JPH11202045A - Fm−cwレーダ装置およびfm−cwレーダ装置における距離・相対速度算出方法 - Google Patents

Fm−cwレーダ装置およびfm−cwレーダ装置における距離・相対速度算出方法

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JPH11202045A
JPH11202045A JP10007890A JP789098A JPH11202045A JP H11202045 A JPH11202045 A JP H11202045A JP 10007890 A JP10007890 A JP 10007890A JP 789098 A JP789098 A JP 789098A JP H11202045 A JPH11202045 A JP H11202045A
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Akira Iiboshi
明 飯星
Taku Sugawara
卓 菅原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数変調信号の単位時間当りの周波数変化
量(周波数掃引速度)を実測し、実測した単位時間当り
の周波数変化量(周波数掃引速度)に基づいて対象物の
距離・相対速度を求める。 【解決手段】 周波数変化量測定部13は、既知の距離
離れた静止物体に係るビート周波数に基づいて周波数上
昇期間ならびに周波数下降期間の周波数掃引速度を測定
し、実測値記憶部15に格納する。距離・相対速度演算
部12は、測定された周波数掃引速度と対象物に係るビ
ート周波数とに基づいて物体までの距離・相対速度を演
算する。距離・相対速度演算部12は、周波数上昇期間
と周波数下降期間とで周波数掃引速度が異なる場合、周
波数上昇期間のビート周波数,周波数下降期間のビート
周波数の一方または双方を掃引速度に基づいて補正した
後に、距離・相対速度を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はFM−CWレーダ
装置およびFM−CWレーダ装置における距離・相対速
度算出方法に係り、詳しくは、周波数変調信号の単位時
間当りの周波数変化量(周波数掃引速度)を実測し、実
測した単位時間当りの周波数変化量(周波数掃引速度)
に基づいて対象物の距離・相対速度を求めるようにした
FM−CWレーダ装置およびFM−CWレーダ装置にお
ける距離・相対速度算出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周波数が時間に対して線形に変化する送
信波を発射し、送信波と受信波との瞬時周波数の差(ビ
ート周波数)から距離を計測するFM−CWレーダ装置
は、比較的近距離を探知するのに好適であり、自動車間
の距離や障害物までの距離の測定に利用されている。
【0003】図1は対象物が静止している場合(相対速
度がない場合)の送信波,受信波およびビート周波数の
関係を示す説明図である。なお、対象物が静止している
場合には、対象物とFM−CWレーダ装置とが同一速度
で同一方向へ移動している場合も含まれる。対象物まで
の距離をRとすると、送信波TSが対象物で反射されて
戻ってくるまでの時間は、往復距離2Rを光速Cで除算
することで求めることができ、その時間は2R/Cであ
る。光速Cは3×108 メートル/秒であるから、対象
物までの距離が150メートルであれば、送信波TSが
受信波RSとして戻ってくるまでの時間は1マイクロ秒
となる。
【0004】送信波TSの下限周波数をf1、送信波T
Sの上限周波数をf2、送信波TSの中心周波数をf0
(f0=(F1+f2)/2)、送信波TSの周波数偏
位幅をΔF(ΔF=f2−f1)とし、周波数上昇期間
T/2において下限周波数f1から上限周波数f2まで
周波数を単調に上昇させた後に、周波数下降期間T/2
において上限周波数f2から下限周波数f1まで周波数
を単調に下降させて、周波数が3角波状に変化する変調
波を送信波TSとして用いた場合、送信波TSと距離R
の対象物からの反射信号(受信信号)RSとのビート周
波数frは、 fr=(2R/C)×{ΔF/(T/2)} となる。上記の式で、(2R/C)は送信波TSが受信
波RSとして戻ってくるまでの時間であり、{ΔF/
(T/2)}は送信波TSの単位時間当りの周波数変化
量である。
【0005】例えば、中心周波数f0=60ギガヘルツ
のミリ波帯の電波を用いたFM−CWレーダ装置におい
て、周波数偏位幅ΔF=400メガヘルツ(下限周波数
f1=59.8ギガヘルツ,上限周波数f2=60.2
ギガヘルツ)、周波数上昇期間T/2=周波数下降期間
=200マイクロ秒とした場合、対象物までの距離が1
50メートルであればビート周波数frは2メガヘルツ
となる。この条件における送信波TSの単位時間当りの
周波数変化量{ΔF/(T/2)}は2メガヘルツ/マ
イクロ秒であるから、送信波TSと受信波RSとの間に
1マイクロ秒の時間差があればビート周波数fbは2メ
ガヘルツとなる。対象物までの距離が75メートルであ
ればビート周波数fbは1メガヘルツ、対象物までの距
離が15メートルであればビート周波数fbは100キ
ロヘルツとなる。このように、ビート周波数fbは対象
物との距離Rに比例した周波数であるので、送信波TS
の単位時間当りの周波数変化量{ΔF/(T/2)}が
既知であれば、検出されたビート周波数fbに基づいて
対象物の距離を求めることができる。
【0006】周波数上昇期間の単位時間当りの周波数変
化量と周波数下降期間の単位時間当りの周波数変化量と
を等しく設定しているので、対象物が静止している場合
(相対速度がない場合)には、周波数上昇期間でのビー
ト周波数fbupと周波数下降期間でのビート周波数f
bdownとは等しくなる。
【0007】図2および図3は対象物が移動している場
合(相対速度がある場合)の送信波,受信波およびビー
ト周波数の関係を示す説明図である。なお、対象物が移
動している場合には、対象物は静止しているがFM−C
Wレーダ装置側が移動している場合も含まれる。対象物
とFM−CWレーダ装置との間に相対速度がある場合、
反射波(受信波)はドップラ効果を受ける。ドップラ効
果によって、反射波(受信波)の周波数は、送信波の周
波数からドップラ周波数の分だけずれる。対象物がFM
−CWレーダ装置側に近づく方向に移動している場合、
反射波(受信波)の周波数は、送信波の周波数からドッ
プラ周波数の分だけ高くなる。対象物がFM−CWレー
ダ装置から遠ざかる方向に移動している場合、反射波
(受信波)の周波数は、送信波の周波数からドップラ周
波数の分だけ低くなる。
【0008】ドップラ周波数fdは、FM−CWレーダ
装置と対象物とを結ぶ方向での相対速度をvr、送信波
TSの周波数をfTS、光速をCとすると、 fd=2・vr・fTS/C となる。FM−CWレーダ装置は、送信波に変調信号を
用いているため変調波の瞬時周波数に対応してドップラ
周波数が変化する。中心周波数f0に対して周波数偏位
量ΔFは小さいとともに、中心周波数f0を中心に周波
数偏位した送信波を送信しているので、ここでは送信周
波数fTS=中心周波数f0として考える。 送信周波
数fTS(中心周波数f0)を60ギガヘルツとし、相
対速度vrを10メートル/秒(36キロメートル/
時)とした場合、ドップラ周波数fdは4キロヘルツと
なる。
【0009】図2は対象物がFM−CWレーダ装置側に
近づく方向に移動している場合の送信波,受信波および
ビート周波数の関係を示している。図2において点線は
相対速度がゼロの場合の受信波を示している。相対速度
がプラス(ここでは、対象物が近づく方向をプラスとす
る)である場合、受信波RSの周波数は、ドップラ周波
数fd分だけ高くなっている。このため、周波数上昇期
間におけるビート周波数fbupは、距離に対応したビ
ート周波数frよりもドップラ周波数fd分だけ低い周
波数となる。即ち、周波数上昇期間におけるビート周波
数fbupは、 fbup=fr−fd となる。また、周波数下降期間におけるビート周波数f
bdownは、距離に対応したビート周波数frよりも
ドップラ周波数fd分だけ高い周波数となる。すなわ
ち、周波数下降期間におけるビート周波数fbdown
は、 fbdown=fr+fd となる。
【0010】したがって、周波数上昇期間におけるビー
ト周波数fbupよりも周波数下降期間におけるビート
周波数fbdownが高い場合は、相対速度がプラス
(ここでは、対象物が近づく方向をプラスとする)であ
ることが分かる。そして、周波数上昇期間におけるビー
ト周波数fbupと周波数下降期間におけるビート周波
数fbdownとの和を1/2にすることで、距離に対
応したビート周波数frを求めることができる。 fr=(fbup+fbdown)/2 また、周波数上昇期間におけるビート周波数fbupと
周波数下降期間におけるビート周波数fbdownとの
差を1/2にすることで、ドップラ周波数fdを求める
ことができる。 fd=(fbup−fbdown)/2
【0011】そして、送信波TSの単位時間当りの周波
数変化量{ΔF/(T/2)}が既知であれば、距離に
対応したビート周波数frに基づいて対象物の距離を求
めることができる。また、ドップラ周波数fdに基づい
て相対速度を求めることができる。
【0012】図3は対象物がFM−CWレーダ装置側か
ら遠ざかる方向に移動している場合の送信波,受信波お
よびビート周波数の関係を示している。図3において点
線は相対速度がゼロの場合の受信波を示している。相対
速度がマイナス(ここでは、対象物が近づく方向をプラ
スとする)である場合、受信波RSの周波数は、ドップ
ラ周波数fd分だけ低くなっている。このため、周波数
上昇期間におけるビート周波数fbupは、距離に対応
したビート周波数frよりもドップラ周波数fd分だけ
高い周波数となる。すなわち、 fbup=fr+fd となる。また、周波数下降期間におけるビート周波数f
bdownは、距離に対応したビート周波数frよりも
ドップラ周波数fd分だけ低い周波数となる。すなわ
ち、 fbdown=fr−fd となる。
【0013】したがって、周波数上昇期間におけるビー
ト周波数fbupよりも周波数下降期間におけるビート
周波数fbdownが低い場合は、相対速度がマイナス
(ここでは、対象物が近づく方向をプラスとする)であ
ることが分かる。そして、周波数上昇期間におけるビー
ト周波数fbupと周波数下降期間におけるビート周波
数fbdownとの和を1/2にすることで、距離に対
応したビート周波数frを求めることができる。 fr=(fbup+fbdown)/2 また、周波数上昇期間におけるビート周波数fbupと
周波数下降期間におけるビート周波数fbdownとの
差を1/2にすることで、ドップラ周波数fdを求める
ことができる。 fd=(fbup−fbdown)/2
【0014】そして、送信波TSの単位時間当りの周波
数変化量{ΔF/(T/2)}が既知であれば、距離に
対応したビート周波数frに基づいて対象物の距離を求
めることができる。また、ドップラ周波数fdに基づい
て相対速度を求めることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにFM−
CWレーダ装置では、送信波TSの単位時間当りの周波
数変化量(周波数掃引速度){ΔF/(T/2)}が距
離を求めるために重要な項目である。また、周波数上昇
期間で測定したビート周波数fbupと周波数下降期間
で測定したビート周波数fbdownとから距離ならび
に相対速度を求める場合には、周波数上昇期間における
単位時間当りの周波数変化量と周波数下降期間における
単位時間当りの周波数変化量とが同一である必要があ
る。
【0016】しかしながら、変調信号を生成する電圧制
御発振器(VCO)の周波数指定電圧−発振周波数特性
のばらつきによって、単位時間当りの周波数変化量がば
らつき、所定の(設計上の)単位時間当りの周波数変化
量が得られないことがある。また、周波数指定電圧−発
振周波数特性の経時変化等によって、単位時間当りの周
波数変化量が変動することがある。また、周波数指定電
圧信号を発生する回路部の特性の経時変化によって周波
数指定電圧信号が変動し、この結果単位時間当りの周波
数変化量が変動することがある。D/A変換器等を用い
て階段状の擬似3角波形信号を生成し、これを低域通過
フィルタを介して高域周波数成分を除去することで、3
角波形の周波数指定電圧信号を生成する構成の場合、D
/A変換器に供給するデジタルデータの出力周期の変動
に伴って単位時間当りの周波数変化量が変動することが
ある。
【0017】図4および図5は送信波の周波数掃引の変
動例を示す説明図である。図4に示すように、設計上の
送信波TSの波形(実線で示す)に対して、点線で示す
ように単位時間当りの周波数偏位量が小さくなった場
合、そのずれた送信波と受信波との瞬時周波数差(ビー
ト周波数)と設計上の周波数偏位量ΔFとに基づいて対
象物までの距離を演算すると、実際の距離よりも短い距
離が算出されてしまう。また、一点鎖線で示すように単
位時間当りの周波数偏位量が大きくなった場合、そのず
れた送信波と受信波との瞬時周波数差(ビート周波数)
と設計上の周波数偏位量ΔFとに基づいて対象物までの
距離を演算すると、実際の距離よりも長い距離が算出さ
れてしまう。また、図5において二点鎖線で示すよう
に、周波数上昇期間における単位時間当りの周波数偏位
量と周波数下降期間における単位時間当りの周波数偏位
量とが異なってしまうと、距離ならびに相対速度が正し
く求められない。
【0018】このように、実際に送信される変調信号の
単位時間当りの周波数変化量が設計上の値からずれてし
まうと、正確な距離が求められなくなる。また、周波数
上昇期間での単位時間当りの周波数変化量と周波数下降
期間での単位時間当りの周波数変化量とが異なってしま
うと、相対速度を有する対象物の距離ならびに相対速度
を正しく求められなくなる。
【0019】電圧制御発振器(VCO)ならびに周波数
指定電圧信号を発生する回路部等により高い精度と長期
間にわたる動作安定性を要求すると(高い信頼性を要求
すると)、FM−CWレーダ装置が高価となる。
【0020】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、周波数変調信号の単位時間当りの周波
数変化量(周波数掃引速度)を実測し、実測した単位時
間当りの周波数変化量(周波数掃引速度)に基づいて対
象物の距離・相対速度を演算することで、距離ならびに
相対速度を正確に求めることのできるFM−CWレーダ
装置およびFM−CWレーダ装置における距離・相対速
度算出方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係るFM−CWレーダ装置は、変調波の単位
時間当りの周波数変化量を求める周波数変化量測定部を
備え、この周波数変化量測定部で求めた単位時間当りの
周波数変化量を用いて対象物の距離を求めることを特徴
とする。
【0022】周波数変化量測定部は、周波数上昇期間に
おける単位時間当りの周波数変化量と周波数下降期間に
おける単位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ求め、
周波数上昇期間におけるビート周波数と周波数上昇期間
における単位時間当りの周波数変化量に基づいて対象物
の距離を求め、周波数下降期間におけるビート周波数と
周波数下降期間における単位時間当りの周波数変化量に
基づいて対象物の距離を求めることを特徴とする。
【0023】この発明に係るFM−CWレーダ装置は、
変調波の周波数上昇期間における単位時間当りの周波数
変化量、ならびに、変調波の周波数下降期間における単
位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ求める周波数変
化量測定部を備え、周波数変化量測定部で測定された周
波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化量と周
波数変化量測定部で測定された周波数下降期間における
単位時間当りの周波数変化量とが同一である場合には、
周波数上昇期間ビート周波数と周波数下降期間ビート周
波数との差に基づいて相対速度を求めるとともに、周波
数上昇期間ビート周波数と周波数下降期間ビート周波数
との和に基づいて距離に係るビート周波数を求め、求め
た距離に係るビート周波数と周波数変化量測定部で測定
された単位時間当りの周波数変化量とに基づいて対象物
の距離を求め、周波数変化量測定部で測定された周波数
上昇期間における単位時間当りの周波数変化量と周波数
変化量測定部で測定された周波数下降期間における単位
時間当りの周波数変化量とが異なる場合には、周波数上
昇期間ビート周波数と周波数下降期間ビート周波数との
いずれか一方または両方を補正して周波数上昇期間にお
ける単位時間当りの周波数変化量と周波数下降期間にお
ける単位時間当りの周波数変化量とが等しい場合の補正
ビート周波数を求め、周波数上昇期間補正ビート周波数
と周波数下降期間補正ビート周波数とに基づいて対象物
の相対距離および相対速度を求めることを特徴とする。
【0024】この発明に係るFM−CWレーダ装置は、
変調波の周波数上昇期間における単位時間当りの周波数
変化量、ならびに、変調波の周波数下降期間における単
位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ求める周波数変
化量測定部を備え、周波数変化量測定部で求めた周波数
上昇期間における単位時間当りの周波数変化量と予め設
定した基準の単位時間当りの周波数変化量との比に基づ
いて周波数上昇期間ビート周波数を予め設定した基準の
単位時間当りの周波数変化量であった場合の上昇期間ビ
ート周波数へ補正し、周波数変化量測定部で求めた周波
数下降期間における単位時間当りの周波数変化量と予め
設定した基準の単位時間当りの周波数変化量との比に基
づいて周波数下降期間ビート周波数を予め設定した基準
の単位時間当りの周波数変化量であった場合の減少期間
ビート周波数へ補正し、補正された周波数上昇期間補正
ビート周波数と補正された周波数下降期間補正ビート周
波数とに基づいて対象物の相対距離および相対速度を求
めることを特徴とする。
【0025】周波数変化量測定部は、距離が既知で相対
速度がゼロである対象物のビート周波数に基づいて変調
波の単位時間当りの周波数変化量を求めることを特徴と
する。
【0026】周波数変化量測定部は、既知の距離だけ隔
てた第1,第2の対象物であって相対速度がそれぞれゼ
ロである第1,第2の対象物に係る第1,第2のビート
周波数に基づいて変調波の単位時間当りの周波数変化量
を求めることを特徴とする。
【0027】周波数変化量測定部は、第1の地点で検出
された相対速度がゼロである対象物に係る第1のビート
周波数と、第1の地点から対象物に向って既知の距離だ
け隔てた第2の地点で検出された対象物に係る第2のビ
ート周波数とに基づいて変調波の単位時間当りの周波数
変化量を求めることを特徴とする。
【0028】周波数変化量測定部は、変調波を遅延時間
が既知の遅延手段を介して遅延させた遅延信号と変調波
とのビート周波数に基づいて変調波の単位時間当りの周
波数変化量を求めることを特徴とする。
【0029】この発明に係るFM−CWレーダ装置にお
ける距離・相対速度算出方法は、変調波の周波数上昇期
間における単位時間当りの周波数変化量、ならびに、変
調波の周波数下降期間における単位時間当りの周波数変
化量とをそれぞれ測定によって求めた後に、測定された
周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化量と
測定された周波数下降期間における単位時間当りの周波
数変化量とが同一である場合には、周波数上昇期間ビー
ト周波数と周波数下降期間ビート周波数との差に基づい
て相対速度を求めるとともに、周波数上昇期間ビート周
波数と周波数下降期間ビート周波数との和に基づいて距
離に係るビート周波数を求め、求めた距離に係るビート
周波数と測定された単位時間当りの周波数変化量とに基
づいて対象物の距離を求め、測定された周波数上昇期間
における単位時間当りの周波数変化量と測定された周波
数下降期間における単位時間当りの周波数変化量とが異
なる場合には、周波数上昇期間ビート周波数と周波数下
降期間ビート周波数とのいずれか一方または両方を補正
して周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化
量と周波数下降期間における単位時間当りの周波数変化
量とが等しい場合の補正ビート周波数を求め、周波数上
昇期間補正ビート周波数と周波数下降期間補正ビート周
波数とに基づいて対象物の相対距離および相対速度を求
めることを特徴とする。
【0030】この発明に係るFM−CWレーダ装置にお
ける距離・相対速度算出方法は、変調波の周波数上昇期
間における単位時間当りの周波数変化量、ならびに、変
調波の周波数下降期間における単位時間当りの周波数変
化量とをそれぞれ測定によって求めた後に、測定された
周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化量と
予め設定した基準の単位時間当りの周波数変化量との比
に基づいて周波数上昇期間ビート周波数を予め設定した
基準の単位時間当りの周波数変化量であった場合の上昇
期間ビート周波数へ補正し、測定された周波数下降期間
における単位時間当りの周波数変化量と予め設定した基
準の単位時間当りの周波数変化量との比に基づいて周波
数下降期間ビート周波数を予め設定した基準の単位時間
当りの周波数変化量であった場合の減少期間ビート周波
数へ補正し、補正された周波数上昇期間補正ビート周波
数と補正された周波数下降期間補正ビート周波数とに基
づいて対象物の相対距離および相対速度を求めることを
特徴とする。
【0031】この発明に係るFM−CWレーダ装置は、
変調波の単位時間当りの周波数変化量を求める周波数変
化量測定部を備え、この周波数変化量測定部で求めた単
位時間当りの周波数変化量を用いて対象物の距離を求め
る構成としたので、変調信号を生成する電圧制御発振器
(VCO)の周波数指定電圧−発振周波数特性のばらつ
きや経時変化によって、実際に送信される変調信号の単
位時間当りの周波数変化量が設計上の値からずれてしま
った場合でも、実測した単位時間当りの周波数変化量に
基づいて対象物の距離・相対速度を演算することができ
る。よって、距離ならびに相対速度を正確に求めること
ができる。
【0032】この発明に係るFM−CWレーダ装置にお
ける距離・相対速度算出方法は、変調波の単位時間当り
の周波数変化量を測定し、測定された単位時間当りの周
波数変化量に基づいて対象物の距離・相対速度を演算す
るので、距離ならびに相対速度を正確に求めることがで
きる。
【0033】例えば、変調波(送信波)の中心周波数f
0が60ギガヘルツで、周波数上昇期間における単位時
間当りの周波数変化量ならびに周波数下降期間における
単位時間当りの周波数変化量がともに300キロヘルツ
/マイクロ秒(設計値)であるFM−CWレーダ装置
で、距離が150メートル,相対速度+10メートル/
秒の対象物(秒速10mで近づいてくる対象物)を検出
した場合、その対象物からの反射波と変調波(送信波)
とのビート周波数(瞬時周波数の差)は、周波数上昇期
間におけるビート周波数fbupが296キロヘルツ,
周波数下降期間におけるビート周波数fbdownが3
04キロヘルツとなる。
【0034】周波数上昇期間におけるビート周波数fb
upと周波数下降期間におけるビート周波数fbdow
nとの和を1/2することで{(296+304)/
2}、距離に係るビート周波数frが300キロヘルツ
であることが求まり、この距離に係るビート周波数fr
(fr=300キロヘルツ)と単位時間当りの周波数変
化量(300キロヘルツ/マイクロ秒)とから対象物の
距離が求まる(正確には、送信波と受信波の時間差が求
まり、その時間差と光速Cとから距離が求まる)。
【0035】周波数上昇期間におけるビート周波数fb
upと周波数下降期間におけるビート周波数fbdow
nとの差を1/2することで{(296−304)/
2}、ドップラ周波数fdが4ヘルツであることが求ま
り、中心周波数f0(f0=60ギガヘルツ)において
ドップラ周波数fd(fd=4ヘルツ)となる場合の相
対速度が10メートル/秒であることが求まる。
【0036】実際に送信される変調信号の周波数上昇期
間における単位時間当りの周波数変化量ならびに周波数
下降期間における単位時間当りの周波数変化量がともに
330キロヘルツ/マイクロ秒となった場合、距離が1
50メートル,相対速度+10メートル/秒の対象物
(秒速10mで近づいてくる対象物)の周波数上昇期間
におけるビート周波数fbupは326キロヘルツ,周
波数下降期間におけるビート周波数fbdownは33
4キロヘルツとなる。
【0037】この場合、周波数上昇期間におけるビート
周波数fbupと周波数下降期間におけるビート周波数
fbdownとの差を1/2することで{(326−3
34)/2}、ドップラ周波数fdが4ヘルツであるこ
とが求まり、中心周波数f0(f0=60ギガヘルツ)
においてドップラ周波数fd(fd=4ヘルツ)となる
場合の相対速度が10メートル/秒であることが求ま
る。
【0038】周波数上昇期間におけるビート周波数fb
upと周波数下降期間におけるビート周波数fbdow
nとの和を1/2することで{(326+334)/
2}、距離に係るビート周波数frが330キロヘルツ
であることが求まる。ここで、設計上の単位時間当りの
周波数変化量300キロヘルツ/マイクロ秒(設計値)
を用いて対象物の距離を求めると、その距離は165メ
ートルとなってしまい、誤差を生ずる。
【0039】そこで、実際に送信される変調信号の単位
時間当りの周波数変化量を求めておけば、距離に係るビ
ート周波数fr=330キロヘルツと実際の単位時間当
りの周波数変化量(330キロヘルツ/マイクロ秒)と
から、対象物の距離(150メートル)を正確に求める
ことができる。また、実際の単位時間当りの周波数変化
量(330キロヘルツ/マイクロ秒)と設計上の単位時
間当りの周波数変化量(300キロヘルツ/マイクロ
秒)との比に基づいて、変調波の単位時間当りの周波数
変化量が330キロヘルツ/マイクロ秒であるときの距
離に係るビート周波数frを設計上の単位時間当りの周
波数変化量300キロヘルツ/マイクロ秒であるときの
距離に係るビート周波数frへ換算した後に、換算され
た(補正された)距離に係るビート周波数frと設計上
の単位時間当りの周波数変化量とから距離を求めること
ができる。
【0040】実際に送信される変調信号の周波数上昇期
間における単位時間当りの周波数変化量が例えば290
キロヘルツ/マイクロ秒に、実際に送信される変調信号
の周波数下降期間における単位時間当りの周波数変化量
が例えば330キロヘルツ/マイクロ秒になった場合、
距離が150メートル,相対速度+10メートル/秒の
対象物(秒速10mで近づいてくる対象物)の周波数上
昇期間におけるビート周波数fbupは286キロヘル
ツ,周波数下降期間におけるビート周波数fbdown
は334キロヘルツとなる。ここで、実際に送信される
変調信号の周波数変化量が設計値(300キロヘルツ/
マイクロ秒)であるとして距離を求めると、距離は15
5メートルとなり、実際の距離150メートルとの間に
誤差が生ずる。また、相対速度は120メートル/秒と
なり、実際の相対速度10メートル/秒と大きく異なっ
てしまう。
【0041】そこで、周波数上昇期間における単位時間
当りの周波数変化量(290キロヘルツ/マイクロ秒)
と設計上の周波数変化量(300キロヘルツ/マイクロ
秒)との比に基づいて、周波数上昇期間における単位時
間当りの周波数変化量(290キロヘルツ/マイクロ
秒)で検出されたビート周波数fbup(286キロヘ
ルツ)を、設計上の周波数変化量(300キロヘルツ/
マイクロ秒)である場合のビート周波数に換算する(補
正する)ことで、周波数上昇期間補正ビート周波数=2
95.9キロヘルツとする。
【0042】次に、周波数下降期間における単位時間当
りの周波数変化量(330キロヘルツ/マイクロ秒)と
設計上の周波数変化量(300キロヘルツ/マイクロ
秒)との比に基づいて、周波数下降期間における単位時
間当りの周波数変化量(330キロヘルツ/マイクロ
秒)で検出されたビート周波数fbdown(334キ
ロヘルツ)を、設計上の周波数変化量(300キロヘル
ツ/マイクロ秒)である場合のビート周波数に換算する
(補正する)ことで、周波数下降期間補正ビート周波数
=303.6キロヘルツとする。
【0043】そして、周波数上昇期間補正ビート周波数
=295.9キロヘルツと周波数下降期間補正ビート周
波数=303.6キロヘルツと設計上の周波数変化量
(300キロヘルツ/マイクロ秒)とに基づいて、距離
ならびに相対速度を求めると、距離は149.9メート
ルとなり、相対速度は9.6メートル/秒となり、距離
ならびに相対速度を精度良く求めることができる。
【0044】なお、周波数上昇期間と周波数下降期間で
単位時間当りの周波数変化量が異なっている場合は、周
波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化量と周
波数下降期間における単位時間当りの周波数変化量との
比に基づいて、周波数上昇期間で検出されたビート周波
数を、周波数下降期間における単位時間当りの周波数変
化量である場合のビート周波数に換算(補正)した後
に、周波数上昇期間補正ビート周波数と周波数下降期間
ビート周波数と周波数下降期間における単位時間当りの
周波数変化量とに基づいて距離,相対速度を求めるよう
にしてもよい。
【0045】また、周波数上昇期間と周波数下降期間で
単位時間当りの周波数変化量が異なっている場合は、周
波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化量と周
波数下降期間における単位時間当りの周波数変化量との
比に基づいて、周波数下降期間で検出されたビート周波
数を、周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変
化量である場合のビート周波数に換算(補正)した後
に、周波数下降期間補正ビート周波数と周波数上昇期間
ビート周波数と周波数上昇期間における単位時間当りの
周波数変化量とに基づいて距離,相対速度を求めるよう
にしてもよい。
【0046】相対速度がゼロの場合は、周波数上昇期間
で検出されたビート周波数と周波数上昇期間における単
位時間当りの周波数変化量とに基づいて距離を正確に求
めることができる。また、相対速度がゼロの場合は、周
波数下降期間で検出されたビート周波数と周波数下降期
間における単位時間当りの周波数変化量とに基づいて距
離を正確に求めることができる。
【0047】実際に送信している変調波(送信波)の単
位時間当りの周波数変化量は、距離が既知で相対速度が
ゼロである対象物のビート周波数に基づいて求めること
ができる。距離が既知であれば、既知の距離の2倍の距
離を電波が進むのに要する時間(送信波と受信波との時
間差)が求まり、ビート周波数と時間とから単位時間当
りの周波数変化量が求まる。
【0048】実際に送信している変調波(送信波)の単
位時間当りの周波数変化量は、既知の距離だけ隔てた第
1,第2の対象物であって相対速度がそれぞれゼロであ
る第1,第2の対象物に係る第1,第2のビート周波数
に基づいて求めることができる。
【0049】実際に送信している変調波(送信波)の単
位時間当りの周波数変化量は、第1の地点で検出された
相対速度がゼロである対象物に係る第1のビート周波数
と、第1の地点から対象物に向って既知の距離だけ隔て
た第2の地点で検出された対象物に係る第2のビート周
波数とに基づいて求めることができる。
【0050】実際に送信している変調波(送信波)の単
位時間当りの周波数変化量は、変調波を遅延時間が既知
の遅延手段を介して遅延させた遅延信号と変調波とのビ
ート周波数に基づいて求めることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図6はこの発明に係るFM−
CWレーダ装置のブロック構成図である。図6は車載用
でミリ波帯のFM−CWレーダ装置の一例を示してい
る。この発明に係るFM−CWレーダ装置1は、FM信
号発生部2と、掃引制御部3と、電力分配器4と、サー
キュレータ5と、送受信兼用アンテナ6と、混合部(ミ
キサ)7と、遅延手段8と、スイッチ回路9と、A/D
変換部10と、周波数解析(FFT:高速フーリエ変
換)部11と、距離・相対速度演算部12と、周波数変
化量測定部13と、設計値記憶部14と、実測値記憶部
15と、走行距離検出部16と、測定条件入力部17
と、表示制御部18と、画像表示装置19とからなる。
【0052】FM信号発生部2は、掃引制御部3から供
給される周波数指定電圧信号3aに基づいて周波数変調
されたFM信号2aを発生する。FM信号発生部2は、
ガンダイオードを用いた電圧制御発振器(VCO)を備
え、ミリ波帯(例えば中心周波数60ギガヘルツ)のF
M信号2aを発生する。FM信号発生部2は、FET
(電界効果トランジスタ)と可変容量ダイオードとを組
み合わせて構成した電圧制御発振器(VCO)で準ミリ
波帯の信号を発生させ、それを周波数逓倍することでミ
リ波帯のFM信号2aを発生するようにしてもよい。
【0053】掃引制御部3は、所定の周期周期で周波数
指定電圧が3角波状に変化する周波数指定電圧信号3a
を生成してFM信号発生部2へ供給することで、周波数
上昇期間と周波数下降期間とからなるFM信号2aを発
生させるとともに、周波数上昇期間であるか周波数下降
期間であるかを示す掃引情報3bを出力する。
【0054】FM信号発生部2から出力されたFM信号
2aは、方向性結合器等を用いて構成される電力分配器
4を介して分配され、一方の信号4aは送信信号として
サーキュレータ5を介して送受信兼用アンテナ6へ供給
され、送受信兼用アンテナ6から送信波TSとして放射
される。他方の信号4bは局部信号(ローカル信号)と
して混合部7へ供給される。また、他方の信号4bは遅
延手段8を介してスイッチ回路9の一方の入力端子へ供
給される。遅延手段8は、所定の遅延時間(例えば1マ
イクロ秒)を有する遅延線路で構成している。
【0055】受信波RSは送受信兼用アンテナ6で受信
されて受信信号へ変換され、サーキュレータ5ならびに
スイッチ回路9を介して混合部7へ供給される。混合部
7は、受信信号と局部信号(送信信号の一部)とを混合
して、受信信号の周波数と送信信号の周波数との差周波
数信号をビート信号7aとして出力する。ビート信号7
aはA/D変換部10へ供給される。A/D変換部10
は、ビート信号7aをA/D変換してデジタルビート信
号10aを出力する。デジタルビート信号10aは周波
数解析(FFT)部11へ供給される。
【0056】周波数解析(FFT)部11は、掃引情報
3bに基づいて周波数上昇期間と周波数下降期間とを識
別し、各期間毎に周波数解析を行なって、周波数スペク
トル(ビート周波数)11aを各期間との対応を付けて
出力する。周波数スペクトル(ビート周波数)11a
は、距離・相対速度演算部12ならびに周波数変化量測
定部13へ供給される。
【0057】距離・相対速度演算部12は、周波数上昇
期間ならびに周波数下降期間での各周波数スペクトル
(ビート周波数)11a、および、周波数変化量測定部
13から供給される周波数上昇期間ならびに周波数下降
期間における単位時間当りの周波数変化量13aに基づ
いて、対象物の距離ならびに相対速度を演算し、演算に
よって求めた対象物の距離および相対速度に係るデータ
12aを出力する。
【0058】表示制御部18は、距離・相対速度演算部
12から供給される対象物の距離および相対速度に係る
データ12aに基づいて、対象物の位置,距離,相対速
度等を表わす画像を生成し、生成した画像を画像表示装
置19の画面上に表示させる。 表示制御部18は、周
波数変化量測定部13から周波数変化量測定に係る情報
13bが供給された場合は、周波数変化量測定に係る情
報13bに基づいて測定条件を選択する画像や測定を行
なうための案内画像を生成して、生成した画像を画像表
示装置19の画面上に表示させる。画像表示装置19
は、CRTディスプレイ装置や液晶ディスプレイ装置を
用いて構成している。
【0059】設計値記憶部14には、単位時間当りの周
波数変化量(設計値)ならびに遅延手段8の遅延時間
(設計値)が予め登録されている。実測値記憶部15
は、周波数変化量測定部13によって測定された周波数
上昇期間における単位時間当りの周波数変化量(実測
値)、周波数下降期間における単位時間当りの周波数変
化量(実測値)、および、遅延手段8の遅延時間の測定
結果(遅延時間の実測値)を記憶する。実測値記憶部1
5は、EEPROMやバッテリバックアップされたRA
M等を用いて、このFM−CWレーダ装置1の電源が遮
断された場合でも各実測値を保持するよう構成してい
る。
【0060】走行距離検出部16は、車輪回転センサ等
を用いて構成している。車輪回転センサ等は、FM−C
Wレーダ装置1を搭載した車両の車輪が所定角度回転す
るたびに車輪回転検出パルス信号16aを出力するよう
にしている。そして、周波数変化量測定部13は、車輪
回転検出パルス信号16aが所定時間に亘って供給され
ないことにに基づいて車両が停止状態にあることを検出
したり、車輪回転検出パルス信号16aのパルス数を積
算することで車輪の回転数を求めるとともに、予め設定
した車輪1回転当りの走行距離に基づいて車両の走行距
離を求めるようにしている。
【0061】測定条件入力部17は、キーボード等を用
いて構成している。測定条件入力部17は、周波数変化
量の測定を開始させるための操作部,測定条件を選択し
たり設定するための操作部等を備えている。なお、測定
条件入力部17は、画像表示装置19の画面上に配設し
た透明タッチパネルを用いて構成してもよい。
【0062】周波数変化量測定部13は、実測値記憶部
15に周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変
化量(実測値)、周波数下降期間における単位時間当り
の周波数変化量(実測値)が格納されていない場合は、
設計値記憶部14に格納されている単位時間当りの周波
数変化量(設計値)を距離・相対速度演算部12へ供給
する。周波数変化量測定部13は、実測値記憶部15に
周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化量
(実測値)、周波数下降期間における単位時間当りの周
波数変化量(実測値)が格納されている場合は、それら
の各周波数変化量(実測値)を距離・相対速度演算部1
2へ供給する。
【0063】周波数変化量測定部13は、測定条件入力
部17から測定要求が供給されると、表示制御部18を
介して画像表示装置19の画面上に測定条件を設定させ
るためのメニュー画面を表示させる。測定条件は4種類
である。第1の測定条件は、距離が既知である対象物を
用いて周波数変化量の測定を行なうものである。第2の
測定条件は、2つの対象物があってその距離が既知であ
る場合にその2つの対象物を用いて周波数変化量の測定
を行なうものである。第3の測定条件は、対象物に向っ
て車両を移動させることで周波数変化量の測定を行なう
ものである。第4の測定条件は、遅延手段を用いて周波
数変化量の測定を行なうものである。
【0064】第1の測定条件が選択されると周波数変化
量測定部13は、画像表示装置19に対象物までの距離
の入力を促す画面を表示させる。測定条件入力部17か
ら対象物までの距離が入力されると、周波数変化量測定
部13は周波数変化量の測定を開始する。なお、第1の
測定条件で周波数変化量の測定を行なう際の対象物まで
の距離が予め決まっている場合は、対象物までの距離を
入力する必要がない。なお、この場合は、予め決まって
いる対象物までの距離を設計値記憶部14等に予め格納
しておく必要がある。
【0065】周波数変化量測定部13は、走行距離検出
部16から車輪回転検出パルス信号16aが所定時間に
亘って供給されないことに基づいて車両が停止状態にあ
ることを確認する。周波数変化量測定部13は、周波数
解析(FFT)部11から供給される周波数上昇期間の
ビート周波数が異なる時刻で変動していないこと、なら
びに、周波数解析(FFT)部11から供給される周波
数下降期間のビート周波数が異なる時刻で変動していな
いことに基づいて、対象物が静止物体であることを確認
する。
【0066】以上によって、FM−CWレーダ装置1と
対象物との間に相対速度がないことを確認した後に、周
波数変化量測定部13は、周波数上昇期間のビート周波
数と対象物までの距離とに基づいて周波数上昇期間にお
ける単位時間当りの周波数変位量を求める。さらに、周
波数変化量測定部13は、周波数下降期間のビート周波
数と対象物までの距離とに基づいて周波数下降期間にお
ける単位時間当りの周波数変位量を求める。
【0067】例えば、対象物までの距離が15メートル
であり、その対象物に係るビート周波数が周波数上昇期
間,周波数下降期間ともに30キロヘルツである場合、
距離15メートルを電波が往復する時間(0.1マイク
ロ秒)で変調波の周波数が30キロヘルツ変化している
ことになるから、変調波の単位時間当りの周波数変位量
が300キロヘルツ/マイクロ秒であることが求まる。
【0068】そして、周波数変化量測定部13は、求め
た各期間の単位時間当りの周波数変位量を実測値記憶部
15にそれぞれ格納する。なお、周波数変化量測定部1
3は、測定条件との対応をつけて各期間の単位時間当り
の周波数変位量を実測値記憶部15に格納するようにし
てもよい。
【0069】第2の測定条件が選択されると周波数変化
量測定部13は、画像表示装置19に2つの対象物間の
距離の入力を促す画面を表示させる。なお、FM−CW
レーダ装置と2つの対象物は一直線上に配置される。測
定条件入力部17から2つの対象物間の距離が入力され
ると、周波数変化量測定部13は周波数変化量の測定を
開始する。なお、第2の測定条件で周波数変化量の測定
を行なう際の対象物間距離が予め決まっている場合は、
対象物間距離を入力する必要がない。なお、この場合
は、予め決まっている対象物間距離を設計値記憶部14
等に予め格納しておく必要がある。
【0070】周波数変化量測定部13は、走行距離検出
部16から車輪回転検出パルス信号16aが所定時間に
亘って供給されないことに基づいて車両が停止状態にあ
ることを確認する。周波数変化量測定部13は、周波数
解析(FFT)部11から供給される周波数上昇期間の
各ビート周波数が異なる時刻で変動していないこと、な
らびに、周波数解析(FFT)部11から供給される周
波数下降期間の各ビート周波数が異なる時刻で変動して
いないことに基づいて、対象物が静止物体であることを
確認する。
【0071】以上によって、FM−CWレーダ装置1と
対象物との間に相対速度がないことを確認した後に、周
波数変化量測定部13は、周波数上昇期間で検出された
第1の対象物に係る第1のビート周波数と第2の対象物
に係る第2のビート周波数との差と、対象物間の距離と
に基づいて周波数上昇期間における単位時間当りの周波
数変位量を求める。さらに、周波数変化量測定部13
は、周波数下降期間で検出された第1の対象物に係る第
1のビート周波数と第2の対象物に係る第2のビート周
波数との差と、対象物間の距離とに基づいて周波数上昇
期間における単位時間当りの周波数変位量を求める。
【0072】例えば、対象物間の距離が30メートルで
あり、第1の対象物に係る第1のビート周波数と第2の
対象物に係る第2のビート周波数との差が60キロヘル
ツである場合、第1の対象物からの反射波と第2の対象
物からの反射波との時間差は0.2マイクロ秒(30メ
ートル×2/光速)であり、この0.2マイクロ秒の間
に変調波の周波数が60キロヘルツ変化していることに
なるから、変調波の単位時間当りの周波数変位量が30
0キロヘルツ/マイクロ秒であることが求まる。
【0073】そして、周波数変化量測定部13は、求め
た各期間の単位時間当りの周波数変位量を実測値記憶部
15にそれぞれ格納する。なお、周波数変化量測定部1
3は、測定条件との対応をつけて各期間の単位時間当り
の周波数変位量を実測値記憶部15に格納するようにし
てもよい。
【0074】第3の測定条件が選択されると周波数変化
量測定部13は、適当な対象物に対して数10メートル
離れた位置で車両を停止させることを指示するメッセー
ジを画像表示装置19の画面上に表示させる。周波数変
化量測定部13は、走行距離検出部16から車輪回転検
出パルス信号16aが所定時間に亘って供給されないこ
とに基づいて車両が停止状態にあることを確認する。周
波数変化量測定部13は、周波数解析(FFT)部11
から供給される周波数上昇期間のビート周波数が異なる
時刻で変動していないこと、ならびに、周波数解析(F
FT)部11から供給される周波数下降期間のビート周
波数が異なる時刻で変動していないことに基づいて、対
象物が静止物体であることを確認する。
【0075】周波数変化量測定部13は、対象物が静止
物体であることを確認すると、周波数上昇期間のビート
周波数ならびに周波数下降期間のビート周波数(第1地
点での各期間のビート周波数)を、周波数変化量測定部
13内のRAM等に一時記憶する。周波数変化量測定部
13は、第1地点での各期間のビート周波数の検出が終
了すると、対象物に向って対象物までの距離に半分程度
のところまで車両を移動させることを指示するメッセー
ジを画像表示装置19の画面上に表示させる。周波数変
化量測定部13は、車輪回転検出パルス信号16aのパ
ルス数を積算することで車輪の回転数を求めるととも
に、予め設定した車輪1回転当りの走行距離に基づいて
車両の走行距離を求める。
【0076】周波数変化量測定部13は、車輪回転検出
パルス信号16aが所定時間に亘って供給されなくなっ
たことに基づいて車両が停止したことを確認する。周波
数変化量測定部13は、周波数解析(FFT)部11か
ら供給される周波数上昇期間のビート周波数が異なる時
刻で変動していないこと、ならびに、周波数解析(FF
T)部11から供給される周波数下降期間のビート周波
数が異なる時刻で変動していないことに基づいて、対象
物が静止物体であることを再度確認すると、車両移動後
の地点(第2の地点)での周波数上昇期間のビート周波
数ならびに周波数下降期間のビート周波数を求める。
【0077】そして、周波数変化量測定部13は、第1
地点での周波数上昇期間のビート周波数と第2地点での
周波数上昇期間のビート周波数との差、ならびに、第1
地点と第2地点間の距離とに基づいて周波数上昇期間に
おける単位時間当りの周波数変化量を求め、第1地点で
の周波数下降期間のビート周波数と第2地点での周波数
下降期間のビート周波数との差、ならびに、第1地点と
第2地点間の距離とに基づいて周波数下降期間における
単位時間当りの周波数変化量を求める。
【0078】例えば、第1地点でのビート周波数が20
0キロヘルツ、第2地点でのビート周波数が100キロ
ヘルツ、2地点間の距離が50メートルである場合、1
/3マイクロ秒(50メートル×2/光速)の時間差で
100キロヘルツ(200キロヘルツ−100キロヘル
ツ)の周波数変位量となっていることから、変調波の単
位時間当りの周波数変位量が300キロヘルツ/マイク
ロ秒であることが求まる。
【0079】そして、周波数変化量測定部13は、求め
た各期間の単位時間当りの周波数変位量を実測値記憶部
15にそれぞれ格納する。なお、周波数変化量測定部1
3は、測定条件との対応をつけて各期間の単位時間当り
の周波数変位量を実測値記憶部15に格納するようにし
てもよい。
【0080】第4の測定条件が選択されると周波数変化
量測定部13は、スイッチ切替制御信号13cを出力し
て、遅延手段8の遅延出力が混合部7へ供給されるよう
にスイッチ回路9を切り替えさせる。これにより、混合
部7には局部信号4bと、その局部信号4bを所定時間
遅延させた遅延信号8aが供給され、混合部7から局部
信号4bと遅延信号8aと瞬時周波数の差であるビート
信号7aが出力される。周波数変化量測定部13は、周
波数解析(FFT)部11から供給されるビート周波数
と、設計値記憶部14に格納されている遅延手段8の遅
延時間(設計値)とに基づいて、周波数上昇期間ならび
に周波数下降期間における単位時間当りの周波数変化量
をそれぞれ求める。
【0081】例えば、遅延手段8の遅延時間が1マイク
ロ秒であり、ビート周波数が300キロヘルツである場
合、変調波の単位時間当りの周波数変位量が300キロ
ヘルツ/マイクロ秒であることが求まる。
【0082】そして、周波数変化量測定部13は、求め
た各期間の単位時間当りの周波数変位量を実測値記憶部
15にそれぞれ格納する。なお、周波数変化量測定部1
3は、測定条件との対応をつけて各期間の単位時間当り
の周波数変位量を実測値記憶部15に格納するようにし
てもよい。
【0083】遅延手段8の遅延時間が既知でない場合、
ならびに、第1〜第3の測定方法によって単位時間当り
の周波数変化量が精度良く求めれておりその単位時間当
りの周波数変化量と第4の測定方法によって求めた単位
時間当りの周波数変化量との間に誤差が発生している場
合、周波数変化量測定部13は、第1〜第3の測定方法
によって求められた単位時間当りの周波数変化量と第4
の測定方法で検出されたビート周波数とに基づいて、遅
延手段8の遅延時間を求め、求めた遅延時間を実測値記
憶部15に格納するようにしてもよい。実測値記憶部1
5に遅延手段8の遅延時間の実測値が格納されている場
合、周波数変化量測定部13は、第4の測定方法が指定
されたときは、実測値記憶部15に記憶されている遅延
時間の実測値を用いて単位時間当りの周波数変化量の測
定を行なう。
【0084】第1の測定方法は、FM−CWレーダ装置
を搭載した車両と対象物との距離を正確に保つ必要があ
る。これに対して第2の測定方法は、車両と対象物との
距離は任意でよいが、距離が既知である2つの対象物が
必要である。第3の測定方法は、対象物までの距離や対
象物間の距離が既知である必要はないが、FM−CWレ
ーダ装置を搭載した車両を移動させるのでその移動距離
を測定する必要がある。第4の測定方法は、対象物が不
要であるとともに、車両が走行状態であっても周波数変
化量を測定することができる。
【0085】なお、本実施の形態では複数の測定方法に
対応できる構成を示したが、周波数変化量測定部13
は、いずれか一つの測定方法で単位時間当りの周波数変
化量が測定できる構成であれば充分である。第3の測定
方法(車両の移動距離を利用する方法)を使用しない場
合は、走行距離検出部16を設ける必要はない。第4の
測定方法(遅延手段8の遅延時間を利用する測定方法)
を用いる場合は、測定条件入力部17を設けずに、周波
数変化量測定部13が単位時間当りの周波数変化量の測
定を、例えば定期的に行なうようにしてもよい。
【0086】周波数変化量測定部13は、測定によって
求めた各期間毎の単位時間当りの周波数偏位量を距離・
相対速度演算部12へ供給する。なお、実測値記憶部1
5に複数の測定方法毎に測定結果が格納されている場
合、周波数変化量測定部13は、最新の測定で求められ
た各期間毎の単位時間当りの周波数偏位量を距離・相対
速度演算部12へ供給するようにしている。また、ここ
では測定条件を入力させるようにしたが、測定条件を自
動的に判断し、その判別した条件に基づいて周波数変化
量を測定するようにしてもよい。
【0087】距離・相対速度演算部12は、周波数解析
(FFT)部11から供給される周波数上昇期間ならび
に周波数下降期間での各周波数スペクトル(ビート周波
数)11a、および、周波数変化量測定部13から供給
される周波数上昇期間ならびに周波数下降期間における
単位時間当りの周波数変化量13aに基づいて、対象物
の距離ならびに相対速度を演算する。
【0088】周波数上昇期間と周波数下降期間の単位時
間当りの周波数変化量が一致している場合、距離・相対
速度演算部12は、周波数上昇期間のビート周波数fb
upと周波数下降期間のビート周波数fbdownとの
和を1/2することで、距離に係る周波数frを求め
る。 fr=(fbup+fbdown)/2 そして、距離に係る周波数frと単位時間当りの周波数
変化量とに基づいて対象物までの距離を求める。また、
距離・相対速度演算部12は、周波数上昇期間のビート
周波数fbupと周波数下降期間のビート周波数fbd
ownとの差を1/2することで、ドップラ周波数fd
を求める。 fd=(fbup−fbdown)/2 そして、ドップラ周波数fdから相対速度を求める。
【0089】例えば、変調波(送信波)の中心周波数f
0が60ギガヘルツで、周波数上昇期間における単位時
間当りの周波数変化量ならびに周波数下降期間における
単位時間当りの周波数変化量がともに300キロヘルツ
/マイクロ秒であり、周波数上昇期間におけるビート周
波数fbupが296キロヘルツ,周波数下降期間にお
けるビート周波数fbdownが304キロヘルツであ
る場合、距離に係るビート周波数frが300キロヘル
ツであることが求まり、この距離に係るビート周波数f
r(fr=300キロヘルツ)と単位時間当りの周波数
変化量(300キロヘルツ/マイクロ秒)とから対象物
の距離が150メートルであることが求まる(正確に
は、送信波と受信波の時間差が求まり、その時間差と光
速Cとから距離が求まる)。また、ドップラ周波数fd
が4ヘルツであることが求まり、中心周波数f0(f0
=60ギガヘルツ)においてドップラ周波数fd(fd
=4ヘルツ)となる場合の相対速度が10メートル/秒
であることが求まる。
【0090】周波数上昇期間と周波数下降期間の単位時
間当りの周波数変化量が一致していない場合、距離・相
対速度演算部12は、周波数上昇期間における単位時間
当りの周波数変化量と周波数下降期間における単位時間
当りの周波数変化量との比に基づいて、周波数上昇期間
で検出されたビート周波数を、周波数下降期間における
単位時間当りの周波数変化量である場合のビート周波数
に換算(補正)した後に、周波数上昇期間補正ビート周
波数と周波数下降期間ビート周波数と周波数下降期間に
おける単位時間当りの周波数変化量とに基づいて距離,
相対速度を求める。
【0091】また、周波数上昇期間と周波数下降期間の
単位時間当りの周波数変化量が一致していない場合、距
離・相対速度演算部12は、周波数上昇期間における単
位時間当りの周波数変化量と周波数下降期間における単
位時間当りの周波数変化量との比に基づいて、周波数下
降期間で検出されたビート周波数を、周波数上昇期間に
おける単位時間当りの周波数変化量である場合のビート
周波数に換算(補正)した後に、周波数上昇期間ビート
周波数と周波数下降期間補正ビート周波数と周波数上昇
期間における単位時間当りの周波数変化量とに基づいて
距離,相対速度を求めるようにしてもよい。
【0092】さらに、周波数上昇期間と周波数下降期間
の単位時間当りの周波数変化量が一致していない場合、
距離・相対速度演算部12は、周波数上昇期間における
単位時間当りの周波数変化量と設計上の単位時間当りの
周波数変化量(設計値)との比に基づいて、周波数上昇
期間で検出されたビート周波数を、周波数上昇期間にお
ける単位時間当りの周波数変化量が設計値である場合の
ビート周波数に換算(補正)するとともに、周波数下降
期間における単位時間当りの周波数変化量と設計上の単
位時間当りの周波数変化量(設計値)との比に基づい
て、周波数下降期間で検出されたビート周波数を、周波
数下降期間における単位時間当りの周波数変化量が設計
値である場合のビート周波数に換算(補正)した後に、
周波数上昇期間補正ビート周波数と周波数下降期間補正
ビート周波数と設計上の単位時間当りの周波数変化量
(設計値)とに基づいて距離,相対速度を求めるように
してもよい。
【0093】例えば、設計上の単位時間当りの周波数変
化量(設計値)が300キロヘルツ/マイクロ秒である
のに対して、実際に送信される変調信号の周波数上昇期
間における単位時間当りの周波数変化量が例えば290
キロヘルツ/マイクロ秒に、実際に送信される変調信号
の周波数下降期間における単位時間当りの周波数変化量
が例えば330キロヘルツ/マイクロ秒になった場合、
距離が150メートル,相対速度+10メートル/秒の
対象物(秒速10mで近づいてくる対象物)の周波数上
昇期間におけるビート周波数fbupは286キロヘル
ツ,周波数下降期間におけるビート周波数fbdown
は334キロヘルツとなる。
【0094】ここで、実際に送信される変調信号の周波
数変化量が設計値(300キロヘルツ/マイクロ秒)で
あるとして距離を求めると、距離は155メートルとな
り、実際の距離150メートルとの間に誤差が生ずる。
また、相対速度は120メートル/秒となり、実際の相
対速度10メートル/秒と大きく異なってしまう。そこ
で、周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変化
量(290キロヘルツ/マイクロ秒)と設計上の周波数
変化量(300キロヘルツ/マイクロ秒)との比に基づ
いて、周波数上昇期間における単位時間当りの周波数変
化量(290キロヘルツ/マイクロ秒)で検出されたビ
ート周波数fbup(286キロヘルツ)を、設計上の
周波数変化量(300キロヘルツ/マイクロ秒)である
場合のビート周波数に換算する(補正する)ことで、周
波数上昇期間補正ビート周波数=295.9キロヘルツ
とする。
【0095】次に、周波数下降期間における単位時間当
りの周波数変化量(330キロヘルツ/マイクロ秒)と
設計上の周波数変化量(300キロヘルツ/マイクロ
秒)との比に基づいて、周波数下降期間における単位時
間当りの周波数変化量(330キロヘルツ/マイクロ
秒)で検出されたビート周波数fbdown(334キ
ロヘルツ)を、設計上の周波数変化量(300キロヘル
ツ/マイクロ秒)である場合のビート周波数に換算する
(補正する)ことで、周波数下降期間補正ビート周波数
=303.6キロヘルツとする。
【0096】そして、周波数上昇期間補正ビート周波数
=295.9キロヘルツと周波数下降期間補正ビート周
波数=303.6キロヘルツと設計上の周波数変化量
(300キロヘルツ/マイクロ秒)とに基づいて、距離
ならびに相対速度を求めると、距離は149.9メート
ルとなり、相対速度は9.6メートル/秒となり、距離
ならびに相対速度を精度良く求めることができる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係るFM
−CWレーダ装置は、変調波の単位時間当りの周波数変
化量を求める周波数変化量測定部を備え、この周波数変
化量測定部で求めた単位時間当りの周波数変化量を用い
て対象物の距離を求める構成としたので、変調信号を生
成する電圧制御発振器(VCO)の周波数指定電圧−発
振周波数特性のばらつきや経時変化によって、実際に送
信される変調信号の単位時間当りの周波数変化量が設計
上の値からずれてしまった場合でも、実測した単位時間
当りの周波数変化量に基づいて対象物の距離・相対速度
を演算することができる。よって、距離ならびに相対速
度を正確に求めることができる。
【0098】この発明に係るFM−CWレーダ装置にお
ける距離・相対速度算出方法は、変調波の単位時間当り
の周波数変化量を測定し、測定された単位時間当りの周
波数変化量に基づいて対象物の距離・相対速度を演算す
るので、実際に送信される変調信号の単位時間当りの周
波数変化量が変動した場合でも、距離ならびに相対速度
を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】対象物が静止している場合(相対速度がない場
合)の送信波,受信波およびビート周波数の関係を示す
説明図
【図2】対象物がFM−CWレーダ装置側に近づく方向
に移動している場合の送信波,受信波およびビート周波
数の関係を示す説明図
【図3】対象物がFM−CWレーダ装置側から遠ざかる
方向に移動している場合の送信波,受信波およびビート
周波数の関係を示す説明図
【図4】送信波の周波数掃引の変動例を示す説明図
【図5】送信波の周波数掃引の他の変動例を示す説明図
【図6】この発明に係るFM−CWレーダ装置のブロッ
ク構成図
【符号の説明】
1…FM−CWレーダ装置、2…FM信号発生部、3…
掃引制御部、4…電力分配器、5…サーキュレータ、6
…送受信兼用アンテナ、7…混合部、8…遅延手段、9
…スイッチ回路、10…A/D変換部、11…周波数解
析(FFT)部、12…距離・相対速度演算部、13…
周波数変化量測定部、14…設計値記憶部、15…実測
値記憶部、16…走行距離検出部、17…測定条件入力
部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が上昇・下降を繰り返す変調波を
    送信し、対象物で反射された反射波を受信し、送信波の
    周波数と受信波の周波数との差であるビート周波数に基
    づいて対象物の距離を求めるFM−CWレーダ装置にお
    いて、 前記変調波の単位時間当りの周波数変化量を求める周波
    数変化量測定部を備え、この周波数変化量測定部で求め
    た単位時間当りの周波数変化量を用いて対象物の距離を
    求めることを特徴とするFM−CWレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数変化量測定部は、周波数上昇
    期間における単位時間当りの周波数変化量と周波数下降
    期間における単位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ
    求め、周波数上昇期間におけるビート周波数と周波数上
    昇期間における単位時間当りの周波数変化量に基づいて
    対象物の距離を求め、周波数下降期間におけるビート周
    波数と周波数下降期間における単位時間当りの周波数変
    化量に基づいて対象物の距離を求めることを特徴とする
    請求項1記載のFM−CWレーダ装置。
  3. 【請求項3】 周波数が上昇・下降を繰り返す変調波を
    送信し、対象物で反射された反射波を受信し、周波数上
    昇期間における送信波の周波数と受信波の周波数との差
    である周波数上昇期間ビート周波数と周波数下降期間に
    おける送信波の周波数と受信波の周波数との差である周
    波数下降期間ビート周波数とに基づいて対象物の相対距
    離および相対速度を求めるFM−CWレーダ装置におい
    て、 前記変調波の周波数上昇期間における単位時間当りの周
    波数変化量、ならびに、前記変調波の周波数下降期間に
    おける単位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ求める
    周波数変化量測定部を備え、 周波数変化量測定部で測定された周波数上昇期間におけ
    る単位時間当りの周波数変化量と周波数変化量測定部で
    測定された周波数下降期間における単位時間当りの周波
    数変化量とが同一である場合には、周波数上昇期間ビー
    ト周波数と周波数下降期間ビート周波数との差に基づい
    て相対速度を求めるとともに、周波数上昇期間ビート周
    波数と周波数下降期間ビート周波数との和に基づいて距
    離に係るビート周波数を求め、求めた距離に係るビート
    周波数と前記周波数変化量測定部で測定された単位時間
    当りの周波数変化量とに基づいて対象物の距離を求め、 周波数変化量測定部で測定された周波数上昇期間におけ
    る単位時間当りの周波数変化量と周波数変化量測定部で
    測定された周波数下降期間における単位時間当りの周波
    数変化量とが異なる場合には、周波数上昇期間ビート周
    波数と周波数下降期間ビート周波数とのいずれか一方ま
    たは両方を補正して周波数上昇期間における単位時間当
    りの周波数変化量と周波数下降期間における単位時間当
    りの周波数変化量とが等しい場合の補正ビート周波数を
    求め、周波数上昇期間補正ビート周波数と周波数下降期
    間補正ビート周波数とに基づいて対象物の相対距離およ
    び相対速度を求めることを特徴とするFM−CWレーダ
    装置。
  4. 【請求項4】 周波数が上昇・下降を繰り返す変調波を
    送信し、対象物で反射された反射波を受信し、周波数上
    昇期間における送信波の周波数と受信波の周波数との差
    である周波数上昇期間ビート周波数と周波数下降期間に
    おける送信波の周波数と受信波の周波数との差である周
    波数下降期間ビート周波数とに基づいて対象物の相対距
    離および相対速度を求めるFM−CWレーダ装置におい
    て、 前記変調波の周波数上昇期間における単位時間当りの周
    波数変化量、ならびに、前記変調波の周波数下降期間に
    おける単位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ求める
    周波数変化量測定部を備え、 前記周波数変化量測定部で求めた周波数上昇期間におけ
    る単位時間当りの周波数変化量と予め設定した基準の単
    位時間当りの周波数変化量との比に基づいて前記周波数
    上昇期間ビート周波数を予め設定した基準の単位時間当
    りの周波数変化量であった場合の上昇期間ビート周波数
    へ補正し、 前記周波数変化量測定部で求めた周波数下降期間におけ
    る単位時間当りの周波数変化量と予め設定した基準の単
    位時間当りの周波数変化量との比に基づいて前記周波数
    下降期間ビート周波数を予め設定した基準の単位時間当
    りの周波数変化量であった場合の減少期間ビート周波数
    へ補正し、 補正された周波数上昇期間補正ビート周波数と補正され
    た周波数下降期間補正ビート周波数とに基づいて対象物
    の相対距離および相対速度を求めることを特徴とするF
    M−CWレーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記周波数変化量測定部は、距離が既知
    で相対速度がゼロである対象物のビート周波数に基づい
    て前記変調波の単位時間当りの周波数変化量を求めるこ
    とを特徴とする請求項1,2,3または4記載のFM−
    CWレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記周波数変化量測定部は、既知の距離
    だけ隔てた第1,第2の対象物であって相対速度がそれ
    ぞれゼロである第1,第2の対象物に係る第1,第2の
    ビート周波数に基づいて前記変調波の単位時間当りの周
    波数変化量を求めることを特徴とする請求項1,2,3
    または4記載のFM−CWレーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記周波数変化量測定部は、第1の地点
    で検出された相対速度がゼロである対象物に係る第1の
    ビート周波数と、第1の地点から前記対象物に向って既
    知の距離だけ隔てた第2の地点で検出された前記対象物
    に係る第2のビート周波数とに基づいて前記変調波の単
    位時間当りの周波数変化量を求めることを特徴とする請
    求項1,2,3または4記載のFM−CWレーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記周波数変化量測定部は、前記変調波
    を遅延時間が既知の遅延手段を介して遅延させた遅延信
    号と前記変調波とのビート周波数に基づいて前記変調波
    の単位時間当りの周波数変化量を求めることを特徴とす
    る請求項1,2,3,または4記載のFM−CWレーダ
    装置。
  9. 【請求項9】 周波数が上昇・下降を繰り返す変調波を
    送信し、対象物で反射された反射波を受信し、周波数上
    昇期間における送信波の周波数と受信波の周波数との差
    である周波数上昇期間ビート周波数と周波数下降期間に
    おける送信波の周波数と受信波の周波数との差である周
    波数下降期間ビート周波数とに基づいて対象物の相対距
    離および相対速度を求めるFM−CWレーダ装置におけ
    る距離・速度算出方法において、 前記変調波の周波数上昇期間における単位時間当りの周
    波数変化量、ならびに、前記変調波の周波数下降期間に
    おける単位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ測定に
    よって求めた後に、 測定された周波数上昇期間における単位時間当りの周波
    数変化量と測定された周波数下降期間における単位時間
    当りの周波数変化量とが同一である場合には、周波数上
    昇期間ビート周波数と周波数下降期間ビート周波数との
    差に基づいて相対速度を求めるとともに、周波数上昇期
    間ビート周波数と周波数下降期間ビート周波数との和に
    基づいて距離に係るビート周波数を求め、求めた距離に
    係るビート周波数と前記測定された単位時間当りの周波
    数変化量とに基づいて対象物の距離を求め、 測定された周波数上昇期間における単位時間当りの周波
    数変化量と測定された周波数下降期間における単位時間
    当りの周波数変化量とが異なる場合には、 周波数上昇期間ビート周波数と周波数下降期間ビート周
    波数とのいずれか一方または両方を補正して周波数上昇
    期間における単位時間当りの周波数変化量と周波数下降
    期間における単位時間当りの周波数変化量とが等しい場
    合の補正ビート周波数を求め、 周波数上昇期間補正ビート周波数と周波数下降期間補正
    ビート周波数とに基づいて対象物の相対距離および相対
    速度を求めることを特徴とするFM−CWレーダ装置に
    おける距離・相対速度算出方法。
  10. 【請求項10】 周波数が上昇・下降を繰り返す変調波
    を送信し、対象物で反射された反射波を受信し、周波数
    上昇期間における送信波の周波数と受信波の周波数との
    差である周波数上昇期間ビート周波数と周波数下降期間
    における送信波の周波数と受信波の周波数との差である
    周波数下降期間ビート周波数とに基づいて対象物の相対
    距離および相対速度を求めるFM−CWレーダ装置にお
    ける距離・速度算出方法において、 前記変調波の周波数上昇期間における単位時間当りの周
    波数変化量、ならびに、前記変調波の周波数下降期間に
    おける単位時間当りの周波数変化量とをそれぞれ測定に
    よって求めた後に、 測定された周波数上昇期間における単位時間当りの周波
    数変化量と予め設定した基準の単位時間当りの周波数変
    化量との比に基づいて前記周波数上昇期間ビート周波数
    を予め設定した基準の単位時間当りの周波数変化量であ
    った場合の上昇期間ビート周波数へ補正し、 測定された周波数下降期間における単位時間当りの周波
    数変化量と予め設定した基準の単位時間当りの周波数変
    化量との比に基づいて前記周波数下降期間ビート周波数
    を予め設定した基準の単位時間当りの周波数変化量であ
    った場合の減少期間ビート周波数へ補正し、 補正された周波数上昇期間補正ビート周波数と補正され
    た周波数下降期間補正ビート周波数とに基づいて対象物
    の相対距離および相対速度を求めることを特徴とするF
    M−CWレーダ装置における距離・相対速度算出方法。
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