JPH11201200A - リニアモータテーブルの制動装置 - Google Patents

リニアモータテーブルの制動装置

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JPH11201200A
JPH11201200A JP1805398A JP1805398A JPH11201200A JP H11201200 A JPH11201200 A JP H11201200A JP 1805398 A JP1805398 A JP 1805398A JP 1805398 A JP1805398 A JP 1805398A JP H11201200 A JPH11201200 A JP H11201200A
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braking device
linear motor
braking
bed
shaft member
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JP1805398A
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Osamu Ito
修 伊藤
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Nippon Thompson Co Ltd
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Nippon Thompson Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモータテーブルの制動装置において、
給電が断たれた場合でも必要な際に制動を解除すること
が可能な制動解除手段を提供する。 【解決手段】 制動装置1は、通電が断たれた状態、す
なわち、リニア電磁ソレノイド7のP方向の吸引が動作
せず、軸部材2と外筒6のテーパ面6aとにコイルばね
8がボール5をテーパ面6aに引き込んで係止させ制動
した状態において、保護カバー37,38から突出した
解除レバー17の手動解除用凸部17bを手動でF方向
に移動することによりボール5がテーパ面6aから離脱
して、テーブルの制動を解除することができるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば工作機械や
産業用ロボットなどに装備されて物体(被駆動体)を高
精度に位置決め案内する一軸の位置決めテーブル装置、
特に駆動源としてのリニア電磁アクチュエータを備えた
リニアモータ位置決めテーブル装置(以下、単にリニア
モータテーブルと称する)において、前記リニアモータ
テーブルに配設されるリニアモータテーブルの制動装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に従来のリニアモータテーブルを示
す。
【0003】図示のように、このリニアモータテーブル
は、矩形状のベッド101、ベッド101上を長手方向
に移動するテーブル102を有し、テーブル102に配
設されている複数のローラがベッド101の長手方向に
形成された軌道(図示せず)に沿って転動することによ
って、テーブル102がベッド101に沿って案内され
る。
【0004】また、ベッド101の一方の側部に張出部
101aが形成され、張出部101a上にリニアスケー
ル104が設けられている。この張出部101aに対応
するテーブル102の側部に発光素子105a及び受光
素子105bがブラケット102aを介して取り付けら
れている。なお、これらリニアスケール104、発光素
子105a及び受光素子105bは、ベッド101に対
するテーブル102の位置を検知するための検知手段に
なっている。
【0005】このリニアモータテーブルは、リニア直流
モータでなっている。
【0006】このリニア直流モータは、ベッド101上
に長手方向に沿って並べられた複数の電機子コイル10
7からなる一次側、電機子コイル107に対向してテー
ブル102の下面に取り付けられた界磁マグネット(図
示せず)からなる二次側からなっている。
【0007】前記界磁マグネットは、テーブル102が
移動する方向にN及びSの複数の磁極が交互に並ぶよう
に設けられている。
【0008】このリニアモータテーブルは、電機子コイ
ル107の各々に所定のタイミングで給電することによ
り、テーブル102がベッド101の長手方向に沿って
移動し、検知手段の検知信号に基づいて希望する位置に
位置決め動作を行う。
【0009】このリニアモータテーブルは、テーブル1
02やテーブル102上の搭載物などの可動部の停止及
び位置決めを磁力のみで行っているので、停電などの原
因によって給電が断たれた場合に制動力が全く作用せ
ず、前記可動部が停止及び位置決めできずに動いてしま
う問題がある。特に、リニアモータテーブルを立軸(作
動方向が鉛直)又は立軸に近い状態で使用し給電が断た
れた場合に可動部が落下してしまう問題がある。
【0010】そこで、本願出願人は、給電が断たれても
確実に制動力が作用してテーブルの停止及び位置決めを
することができるリニアモータテーブルの制動装置を先
に発明して出願している(特願平9−171080
号)。
【0011】このリニアモータテーブルの制動装置は、
リニアモータテーブルの電源が遮断されると制動装置が
作動する構成となっている。なお、この先の発明による
リニアモータテーブルの制動装置の構成の詳細は、本願
発明による実施例の説明と重複するため後述する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかして、先の発明に
よるリニアモータテーブルの制動装置は、いわゆる制動
装置付リニアモータテーブルであり、この制動装置付リ
ニアモータテーブルを機械装置などの装置に取り付け
て、初期動作、復帰動作などの段取りをする場合には、
電源を切って作業する場合が多く、その電源を切ったた
めに制動装置が働いて作業がやりにくいという問題があ
った。そこで、この制動装置の専用電源を別に設け、こ
の専用電源を入れて制動解除しておけば前記問題は回避
できるが、そうすると段取り作業終了後にこの専用電源
のスイッチの切り忘れが起こり、リニアモータテーブル
の電源を投入した後も前記制動装置が作動せず安全性に
問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、給電が断たれても、確実に制動力が作用してリニア
モータテーブルの停止及び位置決めをすることができ、
段取りをする場合などに制動装置の制動を手動で解除す
ることが可能な制動解除手段を備えたリニアモータテー
ブルの制動装置を提供することである。
【0014】本発明によるリニアモータテーブルの制動
装置は、矩形板状のベッド、前記ベッドの長手方向に沿
って直動転がり案内ユニットで案内される摺動自在なテ
ーブル、前記ベッドに対して前記テーブルを位置決め自
在に駆動するリニア電磁アクチュエータを備えたリニア
モータテーブルに配設されるリニアモータテーブルの制
動装置であって、前記制動装置は、ブラケットを介して
前記テーブル又は前記ベッドのいずれか一方に長手方向
に伸長して固着された軸部材、前記軸部材に嵌挿し前記
一方に対する他方の前記ベッド又は前記テーブルに固着
され内周にテーパ面を有する外筒、前記外筒の前記テー
パ面と前記軸部材との間に嵌まり込んで係止する制動
体、前記制動体を前記テーパ面に係止するために付勢す
る付勢手段、前記付勢手段の付勢に抗して前記制動体を
前記テーパ面から離脱する方向に可動する制動解除手段
からなり、前記制動解除手段は、前記制動体に係合する
解除レバーを給電によって可動する前記外筒と共に前記
ベッド又は前記テーブルに固着されたリニア電磁ソレノ
イド、前記給電が断たれたときに前記解除レバーを可動
するための前記解除レバーに設けられた手動解除用凸部
でなり、さらに、前記制動装置は、保護カバーで覆わ
れ、前記保護カバーの窓部から前記手動解除用凸部が突
出しているものである。
【0015】また、前記制動体は、前記外筒の前記テー
パ面と前記軸部材との間に嵌まり込んで係止する複数の
ボールでなる制動子、前記制動子を遊嵌し前記外筒内に
あって前記軸部材に嵌挿してなる筒状の保持器からなる
ものである。
【0016】また、前記付勢手段は、コイルばねからな
るものである。
【0017】また、前記保護カバーは、本体カバーと全
体カバーとからなるものである。
【0018】また、前記手動解除用凸部は、前記解除レ
バーの上部にあって、中央部にドライバー溝が設けられ
ているものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるリニアモータテーブルの制動解除手段を備えた制
動装置の実施例について説明する。
【0020】図1は、第1実施例であるリニアモータテ
ーブルの制動解除手段を備えた制動装置の要部を示す斜
視図である。図2は、図1に示す制動装置の本体カバー
38をはずした状態を示す斜視図である。図3は、図2
に示す制動装置の平面図である。図4は、図2に示す制
動装置の一部断面を含む側面図である。
【0021】図1乃至図4に示すように、制動装置1
は、軸部材2、リテーナ15、ボール5、外筒6、コイ
ルばね8及び本体カバー38、並びに、制動解除手段と
してのリニア電磁ソレノイド(以下、単にソレノイドと
称する)7、及び、給電が断たれたときに制動を手動で
解除するための手動解除用凸部17bを上部に有する解
除レバー17からなる。前記制動装置1の軸部材2を除
くリテーナ15、ボール5、外筒6、ソレノイド7、解
除レバー17、コイルばね8、本体カバー38を制動装
置の本体と称する。
【0022】前記制動装置1の軸部材2は、細長い円柱
状の部材で、図3に示すように、固定側となるベッド3
1又は可動側となるテーブル32の摺動方向である長手
方向に伸長して取付固定される。
【0023】以下の説明では、軸部材2が可動側のテー
ブル32に取付固定されている実施例について説明す
る。
【0024】軸部材2は、図1及び図2に示すように、
端部がブラケット3の保持孔に嵌め込まれボルト3bに
よりブラケット3と締結され、このブラケット3によっ
てテーブル32の側面部に前記摺動方向と平行に配設さ
れ、ブラケット3をボルト3aでテーブル32の両端面
に締結することによって固定されている。
【0025】図3及び図4に示すように、外筒6は、軸
部材2に嵌挿し、内周に径が軸方向で漸次変化する円錐
状のテーパ面6aが形成され、制動体であるリテーナ1
5及びボール5を内包している。テーパ面6aは、軸部
材2とでなるくさび状部分にボール5を挟み込んで係止
する制動面となっている。外筒6は、外形が四角柱状の
部材で制動装置の本体カバー38とともにねじ14,1
0でベッド31に取り付けられている。
【0026】リテーナ15は、円筒状の部材で、軸部材
2に隙間を隔てて嵌挿して、軸方向に移動自在でなり、
軸方向に対して直交する方向に複数の窓部15aが形成
されている。複数の窓部15aは、例えばリテーナ15
の周方向に等ピッチで5つ設けられている。
【0027】また、リテーナ15は、窓部15aにリテ
ーナ15の肉厚より僅かに大きい直径のボール5が僅か
な隙間をもって挿入され、ボール5の保持器になってい
る。
【0028】ボール5は、リテーナ15の複数の窓部1
5aに遊嵌され外筒6のテーパ面6aと軸部材2との間
にあって、非制動時には軸部材2に沿って転動するとと
もに、制動時には、外筒6のテーパ面6aと軸部材2と
でなるくさび状部分に嵌まり込んで係止する制動子にな
っている。制動子としてのボール5、保持器としてのリ
テーナ15で制動体を構成している。
【0029】コイルばね8は、外筒6の内周と軸部材2
の隙間内にあって、一方の端部が外筒6に係合し、他方
の端部がリテーナ15の端部を押圧して、リテーナ15
を介して制動子のボール5を前記くさび状部分に係止す
るために付勢する付勢手段になっている。
【0030】次に、制動装置1の制動解除手段は、ソレ
ノイド7及び解除レバー17からなっている。
【0031】ソレノイド7は、図1に示すように、外筒
6と共に本体カバー38にねじ13により締結固定さ
れ、図3に示すように、軸部材2と平行にしてベッド3
1の側面にねじ10により取り付けられている。
【0032】ソレノイド7は、可動部材である可動鉄心
のプランジャ7a、プランジャ7aを交流又は直流の電
源の供給により一方向に移動させる励磁コイル(図示せ
ず)からなっている。本実施例では直流方式のソレノイ
ドからなり、通電によってプランジャ7aを吸引動作し
て図2及び図4で示す矢印Pの方向に可動する。また、
プランジャ7aの先端部には直角状に解除レバー17が
締結され、解除レバー17をプランジャ7aとともに可
動する。
【0033】解除レバー17は、上下に長く比較的厚肉
の半長円形板状でなり、下部の孔にはプランジャ7aが
止めピン18aにより抜け止めがされて嵌着し上部の孔
17aには軸部材2が隙間を隔てて嵌挿され、ボール5
を保持して制動体を構成するリテーナ15の端面に係合
している。そして、通電によるソレノイド7の作動によ
り可動してリテーナ15の端面をコイルばね8の付勢に
抗して押圧する。また、解除レバー17の上部には手動
により作動する手動解除用凸部17bが設けられてい
る。この手動解除用凸部17bは、中央部に爪やドライ
バなどの先端を引っかけるための溝を有しており解除レ
バー17と一体で形成され、ソレノイド7の給電が断た
れたときに解除レバー17を手動で作動するためのもの
である。
【0034】さらに、本体カバー38は、安全、防護及
び防塵効果を高める保護カバーとして外筒6、ソレノイ
ド7など作動部分を覆ってなっている。また、本体カバ
ー38の上端面には手動解除用凸部17bが突出してな
る窓部38aが形成されている。
【0035】次に、図4乃至図6を参照して、本発明に
よるリニアモータテーブルの制動装置の動作を説明す
る。
【0036】通常、リニアモータテーブルが動作してい
るとき、すなわち通電されているとき、制動装置1は、
制動解除手段としてのソレノイド7にも通電され、図5
及び図6に示すように、ソレノイド7の吸引動作によ
り、プランジャ7a及び解除レバー17がコイルばね8
の付勢に抗して矢印P方向に引き込まれ、制動体として
のリテーナ15とボール5とが外筒6のテーパ面6aか
ら離脱する方向(矢印P方向)に移動し、外筒6のテー
パ面6aと軸部材2とのくさび状部分に係止していたボ
ール5が自由に転動し軸部材2の移動が自由になり、制
動が解除されている。
【0037】また、停電などにより給電が断たれたと
き、制動装置1は、ソレノイド7への給電も断たれソレ
ノイド7の吸引力がなくなり、図4に示すように、リテ
ーナ15とボール5とで構成される制動体がコイルばね
8の付勢により移動して外筒6のテーパ面6aと軸部材
2との間のくさび状部分に嵌まり込み、制動子としての
ボール5がくさび状部分に係止して外筒6と軸部材2と
が相互に固定し合う状態となり、軸部材2の一方向(矢
印Aで示す)への移動を規制し制動している。
【0038】なお、再び給電されれば、ソレノイド7に
も再び給電され、プランジャ7aがコイルばね8の付勢
に抗して矢印P方向に引き込まれ、制動解除手段として
の解除レバー17が矢印P方向に移動するのにともなっ
て、制動体としてのリテーナ15及びボール5も矢印P
方向に移動して、制動子としてのボール5が外筒6のテ
ーパ面6aから離脱して軸部材2の固定が解除され、軸
部材2は再び自由に移動可能になる。
【0039】また、本発明による制動装置1は、手動に
よって制動解除ができるものでなり、解除レバー17の
上部に一体でなる手動解除用凸部が設けられていて、図
3及び図4に示すように、ソレノイド7への給電が断た
れた状態、すなわち、リテーナ15がコイルばね8の付
勢により移動して軸部材2を固定した状態のときにも、
特に保護カバーとしての本体カバー38を取り外すこと
なく、図1に示すように、本体カバー38の上面の窓部
38aから突出している手動解除用凸部17bの中央部
の溝に爪やドライバーの先端部を引っかけて矢印F方向
に手動で移動させると、図5及び図6に示すように、リ
テーナ15とボール5とで構成される制動体がコイルば
ね8の付勢に抗して移動し、制動子としてのボール5が
外筒6のテーパ面6aから離脱して軸部材2は自由に移
動可能になり、制動が解除されるものになっている。
【0040】本発明による制動装置1は、軸部材2が円
柱状とされ、これに対応してリテーナ15及び外筒6が
円筒状になっているが、断面形状は円形に限らず、例え
ば四角形などとしてもよい。
【0041】
【実施例】次に、図7を参照して、本発明の制動装置を
適用したリニアモータテーブルについて説明する。ただ
し、図1乃至図6に示す制動装置と同一の構造及び機能
を有する部分は説明が重複するため省略し、要部のみの
説明とする。また、以下の図面において、図1乃至図6
に示した制動装置と同一の構造及び機能を有する部品に
は同一の符号を付している。
【0042】図7は、制動装置1を配設したリニアモー
タテーブルの斜視図である。
【0043】図7に示すように、このリニアモータテー
ブル50は、固定側である矩形板状のベッド31、この
ベッド31の長手方向に沿って直動転がり案内ユニット
で案内される摺動自在な可動側のテーブル32、ベッド
31に対してテーブル32を摺動及び位置決め自在に駆
動するリニア電磁アクチュエータからなり、前述した制
動装置1が側面部に配設され、さらに、安全、防護のた
めの保護カバーとして全体カバー37でテーブルの動作
ストローク範囲の制動装置全体を覆うものでなってい
る。
【0044】全体カバー37は、本体カバー38と対応
する上面部分に窓部37aが形成され、窓部37aから
本体カバー38の窓部38aが現れ、手動による制動解
除手段としての手動解除用凸部17bが現れている。こ
の手動解除凸部37bは、窓部38aから過度に突出す
ることなく現れている。また、全体カバー37は、ボル
ト16によりベッド31に取り付けられている。
【0045】リニアモータテーブル50は、工作機械等
の作業台上にベッド31の両側の長手方向に沿って形成
された複数のボルト挿通孔31aを用いてボルト(図示
せず)により締結され、テーブル32の上面にあるねじ
孔32aに被駆動体、例えば被工作物を固定して使用す
る。
【0046】テーブル32のベット31に対する案内手
段は、ベッド31の上面の長手方向に沿って平行に配設
され軌道溝を備えた2本のトラックレール35、このト
ラックレール35に跨架し前記軌道溝に沿って無限循環
する転動体を備え摺動自在でなるスライドユニット36
からなる直動転がり案内ユニットでなり、スライドユニ
ット36が2つずつトラックレール35上にかけ渡され
てテーブル32の下面側の四隅凹部に配設された構成と
なっている。この案内手段によりテーブル32はベッド
31の長手方向に沿って円滑に案内される。
【0047】ベッド31に対してテーブル32を摺動お
よび位置決め駆動するリニア電磁アクチュエータは、本
実施例では可動マグネット型のリニア直流モータで構成
されている。その他には、可動コイル型のリニア直流モ
ータやリニアパルスモータ、ボイスコイルモータ等種々
のアクチュエータでもよい。
【0048】この可動マグネット型のリニア直流モータ
は、一次側が給電側でなり、ベッド31の上面の長手方
向全長にわたって配設されたコイル基板40、このコイ
ル基板40の下面側にテーブル32の移動方向に沿って
一列に並べて接着された例えば8個の電機子コイル41
を有している。また、コイル基板40の下面側に前記電
機子コイルの各々に対応してホール効果素子42が装着
されている。一方、二次側は、テーブル32の下面側に
取り付けられている界磁マグネット43でなっている。
【0049】前記一次側では、前記ホール効果素子42
が界磁マグネット43が発する磁力線の量に応じた電気
信号を出力し、この電気信号に基づいて電機子コイル4
1への給電およびその遮断が、図示せぬ外部からの制御
回路により行われる。
【0050】この界磁マグネット43は、矩形板状に形
成されており、テーブル32の往復動の方向に沿って
N、Sの磁極が複数、この場合5極が交互に並ぶように
電機子コイル41に対応してテーブル32の下面に取り
付けられている。
【0051】前記一次側と前記二次側との構成によりフ
レミングの左手の法則に基づく推力が生じて可動側のテ
ーブル32がベッド31に対して摺動自在に駆動する。
【0052】また、ベッド31に対するテーブル32の
相対位置の検知および移動方向の判別をするための検知
手段として、リニアスケール(図示せず)がテーブル3
2の下面に配置され、対向してセンサ(図示せず)がベ
ット31の上面に配設されている。
【0053】したがって、前記リニア直流モータは、前
記検知手段からの信号に基づきテーブル32の現在位置
が常に検出され、テーブル32を任意の位置に移動させ
て位置決め駆動する。
【0054】なお、ホール効果素子42、センサ(図示
せず)からの信号の取り出し、電機子コイル41への給
電等は、図7に示すケーブル46を通じておこなわれ
る。また、制動装置1のソレノイド7への給電もこのケ
ーブル46からおこなわれている。
【0055】次に、前記リニアモータテーブル50の動
作について説明する。
【0056】操作者が操作スイッチ等を操作して制御部
から作動指令が出されると、任意の位置に停止している
テーブル32は、その作動ストロークの一端側、すなわ
ち、図7における右端側の基準位置に向かって移動す
る。
【0057】テーブル32が基準位置に達すると、セン
サ(図示せず)からの基準位置信号によりスケール位置
データをリセットする。
【0058】次に、テーブル32は所定のプログラムに
従って所定の位置に移動する。テーブル32の移動位置
及び方向の制御はリニアスケール(図示せず)およびセ
ンサ(図示せず)からの信号に基づいておこなう。
【0059】前記リニアモータテーブルが上記の動作を
おこなっている場合、すなわち給電されている場合は、
図5及び図6に示すように、制動解除手段としてのソレ
ノイド7にも通電されており、ソレノイド7のプランジ
ャ7aがコイルばね8の付勢に抗して引き込まれ、解除
レバー17が矢印P方向に移動するとともに、制動子と
してのボール5が外筒6のテーパ面6aから矢印P方向
に離脱する。このため、軸部材2が自由に移動可能にな
り、テーブル32も自由に移動がおこなえる。
【0060】一方、前記リニアモータテーブルの給電が
例えば停電等によって断たれた場合は、リニア直流モー
タの推力及び制動力並びにソレノイド7の吸引力がなく
なり、図4に示すように、リテーナ15とボール5とで
構成される制動体がコイルばね8の付勢により移動し
て、制動子としてのボール5が軸部材2と外筒6のテー
パ面6aとのくさび状部分に係止し、軸部材2の移動、
及びテーブル32の移動が一方向(矢印Aで示す)で固
定状態に係止される。
【0061】前記停電等の状態から復帰して通電が開始
された場合は、ソレノイド7のプランジャ7aが再び吸
引され、これにともなって解除レバー17が矢印P方向
に移動し、前述と同様に制動子としてのボール5が外筒
6のテーパ面6aから離脱方向(矢印P方向)に移動し
て前記係止が解放され軸部材2は自由に移動可能とな
り、テーブル32の固定状態が解除されてテーブル32
のリニア直流モータによる作動が自由となる。
【0062】また、リニアモータテーブル50の使用に
あたって、テーブル32上に取り付けた各種機械装置の
初期動作や、調整及び復帰動作が必要な際にはリニアモ
ータテーブルの電源を切って作業を行うことが多い。電
源が切られると前述のように制動装置1が働いてテーブ
ル32は固定状態となる。しかしながら、リニアモータ
テーブル50の制動装置1には手動による制動解除手段
として手動解除用凸部17bが設けられており、この手
動解除用凸部17bの中央部の溝に爪やドライバーの先
端部を引っかけて矢印F方向(図4乃至図6参照)に手
動で移動させると、リテーナ15はコイルばね8の付勢
に抗して移動し制動子としてのボール5が外筒6のテー
パ面6aから離脱して軸部材2が自由に移動可能にな
り、テーブル32を移動することができる。なお、この
手動による制動解除の操作は、手動解除用凸部17bに
より、防塵、保護及び安全のための保護カバーとしての
全体カバー37及び本体カバー38を取り外すことなく
おこなえるものになっている。
【0063】また、手動解除用凸部17bの中央部に溝
を設けていることによって、手動解除用凸部が前記保護
カバーから過度に突出することなくドライバー等の爪状
のもので操作がしやすいものになっている。
【0064】この実施例は制動装置1の軸部材2が可動
側であるテーブル32に取り付けられソレノイド7等か
らなる制動装置の本体がベッド31に取り付けられた構
成のものであるが、他の実施例として、軸部材2を固定
側であるベッド31に配設し制動装置の本体を可動側で
あるテーブル32に配設したリニアモータテーブルでも
よい。この他の実施例のリニアモータテーブルは、軸部
材2の長さがベッド31の全長に及ぶため、テーブル3
2の作動ストロークを必要に応じて大きくすることがで
きるものである。
【0065】なお、前述の実施例ではテーブル32が一
方向で固定状態とされ停止されるものであったが、両方
向の停止をおこなう場合は、軸部材2に対して、制動装
置本体を対向させて設けるか、又は、外筒6に対向する
テーパ面6aを設ければよい。
【0066】本発明の制動装置を備えたリニアモータテ
ーブルは、給電が断たれたときにテーブル32を一方向
で必ず固定状態にして停止するため、立軸または立軸に
近い状態で使用された場合にテーブル32等の可動部が
移動すなわち落下することがない。
【0067】また、前記リニアモータテーブルは、制動
装置1の軸部材2が可動側であるテーブル32に装着さ
れソレノイド7を含む制動装置の本体が固定側であるベ
ッド31に取り付けられているので、軸部材2は前記制
動装置の本体に比べて軽量であり、テーブル32等から
なる可動部の負荷が軽減されて、高速駆動及び高精度な
位置決めが可能となっている。
【0068】また、前記リニアモータテーブルは、制動
装置1の軸部材2がテーブル32の側面部に設けられて
いるので、テーブル32の上面に空きスペースが確保さ
れ搭載物を支障なく載せることができる。
【0069】また、前記リニアモータテーブルは、制動
装置1の制動体がボールと保持器とでなっているので制
動が滑らかである。
【0070】また、前記リニアモータテーブルは、制動
装置1の付勢手段がコイルばねからなり外筒に内装され
ているので、コンパクトになっている。
【0071】また、前記リニアモータテーブルは、制動
装置が保護カバー、特に、本体カバー38と全体カバー
37とで覆われているので、防塵され安全なものになっ
ている。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のリニアモ
ータテーブルの制動装置は、初期動作、復帰動作の段取
りをする場合などに電源を切って作業する場合であって
も手動解除用凸部により制動を解除してテーブルを安全
に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリニアモータテーブルの制動装置
の要部を示す斜視図である。
【図2】図1に示す制動装置の本体カバー38をはずし
た状態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す制動装置の平面図である。
【図4】図2に示す制動装置の一部断面を含む側面図で
ある。
【図5】図4に示す制動装置の動作を説明するための図
である。
【図6】図5に示すリテーナ15およびボール5の部分
の拡大図である。
【図7】本発明のリニアモータテーブルの制動装置がリ
ニアモータテーブルに配設された例を示す斜視図であ
る。
【図8】従来のリニアモータテーブルの要部の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 制動装置 2 軸部材 5 ボール(制動子) 6 外筒 6a (外筒6の)テーパ面 7 リニア電磁ソレノイド 8 コイルばね 15 リテーナ(保持器) 15a (リテーナ15の)窓部 17 解除レバー 17b 手動解除用凸部 37 全体カバー 37a (全体カバー37の)窓部 38 本体カバー 38a (本体カバー38の)窓部 41 電機子コイル 43 界磁マグネット 46 ケーブル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形板状のベッド、前記ベッドの長手方
    向に沿って直動転がり案内ユニットで案内される摺動自
    在なテーブル、前記ベッドに対して前記テーブルを位置
    決め自在に駆動するリニア電磁アクチュエータを備えた
    リニアモータテーブルに配設されるリニアモータテーブ
    ルの制動装置であって、 前記制動装置は、ブラケットを介して前記テーブル又は
    前記ベッドのいずれか一方に長手方向に伸長して固着さ
    れた軸部材、 前記軸部材に嵌挿し前記一方に対する他方の前記ベッド
    又は前記テーブルに固着され内周にテーパ面を有する外
    筒、 前記外筒の前記テーパ面と前記軸部材との間に嵌まり込
    んで係止する制動体、 前記制動体を前記テーパ面に係止するために付勢する付
    勢手段、 前記付勢手段の付勢に抗して前記制動体を前記テーパ面
    から離脱する方向に可動する制動解除手段からなり、 前記制動解除手段が、前記制動体に係合する解除レバー
    を給電によって可動する前記外筒と共に前記ベッド又は
    前記テーブルに固着されたリニア電磁ソレノイド、 前記給電が断たれたときに前記解除レバーを可動するた
    めの前記解除レバーに設けられた手動解除用凸部でな
    り、 さらに、前記制動装置は、保護カバーで覆われ、前記保
    護カバーの窓部から前記手動解除用凸部が突出している
    ことを特徴とするリニアモータテーブルの制動装置。
  2. 【請求項2】 前記制動体は、前記外筒の前記テーパ面
    と前記軸部材との間に嵌まり込んで係止する複数のボー
    ルでなる制動子、前記制動子を遊嵌し前記外筒内にあっ
    て前記軸部材に嵌挿してなる筒状の保持器からなること
    を特徴とする請求項1に記載のリニアモータテーブルの
    制動装置。
  3. 【請求項3】 前記付勢手段は、コイルばねからなるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリニアモ
    ータテーブルの制動装置。
  4. 【請求項4】 前記保護カバーは、本体カバーと全体カ
    バーとからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれか1に記載のリニアモータテーブルの制動装
    置。
  5. 【請求項5】 前記手動解除用凸部は、前記解除レバー
    の上部にあって、中央部にドライバー溝が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1
    に記載のリニアモータテーブルの制動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7770700B2 (en) 2005-04-26 2010-08-10 Smc Kabushiki Kaisha Brake apparatus for linear motor and method for positioning movable section of linear motor
CN109505891A (zh) * 2018-11-08 2019-03-22 鲁班嫡系机器人(深圳)有限公司 一种刹车装置、运动组件及自动化设备
CN111692156A (zh) * 2020-05-15 2020-09-22 华为终端有限公司 线性马达装置和终端设备

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