JPH11202332A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JPH11202332A
JPH11202332A JP10191877A JP19187798A JPH11202332A JP H11202332 A JPH11202332 A JP H11202332A JP 10191877 A JP10191877 A JP 10191877A JP 19187798 A JP19187798 A JP 19187798A JP H11202332 A JPH11202332 A JP H11202332A
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JP
Japan
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layer
liquid crystal
display device
light emitting
layers
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Application number
JP10191877A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Ueha
良信 上羽
Taku Kamimura
卓 上村
Hiroyoshi Ikeda
博榮 池田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体の構造が簡単で製造が容易、しかもより
一層の大面積化、薄肉化が可能である上、可とう性を付
与することも可能な、新規な構造の、複合型の表示装置
を提供する。 【解決手段】 液晶材料と高分子とを含み、電界の印加
状態に応じて光透過および光散乱の2状態間を変化する
固体状の液晶層20を有する液晶表示部2と、単層また
は複層の有機のエレクトロルミネッセンス層30を有す
る面状発光部3とを、面状発光部3からの発光が液晶表
示部2を通して装置外に導出されるように配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な面状の表示
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばパーソナルコンピュータ、各種
情報端末機器類、車載ナビゲーションシステム、テレビ
などのディスプレイや、あるいはスチールカメラ、ビデ
オカメラ、電卓、時計、各種家庭電化製品の操作表示部
などに、液晶表示素子が広く使用されている。
【0003】かかる液晶表示素子は通常、スメクティッ
ク相、ネマティック相、コレステリック相などの各相を
示す低分子の液晶材料や、あるいは強誘電性を示す低分
子の液晶材料などを、数μmの間隔に固定した一対の基
材間に注入、充てんすることにより構成される。また、
液晶表示素子自体は発光しないため、その背後に、素子
前方からの光を反射する反射板を設けたり、あるいはバ
ックライトと呼ばれる光源を配置したりする必要があ
り、とくに前記ディスプレイなどにおいては、その全面
にわたって均一でかつ鮮やかな表示が要求されるため
に、種々の構造のバックライトが検討されている。
【0004】近時、その中でもとくに、有機化合物を主
体とする単層または複層の有機のエレクトロルミネッセ
ンス層を、一対の電極層で挟んだ構造を有する有機のエ
レクトロルミネッセンス素子が、液晶表示素子のバック
ライトとして有望視されており、かかる有機エレクトロ
ルミネッセンス素子を液晶表示素子と組み合わせた複合
型の表示装置が種々提案されている(たとえば特開平8
−211832号公報、特開平9−50031号公報、
特開平9−63765号公報など)。
【0005】上記の有機エレクトロルミネッセンス素子
は、 面状に発光するため著しく薄型化でき、 バッテリーなどによる低電圧、直流での駆動が可能
であるため装置全体の小型化、およびポータブル化が容
易で、 蒸着法だけでなく溶液塗布法によってもエレクトロ
ルミネッセンス層などを形成できるので製造が容易であ
る上、大面積化も可能で、 有機分子の分子設計により多色化や白色発光が可能
で、しかも 材料の選択によって可とう性を付与することも可能
である、といった種々の利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の各先
行技術において使用している液晶表示素子はいずれも、
先に述べた従来の構造を有するものであるため、バック
ライトとしての有機のエレクトロルミネッセンス素子
の、上述したような種々の利点を十分に生かしきれてい
ないのが現状である。
【0007】たとえば従来の液晶表示素子の構造では、
基材間に注入された液晶材料は液状であって、それ自体
に基材間の間隔を維持する機能はないため、基材間の間
隔を一定に維持して、基材同士の接近あるいは接触によ
る表示の不良や短絡を防止するには、ガラス板や厚肉の
プラスチック板などの、剛直でたわみの少ない基材を使
用しなければならない。このため液晶表示素子、ひいて
は表示装置に可とう性を付与することが困難である。
【0008】また、上記のようにたとえたわみの少ない
基材を使用したとしても、素子が大面積化するほど、僅
かなたわみでも基材間の間隔の狂いが大きくなるため、
表示装置の大面積化も容易でない。さらに上記構造の液
晶表示素子の厚みは、有機のエレクトロルミネッセンス
素子に比べてかなり厚肉であって、しかもこれ以上の薄
肉化が困難であるため、装置全体の薄肉化にも限界があ
る。
【0009】しかも上記の液晶表示素子の製造には、ま
ず一対の基材を、スペーサを介装して一定間隔に保持
し、かつ一部を除いてその周囲をシール材でシールし、
ついで両基材間に空気が残らないように液晶材料を注
入、充てんしたのち、残りの部分をシールするといった
多くの工程を要し、たとえば前述した有機のエレクトロ
ルミネッセンス素子の、溶液塗布法によるエレクトロル
ミネッセンス層の形成工程などと比べて工程が複雑で、
連続的な製造が困難であるため、装置全体としての生産
性が低いという問題もある。
【0010】またその他にも、たとえば液晶材料を封入
した一対の基材には、素子の動作原理上、一対の偏光板
を、その偏光軸を互いに直交させた状態で取り付ける必
要があるため、画面の明るさや視野角などが不十分にな
るという問題や、偏光板は吸光発熱が大きいため高温環
境下で表示装置を使用できない、光のロスが50%以上
あるため装置の光利用効率をあげるのが容易でない、と
いった問題もある。
【0011】さらに従来の液晶表示素子は、強誘電性液
晶を用いる場合を除き、配向状態にメモリー性がないた
め、大画素数のディスプレイ用には、設備費が高くつく
上、製造の歩留りが悪いTFTなどを用いたアクテイブ
マトリクス駆動が必要となり、故障が発生しやすく信頼
性が低い、液晶表示素子、ひいては表示装置が高価にな
る、などの問題も生じる。
【0012】強誘電性液晶を使用すればアクテイブマト
リクス駆動は不要となるが、基材間を、1〜2μmとい
うさらに薄い間隔で厳密に制御し、しかも液晶材料の配
向を均一に制御する必要があるため実用化には程遠く、
小面積ですら満足な表示が得られていない。本発明の目
的は、全体の構造が簡単で製造が容易、しかもより一層
の大面積化、薄肉化が可能である上、可とう性を付与す
ることも可能な、新規な構造の、複合型の表示装置を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の表示装置は、(i) 液晶材料と高分子とを含
み、電界の印加状態に応じて光透過および光散乱の2状
態間を変化する固体状の液晶層を、一対の電極層で挟ん
だ液晶表示部と、(ii)単層または複層の有機のエレクト
ロルミネッセンス層を一対の電極層で挟んだ面状発光部
とを備え、上記両部を、面状発光部からの発光が液晶表
示部を通して装置外に導出されるように配置したことを
特徴とするものである。
【0014】上記本発明によれば、液晶表示部、面状発
光部を構成する各層がいずれも固体状であって自己保形
成を有しており、しかも液晶層やエレクトロルミネッセ
ンス層は溶液塗布法などによって形成できるため、上記
の液晶層が、前述したように信頼性が低くかつ高価なT
FTなどを必要としない単純マトリクス駆動が可能なこ
とと相まって、全体の構造が簡単で製造が容易、しかも
より一層の大面積化、薄肉化が可能である上、装置に可
とう性を付与することも可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の表示装置を、その
実施の形態の一例を示す図面を参照しつつ説明する。ま
ず図1の例の表示装置について説明する。図の例の表示
装置は、一対の保護層11、12間に、電極層e1、液
晶層20、電極層e2、エレクトロルミネッセンス層3
0および電極層e3をこの順に積層したものである。ま
た、上記のうちエレクトロルミネッセンス層30は単層
構造、あるいは図中一点鎖線の円内に拡大して示したよ
うに、ホール注入輸送層30a、発光層30bおよび電
子注入輸送層30cの3層構造などの複層構造に形成さ
れる。
【0016】そして、上記各層のうち液晶層20と、こ
の液晶層20を挟む電極層e1、e2とによって液晶表
示部2が構成されているとともに、エレクトロルミネッ
センス層30と、このエレクトロルミネッセンス層30
を挟む電極層e2、e3とによって面状発光部3が構成
されている。また、上記各層のうち電極層e1、e2は
それぞれ透明導電膜にて形成されているとともに、下側
の保護層11は透明材料にて形成されており、面状発光
部3からの発光が、液晶表示部2および保護層11を通
して装置外に導出されることで、当該液晶表示部2に形
成された表示が、保護層11を通して外部から視認でき
るように構成されている。
【0017】つまりこの例の表示装置は、液晶表示部2
と面状発光部3とを、透明導電膜にて形成された1層の
電極層e2を共有させることによって一体的に積層形成
したものであり、かかる構成によれば、装置の全体とし
ての層数が少なくて済む分、さらに全体の構造を簡略化
できて製造が容易となり、しかもより一層の薄肉化も可
能となる。
【0018】上記各部からなる、図1の例の表示装置を
製造するには、たとえば片面に電極層e1となる透明導
電膜が形成された保護層11(基材)の、上記透明導電
膜の上に、液晶層20、電極層e2となる透明導電膜、
エレクトロルミネッセンス層30、電極層e3、および
保護層12をこの順に積層、形成すればよい。また逆
に、片面に電極層e3が形成された保護層12(基材)
の、上記電極層e3の上に、エレクトロルミネッセンス
層30、電極層e2となる透明導電膜、液晶層20、電
極層e1となる透明導電膜、および保護層11をこの順
に積層、形成してもよい。
【0019】さらには、両保護層11、12(基材)上
に、それぞれ必要な各層を形成したものを、ラミネート
などによって組み立ててもよい。いずれにしろ、前述し
た従来の液晶表示素子の製造工程のような複雑な工程が
含まれず、各層は、溶液塗布法などの、簡単でかつ類似
した工程の繰り返しにより形成されるので、表示装置の
連続的な製造が可能となる。
【0020】つぎに、図2の例の表示装置について説明
する。図の例の表示装置は、一対の保護層11、12間
に、電極層e1、液晶層20、電極層e2、中間絶縁層
13、電極層e4、エレクトロルミネッセンス層30お
よび電極層e3をこの順に積層したものである。上記の
うちエレクトロルミネッセンス層30は、先の図1の例
の場合と同様に、単層または複層構造に形成される。
【0021】そして、上記各層のうち液晶層20と、こ
の液晶層20を挟む電極層e1、e2とによって液晶表
示部2が構成されているとともに、エレクトロルミネッ
センス層30と、このエレクトロルミネッセンス層30
を挟む電極層e3、e4とによって面状発光部3が構成
されている。また、上記各層のうち電極層e1、e2、
e4はそれぞれ透明導電膜にて形成されているととも
に、下側の保護層11と中間絶縁層13とはそれぞれ透
明材料にて形成されており、面状発光部3からの発光
が、中間絶縁層13、液晶表示部2および保護層11を
通して装置外に導出されることで、当該液晶表示部2に
形成された表示が、保護層11を通して外部から視認で
きるように構成されている。
【0022】つまりこの例の表示装置は、液晶表示部2
の一方の電極層e2と、面状発光部3の一方の電極層e
4とを、1層の透明な中間絶縁層13を介して積層、配
置した2層の透明導電膜とすることにより、上記両部を
一体的に積層形成したものであり、やはりこの場合に
も、図1の例ほどではないが、装置の全体としての層数
が少なくて済む分、さらに全体の構造を簡略化できて製
造が容易となり、しかもより一層の薄肉化も可能とな
る。また上記の場合には、液晶表示部2と面状発光部3
とが電気的に完全に絶縁されるので、両部の制御が容易
になるという利点もある。
【0023】上記各部からなる、図2の例の表示装置を
製造するには、たとえば片面に電極層e1となる透明導
電膜が形成された保護層11(基材)の、上記透明導電
膜の上に、上記の各層を順次、積層するか、逆に片面に
電極層e3が形成された保護層12(基材)の、上記電
極層e3の上に各層を順次、積層するか、あるいは両面
に電極層e2、e4となる透明導電膜が形成された中間
絶縁層13(基材)の、両透明導電膜の上に、上記の各
層を順次、積層すればよい。また、両保護層11、12
および中間絶縁層13となる2層または3層の基材上に
必要な各層を形成したものを、ラミネートなどによって
組み立ててもよい。
【0024】このいずれの工程を採用した場合にもやは
り、各層は、溶液塗布法などの、簡単でかつ類似した工
程の繰り返しにより形成されるので、表示装置の連続的
な製造が可能である。なお本発明の表示装置は、その層
数が多くなるものの、たとえば図3に示すように、一対
の保護層11、14間に、電極層e1、液晶層20およ
び電極層e2をこの順に積層した液晶表示部2を有する
ユニットと、一対の保護層15、12間に、電極層e
4、エレクトロルミネッセンス層30および電極層e3
をこの順に積層した面状発光部3を有するユニットとを
積層して形成してもよい。上記のうちエレクトロルミネ
ッセンス層30は、やはり先の図1の例の場合と同様
に、単層または複層構造に形成される。
【0025】また、上記各層のうち電極層e1、e2、
e4はそれぞれ透明導電膜にて形成されているととも
に、下側の保護層11と中間の2層の保護層14、15
はそれぞれ透明材料にて形成されており、面状発光部3
からの発光が、保護層14、15、液晶表示部2および
保護層11を通して装置外に導出されることで、当該液
晶表示部2に形成された表示が、保護層11を通して外
部から視認できるように構成されている。
【0026】かかる構造の表示装置も、先の2つの例と
同様に、各層は、溶液塗布法などの、簡単でかつ類似し
た工程の繰り返しにより形成されるので、表示装置の連
続的な製造が可能である。また上記構造の表示装置は、
先の図2のものと同様に、液晶表示部2と面状発光部3
とが電気的に完全に絶縁されるので、両部の制御が容易
になるという利点もある。
【0027】上記各部のうち電極層e1、e2およびe
4としては、前述したように、ITO(インジウムチン
オキサイド)やIXO(In23(ZnO)m 六方晶層
状化合物)などの透明導電材料からなる透明導電膜が採
用される。また、上記のように電極層e2を透明導電膜
にて形成した場合、当該電極層e2は、エレクトロルミ
ネッセンス層30に対する電子およびホールの注入効率
に係わる仕事関数などを考慮すると、面状発光部3の陽
極として使用するのが好ましいので、それと対になる、
面状発光部3の陰極としての電極層e3は、やはり仕事
関数などを考慮して、Mg/Ag、Al/Liなどの、
アルカリ金属、アルカリ土類金属を含む合金にて形成す
るのが好ましい。かかる、合金にて形成された電極層e
3は、たとえばエレクトロルミネッセンス層30として
透明な材質のものを使用することにより、当該エレクト
ロルミネッセンス層30の非発光時に装置前方からの光
を反射して、液晶表示部2の表示を見やすくする反射板
としても機能する。
【0028】また上記の電極層e3を、たとえば上記合
金製の、厚み1000Å以下、より好ましくは500Å
以下の層(電子注入電極)と、その上に積層された透明
導電材料の層の2層構造などとすると、当該電極層e3
も透明となるため、保護層12やエレクトロルミネッセ
ンス層30としても透明な材質のものを使用することに
より、液晶表示部2の液晶層20が透明で、かつ面状発
光部3のエレクトロルミネッセンス層30が非発光の時
に、その全体が透明な表示装置がえられる。
【0029】なお、上記各電極層e1〜e4のうち液晶
層20を挟む電極層e1、e2は、その少なくとも一方
を、液晶層20にドットマトリクス表示やセグメント表
示をさせるために、表示の方式に応じて分割形成するこ
とができる。また、エレクトロルミネッセンス層30を
挟む他の電極層についても、液晶層20の表示に応じ
て、当該エレクトロルミネッセンス層30を部分的に発
光させるべく、分割形成してもよい。
【0030】液晶層20としては、前述したように液晶
材料と高分子とを含み、電界の印加状態に応じて光透過
および光散乱の2状態間を変化する固体状の層がいずれ
も使用可能である。かかる液晶層20としては、たとえ
ば(a) 液晶性を有しない高分子からなるマトリクスの連
続した孔内に液晶材料を充てんした相分離構造を有する
複合膜、(b) 液晶性を有しない高分子からなるマトリク
ス中に液晶材料を粒状に分散させた相分離構造を有する
複合膜、または(c) 側鎖液晶性高分子と液晶材料と、微
量の電解質とを含む混合膜などがあげられる。
【0031】上記(a) 〜(c) の構造を有する複合膜、混
合膜はいずれも、上記のように高分子を含む固形状に形
成され、自己保形性を有するので、基材間の間隔の制御
などを必要としない上、後述する動作機構から明らかな
ように液晶の均一な配向制御や偏光板などが不要であっ
て構造が簡単で、かつ溶液塗布法などで形成できるので
大面積化が容易であり、しかも高分子などの材料を選択
することにより、層に可とう性を付与することも可能で
ある。
【0032】上記のうち(a)(b)の複合膜に使用される液
晶材料としては、装置の使用温度でネマチック相、スメ
クチック相またはカイラルネマチック相を示す、正の誘
電率異方性を有する種々の液晶材料の1種または2種以
上が、いずれも使用可能である。中でもとくに、一般式
(1) または(2) :
【0033】
【化1】 R1−Φ1−Φ2−Φ3−R2 (1) R1−Φ4−Φ5−Φ6−Φ7−R2 (2) 〔式中、Φ1 、Φ2 、Φ3 、Φ4 、Φ5 、Φ6 およびΦ
7 は同一または異なって、それぞれ置換基を有してもよ
いベンゼン環またはシクロヘキサン環を示し、R 1 はア
ルキル基またはアルコキシ基を示し、R2 はアルキル
基、アルコキシ基、シアノ基またはハロゲン原子を示
す。〕で表される化合物などの、3〜4個のベンゼン環
またはシクロヘキサン環を有する多環式の液晶材料を、
全液晶材料中に70〜100重量%の割合で含有するも
のが、実用的な応答速度を維持しつつ、高温条件下での
高分子への溶け込みを防いで、耐熱性にすぐれ、とくに
高温域で使用した際に十分なコントラストを維持しうる
複合膜を形成できるため、好適に使用される。
【0034】上記の多環式の液晶材料と併用される他の
液晶材料としては、2個のベンゼン環またはシクロヘキ
サン環を有し、素子の使用温度で多環式の液晶材料と同
じ液晶相を示す、正の誘電率異方性を有する種々の液晶
材料があげられる。
【0035】またかかる液晶材料には、表示をカラー化
するために、従来公知の各種2色性色素を配合すること
もできる。かかる2色性色素の具体例としては、たとえ
ばアゾ系化合物やアントラキノン系化合物などがあげら
れる。2色性色素は、液晶材料に対して0.01〜1重
量%程度の割合で添加される。(a)(b)の複合膜において
マトリクスを構成する、液晶性を有しない高分子として
は、可視光に対する透明性の高いものが好ましく、たと
えば(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキ
シ系樹脂、ウレタン系樹脂などが好適に使用される。
【0036】高分子は、前述した液晶材料の溶け込みを
防止するために、Tgが高いことが好ましく、そのため
に架橋されているのが望ましい。また、上記のように高
分子を架橋させて高Tgとなったマトリクスを用いた複
合膜は、前記(a) または(b) の相分離構造がより一層明
確化するとともに、高温条件下での複合膜の強度低下を
効果的に防止できるという利点もある。
【0037】エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂はとも
に、分子中に官能基を有する硬化性樹脂であって、通常
は液状を呈し、複合膜の形成時に、空気中の酸素、湿
気、加熱あるいは硬化剤や触媒の添加などによって架橋
されて、硬化される。一方、(メタ)アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂は熱可塑性樹脂であって、通常は架橋構
造をとらないが、分子中に官能基(たとえばOH基)を
導入しておき、複合膜の形成時に、この官能基と反応す
る複数の官能基(たとえばイソシアネート基)を有する
架橋剤を添加すれば、架橋させることができる。架橋剤
は、高分子中の官能基当量の20〜100%の官能基当
量となるように、添加量を調整するのが好ましい。
【0038】かかる、官能基の導入によって架橋可能と
された熱可塑性樹脂の好適な例としては、一般式(3) :
【0039】
【化2】
【0040】〔式中、R3 、R5 は同一または異なって
炭素数1〜10のアルキル基、R4 は炭素数4〜15の
アルキル基、炭素数4〜15のアルケニル基、または式
(3-1):
【0041】
【化3】
【0042】(式中、R6 は炭素数1〜10のアルキル
基、dは4〜15の数を示す。)で表される基を示し、
aは1〜20の数を示す。b、cはともに0でない数を
示す。〕で表されるアクリル系の樹脂があげられる。上
記のアクリル系樹脂は、α位に置換したアルキル基(R
3 、R5 )の立体障害により、複合膜の抵抗率を低下さ
せる原因となる不純物イオンの伝導が抑制されて、高い
抵抗率を示すため、式中に導入した極性基としてのOH
基の作用によって樹脂自体が高誘電率を有することと相
まって、複合膜のマトリクスとして適した高誘電率、高
抵抗率を示すことができるという利点がある。
【0043】なお、上記のようにα位に置換したアルキ
ル基は、セグメントの安定バランスを保ち、分子鎖の運
動を邪魔するので、ポリマー主鎖の回転が抑制されて、
高分子の柔軟性が低下するおそれがあるが、上記の樹脂
においては、R4 の置換基として、炭素数が4以上とい
う比較的に大きな基を用いることで、ガラス転移温度低
下の効果が有効に作用するため、α位が水素原子である
アクリル酸エステル共重合体と同程度の柔軟性を確保す
ることができる。
【0044】(a)(b)の複合膜の膜厚はいずれも、十分な
光散乱を得るために、可視光の波長以上である必要があ
る。ただし、あまりに厚みが大なるときは、駆動電圧が
高くなりすぎるという問題があるため、実際上は10〜
30μm程度、とくに15〜25μm程度が適当であ
る。複合膜を構成する、液晶性を有しない高分子と、液
晶材料との混合比率はとくに限定されないが、重量比で
高分子/液晶材料=3/97〜80/20程度であるの
が好ましい。上記3/97よりも高分子の比率が小さい
場合には、十分な自己保形性を有する複合膜を形成でき
ないおそれがある他、光散乱状態における白濁度が低下
してコントラストが不十分になるおそれもある。また、
80/20よりも液晶材料の比率が小さい場合には、や
はり光散乱状態における白濁度が低下してコントラスト
が不十分になるおそれがある。なお両者の混合比率は、
上記範囲内でもとくに5/95〜50/50であるのが
好ましく、20/80〜40/60であるのがさらに好
ましい。
【0045】(a)(b)の複合膜は、たとえば次に示す3つ
の方法で形成される。 i)前記(メタ)アクリル系樹脂やスチレン系樹脂などの
熱可塑性樹脂を使用する場合には、当該樹脂と液晶材料
とを適当な溶媒に溶解または分散させた塗布液を、一方
の導電保護層Dの表面に塗布し、溶媒を蒸発させて、高
分子と液晶材料とを相分離させる(いわゆる溶媒蒸発
法)。そうすると、前記(a) の相分離構造を有する複合
膜が得られる。またこの際、上記樹脂として官能基を有
するものを使用するとともに、塗布液に架橋剤を添加し
ておくと、マトリクスを構成する高分子が架橋される。
【0046】ii) エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂など
の熱硬化性樹脂を使用する場合には、硬化前の液状の樹
脂と液晶材料と、さらに必要に応じて硬化剤または触媒
とを、適当な溶媒に溶解または分散させた溶液を、2枚
の導電保護層D間に注入し、さらに必要に応じて加熱す
る。そうすると、高分子中に液晶材料が粒状に分散され
た、前記(b) の相分離構造を有する複合膜が形成され
る。
【0047】iii)重合相分離法においては、(メタ)ア
クリル系樹脂やスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂の前
駆体(プレポリマー)であるモノマーやオリゴマーと、
液晶材料、重合開始剤および、さらに必要に応じて架橋
剤とを混合した溶液を、2枚の導電保護層D間に注入
し、紫外線もしくは熱により重合および架橋反応させる
と、高分子と液晶材料が相分離することにより、前記
(a) の相分離構造を有する複合膜が形成される。
【0048】上記(a) または(b) の複合膜は、無電圧時
には、液晶分子が、当該液晶分子とマトリクスとの界面
の形状的な規制(界面作用)を受けてランダムな状態に
あるため、入射光が液晶材料内で散乱される。また、液
晶材料の見かけの屈折率と、高分子マトリクスの屈折率
との差が大きくなって、入射光が両者の界面で散乱され
る。その結果、複合膜は不透明な状態となる。
【0049】一方、複合膜に電圧を印加すると、その印
加電圧の強さに応じて、正の誘電率異方性をもつ液晶材
料が電場方向に配向して、配列の乱れが解消されるとと
もに、液晶材料の見かけの屈折率と、高分子マトリクス
の屈折率との差が小さくなって、光の透過率が上昇し、
最終的には透明な状態に至るという電気光学効果を示
す。
【0050】かかる電気光学効果による光の透過率の変
化は、印加電圧に応じたアナログ動作であり、従来の液
晶表示素子のようなデジタル動作による、およそ8段階
程度の階調表現と違って、無段階の階調表現が可能であ
る。つぎに、前記(c) の混合膜に使用される液晶材料と
しては、(a)(b)の複合膜の場合と同様の種々の液晶材料
が、いずれも使用可能である。
【0051】液晶材料の物性としては、誘電率異方性Δ
εが大きいもの、屈折率異方性Δnが大きいものが好ま
しい。またとくに重要な要素として、側鎖液晶性高分子
と混合した際に、表示装置の使用温度領域でスメクチッ
ク相を示すことがあげられる。これにより混合膜は、後
述するようにメモリー性を有するものとなる。かかる液
晶材料は、1種類を単独で使用しても、2種以上を併用
してもよい。
【0052】また側鎖液晶性高分子としては、たとえば
(メタ)アクリル酸のエステル部分に側鎖液晶基を結合
した単量体をラジカル重合させたものや、ポリシロキサ
ン系の高分子主鎖に、ヒドロシリル化反応によって側鎖
液晶基を付加反応させたもの、あるいはトリメチレンオ
キシド(オキセタン)の開環重合物であるポリオキセタ
ン主鎖に側鎖液晶基を結合したものなどがあげられる。
【0053】また、上記の各主鎖に結合される側鎖液晶
基としては、前述した液晶材料のコア部の化学構造に相
当する基(メソゲン基)と、このメソゲン基を主鎖と繋
ぐ柔軟な屈曲鎖(スペーサ部)とを備えた、種々の側鎖
液晶基がいずれも使用可能である。かかる側鎖液晶性高
分子の好適な例としては、一般式(4) :
【0054】
【化4】
【0055】〔式中Xは電子吸引性基またはアルコキシ
基、R7 はアルキル基を示し、eは1〜12の数を示
す。〕で表される繰り返し単位を有する、ポリオキセタ
ン系の側鎖液晶性高分子があげられる。上記の分子構造
を有する側鎖液晶性高分子は、剛直でかつ分子内回転し
にくいポリオキセタン主鎖に、スペーサ部としてのアル
キレン基を介して、比較的大きなメソゲン基を結合させ
た構造を有するので、高分子鎖の運動が弱まり、混合膜
の相転移温度が高くなって、とくに高温での動作範囲が
拡大する。このため、低温から高温までの広い温度範囲
での動作が可能となる。また、上記のように剛直な主鎖
を有するので自己保形性にすぐれる上、1つずつの繰り
返し単位のそれぞれに、上記のように側鎖液晶基が結合
しているので、高速応答性にもすぐれている。
【0056】(c) の混合膜における、側鎖液晶性高分子
と低分子の液晶材料との混合比率はとくに限定されない
が、重量比で、側鎖液晶性高分子/液晶材料=40/6
0〜60/40程度であるのが好ましい。上記40/6
0よりも側鎖液晶性高分子の比率が小さい場合には、と
くに可とう性のある大面積の装置に適した、十分な自己
保形性を有する混合膜を形成できないおそれがある。ま
た、60/40よりも液晶材料の比率が小さい場合に
は、応答速度が遅くなるおそれがある。
【0057】混合膜には、前記のように微量の電解質が
配合される。電解質を配合することにより、当該電解質
に起因するイオンによって応答速度が高められるととも
に、確実かつ再現性よく、透明→白濁、白濁→透明への
変化を生じさせることができる。電解質としては、側鎖
液晶性高分子および低分子の液晶材料を含む、混合膜形
成用の塗布液に溶解するものであればいずれも使用する
ことができ、たとえば一般式(5) :
【0058】
【化5】
【0059】〔式中R8 、R9 、R10、R11は、同一ま
たは異なって、直鎖のあるいは分岐した炭素数1〜6の
アルキル基を示し、YはF、Cl、Br、I、Cl
4 、PF 4 、BF4 などを示す。〕で表される4級ア
ンモニウム塩が好適なものとしてあげられる。電解質の
添加量は、混合膜の総量に対して0.01〜1重量%が
好ましい。
【0060】上記各成分からなる混合膜には、表示をカ
ラー化するために、前述した2色性色素を配合すること
もできる。また混合膜には、その特性を損なわない範囲
で、各種添加物や非液晶性化合物などを混合して特性を
調整することもできる。また混合膜には、当該混合膜の
膜厚を一定に保つべく、シリカ製、ガラスファイバー製
または樹脂製で、かつ粒状、針状などの任意の形状のス
ペーサ材を混入、分散させることもできる。スペーサ材
の大きさ(粒径、直径など)は、所望する混合膜の膜厚
に合わせて設定される。スペーサ材の混合割合は、これ
に限定されるものではないが、液晶面積1mm2 当り10
〜300個程度であるのが望ましい。
【0061】混合膜は、側鎖液晶性高分子を含有してい
るので比較的粘度が高く、このため、液晶の流動によっ
てスペーサ材が局在化するおそれがない。したがってス
ペーサ材は混合膜中に均一に分散され、混合膜の膜厚を
一定に保つために十分に作用する。混合膜の膜厚は、本
発明ではとくに限定されないが、駆動電圧などを考慮す
ると、10μm以下であるのが好ましい。
【0062】(c) の混合膜は、上記の各成分を適当な溶
剤に溶解した塗布液を下地上に塗布して乾燥させる、い
わゆる溶液塗布法によって形成することができる他、溶
剤を含有しないペースト状の混合物を層間に注入した
り、あるいは上記の混合物を下地上に載置した上に保護
層を重ねて、ラミネートと同時に層形成したりすること
もできる。
【0063】上記(c) の混合膜は、印加される電場の周
波数により、白濁あるいは透明のいずれかの状態を示す
ように動作する。つまり混合膜に低周波または直流の電
場を印加すると、当該膜内で電場に付随してイオンが移
動し、側鎖型液晶性高分子の主鎖に衝突して液晶の配列
が乱されるため、混合膜は、入射光が散乱されて不透明
な白濁状態になる。一方、混合膜に高周波の電場を印加
すると、当該膜内の液晶分子が電場方向にホメオトロピ
ック配向して、入射光が散乱されずに通過できるように
なるため、混合膜は透明状態になる。
【0064】また混合膜がスメクチック相構造を形成す
る場合、当該混合膜は、透明、白濁の両状態ともに、電
場印加停止後も安定に保持されるいわゆるメモリー性を
有するので、駆動のための制御回路を簡略化することが
できる。エレクトロルミネッセンス層30は、前述した
ように、単層または複層の有機の層にて構成される。
【0065】このうち単層構造の有機のエレクトロルミ
ネッセンス層は、たとえばバインダーとしての、それ自
体がキャリヤ輸送性を有するまたは有しない高分子中
に、後述するホール輸送材料、電子輸送材料、蛍光色素
などを必要に応じて適宜、含有させることによって構成
される。かかる単層構造の有機のエレクトロルミネッセ
ンス層の厚みは従来と同程度、すなわち500〜100
00Å程度であるのが好ましく、1000〜2000Å
程度であるのがとくに好ましい。
【0066】一方、有機のエレクトロルミネッセンス層
を複層構造とする場合に、その層数や層構成などはとく
に限定されない。ただし、エレクトロルミネッセンス層
の発光効率を向上させるためには、上記複層構造の有機
のエレクトロルミネッセンス層として、たとえば陽極と
しての電極層e2側から陰極としての電極層e3側へ順
に、(d) ホール輸送層と電子輸送層の2層を備え、この
うちのいずれか一方または両方が発光するもの、(e) ホ
ール輸送層と、電子輸送材料のうちとくにホールの通過
を防止する特性(ホールブロッキング性)にすぐれた材
料を含むホールブロッキング層と、電子輸送材料のうち
とくに電子の注入効果にすぐれた材料を含む電子注入層
の3層を備え、このうちホール輸送層が発光するもの、
(f) 図1の一点鎖線の円中に示したように、ホール輸送
層30aと、発光層30bと、電子輸送層30cの3層
構造を有するもの、などが好適に採用される。
【0067】上記各層のうちホール輸送層は、(g) バイ
ンダーとしての、それ自体がホール輸送性を有する高分
子にて形成するか、または(h) バインダーとしての、そ
れ自体がホール輸送性を有するまたは有しない高分子中
に、ホール輸送材料を含有させることにより構成され
る。
【0068】上記のうち、それ自体がホール輸送性を有
する高分子としては、たとえばポリフェニレンビニレン
(以下「PPV」とする)や、式(6) :
【0069】
【化6】
【0070】〔式中fは重合度を示し、およそ20〜5
000程度である。〕で表されるポリ−N−ビニルカル
バゾール(以下「PVK」とする)などがあげられる。
また、それ自体がホール輸送性を有しない高分子として
は、たとえばポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート、ポリスチレンなどの、光学特性にすぐれた種々の
高分子がいずれも使用可能であるが、とくに層の耐熱性
を高めて、前述したジュール熱などの影響によるエレク
トロルミネッセンス層の安定性、耐久性の低下をより確
実に防止するために、剛直な主鎖を有するガラス転移温
度の高い高分子が、より一層、好適に使用される。
【0071】かかる、剛直な主鎖を有するガラス転移温
度の高い高分子としては、たとえば式(7) :
【0072】
【化7】
【0073】で表される繰り返し単位を有するポリエー
テルスルフォン〔ガラス転移温度Tg=225℃〕や、
式(8) :
【0074】
【化8】
【0075】で表される繰り返し単位を有するポリスル
フォン〔いわゆるユーデル・ポリスルフォン、ガラス転
移温度Tg=190℃〕などのポリスルフォン系樹脂が
あげられる。中でも、上記式(7) で表される繰り返し単
位を有するポリエーテルスルフォンは、溶媒可溶(ジク
ロロメタンに可溶)の樹脂としては最高レベルのガラス
転移温度を有するため、とくに好適に使用される。また
上記ポリエーテルスルフォンは、溶液塗布法に使用した
際の成膜性にもすぐれている。
【0076】また、上記ポリスルフォン系以外の高分子
としては、たとえば全芳香族ポリイミドやポリエーテル
イミドなどのポリイミド系樹脂があげられる。ポリイミ
ド系樹脂は、それ自体、溶媒に不溶のものが多いので、
溶媒可溶のポリアミド酸の形で、ホール輸送材料などと
ともに溶媒中に溶解し、それを下地上に塗布して乾燥さ
せるとともに、加熱あるいは化学的方法によって閉環反
応させてイミド化するのがよい。
【0077】これら高分子はそれぞれ単独で使用できる
他、2種以上を併用してもよい。前記(h) の構成におい
てホール輸送層中に含有させるホール輸送材料として
は、たとえば式(9) :
【0078】
【化9】
【0079】で表されるN,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(3−メチルフェニル)−ベンジジン(以下
「TPD」とする)や、あるいは式(10):
【0080】
【化10】
【0081】で表されるN,N′−ジ(ナフタレン−1
−イル)−N,N′−ジフェニル−ベンジジン(以下
「NPD」とする)などの、比較的に低分子量の芳香族
アミン類が好適に使用される。上記ホール輸送材料の含
有割合はとくに限定されないが、良好なホールの移動度
を確保するために、それ自体がホール輸送性を有しない
高分子とともに使用される場合は、層を構成する全成分
中に占める割合で表して10〜90重量%程度、とくに
25〜75重量%程度が好ましい。また、それ自体がホ
ール輸送性を有する高分子とともに使用される場合は、
同様の割合で表して70重量%以下程度、とくに10〜
60重量%程度が好ましい。
【0082】たとえば前記(f) の3層構造のうちの発光
層としては、任意の波長で発光させるべく、種々の蛍光
色素を含有した発光層や、かかる蛍光色素をゲストとし
て少量、後述する電子輸送材料などの、蛍光色素よりも
バンドギャップの大きい材料(ホスト)中にドープした
ドープ型の発光層、あるいは上記蛍光色素などを適当な
高分子中に含有させた樹脂分散型の発光層などが好適に
採用される。
【0083】蛍光色素としては、たとえばレーザー用の
色素などの、励起子によって励起されて蛍光を発するこ
とのできる種々の色素が使用できる。蛍光色素の具体例
としては、たとえばシアニン染料、キサンテン系染料、
オキサジン染料、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ア
クリジン染料、アクリドン染料、キノリン染料などがあ
げられる。
【0084】より具体的には、式(11):
【0085】
【化11】
【0086】で表されるテトラフェニルブタジエン(青
色発光、以下「TPB」とする)、式(12):
【0087】
【化12】
【0088】で表されるクマリン6(緑色発光)、式(1
3):
【0089】
【化13】
【0090】で表されるクマリン7、式(14):
【0091】
【化14】
【0092】で表される4−ジシアノメチレン−2−メ
チル−6−p−ジメチルアミノスチリル−4H−ピラン
(オレンジ色発光、以下「DCM」とする)、式(15):
【0093】
【化15】
【0094】で表されるジシアノメチレンスチリルピラ
ン系色素(赤色発光、以下「DCM2」とする)、式(1
6):
【0095】
【化16】
【0096】で表されるペリレン(青色発光)、式(17-
1)や(17-2):
【0097】
【化17】
【0098】〔式中、R12、R13、R14およびR15は、
同一または異なって、水素原子、アルキル基またはアリ
ール基を示す。〕などで表されるキナクリドン色素(緑
色発光)、式(18):
【0099】
【化18】
【0100】で表されるナイルレッド(赤色発光)など
が、蛍光色素として好適に使用される。また白色光をえ
るには、発光波長の異なる複数種の色素を組み合わせれ
ばよく、たとえば上記各色素の場合は、TPBとクマリ
ン6とDCMの組み合わせや、あるいはTPBとクマリ
ン6とナイルレッドの組み合わせなどが好適に採用され
る。上記の組み合わせによれば、発光層4の発光スペク
トルが、波長400〜700nmの可視光領域全体に亘
るものとなり、良好な白色発光を示す。
【0101】前記ドープ型や樹脂分散型の発光層におけ
る、各成分の含有割合はとくに限定されず、エレクトロ
ルミネッセンス層の発光強度などに応じて適宜、好まし
い範囲を設定すればよい。また膜厚についてもとくに限
定はされないが、キャリヤの再結合による発光領域の厚
さや、発光分子の配合性などを考慮すると、発光層の厚
みは100〜1000Å程度であるのが好ましく、30
0〜800Å程度であるのがとくに好ましい。
【0102】前記(d) の2層構造や、あるいは(f) の3
層構造のうちの電子輸送層は、良好な電子輸送性を示す
種々の電子輸送材料にて形成される。かかる電子輸送材
料としては、たとえば式(19):
【0103】
【化19】
【0104】で表されるトリス(8−キノリノラート)
アルミニウム(III) 錯体(以下「Alq」とする)や、
式(20):
【0105】
【化20】
【0106】で表されるビス(8−キノリノラート)
(パラフェニルフェノラート)アルミニウム(III) 錯体
(以下「Alq混合配位子錯体」とする)、一般式(2
1):
【0107】
【化21】
【0108】〔式中、R16、R17、R18、R19およびR
20は、同一または異なって、水素原子、アルキル基、ア
ルコキシル基、アリール基またはアラルキル基を示し、
21はアルキル基またはシアノ基を示す。〕で表される
1,2,4−トリアゾール誘導体、あるいは式(22):
【0109】
【化22】
【0110】で表される2−(4−ビフェニルイル)−
5−(4−tert−ブチルフェニル)1,3,4−オキサ
ジアゾール(以下「Bu−PBD」とする)などがあげ
られる。なお上記一般式(21)で表される1,2,4−ト
リアゾール誘導体の具体的化合物としては、たとえば式
(21-1)(21-2):
【0111】
【化23】
【0112】で表される化合物などがあげられる。また
電子輸送材料としては、たとえば再公表特許WO95/
25097号公報に開示された、一般式(23)や(24):
【0113】
【化24】
【0114】〔式中、R22、R23、R24、R25、R26
27、R28、R29、R30およびR31は、同一または異な
って、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル
基、アルコキシル基、または置換基を有してもよいアリ
ール基を示す。〕で表される、2量化または3量化され
たトリアゾール誘導体を使用することもできる。
【0115】また、前記(e) の3層構造のうちのホール
ブロッキング層を構成する、ホールブロッキング性にす
ぐれた電子輸送材料としては、上記のうち1,2,4−
トリアゾール誘導体などがあげられ、電子注入層を構成
する、電子の注入効果にすぐれた電子輸送材料として
は、上記のうちAlqがなどがあげられる。かかる2層
を備えた3層構造のエレクトロルミネッセンス層におい
ては、電子注入層が、陰極から注入された電子を、ホー
ルブロッキング層へ効率よく輸送する機能を有するとと
もに、ホールブロッキング層が、陰極から電子注入層を
介して注入された電子をホール輸送層へ効率よく輸送
し、かつ陽極からホール輸送層に注入されたホールが電
子と再結合せずに陰極へ逃げるのを効率よく阻止する機
能を有するため、上記両機能によって、エレクトロルミ
ネッセンス層の発光効率がさらに向上するという利点が
ある。
【0116】上記の電子輸送層、ホールブロッキング層
および電子注入層はそれぞれ、上記の電子輸送材料のみ
で構成してもよく、電子輸送材料を適当な高分子中に分
散した樹脂分散型の構成としてもよい。また上記各層の
厚みは、それぞれの層の構成に応じて、つまり各層を、
電子輸送材料のみで形成するか樹脂分散型とするか、な
どに応じて適宜、設定すればよい。
【0117】エレクトロルミネッセンス層30と、IT
Oなどの透明導電材料にて形成される電極層との間に
は、当該電極層を形成する際の、エレクトロルミネッセ
ンス層30の保護と、形成された電極層からエレクトロ
ルミネッセンス層30へのキャリヤ、とくにホールの注
入を容易にすることとを目的として、バッファ層を形成
してもよい。
【0118】バッファ層としては、たとえば式(25):
【0119】
【化25】
【0120】で表される銅フタロシアニンなどの、フタ
ロシアニン系化合物の薄膜などがあげられる。
【0121】上記のような単層または複層構造を有する
エレクトロルミネッセンス層30は、前述した液晶層2
0の表示の方式に応じて分割形成することもできる。た
とえば多色のセグメント表示などを行う場合には、液晶
層20の各セグメントごとに、エレクトロルミネッセン
ス層30を分割形成すればよい。また、ドットマトリク
スによるフルカラー表示を行うためには、表示の各ドッ
トごとに、エレクトロルミネッセンス層30をR(レッ
ド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色の部分に分
割形成すればよい。
【0122】たとえば図4(a)(b)にみるように、液晶層
20を挟む上下の電極層e1、e2をそれぞれ、互いに
直交する複数本の平行な電極層に分割形成すると、当該
液晶層の、電極層e1、e2の交差部分が1つずつ、ド
ットマトリクスによる表示のためのドットDとして機能
する。そこで電極層e2上に、各ドットDに対応させ
て、R、G、Bの3色に発光するエレクトロルミネッセ
ンス層30(R)、30(G)および30(B)を、た
とえば当該各ドットDとほぼ同じ大きさに順次、分割形
成し、その上に電極層e3を、電極層e2と互いに直交
し、かつ電極層e1と、面方向から見てちょうど重なる
ように、これも複数本の平行な電極層に分割形成する
と、表示面上にR、G、Bの3色に発光するドットD
(R)、D(G)およびD(B)が配列された、フルカ
ラーのドットマトリクス表示装置がえられる。
【0123】上記の表示装置は、各ドットDに対応した
エレクトロルミネッセンス層30の発光、非発光と、液
晶層20の光の透過率の変化との組み合わせによって表
示を行うことにより、それぞれの駆動はいずれも単純マ
トリクス駆動でありながら、TFTなどを用いたアクテ
ィブマトリクス駆動の装置と同等の、高速表示と、無段
階の階調表現とが可能である。
【0124】つまり、前記のように液晶層20は無段階
の階調表現が可能であり、またエレクトロルミネッセン
ス層30は高速応答性にすぐれるので、両者の機能の組
み合わせによって、高速表示と、無段階の階調表現とが
可能となる。なおドットマトリクスによるフルカラー表
示を行う場合、エレクトロルミネッセンス層30は、白
色発光のものを分割形成せずに、装置の全面にわたって
連続形成しておき、液晶層20の上下の任意の位置に、
従来同様にRGBフィルター層を形成してもよい。
【0125】保護層11、12、14、15および中間
絶縁層13としては、たとえばガラス板、プラスチック
板、プラスチックフィルム、金属板、金属箔などの種々
の材質のものがあげられる。また装置の形成工程におい
て、先に形成された下地上に後から積層される保護層や
中間絶縁層は、上記フィルム状または板状のものをラミ
ネートして形成される他,塗布液状のものを塗布して乾
燥、固化させたり、あるいは真空蒸着法などによって下
地上に直接に、層を構成する物質を成長させたりするこ
とによって形成してもよい。また、上記各法にて形成さ
れる層の積層構造としてもよい。
【0126】また、前記のように透明である必要のある
保護層、中間絶縁層としては、上記のうち透明な材質の
ものが使用される。また保護層や中間絶縁層として、柔
軟性のあるプラスチックフィルムや金属箔などを使用す
ると、可とう性のある表示装置がえられる。さらにま
た、保護層や中間絶縁層の材料として感光性のプラスチ
ックを使用すれば、かかる保護層や中間絶縁層を、装置
を構成する各層が劣化しないレベルの光で露光してパタ
ーン形成することにより、所定の平面形状を有する表示
装置を製造することもできる。
【0127】上記の各部からなる本発明の表示装置は、
たとえば前述したように液晶層20を挟む電極層や、エ
レクトロルミネッセンス層30などを分割形成すること
で、セグメント表示、ドットマトリクス表示などを行う
各種の表示装置として使用可能である。なお本発明の構
成は、以上で説明した例のものには限定されず、本発明
の要旨を変更しない範囲で、種々の設計変更を施すこと
ができる。
【0128】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 (液晶表示部の作製)前記式(1) で表される多環式の液
晶材料である、下記式(1-1) で表される化合物と、式(1
-2) で表される化合物とを、重量比で35:65の割合
で配合した混合液晶材料(ネマチック相→等方相転移温
度170℃)70重量部と、アクリル系樹脂〔帝国化学
(株)製の商品名WS023〕25重量部とを、架橋剤
としてのポリイソシアネート5重量部とともに、1,2
−ジクロロメタンに溶解して、溶質濃度が20%の塗布
液を作製した。
【0129】
【化26】
【0130】つぎにこの塗布液を、片面に電極層e1と
なるITO透明導電膜が形成されたPESフィルム基材
(保護層11)の、上記ITO透明導電膜上に、バーコ
ート法によって塗布し、乾燥させて、液晶層20として
の、前記(a) の相分離構造を有する厚み17μmの複合
膜を形成したのち、基材ごと100℃に加熱して膜中の
溶剤を除去するとともに、高分子マトリクスの架橋を完
了させた。
【0131】(面状発光部の作製)PESフィルム基材
(保護層12)の片面に、真空蒸着法によってアルミニ
ウムとリチウムとを共蒸着して、厚み2000Å、Al
/Li=99/1(モル比)の、陰極としてのAl/L
i電極層e3を形成したのち、引き続いてその上に、真
空蒸着法によってAlqのみを蒸着して、厚み500Å
の電子輸送層30cを形成し、ついでAlqとキナクリ
ドン色素とを共蒸着して、厚み600Å、キナクリドン
色素のドープ量3重量%の発光層30bを形成した。
【0132】つぎに、上記発光層30bの上に、下記の
各成分を1,2−ジクロロメタンに溶解した、固形分濃
度1g/mlの塗布液をスピンコート法によって塗布
し、乾燥させて、厚み400Åのホール輸送層30aを
形成して、3層構造のエレクトロルミネッセンス層30
を形成したのち、かかるエレクトロルミネッセンス層3
0のうち最表層のホール輸送層30aの上に、スパッタ
リング法によって、電極層e2としての、厚み1500
ÅのIXO透明導電膜を形成した。
【0133】 (成分) (重量部) PES 50 TPD 50 (表示装置の製造)上記で製造した液晶表示部2と面状
発光部3とを、液晶表示部2の液晶層20と、面状発光
部3の電極層e2とが接するように重ね合わせて、ロー
ルプレスによってラミネートしたのち、約1kg/cm
2 の圧力をかけて密着させて、図1に示す層構成の表示
装置を製造した。 (動作確認)上記表示装置のうち、3層構造のエレクト
ロルミネッセンス層30を挟む、陰極としてのAl/L
i電極層e3と、陽極としての電極層e2との間に、室
温、大気中で直流12Vの駆動電圧を印加しつつ、液晶
層20を挟む電極層e2、e1間に、矩形波状の駆動電
圧(周波数20Hz、電圧100V)を印加したとこ
ろ、エレクトロルミネッセンス層30のうち発光層30
bからの緑色発光が、保護層11を通して観察された。
保護層11を通して測定した発光層30bの発光輝度は
13000cd/m2 であった。
【0134】つぎにこの状態で、液晶層20を挟む電極
層e2、e1間への電圧の印加を停止したところ、液晶
層20が白濁して、上記緑色発光は見えなくなった。こ
の状態で、保護層11を通して発光層30bの発光輝度
を測定したところ、10cd/m2 まで低下しているの
が確認された。 実施例2 実施例1で使用したのと同じ混合液晶材料70重量部
と、二成分触媒硬化型のウレタン系樹脂〔武田薬品工業
(株)製の商品名A310〕25重量部とを、硬化触媒
としてのポリイソシアネート5重量部とともに1,2−
ジクロロメタンに溶解した、溶質濃度が20%の塗布液
をバーコート法によって塗布し、室温で乾燥、固化させ
るとともに樹脂を架橋、硬化させて、液晶層20として
の、前記(b) の相分離構造を有する厚み17μmの複合
膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして、図1に
示す層構成の表示装置を製造した。
【0135】(動作確認)上記表示装置について、実施
例1と同様に各電極層に駆動電圧を印加したところ、実
施例1と同様の動作が確認された。またこの際、発光層
30bの発光輝度を、保護層11を通して測定したとこ
ろ、液晶層20を挟む電極層e2、e1間に駆動電圧を
印加した状態では9000cd/m2 、印加しない状態
では100cd/m2 であった。
【0136】実施例3 前記一般式(4) 中のXがシアノ基、R7 がメチル基、e
が5で、かつ繰り返し単位数(重合度)が10である側
鎖液晶性高分子50重量部と、液晶材料(メルクジャパ
ン社製のE63、種類の違う5成分以上の液晶材料を含
むと推測される混合液晶)50重量部と、両液晶材料の
総量に対して0.05重量%の、電解質としてのテトラ
エチルアンモニウムブロマイドとを、アセトン/ジクロ
ロメタン混合溶媒(1/1)に溶解させた塗布液をバー
コート法によって塗布し、室温で30分間、乾燥させ
て、液晶層20としての、前記(c) の混合膜(厚み8μ
m)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、図1
に示す層構成の表示装置を製造した。 (動作確認)上記表示装置について、実施例1と同様に
各電極層に駆動電圧を印加したところ、実施例1と同様
の動作が確認された。またこの際、発光層30bの発光
輝度を、保護層11を通して測定したところ、液晶層2
0を挟む電極層e2、e1間に駆動電圧を印加した状態
では15000cd/m2 、印加しない状態では11c
d/m2 であった。
【0137】実施例4 (液晶表示部の作製)片面に電極層e1となるITO透
明導電膜が形成されたPESフィルム基材(保護層1
1)の、上記ITO透明導電膜上に、実施例1で使用し
たのと同じ液晶層用の塗布液を、バーコート法によって
塗布し、乾燥させて、液晶層20としての、前記(a) の
相分離構造を有する厚み17μmの複合膜を形成したの
ち、基材ごと100℃に加熱して膜中の溶剤を除去する
とともに、高分子マトリクスの架橋を完了させた。 (面状発光部の作製)両面に電極層e2、e4となるI
TO透明導電膜が形成されたPESフィルム基材(中間
絶縁層13)の、片側の透明導電膜(電極層e4)上
に、実施例1で使用したのと同じホール輸送層用の塗布
液を、スピンコート法によって塗布し、乾燥させて、厚
み400Åのホール輸送層30aを形成した。
【0138】つぎにこのホール輸送層30aの上に、真
空蒸着法によってAlqとキナクリドン色素とを共蒸着
して、厚み600Å、キナクリドン色素のドープ量3重
量%の発光層30bを形成し、引き続いてAlqのみを
蒸着して、厚み500Åの電子輸送層30cを形成した
のち、アルミニウムとリチウムとを共蒸着して、厚み2
000Å、Al/Li=99/1(モル比)の、陰極と
してのAl/Li電極層e3を形成した。
【0139】つぎに、上記電極層e3の上に、ポリフッ
化ビニリデン/ポリビニルアルコール複合フィルム基材
(保護層12)を、ロールプレスによってラミネートし
たのち、約1kg/cm2 の圧力をかけて密着させた。 (表示装置の製造)上記で製造した液晶表示部2と面状
発光部3とを、液晶表示部2の液晶層20と、面状発光
部3の電極層e2とが接するように重ね合わせて、ロー
ルプレスによってラミネートしたのち、約1kg/cm
2 の圧力をかけて密着させて、図2に示す層構成の表示
装置を製造した。 (動作確認)上記表示装置について、実施例1と同様に
各電極層に駆動電圧を印加したところ、実施例1と同様
の動作が確認された。またこの際、発光層30bの発光
輝度を、保護層11を通して測定したところ、液晶層2
0を挟む電極層e2、e1間に駆動電圧を印加した状態
では10000cd/m2 、印加しない状態では8cd
/m2 であった。
【0140】実施例5 (液晶表示部の作製)片面に電極層e1となるITO透
明導電膜が形成されたPESフィルム基材(保護層1
1)の、上記ITO透明導電膜上に、実施例1で使用し
たのと同じ液晶層用の塗布液を、バーコート法によって
塗布し、乾燥させて、液晶層20としての、前記(a) の
相分離構造を有する厚み17μmの複合膜を形成したの
ち、基材ごと100℃に加熱して膜中の溶剤を除去する
とともに、高分子マトリクスの架橋を完了させた。
【0141】つぎにこの液晶層20の上に、片面に電極
層e1となるITO透明導電膜が形成されたポリエステ
ルフィルム基材(保護層14)を、ロールプレスによっ
てラミネートしたのち、約1kg/cm2 の圧力をかけ
て密着させた。 (面状発光部の作製)片面に電極層e4となるITO透
明導電膜が形成されたポリエステルフィルム基材(保護
層15)の、上記ITO透明導電膜上に、、実施例1で
使用したのと同じホール輸送層用の塗布液を、スピンコ
ート法によって塗布し、乾燥させて、厚み400Åのホ
ール輸送層30aを形成した。
【0142】つぎにこのホール輸送層30aの上に、真
空蒸着法によってAlqとキナクリドン色素とを共蒸着
して、厚み600Å、キナクリドン色素のドープ量3重
量%の発光層30bを形成し、引き続いてAlqのみを
蒸着して、厚み500Åの電子輸送層30cを形成した
のち、アルミニウムとリチウムとを共蒸着して、厚み2
000Å、Al/Li=99/1(モル比)の、陰極と
してのAl/Li電極層e3を形成した。
【0143】つぎに、上記電極層e3の上に、ポリフッ
化ビニリデン/ポリビニルアルコール複合フィルム基材
(保護層12)を、ロールプレスによってラミネートし
たのち、約1kg/cm2 の圧力をかけて密着させた。 (表示装置の製造)上記で製造した液晶表示部2と面状
発光部3とを、液晶表示部2の保護層14と、面状発光
部3の保護層15とが接するように、接着剤を介して重
ね合わせて、ロールプレスによってラミネートしたの
ち、約1kg/cm2 の圧力をかけて密着させて、図3
に示す層構成の表示装置を製造した。 (動作確認)上記表示装置について、実施例1と同様に
各電極層に駆動電圧を印加したところ、実施例1と同様
の動作が確認された。またこの際、発光層30bの発光
輝度を、保護層11を通して測定したところ、液晶層2
0を挟む電極層e2、e1間に駆動電圧を印加した状態
では9000cd/m2 、印加しない状態では3cd/
2 であった。
【0144】実施例6 下記の面状発光部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、図1に示す層構成の表示装置を製造した。 (面状発光部の作製)PESフィルム基材(保護層1
2)の片面に、真空蒸着法によってアルミニウムとリチ
ウムとを共蒸着して、厚み2000Å、Al/Li=9
9/1(モル比)の、陰極としてのAl/Li電極層e
3を形成したのち、引き続いてその上に、真空蒸着法に
よってAlqのみを蒸着して、厚み500Åの電子輸送
層30cを形成し、ついで前記式(20)で表されるAlq
混合配位子錯体とペリレンとを共蒸着して、厚み500
Å、ペリレンのドープ量0.5重量%の発光層30bを
形成した。
【0145】つぎに、上記発光層30bの上に、真空蒸
着法によってNPDを蒸着して、厚み250Åのホール
輸送層30aを形成して、3層構造のエレクトロルミネ
ッセンス層30を形成したのち、かかるエレクトロルミ
ネッセンス層30のうち最表層のホール輸送層30aの
上に、まず真空蒸着法によって銅フタロシアニンを蒸着
して、厚み250Åのバッファ層を形成し、ついでスパ
ッタリング法によって、電極層e2としての、厚み15
00ÅのIXO透明導電膜を形成した。 (動作確認)上記表示装置のうち、エレクトロルミネッ
センス層30を挟む、陰極としてのAl/Li電極層e
3と、陽極としての電極層e2との間に、室温、大気中
で直流12Vの駆動電圧を印加しつつ、液晶層20を挟
む電極層e2、e1間に、矩形波状の駆動電圧(周波数
20Hz、電圧100V)を印加し、ついで液晶層20
への電圧の印加を停止したところ、エレクトロルミネッ
センス層30のうち発光層30bからの青色発光の、明
りょうなオン−オフの動作が確認された。
【0146】実施例7 下記の面状発光部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、図1に示す層構成の表示装置を製造した。 (面状発光部の作製)PESフィルム基材(保護層1
2)の片面に、真空蒸着法によってアルミニウムとリチ
ウムとを共蒸着して、厚み2000Å、Al/Li=9
9/1(モル比)の、陰極としてのAl/Li電極層e
3を形成したのち、引き続いてその上に、真空蒸着法に
よってAlqのみを蒸着して、厚み500Åの電子輸送
層30cを形成し、ついでAlqとDCM2とを共蒸着
して、厚み500Å、DCM2のドープ量0.5重量%
の発光層30bを形成した。
【0147】つぎに、上記発光層30bの上に、真空蒸
着法によってNPDを蒸着して、厚み250Åのホール
輸送層30aを形成して、3層構造のエレクトロルミネ
ッセンス層30を形成したのち、かかるエレクトロルミ
ネッセンス層30のうち最表層のホール輸送層30aの
上に、まず真空蒸着法によって銅フタロシアニンを蒸着
して、厚み250Åのバッファ層を形成し、ついでスパ
ッタリング法によって、電極層e2としての、厚み15
00ÅのIXO透明導電膜を形成した。 (動作確認)上記表示装置のうち、エレクトロルミネッ
センス層30を挟む、陰極としてのAl/Li電極層e
3と、陽極としての電極層e2との間に、室温、大気中
で直流12Vの駆動電圧を印加しつつ、液晶層20を挟
む電極層e2、e1間に、矩形波状の駆動電圧(周波数
20Hz、電圧100V)を印加し、ついで液晶層20
への電圧の印加を停止したところ、エレクトロルミネッ
センス層30のうち発光層30bからの赤色発光の、明
りょうなオン−オフの動作が確認された。
【0148】実施例8 下記の面状発光部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、図1に示す層構成(ただしエレクトロルミネッセ
ンス層は2層構造)の表示装置を製造した。 (面状発光部の作製)ポリフッ化ビニリデン/ポリビニ
ルアルコール複合フィルム基材(保護層12)の片面
に、真空蒸着法によってマグネシウムと銀とを共蒸着し
て、厚み2000Å、Mg/Ag=1/10(モル比)
の、陰極としてのMg/Ag電極層e3を形成したの
ち、引き続いてその上に、真空蒸着法によって、前記一
般式(23)の、2量化されたトリアゾール誘導体である、
式(23-1):
【0149】
【化27】
【0150】で表される化合物を蒸着して、厚み300
Åの電子輸送層30cを形成した。つぎに、上記電子輸
送層30cの上に、下記の各成分を30mlの1,2−
ジクロロメタンに溶解した塗布液をスピンコート法によ
って塗布し、乾燥させて、厚み1000Åの発光層30
bを形成して、2層構造のエレクトロルミネッセンス層
30を形成したのち、かかるエレクトロルミネッセンス
層30のうち最表層の発光層30bの上に、スパッタリ
ング法によって、電極層e2としての、厚み1500Å
のIXO透明導電膜を形成した。
【0151】 (成分) (mg) PES 200 Bu−PBD 300 TPD 150 クマリン6 0.5 DCM2 0.5 TPB 8 (動作確認)上記表示装置のうち、エレクトロルミネッ
センス層30を挟む、陰極としてのMg/Ag電極層e
3と、陽極としての電極層e2との間に、室温、大気中
で直流12Vの駆動電圧を印加しつつ、液晶層20を挟
む電極層e2、e1間に、矩形波状の駆動電圧(周波数
20Hz、電圧100V)を印加し、ついで液晶層20
への電圧の印加を停止したところ、通常室内照明光下
で、エレクトロルミネッセンス層30のうち発光層30
bからの白色発光の、十分なコントラストのある、明り
ょうなオン−オフの動作が確認された。
【0152】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
全体の構造が簡単で製造が容易、しかもより一層の大面
積化、薄肉化が可能である上、可とう性を付与すること
も可能な、新規な構造の、複合型の表示装置を提供でき
るという特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の、実施の形態の一例を示す
断面図である。
【図2】本発明の表示装置の、実施の形態の他の例を示
す断面図である。
【図3】本発明の表示装置の、実施の形態のさらに他の
例を示す断面図である。
【図4】本発明の表示装置の、実施の形態のさらに他の
例としての、フルカラードットマトリクス表示装置の要
部を拡大した図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は
断面図である。
【符号の説明】
2 液晶表示部 20 液晶層 3 面状発光部 30 エレクトロルミネッセンス層 e1、e2、e3、e4 電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H05B 33/14 H05B 33/14 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i) 液晶材料と高分子とを含み、電界の印
    加状態に応じて光透過および光散乱の2状態間を変化す
    る固体状の液晶層を、一対の電極層で挟んだ液晶表示部
    と、 (ii)単層または複層の有機のエレクトロルミネッセンス
    層を一対の電極層で挟んだ面状発光部とを備え、上記両
    部を、面状発光部からの発光が液晶表示部を通して装置
    外に導出されるように配置したことを特徴とする表示装
    置。
  2. 【請求項2】液晶表示部の一対の電極層のうちの一方
    と、面状発光部の一対の電極層のうちの一方とを、1層
    の透明導電膜にて共有させることにより、上記両部が一
    体的に積層形成されている請求項1記載の表示装置。
  3. 【請求項3】液晶表示部の一対の電極層のうちの一方
    と、面状発光部の一対の電極層のうちの一方とを、1層
    の透明な中間絶縁層を介して積層、配置した2層の透明
    導電膜とすることにより、上記両部が一体的に積層形成
    されている請求項1記載の表示装置。
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