JP2864159B2 - 間欠fm―cwレーダ - Google Patents

間欠fm―cwレーダ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 間欠的なCWモードを取入れた間欠FM−CWレーダに関
し、 計測データの正異常をレーダの信頼性低下要因によら
ず判定できるようにすることを目的とし、 搬送波に所定の変調信号でFM変調をかけて送信するFM
モードと、該搬送波だけを送信するCWモードとを周期的
に繰り返し、目標からの反射波を受信して送信波とのビ
ート信号を得る間欠FM−CWレーダにおいて、FMモードで
得られたビート信号のアップビート周波数とダウンビー
ト周波数から両者の周波数差を算出する手段と、CWモー
ドで得られたビート信号の周波数と前記周波数差との偏
差を算出する手段と、該偏差と所定の許容誤差とを比較
し、該偏差小のときには正常、該偏差大のときは異常の
出力を生ずる手段と、前記許容誤差を計測精度に応じて
可変設定する手段とを備える構成とする。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、間欠的なCWモードを取入れた間欠FM−CWレ
ーダに関する。
搬送波CWを三角波等でFM変調して送信するFM−CWレー
ダは、目標の速度だけでなく距離も測定できるため、車
両の衝突防止レーダ等として利用できる。しかし、一般
的なFM−CWレーダは近距離を高速で走行する目標のデー
タを正確に検出できないため、これを補完すべく速度だ
けを正確に検出できるCWモードを間欠的に導入した間欠
FM−CWレーダが有効になる。
〔従来の技術〕 一般的なFM−CWレーダは搬送波CWを三角波でFM変調し
て送信波Tを作り、これを第4図(a)のようにアンテ
ナから送信する。この送信波Tで目標が捕捉されると、
その反射波(受信波)Rはt=2r/Cなる時間遅れを持っ
て受信される(Cは搬送波CWの速度、rは目標との距
離)。
同図(b)のTは送信波(三角波だけを示す。以下同
様)、R1〜R3は相対距離rの目標からの受信波を示して
いる。R1は目標の相対速度Vが0の場合である。この目
標相対速度Vを持つとドップラシフトの影響を受けるた
め受信波はR2のように周波数軸方向にシフトする。この
場合は送信波Tの周波数が増加する場合のアップビート
周波数fupと低下する場合のダウンビート周波数fdnから
目標の距離周波数frと速度(ドップラ)周波数fdを次式
で求めることができる。
ところが速度Vが更に大きくなって距離周波数frがド
ップラ周波数fdより大きくなると、受信波はR3のように
なってアップビート周波数fupの極性がR2の場合と逆に
なる。この場合は でfr,fdを算出できるが、受信波がR2かR3かを区別でき
ないと,の適用ミスによって測定誤差が生ずる。こ
のような問題は近距離の目標が高速で近接(または離
反)する場合に生ずるので、衝突防止用レーダとしては
甚だ不都合である。
この問題を解決する間欠FM−CWレーダでは定期的にFM
変調を中断し、その期間に搬送波CWだけを送信してドッ
プラ周波数を測定する。このCWモードのドップラ周波数
はFM−CWモード(以下、単にFMモードと呼ぶ)の式
から算出される2種類のドップラ周波数の一方と一致す
るので、その結果から式のいずれを適用すれば良い
かが判明する。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、FM−CWレーダの信頼性が低下している場合
はドップラ周波数の比較結果そのものに誤差が含まれる
ので、この結果に基づくまたは式の適用は不正確に
なる。
FM−CWレーダの信頼性低下要因には、S/Nの低下、
マルチターゲットによるセンサ出力(ビート信号)波
形の歪み、大きな反射断面積、或いは近距離の目標に
よるセンサ出力の飽和、大きな相対速度でアップ又は
ダウンビート周波数の一方がフィルタ帯域から外れるこ
と(FM信号の周波数が低いほど生じやすい)、等があ
る。
このうちのS/N低下は受信レベルをモニタすること
により判別できるため、S/N低下時に前のデータを保持
するか、異常データ除去する等の対処が可能であるが、
他の要因は受信レベルだけで検出することはできないの
で、異常データをそのまま使用してしまう不都合があ
る。
本発明は、FM−CWレーダの信頼性が低下したか否か、
換言すれば得られた計測データが正常が否かを信頼性低
下要因によらず判定可能とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理図で、AはFMモードのアップビ
ート周波数fupダウンビート周波数fdnの差fd2=fup−f
dnを算出するビート周波数差算出手段、BはCWモードで
得られたビート信号の周波数(ドップラ周波数)fd1
上記のビート周波数差fd2との偏差|fd1−fd2|を算出す
るドップラ周波数偏差算出手段、Cは上記の偏差と所定
の許容誤差εとを比較し、偏差小のときは正常、偏差大
のときは異常の出力を生ずる比較手段、Dは許容誤差ε
を計測精度に応じて可変設定する許容誤差設定手段であ
る。この手段Dは要求される速度精度(1カウント誤
差)の例えば2倍を許容誤差εとして出力するマップで
ある。
〔作用〕
第2図は本発明の動作波形図である。間欠FM−CWレー
ダではFMモードとCWモードを周期的に繰り返し、FMモー
ドでは送信波Tと受信波Rのビート信号は目標の距離と
速度に応じたアップビート周波数fupとダウンビート周
波数fdnを持つ。これに対しCWモードでは目標の速度に
応じたビート周波数、つまりドップラ周波数fd1しか得
ることはできない。しかし、このCWモードのドップラン
周波数fd1は精度が良いので、FMモードのドップラ周波
数、従ってその基になるビート周波数差fd2との偏差|f
d1−fd2|はfd2が正常であれば所定の許容誤差ε以下に
なるはずである。そこで、手段Cによって次の比較を
し、 |fd1−fd2|<ε …… 偏差大ならば異常(L)、偏差小ならば正常(H)の出
力を出す。そして、異常と判定されたら前回のデータを
保持し、或いは異常データを処理を禁止する等の処理を
従来と同様に行う。
〔実施例〕
第3図は本発明の一実施例を示す構成図で、10はレー
ダセンサ、20は信号処理部である。
レーダセンサ10はVCO(電圧制御発振器)11の発振す
る搬送波CWにFM変調をかけて送信波Tとし、これを送信
アンテナ12から監視エリアに放射する。エリア内の目標
からの反射波Rは受信アンテナ13で受信され、ホモダイ
ン検波される。つまり、方向性結合器14で送信波Tの一
部を分岐し、これを受信局発振信号LOとして使用する。
この結果ミキサ15で送信波Tと受信波Rのビート信号IF
が得られ、これをアンプ16で増幅して信号処理部20に入
力する。
信号処理部20では三角波発生器21で常時FM用の三角波
を発生しており、これをアナログSW22で間欠的に出力す
ることでFMモードとCWモードを周期的に形成する。23は
このモード切換周期を決定するFM/CW切換器で、その出
力はアナログSW22とマイクロコンピュータ24に入力する レーダセンサ10からのビート信号は2種類のBPF(バ
ンドパスフィルタ)25,26を通して取込まれ、それそれ
パルス化回路27,28でパルス化させる。BPF25はCWモード
用で、第2図のドップラ周波数fd1を抽出するに適した
帯域に設定してある。これに対しBPF26はFMモード用
で、第2図のビート周波数fup,fdnを抽出するに適した
帯域に設定してある。
コンピュータ24は第1図の手段A〜Dを備え、パルス
化回路27,28の出力から目標に関するデータを正異常を
判定する。この手段の大半はプログラムにより実現さ
れ、第1図で説明した処理を行う。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によれば、FM−CWレーダのデ
ータの正異常を、間欠的なCWモードを導入したドップラ
周波数の比較により、レーダの信頼性低下要因によらず
簡単に判定できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理図、 第2図は本発明の動作波形図、 第3図は本発明の一実施例を示す構成図、 第4図はFM−CWレーダの説明図である。 図中、Aはビート周波数差算出手段、Bはドップラ周波
数偏差算出手段、、Cは比較手段、Dは許容誤差設定手
段である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送波(CW)に所定の変調信号でFM変調を
    かけて送信するFMモードと、該搬送波だけを送信するCW
    モードと周期的に繰り返し、目標からの反射波(R)を
    受信して送信波(T)とのビート信号(IF)を得る間欠
    FM−CWレーダにおいて、 FMモードで得られたビート信号のアップビート周波数
    (fup)とダウンビート周波数(fdn)から両者の周波数
    差(fd2)を算出する手段(A)と、 CWモードで得られたビート信号の周波数(fd1)と前記
    周波数差(fd2)との偏差(|fd1−fd2|)を算出する手
    段(B)と、 該偏差と所定の許容誤差(ε)とを比較し、該偏差小の
    ときは正常、該偏差大のときは異常の出力を生ずる手段
    (C)と、 前記許容誤差を計測精度に応じて可変設定する手段
    (D)とを備えることを特徴とする間欠FM−CWレーダ。
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