JPH11204137A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH11204137A
JPH11204137A JP10008212A JP821298A JPH11204137A JP H11204137 A JPH11204137 A JP H11204137A JP 10008212 A JP10008212 A JP 10008212A JP 821298 A JP821298 A JP 821298A JP H11204137 A JPH11204137 A JP H11204137A
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JP
Japan
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active material
electrolyte
negative electrode
positive electrode
secondary battery
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JP10008212A
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English (en)
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Iwao Soga
巌 曽我
Hiroshi Machino
洋 町野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー電解質を用い、高電位、高エネルギ
ー密度でサイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供
する。 【解決手段】 正極、負極がリチウムイオンを吸蔵放出
可能な活物質を含有する層を集電体上に設けてなり、さ
らに電解質層と正極・負極中のイオン移動相がゲル状電
解質で構成されてなるリチウム二次電池において、正
極、負極が、正極、負極の活物質を空隙を有する活物質
層として集電体上に形成し、しかるのちに所定の処理の
のちゲル化しゲル状電解質を形成する成分を含有する電
解液を該活物質層中に含浸させて、その後該電解液をゲ
ル化させることによって形成されることを特徴とするリ
チウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池に
存する。更に詳しくは、電解液に代えてゲル状電解質を
用いたリチウム二次電池に存し、高電位、高エネルギー
密度でサイクル特性に優れたリチウム二次電池に存す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR装置、オーデ
ィオ機器、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器
の小型化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源とし
ての電池に対する高性能化要請が高まっている。特に機
器本体の小型化に対応するため、電池の小型化と容量の
同時確保、すなわち高エネルギー密度化が要求されてい
る。特に充電することにより繰り返し使用できる二次電
池に対する期待は高い。これに対してリチウム二次電池
は高エネルギー密度を実現可能であり、高電圧であるこ
とから、開発が盛んになっている。またリチウム二次電
池は、その高いエネルギー密度から電気自動車の動力源
としての期待がされている。
【0003】リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸
蔵放出可能な正極と負極、及び主としてリチウム塩と非
水系電解液からなる非水系電解質によって構成されてい
る。非水系電解質を用いる理由は、リチウムが従来型電
池の電解質の主成分である水に対して反応性が高く安定
に存在しえないからである。そのためリチウム電池を含
む高電圧系電池の電解質には、電解質に含まれる電解液
として非水系の電解液が用いられていた。ところが非水
系電解液は、多くが有機化合物液体で可燃性、臭気を有
することが多く、非水系電解液を用いた電池は漏液や発
火の危険を有している。このため近年では、安全性を向
上させるために非水系電解質を、ゲル状電解質に置き換
える電池の開発が行われている。ゲル状電解質では非水
系電解質が、例えばポリマーに含有させられており、イ
オン伝導度などその特性の多くは電解液の性能を保持し
ながら、流動性は極めて低下しており形状維持性があ
る。また揮発速度も抑制される。従って漏液や発火の危
険を低減できる。特にリチウム金属を用いる二次電池に
おいては、従来の電解質を用いた際に生ずるリチウムの
デンドライト析出による内部短絡からくる発熱、発火が
問題となっているが、ゲル状電解質ではデンドライト析
出が抑制されるとの報告があり実用化が望まれていた。
【0004】さらに上記のような、ポリマー中に電解質
を含有したゲル状電解質は、正極と負極を隔てる電解質
層部に使用された場合、従来のリチウム二次電池と異な
りセパレータを用いずとも動作が可能で、セパレーター
を省略してゲル状電解質層を挟んで正極と負極と接合さ
せて用いることが出来る。この様なポリマー電解質を用
いた電池は、液系に比して軽量、簡略にできるという利
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、リチウム二
次電池における正極又は負極は、アルミニウム板や銅板
の様な集電体上に、正極活物質又は負極活物質、電解
質、導電材料、及び結合樹脂等を含有する混合物を塗布
して製造する。ゲル状電解質を用いたリチウム二次電池
では例えば、US特許5453335に見られるよう
に、活物質、重合性モノマー、電解液を混練、塗布し、
しかるのちモノマーを重合することによって電解液をゲ
ル状電解質として正極、負極を形成したり、US特許5
609974に見られるように活物質、高分子、電解質
を高温で混練、塗布し、冷却することにより高分子−電
解質をゲル状電解質とするような方法で作成されてい
る。
【0006】上記のような、ゲル状電解質を有する正極
又は負極の製造法は製造上いくつかの制約がある。第一
に先に述べたようにリチウム二次電池では水の存在は問
題になる。電解液の製造ではppmオーダーまで水分量
がコントロールされている必要がある。しかるに上記の
製造法では混練段階から電解液を含有するため、分散、
塗布の工程において水分を管理しなければならない。こ
れは分散機、塗布機を除湿管理された室内(ドライルー
ム)に設置することによって達成されるものであるが、
そのためにはかなり大きなドライルームが必要になりコ
ストがかかる。また工程が長くなればなるほど、ドライ
ルーム内であっても水分を吸収する可能性も高くなる。
第二にゲル化が完了する前の正極、負極膜は依然柔らか
く、集電体上に塗布されてからゲル化が完了するまでの
間、活物質の脱離などの問題が生じやすく、製造ライン
を汚しやすい。またインラインでゲル化工程をいれる
と、ラインが長くなり、コスト上昇を招く。第三に上記
の組成では、塗布前の塗料がほぼそのまま正極、負極の
組成となるが、容量増加を図って塗料中の活物質の比率
を高くすると粘度が上昇し、分散塗布が困難になる。
【0007】一方、充放電過程において、活物質はリチ
ウムイオンの吸蔵放出に伴い膨張収縮を起こす。特にグ
ラファイトのような炭素系負極活物質は充放電過程にお
けるリチウムイオンの吸蔵放出に際し、層間距離にして
約10%の膨張収縮を繰り返す。一方US特許5453
335やUS特許5609974などで例示した様なゲ
ル状電解質を用いた負極の場合、ゲル状電解質が構造的
に弱く、電極における活物質の膨張収縮に耐えられない
ため、電解質を含む負極構造の破壊が起こりやすく、イ
オン伝導や電子伝導の劣化が生じ、サイクル特性が悪い
という問題を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記実状に鑑み
て為されたものであり、高電位、高エネルギー密度でサ
イクル特性に優れ、かつ液漏れ等の問題を抑制したゲル
状電解質を用いたリチウム二次電池を得るために鋭意検
討した結果、正極、負極活物質層の形成とゲル状電解質
の形成を2段階に分離しておこなうことによって、生産
性を飛躍的に向上させるとともに、電池特性の向上を計
り且つ、正極、負極の劣化の少ないサイクル特性に優れ
たリチウム二次電池を得られることを見いだし、完成し
たものである。
【0009】更に詳しくは、正極、負極がリチウムイオ
ンを吸蔵放出可能な活物質を含有する層を集電体上に設
けてなり、さらに電解質層と正極・負極中のイオン移動
相がゲル状電解質で構成されてなるリチウム二次電池に
おいて、正極、負極を、正極、負極の活物質を空隙を有
する活物質層として集電体上に形成し、しかるのちに所
定の処理ののちゲル化しゲル状電解質を形成する成分を
含有する電解液を活物質層中に含浸させて、その後該電
解液をゲル化させることによって形成することにより諸
問題の解決を実現したものである。
【0010】正・負極の活物質層とは、活物質を集電体
上に結着してできている層のことで、本発明において
は、のちに電解液を含浸させることのできる空隙を有し
ている。正・負極の活物質層を集電体上に形成する工程
は、後に乾燥工程などにによって水分除去がおこなわれ
うるものであるから、水分管理をする必要がなく通常の
雰囲気下でおこなうことが可能である。従って、分散
機、塗布機ともドライルーム内に設置する必要はなく、
設備の簡略化がはかれる。正・負極の活物質層の形成手
段はどのようなものであってもかまわないが、形成され
た活物質層は後に電解液を含浸させうる空隙を層中に含
む必要がある。一例として活物質層を形成する活物質と
樹脂を、適当な溶液とともに分散塗料化し、集電体上に
塗布後乾燥することによって得られる。このような手法
は、磁気記録媒体などで膨大な知見が蓄積されている物
であり、本発明によってそのような知見をゲル状電解質
を用いたリチウム二次電池に適用することが可能とな
る。また塗膜にカレンダー工程を加えることによって塗
膜を圧密し、活物質の充填量を高めることも可能であ
る。圧密の度合いは活物質の充填量と、空隙を埋めるゲ
ル状電解質部分のイオン伝導度のバランスで決定され
る。
【0011】正・負極内に存在するゲル状電解質は、乾
燥し水分を除去された活物質層に、所定の処理ののちゲ
ル化しゲル状電解質を形成する成分を含有する電解液を
含浸させて、その後ゲル化させることによって形成され
る。本発明においてはこの工程以降が水分管理されてい
れば良い。ゲル状電解質はどのような形のものであって
もかまわないが、紫外線硬化性のモノマーを含有する電
解液を活物質層に含浸させた後、紫外線照射により重合
させることによって、架橋型高分子を生成しゲル化させ
ることによって形成する手法があげられる。この方法で
はゲルの前駆体である紫外線硬化性のモノマーを含有す
る電解液の粘度が低く、活物質層中に含浸させるのが容
易である。また紫外線による硬化は速度が速く生産性を
高めることができる。特に正極、負極中にゲル状電解質
を形成したのち正極・電解質層・負極を積層する手法で
は、正、負極の活物質層上にゲル状電解質を形成する成
分を含有する電解液を塗布して含浸させることができ
る。この場合含浸は、活物質層の厚み分だけ進行すれば
良い。活物質層の厚みは通常1ミリメートル以下であり
含浸は急速に完了する。また紫外線照射も活物質面全体
に対して効率的におこなる。そのため先に正極、負極の
活物質層、電解質層を積層しておき、積層体の側面から
含浸を進める手法と比べて生産性が極めて高い。本発明
の手法では、電解質はゲル状電解質となっているため、
電解液が漏れることはなくこのような積層法が可能とな
る。
【0012】本発明の手法によれば活物質は活物質層を
形成する樹脂等によって固持され、ゲル状電解質は電解
質の保持とイオン伝導性を提供するだけである。したが
って活物質は活物質層を形成する樹脂等によって強固に
保持されているため、脱離などの問題は生じにくい。さ
らに従来のゲル状電解質を用いたリチウム二次電池にみ
られるような、電極の構造破壊によるサイクル特性の劣
化は起こりにくい。また活物質は樹脂等によって集電体
上に固持され、電解液はゲル状電解質を形成する高分子
によって保持されているため、従来のリチウム二次電池
の様に金属製の缶に封入しなくとも、平板積層型に形成
し形状可変性のあるケースに収納しただけで作動する。
むろん巻き取り型に積層し円筒型にしても問題なく、平
板積層において一部分を湾曲させても問題はない。ここ
で形状可変性のあるケースとは、金属缶の様な剛性はな
く、柔軟性、屈曲性、可撓性などを有するケースで、電
池を収納後曲げたりできる形状自由性があるとともに、
軽量化が図れるという利点を持つ。本発明のリチウム二
次電池は、ゲル状電解質を用いていることから電解液の
液漏れが無く、電極の構造も強いため、円筒型、箱形、
ペーパー型、カード型など種々の形状を軽量で実現でき
る。
【0013】本発明は正極、負極及び電解質層を備えた
リチウム二次電池であって、正極、負極がリチウムイオ
ンを吸蔵放出可能な活物質を集電体上に設けたものであ
り、かつ電解質層および正極、負極内の電解質部はゲル
状電解質からなることを特徴とするリチウム二次電池に
存し、特には、電解質層および正・負極中の電解質が非
水電解液含有のゲル状電解質からなるリチウム二次電池
に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のリチウム二次電池は正極
活物質もしくは負極活物質を含有する活物質層、及び活
物質層と、活物質層に後から含浸させて形成されるゲル
状電解質を含んで形成される正極及び負極を、主たる構
成要件としている。はじめに本発明に用いられる正極活
物質もしくは負極活物質を含有する活物質層について説
明する。
【0015】正極活物質層は正極活物質をアルミニウム
板や銅板の様な集電体上に適度な空隙を有する状態に形
成することによって得られる。例えば、粉体状の活物質
を樹脂溶液と混合しボールミル、サンドミル、二軸混練
機などにより分散塗料化したものを、集電体上に塗布し
て乾燥することによって得られる。活物質100に対す
る樹脂の配合量は好ましくは0.1−30、さらに好ま
しくは1−15である。樹脂の量が少なすぎると強固な
活物質層が形成されず、活物質層が活物質を保持すると
いう本発明の目的が達成されない。樹脂の量が多すぎる
と活物質層中の空隙量が低下し、本発明の特徴であるゲ
ル状電解質の前駆体を含浸させることができなくなる。
【0016】また正極活物質と樹脂を混合し加熱するこ
とにより軟化させた状態で、集電体上に圧着、あるいは
吹き付ける手法によって正極活物質層を形成することも
できる。この場合でも活物質100に対する樹脂の配合
量は好ましくは0.1−30、さらに好ましくは1−1
5とする事が望ましい。さらには正極活物質を単独で集
電体上に焼成したり、シリケート、ガラスのような無機
化合物をバインダーとして用いることによって正極活物
質層を形成することもできる。
【0017】本発明の正極に用いられる正極活物質であ
るリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、無
機化合物として、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属
との複合酸化物、遷移金属硫化物等が挙げられる。ここ
で遷移金属としてはFe、Co、Ni、Mn等が用いら
れる。具体的には、MnO、V2 O5 、V6 O13、Ti
2 等の遷移金属酸化物粉末、ニッケル酸リチウム、コ
バルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウム
と遷移金属との複合酸化物粉末、TiS2 、FeS、M
oS2 などの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。これ
らの化合物はその特性を向上させるために部分的に元素
置換したものであっても良い。有機化合物としては、例
えばポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスル
フィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N―フルオ
ロピリジニウム塩等が挙げられる。正極活物質として、
これらの無機化合物、有機化合物を混合して用いても良
い。
【0018】これら正極の活物質の粒径は、それぞれ電
池の他の構成要件とのかねあいで適宜選択すればよい
が、通常1〜30μm、特に1〜10μmとすること
で、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が向上する
ので好ましい。
【0019】正極活物質層に用いられる樹脂としてはポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリー1,1−ジメチル
エチレンなどのアルカン系ポリマー。ポリブタジエン、
ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー。ポリスチレ
ン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−
N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー。ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメ
タクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリ
ル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー。ポリ
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレン等のフッ素系樹脂。ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマ
ー。ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリ
ビニルアルコール系ポリマー。ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー。ポリアニリ
ンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記の
ポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重
合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重
合体などであっても使用できる。ただし本発明の目的を
達成するためには、電解液に容易に溶解するような樹脂
の使用は好ましくない。分子量は、好ましくは1000
0−3000000、さらに好ましくは100000−
1000000である。低すぎると活物質層の強度が低
下し好ましくない。高すぎると粘度が高くなり活物質層
の形成が困難になる。
【0020】正極活物質層が塗料化を経て形成される場
合の溶剤としては、上記の樹脂を溶解しうるものであれ
ば一般的に使用される無機、有機溶剤のいずれもが使用
できる。本発明では活物質層形成後、乾燥工程をおこな
えるので、活物質層形成用溶剤としては、水を使用して
も良い。
【0021】正極活物質層は必要に応じて導電材料、補
強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材な
どを含有していても良い。導電材料としては、上記活物
質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に
制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブ
ラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバ
ー、箔などが挙げられる。添加剤としてはトリフルオロ
プロピレンカーボネート、1,6−Dioxaspir
o[4,4]nonane−2,7−dione、12
−クラウン−4−エーテルなどが電池の安定性、寿命を
高めるために使用することができる。補強材としては各
種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用でき
る。
【0022】正極の集電体としては、一般的にアルミ箔
や銅箔などの金属箔を用いる。厚みは好ましくは1-3
0マイクロメートルである。薄すぎると機械的強度が弱
くなり、生産上問題になる。厚すぎると電池全体として
の容量が低下する。これら集電体表面には予め粗化処理
を行うと活物質層の接着強度が高くなるので好ましい。
表面の粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法
または化学研磨法が挙げられる。機械的研磨法として
は、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバ
フ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面
を研磨する方法が挙げられる。また接着強度や導電性を
高めるために、集電体表面に中間層を形成しても良い。
【0023】負極活物質層は、活物質が負極用の活物質
である以外は基本的に正極活物質層の構成、形成法に準
ずる。
【0024】負極に用いられるリチウムイオンを吸蔵放
出可能な負極活物質としては、グラファイトやコークス
等の炭素系活物質が挙げられる。これらの炭素系活物質
は金属やその塩、酸化物との混合体、被覆体の形であっ
ても利用できる。またけい素、錫、亜鉛、マンガン、
鉄、ニッケルなどの酸化物、あるいは硫酸塩。さらには
金属リチウムやLi−Al、Li−Bi−Cd,Li−
Sn−Cdなどのリチウム合金、リチウム遷移金属窒化
物、シリコンなども使用できる。これら負極の活物質の
粒径は、それぞれ電池のその他の構成要件とのかねあい
で適宜選択すればよいが、通常1〜50μm、特に15
〜30μmとすることで、初期効率、レ−ト特性、サイ
クル特性等の電池特性が向上するので好ましい。
【0025】次に活物質層に後から含浸させて形成され
るゲル状電解質について説明する。本発明に用いられる
正極及び負極は活物質層内の空隙がゲル状の電解質で満
たされ、リチウムイオンのイオン伝導はこのゲル状の電
解質を通してゲル状電解質層へ移動する。これにより正
極、負極および電解質層すべての非水電解液がゲル状と
なり液漏れのない安全なリチウム二次電池が得られる。
【0026】ゲル状電解質とは主として電解液と支持電
解質、高分子からなる、電解液が高分子中に保持されて
全体としての流動性が著しく低下したものである。イオ
ン伝導性などの特性は通常の電解質に近い特性を示す
が、流動性、揮発性などは著しく抑制され、安全性が高
められている。電解質中の高分子の比率は好ましくは1
-50%である。低すぎると電解液を保持することがで
きなくなり、液漏れが発生する。高すぎるとイオン伝導
度が低下して電池特性が悪くなる。
【0027】本発明においては、活物質層に含浸させる
段階では、ゲル状になっておらず流動性を有していて、
所定の処理の後ゲル状となるゲル状電解質を用いる。含
浸段階ではゲルではなく、液体状であるため活物質層の
微細な空隙中にも十分含浸させることができる。含浸後
ゲル化しうるゲル状電解質としては、様々な形態が考え
られるが、高分子を重合前の段階のモノマーとして含有
させておき、含浸後に重合させて高分子化しゲル化させ
る方法が有効である。このような反応をおこなえる高分
子としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネ
イト、ポリイミドなどの重縮合によって生成されるも
の。ポリウレタン、ポリウレアなどのように重付加によ
って生成されるもの。ポリメタクリル酸メチルなどのア
クリル誘導体系ポリマーやポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニルなどのポリビニル系ポリマーなどの付加重合で生成
されるものなどがあるが、本発明においては、活物質層
内に含浸させて重合することから、重合の制御が用意で
重合時に副生成物が発生しない付加重合により生成され
る高分子を使用することが望ましい。
【0028】電解液に含まれる支持電解質としては、電
解質として正極活物質及び負極活物質に対して安定であ
り、かつリチウムイオンが正極活物質あるいは負極活物
質と電気化学反応をするための移動をおこない得る非水
物質であればいずれのものでも使用することができる。
具体的にはLiPF6 、LiAsF6 、LiSbF6
LiBF4 、LiClO4 、LiI、LiBr、LiC
l、LiAlCl、LiHF2 、LiSCN、LiSO
3 CF2 等が挙げられる。これらのうちでは特にLiP
6 、LiClO4 が好適である。
【0029】これら支持電解質の電解液における含有量
は、一般的に0.5〜2.5mol/lである。これら
支持電解質を溶解する電解液は特に限定されないが、比
較的高誘電率の溶媒が好適に用いられる。具体的にはエ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状
カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カー
ボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ−ブ
チルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化
合物、アセトニトリル等のニトリル類等があげられる。
またこれらの1種又は2種以上の混合物を使用すること
もできる。これらのうちでは、特にエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル
メチルカーボネートなどの非環状カーボネート類から選
ばれた1種又は2種以上の混合溶液が好適である。また
これらの分子中の水素原子の一部をハロゲンなどに置換
したものも使用できる。
【0030】ゲル状電解質を構成する高分子としては、
上記の物質からなる電解質を適度に保持してゲル化でき
るものであればいずれのものであってもよい。上記の電
解質が極性を有するものであるから、高分子も有る程度
の極性を有する方が好ましい。高分子を付加重合によっ
て形成する場合は分子内に1個以上の反応性不飽和基を
有するモノマーを電解質に1-20%混合して含浸液を
作成する。この際モノマーが分子内にエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、フェニレンオキシド、フェ
ニレンスルフィド、シアノ、カーボネイトなど極性の高
い基を有していれば、生成した高分子に適度な極性を付
与することができ、良好なゲル状電解質を形成すること
ができる。ゲルは直鎖高分子のみで形成されるものであ
ってもかまわないが、分岐構造を持つようにモノマー中
の反応基の数を制御し、分岐構造を形成すると機械特性
などが向上するので好ましい。
【0031】反応性不飽和基を有するモノマーの例とし
てはアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアク
リレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリ
エチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチル
メタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エト
キシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリ
コールモノメタクリレート、N、Nジエチルアミノエチ
ルアクリレート、N、Nジメチルアミノエチルアクリレ
ート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、
アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート
などが使用でき、反応性、極性、安全性などから好まし
いものを単独、または組み合わせて用いれば良い。
【0032】これらのモノマーを重合する方法として
は、熱、紫外線、電子線などによる手法があるが、生産
性の高さから紫外線による手法が有効である。この場合
反応を効果的に進行させるため、含浸させる電解液に紫
外線に反応する重合開始剤をいれておくこともできる。
利用できる紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン、ベ
ンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケ
トン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキザイドなどが使
用でき、反応性、極性、安全性などから好ましいものを
単独、または組み合わせて用いれば良い。
【0033】本発明においては、上述の活物質層に上述
の成分からなるゲル状電解質の元となる液を含浸させ、
ゲル化することによって正極、負極が形成される。液の
含浸法としては、活物質層上にゲル状電解質の元となる
液を塗付する手法が好ましい。この手法では、塗布後適
度の時間放置するだけで十分な含浸が達成されるが、含
浸の効率、速度を高めるため、圧入、真空含浸等の操作
をおこなっても良い。含浸が完了後、熱、紫外線、電子
線などにより重合しゲル状電解質を形成する。ゲル状電
解質は活物質層内の空隙を完全に充填していることが好
ましいが、電解液の含浸が不十分で有る程度の非充填部
分が残留しても電池特性に大きな支障はない。電池特性
が低下する程の非充填部分が生じる場合は、上述の様な
含浸効率を高める手法を採用することが好ましい。
【0034】正極と負極を隔てる電解質層のゲル状電解
質としては上述のゲル状電解質と同様の材料を用いるこ
とができる。電解質層ゲルは、別途形成し正極、負極と
積層するのもであっても、正極、負極上に直接形成する
のもであっても良い。また補強材などを併用しても良
い。
【0035】本発明において用いられる形状可変性のあ
るケースとは柔軟性、屈曲性、可撓性などを有するケー
スで、材質的にはプラスチック、高分子フィルム、金属
フィルム、ゴム、薄い金属板などからなるものが挙げら
れる。さらに具体的には、ビニール袋のごとく高分子フ
ィルムからなる袋、高分子フィルムからなる真空包装用
袋、真空パック、金属箔と高分子フィルムのラミネート
素材からなる真空包装用袋、真空パック、プラスチック
で形成された缶、プラスチックの板で挟んで周囲を溶
着、接着、はめ込み等で固定したケースなどが挙げられ
る。これらの中では、気密性、形状可変性の点で高分子
フィルムからなる真空包装用袋、真空パック、金属箔と
高分子フィルムのラミネート素材からなる真空包装用
袋、真空パックなどが特に好ましい。これらのケース
は、金属缶の様な重量、剛性はなく、柔軟性、屈曲性、
可撓性などを有するケースで、電池を収納後曲げたりで
きる形状自由性があるとともに、軽量化が図れるという
利点を持つ。むろん電池の機器への装着等の利便を図る
ため、形状可変性のあるケースに電池を封入し好ましい
形状に成形後、必要ならば複数のケースを剛性を持つ外
装ケースに収納することも可能である。この場合本発明
の軽量という特性を生かすため、自動車用など特に強度
が要求されるものを除いては、外装ケースは軽量である
ことが望ましい。
【0036】
【作用】本発明の特徴は上述した如く、ゲル状電解質を
用いたリチウム二次電池において容量などの電池特性と
生産性と飛躍的に高めたことにある。以下、本発明を具
体的に説明する。
【0037】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り以下に示す実施例に限定されるものではない。実施例
及び比較例とも使用される原料は、使用前に粉体は24
0℃で24時間真空乾燥。樹脂、支持電解質は110℃
で4時間乾燥。モノマーはモレキュラーシーブにて脱水
処理して用いた。電解液はリチウム電池用にあらかじめ
脱水されているものを使用した。まず以下に示す組成に
従い正極活物質層用塗料、負極活物質層用塗料を調整し
た。正極塗料・負極塗料の原料としては以下のものを使
用した。
【0038】 正極活物質 LiCoO2 粉 (日本化学社製) 導電材 アセチレンブラック (電気化学工業製) 負極活物質 SFG15:グラファイト (TIMCAL社製) バインダー ポリフッ化ビニリデン (呉羽化学製) 溶剤 Nメチルピロリドン (三菱化学製) (正極活物質層塗料組成) LiCoO2 90.0部 アセチレンブラック 5.0部 ポリフッ化ビニリデン 5.0部 Nメチルピロリドン 100.0部 (負極活物質層塗料組成) SFG15 90.0部 ポリフッ化ビニリデン 10.0部 Nメチルピロリドン 100.0部
【0039】上記材料をそれぞれボールミルで8時間混
練・分散処理をおこない塗料化した。正極活物質層用塗
料を厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用
い膜厚が100μmになるよう塗布、乾燥し正極活物質
層を得た。その後、カレンダーをかけ最終的な膜厚は約
75μmであった。負極活物質層用塗料は、厚さ20μ
mの銅箔上にドクターブレードを用い膜厚が100μm
になるよう塗布、乾燥した。その後、カレンダーをかけ
最終的な膜厚は50−75μmであった。ここまでの工
程はすべて通常の環境化でおこなった。その後、塗膜を
120℃で再乾燥し、所定の形状に打ち抜いて正極・負
極活物質層を集電体上に設けたシートを得た。
【0040】実施例1 上記の正極・負極活物質層を集電体上に設けたシート上
に下記の組成の電解質液を塗布し活物質層内に含浸させ
た。 電解液 PC:プロピレンカーボネート(三菱化学社製) 支持電解質 LiClO4 (和光純薬製) 添加剤 1,6−Dioxaspiro[4,4]nonane−2, 7−dione(spiro)(Aldrich社製) モノマー Photomer4050 Photomer4158 末端にアクリル基を有するポリエチレンオキシド系モノマー (Henkel社製) 架橋開始剤 ダロキュア1173 (チバガイギー社製) (含浸液組成) PC 78部 LiClO4 7部 spiro 5部 Photomer4050 6.7部 Photomer4158 3.3部 ダロキュア1173 0.5部
【0041】上記の含浸液を正極・負極活物質層に含浸
後、紫外線を40秒間照射してモノマーを重合させ、含
浸させた電解液をゲル化し活物質層内の空隙にゲル状電
解質を形成することにより正極、負極を形成した。電解
質層として同一組成の液から、別に厚さ120μmのゲ
ル状電解質膜を形成しておき正極、電解質層、負極を積
層して端子をつけ、可撓性を持つ真空パックに封入して
リチウム二次電池を作成し評価を行った。
【0042】実施例2 含浸液中の電解液をPCからPC/EC/DMEの1/
1/2の混合液に変更した以外は実施例1と同様にして
電池を作成した。EC:エチレンカーボネート(三菱化
学社製)。DME:ジメトキシエタン(三菱化学社製) 実施例3 含浸液中のモノマー組成をPhotomer4050、
6.7部、Photomer4158、3.3部からP
hotomer4050、3.3部、エトキシエトキシ
エチルアクリレート(EEEA)6.7部に変更した以
外は実施例1と同様にして電池を作成した。
【0043】比較例1 正極、負極を活物質とゲル状電解質成分を一体で混練、
塗布する方法で作成した。混練以降のすべての工程はド
ライルーム中でおこなった。 (正極塗料組成) LiCoO2 70.0部 アセチレンブラック 5.0部 Photomer4050 2.0部 EEEA 4.0部 PC 19.0部 (負極塗料組成) SFG15 45.0部 Photomer4050 2.5部 Photomer4158 2.5部 EEEA 2.0部 spiro 3.0部 PC 45.0部
【0044】上記材料をそれぞれボールミルで8時間混
練・分散処理を行い塗料化した。その後熱反応型架橋開
始剤であるTrignox42(チバガイギー社製)を
0.5部追加し、正極用塗料を厚さ20μmのアルミ箔
上にドクターブレードを用い膜厚が100μmになるよ
う塗布した後、90℃オーブン中で30分硬化させ、ゲ
ル状電解質からなる正極を得た。負極用塗料は、厚さ2
0μmの銅箔上にドクターブレードを用い膜厚が100
μmになるよう塗布した後、90℃オーブン中で30分
硬化させ、ゲル状電解質からなる負極を得た。その後正
極・負極を所定の形状に打ち抜いた。以下の工程は実施
例1と同様にして電池を作成した。
【0045】比較例2 正極、負極を活物質とゲル状電解質を一体で混練、塗布
する方法で作成した。混練以降のすべての工程はドライ
ルーム中でおこなった。 (正極塗料組成) LiCoO2 51.0部 アセチレンブラック 5.0部 ポリアクリロニトリル 2.5部 LiClO4 3.5部 PC 19.0部 EC 19.0部 (負極塗料組成) MBC(コークス:三菱化学製) 45.0部 アセチレンブラック 5.0部 ポリアクリロニトリル 3.0部 LiClO4 4.2部 PC 21.4部 EC 21.4部
【0046】上記材料をそれぞれボールミルで8時間、
90℃の条件で混練・分散処理を行い塗料化した。なお
負極用活物質として実施例1と同様のSFG15を用い
た負極用ペーストは粘度が高すぎて分散することは不可
能であった。正極用塗料を厚さ20μmのアルミ箔上に
ドクターブレードを用い90℃に加熱したまま、膜厚が
100μmになるよう塗布した後冷却して、ゲル状電解
質からなる正極を得た。負極用塗料は、厚さ20μmの
銅箔上にドクターブレードを用い90℃に加熱したま
ま、膜厚が75μmになるよう塗布した後冷却して、ゲ
ル状電解質からなる負極を得た。その後正極・負極を所
定の形状に打ち抜いた。以下の工程は実施例1と同様に
して電池を作成した。
【0047】比較例3 含浸液中のモノマー(Photomer4050、Ph
otomer4158)を除いた電解液を活物質層に含
浸させ、紫外線照射工程を省略して、含浸させた電解液
をゲル状電解質とさせなかった以外は実施例1と同様に
して電池を作成した。
【0048】以下に上記の処方によって作成した正極・
負極、およびリチウム二次電池電池の特性を示す。水分
量は2センチメートル四方の正極・負極に含まれる水分
量をカールフィッシャー水分計によって、集電体を除い
た正極・負極単位重量当たりの水分量として測定した。
電池の容量は初期放電時の容量を、集電体を除いた正極
・負極単位重量当たりの容量として算出した。サイクル
特性は4.1V―2.7Vの上限、下限電圧間で充放電
を繰り返した時、20サイクル経過する間の容量維持率
を、開始時に対する終了時の容量の割合として%表示し
た。液漏れ性はサイクルテスト終了後の電池を開封し、
パック内壁に視認できる電解液の量で判断した。優:電
解液は認められない。良:1mm以下のサイズの液滴が1
0個以下認められる。可:1mm以下のサイズの液滴が1
0−30個以上認められる。不可:1mm以下のサイズの
液滴が30個以上、あるいは1mm以上の液滴が認められ
る。
【0049】表1に示すように本発明によれば、必要最
小限の工程のみドライルーム内で実施するだけでも水分
の含有量が抑えられる。さらに容量が高く、サイクル特
性に優れ、かつ液漏れの危険の小さいゲル状電解質を用
いたリチウム二次電池電池を得ることができる。比較例
1、2の方法では混練分散時から電解液を混ぜているた
め、ドライルーム中ですべての工程をおこなったにもか
かわらず、水分の混入がみられる。また粘度が高い問題
から活物質充填量を高くできず容量的にも劣る。別に活
物質の充填量を高める試みは粘度上昇に伴う分散、塗布
の絶大な困難化により成功しなかった。また正極・負極
の構造が弱いためサイクル特性も良くない。ゲル化をお
こなわない比較例3では液の保持性がなく、ケースが破
損した時液が漏れるという現液系リチウムイオン二次電
池の欠点を克服できていない。
【0050】
【表1】 表 − 1
【0051】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池は、高エネル
ギー密度でサイクル特性に優れ、かつ液漏れ等の問題を
抑制したゲル電解質を用いたリチウム二次電池であっ
て、正極、負極活物質層の形成とゲル電解質の形成を2
段階に分離しておこなうことによって、生産性を飛躍的
に向上させるとともに、電池特性の向上を達成したもの
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極がリチウムイオンを吸蔵放出
    可能な活物質を含有する層を集電体上に設けてなり、さ
    らに電解質層と正極・負極中のイオン移動相がゲル状電
    解質で構成されてなるリチウム二次電池において、正
    極、負極が、正極、負極の活物質を空隙を有する活物質
    層として集電体上に形成し、しかるのちに所定の処理の
    のちゲル化しゲル状電解質を形成する成分を含有する電
    解液を該活物質層中に含浸させて、その後該電解液をゲ
    ル化させることによって形成されることを特徴とするリ
    チウム二次電池。
  2. 【請求項2】 正・負極活物質層が活物質を樹脂溶液に
    分散塗料化し、該塗料を集電体上に塗布、乾燥して形成
    されることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次
    電池。
  3. 【請求項3】 正・負極活物質層が活物質を樹脂溶液に
    分散塗料化し、該塗料を集電体上に塗布、乾燥したのち
    カレンダー工程を経て形成されることを特徴とする請求
    項1に記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 ゲル状電解質が紫外線硬化性のモノマー
    を含有する電解液を活物質層に含浸させた後、紫外線照
    射により重合させゲル化させることによって形成される
    ことを特徴とする請求項1、2、3に記載のリチウム二
    次電池。
  5. 【請求項5】 正極、負極中にゲル状電解質を形成した
    のち、正極・電解質層・負極が積層されることを特徴と
    する請求項1、2、4に記載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 正極・電解質層・負極が平板的に積層さ
    れ、形状可変性のあるケースに収納されていることを特
    徴とする請求項1、2,4、5に記載のリチウム二次電
    池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7482092B2 (en) 2002-12-13 2009-01-27 Sharp Kabushiki Kaisha Polymer battery having the outer peripheries of the separator and negative electrode positioned outside of an outer periphery of the positive electrode
JP2010080447A (ja) * 1999-11-19 2010-04-08 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd リチウムポリマー二次電池
EP3188301A4 (en) * 2014-08-30 2018-01-24 Jenax Inc. Flexible secondary battery and method for manufacturing same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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