JPH11205405A - キャリアオフセット補正回路及びキャリアオフセット補正方法 - Google Patents

キャリアオフセット補正回路及びキャリアオフセット補正方法

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JPH11205405A
JPH11205405A JP10005222A JP522298A JPH11205405A JP H11205405 A JPH11205405 A JP H11205405A JP 10005222 A JP10005222 A JP 10005222A JP 522298 A JP522298 A JP 522298A JP H11205405 A JPH11205405 A JP H11205405A
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い搬送波捕捉範囲を、キャリア周波数オフ
セット量にほとんど関係ない引込み時間で、確保する。 【解決手段】 キャリア周波数オフセット初期補正回路
2で周波数誤差を補正した後に、キャリア再生回路3で
位相誤差を補正する。つまり、2つの誤差補正を同時に
行わず、2段階に分けて行う。 【効果】 位相誤差を補正する回路3において狭帯域の
LPF34を使用でき、高周波ノイズを除去して、ノイ
ズに強い回路を構成することができる。また、LPF3
4には、狭帯域なサイクルスリップ特性の優れたものを
用いることができ、広い搬送波捕捉範囲を、しかもキャ
リア周波数オフセット量にほとんど関係ない引込み時間
で、確保することができ、サイクルスリップ特性にも優
れた回路を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャリアオフセット
補正回路及びキャリアオフセット補正方法に関し、特に
キャリア周波数誤差やキャリア位相誤差を補正するキャ
リアオフセット補正回路及びキャリアオフセット補正方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】パケット通信に代表される、パケット信
号伝送において、伝送効率向上のため、より短いプリア
ンブルによる伝送が要求される。また音声圧縮技術の向
上に伴い、送信電力削減のため、低レート伝送化が進ん
でいるが、その場合、伝送レートと比較して大きな比率
(例えば、伝送シンボルレートの1/4〜1/2)の周
波数オフセットに対するキャリア捕捉が要求される。さ
らには、近年の誤り訂正処理の進歩に伴い、かなり低い
Eb/Noでの伝送が行われる。このため、復調器での
キャリア再生捕捉処理において、より早い、より広範囲
のキャリア捕捉範囲を持ちかつ、低Eb/Noでもサイ
クルスリップ率の低い安定したキャリア捕捉が要求され
る。ここで、Eb/No(Energy to Pow
er Density Ratio)は、1ビットあた
りの信号エネルギ対単位周波数あたりの雑音電力密度の
比である。
【0003】従来の方式では、高速の引込みと、低Eb
/Noにおける低サイクルスリップ率、高安定とを共存
させることは難しい。またキャリア周波数オフセット量
と引込み時間は一般的に比例関係となり、大きなキャリ
ア周波数オフセット時、高速引込みを実現するために
は、かなりの演算量を伴う手法を取らざるを得なかっ
た。
【0004】例えば図4に示されているようなPLL
(Phase Locked Loop)コスタスルー
プ(Costas loop)によるキャリア再生回路
が知られている。同図においては、第1ループで周波数
誤差の補正を行い、それと同時に第2ループで位相誤差
の補正を行っている。具体的には、乗算器41、42及
び43、加算器46並びにVCO(Voltage C
ontrol Oscilator)48を経由する第
1ループで周波数誤差の補正を行い、それと同時に、乗
算器41、42及び44、加算器45及び遅延器47に
よる積分回路、加算器46並びにVCO48を経由する
第2ループで位相誤差の補正を行うのである。同図中の
α1は第1ループの定数、β1は第2ループの定数であ
る。
【0005】なお同図において、「*」は複素乗算を行
うことを示し、「#」は実部と虚部とを乗算することを
示しているものとする。以下の各図についての説明にお
いても同様とする。
【0006】一方、図5に示されているような再変調方
式の回路は、以下のような動作を行う。すなわち、入力
ディジタル信号とVCO53の出力とを乗算器51にお
いて掛け合わせ、識別器52でデータ判定(再生データ
確定)を行う。この値とVCO53とを乗算器55にお
いて掛け合わせ、更にこの結果と入力ディジタル信号と
を乗算器56において掛け合わせる。この結果をLPF
54に入力し、その出力でVCO53を制御する。こう
することにより、位相誤差が零になるように制御を行
う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した図4に示され
ている回路では、ある程度の搬送波捕捉範囲を期待でき
るものの、引込み速度をそれほど早くすることはできな
い。また、キャリア周波数オフセット量に比例して、引
込み時間が遅くなる特性がある。さらには、キャリア周
波数オフセットが大きくなるにつれ、フォールスロック
(疑似安定点にロックしてしまう現象)に対する対策も
必要である。
【0008】一方、上述した図5に示されている回路は
キャリアを再変調するので、PLLコスタスループによ
るキャリア再生処理方式等と比較して、特にサイクルス
リップ特性の面で良好な特性を示す。しかしながら、キ
ャリア周波数オフセットが大きいと引込みを行うことが
難しく、また特性の劣化も顕著であった。
【0009】これらの方式に対し、高速広帯域、低サイ
クルスリップ率、高安定なキャリア再生処理を実現する
案が考案されている。例えば、文献「ACE―DEMO
新コヒーレント復調方式」“大津智善 電子情報通信学
会論文誌 BII vol.J73−BII No.12
p819〜826 1990年12月”に記載されてい
るような適応フィルタによる方式や、文献「逐次回帰推
定法を用いたPSK信号の蓄積一括復調方式」“大津智
善 電子情報通信学会論文誌 BI vol.J72−
BI No.6 p504〜512 1989年6月”
に記載されているような蓄積型キャリア再生タイプのも
のが考案されている。
【0010】しかしながら、これら文献に記載されてい
るものは、共に演算量、回路規模が非常に大きなものと
なり、小型軽量化が要求される機器、高速データに対す
る適用という面で難しいというのが現状であった。
【0011】さらに従来より、AFC(Auto Fr
equency Control)回路を付加したキャ
リア再生回路も幾つか提案されている。例えば、特開平
9―162936号公報に記載されている。しかし、こ
のような回路の場合、キャリア再生回路とAFC回路と
の応答特性の兼ね合いがあり、AFC回路を高速応答な
タイプにすることが難しく、パケット通信のような高速
引込みが要求されるような場合に適応することが困難で
あった。
【0012】本発明は上述した従来技術の欠点を解決す
るためになされたものであり、その目的は逆変調キャリ
ア再生回路の演算を、特性を劣化させずに行うことがで
き、また広い搬送波捕捉範囲を、キャリア周波数オフセ
ット量にほとんど関係ない引込み時間で、確保すること
のできるキャリアオフセット補正回路及びキャリアオフ
セット補正方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によるキャリアオ
フセット補正回路は、入力されるディジタル信号と該信
号から再生されるキャリア信号とについて繰返し周波数
及び位相の誤差を補正するキャリアオフセット補正回路
であって、前記キャリア信号についての繰返し周波数の
誤差を補正する周波数補正手段と、この周波数補正手段
による補正完了後に前記キャリア信号についての位相誤
差を補正する位相誤差補正手段とを含むことを特徴とす
る。
【0014】本発明によるキャリアオフセット補正方法
は、入力されるディジタル信号と該信号から再生される
キャリア信号とについて繰返し周波数及び位相の誤差を
補正するキャリアオフセット補正方法であって、前記キ
ャリア信号についての繰返し周波数の誤差を補正する周
波数補正ステップと、この周波数補正ステップによる補
正完了後に前記キャリア信号についての位相誤差を補正
する位相誤差補正ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】要するに本発明では、キャリア到着検出時
に初期推定を行い、その値を用いて周波数オフセット量
をほぼキャンセルした後、例えば逆変調キャリア再生処
理を行うのである。そのため、キャリア再生処理の搬送
波捕捉範囲は、今回付加回路として提案しているキャリ
ア周波数オフセット初期補正回路で決まり、一方、サイ
クルスリップ特性については、付加回路の部分によら
ず、キャリア再生回路の部分で特性が決定される。
【0016】また、キャリア周波数オフセット初期補正
回路では、構成的にはデータシンボルレートの±1/2
のキャリア周波数オフセット量を推定することができ、
またキャリア再生回路では、キャリア周波数オフセット
量がほとんどキャンセルされた状態でのキャリア再生処
理となる。このため、ループフィルタには、狭帯域なサ
イクルスリップ特性の優れたものを用いることができ、
広い搬送波捕捉範囲を、しかもキャリア周波数オフセッ
ト量にほとんど関係ない引込み時間で、確保することが
でき、サイクルスリップ特性にも優れたキャリア再生回
路を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0018】図1は本発明によるキャリアオフセット補
正回路の実施の一形態を示すブロック図である。同図に
示されている回路は、キャリア再生処理回路を有するデ
ィジタル復調回路において、キャリア再生処理回路に付
加回路を設け、本来のキャリア再生処理回路特性に加
え、高速広帯域キャリア再生捕捉を実現する機能を提供
するものである。
【0019】同図において、本実施形態によるキャリア
オフセット補正回路は、LPF(Low Pass F
ilter)1と、キャリア周波数オフセット量のキャ
ンセル演算処理をするキャリア周波数オフセット初期補
正回路2と、オフセット量を検出するキャリア再生回路
3とを含んで構成されている。
【0020】LPF1の出力は、キャリア再生回路3に
入力され、キャリア再生処理が行われて復調再生データ
が得られる。LPF1とキャリア再生回路3との間に
は、キャリア周波数オフセット量のキャンセル演算処理
をするキャリア周波数オフセット初期補正回路2が設け
られている。すなわち、キャリア再生回路3で得られる
復調再生座標成分をもとに、時間差分をとり、LPF2
2で平均化する。そして、キャリア到着検出回路25で
キャリア到着を検出した際、LPF22で平均化した値
をVCO21に受渡し、周波数補正複素乗算部20にお
いてキャリア周波数オフセット量をほぼキャンセルする
ように演算処理を行う。
【0021】そのため、キャリア到着検出後において
は、キャリア再生回路3は、キャリア周波数オフセット
量がほとんどない状態で処理することができ、その結果
キャリア再生回路3のループフィルタ(LPF34)の
帯域を狭帯域にすることができるのである。これによ
り、サイクルスリップ率特性の良好なキャリア再生回路
を実現することができる。また、キャリア周波数オフセ
ット初期補正回路2により、高速の引込み時間で、しか
もキャリア周波数オフセット量にほとんど関係ない引込
み時間で、広い搬送波捕捉範囲を、確保することができ
るのである。
【0022】ここで、図1に示されているLPF1の出
力信号は、クロック再生処理が行われた後の信号であ
る。このLPF1の出力信号に対し、キャリア到着検出
回路25で、周波数補正複素乗算(回転演算)を行う。
ただし、キャリア到着検出ができていない段階では、ス
ルー(回転角“0”degの演算)処理を行う。
【0023】キャリア再生回路3は、ここでは、逆変調
キャリア再生回路の一構成例が示されている。このキャ
リア再生回路3においては、まず識別器32でデータ判
定(再生データ確定)を行う。次に、その値を用いて、
複素乗算演算回路35において逆変調演算を行い、キャ
リア再生回路3に入力される信号から情報位相成分を除
去し、キャリアオフセット周波数誤差及びキャリア位相
誤差を抽出する。
【0024】この抽出した値をarctanテーブル3
6に入力し、角度情報に変換する。arctanテーブ
ル36で変換された角度情報は、ループフィルタである
LPF34に入力されて平均化処理が行われ、その結果
はVCO33に入力される。そして、このVCO33の
発振出力により、複素乗算回路31においてキャリア再
生誤差の補正処理が行われる。
【0025】キャリア再生回路3で抽出された位相誤差
成分は、キャリア周波数オフセット初期補正回路2にも
入力される。キャリア周波数オフセット初期補正回路2
においては、以下の動作が行われる。
【0026】まず、キャリア周波数オフセット算出回路
26で1シンボル前の信号レベルとの差分をとり、LP
F22で平均化処理を行う。一方、キャリア周波数オフ
セット算出回路26の出力をもとに、キャリア到着検出
回路25でキャリアの到着検出を行う。
【0027】キャリア到着検出回路25においてキャリ
アの到着を検出できた時点で、LPF22で平均化処理
されたキャリア周波数オフセット量は、VCO21の前
段の積分回路23及び24の初期値として受渡す。具体
的には、スイッチ27をオン状態にして、オフセット量
を積分回路23及び24に入力する。積分回路24の出
力はVCO21の入力データとなり、このVCO21の
出力を周波数補正複素乗算部20に入力して補正処理を
行う。
【0028】ここで、スイッチ27がオン状態になった
とき、積分回路23、24内の各遅延器(Z)にはオフ
セット量が保持される。積分回路24内の遅延器に保持
されたオフセット量は積分回路23に常に入力されるた
め、積分回路24は、オフセット量を順次累積加算して
出力する。例えば、オフセット量が30度であった場合
には、30,60(=30+30),90(=60+3
0),120(=90+30),…となる。
【0029】このため、乗算部20からは常にオフセッ
トが補正された出力が送出される。つまり、スイッチ2
7がオン状態になった以後は誤差が補正されるので、乗
算部20の出力の周波数はキャリアの周波数と等しくな
り、補正回路2に入力される誤差成分はほぼ零となる。
【0030】したがって、本来的にはオフセット量が累
積されていき周波数が徐々にずれていくのであるが、こ
のように積分結果を用いて補正しているので適切に補正
され、周波数がずれることはないのである。すなわち、
積分回路23の出力に、積分回路24の出力(上記の例
では、「30」,「60」,「90」…)を順に加えて
いくので、オフセット量を零にすることができるのであ
る。なおLPF22は、スイッチ27がオン状態となっ
て積分回路24に値を受渡しを行った時点で一度初期化
し、以降の処理を継続する。このLPF22の内部構成
については後に詳述する。
【0031】上記の通り、付加回路であるキャリア周波
数オフセット初期補正回路2の演算処理の結果、キャリ
ア再生回路3では、キャリア到着検出時より、キャリア
周波数オフセットがほとんどない状態で、キャリア再生
処理を行うことができる。
【0032】次に、図1に示されている本実施形態の回
路の動作について、より詳細に説明する。同図において
は、キャリア再生回路として、逆変調方式を例としてい
る。ここで、クロック再生処理が行われた後のLPF1
の出力信号は、下記のように表すことができる。
【0033】実部:R1=Acos{ωat+θa+D
(φ)}+Noise 虚部:I1=Asin{ωat+θa+D(φ)}+N
oise ここで、Aは振幅レベル、ωaはキャリア周波数オフセ
ット量、θaは位相オフセット量である。また、D
(φ)は座標成分であり、BPSK(BinarySh
ift Keying)の場合には0又はπ、QPSK
(Quad Phase Shift Keying)
の場合には±π/4又は±3π/4である。なお、No
ise分は、以下の説明では省略する。
【0034】キャリア到着検出回路25において、キャ
リア到着検出ができていない段階では、周波数補正複素
乗算部20はスルー(回転角“0”degの演算)処理
を行う。つまり、周波数補正複素乗算部20の出力は、 実部:R21=R1*cos(ωbt)+I1*sin(ωbt) =cos{ω’t+θ’+D(φ)} 虚部:I21=−R1*sin(ωbt)+I1*cos(ωbt) =sin{ω’t+θ’+D(φ)} ω′=ωa−ωb θ′=θa という演算が実施される。キャリア到着が検出できてい
ない段階では、ωb=0で、上記演算が実施される。キ
ャリア再生回路3の複素乗算回路31においても、上記
と同様に、VCO33の出力であるωct+θcに対
し、 という演算を実施する。
【0035】通常、キャリアの先頭部分では、キャリア
初期捕捉が行いやすいように、オール“1”パターン
(無変調パターン)が送信される。そのため、ω″、
θ″の値に関わらず、R31,I31の値に対し、識別
器32で強制的に再生データを“1”と判定する。識別
器32の判定データ 実部:R32=cos{D(φ)} 虚部:I32=sin{D(φ)} と、上記のR21,I21との複素乗算により、 が得られる。
【0036】なお、オール“1”パターン(無変調パタ
ーン)から、クロック成分を持つパターンに移行するこ
ろには、識別器32は、(R31,I31)の座標位置
から判定することになる。通常、(R35,I35)の
値からarctanテーブル36等を用い、ω″t+
θ″を抽出し、ループフィルタ34でLPF演算した
後、その値で、キャリア再生演算(複素乗算回路31に
おいての複素乗算演算)を行い、キャリア補正処理を行
うことになる。しかしながら、キャリア周波数オフセッ
ト成分ω″が大きいと、ループフィルタ34を狭帯域と
することができず、その結果良好なサイクルスリップ特
性が望めない。
【0037】そこで、arctanテーブル36で得ら
れた、ω″t+θ″の時間差分演算をキャリア周波数オ
フセット算出回路26で行い、ω″を抽出する。この抽
出されたω″はLPF22で平均化される一方、キャリ
ア到着検出回路25にも入力される。
【0038】キャリア到着検出回路25の構成について
は、各種提案されている。ここでは、ノイズやレベル変
動に対しても比較的良好な特性を示す一構成例が図2に
示されている。同図において、抽出されたω″に対し、
更に差分演算回路251で差分演算を行う。この差分演
算された値は、cosテーブル252に入力され、ここ
でcosΔω(Δω:差分値)の値が算出される。
【0039】キャリアが存在しない状態では、本値は、
−1〜+1のランダムな値をとり、その値の平均値は
“0”である。一方、キャリア成分が存在する場合、本
値は、+1近辺の値をとる。よって、この性質を利用
し、cosΔωの値をLPF253でLPF演算し、比
較回路254で閾値と比較し、キャリア到着の検出を行
う。
【0040】キャリア到着検出回路25においては、キ
ャリア到着を検出した段階で、LPF22の出力ωb
(=ω″を平均化した値)を積分回路24の初期値とす
る。そして、以後、上記に示したように、 実部:R21= R1*cos(ωbt)+I1*si
n(ωbt) 虚部:I21=一R1*sin(ωbt)+I1*co
s(ωbt) の複素乗算演算を、複素乗算回路21で実施する。こう
することにより、キャリア周波数オフセットをほぼ取除
くことができるのである。
【0041】なお、スイッチ27をオンした際、LPF
22のフィードバック値は“0”に初期化し、以後、動
作を継続し、以後のキャリア周波数オフセットの変動に
対応追従させる。
【0042】ここで、LPF22の内部構成例について
図3を参照して説明する。同図に示されているように、
LPF22は、入力信号に対して係数を乗算する乗算器
221及び224と、加算器222と、入力データを1
シンボル遅延させる遅延器(Z)223とを含んで構成
されている。
【0043】かかる構成において、乗算器221では、
入力信号に対して係数γを乗算する。この係数γは、1
未満の数とする。例えば、0.1や0.05とする。
【0044】遅延器223は、入力信号を1シンボル分
遅延させるため、1シンボル分のデータを一時保持する
(ラッチする)。具体的には、フリップフロップ(以
下、FFと呼ぶ)を用いて構成する。この遅延器223
によって1シンボル遅延された信号が乗算器224に入
力され、乗算器224は(1−γ)を乗算する。乗算器
224では、係数γ=0.1のとき0.9を入力信号に
掛け、係数γ=0.05のとき0.95を入力信号に掛
けることになる。
【0045】加算器222においては、乗算器221の
出力と乗算器224の出力とを加算する。したがって、
乗算器221への入力信号に変化がなければ、加算器2
22の出力、すなわち1シンボル前の信号に(1−γ)
を乗算した信号を加えた結果には変化がない。一方、乗
算器221への入力信号にわずかな変化があれば、その
変化に応じて加算器222の出力がわずかに変化する。
このように、LPF22は、ディジタルデータに対して
低周波濾波器として動作することになる。
【0046】キャリアの到着が検出され、スイッチ27
がオンされたときには、そのオン制御信号で遅延器22
3を構成するFFをリセットする。このリセットを行う
ことにより、キャリアの到着が検出された以後は、キャ
リア周波数オフセットの変動が補正されることになる。
【0047】なお、キャリア再生回路3の構成は、図1
に示されているものに限定されることはない。すなわ
ち、キャリア再生回路3を、上述した図4に示されてい
るPLLコスタスループの構成や図5に示されている再
変調方式の構成によるキャリア再生回路等に置き換えて
も、図1の場合と全く同様の効果が期待できる。
【0048】したがって、図1〜図3に示されている回
路構成に限らず、種々の回路構成を採用することができ
る。すなわち、入力されるディジタル信号と該信号から
再生されるキャリア信号とについて繰返し周波数及び位
相の誤差を補正するキャリアオフセット補正方法におい
て、キャリア信号についての繰返し周波数の誤差を補正
し、この補正完了後にキャリア信号についての位相誤差
を補正すれば、図1の場合と全く同様の効果が期待でき
るのである。
【0049】以上のように本発明によれば、キャリア再
生回路によるキャリア再生処理を、周波数オフセット量
がほとんどとり払われた状態で実行することができるの
である。その結果、例えば、サイクルスリップ等の特性
は良いものの、キャリア周波数オフセット量が大きいと
引込み性能が大きく劣化する逆変調キャリア再生回路の
演算を、特性を劣化させることなく処理させることがで
きるのである。また、周波数オフセット初期補正回路に
より、広い搬送波捕捉範囲を、しかもキャリア周波数オ
フセット量にほとんど関係ない引込み時間で、確保する
ことができるのである。
【0050】要するに、本発明では、周波数誤差を補正
した後に、位相誤差を補正しているのである。このよう
に、誤差補正を2段階に分けて行うことによって、位相
誤差を補正する回路においては、狭帯域のLPFを使用
することができるのである。このため、高周波ノイズを
除去(キャンセル)することができ、ノイズに強い回路
を構成することができるのである。
【0051】また、そのLPFには、狭帯域なサイクル
スリップ特性の優れたものを用いることができる。この
ため、広い搬送波捕捉範囲を、しかもキャリア周波数オ
フセット量にほとんど関係ない引込み時間で、確保する
ことができ、サイクルスリップ特性にも優れた回路を実
現できる。
【0052】請求項の記載に関連して本発明は更に次の
態様をとりうる。
【0053】(1)前記位相誤差補正手段は、逆変調キ
ャリア再生回路によって前記位相の誤差を補正すること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア
オフセット補正回路。
【0054】(2)前記位相誤差補正手段は、PLLコ
スタスループによって前記位相の誤差を補正することを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャリアオ
フセット補正回路。
【0055】(3)前記位相誤差補正手段は、キャリア
再変調回路によって前記位相の誤差を補正することを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャリアオフ
セット補正回路。
【0056】(4)前記位相誤差補正ステップは、逆変
調キャリア再生回路によって前記位相の誤差を補正する
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のキャ
リアオフセット補正方法。
【0057】(5)前記位相誤差補正ステップは、PL
Lコスタスループによって前記位相の誤差を補正するこ
とを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のキャリ
アオフセット補正方法。
【0058】(6)前記位相誤差補正ステップは、キャ
リア再変調回路によって前記位相の誤差を補正すること
を特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のキャリア
オフセット補正回路。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、周波数誤
差を補正した後に、位相誤差を補正するように、誤差補
正を2段階に分けて行うことにより、周波数誤差を補正
する回路において狭帯域のLPFを使用でき、高周波ノ
イズを除去して、ノイズに強い回路を構成することがで
きるという効果がある。また、ループフィルタには、狭
帯域なサイクルスリップ特性の優れたものを用いること
ができ、広い搬送波捕捉範囲を、しかもキャリア周波数
オフセット量にほとんど関係ない引込み時間で、確保す
ることができ、サイクルスリップ特性にも優れたキャリ
ア再生回路を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態によるキャリアオフセッ
ト補正回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のキャリア到着検出回路の内部構成例を
示す図である。
【図3】図1中のLPFの内部構成例を示す図である。
【図4】PLLコスタスループの構成によるキャリア再
生回路を示す図である。
【図5】再変調方式の構成によるキャリア再生回路を示
す図である。
【符号の説明】
1,34,22 LPF 2 キャリア周波数オフセット初期補正回路 3 キャリア再生回路 20 周波数補正複素乗算部 21,33 VCO 23,24 積分回路 25 キャリア到着検出回路 26 キャリア周波数オフセット算出回路 27 スイッチ 31 複素乗算回路 32 識別器 35 複素乗算演算回路 36 arctanテーブル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されるディジタル信号と該信号から
    再生されるキャリア信号とについて繰返し周波数及び位
    相の誤差を補正するキャリアオフセット補正回路であっ
    て、前記キャリア信号についての繰返し周波数の誤差を
    補正する周波数補正手段と、この周波数補正手段による
    補正完了後に前記キャリア信号についての位相誤差を補
    正する位相誤差補正手段とを含むことを特徴とするキャ
    リアオフセット補正回路。
  2. 【請求項2】 前記周波数補正手段は、前記ディジタル
    信号について現在の信号レベルと1シンボル前の信号レ
    ベルとの誤差を検出する誤差検出手段と、前記キャリア
    信号の到着を検出するキャリア到着検出手段と、このキ
    ャリア到着検出に応答して前記誤差検出手段によって検
    出した誤差の補正を開始する補正手段とを含むことを特
    徴とする請求項1記載のキャリアオフセット補正回路。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前記誤差検出手段によ
    って検出した誤差を順次累積加算する積分手段と、この
    積分手段の出力と前記ディジタル信号とを乗算する乗算
    手段とを含むことを特徴とする請求項2記載のキャリア
    オフセット補正回路。
  4. 【請求項4】 入力されるディジタル信号と該信号から
    再生されるキャリア信号とについて繰返し周波数及び位
    相の誤差を補正するキャリアオフセット補正方法であっ
    て、前記キャリア信号についての繰返し周波数の誤差を
    補正する周波数補正ステップと、この周波数補正ステッ
    プによる補正完了後に前記キャリア信号についての位相
    誤差を補正する位相誤差補正ステップとを含むことを特
    徴とするキャリアオフセット補正方法。
  5. 【請求項5】 前記周波数補正ステップは、前記ディジ
    タル信号について現在の信号レベルと1シンボル前の信
    号レベルとの誤差を検出する誤差検出ステップと、前記
    キャリア信号の到着を検出するキャリア到着検出手段
    と、このキャリア到着検出に応答して前記誤差検出ステ
    ップにおいて検出した誤差の補正を開始する補正ステッ
    プとを含むことを特徴とする請求項4記載のキャリアオ
    フセット補正方法。
  6. 【請求項6】 前記補正ステップは、前記誤差検出ステ
    ップにおいて検出した誤差を順次累積加算する積分ステ
    ップと、この積分出力と前記ディジタル信号とを乗算す
    る乗算ステップとを含むことを特徴とする請求項5記載
    のキャリアオフセット補正方法。
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