０時間×
５０％圧縮した後、無荷重下３０分静置、回復後の厚さ
から算出）１５％以下の条件を満たすものが好ましく使
用される。
いが、かん水式養液用ベッドは長時間にわたって使用す
るためベッドのヘタリを小さくする必要がある。例え
ば、表面硬度（ＡＳＫＥＲ硬度計測定値）３０以上、静
荷重圧縮試験（初期の厚さに対して２０℃×４０時間×
５０％圧縮した後、無荷重下３０分静置、回復後の厚さ
から算出）１５％以下の条件を満たすものが好ましく使
用される。
【００１８】本発明ではベッドに使用される素材が芳香
族系ポリエルテルステープルであるため中性であり、ロ
ックウールのように使用に際してｐＨ調整の必要はな
く、また、養液中に含まれる酸性根にも侵されることは
ない。
族系ポリエルテルステープルであるため中性であり、ロ
ックウールのように使用に際してｐＨ調整の必要はな
く、また、養液中に含まれる酸性根にも侵されることは
ない。
【００１９】同様の理由から本発明のベッドから有害金
属が養液中に溶出する事はない。また、ロックウールと
異なり、柔軟性のある繊維素材が使われているので、折
損、飛散も殆どなく呼吸器への刺激も全くない。従っ
て、栽培に従事する人の作業環境も良好に保たれ、消費
者にとっても安全性が高い。
属が養液中に溶出する事はない。また、ロックウールと
異なり、柔軟性のある繊維素材が使われているので、折
損、飛散も殆どなく呼吸器への刺激も全くない。従っ
て、栽培に従事する人の作業環境も良好に保たれ、消費
者にとっても安全性が高い。
【００２０】養液ベッドの好ましい保水率は、育成する
植物の種類、栽培条件等により一義的に決まらないが、
一般的には培地の空隙に対して５０〜８０％が好ましい
と言われる。
植物の種類、栽培条件等により一義的に決まらないが、
一般的には培地の空隙に対して５０〜８０％が好ましい
と言われる。
【００２１】本発明では、不織布塊状のベッドに適度に
保水性を保つ為にポリエステル繊維の表面を親水性天然
高分子体で被覆することが必要である。ベッド表面を該
高分子体で覆う事によりベッドの保水性が植物の栽培に
良好な範囲に保たれる。天然物を使用することにより、
食品衛生上の問題も懸念しなくてよい。
保水性を保つ為にポリエステル繊維の表面を親水性天然
高分子体で被覆することが必要である。ベッド表面を該
高分子体で覆う事によりベッドの保水性が植物の栽培に
良好な範囲に保たれる。天然物を使用することにより、
食品衛生上の問題も懸念しなくてよい。
【００２２】これら親水性天然高分子体の具体例として
は寒天、カラギニン、ゼラチン、キチン、キトサン等が
挙げられるが、特に寒天、カラギニンが価格、化学組成
の面から好ましく使用される。使用量は、保水特性の観
点よりポリエステル繊維重量に対し０．２〜５％が好ま
しい。又、異なる種類の親水性天然高分子体を混合して
使用しても差し支えない。
は寒天、カラギニン、ゼラチン、キチン、キトサン等が
挙げられるが、特に寒天、カラギニンが価格、化学組成
の面から好ましく使用される。使用量は、保水特性の観
点よりポリエステル繊維重量に対し０．２〜５％が好ま
しい。又、異なる種類の親水性天然高分子体を混合して
使用しても差し支えない。
【００２３】本発明に使用される親水性天然高分子体に
は食品添加物として認可されている安息香酸、サリチル
酸等の防腐剤を添加することが好ましい。
は食品添加物として認可されている安息香酸、サリチル
酸等の防腐剤を添加することが好ましい。
【００２４】また、本発明のベッドの保水性を保持させ
るためには、ベッドを構成するステープル繊維の繊維方
向がベッドの上下表面に実質的に平行に配置されること
が必要である。繊維が該方向に配置されると、かん水さ
れた養液は毛細管現象によりベッドの水平方向に拡散す
るのでベッド全体に養液が均一に分散される。これに対
して、ステープル繊維の繊維方向がベッドの上下表面に
対して実質的に垂直方向に配置された場合は、排水性が
大きくなりベッドにかん水した養液がベッドの水平方向
に拡散せず垂直方向に移動するので、保水性が低下しベ
ッド中の養液保水量に斑を生じ根の発育に好ましくな
い。
るためには、ベッドを構成するステープル繊維の繊維方
向がベッドの上下表面に実質的に平行に配置されること
が必要である。繊維が該方向に配置されると、かん水さ
れた養液は毛細管現象によりベッドの水平方向に拡散す
るのでベッド全体に養液が均一に分散される。これに対
して、ステープル繊維の繊維方向がベッドの上下表面に
対して実質的に垂直方向に配置された場合は、排水性が
大きくなりベッドにかん水した養液がベッドの水平方向
に拡散せず垂直方向に移動するので、保水性が低下しベ
ッド中の養液保水量に斑を生じ根の発育に好ましくな
い。
【００２５】本発明に使用されるポリエステルには酸化
チタン、カーボンのような無機顔料又は有機顔料、ヒン
ダードフェノール系の抗酸化剤、ゼオライト銀又は銅
塩、水溶性ガラスの銀イオン配合物などの抗菌剤、更に
は紫外線吸収剤などの添加剤を使用することは何等差し
支えない。
チタン、カーボンのような無機顔料又は有機顔料、ヒン
ダードフェノール系の抗酸化剤、ゼオライト銀又は銅
塩、水溶性ガラスの銀イオン配合物などの抗菌剤、更に
は紫外線吸収剤などの添加剤を使用することは何等差し
支えない。
【００２６】本発明のベッドは、熱可塑性の芳香族系ポ
リエステルから構成されているため、リサイクルが可能
である。また、該ベッドを焼却しても、窒素酸化物のよ
うな有害性ガスが殆ど発生しない利点も有している。
リエステルから構成されているため、リサイクルが可能
である。また、該ベッドを焼却しても、窒素酸化物のよ
うな有害性ガスが殆ど発生しない利点も有している。
【００２７】本発明のベッドは、すでに述べたごとくか
ん水式養液用ベッドに使用されるが、養液を流下させな
がら栽培を行う水耕栽培方式にも育苗キュービックとし
て応用可能である。
ん水式養液用ベッドに使用されるが、養液を流下させな
がら栽培を行う水耕栽培方式にも育苗キュービックとし
て応用可能である。
【００２８】
【実施例】本発明のベッドの製造方法については、以下
に一例を示すがこれに何等拘束されるものではない。な
お、保水率は以下の測定法により評価した。 保水率（％）＝ （ｂ／ａ）×１００ ここで、ａ：キュービック（一辺が７cmの立方体）の含
水重量（３４３ｇ） ｂ：キュービックを充分水に浸漬し、ガラス板上に敷い
た濾紙の上に５分静置後の重量（ｇ）
に一例を示すがこれに何等拘束されるものではない。な
お、保水率は以下の測定法により評価した。 保水率（％）＝ （ｂ／ａ）×１００ ここで、ａ：キュービック（一辺が７cmの立方体）の含
水重量（３４３ｇ） ｂ：キュービックを充分水に浸漬し、ガラス板上に敷い
た濾紙の上に５分静置後の重量（ｇ）
【００２９】実施例１及び比較例１、２ ＰＥＴ単糸繊度１５デニール、カット長５１ｍｍ，平均
捲縮数８ケ／インチのステープル８０部とイソフタル酸
４０モル％共重合した非晶性ＰＥＴを鞘部とし、ＰＥＴ
を芯部とした接合比率１：１の複合繊維単糸繊度３デニ
ール、カット長５１ｍｍ，平均捲縮数１２ケ／インチの
ステープル２０部とを均一混合し、カード機にて２０ｇ
／ｍ2 のウェブを作製しクロスレイヤーにて幾重にも積
層した。積層したウェブを所定の厚さに圧縮してセッタ
ー釜に挿入して１３５℃にて１５分間熱セットし、その
後、冷却して嵩密度０．０３６ｇ／ｃｍ3 の縦９９ｃ
ｍ、横９３ｃｍ、高さ９７ｃｍの立方体状の不織布塊状
物を得た。該塊状物をスライスカッターにて一辺が７ｃ
ｍのキュービックおよび縦７ｃｍ、横２０ｃｍ、長さ９
０ｃｍの養液栽培用ベッドを得た。これらキュービッ
ク、ベッドを予め調製されている寒天の１％水溶液（防
腐剤として安息香酸を含む）に浸漬し、マングルで絞っ
て含水率約１００％とし、風乾してサンプルとした。
捲縮数８ケ／インチのステープル８０部とイソフタル酸
４０モル％共重合した非晶性ＰＥＴを鞘部とし、ＰＥＴ
を芯部とした接合比率１：１の複合繊維単糸繊度３デニ
ール、カット長５１ｍｍ，平均捲縮数１２ケ／インチの
ステープル２０部とを均一混合し、カード機にて２０ｇ
／ｍ2 のウェブを作製しクロスレイヤーにて幾重にも積
層した。積層したウェブを所定の厚さに圧縮してセッタ
ー釜に挿入して１３５℃にて１５分間熱セットし、その
後、冷却して嵩密度０．０３６ｇ／ｃｍ3 の縦９９ｃ
ｍ、横９３ｃｍ、高さ９７ｃｍの立方体状の不織布塊状
物を得た。該塊状物をスライスカッターにて一辺が７ｃ
ｍのキュービックおよび縦７ｃｍ、横２０ｃｍ、長さ９
０ｃｍの養液栽培用ベッドを得た。これらキュービッ
ク、ベッドを予め調製されている寒天の１％水溶液（防
腐剤として安息香酸を含む）に浸漬し、マングルで絞っ
て含水率約１００％とし、風乾してサンプルとした。
【００３０】以上のようにして作成したサンプルを繊維
方向が上下面に対して平行に配位するようにかん水液に
浸したものを実施例として保水率を測定した。同じサン
プルを繊維方向が上下面に対して垂直に配位するように
かん水液に浸したもの（比較例１）、およびロックウー
ル（比較例２）を比較例として保水率を測定した。
方向が上下面に対して平行に配位するようにかん水液に
浸したものを実施例として保水率を測定した。同じサン
プルを繊維方向が上下面に対して垂直に配位するように
かん水液に浸したもの（比較例１）、およびロックウー
ル（比較例２）を比較例として保水率を測定した。
【００３１】キュービックの評価結果を表1 に示した。
この結果から、本発明のキュービックは表面堅度、静的
荷重試験はロックウールとほぼ同等であり、保水率は好
ましい範囲にある事が分かった。比較例１の芳香族系ポ
リエステルキュービックは表面堅度、静的荷重試験は保
水率が悪く、且つ、液の拡散も不充分であった。更に、
ロックウールキュービックは保水率は高すぎる結果とな
った。
この結果から、本発明のキュービックは表面堅度、静的
荷重試験はロックウールとほぼ同等であり、保水率は好
ましい範囲にある事が分かった。比較例１の芳香族系ポ
リエステルキュービックは表面堅度、静的荷重試験は保
水率が悪く、且つ、液の拡散も不充分であった。更に、
ロックウールキュービックは保水率は高すぎる結果とな
った。
【００３２】
【表１】
【００３３】また、本発明の養液栽培用ベッド（縦７ｃ
ｍ、横２０ｃｍ、長さ９０ｃｍ）にバラの育苗キューブ
を積載しかん水方式にてバラの栽培を行った。３カ月後
よりベッド中にバラの根が伸び始め、完全に定植が認め
られ、草勢は充分であった。
ｍ、横２０ｃｍ、長さ９０ｃｍ）にバラの育苗キューブ
を積載しかん水方式にてバラの栽培を行った。３カ月後
よりベッド中にバラの根が伸び始め、完全に定植が認め
られ、草勢は充分であった。
【００３４】
【発明の効果】本発明の養液栽培用ベッドを使用すれ
ば、ベッドの形状保持性に優れ、かん水液のベッド水平
方向への拡散が良好で、養液の保水性、排水性のバラン
スに優れ、栽培植物の根ばりがよく、また、耐久性にも
優れており長期間の繰り返し使用が可能である。さら
に、使用後はリサイクルが可能であり、また焼却しても
窒素酸化物などの有害ガスの発生もない。
ば、ベッドの形状保持性に優れ、かん水液のベッド水平
方向への拡散が良好で、養液の保水性、排水性のバラン
スに優れ、栽培植物の根ばりがよく、また、耐久性にも
優れており長期間の繰り返し使用が可能である。さら
に、使用後はリサイクルが可能であり、また焼却しても
窒素酸化物などの有害ガスの発生もない。
Claims (7)
- 【請求項１】 （Ａ）芳香族系ポリエステル樹脂からな
る単糸繊度３〜５０デニールのステープルと、（Ｂ）非
晶性芳香族系ポリエステル樹脂を鞘部、芳香族系ポリエ
ステル樹脂を芯部とする複合繊維からなる単糸繊度１〜
２０デニールのステープルを均一に分散配合した混合物
よりなる不織布塊状物を部分的に熱融着させたものであ
って、ガラス転移点が６５℃以上であり、Ａ：Ｂの配合
比が１：１〜１：０．０５であり、不織布の積層方向が
水平面に対して垂直であり、嵩密度が０．０１〜０．１
０ｇ／ｃｍ3 であり、ベッドの繊維表面が親水性天然高
分子体で被覆されているかん水式養液栽培用ベッド。 - 【請求項２】 親水性天然高分子体が寒天、カラギニ
ン、ゼラチン、キチン、キトサンより選ばれたものであ
ることを特徴とする請求項１記載のかん水式養液栽培用
ベッド。 - 【請求項３】 ステープル（Ａ）がＰＥＴであることを
特徴とする請求項１または２記載のかん水式養液栽培用
ベッド。 - 【請求項４】 ステープル（Ａ）の単糸繊度が７〜２５
デニールであることを特徴とする請求項１〜３いずれか
に記載のかん水式養液栽培用ベッド。 - 【請求項５】 非晶性芳香族系ポリエステル樹脂がイソ
フタル酸を２０〜５０モル％共重合したＰＥＴまたはシ
クロヘキサンジカルボン酸を２０〜４０モル％共重合し
たＰＥＴから選ばれる事を特徴とする請求項１〜４いず
れかに記載のかん水式養液栽培用ベッド。 - 【請求項６】 ステープル（Ａ）とステープル（Ｂ）の
配合比が１：０．２５〜１：０．１である事を特徴とす
る請求項１〜５いずれかに記載のかん水式養液栽培用ベ
ッド。 - 【請求項７】 嵩密度が０．０２５〜０．０５ｇ／ｃｍ
3 である事を特徴とする請求項１〜６いずれかに記載の
かん水式養液栽培用ベッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10015592A JPH11206258A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | かん水式養液栽培用ベッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10015592A JPH11206258A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | かん水式養液栽培用ベッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11206258A true JPH11206258A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=11893003
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10015592A Pending JPH11206258A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | かん水式養液栽培用ベッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11206258A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100988273B1 (ko) | 2010-07-22 | 2010-10-18 | (주)티아이에스 | 온실 생작물의 함수율 측정을 위한 슬라브 무게와 배액량 측정장치 및 이를 이용한 측정방법 |
-
1998
- 1998-01-28 JP JP10015592A patent/JPH11206258A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100988273B1 (ko) | 2010-07-22 | 2010-10-18 | (주)티아이에스 | 온실 생작물의 함수율 측정을 위한 슬라브 무게와 배액량 측정장치 및 이를 이용한 측정방법 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050118 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050118 |