JPH11200387A - 地下構造物の構築工法 - Google Patents

地下構造物の構築工法

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JPH11200387A
JPH11200387A JP10018069A JP1806998A JPH11200387A JP H11200387 A JPH11200387 A JP H11200387A JP 10018069 A JP10018069 A JP 10018069A JP 1806998 A JP1806998 A JP 1806998A JP H11200387 A JPH11200387 A JP H11200387A
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Ichiro Nakano
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Hokukon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯水槽等の地下構造物を、地下水を遮断し
て、短い日数で安全且つ確実に施工可能とし、又工費の
低減を図る。 【解決手段】 地盤を掘り下げて構造物2を地下に埋設
するに先立ち、地盤の掘り下げるべき部分を周方向で完
全に取り囲むように遮水壁5を構築する。遮水壁5は、
ソイルセメント状の柱状物6を、その側部相互がオーバ
ーラップする配置で周方向に連続させて形成する。この
ように構築した遮水壁5は、構造物2を地下に埋設した
後も地中に残す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯水槽や地下室等
の構造物を地下に埋設する地下構造物の構築工法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】地盤を掘り下げて、例えば貯水槽を地下
に埋設するに際しては、掘り下げるべき部分を遮水する
必要があるが、その遮水工法の代表的なものとしては従
来、ウェルポイント工法と土留め矢板工法がある。
【0003】前記ウェルポイント工法は、例えば図5〜
6に示すように、地盤aを掘り下げるべき部分bを取り
囲む如く1〜1.5mピッチで地中にウェルポイントc
を埋設し、該ウェルポイントcから上方に延長する管d
の上端を、地上で環状管eに連結し、該環状管eに付設
された真空ポンプfで地下水を強制的に吸引することに
より地下水を低下させ、遮水するものであった。そして
この遮水状態を確保しつつ、地盤aを掘り下げながら貯
水槽構造物gを図5に一点鎖線で示すように徐々に沈降
させ、図5に実線で示すように所定深さに設置した後、
現場打ち施工により貯水槽底部hを形成し、その後、頂
版iで閉蓋することにより地下埋設の貯水槽jを構築し
ていた。
【0004】又前記土留め矢板工法は、例えば図7〜8
に示すように、地盤aを掘り下げるべき部分bを取り囲
む如く、鋼矢板kを周方向に連続させて地中に打ち込
み、これにより遮水するものであった。そしてこの遮水
状態を確保しつつ、地盤aを掘り下げながら貯水槽構造
物gを図7に一点鎖線で示すように徐々に沈降させ、図
7に実線で示すように所定深さに設置した後、現場打ち
施工により貯水槽底部hを形成し、その後、頂版iで閉
蓋することにより地下埋設の貯水槽jを構築していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の遮水工法によるときには次のような問題点があっ
た。 (1) ウェルポイント工法の問題点 ウェルポイント工法は、地下水位の高低には左右されず
に採用でき、比較的安価に施工できる利点はあるもの
の、達成できる水位低下は通常5〜6mが限界であっ
た。又、地下水の水位低下によって周辺地盤の沈下を招
くため、周辺に家屋や構造物が存在する場合は採用不可
能であった。更にこの工法は、ポンプの目詰まりの関係
から、粒砂層や砂質シルト層には適するが粘土層は適さ
ない土質条件があった。
【0006】(2) 土留め矢板工法の問題点 土留め矢板工法は、地下水位の高低に左右されず、又前
記ウェルポイント工法におけるような地下水の水位低下
に伴う周辺への影響を回避できる利点を有する反面、次
のような問題点が指摘されていた。 鋼矢板の打ち込みや引き抜きに日数を要するために
工期が長引く欠点があり、又、このように施工日数を要
すること等によって施工コストが高騰した。 振動を加えながら矢板打ち込みを行うために、鋼矢
板の打ち込み部分の周辺地盤が緩められるばかりか、貯
水槽を所定に沈設した後における矢板引き抜きによって
地盤が一層緩むことになる。このような地盤の緩みは、
埋設された貯水槽の側壁に悪影響を及ぼすこととなった
り、貯水槽周辺地盤の沈下を招く恐れがあった。
【0007】本発明は、前記したウェルポイント工法と
土留め矢板工法の問題点を同時に解決し得る地下構造物
の構築工法の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。即ち、本発明に係
る地下構造物の構築工法(以下構築工法という)は、地
盤を掘り下げて構造物を地下に埋設する地下構造物の構
築工法であって、前記地盤の掘り下げるべき部分を周方
向で完全に取り囲むように、平面視で環状をなす遮水壁
を予め構築しておくものとし、該遮水壁は、地盤を上下
方向で削孔し且つその内部で削孔土とセメントミルクと
の攪拌混合物を硬化させてなるソイルセメント状の柱状
物を、その側部相互がオーバーラップする配置で周方向
に連続させて形成し、このように構築した遮水壁を、構
造物を地下に埋設した後も地中に残すことを特徴とする
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を、貯水
槽としての構造物を地下に埋設する場合を例に取り、図
面に基づいて説明する。図1において本発明に係る構築
工法は、地盤1を掘り下げて貯水槽構造物2を地下に埋
設するものであり、その埋設施工を、地下水を遮断して
行うために、図1〜2に示すように、前記地盤の掘り下
げるべき部分3を周方向で完全に取り囲むように遮水壁
5を予め形成しておくものである。
【0010】前記遮水壁5は、地盤を上下方向で削孔し
且つその内部で削孔土とセメントミルクとの攪拌混合物
を硬化させてなるソイルセメント状の柱状物6を、図3
に示すように、その側部7,7相互がオーバーラップす
る配置で周方向に連続させて構築する。
【0011】その具体的な施工法は、オーガスクリュー
でセメントミルクを注入しながら削孔し、予定深度に到
達した後、該オーガスクリューを上下往復させて、削孔
土とセメントミルクとを十分に攪拌混合してソイルセメ
ント状にする。その後セメントミルクを連続的に注入し
ながら前記オーガスクリューを徐々に引き上げて、孔壁
の安定を保持する。その後オーガスクリューの移動を行
い、前記削孔の側部相互がオーバーラップする状態で、
前記と同様にして削孔し、ソイルセメント状の柱状物を
形成する。これを順次に繰り返して前記遮水壁5を構築
するのである。
【0012】このようにして構築した遮水壁5の深さ
は、例えば図1に示す如く、遮水壁5の下端を越えて遮
水壁の内部に水と砂が沸き上がるボイリング現象を防止
できる程度に、埋設すべき貯水槽構造物2の下端9から
下方向に深く設定するものとする。
【0013】このようにして、平面視で環状なす遮水壁
5を構築した後、図4に示すように、該遮水壁5の内側
部分を掘り下げながら、上下端が開放した貯水槽構造物
2を地下に徐々に沈降させる。この沈降は、該貯水槽構
造物2の内部を掘り下げて行うものである。その際、前
記遮水壁5により確実な地下水遮断効果が得られるため
に、地下水に影響されることなく安全に、構造物の沈降
施工を行うことができる。該貯水槽構造物2が所定深さ
で地下埋設された後、図1に示すように、現場打ち施工
により貯水槽底部10を形成し、その後頂版11で閉蓋
することにより、地下埋設の貯水槽12を構築する。
【0014】前記遮水壁5は、貯水槽を構築した後も永
久構造物として地中に残す。このように地中に残る遮水
壁5は、一種の土留めとして機能し、貯水槽に対する土
圧軽減に寄与するばかりか、遮水機能を発揮することと
もなり、貯水槽を保護する。
【0015】本発明に係る構築工法は、前記貯水槽の
他、地下室その他の地下埋設の構造物を構築する場合に
広く応用できるものである。そして前記遮水壁は、地盤
の掘り下げ部分を周方向で完全に取り囲むように構築さ
れればよいのであり、それは、前記のような平面視で円
環状をなすものには特定さず、楕円環状や角形等の環状
をなすものであってもよい。
【0016】
【発明の効果】本発明によるときは、平面視で環状をな
す遮水壁によって確実な地下水の遮断を行いながら地下
構造物を構築できるのはもとより、短い施工日数で安全
且つ確実に施工でき、しかも施工費の低減が図られるこ
ととなる。より具体的には次のようである。
【0017】 遮水壁を構築するソイルセメント状の
柱状物は、土に近い性質を有するために、これを永久構
造物として地中に残すことが可能であり、従来の土留め
矢板工法におけるような、地中からの引き上げを必要と
しない。かかることから、土留め矢板工法に比して施工
日数を短縮できると共に施工費の低減を図ることができ
る。
【0018】 遮水壁の構築が、鋼矢板の打設や引き
抜きを伴う土留め矢板工法のように周辺地盤を緩ませる
恐れがないと共に、地下水を抜くウェルポイント工法の
ように、土質に制約されないばかりか、地下水の水位低
下による周辺地盤の沈下を招く等といった問題を発生さ
せることもないため、住居地域においても安全に施工で
きる利点がある。このように本発明は、周辺地盤に悪影
響を及ぼすことなく安全且つ確実に施工できる高い信頼
性を有するのである。
【0019】 前記遮水壁は、貯水槽を構築した後も
永久構造物として地中に残るため、これが一種の土留め
として機能し、貯水槽に対する土圧軽減に寄与するばか
りか、遮水機能を発揮することともなり、施工後におけ
る地下構造物の一層の安全性向上を達成できることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構築工法を説明する断面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】遮水壁の構築工程を説明する平面図である。
【図4】地盤を掘り下げて構築物を沈降させる工程を説
明する断面図である。
【図5】従来のウェルポイント工法を説明する断面図で
ある。
【図6】その平面図である。
【図7】従来の土留め矢板工法を説明する断面図であ
る。
【図8】その平面図である。
【符号の説明】
1 地盤 2 構造物 5 遮水壁 6 ソイルセメント状の柱状物

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤を掘り下げて構造物を地下に埋設す
    る地下構造物の構築工法であって、前記地盤の掘り下げ
    るべき部分を周方向で完全に取り囲むように、平面視で
    環状をなす遮水壁を予め構築しておくものとし、該遮水
    壁は、地盤を上下方向で削孔し且つその内部で削孔土と
    セメントミルクとの攪拌混合物を硬化させてなるソイル
    セメント状の柱状物を、その側部相互がオーバーラップ
    する配置で周方向に連続させて形成し、このように構築
    した遮水壁を、構造物を地下に埋設した後も地中に残す
    ことを特徴とする地下構造物の構築工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115305936A (zh) * 2022-08-25 2022-11-08 北京城建远东建设投资集团有限公司 钢箱隔水施工工艺

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