JPH11203943A - 透明導電性基材とその製造方法およびこの基材が適用された表示装置 - Google Patents

透明導電性基材とその製造方法およびこの基材が適用された表示装置

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JPH11203943A
JPH11203943A JP28727198A JP28727198A JPH11203943A JP H11203943 A JPH11203943 A JP H11203943A JP 28727198 A JP28727198 A JP 28727198A JP 28727198 A JP28727198 A JP 28727198A JP H11203943 A JPH11203943 A JP H11203943A
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雅也 行延
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、導電性等に優れしかも製造コストの
低減が図れる透明導電性基材とその製造方法を提供し合
わせてこの透明導電性基材が適用された表示装置を提供
すること。 【解決手段】 この透明導電性基材は、透明基板および
この透明基板上に順次形成された透明導電層と透明コー
ト層とで構成された透明2層膜を備える透明導電性基材
を前提とし、透明導電層が、表面に金若しくは白金単体
または金と白金の複合体をコーティングした平均粒径1
〜100nmの貴金属コート銀微粒子とバインダーマト
リックスとを主成分としていることを特徴とする。そし
て、この透明導電性基材は、従来の透明導電性基材に較
べ優れた反射防止効果と透過光線プロファイルを有し、
かつ良好な耐候性と導電性を有している。また、この透
明導電性基材が適用された表示装置は表示画面の表面反
射が抑制されかつ高い電界シールド効果を具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明基板とこの上
に順次形成された透明導電層と透明コート層から成る透
明2層膜を備え、例えばブラウン管(CRT)、プラズ
マディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管(VF
D)、液晶ディスプレイ(LCD)等表示装置の前面板
等に利用される透明導電性基材に係り、特に、耐候性、
導電性等に優れしかも製造コストの低減が図れる透明導
電性基材の改良とその製造方法およびこの透明導電性基
材が適用された表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のオフィスオートメーション(O
A)化によりオフィスに多くのOA機器が導入され、O
A機器のディスプレイと向き合って終日作業を行わねば
ならないという環境が最近珍しくない。
【0003】ところで、OA機器の一例としてコンピュ
ータの陰極線管(上記ブラウン管とも称する:CRT)
等に接して仕事を行う場合、表示画面が見やすく、視覚
疲労を感じさせないことの外に、CRT表面の帯電によ
るほこりの付着や電撃ショックがないこと等が要求され
ている。更に、これ等に加えて最近では、CRTから発
生する低周波電磁波の人体に対する悪影響が懸念され、
このような電磁波が外部に漏洩しないことがCRTに対
して望まれている。
【0004】そして、上記電磁波は偏向コイルやフライ
バックトランスから発生し、テレビジョンの大型化に伴
って益々大量の電磁波が周囲に漏洩する傾向にある。
【0005】ところで、磁界の漏洩は偏向コイルの形状
を変えるなどの工夫で大部分を防止することができる。
一方、電界の漏洩もCRTの前面ガラス表面に透明導電
層を形成することにより防止することが可能である。
【0006】このような電界の漏洩に対する防止方法
は、近年、帯電防止のために取られてきた対策と原理的
には同一である。しかし、上記透明導電層は、帯電防止
用に形成されていた導電層よりもはるかに高い導電性が
求められている。すなわち、帯電防止用には表面抵抗で
108 Ω/□程度で十分とされているが、漏洩電界を防
ぐ(電界シールド)ためには、少なくとも106 Ω/□
以下、好ましくは103Ω/□以下である低抵抗の透明
導電層を形成する必要がある。
【0007】そこで、上記要求に対処するため、従来よ
りいくつかの提案がなされているが、その中でも低コス
トでかつ低い表面抵抗を実現できる方法として、導電性
微粒子をアルキルシリケート等の無機バインダーと共に
溶媒中に分散した透明導電層形成用塗布液を、CRTの
前面ガラスに塗布・乾燥後、200℃以下の温度で焼成
する方法が知られている。
【0008】そして、この透明導電層形成用塗布液を用
いた方法は、真空蒸着やスパッタ法等の他の透明導電層
の形成方法に比べてはるかに簡便であり、製造コストも
低く、CRTに処理可能な電界シールドとして極めて有
利な方法である。
【0009】この方法に用いられる上記透明導電層形成
用塗布液として、導電性微粒子にインジウム錫酸化物
(ITO)を適用したものが知られている。しかし、得
られる膜の表面抵抗が104 〜106 Ω/□と高いた
め、漏洩電界を十分に遮蔽するには電界キャンセル用の
補正回路が必要となることから、その分、製造コストが
割高となる問題があった。一方、上記導電性微粒子に金
属粉を用いた透明導電層形成用塗布液では、ITOを用
いた塗布液に比べ、若干、膜の透過率が低くなるもの
の、102 〜103 Ω/□という低抵抗膜が得られる。
従って、上述した補正回路が必要なくなるためコスト的
に有利となり、今後主流になると思われる。
【0010】そして、上記透明導電層形成用塗布液に適
用される金属微粒子としては、特開平8−77832号
公報や特開平9−55175号公報等に示されるように
空気中で酸化され難い、銀、金、白金、ロジウム、パラ
ジウム等の貴金属に限られている。これは、貴金属以外
の金属微粒子、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等が適
用された場合、大気雰囲気下でこれ等金属微粒子の表面
に酸化物皮膜が必ず形成されてしまい透明導電層として
良好な導電性が得られなくなるからである。
【0011】また、一方では表示画面を見易くするため
に、フェイスパネル表面に防眩処理を施して画面の反射
を抑えることも行われている。この防眩処理は、微細な
凹凸を設けて表面の拡散反射を増加させる方法によって
もなされるが、この方法を用いた場合、解像度が低下し
て画質が落ちるためあまり好ましい方法とはいえない。
従って、むしろ反射光が入射光に対して破壊的干渉を生
ずるように、透明皮膜の屈折率と膜厚とを制御する干渉
法によって防眩処理を行うことが好ましい。このような
干渉法により低反射効果を得るため、一般的には高屈折
率膜と低屈折率膜の光学的膜厚をそれぞれ1/4λと1
/4λ、あるいは1/2λと1/4λに設定した二層構
造膜が採用されており、前述のインジウム錫酸化物(I
TO)微粒子からなる膜もこの種の高屈折率膜として用
いられている。
【0012】尚、金属においては、光学定数(n−i
k,n:屈折率,i2 =−1,k:消衰係数)のうち、
nの値は小さいがkの値がITO等と比べ極端に大きい
ため、金属微粒子からなる透明導電層を用いた場合で
も、ITO(高屈折率膜)と同様に、二層構造膜で光の
干渉による反射防止効果が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の透明
導電層形成用塗布液に適用される金属微粒子としては、
上述したように銀、金、白金、ロジウム、パラジウムな
どの貴金属に限定されているが、これ等の電気抵抗を比
較した場合、白金、ロジウム、パラジウムの比抵抗は、
それぞれ10.6、5.1、10.8μΩ・cmで、
銀、金の1.62、2.2μΩ・cmに比べて高いた
め、表面抵抗の低い透明導電層を形成するには銀微粒子
や金微粒子を適用した方が有利であった。
【0014】しかし、銀微粒子を適用した場合、硫化や
食塩水による劣化が激しく耐候性に問題があり、他方、
金微粒子を適用した場合、上記耐候性の問題はなくなる
が白金微粒子、ロジウム微粒子、パラジウム微粒子等が
適用された場合と同様にコスト上の問題を有していた。
更に、金微粒子を適用した場合には、金特有の光学特性
により形成された透明導電層自体が可視光線の一部を吸
収するため、可視光線全域でフラットな透過光線プロフ
ァイルが要求されるCRTなど表示装置の表示面には適
用できない問題点を有していた。
【0015】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、耐候性、導電性
などに優れ、しかも製造コストの低減が図れる透明導電
性基材とその製造方法を提供し、合わせてこの透明導電
性基材が適用された表示装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、透明基板、および、この透明基板上に順次形
成された透明導電層と透明コート層とで構成された透明
2層膜を備える透明導電性基材を前提とし、上記透明導
電層が、銀微粒子の表面に金若しくは白金単体または金
と白金の複合体がコーティングされた平均粒径1〜10
0nmの貴金属コート銀微粒子とバインダーマトリック
スを主成分としていることを特徴とし、また、請求項2
に係る発明は、請求項1記載の発明に係る透明導電性基
材を前提とし、上記貴金属コート銀微粒子における金若
しくは白金単体または金と白金の複合体のコーティング
量が、銀100重量部に対し5〜100重量部の範囲に
設定されていることを特徴とするものである。
【0017】次に、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2記載の発明に係る透明導電性基材を前提とし、上
記透明導電層内に導電性酸化物微粒子が含まれているこ
とを特徴とし、請求項4に係る発明は、請求項3記載の
透明導電性基材を前提とし、上記導電性酸化物微粒子
が、酸化錫、錫アンチモン酸化物またはインジウム錫酸
化物から選択された1種以上の微粒子であることを特徴
とするものである。
【0018】また、請求項5に係る発明は、請求項1〜
4のいずれかに記載の透明導電性基材を前提とし、透明
導電層の上記バインダーマトリックスおよび透明コート
層が、酸化ケイ素を主成分としていることを特徴とし、
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載
の透明導電性基材を前提とし、上記透明導電層の表面抵
抗が10〜3000Ω/□であり、かつ、可視光線波長
域(380〜780nm)の5nmおきの各波長におけ
る上記透明基板を含まない透明2層膜だけの透過率の標
準偏差が0〜5%であることを特徴とするものである。
【0019】次に、請求項7〜12に係る発明は上記透
明導電性基材の製造方法を特定した発明に関する。
【0020】すなわち、請求項7に係る発明は、請求項
1記載の透明導電性基材の製造方法を前提とし、溶媒と
この溶媒に分散された平均粒径1〜100nmの貴金属
コート銀微粒子を主成分とする透明導電層形成用塗布液
を上記透明基板上に塗布し、次いで透明コート層形成用
塗布液を塗布した後、加熱処理することを特徴とし、請
求項8に係る発明は、請求項7記載の透明導電性基材の
製造方法を前提とし、上記貴金属コート銀微粒子におけ
る金若しくは白金単体または金と白金の複合体のコーテ
ィング量が、銀100重量部に対し5〜100重量部の
範囲に設定されていることを特徴とするものである。
【0021】また、請求項9に係る発明は、請求項7ま
たは8記載の透明導電性基材の製造方法を前提とし、上
記透明導電層形成用塗布液内に、導電性酸化物微粒子が
含まれていることを特徴とし、請求項10に係る発明
は、請求項9記載の透明導電性基材の製造方法を前提と
し、上記導電性酸化物微粒子が、酸化錫、錫アンチモン
酸化物またはインジウム錫酸化物から選択された1種以
上の微粒子であることを特徴とする。
【0022】また、請求項11に係る発明は、請求項7
〜10のいずれかに記載の透明導電性基材の製造方法を
前提とし、上記透明導電層形成用塗布液内に、透明導電
層のバインダーマトリックスを構成する無機バインダー
が含まれていることを特徴とし、請求項12に係る発明
は、請求項7〜11のいずれかに記載の透明導電性基材
の製造方法を前提とし、上記透明コート層形成用塗布液
が、シリカゾルを主成分としていることを特徴とするも
のである。
【0023】次に、請求項13に係る発明は、装置本体
とこの前面側に配置された前面板とを備える表示装置を
前提とし、上記前面板として、請求項1〜6のいずれか
に記載の透明導電性基材がその透明2層膜側を外面にし
て組込まれていることを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0025】まず、本発明は、金若しくは白金が化学的
に安定で、耐候性、耐薬品性、耐酸化性等に優れている
ため、銀微粒子の表面に金若しくは白金単体または金と
白金の複合体をコーティングすればその化学的安定性を
高めることができるという考え方に基づいている。ま
た、白金の電気抵抗は、上述したように銀、金に比べて
若干高いが、金若しくは白金単体または金と白金の複合
体材料は上記銀微粒子表面のコーティング層として適用
されていることから銀の良好な導電性を損なうこともな
い。尚、上記金若しくは白金単体または金と白金の複合
体を銀微粒子にコーティングする代わりに、銀を金若し
くは白金または金並びに白金と合金化させて合金微粒子
とし、上述した耐候性等の特性を改善させる方法も考え
られるが、この方法では微粒子全体における金若しくは
白金単体、または金と白金の濃度を高くする必要がある
ことから多量の金若しくは白金、または金と白金を必要
としコスト的に難がある。以上の考えから、本発明にお
いては、透明導電層形成用塗布液における金属微粒子と
して、銀微粒子の表面に金若しくは白金単体または金と
白金の複合体がコーティングされた貴金属コート銀微粒
子を適用することで上述した問題点の解決を図ってい
る。
【0026】すなわち、銀微粒子の表面に金若しくは白
金単体または金と白金の複合体をコーティングすると、
貴金属コート銀微粒子内部の銀が金若しくは白金単体ま
たは金と白金の複合体により保護されるため、耐候性、
耐薬品性等が著しく改善される。例えば、銀微粒子と、
酸化ケイ素を主成分とするバインダーマトリックスから
成る透明導電層を5%食塩水に浸漬すると、食塩水中の
塩素イオンと透明導電層の銀微粒子が反応して1時間以
内の短時間で著しく劣化し、透明導電層における膜の剥
離さえ生じるが、金若しくは白金単体または金と白金の
複合体がコーティングされた貴金属コート銀微粒子を適
用した透明導電層の場合には、金若しくは白金単体また
は金、白金複合体のコーティング量にもよるが24時間
以上の浸漬でも透明導電層は全く変化せず、優れた耐候
性を示す。また、金並びに白金は大気中で酸化しないた
め、酸化による電気抵抗の劣化もなく、貴金属コート銀
微粒子が適用された透明導電層は、銀微粒子が適用され
た透明導電層の表面抵抗よりも優れている。
【0027】ここで、本発明における上記貴金属コート
銀微粒子は、その平均粒径が1〜100nmであること
を要する(請求項1)。1nm未満の場合、この微粒子
の製造は困難であり、更に、塗液中で凝集し易く実用的
でない。また、100nmを越えると、形成された透明
導電層の可視光線透過率が低くなり過ぎてしまい、仮
に、膜厚を薄く設定して可視光線透過率を高くした場合
でも、表面抵抗が高くなり過ぎてしまい実用的ではない
からである。尚、ここでいう平均粒径とは、透過電子顕
微鏡(TEM)で観察される微粒子の平均粒径を示して
いる。
【0028】次に、上記貴金属コート銀微粒子におい
て、金若しくは白金単体または金、白金複合体のコーテ
ィング量は、銀100重量部に対し5〜100重量部の
範囲に設定することが望ましく(請求項2)、好ましく
は10〜50重量部の範囲に設定するとよい。金若しく
は白金単体または金、白金複合体のコーティング量が5
重量部未満だと、コーティングの保護効果が弱まって耐
候性が若干悪くなる場合があり、逆に、100重量部を
越えるとコスト的に難があるからである。
【0029】尚、透明導電層における膜透過率の向上を
図る目的で、透明導電層内に酸化錫、錫アンチモン酸化
物またはインジウム錫酸化物から選択された1種以上の
導電性酸化物微粒子を加えてもよい(請求項3、請求項
4)。この場合、透明導電層内の貴金属コート銀微粒子
と導電性酸化物微粒子の配合比は、貴金属コート銀微粒
子100重量部に対し導電性酸化物微粒子1〜200重
量部、好ましくは10〜100重量部の範囲に設定する
とよい。導電性酸化物微粒子の配合量が1重量部未満だ
と、導電性酸化物微粒子添加の効果がみられず、逆に2
00重量部を越えると、透明導電層の抵抗が高くなり過
ぎてしまい実用的ではないからである。また、上記貴金
属コート銀微粒子と同様、導電性酸化物微粒子の平均粒
径は1〜100nm程度が好ましい。
【0030】次に、上記貴金属コート銀微粒子を含有す
る透明導電層形成用塗布液は、以下の方法でこれを製造
することができる。すなわち、既知の方法[例えば、Ca
rey−Lea法、Am.J.Sci.、37、47(1889)、Am.J.Sci.、
38(1889)]により、銀微粒子のコロイド分散液を調製
した後、この分散液にヒドラジン等の還元剤を加え、更
にそこに金酸塩若しくは白金酸塩の溶液、または金酸塩
と白金酸塩の混合溶液を加えることにより銀微粒子に対
し金若しくは白金単体、または金、白金複合体のコーテ
ィングを行い、貴金属コート銀微粒子分散液が得られ
る。尚、金酸塩と白金酸塩の上記混合溶液を用いる方法
に代えて金酸塩の溶液と白金酸塩の溶液を別々に加え、
金、白金複合体がコーティングされた貴金属コート銀微
粒子分散液を調製することも可能である。また、必要に
より、金若しくは白金単体または金、白金複合体のコー
ティング工程で、銀微粒子のコロイド分散液、金酸塩の
溶液、白金酸塩の溶液、金酸塩と白金酸塩の混合溶液の
少なくともいずれか一つ、または、それぞれに少量の分
散剤を加えてもよい。この後、透析、電気透析、イオン
交換、限外濾過等の方法で分散液内の電解質濃度を下げ
ることが好ましい。これは、電解質濃度を下げないとコ
ロイドは電解質で一般に凝集してしまうからであり、こ
の現象は、Schulze−Hardy則としても知られている。
尚、同様の理由から、上記貴金属コート銀微粒子分散液
内若しくは透明導電層形成用塗布液内に、酸化錫、錫ア
ンチモン酸化物またはインジウム錫酸化物から選択され
た導電性酸化物微粒子を配合する場合も、これ等導電性
酸化物微粒子若しくはその分散液の脱塩を十分に行って
おくことが望ましい。そして、最終的には、得られた貴
金属コート銀微粒子分散液からの濃縮脱水、有機溶剤等
の添加による成分調整(微粒子濃度、水分濃度等)等が
なされ、上記透明導電層形成用塗布液が調製される。こ
の透明導電層形成用塗布液において、銀微粒子表面に金
若しくは白金単体または金と白金の複合体がコーティン
グされていることの根拠は、透過電子顕微鏡(TEM)
による粒子観察と成分分析(EDX:エネルギー分散型
X線解析装置)にて、金若しくは白金単体または金、白
金複合体のコーティング前後で粒子径がほとんど変化し
てないこと、および、金若しくは白金単体または金、白
金複合体の分布が各粒子に対して一様であること、更に
はEXAFS(Extended X-rayAbsorption Fine Struct
ure:広域X線吸収微細構造)解析による金若しくは白
金単体または金、白金複合体の配位数から技術的に確認
されている。
【0031】尚、銀微粒子に対する金、白金複合体の被
覆形態については、金、白金複合体のコーティング工程
で金酸塩の溶液と白金酸塩の溶液を適用するか、金酸塩
と白金酸塩の混合溶液を適用するかの違いにより、ま
た、これ等溶液の配合タイミングや適用する金酸塩と白
金酸塩の濃度の違い等により各種の形態が考えられる。
すなわち、これ等条件の違いにより銀微粒子の全表面若
しくは一部を金が被覆しかつその全体を白金が被覆して
いたり、この逆で銀微粒子の全表面若しくは一部を白金
が被覆しかつその全体を金が被覆していたり、あるい
は、銀微粒子の全表面を互いに重なることなく白金と金
がそれぞれ単体でまたは合金化された状態で被覆してい
る形態等が考えられる。
【0032】また、上記方法において銀微粒子表面への
金若しくは白金単体または金、白金複合体のコーティン
グ反応が起こるのは、金酸塩、白金酸塩の還元により
金、白金が生じる際に、既に液中に微細な銀微粒子が多
量に存在するためで、金、白金が単独で核発生(均一核
発生)するよりも、銀微粒子を核としてその表面に成長
する方がエネルギー的に有利な条件で進行するからであ
る。
【0033】このように本発明に係る透明導電性基材
は、ガラス基板、プラスチック基板等の透明基板、およ
び、この透明基板上に形成された平均粒径1〜100n
mの貴金属コート銀微粒子とバインダーマトリックスを
主成分とする透明導電層の下層と、この透明導電層上に
形成された透明コート層の上層から成る透明2層膜とで
その主要部が構成されている。
【0034】そして、透明基板上に上記透明2層膜を形
成するには以下の方法でこれを行うことができる。例え
ば、溶媒とこの溶媒に分散された平均粒径1〜100n
mの貴金属コート銀微粒子を主成分とする透明導電層形
成用塗布液を、ガラス基板、プラスチック基板等の透明
基板上にスプレーコート、スピンコート、ワイヤーバー
コート、ドクターブレードコート等の手法にて塗布し、
必要に応じて乾燥した後、例えばシリカゾル等を主成分
とする透明コート層形成用塗布液を上述した手法により
オーバーコートする。次に、オーバーコートした後、例
えば50〜250℃程度の温度で加熱処理を施しオーバ
ーコートした透明コート層形成用塗布液の硬化を行って
上記透明2層膜を形成する(請求項7)。尚、50〜2
50℃程度の加熱処理では、貴金属コート銀微粒子は金
若しくは白金単体または金と白金の複合体で保護されて
いるため問題を生じないが、銀微粒子であると200℃
を超えた場合に酸化拡散により表面抵抗値が上昇し膜の
劣化が生じる。
【0035】ここで、シリカゾル等を主成分とする透明
コート層形成用塗布液を上述した手法によりオーバーコ
ートした際、予め塗布された貴金属コート銀微粒子を主
成分とする透明コート層形成用塗布液により形成された
貴金属コート銀微粒子層の間隙に、オーバーコートした
シリカゾル液(このシリカゾル液は上記加熱処理により
酸化ケイ素を主成分とするバインダーマトリックスとな
る)がしみ込むことで、導電性の向上、強度の向上、耐
候性の一層の向上が同時に達成される。更に、貴金属コ
ート銀微粒子が酸化ケイ素を主成分とする上記バインダ
ーマトリックス中に分散された透明導電層の光学定数
(n−ik)において、屈折率nはさほど大きくないが
消衰係数kが大きいため、上記透明導電層と透明コート
層の透明2層膜構造により、透明2層膜の反射率を大幅
に低下できる。そして、図1に示すように、ITO微粒
子(比較例2)や銀微粒子(比較例1)が適用された場
合と比較しても、金単体がコーティングされた貴金属コ
ート銀微粒子(実施例1)を用いた場合、可視光線の短
波長域(380〜500nm)で反射率が改善される。
また、透明2層膜の透過光線プロファイルも、図2に示
すように、可視光線の短波長域で、銀微粒子に金単体を
コーティングすることで改善される。例えば、可視光線
波長域(380〜780nm)の5nmおきの各波長で
の透明基板を含まない透明2層膜だけの透過率につい
て、その標準偏差を比較すると、銀微粒子(比較例1)
を用いた場合7%程度あるが、銀微粒子に貴金属コート
する(実施例1〜11)と2〜3%程度の小さな値とな
り、非常にフラットな透過プロファイルが得られている
(請求項6)。これら透明2層膜の反射、透過特性が改
善される理由については未だ明らかでないが、銀微粒子
に金若しくは白金単体または金と白金の複合体をコーテ
ィングしたことによる金属微粒子の表面プラズモンの変
化が考えられる。
【0036】ここで、上記透明コート層形成用塗布液に
適用されるシリカゾルとしては、オルトアルキルシリケ
ートに水や酸触媒を加えて加水分解し、脱水縮重合を進
ませた重合物、あるいは既に4〜5量体まで加水分解縮
重合を進ませた市販のアルキルシリケート溶液を、さら
に加水分解と脱水縮重合を進行させた重合物等を利用す
ることができる。尚、脱水縮重合が進行すると、溶液粘
度が上昇して最終的には固化してしまうので、脱水縮重
合の度合いについては、ガラス基板やプラスチック基板
などの透明基板上に塗布可能な上限粘度以下のところに
調整する。但し、脱水縮重合の度合いは上記上限粘度以
下のレベルであれば特に指定されないが、膜強度、耐候
性等を考慮すると重量平均分子量で500から3000
程度が好ましい。。そして、アルキルシリケート部分加
水分解重合物は、透明2層膜の加熱焼成時に脱水縮重合
反応がほぼ完結して、硬いシリケート膜(酸化ケイ素を
主成分とする膜)になる。尚、上記シリカゾルに、弗化
マグネシウム微粒子、アルミナゾル、チタニアゾル、ジ
ルコニアゾル等を加え、透明コート層の屈折率を調節し
て透明2層膜の反射率を変えることも可能である。
【0037】また、上記透明導電層の形成工程におい
て、溶媒とこの溶媒に分散された平均粒径1〜100n
mの貴金属コート銀微粒子に加え、バインダーマトリッ
クスを構成する無機バインダー成分としてのシリカゾル
液が配合された透明導電層形成用塗布液を用いてもよい
(請求項11)。この場合においても、シリカゾル液が
含まれる透明導電層形成用塗布液を塗布し、必要に応じ
て乾燥させた後に透明コート層形成用塗布液を上述した
手法によりオーバーコートすることで、同様の透明2層
膜が得られる。尚、透明導電層形成用塗布液内に導電性
酸化物微粒子を配合する場合と同様の理由から、透明導
電層形成用塗布液内に配合する上記シリカゾル液につい
てもその脱塩を十分に行っておくことが望ましい。
【0038】以上説明したように本発明に係る透明導電
性基材は、従来よりも優れた反射防止効果と透過光線プ
ロファイルを有し、かつ、良好な耐候性と高い電界シー
ルド効果を有するため、例えば、上述したブラウン管
(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、
蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディス
プレイ(FED)、エレクトロルミネッセンスディスプ
レイ(ELD)、液晶ディスプレイ(LCD)等表示装
置においてその一部を構成する前面板等に適用すること
ができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明するが
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。ま
た、本文中の『%』は、透過率、反射率、ヘーズ値の
(%)を除いて『重量%』を示し、また『部』は『重量
部』を示している。
【0040】[実施例1]前述のCarey−Lea法により銀
微粒子のコロイド分散液を調製した。具体的には、9%
硝酸銀水溶液33gに、23%硫酸鉄(II)水溶液39
gと37.5%クエン酸ナトリウム水溶液48gの混合
液を加えた後、沈降物をろ過・洗浄した後、純水を加え
て、銀微粒子のコロイド分散液(Ag:0.45%)を
調製した。この銀微粒子のコロイド分散液15gに、1
%ヒドラジン水溶液0.5gを加えて攪拌しながら、金
酸カリウム[KAu(OH)4 ]水溶液(Au:0.1
%)15gと2%高分子分散剤水溶液0.3gの混合液
を加え、金単体がコーティングされた貴金属コート銀微
粒子のコロイド分散液を得た。この貴金属コート銀微粒
子のコロイド分散液をイオン交換樹脂(三菱化学社製
商品名ダイヤイオンSK1B,SA20AP)で脱塩し
た後、限外ろ過により濃縮した液に、エタノール(E
A)、ジアセトンアルコール(DAA)を加え、貴金属
コート銀微粒子が含まれる透明導電層形成用塗布液(A
g:0.217%、Au:0.057%、水:11.8
%、EA:82.9%、DAA:5.0%)を得た。得
られた透明導電層形成用塗布液を透過電子顕微鏡で観察
した結果、貴金属コート銀微粒子の平均粒径は、7.2
nmであった。
【0041】次に、貴金属コート銀微粒子が含まれる透
明導電層形成用塗布液を、40℃に加熱されたガラス基
板(厚さ3mmのソーダライムガラス)上に、スピンコ
ート(130rpm,60秒間)した後、続けて、シリ
カゾル液をスピンコート(130rpm,60秒間)
し、さらに、180℃、20分間硬化させて、貴金属コ
ート銀微粒子を含有する透明導電層と、酸化ケイ素を主
成分とするシリケート膜から成る透明コート層とで構成
された透明2層膜付きのガラス基板、すなわち、実施例
1に係る透明導電性基材を得た。
【0042】ここで、上記シリカゾル液は、メチルシリ
ケート51(コルコート社製商品名)を19.6部、エ
タノール57.8部、1%硝酸水溶液7.9部、純水1
4.7部を用いて、SiO2 (酸化ケイ素)固形分濃度
が10%のものを調製し、最終的に、SiO2 固形分濃
度が0.7%となるようにイソプロピルアルコール(I
PA)とn−ブタノール(NBA)の混合物(IPA/
NBA=3/1)により希釈して得ている。
【0043】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性(表面抵抗、可視光線透過率、透過率の標
準偏差、ヘーズ値、ボトム反射率/ボトム波長)を以下
の表1に示す。尚、上記ボトム反射率とは透明導電性基
材の反射プロファイルにおいて極小の反射率をいい、ボ
トム波長とは反射率が極小における波長を意味してい
る。また、製造された実施例1に係る透明導電性基材の
反射プロファイルを図1と図3に、また、透過プロファ
イルを図2と図4に合わせて示す。
【0044】尚、表1において可視光線波長域(380
〜780nm)の5nmおきの各波長における透明基板
(ガラス基板)を含まない透明2層膜だけの透過率は、
以下の様にして求められている。すなわち、 透明基板を含まない透明2層膜だけの透過率(%)=
[(透明基板ごと測定した透過率)/(透明基板の透過
率)]×100 ここで、本明細書においては、特に言及しない限り、透
過率としては、透明基板ごと(すなわち透明基板を含む
透明2層膜のことで上記透明導電性基材を意味する)測
定した値を用いている。
【0045】また、透明2層膜の表面抵抗は、三菱化学
(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)
を用い測定した。ヘーズ値と可視光線透過率は、透明基
板ごと、村上色彩技術研究所製のヘーズメーター(HR
−200)を用いて測定した。反射率、及び反射・透過
プロファイルは、日立製作所(株)製の分光光度計(U−
4000)を用いて測定した。また、貴金属コート銀微
粒子の粒径は日本電子製の透過電子顕微鏡で評価してい
る。
【0046】[実施例2]実施例1と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、1.5%ヒドラ
ジン水溶液と金酸カリウム水溶液(Au:0.15%)
を用いて、平均粒径6.3nmの貴金属コート銀微粒子
が分散した透明導電層形成用塗布液(Ag:0.221
%、Au:0.079%、水:5.0%、EA:89.
7%、DAA:5.0%)を得、かつ、シリカゾル液の
SiO2 (酸化ケイ素)固形分濃度が0.65%となる
ように希釈した以外は、実施例1と同様に行い、貴金属
コート銀微粒子を含有する透明導電層と、酸化ケイ素を
主成分とするシリケート膜から成る透明コート層とで構
成された透明2層膜付きのガラス基板、すなわち、実施
例2に係る透明導電性基材を得た。
【0047】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された実
施例2に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図5
に、また、透過プロファイルを図6に示す。
【0048】[実施例3]実施例1と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、0.5%ヒドラ
ジン水溶液と金酸カリウム水溶液(Au:0.05%)
を用いて、平均粒径6.8nmの貴金属コート銀微粒子
が分散した透明導電層形成用塗布液(Ag:0.24
%、Au:0.028%、水:3.7%、EA:91.
0%、DAA:5.0%)を得、かつ、シリカゾル液の
SiO2 (酸化ケイ素)固形分濃度が0.65%となる
ように希釈した以外は、実施例1と同様に行い、貴金属
コート銀微粒子を含有する透明導電層と、酸化ケイ素を
主成分とするシリケート膜から成る透明コート層とで構
成された透明2層膜付きのガラス基板、すなわち、実施
例3に係る透明導電性基材を得た。
【0049】ガラス基板上に形成された透明2層膜の膜
特性を以下の表1に示す。
【0050】[実施例4]実施例1と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、還元剤としての
ヒドラジン水溶液を加えずに、撹拌しながら、金酸カリ
ウム水溶液(Au:0.05%)15gを加え、金と銀
の置換反応により、貴金属コート銀微粒子のコロイド分
散液を得、かつ、平均粒径6.5nmの貴金属コート銀
微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(Ag:0.
245%、Au:0.025%、水:7.6%、EA:
87.1%、DAA:5.0%)を得た以外は、実施例
1と同様に行い、貴金属コート銀微粒子を含有する透明
導電層と、酸化ケイ素を主成分とするシリケート膜から
成る透明コート層とで構成された透明2層膜付きのガラ
ス基板、すなわち、実施例4に係る透明導電性基材を得
た。
【0051】ガラス基板上に形成された透明2層膜の膜
特性を以下の表1に示す。
【0052】[実施例5]実施例1と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、1%ヒドラジン
水溶液0.4gと金酸カリウム水溶液(Au:0.07
5%)を用いて、平均粒径7.1nmの貴金属コート銀
微粒子が分散した溶液を得た。次に、この溶液内に、平
均粒径0.03μmのインジウム錫酸化物(ITO)微
粒子(住友金属鉱山社製、商品名SUFP−HX)を用
いかつイオン交換により十分に脱塩して得られたITO
分散液を加えて、最終的に貴金属コート銀微粒子とIT
O微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(Ag:
0.294%、Au:0.049%、ITO:0.1
%、水:9.7%、EA:84.95%、DAA:4.
9%)を得、かつ、重量平均分子量が1920のシリカ
ゾル液を用い、SiO2 (酸化ケイ素)固形分濃度が
0.8%となるように希釈し、更に35℃に加熱された
ガラス基板を用いると共に、透明導電層形成用塗布液と
シリカゾル液を150rpmで60秒間の条件でスピン
コートし、かつ、210℃、20分間硬化させた以外
は、実施例1と同様に行い、貴金属コート銀微粒子とI
TO微粒子を含有する透明導電層と、酸化ケイ素を主成
分とするシリケート膜から成る透明コート層とで構成さ
れた透明2層膜付きのガラス基板、すなわち、実施例5
に係る透明導電性基材を得た。
【0053】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された実
施例5に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図7
に、また、透過プロファイルを図8に示す。
【0054】[実施例6]実施例1と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、1%ヒドラジン
水溶液0.4gと金酸カリウム水溶液(Au:0.07
5%)を用いて、平均粒径7.1nmの貴金属コート銀
微粒子が分散した溶液を得た。次に、この溶液内に、平
均粒径0.01μmのアンチモン錫酸化物(ATO)微
粒子(石原産業社製、商品名SN−100P)を用いか
つイオン交換により十分に脱塩して得られたATO分散
液を加えて、最終的に貴金属コート銀微粒子とATO微
粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(Ag:0.2
9%、Au:0.048%、ATO:0.174%、
水:11.0%、EA:83.58、DAA:4.9
%)を得、かつ、重量平均分子量が1920のシリカゾ
ル液を用い、SiO2 (酸化ケイ素)固形分濃度が0.
8%となるように希釈し、更に35℃に加熱されたガラ
ス基板を用いると共に、透明導電層形成用塗布液とシリ
カゾル液を150rpmで60秒間の条件でスピンコー
トし、かつ、210℃、20分間硬化させた以外は、実
施例1と同様に行い、貴金属コート銀微粒子とATO微
粒子を含有する透明導電層と、酸化ケイ素を主成分とす
るシリケート膜から成る透明コート層とで構成された透
明2層膜付きのガラス基板、すなわち、実施例6に係る
透明導電性基材を得た。
【0055】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された実
施例6に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図9
に、また、透過プロファイルを図10に示す。
【0056】[実施例7]実施例1と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、1%ヒドラジン
水溶液0.4gと金酸カリウム水溶液(Au:0.07
5%)を用いて、貴金属コート銀微粒子の分散濃縮液を
得、これに無機バインダーとしてのテトラメチルシリケ
ートの4量体(コルコート社製商品名メチルシリケート
51)を含んだ溶液を加えて、平均粒径7.0nmの貴
金属コート銀微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液
(Ag:0.29%、Au:0.052%、SiO2
0.02%、水:8.78%、EA:85.85%、D
AA:5.0%)を得、かつ、重量平均分子量が246
0のシリカゾル液を用い、SiO2 (酸化ケイ素)固形
分濃度が0.7%となるように希釈し、更に35℃に加
熱されたガラス基板を用いると共に、透明導電層形成用
塗布液とシリカゾル液を150rpmで60秒間の条件
でスピンコートし、かつ、210℃、20分間硬化させ
た以外は、実施例1と同様に行い、貴金属コート銀微粒
子を含有する透明導電層と、酸化ケイ素を主成分とする
シリケート膜から成る透明コート層とで構成された透明
2層膜付きのガラス基板、すなわち、実施例7に係る透
明導電性基材を得た。
【0057】ガラス基板上に形成された透明2層膜の膜
特性を以下の表1に示す。
【0058】[実施例8]9%硝酸銀水溶液33gに、
23%硫酸鉄(II)水溶液39gと37.5%クエン酸
ナトリウム水溶液48gの混合液を加えた後、沈降物を
濾過・洗浄した後、純水を加えて、銀微粒子のコロイド
分散液(Ag:0.49%)を調製した。この銀微粒子
のコロイド分散液240gにヒドラジン1水和物(N2
4・H2O)の1%水溶液5gを加えて攪拌しながら、
白金(IV)酸カリウム[K2Pt(OH)6]水溶液(P
t:0.06%)200gを加え、白金単体がコーティ
ングされた貴金属コート銀微粒子のコロイド分散液を得
た。この貴金属コート銀微粒子のコロイド分散液を、限
外濾過により濃縮した後、この濃縮液に純水を加えて再
び限外濾過により濃縮する工程を繰返して得た脱塩され
た濃縮液に、エタノール(EA)、ジアセトンアルコー
ル(DAA)を加え、透明導電層形成用塗布液(Ag:
0.245%、Pt:0.025%、水:7.48%、
EA:87.25%、DAA:5.0%)を得た。得ら
れた透明導電層形成用塗布液を透過電子顕微鏡で観察し
た結果、貴金属コート銀微粒子の平均粒径は、9.2n
mであった。
【0059】次に、この透明導電層形成用塗布液を、4
0℃に加熱されたガラス基板(厚さ3mmのソーダライ
ムガラス)上に、スピンコート(130rpm,60秒
間)した後、続けて、シリカゾル液をスピンコート(1
30rpm,60秒間)し、さらに、180℃、20分
間硬化させて、貴金属コート銀微粒子を含有する透明導
電層と、酸化ケイ素を主成分とするシリケート膜から成
る透明コート層とで構成された透明2層膜付きのガラス
基板、すなわち、実施例8に係る透明導電性基材を得
た。
【0060】ここで、上記シリカゾル液は、メチルシリ
ケート51(コルコート社製商品名)を19.6部、エ
タノール57.8部、1%硝酸水溶液7.9部、純水1
4.7部を用いて、SiO2 (酸化ケイ素)固形分濃度
が10%のものを調製し、最終的に、SiO2 固形分濃
度が0.65%となるようにイソプロピルアルコール
(IPA)とn−ブタノール(NBA)の混合物(IP
A/NBA=3/1)により希釈して得ている。
【0061】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された実
施例8に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図1
1と図13に、また、透過プロファイルを図12と図1
4に合わせて示す。
【0062】[実施例9]実施例8と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、かつ、ヒドラジ
ン1水和物(N24・H2O)の1%水溶液6.3g
と、金酸塩[KAu(OH)4]水溶液(Au:0.0
98%)121gおよび白金酸カリウム[K2Pt(O
H)6]水溶液(Pt:0.065%)121gの混合
溶液を用いて、金と白金の複合体がコーティングされた
平均粒径11.7nmの貴金属コート銀微粒子を分散し
た透明導電層形成用塗布液(Ag:0.26%、Au:
0.03%、Pt:0.02%、水:7.48%、E
A:87.2%、DAA:5.0%)を得た以外は、実
施例8と同様に行い、貴金属コート銀微粒子を含有する
透明導電層と、酸化ケイ素を主成分とするシリケート膜
から成る透明コート層とで構成された透明2層膜付きの
ガラス基板、すなわち、実施例9に係る透明導電性基材
を得た。
【0063】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された実
施例9に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図1
5に、また、透過プロファイルを図16に示す。
【0064】[実施例10]実施例8と同様の方法で調
製した銀微粒子のコロイド分散液を用い、還元剤として
の上記ヒドラジン水溶液を加えずに、撹拌しながら、白
金酸カリウム[K2Pt(OH)6]水溶液(Pt:0.
064%)203gを加え、白金と銀の置換反応によ
り、白金がコーティングされた平均粒径9.2nmの貴
金属コート銀微粒子を分散した透明導電層形成用塗布液
(Ag:0.24%、Pt:0.025%、水:9.2
%、EA:85.53%、DAA:5.0%)を得た以
外は、実施例8と同様に行い、貴金属コート銀微粒子を
含有する透明導電層と、酸化ケイ素を主成分とするシリ
ケート膜から成る透明コート層とで構成された透明2層
膜付きのガラス基板、すなわち実施例10に係る透明導
電性基材を得た。
【0065】ガラス基板上に形成された透明2層膜の膜
特性を以下の表1に示す。
【0066】[実施例11]実施例8と同様の方法で調
製した銀微粒子のコロイド分散液(Ag:0.49%)
240gを用い、還元剤としての上記ヒドラジン水溶液
を加えずに、撹拌しながら、白金酸カリウム[K2Pt
(OH)6]水溶液(Pt:0.064%)203gを
加え、白金と銀の置換反応により、白金がコーティング
された平均粒径9.2nmの貴金属コート銀微粒子を分
散した溶液を得た。次に、この溶液内に、平均粒径0.
03μmのインジウム錫酸化物(ITO)微粒子(住友
金属鉱山社製、商品名SUFP−HX)を用いかつイオ
ン交換により十分に脱塩して得られたITO分散液を加
えて、最終的に上記貴金属コート銀微粒子とITO微粒
子が分散した透明導電層形成用塗布液(Ag:0.31
2%、Pt:0.0325%、ITO:0.12%、
水:12.3%、EA:87.23%)を得、かつ、重
量平均分子量が1920のシリカゾル液を用い、SiO
2 (酸化ケイ素)固形分濃度が0.8%となるように希
釈し、更に35℃に加熱されたガラス基板を用いると共
に、透明導電層形成用塗布液とシリカゾル液を150r
pmで60秒間の条件でスピンコートし、かつ、210
℃、20分間硬化させた以外は、実施例8と同様に行
い、貴金属コート銀微粒子とITO微粒子を含有する透
明導電層と、酸化ケイ素を主成分とするシリケート膜か
ら成る透明コート層とで構成された透明2層膜付きのガ
ラス基板、すなわち、実施例11に係る透明導電性基材
を得た。
【0067】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された実
施例11に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図
17に、また、透過プロファイルを図18に示す。
【0068】[比較例1]実施例1と同様の方法で調製
した銀微粒子のコロイド分散液を用い、金コーティング
せずに、平均粒径6.9nmの銀微粒子が分散した透明
導電層形成用塗布液(Ag:0.3%、水:4.0%、
EA:90.7%、DAA:5.0%)を得た以外は、
実施例1と同様に行い、銀微粒子を含有する透明導電層
と、酸化ケイ素を主成分とするシリケート膜から成る透
明コート層とで構成された透明2層膜付きのガラス基
板、すなわち、比較例1に係る透明導電性基材を得た。
【0069】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された比
較例1に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図1
と図11に、また、透過プロファイルを図2と図12に
示す。
【0070】[比較例2]平均粒径30nmのITO微
粒子が溶剤に分散された透明導電層形成用塗布液(住友
金属鉱山社製、商品名SDA−104、ITO:2%)
を40℃に加熱されたガラス基板(厚さ3mmのソーダ
ライムガラス)上に、スピンコート(150rpm,6
0秒間)した後、続けて、SiO2 (酸化ケイ素)固形
分濃度が1.0%となるように希釈したシリカゾル液を
スピンコート(150rpm,60秒間)し、さらに、
180℃、30分間硬化させて、ITO微粒子を含有す
る透明導電層と、酸化ケイ素を主成分とするシリケート
膜から成る透明コート層とで構成された透明2層膜付き
のガラス基板、すなわち比較例2に係る透明導電性基材
を得た。
【0071】そして、ガラス基板上に形成された透明2
層膜の膜特性を以下の表1に示す。また、製造された比
較例2に係る透明導電性基材の反射プロファイルを図1
に示す。
【0072】
【表1】
【0073】『耐候性試験』実施例1〜11に係る透明
導電性基材と比較例1に係る透明導電性基材を、5%食
塩水に浸漬し、透明基板(ガラス基板)上に設けた透明
2層膜の表面抵抗値、膜の外観を調べた。この結果を以
下の表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】『評 価』 (1)表1に示された結果から明らかなように、各実施
例に係る透明2層膜の表面抵抗(Ω/□)と透過率の標
準偏差の値が、各比較例に係る透明2層膜の値と較べて
著しく改善されていることが確認される。また、図2と
図12に示された実施例1および実施例8に係る透明導
電性基材の透過プロファイルと比較例1に係る透明導電
性基材の透過プロファイルの比較から明らかなように、
実施例1および実施例8の透明導電性基材では非常にフ
ラットな透過プロファイルが得られていることも確認さ
れる。また、図1と図11の反射プロファイルから明ら
かなように、比較例1、2に較べて実施例1および実施
例8に係る透明導電性基材では可視光線波長域における
反射特性も改善されていることが確認される。 (2)また、表2に示された結果から明らかなように、
比較例1に係る透明2層膜に較べて各実施例に係る透明
2層膜の耐候性も著しく改善されていることが確認され
る。 (3)次に、金単体がコーティングされた貴金属コート
銀微粒子を適用している実施例1〜7に係る透明導電性
基材の可視光線透過率を比較した場合、表1から確認さ
れるようにITOを含ませた実施例5とATOを含ませ
た実施例6の可視光線透過率が他の実施例に較べて高い
値を示している。
【0076】他方、白金単体または金、白金複合体がコ
ーティングされた貴金属コート銀微粒子を適用している
実施例8〜11に係る透明導電性基材の表面抵抗を比較
した場合、表1から確認されるようにITOを含ませた
実施例11の表面抵抗が一番小さな値になっており、か
つ、可視光線透過率についてはそれぞれ略同一の値にな
っている。すなわち、実施例11で、実施例8〜10の
表面抵抗値と略同一となるように透明導電層の厚みをよ
り薄く設定した場合、透明導電層の可視光線透過率を実
施例8〜10より高くできることを示している。
【0077】これ等からITOやATO等の導電性酸化
物微粒子を透明導電層内に含ませた場合、透明導電層に
おける膜透過率の向上を図れることが確認される。 (4)尚、実施例1〜11においては、上記金酸塩と白
金酸塩として金酸カリウムおよび白金酸カリウムを適用
して貴金属コート銀微粒子を調製しているが、これ等金
酸カリウムおよび白金酸カリウムに代えて金酸ナトリウ
ムおよび白金酸ナトリウムを適用した実験も行ってい
る。
【0078】そして、金酸ナトリウムおよび白金酸ナト
リウムを適用して得られた貴金属コート銀微粒子につい
ても実施例1〜11と同様の評価試験を行い、かつ、同
様の評価が得られることを確認している。
【0079】
【発明の効果】請求項1〜6記載の発明に係る透明導電
性基材によれば、透明2層膜の一方を構成する透明導電
層が、表面に金若しくは白金単体または金と白金の複合
体をコーティングした平均粒径1〜100nmの貴金属
コート銀微粒子とバインダーマトリックスとを主成分と
しているため、従来の透明導電性基材に較べ優れた反射
防止効果と透過光線プロファイルを有し、かつ、良好な
耐候性と導電性を有している。
【0080】また、請求項7〜12記載の発明に係る透
明導電性基材の製造方法によれば、溶媒とこの溶媒に分
散された平均粒径1〜100nmの貴金属コート銀微粒
子を主成分とする塗液を透明基板上に塗布し、次いで透
明コート層形成用塗布液を塗布した後、加熱処理してい
るため、請求項1〜6に係る透明導電性基材を低コスト
でかつ簡便に製造できる効果を有している。
【0081】更に、請求項13記載の発明に係る表示装
置によれば、前面板として請求項1〜6のいずれかに記
載の透明導電性基材がその透明2層膜側を外面にして組
込まれているため、表示画面の表面反射が抑制されかつ
高い電界シールド効果を具備している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1〜2に係る透明導電性
基材の反射プロファイルを示すグラフ図。
【図2】実施例1および比較例1に係る透明導電性基材
の透過プロファイルを示すグラフ図。
【図3】実施例1に係る透明導電性基材の反射プロファ
イルを示すグラフ図。
【図4】実施例1に係る透明導電性基材とこの基材の構
成部材であるガラス基板の透過プロファイルを示すグラ
フ図。
【図5】実施例2に係る透明導電性基材の反射プロファ
イルを示すグラフ図。
【図6】実施例2に係る透明導電性基材とこの基材の構
成部材であるガラス基板の透過プロファイルを示すグラ
フ図。
【図7】実施例5に係る透明導電性基材の反射プロファ
イルを示すグラフ図。
【図8】実施例5に係る透明導電性基材とこの基材の構
成部材であるガラス基板の透過プロファイルを示すグラ
フ図。
【図9】実施例6に係る透明導電性基材の反射プロファ
イルを示すグラフ図。
【図10】実施例6に係る透明導電性基材とこの基材の
構成部材であるガラス基板の透過プロファイルを示すグ
ラフ図。
【図11】実施例8および比較例1〜2に係る透明導電
性基材の反射プロファイルを示すグラフ図。
【図12】実施例8および比較例1に係る透明導電性基
材の透過プロファイルを示すグラフ図。
【図13】実施例8に係る透明導電性基材の反射プロフ
ァイルを示すグラフ図。
【図14】実施例8に係る透明導電性基材とこの基材の
構成部材であるガラス基板の透過プロファイルを示すグ
ラフ図。
【図15】実施例9に係る透明導電性基材の反射プロフ
ァイルを示すグラフ図。
【図16】実施例9に係る透明導電性基材とこの基材の
構成部材であるガラス基板の透過プロファイルを示すグ
ラフ図。
【図17】実施例11に係る透明導電性基材の反射プロ
ファイルを示すグラフ図。
【図18】実施例11に係る透明導電性基材とこの基材
の構成部材であるガラス基板の透過プロファイルを示す
グラフ図。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板、および、この透明基板上に順次
    形成された透明導電層と透明コート層とで構成された透
    明2層膜を備える透明導電性基材において、 上記透明導電層が、銀微粒子の表面に金若しくは白金単
    体または金と白金の複合体がコーティングされた平均粒
    径1〜100nmの貴金属コート銀微粒子とバインダー
    マトリックスを主成分としていることを特徴とする透明
    導電性基材。
  2. 【請求項2】上記貴金属コート銀微粒子における金若し
    くは白金単体または金と白金の複合体のコーティング量
    が、銀100重量部に対し5〜100重量部の範囲に設
    定されていることを特徴とする請求項1記載の透明導電
    性基材。
  3. 【請求項3】上記透明導電層内に導電性酸化物微粒子が
    含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の
    透明導電性基材。
  4. 【請求項4】上記導電性酸化物微粒子が、酸化錫、錫ア
    ンチモン酸化物またはインジウム錫酸化物から選択され
    た1種以上の微粒子であることを特徴とする請求項3記
    載の透明導電性基材。
  5. 【請求項5】透明導電層の上記バインダーマトリックス
    および透明コート層が、酸化ケイ素を主成分としている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明
    導電性基材。
  6. 【請求項6】上記透明導電層の表面抵抗が10〜300
    0Ω/□であり、かつ、可視光線波長域(380〜78
    0nm)の5nmおきの各波長における上記透明基板を
    含まない透明2層膜だけの透過率の標準偏差が0〜5%
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の透明導電性基材。
  7. 【請求項7】請求項1記載の透明導電性基材の製造方法
    において、 溶媒とこの溶媒に分散された平均粒径1〜100nmの
    貴金属コート銀微粒子を主成分とする透明導電層形成用
    塗布液を上記透明基板上に塗布し、次いで透明コート層
    形成用塗布液を塗布した後、加熱処理することを特徴と
    する透明導電性基材の製造方法。
  8. 【請求項8】上記貴金属コート銀微粒子における金若し
    くは白金単体または金と白金の複合体のコーティング量
    が、銀100重量部に対し5〜100重量部の範囲に設
    定されていることを特徴とする請求項7記載の透明導電
    性基材の製造方法。
  9. 【請求項9】上記透明導電層形成用塗布液内に、導電性
    酸化物微粒子が含まれていることを特徴とする請求項7
    または8記載の透明導電性基材の製造方法。
  10. 【請求項10】上記導電性酸化物微粒子が、酸化錫、錫
    アンチモン酸化物またはインジウム錫酸化物から選択さ
    れた1種以上の微粒子であることを特徴とする請求項9
    記載の透明導電性基材の製造方法。
  11. 【請求項11】上記透明導電層形成用塗布液内に、透明
    導電層のバインダーマトリックスを構成する無機バイン
    ダーが含まれていることを特徴とする請求項7〜10の
    いずれかに記載の透明導電性基材の製造方法。
  12. 【請求項12】上記透明コート層形成用塗布液が、シリ
    カゾルを主成分としていることを特徴とする請求項7〜
    11のいずれかに記載の透明導電性基材の製造方法。
  13. 【請求項13】装置本体とこの前面側に配置された前面
    板とを備える表示装置において、 上記前面板として、請求項1〜6のいずれかに記載の透
    明導電性基材がその透明2層膜側を外面にして組込まれ
    ていることを特徴とする表示装置。
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