JPH11200945A - 4サイクルエンジン用鍛造ピストン - Google Patents

4サイクルエンジン用鍛造ピストン

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JPH11200945A
JPH11200945A JP3531998A JP3531998A JPH11200945A JP H11200945 A JPH11200945 A JP H11200945A JP 3531998 A JP3531998 A JP 3531998A JP 3531998 A JP3531998 A JP 3531998A JP H11200945 A JPH11200945 A JP H11200945A
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piston
boss
skirt
pin boss
head
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Toshikatsu Koike
俊勝 小池
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Yamaha Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/08Lubricating systems characterised by the provision therein of lubricant jetting means
    • F01M2001/086Lubricating systems characterised by the provision therein of lubricant jetting means for lubricating gudgeon pins
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F2200/00Manufacturing
    • F02F2200/04Forging of engine parts

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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リブ部の欠肉の発生を防止し、欠肉によるス
カート部,ピンボス部の剛性の低下を防止できるエンジ
ン用鍛造ピストンを提供する。 【解決手段】 ヘッド部21と、その外周部から下方に
突設する左,右一対のピンボス部22a,22bと、ピ
ンボス部の下端より下方に延びる前,後一対のスカート
部23a,23bと、スカート部の左端部23cと左側
のピンボス部とを夫々連結して下方に延びる前,後一対
の左側のリブ部24aと、スカート部の右側端部23d
と右側のピンボス部とを夫々連結して下方に延びる前,
後一対の右側のリブ部24bとを備え、各リブ部の下端
縁24cの、ピンボス部との接続部aからボス側中間部
bまでのボス側部分24dをピストン上面までの寸法H
が一定か又はボス側中間部b側ほど増加するように形成
し、かつ下端縁の上記ボス側部分に続く中央部分24f
をピストン上面までの寸法Hがボス側部分24dより小
さい凹状に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクルエンジ
ン用鍛造ピストンに関し、特に鍛造時にピンボス部とス
カート部とを連結するリブ部に欠肉が発生するのを防止
してピンボス部,スカート部の剛性を高めることができ
るようにしたピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から4サイクルエンジン用鍛造ピス
トンとして、略円盤状のヘッド部の下面の左右側部から
左右一対のピンボス部を下方に突設するとともに、該ヘ
ッド部の外周縁の左右ピンボス部間から前後一対のスカ
ート部を上記ピンボス部の下端より下方に延びるように
設け、該スカート部と上記ピンボス部とを連結する前後
左右4箇所のリブ部を上記ヘッド部の下面から下方に延
びるように設けたものがある。
【0003】上記前後左右のリブ部は、エンジン運転中
の爆発力や慣性力に起因してシリンダ壁からスカート部
に作用する反力,コンロッドからピンボス部に作用する
反力や作用力等によりスカート部,ピンボス部が前後方
向あるいは左右方向に変形するのを防止するためのもの
であり、さらに爆発力によるヘッド部の変形によりピン
ボス部の下端部が左右に開くように変形するのを防止す
るためのものである。即ち、上記リブ部は主としてピス
トンのスカート部,ピンボス部の剛性を高めるためのも
のである。
【0004】上記リブ部は、上記スカート部,ピンボス
部の剛性を高めるという本来の目的を達成できるよう
に、ヘッド部の下面からスカート部,ピンボス部の下端
縁まで延びるように、可能な限り広い面積に渡って形成
される。そのため、従来、上記リブ部は、その下端縁が
スカート部,ピンボス部との接続部同士を直線状に結ぶ
形状となるように形成するのが一般的である。一方、エ
ンジンの高速回転を可能にするにはピストンの軽量化が
重要であり、上記リブ部は軽量化を図るために可能な限
り薄肉に形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記鍛造ピス
トンは、アルミニュウム合金等からなる鍛造ピストン用
素材を相対移動可能な雄金型,雌金型間に配置し、両金
型の相対移動により所定のピストン形状に加圧成形した
鍛造成形品に、ヘッド部及びスカート部外周面の仕上
げ、ヘッド部外周面のリング溝形成、さらには左右のピ
ンボス部を貫通するピストンピン穴形成等の機械加工を
施し、必要に応じて表面処理や熱処理等を施すことによ
り製造される。
【0006】上記リブ部の成形工程を詳細に観察する
と、素材を金型で加圧するに伴って、上下の金型の間の
鍛造後リブ部となる空隙にヘッド部,ピンボス部,スカ
ート部から素材が流れ込みリブ部が形成される。
【0007】ところが上記リブ部は軽量化のために可能
な限り薄肉に形成されており、しかも上記従来の鍛造ピ
ストンのようにその下端縁が直線状に形成されているこ
とから、上記素材の流れ込みにおいて、ヘッド部,ピン
ボス部,スカート部の何れからも遠い部分、つまりリブ
部下端縁の中央部(ピンボス部とスカート部との中間
部)には上記素材が流れ込み難い。
【0008】そのため鍛造工程における加圧力が小さい
場合は欠肉が発生する懸念があり、しかもこの欠肉の発
生状況は一定でなくばらつきがある。仮に切り欠き形状
の欠肉が発生した場合には応力集中が発生し易く、エン
ジン運転時にリブ部が破損し、スカート部,ピンボス部
の変形が生じる恐れがある。これを防止するためには上
記加圧力を大きくする必要があり、その結果鍛造装置の
大型化をまねく問題がある。
【0009】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たもので、鍛造時の加圧力を大きくすることなくリブ部
の欠肉の発生を防止でき、欠肉に起因するスカート部,
ピンボス部の剛性の低下を防止できる4サイクルエンジ
ン用鍛造ピストンを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、略円
盤状のヘッド部21と、該ヘッド部21の外周部から下
方に突設する左,右一対のピンボス部22a,22b
と、上記ヘッド部21の外周縁から上記ピンボス部22
a,22bの下端より下方に延びる前,後一対のスカー
ト部23a,23bと、該前,後スカート部23a,2
3bの左端部23c,23cと左側のピンボス部22a
とをそれぞれ連結し、上記ヘッド部21から下方に延び
る前,後一対の左側のリブ部24a,24aと、上記
前,後スカート部23a,23bの右側端部23d,2
3dと右側のピンボス部22bとをそれぞれ連結し、上
記ヘッド部21から下方に延びる前,後一対の右側のリ
ブ部24b,24bとを備え、上記各リブ部24a,2
4bの下端縁24cの、上記ピンボス部22a,22b
との接続部aからボス側中間部bまでのボス側部分24
dをピストン上面までの寸法Hが一定か又は上記ボス側
中間部b側ほど増加するように形成し、かつ上記下端縁
24cの上記ボス側部分24dに続く中央部分24fを
ピストン上面までの寸法Hが上記ボス側部分24dより
小さい凹状に形成したことを特徴としている。
【0011】請求項2の発明は、請求項1において、上
記各リブ部24a,24bの下端縁24cの、上記スカ
ート部23a,23bとの接続部dからスカート側中間
部cまでのスカート側部分24eをピストン上面までの
寸法Hが一定か又はスカート側ほど増加するように形成
したことを特徴としている。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1の発明によれば、リブ部2
4a,24bの下端縁24cの上記ボス側部分24dに
続く中央部分24fをピストン上面までの寸法Hが上記
ボス側部分24dより小さい凹状に形成したので、鍛造
工程でのピストン素材の流れ込みにおいて、上記中央部
分24fのヘッド部,ピンボス部,スカート部からの流
れ込み距離の大きさ(遠さ)を緩和でき、該中央部分2
4fを鍛造用金型の型面形状通りに成形することが可能
であり、該下端縁の中央部分24fに欠肉が発生するの
を防止できる。そのためエンジン運転時にリブ部が破損
したり、スカート部,ピンボス部が変形したりするのを
防止でき、加圧力を大きくする必要がなく、鍛造装置の
大型化をまねくことがない。
【0013】またリブ部24a,24bの下端縁24c
のボス側部分24dについては、ピストン上面までの寸
法Hが一定か又は上記ボス側中間部b側ほど増加するよ
うに形成したので、リブ24a,24bのボス側部分2
4d自体の面積が大きくなり、この点からピンボス部2
2a,22b部分の剛性をさらに高めることができる。
【0014】また請求項2の発明では、リブ部24a,
24bの下端縁24cのスカート側部分24eについて
もピストン上面までの寸法Hが一定か又はスカート側ほ
ど増加するように形成したので、さらにスカート部23
a,23b部分の剛性をさらに高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1〜図10は本発明の一実
施形態による4サイクルエンジン用鍛造ピストンを説明
するための図であり、図1は該ピストンを備えた4サイ
クルエンジンの断面側面図、図2は該ピストンの平面
図、図3は一部断面側面図、図4は断面側面図、図5は
一部断面底面図、図6,図7は模式図、図8,図9は鍛
造装置の断面模式図、図10は鍛造工程を説明するため
の模式図である。なお、本実施形態における前後左右と
は、エンジンを吸気側から見たときの前後左右の意味で
ある。
【0016】図1において、1は本実施形態ピストンを
備えた自動二輪車用エンジンである。該エンジン1は水
冷式並列4気筒5バルブエンジンであり、クランクケー
ス2上にシリンダボディ3,シリンダヘッド4を積層し
てヘッドボルト5で結合し、該シリンダヘッド4の上側
合面4gにヘッドカバー6を被せた概略構造を有し、ク
ランク軸を車幅方向に向けて車体フレームに搭載され
る。
【0017】上記シリンダボディ3に圧入によりあるい
は鋳込みにより挿入配置されたシリンダライナ7のシリ
ンダボア7a内にはピストン20が摺動自在に挿入配置
されており、該ピストン20はコンロッド8により図示
しないクランク軸に連結されている。
【0018】また上記シリンダヘッド4のシリンダボデ
ィ側合面4aには上記シリンダボア7a,ピストン20
の上面とで燃焼室Bを形成する略半球状のヘッド側燃焼
凹部4bが凹設されている。該燃焼凹部4bには2つの
排気弁開口4i,3つの吸気ポート4jが略シリンダボ
ア7aの外周に沿うように開口しており、該各開口4
i,4jはそれぞれ排気ポート4c,吸気ポート4dに
よりシリンダヘッド4の前側壁4e,後側壁4fに導出
されている。また上記燃焼凹部4bの略中央に点火プラ
グ29の電極が臨んでいる。さらにまた、図示していな
いが上記吸気ポート4dの外方接続開口4hには気化器
が接続されている。なお上記吸気ポート4dに燃料噴射
弁を装着し、吸気弁10の傘部10aの裏面に向けて燃
料を噴射するようにしても良い。
【0019】上記排気ポート4c,吸気ポート4dの燃
焼室側開口4i,4jはそれぞれ2本の排気弁9,3本
の吸気弁10の傘部9a,10aにより開閉可能となっ
ており、該各排気弁9,各吸気弁10はバルブスプリン
グ11a,11bで閉方向に付勢されている。また上記
各排気弁9,吸気弁10は上端に装着されたバルブリフ
タ12a,12bを介して排気カム軸13a,吸気カム
軸13bで開閉駆動される。
【0020】ここで、上記3本の吸気弁10のうち中央
の吸気弁は図1に示す左右の吸気弁10よりシリンダボ
ア軸線となす角度が小さくなるように、つまりより起立
させた状態に配置されている。これにより上記ヘッド側
燃焼凹部4bの表面形状をより球面形状に近づけるとと
もに、燃焼室容積を小さくして圧縮比を高めており、さ
らにまた後述するようにピストン頂面のリセス部の深さ
を浅くしている。
【0021】上記ピストン20は、略円盤状のヘッド部
21と、該ヘッド部21の下面の左右外側部分から下方
に一体に突設する左,右一対のピンボス部22a,22
bと、上記ヘッド部21の外周縁のピンボス部22a,
22b間部分から該ピンボス部22a,22bの下端よ
り下方まで一体に延びる前,後一対のスカート部23
a,23bとを備えたタイプのものである。
【0022】上記ヘッド部21の外周面には第1,第2
圧縮リング用リング溝21f,21f及びオイルリング
用リング溝21gが凹設されている。また上記ヘッド部
21の上面の中央部には大略球面状のピストン側燃焼凹
部21aが凹設されている。さらに上記ヘッド部21の
上面には、上記各排気弁9の傘部9aとの干渉を回避す
るための2つの排気側リセス部21b及び上記各吸気弁
10の傘部10aとの干渉を回避するための3つの吸気
側リセス部21cが大略半円形状に、かつ上記上面の外
周に沿って位置するように凹設されている。なお、21
jは上記オイルリング溝21gとピストン内部とを連通
するオイル孔である。
【0023】なお、21hは上記燃焼凹部21aの中央
部に突設された加工用捨てボスであり、これは鍛造成形
時に形成されたもので、ピストン外周面の機械加工時に
使用され、その後切削除去される。また21iは上記ピ
ストン側燃焼凹部21a上に刻印された排気方向示す矢
印である。
【0024】さらにまた上記ヘッド部21の上面の外周
部(図2に交差する斜線を施した領域)には環状で平坦
面をなすスキッシュ部21dが形成されており、該スキ
ッシュ部21dと上記燃焼凹部21aとの稜線Aは上記
リセス部21b,21c内を通過している。ここで、上
記燃焼凹部21aを、稜線Aがリセス部21b,21c
を通る大きさに設定したことにより、該凹部21aのリ
セス部部分の深さの分だけ各リセス部21b,21cの
実質的なピストン上面からの凹み深さが浅くなってい
る。これにより後述するように、該リセス部によるタン
ブル流阻害作用が緩和される。
【0025】なお、上記シリンダヘッド4の上記ヘッド
側燃焼凹部4bの外周部の上記スキッシュ部21dに対
向する外周部分4kは、シリンダボディ側合面4aと面
一の平坦面をなしており、このようにピストン側及びシ
リンダヘッド側に平坦面を形成したことにより圧縮行程
の終期において混合気がシリンダボア中央側に押し出さ
れるように流れるスキッシュ流が発生する。
【0026】また上記左右のピンボス部22a,22b
にはクランク軸と平行にピストンピン穴25が貫通形成
されている。このピストンピン穴25の内周面の軸方向
左右両端部にはピストンピンの抜け止めを行うサークリ
ップ用溝25aが凹設されており、また該ピストン穴2
5の内周面上部には前後一対のオイル溝25bが軸方向
に貫通するように凹設されている。なお、25cは上記
サークリップを着脱する際の工具の逃げ溝、25dは鍛
造工程において押し出しシリンダ41の押し出しロッド
42が当接する座である。
【0027】また上記前,後スカート部23a,23b
の左端部23c,23cと左側のピンボス部22aとは
前後一対の左側のリブ部24a,24aにより連結され
ており、また上記前,後スカート部23a,23bの右
端部23d,23dと右側のピンボス部22bとは前後
一対の右側のリブ部24b,24bにより連結されてい
る。これら左側,右側のリブ部24a,24bは上記ヘ
ッド部21の下面から下方に一体に延びている。
【0028】上記リブ部24a,リブ部24bは軽量化
のために薄肉に形成されており、またその下端縁24c
の上記ピンボス部22a,22bとの接続部aからボス
側中間部bまでのボス側部分24dは、上記ピンボス部
22a,22bの下端縁と略同じ高さに位置し、ピスト
ン上面までの寸法はH1一定となっている。なお、該ボ
ス側部分24dを、上記寸法H1が上記ボス側中間部b
側ほど増加するように斜めに形成してもよい。
【0029】また上記下端縁24cの上記ボス側部分2
4dに続く中央部分24fは略円弧の凹状に形成されて
おり、該中央部分24fの最も凹んでいる部分の上記ピ
ストン上面までの寸法はHo(<H1)となっている。
なお、上記中央部分24fの大部分はピストン上面まで
の寸法が上記ボス側部分24dより小さくなっている。
【0030】さらにまた上記各リブ部24a,24bの
下端縁24cの、上記スカート部23a,23bとの接
続部dからスカート側中間部cまでのスカート側部分2
4eは上記ボス側部分24dより下方に位置し、ピスト
ン上面までの寸法はH2(>H1)一定となっている。
なお、該スカート側部分24eを、上記寸法H2がスカ
ート側ほど増加するよう斜めに形成してもよい。
【0031】図8は上記ピストン20を鍛造するための
プレス装置30を模式的に示している。同図において、
プレス装置30は、下部に配置固定された台盤31の上
面に下型32及びサイド金型33を保持する下型保持部
材34を配置固定し、上方に上型35を保持する上型保
持部材36をスライダ37の下面に固定して配置し、該
スライダ37を支柱38により上下移動可能に支持し、
該スライダ37を油圧シリンダ39のピストンロッド4
0で移動させるように構成されている。
【0032】上記サイド金型33は上記ピストン20の
外周面形状に対応した形状の型穴33aを有し、該型穴
33a内にピストン20の内面形状に対応した形状の型
面32aを有する上記下型32が嵌合配置されている。
ここで、上記下型32の型面32aの、上記リブ部の下
端縁24cに対応する部分は、上記ボス側部分24d,
中央部分24f,スカート側部分24eに対応した形状
部分32b,32c,32dを有している(図10参
照)。
【0033】また上記台盤31内には鍛造成形品を取り
外すための押し出しシリンダ41が配置されており、該
シリンダ41の押し出しロッド42は上記ピンボス部を
形成するための空隙に臨んでいる。なお、34aは下型
保持部材34のに突設されたストッパ部であり、該スト
ッパ部34aにより上記上型保持部材36の下降位置を
規制する。また43は上記サイド金型33内に配置さ
れ、該金型を所定温度に保持するヒータ、43aは給電
用リード線である。
【0034】上記上型35はその下端部に上記ピストン
20の上面形状に対応した形状の型面35aを有し、そ
の内部には該上型35を所定温度に保持するヒータ44
が挿入配置されている。上記上型35を上型保持部材3
6がストッパ部34aに当接するまで下降させると、上
記ピストン20のピンボス部,スカート部,リブ部に対
応した空隙(キャビティ)が形成される。なお44aは
給電用リード線である。
【0035】本実施形態のピストン20の鍛造に当たっ
ては、アルミニュウム合金(表1に示す材料が採用可能
である)のインゴット等を1つのピストンに要する大き
さに切断した鍛造用アルミ素材Wを鍛造に適した温度に
加熱し、上記下型32とサイド金型33とで形成された
空間内に配置し、上型35により油圧シリンダ39で加
圧する。該上型35の下降に伴って上記アルミ素材Wの
上面が上型35の型面35aに応じた形状に成形される
とともに、該アルミ素材Wの一部の上記ピンボス用空
間,スカート部用空間,及びリブ部用空間への流れ込み
が始まり、下型保持部材34のストッパ部34aに上型
保持部材36の下面が当接するまで上型35を下降させ
ると鍛造成形が終了する。
【0036】なお、上記鍛造成形品は、硬度70〜80
(HRB)とされ、495゜cに2.5時間保持した後
水冷し、さらに200゜cに6時間保持する熱処理が施
すのが好ましい。
【0037】
【表1】
【0038】このような鍛造成形においては、上記ピス
トン素材Wの一部が上記ピン保持部,及びスカート部用
空間に流れ込み、続いて上記リブ部用空間に流れ込み、
このようにして上記リブ部24a,24bが形成される
こととなる。そのため特に該リブ部24a,24bの下
端縁24cのヘッド部,ピン保持部及びスカート部の何
れからも離れた部分に位置する上記中央部分24fには
上記ピストン素材が到達し難い傾向があり、極端な場合
には切り欠き形状の欠肉が発生する懸念がある。
【0039】本実施形態では、上記リブ部24a,24
bの下端縁24cの上記中央部分24fをヘッド部21
側に円弧状に凹む形状とするとともに、下型32の型面
32aの、上記中央部分24fに対応する部分32cを
上方に凸の円弧形状としたので、該中央部分24fのヘ
ッド部21,ピンボス部,スカート部からの遠さが緩和
される。そのため上記リブ部24a,24bの下端縁2
4cは下型32の型面32aの形状通りに成形され、欠
肉の発生が防止される。その結果、切り欠き状の欠肉等
による応力集中によりリブ部が破損したり、スカート部
23a,23b、ピンボス部22a,22b等の剛性が
低下したりする問題を回避できる。
【0040】また本実施形態では、上記リブ部24a,
24bの下端縁24cのボス側部分24dについてはピ
ンボス部22aの下端付近まで延長し、スカート側部分
24eについてはボス側部分24dよりさらに下方に延
長したので、それだけリブ部の面積が大きくなり、この
点からリブ部自体の剛性を大きくすることができ、それ
だけピンボス部,スカート部の剛性を高めることができ
る。
【0041】また本実施形態エンジン1では、吸気行程
において吸気弁10が開きピストン20が下降するとそ
れに伴って混合気が、吸気弁開口4jの特にシリンダ中
心側寄り部分を通ってシリンダボア7a内に吸入され、
シリンダボア7aの排気側内表面に沿ってシリンダ軸線
方向に流れる。そして上記ピストン20の上面の中央部
に球面状のピストン側燃焼凹部21aを形成したので、
上記シリンダ軸線方向に流れる混合気流が上記球面状の
燃焼凹部21aに沿って反転しつつ流れ、タンブル流が
発生し易い。
【0042】また圧縮行程においてピストン20が上昇
する場合においても、ピストン上面の球面状の燃焼凹部
21aにより上記発生したタンブル流が残留し易い。さ
らにまたピストン20の上昇に伴ってピストン側の燃焼
凹部21aとシリンダヘッド4側の燃焼凹部4bにより
燃焼室Bが形成されるのであるが、ピストン側の燃焼凹
部21aが球面形状をなしていることから、ピストン上
面が平坦であったり上方に突出しているものに比べて上
記燃焼室B全体が球形状に近くなり、この点から圧縮行
程の終期においても上記タンブル流が残留する(図1,
図10参照)。
【0043】また本実施形態では、上記ピストン20の
ヘッド部21の上面の外周部に環状で平坦面をなすスキ
ッシュ部21dを形成したので、圧縮行程の終期におい
ては上記ピストン側燃焼凹部21aのスキッシュ部21
dとヘッド側燃焼凹部4bの外周部分4kとでシリンダ
ボア外周部の混合気が中心側に押し出されるスキッシュ
流を形成し易い。これらのスキッシュ流及び上記タンブ
ル流によって混合気の霧化が促進され、燃焼性が向上し
てエンジン性能が向上する。
【0044】ここでエンジン性能の向上を図るために、
燃焼室容積を小さくして圧縮比を高くすべくピストンの
上死点位置をシリンダヘッドの合面側に近接させたり、
高速回転時の吸入空気量を増大するために吸気行程と排
気行程とをオーバーラップさせることが行われている。
この場合、ピストンと吸気弁,排気弁との干渉を回避す
るためにピストン上面にリセス部を凹設することが行わ
れている。
【0045】ところが上記リセス部はピストン上面に形
成された凹部であるから、上記タンブル流の発生に対し
てはこれを阻害するように作用する。そこで本実施形態
では、上記球面状の燃焼凹部21aをピストン上面に形
成するに当たり、該凹部21aと上記スキッシュ部21
cとの稜線Aが上記リセス部21b,21c内を通るよ
うに形成した。そのため該燃焼凹部21aのリセス部に
おける深さの分だけ上記リセス部21b,21cの凹み
深さが緩和され、その結果、リセス部21b,21cに
よる上記タンブル流に対する阻害作用が緩和される。
【0046】また本実施形態では、ピストン20の上死
点位置をシリンダヘッド4の燃焼凹部4b側に近接させ
たので、それだけエンジンの全高を低くできる。またピ
ストン20の上面に燃焼凹部21aを凹設したので、該
凹部21aからピストンリングまでの距離に短くなり、
それだけ熱がヘッド部21からピストンリングを介して
シリンダライナ7に伝達され易く、放熱上有利となる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による鍛造ピストンを備え
たエンジンの断面側面図である。
【図2】上記ピストンの平面図である。
【図3】上記ピストンの一部断面側面図である。
【図4】上記ピストンの断面側面図(図3のIV−IV
線断面図)である。
【図5】上記ピストンの一部断面底面図である。
【図6】上記ピストンのリブ部を説明するための模式図
である。
【図7】上記ピストンとシリンダヘッドとで構成される
燃焼室を説明するための模式図である。
【図8】上記ピストンの鍛造用プレス装置の断面模式図
である。
【図9】上記ピストンの鍛造用プレス装置の断面模式図
である。
【図10】上記ピストンの鍛造行程を説明するための模
式図である。
【符号の説明】
1 4サイクルエンジン 21 ヘッド部 22a,22b ピンボス部 23a,23b スカート部 23c 左端部 23d 右端部 24a,24b 左側,右側のリブ部 24c 下端縁 24d ボス側部分 24e スカート側部分 24f 中央部分 a 接続部 b ボス側中間部 c スカート側中間部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円盤状のヘッド部と、該ヘッド部の外
    周部から下方に突設する左,右一対のピンボス部と、上
    記ヘッド部の外周縁から上記ピンボス部の下端より下方
    に延びる前,後一対のスカート部と、該前,後スカート
    部の左端部と左側のピンボス部とをそれぞれ連結し、上
    記ヘッド部から下方に延びる前,後一対の左側のリブ部
    と、上記前,後スカート部の右側端部と右側のピンボス
    部とをそれぞれ連結し、上記ヘッド部から下方に延びる
    前,後一対の右側のリブ部とを備え、上記各リブ部の下
    端縁の、上記ピンボス部との接続部からボス側中間部ま
    でのボス側部分をピストン上面までの寸法が一定か又は
    上記ボス側中間部側ほど増加するように形成し、かつ上
    記下端縁の上記ボス側部分に続く中央部分をピストン上
    面までの寸法が上記ボス側部分より小さい凹状に形成し
    たことを特徴とする4サイクルエンジン用鍛造ピスト
    ン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記各リブ部の下端
    縁の、上記スカート部との接続部からスカート側中間部
    までのスカート側部分をピストン上面までの寸法が一定
    か又はスカート側ほど増加するように形成したことを特
    徴とする4サイクルエンジン用鍛造ピストン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7246552B2 (en) * 2005-10-31 2007-07-24 Gm Global Technology Operations, Inc. Piston having asymmetrical pin bore slot placement
JP2016089651A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 本田技研工業株式会社 内燃機関

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