JPH11203669A - 磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスクの製造方法

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JPH11203669A
JPH11203669A JP368598A JP368598A JPH11203669A JP H11203669 A JPH11203669 A JP H11203669A JP 368598 A JP368598 A JP 368598A JP 368598 A JP368598 A JP 368598A JP H11203669 A JPH11203669 A JP H11203669A
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JP
Japan
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magnetic disk
sputtering
target material
carbon
magnetic
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Application number
JP368598A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inoue
博史 井上
Masatoshi Ichikawa
雅敏 市川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンのスパッタリング開始直後から安定
したスパッタリングが可能で、従って、高品質の磁気デ
ィスクを安定して生産性よく製造することのできる磁気
ディスクの製造方法の提供。 【解決手段】 磁気ディスク基板上に、磁性層と、カー
ボンを主成分とする保護層とを形成した磁気ディスクの
製造方法において、真空室内に、カーボンからなるター
ゲット材と、該ターゲット材に対向する位置に配設され
たカーボン膜を形成する磁気ディスク基板と、該磁気デ
ィスク基板の表面近傍空間を囲繞するように配設され、
内面が絶縁体で被覆された防壁とを有するスパッタリン
グ装置を用いて保護層を形成することを特徴とする磁気
ディスクの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング法
によって磁気ディスクを製造する方法に関し、特にスパ
ッタリング開始直後から安定したスパッタリングが可能
で、従って、高品質の磁気ディスクを安定して生産性よ
く製造することのできる磁気ディスクの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、情報記録用の磁気ディスクは、支
持基板上に下地層、磁性層及び保護層を積層することに
よって製造されており、これ等下地層、磁性層及び保護
層は、一般に所定材料をスパッタリング法によって積層
形成している。スパッタリング法は、スパッタリング装
置を用いて行っており、スパッタリング装置1は、図2
に示すように、真空槽2内にターゲット材3と、ターゲ
ット材3に対向する位置に積層されるべき基板4が配設
され、真空槽を高度の真空状態にした後に、アルゴンガ
ス等を導入すると共に高圧電源5によってターゲット材
3と真空槽2間に数百ボルトの高圧電位を印加する。
【0003】ターゲット材3に高圧電位が印加されると
その周囲に低圧気体放電が生じアルゴンガス等がイオン
化され、そのイオンがターゲット材3に衝突することに
よってターゲット材3の原子が飛び出し、この飛散した
原子が基板4表面に積層されるものである。なお、6は
ターゲット3接続部分と真空槽を絶縁するための絶縁材
である。かかるスパッタリング装置1においては、イオ
ン衝撃を制御してターゲット材のみがスパッタリングさ
れるようにスパッタリング材3の表面近傍空間部を囲繞
するように防壁7(以下チムニーと云うことがある)を
配設している。
【0004】ターゲット材3に高純度カーボン材を用い
てカーボン膜を形成する場合、スパッタリング操作を行
うと、基板4の表面とともに、チムニー内面に不可避的
にターゲット材3から飛散したカーボンを主成分とする
膜が形成される。一般に、形成されるカーボン膜は金属
に比べ電気抵抗が著しく高く、スパッタリング時間の経
過とともに形成される膜厚は厚くなり、チムニー表面の
電気的性質が大きく変化する。この変化は低圧気体放電
の特性に影響を与え、基板4表面に形成される膜の特性
にも影響を与える。特に、スパッタリング開始後、数時
間の製品は、基板4に形成されたスパッタリング膜の硬
さやスパッタリングガスの含有量が設計値と異なる量と
なったり、時間的に変動が生じて、磁気ディスクの耐摩
耗性に問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カーボンの
スパッタリング開始直後から安定したスパッタリングが
可能で、従って、高品質の磁気ディスクを安定して生産
性よく製造することのできる磁気デイスクの製造方法を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために鋭意検討した結果、チムニー内面を絶縁
体で被覆することによって上記課題を解決できることを
見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、磁気ディ
スク基板上に、磁性層と、カーボンを主成分とする保護
層とを形成した磁気ディスクの製造方法において、真空
室内に、カーボンからなるターゲット材と、該ターゲッ
ト材に対向する位置に配設されたカーボン膜を形成する
磁気ディスク基板と、該磁気ディスク基板の表面近傍空
間を囲繞するように配設され、内面が絶縁体で被覆され
た防壁とを有するスパッタリング装置を用いて保護層を
形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法を提
供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、磁気ディスク
の構造については特に限定はなく、カーボンをスパッタ
リング法を用いて積層する限りいかなる構造であっても
よいが、一般的には基板の上に、下地層、磁性層及びカ
ーボンよりなる保護層が形成される。磁気記録媒体の基
板としては、一般に、アルミニウム合金からなるディス
ク状基板が用いられ、通常、該アルミニウム合金基板を
所定の厚さに加工した後、その表面を鏡面加工してから
非磁性金属、例えばNi−P合金、またはNi−Cu−
P合金等の下地層を無電解メッキ処理等により約5〜2
0μmの膜厚に形成する。次いで、上記基板の下地層上
にテキスチャ加工処理を施し、該基板表面に微細な溝又
は凹凸を形成する。このテキスチャ加工により磁気ヘッ
ドと基板とのくっつきが防止でき、且つCSS特性が改
善され、更に磁気異方性が良好となる。
【0008】このような処理を施した基板上に、下地層
(第2次下地層)及び磁性層を順次スパッタリング法に
より形成し、更に保護層を形成する。下地層としては、
一般にCr下地層が形成され、その膜厚は通常50〜2
000オングストロームの範囲である。従って、下地層
形成用ターゲットとしては、通常Crターゲットが用い
られる。磁性層としては、Co−Cr、Co−Ni、C
o−Cr−X、Co−Ni−X、Co−W−X(ここで
XとしてはLi、Si、Ca、Ti、V、Cr、Ni、
As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Ag、S
b、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm及びEuよりなる
群から選ばれる1種又は2種以上の元素が挙げられ
る。)等で表わされるCo系合金の磁性金属薄膜層が好
適であり、その膜厚は通常100〜500オングストロ
ームの範囲である。従って、磁性層形成用ターゲットと
しては通常Co系合金ターゲットが用いられる。
【0009】下地層および磁性層を形成した後は、保護
層として炭素質膜が形成される。炭素質膜は、一般に、
Ar、He等の希ガス雰囲気中でダイヤモンド状、グラ
ファイト状又はアモルファス状のカーボンをターゲット
とするスパッタリング法により磁性層上に被着形成され
る。また、スパッタリング雰囲気中に水素、窒素、空気
等を混入することにより水素化カーボン膜、窒素化カー
ボン膜を形成しても良い。このようにして形成される保
護層の膜厚は、通常50〜500オングストロームの範
囲とされる。保護層形成後は、常法に従ってテープクリ
ーニングを行い、このテープクリーニング工程終了後
は、通常の場合、保護層の表面に潤滑剤層を設けて製品
とされる。この場合、潤滑剤としては、例えば、フッ素
系液体潤滑剤が使用され、潤滑剤層は、通常、ディップ
コート法、スピンコート法、スプレーコート法等により
保護層上に約15〜50オングストロームの厚さに形成
される。
【0010】本発明においては、保護層の形成を特定の
装置を用いて行なうところに特徴を有する。本発明を実
施する場合、図1に示すスパッタリング装置1を用いて
行なうことができる。図1のスパッタリング装置1は、
内部を高度の真空に保持できる真空槽2を有し、真空槽
2内には、ターゲット材3と所定の膜の形成を行なう磁
気記録ディスク用基板4が対向するように配設される。
【0011】真空槽2は、アルミニウム合金、ステンレ
ススチール等の金属で構成される。ターゲット材3は、
鋼、ステンレススチール等のバックプレート8で保持さ
れ、バックプレート8は、電気絶縁体6を介して真空槽
2に連結されて真空槽内の気密が保持されるように形成
されている。図1のスパッタリング装置1は、バックプ
レートの背面にマグネトロン9を装備してマグネトロン
カソードが形成されており、マグネトロン9は内側磁極
9aと、その周囲を間隙をおいて取り囲む環状の外側磁
極9bとからなり、これ等の両磁極9a、9bによって
生じる磁場によって、電子の捕捉効果が向上して、アル
ゴン等のスパッタリングガスのイオン化が促進される。
【0012】このため、内側磁極9aから外側磁極9b
の両極上に位置するように配置されたターゲット材3の
スパッタリング効率が高められる。このように、マグネ
トロンスパッタリング装置1は、スパッタリング効率が
高いことから、磁気ディスクの製造に好適に使用され
る。なお、9cは内側磁極9aと外側磁極9bの底部を
結合する磁気ヨークであり、通常、軟鋼などの軟磁性体
で構成される。また、ターゲット材3の前面近傍空間部
を囲繞するように防壁(チムニー)7が配設される。チ
ムニー7はアルミニウム合金、銅、ステンレススチール
等の金属で形成され、真空槽2に連結される。
【0013】本発明に用いられるチムニー7は、少なく
ともその内面が絶縁体10で被覆されるところに特徴を
有する。絶縁体10としては、ガラス質ないしはセラミ
ック等の耐熱材料で、1μm以上、好ましくは5〜10
0μmの厚みに被覆される。図1に示すスパッタリング
装置1を用いて磁気ディスクに保護層を形成するとき
は、磁性層が形成された基板4とカーボンからなるター
ゲット材3を所定の位置に設置する。
【0014】基板4は、真空槽2に電気的に連結して接
地してもよく、また、絶縁してフロート状態にしてもよ
い。また、必要に応じて真空槽2に対して負のバイアス
電位を印加することもできる。次いで真空槽2内を高度
の真空にすると共にアルゴン、ヘリウム等のスパッタリ
ングガスを導入し、マグネトロンとして電磁石を用いた
ときは、これに通電して磁場を発生させる。この状態で
バックプレート8と真空槽2に高電位発生装置5を用い
て、ターゲット材3と真空槽2間に高電位を印加する
と、ターゲット材3から電子が飛び出してアルゴン原子
に衝突してアルゴンイオンを生成せしめ、このアルゴン
イオンによってターゲット材3からカーボン原子が飛び
出して基板4にカーボン保護層が形成される。
【0015】本発明においては、カーボン保護層を特定
のスパッタリング装置1を用いて形成することを特徴と
するが、一般には、下地層、磁性層および保護層を1つ
のスパッタリング装置を用いて連続してスパッタリング
を行なうのが一般的であり、本発明においても好ましい
方法である。絶縁体10を有しないチムニー7を用いて
カーボンスパッタリングを行うと、スパッタリング開始
後数時間の製品は、基板4に形成されたスパッタリング
膜の硬さやスパッタリングガスの含有量が設計値と異な
る量となったり、時間的に変動が生じて、磁気ディスク
の耐摩耗性に問題が生じる。
【0016】これはスパッタリング時間の経過とともに
チムニー7内面に形成される膜厚が厚くなり、チムニー
7表面の電気的性質が大きく変化し、さらに低圧気体放
電の特性に影響を与え、基板4表面に形成される膜の特
性に影響を与えるものと推定される。しかるに、チムニ
ー7内面を絶縁体10であらかじめ被覆した場合、スパ
ッタリング開始当初から、チムニー7表面の電気的性質
の変化が小さく、安定したスパッタリングを行うことが
できる。その結果、高品質の磁気ディスクを安定して生
産性よく製造することができる。
【0017】図3に実施例と比較例を示す。横軸はスパ
ッタリング時間、縦軸は形成されたカーボン膜の酸化温
度である。ここで定義される酸化温度とは、大気中で1
0分間その温度で放置した場合に100オングストロー
ム膜厚が減少する温度である。一般的に酸化温度が高い
ほど固い膜であることが知られている。アルミニウム合
金製チムニー7をそのまま使用した比較例では、スパッ
タリング開始より数時間は、順次カーボン膜の酸化温度
が低下し、膜の硬さが低下している。一方、アルミニウ
ム合金製チムニー7の表面を約20μmの膜厚のSiO
2 セラミクス材料でコーティングした実施例では、スパ
ッタリング開始直後より酸化温度は安定しており、安定
した膜質のカーボン膜が得られることがわかる。
【0018】図4では、横軸はスパッタリング時間、縦
軸はバーニッシュヘッドでの耐摺動時間である。ここで
定義される耐摺動時間とは、ディスク表面の平滑化処理
に用いるワッフル型バーニッシュヘッドでディスク表面
を連続摺動処理した場合に、ディスク表面に摺動傷が発
生するまでの時間である。耐摺動時間が長いほど磁気デ
ィスクの耐摩耗性が良好であるとされる。アルミニウム
合金製チムニー7をそのまま使用した比較例では、スパ
ッタリング開始より数時間は、耐摺動時間が急速に向上
し、その後600秒を越え安定化する。一方、アルミニ
ウム合金製チムヌー7の表面を約20μmの膜厚のSi
2 セラミクス材料でコーティングした実施例では、ス
パッタリング開始直後より耐摺動時間は600秒を越え
て安定しており、耐摩耗特性が優れた製品が安定して得
られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の一例を示す縦断面図
【図2】従来のスパッタリング装置を示す縦断面図
【図3】カーボン膜のスパッタリング時間とカーボン膜
の酸化温度の関係を示すグラフ
【図4】カーボン膜のスパッタリング時間とバーニッシ
ュヘッドでの耐摺動時間の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1.スパッタリング装置 2.真空槽 3.ターゲット材 4.基板 5.高電圧発生装置 6.絶縁材 7.防壁(チムニー) 8.バックプレート 9.マグネトロン 10.絶縁体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスク基板上に、磁性層と、カー
    ボンを主成分とする保護層とを形成した磁気ディスクの
    製造方法において、真空室内に、カーボンからなるター
    ゲット材と、該ターゲット材に対向する位置に配設され
    たカーボン膜を形成する磁気ディスク基板と、該磁気デ
    ィスク基板の表面近傍空間を囲繞するように配設され、
    内面が絶縁体で被覆された防壁とを有するスパッタリン
    グ装置を用いて保護層を形成することを特徴とする磁気
    ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 スパッタリング装置が、ターゲット材の
    裏面にマグネトロンを設けたマグネトロンスパッタリン
    グ装置である請求項1記載の磁気ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 防壁内面の絶縁体が、ガラスないしセラ
    ミックスである請求項1または2記載の磁気ディスクの
    製造方法。
JP368598A 1998-01-12 1998-01-12 磁気ディスクの製造方法 Pending JPH11203669A (ja)

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