JPH11199960A - 耐疲労特性に優れた合金 - Google Patents

耐疲労特性に優れた合金

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JPH11199960A
JPH11199960A JP29244898A JP29244898A JPH11199960A JP H11199960 A JPH11199960 A JP H11199960A JP 29244898 A JP29244898 A JP 29244898A JP 29244898 A JP29244898 A JP 29244898A JP H11199960 A JPH11199960 A JP H11199960A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲
労特性に優れた合金を提供する。 【解決手段】 本発明は,基地相30と基地相より弾性
率が高い晶出物または硬質粒子20とからなる亜共晶組
織を有する合金であって,合金の結晶粒度dは,晶出物
または硬質粒子20によって取り囲まれた基地相の単位
セルサイズCの24倍以下である。合金は,Si;4〜
12重量%,Cu;0〜7重量%,Mg;0〜0.5重
量%,Ti;0.15〜0.5重量%,Fe;0〜0.
7重量%,Mn;0〜0.7重量%,残部Al及び不純
物からなり,かつ合金の結晶粒度dと二次デンドライト
アーム間隔DASとの比d/DASが24以下であるこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,耐熱疲労性,高サイクル疲労強
度が共に優れた合金,特に自動車用エンジンのシリンダ
ヘッド鋳造に好適なアルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来技術】近年,自動車には,その全体の軽量化が強
く要望され,エンジンのシリンダヘッド鋳造用のアルミ
ニウム合金も提案されている。従来,かかる用途に用い
るアルミニウム合金としては,例えば特開昭57−12
6944号公報に示されたものがある。このアルミニウ
ム合金は,Si5〜8重量%,Cu2〜4重量%,Mg
0.15〜0.4重量%,残部Alからなる。また,同
じくかかる用途に用いる合金として,JIS AC2B 合金が
ある。このアルミニウム合金は,Si5〜8重量%,C
u2〜4重量%,Mg0.4重量%以下,残部Alから
なり,不純物として,Ti0.2重量%以下を許容して
いる。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のア
ルミニウム合金は,近年におけるエンジンの高温,高出
力化に対して,充分な耐熱疲労性,高サイクル疲労強度
などの耐疲労特性を有しているとは言い難い。本発明は
かかる従来の問題に鑑み,耐熱疲労性,高サイクル疲労
強度などの耐疲労特性に優れた合金を提供しようとする
ものである。
【0004】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,基地相と
該基地相より弾性率が高い晶出物または硬質粒子とから
なる亜共晶組織を有する合金であって,上記合金の結晶
粒度は,上記晶出物または硬質粒子によって取り囲まれ
た基地相の単位セルサイズの24倍以下であることを特
徴とする耐疲労特性に優れた合金にある。
【0005】本発明の合金は,独立した結晶粒が集合し
てなる多結晶体である。また,本発明の合金は,凝固の
過程で,まず基地相が初晶として凝固し,次いで,その
基地相の周囲に共晶反応によって晶出物が生成する亜共
晶組織を有する。ここで,上記晶出物は硬質粒子でもよ
い。
【0006】図1(a)に示すごとく,各結晶粒1は,
基地相30と,基地相30より弾性率及び降伏応力が高
い晶出物または硬質粒子20とから構成されている。基
地相の単位セル4の周囲は,晶出物または硬質粒子20
が取り囲んでいる。これにより,多結晶体全体の中で,
晶出物または硬質粒子20がネットワーク状の骨格を形
成する。晶出物または硬質粒子20は弾性率及び降伏応
力が高いため変形しにくく,これが連なってできたネッ
トワーク状の骨格も変形しにくい。基地相30は,この
ような強固な骨格に囲まれているため変形の集中が生じ
にくい。
【0007】また,本発明においては,合金の結晶粒度
を,晶出物または硬質粒子によって取り囲まれた基地相
の単位セルサイズの24倍以下に組織制御している。そ
のため,合金の結晶粒が微細化し,これに伴って,晶出
物または硬質粒子の整列が乱れ,上記ネットワーク状の
骨格が実質的に等方的になる(図4,図6参照)。これ
により,合金中の変形が実質的に均一になり,それによ
り耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性の
向上が実現される。一方,上記骨格が方向性を持ってい
ると,特定の方向にすべり変形を生じ易い欠点がある。
【0008】また,本発明で用いている晶出物または硬
質粒子は基地相よりも弾性率が高いので,これらが合金
中に分散することにより分散強化の効果が得られ,基地
相よりも高い応力を分担できる。よって疲労亀裂の発生
源である基地相の応力分担が低くなるため,耐熱疲労
性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性が向上すると
考えられる。即ち,本合金は,合金の結晶粒度と基地相
の単位セルサイズとの比の規定による変形の均一化と晶
出物または硬質粒子による分散強化により,耐熱疲労性
と高サイクル疲労強度を両立した優れた耐疲労特性を発
揮するものと考えられる。
【0009】本発明の用語を図1(a)を用いて定義説
明する。本発明において,「基地相」とは,合金のマト
リックスをいう。例えば,アルミニウム合金の場合には
アルミニウム部が基地相に相当する。「単位セル」と
は,結晶粒1の中において,晶出物または硬質粒子20
により囲まれた基地相30の最小単位のセルをいい,
「単位セルサイズ」とは,基地相30の単位セルの短径
Cをいう。「合金の結晶粒度d」とは,合金の独立した
結晶粒1の直径をいう。結晶粒度の求め方は,JIS−
H−0501「伸銅品結晶粒度試験方法」に準じる。
【0010】「晶出物」とは,合金が凝固する際に,液
相中から生成する固体粒子をいい,例えば,アルミ鋳物
においては,共晶Si,Al−Si−Fe−Mn化合物
等が挙げられる。「硬質粒子」とは,合金中に予め混入
される,あるいは混入粒子と合金との反応によって生成
される基地相よりも硬度の高い粒子をいい,例えば,S
iC粒子,Al粒子,TiB粒子等が挙げられ
る。
【0011】晶出物または硬質粒子は,基地相よりも弾
性率が30%以上高いことが好ましい。これにより,変
形の集中を抑制する晶出物または硬質粒子によるネット
ワーク状の骨格を強固にできる。一方,30%未満の場
合には,局部変形を生じるおそれがある。
【0012】晶出物または硬質粒子は,基地相よりも降
伏応力が30%以上高いことが好ましい。これにより,
晶出物又は硬質粒子によるネットワーク状の骨格を強固
にできるため,合金の変形が均一になるという効果を発
揮できる。一方,30%未満の場合には,晶出物又は硬
質粒子が変形して破壊し,合金が局部変形するおそれが
ある。
【0013】次に,請求項2に記載のように,Si;4
〜12重量%,Cu;0〜7重量%,Mg;0〜0.5
重量%,Ti;0.15〜0.5重量%,Fe;0〜
0.7重量%,Mn;0〜0.7重量%,残部Al及び
不純物からなり,かつ合金中の基地相は結晶粒度dと二
次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASが2
4以下であることが好ましい。
【0014】上記合金はアルミニウム合金であり,そし
て特に強調すべきことは,後に詳述するように,Ti量
を上記範囲とすることにより,結晶粒が微細化し,これ
に伴って晶出物の分布が等方的になり(図4,図6参
照),またTiが基地α−Al部中に固溶することであ
る。そして,この晶出物が形成する等方的な骨格構造と
基地α−Al部の固溶強化,及び固溶Tiによる転位の
ピン止め効果とにより,アルミニウム合金全体の均一な
変形を促す。そのため,アルミニウム合金の耐熱疲労性
および高サイクル疲労強度が向上すると考えられる。
【0015】また,特に上記範囲内でCuを添加した場
合には,基地α−Al部が析出強化され,加えて熱的に
安定なAl−Cu系の晶出物粒子により,粒子分散強化
されるために,高サイクル疲労強度が向上する。また,
上記範囲内でもMg量を低くすると,延性に優れ,この
ため耐熱疲労性が向上する。
【0016】ただし,後述するd/DASの組織制御が
なされていないと,局部的なひずみ集中を生じ易く,必
ずしも高い強度が得られない。
【0017】即ち,本合金は,Ti添加,d/DASの
規定による変形の均一化と,Cu添加による析出強化及
び分散強化と,低Mgによる高延性化との相乗作用によ
り,耐熱疲労性と高サイクル疲労強度とを両立した優れ
た特性を発揮するものと考えられる。なお,上記d/D
AS値における上記結晶粒度dの単位と,上記間隔DA
Sの単位は同じである。
【0018】また,本発明においては,上記比d/DA
Sを24以下としている。そのため,上記晶出物からな
るネットワーク状の骨格構造が一層等方的となり,アル
ミニウム合金の機械的応力及び熱歪みの繰り返しによる
変形がより均一となる。そのため,上記Tiの特定範囲
の添加と共に,一層耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が
向上する。したがって,本発明によれば,耐熱疲労性,
高サイクル疲労強度などの耐疲労特性が優れたアルミニ
ウム合金を提供することができる。次に,上記各アルミ
ニウム合金に関して,各元素量の限定理由,及び比d/
DASについて説明する。
【0019】〔各合金元素量の限定理由〕 Si(シリコン);4〜12重量% 4重量%未満の場合,合金の鋳造性が悪く鋳造欠陥が生
じやすい。また,熱膨張係数が大きい欠点がある。12
重量%を越えると,凝固時の指向性が高まり,組織が不
均質になるとともに,最終凝固部付近に多量の鋳造欠陥
が生じるおそれがある。また,脆いSiの量が増加する
ため,延性や靭性が低下するおそれがある。好ましい範
囲は5〜8重量%である。この範囲において最も安定し
た鋳造性が得られると共に,共晶Si相が適量であるた
め,適度な強度と延性が得られる。
【0020】ただし,鋳造法を工夫すれば,8〜12重
量%でもよい。この場合には,鋳造欠陥の生成を抑える
鋳造法の工夫,あるいは鋳造後に局部再溶融処理などに
より鋳造欠陥を除去する手法をとることが必要である。
また,この場合には,高い高サイクル疲労強度も期待で
きる。
【0021】なお,ダイカスト用の合金として用いる場
合には,9〜12重量%であることが望ましい。これは
ダイカスト法では凝固速度が速いため,高Si量にして
も晶出するSi粒子が小さいため適度な延性,強度及び
高サイクル疲労強度が得られるからである。
【0022】Cu(銅);0〜7重量% 7重量%を越えると,Cu化合物の生成量が多すぎるた
め,延性,靭性が低下するおそれがある。また,鋳造性
の点からCuが低い方がポロシティの発生を抑制しやす
い。好ましい範囲は3〜7重量%である。3重量%未満
の場合,静的強度および疲労強度が十分でない場合があ
る。鋳造性と疲労強度のバランスが必要な場合には,3
〜4重量%が好ましい。また,高サイクル疲労強度が必
要とされる場合には,4〜7重量%が好ましい。
【0023】Mg(マグネシウム);0〜0.5重量% 0.5重量%を越えると,延性,靭性が低下する。好ま
しい範囲は0.1〜0.5重量%である。0.1重量%
未満の場合には,基地αアルミニウムの延性,靭性が高
いため,熱疲労による亀裂発生寿命が極めて長くなる効
果がある。
【0024】Ti(チタン);0.15〜0.5重量% 0.15重量%未満の場合,組織の等方化が不十分なた
め,不均一な変形が生じやすく,熱疲労による亀裂発生
寿命が低い。0.5重量%を越えると,粗大な初晶Ti
化合物を生成しやすく,延性や靭性が著しく低下するお
それがある。
【0025】Tiの好ましい含有量は,Cu量と相関す
る。即ち,Cu量が4重量%以下の場合のTi量の好ま
しい範囲は,0.25〜0.4重量%である。この範囲
において,適度な延性や靱性を有し,かつ十分な組織の
等方化効果が得られる。
【0026】Cu量が4重量%を越える場合のTi量の
好ましい範囲は,0.15〜0.4重量%である。この
範囲において,適度な延性や靱性を有し,かつ十分な組
織の等方化効果が得られる。Cu量が低い場合に,必要
なTi添加量が多いのは,Cu量が低い場合,DAS値
が小さい上,Ti添加により結晶粒が微細化しにくい傾
向があるからである。なお,Ti-B合金,Ti-C合金
などの他の結晶粒微細化用合金の添加により,d/DA
S値24以下の条件を満足する場合には,Ti量は0.
15重量%未満でも可とする。
【0027】Fe(鉄);0〜0.7重量% 0.7重量%を越えると,粗大なFe化合物を生成し易
く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。好まし
い範囲は,0.3〜0.7重量%である。0.3重量%
未満の場合には,Fe化合物の生成が少なく,晶出物の
骨格構造強化への寄与が小さくなる場合がある。なお,
Fe化合物とは,Feを含む化合物の総称として用いて
おり,Al−Si−Fe化合物,Al−Si−Fe−M
n化合物などを含む。
【0028】Mn(マンガン);0〜0.7重量% 0.7重量%を越えると,粗大なMn化合物を生成し易
く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。好まし
い範囲は,0.3〜0.7重量%である。0.3重量%
未満の場合には,Mn化合物の生成が少なく,晶出物の
骨格構造強化への寄与が小さくなる場合がある。なお,
Mn化合物とは,Mnを含む化合物の総称として用いて
おり,Al−Si−Mn化合物,Al−Si−Fe−M
n化合物などを含む。
【0029】また,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7
重量%,Mg;0.1重量%未満,Ti;0.15〜
0.5重量%,残部Al及び不純物からなり,かつ合金
中の基地相は結晶粒度dと二次デンドライトアーム間隔
DASとの比d/DASが24以下であることを特徴と
する耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が共に優れたアル
ミニウム合金がある。
【0030】このアルミニウム合金は,Ti量が上記範
囲内にあるため,結晶粒が微細化し,これに伴って晶出
物または硬質粒子の分布が等方的になり骨格を形成し
(図4,図6参照),またTiが基地α−Al部中に固
溶する。上記骨格と基地α−Al部の固溶強化及び固溶
Tiによる転位のピン止め効果とにより,合金全体の均
一な変形を促し,耐熱疲労性及び高サイクル疲労強度が
向上する。
【0031】Siが4重量%未満の場合,鋳造性が悪く
鋳造欠陥が生じやすい。また,熱膨張係数が大きい欠点
がある。9重量%を越えると,凝固時の指向性が高ま
り,組織が不均質になるとともに,最終凝固部付近に多
量の鋳造欠陥が生じるおそれがある。また,脆いSiの
量が増加するため,延性や靭性が低下するおそれがあ
る。
【0032】Cuが3重量%未満の場合,静的強度およ
び疲労強度が十分でない。7重量%を越えると,Cu化
合物の生成量が多すぎるため,延性,靭性が低下するお
それがある。また,鋳造性の点からCuが低い方がポロ
シティの発生を抑制しやすい。
【0033】Mgが0.1重量%未満では,基地αアル
ミニウムの延性,靭性が高いため,熱疲労による亀裂発
生寿命が極めて長くなる。Tiが0.15重量%未満の
場合,組織の等方化が不十分なため,不均一な変形が生
じやすく,熱疲労による亀裂発生寿命が低い。0.5重
量%を越えると,粗大な初晶Ti化合物を生成しやす
く,延性や靭性が著しく低下するおそれがある。
【0034】また,上記アルミニウム合金に更にMn,
Fe,Niから選択される元素を加え,そのFe/Mn
(重量%比)を限定したアルミニウム合金として,S
i;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,Mg<0.1
重量%,Ti;0.15〜0.5重量%を含有し,更
に,Mn;0.3〜0.7重量%,Fe;0.3〜0.
7重量%,Ni;0.3〜3重量%の一種以上を含有
し,そのFe/Mn(重量%比)が2以下であり,残部
Al及び不純物からなり,かつ合金の結晶粒度dと二次
デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASが24
以下とした耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が共に優れ
たアルミニウム合金がある。
【0035】このアルミニウム合金において特に強調す
べきとは,後に詳述するように,上記の範囲のMn,F
e,Niを意図的に添加することにより,Mn化合物,
Fe化合物,Ni化合物からなる晶出物を生成させ,前
述した晶出物による骨格構造をより強化できることであ
る。また,添加したMnの一部は,基地α−Al中に固
溶する。
【0036】そして,この強固な晶出物による骨格構造
と基地α−Al部の固溶強化により,合金の変形が一層
均一に生じるようになる。そのため,この合金は,上記
合金に比べて更に優れた耐熱疲労性と高サイクル疲労強
度を有すると考えられる。なお,Fe/Mn(重量%)
の上限を限定したのは,この比が大きすぎると針状のF
e化合物が生成し,合金の延性が著しく低下して好まし
くないからである。
【0037】Mnが0.3重量%未満の場合,Mn化合
物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小
さくなるおそれがある。0.7重量%を越えると,粗大
なMn化合物を生成し易く,延性や靱性が著しく低下す
るおそれがある。
【0038】Feが0.3重量%未満の場合,Fe化合
物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小
さい。0.7重量%を越えると,粗大なFe化合物を生
成し易く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。
【0039】Niが0.3重量%未満の場合,Ni化合
物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小
さい。3重量%を越えると,粗大なNi化合物を生成し
易く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。
【0040】Fe/Mn(重量%)が2を越えると,針
状のFe化合物が生成するため,合金の延性や靱性が著
しく低下する。好ましくは,1.5以下である。この範
囲であれば,Fe化合物は骸骨状や漢字状と称される複
雑な形状となり,針状相は殆どなくなるため,合金の延
性や靱性が優れている。なお,その下限は,Mn量がF
e量に比べて多すぎても針状化合物が生成する点から
0.2とすることが好ましい。
【0041】また,上記アルミニウム合金におけるMg
の範囲を変え,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量
%,Mg;0.2〜0.4重量%,Ti;0.15〜5
重量%,残部Al及び不純物からなり,かつ合金中の基
地相は結晶粒度dと二次デンドライトアーム間隔DAS
との比d/DASが24以下とした静的強度,耐熱疲労
性,高サイクル疲労強度が共に優れたアルミニウム合金
がある。
【0042】この合金は,熱処理によりMgを含む析出
物を生成する。この析出強化によって,上記アルミニウ
ム合金に比較して,常温における静的強度が向上する。
また,請求項2と同様の効果を得ることができる。ただ
し,耐熱疲労性は上記合金の方がより優れている。
【0043】また,この合金に更にMn,Fe,Niか
ら選択される元素を加え,そのFe/Mn(重量%)を
限定し,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,M
g;0.2〜0.4重量%,Ti;0.15〜0.5重
量%を含有し,更に,Mn;0.3〜0.7重量%,F
e;0.3〜0.7重量%,Ni;0.3〜3重量%の
一種以上を含有し,そのFe/Mn(重量%比)が2以
下であり,残部Al及び不純物DASが24以下とした
静的強度,耐熱疲労性,高サイクル疲労強度に優れたア
ルミニウム合金がある。
【0044】このアルミニウム合金において特に強調す
べきことは,適量のMg添加による析出強化によって,
同等の静的強度特性を有することに加え,前述したM
n,Fe,Ni添加による骨格構造の強化と,d/DA
Sにより規定した組織の等方化の相乗作用により,更に
優れた耐熱疲労性と高サイクル疲労強度を有することで
ある。
【0045】〔結晶粒度dと二次デンドライトアーム間
隔DASとの比d/DASについて〕本発明合金の基地
相は,上記の比d/DASが24以下である。これによ
り,耐熱粒子(晶出物または硬質粒子)からなるネット
ワーク状の骨格構造が等方的になり,変形がより均一に
生じるようになる。
【0046】ここでは「二次デンドライトアーム間隔D
AS」とは,「ダイカスト鋳物のデンドライトアームス
ペーシング分布に関する調査」,日本鋳物協会ダイカス
ト研究部会編,1990年,9頁の内容に準じて,計3
0個以上の二次デンドライトアームの間隔を実測し,平
均して求めた値である。また,この値は,図1(b)に
示すごとく,晶出物としてのデンドライト2によって囲
まれる基地相の単位セル4の大きさをいう。なお,基地
相のセルの大きさを表す他の指標を用いてもよい。
【0047】また,同じ鋳造条件でもd及びDAS値は
合金成分により変化する。たとえば,Cu量が少なくな
ると,dが大きくDAS値が小さくなるため,Ti添加
量を増やして結晶粒度をより小さくするなどの手段を講
じて,d/DASを24以下にする必要がある。
【0048】ここにいう結晶粒度dとは,合金の結晶粒
1の直径をいい(図1(b)),JlS−H−0501
「伸銅品結晶粒度試験方法」に準じて測定した値であ
る。なお,結晶粒度の計算値又は観測値の求め方は,前
記JIS−H−0501に準ずる。この場合において,
dが0.1mmを超え0.6mm以下の場合には0.0
5mmの整数倍に最も近い値を用い,0.6mmを超え
る場合には,0.1mmの整数倍に最も近い値を用いる
こととする。但し,正確な測定値が必要な場合には前記
JISに規定された求積法を用いることとする。結晶粒
はデンドライトセルより大きいため,d/DAS≧1で
ある。また,組織の等方化の点よりd/DASは24以
下であることが必要である。更に20以下であることが
好ましい。
【0049】本発明合金は,d/DASが小さいことを
大きな特徴としている。図1(b)に示すごとく,結晶
粒1の中心部には,デンドライトの二次枝のないコア部
3が存在し,このコア部3から結晶粒の外周部に向かっ
てデンドライト2が成長する。このデンドライトの成長
部に二次枝(二次デンドライトアーム)の整列が認めら
れる。本発明合金の図1(b)に示す結晶粒の構造は,
図1(a)に示す結晶粒の一形態である。
【0050】また,結晶粒の外周部ではこの整列が不明
瞭になる。実際に観察される二次枝の整列数は,d/D
ASが24の場合に3個程度であり,d/DASが10
以下の場合には殆ど0である。したがって,d/DAS
が24以下であれば,二次枝の整列数が少ないため,組
織が比較的等方的であり,変形が均一に生じ易いと考え
られる。
【0051】なお,基地α−Al部中には,0.1〜
0.5重量%のTiが固溶していることが好ましい。こ
れにより,基地α−Al部が固溶強化されるとともに,
固溶しているTiが転位をピン止めするので,基地α−
Al部の変形が均一化される効果がある。固溶量が0.
1重量%未満では固溶強化および転位のピン止め効果が
十分でない。また,通常の凝固プロセスにおいては0.
5重量%を越える量を固溶させることが困難である。
【0052】次に,本発明合金が優れた耐熱疲労性及び
高サイクル疲労強度を有するメカニズムについては,明
確ではないが,次のように推定される。まず,本発明合
金の基地相は,上記比d/DASが24以下である。こ
のように,本発明合金では,比d/DASが小さいので
アルミニウム合金に1000〜7000rpmの高い応
力振動が加わったときでも,その変形が均一に生じる。
また,0.5rpm以下の低い熱歪み振動が加わったと
きでも,変形が均一に生じる。そのため,高サイクル疲
労及び熱疲労(低サイクル疲労の一種)による亀裂発生
寿命が長い。このメカニズムを以下に述べる。
【0053】図2,図3に局部的なひずみの集中によっ
て,熱疲労破損に至った破断部の例を示す。熱ひずみの
繰り返しを受けた試験片の表面には,ほとんど変形して
いない滑らかな部分と,局部的にひずみが集中した凹凸
の激しい部分とが認められる。凹凸の激しい部分には亀
裂が発生しており,このような亀裂が合体して破断に至
ったと推定できる。この観察結果より,「変形の均一
性」が実用材料の耐熱疲労性を支配している重要因子で
あると判断できる。
【0054】「変形の均一性」は,材料の組織の均質性
と密接に関係している。即ち,図2,図3に示す試験片
では,材料の組織が不均質なために局部的に大きな塑性
ひずみが発生し,早期に亀裂が発生したと考えられる。
なお,上記図2,図3(部分拡大写真)に示す材料は,
AC2C−T6アルミニウム合金で,凝固時間30秒,
Na改良処理材であり,50〜250℃,5分/サイク
ル,Δε(全歪み範囲)約0.45%の試験条件におけ
る,局部変形に起因した,疲労破損の例である。
【0055】次に,図4に本発明合金,図5に比較合金
(Ti含有せず)の組織写真を比較して示す。本発明の
合金(図4)は,デンドライトセルの整列が不明瞭であ
り,晶出物の並びによって等方的なネットワーク状組織
が形成されている。一方,比較合金(図5)は,顕著な
デンドライト状組織を呈しており,デンドライトセルが
直線的に整列するとともに,デンドライトセルの間隙に
ある晶出物が直線的にある方位に連続して並んでおり,
指向性のある不均質な組織を呈している。
【0056】なお,本発明合金は,Al−6Si−5C
u−0.3Mg−0.2Ti−0.4Fe−0.3Mn
の組成であり,一方比較合金はこの組成中の0.2Ti
を含有していない。
【0057】本発明では,このような組織の均質性,等
方性を表す指標として,基地相の結晶粒度dと二次デン
ドライトアーム間隔DASとの比d/DASに着目し
た。図5の比較合金では,比d/DASが70と大き
く,デンドライトセルに比べて結晶粒が大きいため,デ
ンドライトが大きく成長して指向性のある不均質な組織
となっている。これに対して,図4の本発明合金の比d
/DASは20と小さい。このような合金では,結晶粒
が少数のデンドライトセルから構成されるため,デンド
ライトの整列は不明瞭になる。これによって,本発明合
金では,等方的で均質なネットワーク状組織が形成され
ることになる。
【0058】また,図6には本発明合金を,一方図7に
は比較合金の組織形態を模式的に示した。両図におい
て,結晶粒内の矢印は各粒におけるデンドライトの整列
を表している。比d/DASが小さい本発明合金(図
6)では,結晶粒内にデンドライトの整列が少なく,結
晶粒数も多い。このため,組織が等方的で均質であり,
変形が均一に生じる。
【0059】一方,比d/DASが大きい比較合金(図
7)では,結晶粒内のデンドライトの整列が顕著であ
り,各結晶粒が指向性を持っているとともに,結晶粒数
が少ない。そのために,組織が不均質であり,不均一な
変形が生じやすい。このように,本発明合金では組織が
等方的かつ均質で変形が均一に生じるため,応力や歪み
の繰り返しを受けても亀裂発生が生じにくく,高サイク
ル疲労強度及び耐熱疲労性に優れていると考えられる。
【0060】また,本発明の合金はCu及びMgを含有
した析出強化型合金である。このような析出強化型合金
ではCu及びMgの含有量の増加に伴い延性が低下する
ため,添加量の増量及び複合添加によって,必ずしも強
度特性が向上するとは限らない。
【0061】しかしながら,本発明の合金では,Ti添
加,d/DASの規定により変形が均一に生じるように
なり,これに伴い局部的な応力集中が緩和されるため,
高Cu化及びMg添加による強化作用及び低Mg化によ
る延性向上作用が,合金の特性向上に十分に反映され
る。とりわけ,応力集中や歪み集中が亀裂の発生主因と
なる高サイクル疲労や熱疲労においては,その特性の向
上が顕著に現れる。
【0062】以上に述べたように,本発明合金では,T
i添加,d/DASの規定による変形の均一化と,低C
u化による鋳造性の向上又はCu添加による析出強化及
び分散強化と,低Mg化による延性の向上又は適量のM
g添加による析出強化との相乗作用により,耐熱疲労性
と高サイクル疲労強度を両立した優れた材料特性を有す
るものと考えられる。
【0063】また,本発明にかかるアルミニウム合金
は,エンジンのシリンダヘッド或いはシリンダブロック
に用いたとき,特にその耐熱疲労性,高サイクル疲労強
度に優れている。さらに,鋳造欠陥の少ない高級ダイキ
ャスト部品にも適用でき,優れた高サイクル疲労強度を
発揮する。
【0064】
【発明の実施の形態】実施形態例1 表1,表2に示す試料1〜23のアルミニウム合金を製
造し,以下のごとく,それらの特性を測定した。
【0065】(1)耐熱疲労性 熱疲労による亀裂発生寿命を測定した。その結果を表3
に示す。上記測定は,次のようにして行なった。即ち,
得られたAl合金試料,及び比較用Al合金試料に対し
て,T6処理(溶体化処理;500℃×2時間→水冷,
時間処理;160℃×5時間)を施した後,試験片に加
工して熱疲労試験を行なった。
【0066】熱疲労試験は,低熱膨張の拘束ホルダと試
験片を一体化して加熱・冷却を繰り返す方式で実施した
(例えば,特開平7−20031号公報〔特願平5−
188818号〕,「材料」,vol.45,(19
96),pp.125−130,「軽金属」,vo
l.45,(1995),pp.671−676に示さ
れる熱疲労試験方法)。
【0067】試験温度範囲は,40〜260℃で,繰り
返し速度は5min/サイクルとした。JIS−AC2
B合金製の試験片を用いて,上記に示される熱疲労試
験方法により,高温歪みゲージで実測した試験初期の全
歪み範囲は約0.6%であった。なお,試験片及びホル
ダは,前記,に示される中型のものを用いた。熱疲
労による亀裂発生寿命は,試験片表面の亀裂が急激に進
展し始めるサイクル数と定義した。
【0068】(2)高サイクル疲労強度 室温における高サイクル疲労試験に基づき,107 回疲
労強度を求めた。その結果を表4に示す。上記測定は,
次のようにして行なった。Al合金試料に対して,T6
処理(条件は前述)を施した後,試験片に加工して室温
において高サイクル疲労試験を行なった。上記試験は,
電気油圧制御方式の引張−圧縮型疲労試験機により実施
した。試験片平行部はφ4×6mmのものを用いた。応
力比Rは−1,繰り返し速度は50Hzで評価した。
【0069】(3)比d/DAS 各種アルミニウム合金につき,比d/DASを測定し,
その結果を表5に示す。
【0070】表1〜表5より知られるごとく,本発明に
かかるアルミニウム合金は,優れた耐熱疲労性及び高サ
イクル疲労強度を有することが分かる。また,表1,表
2,表5より,本発明にかかるアルミニウム合金は比d
/DASが20以下であることが分かる。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】実施形態例2 アルミニウム合金中におけるMg量と熱疲労による亀裂
発生寿命との関係につき図8に示す。同図は,Si6重
量%,Cu5重量%,Mg0〜1.5重量%,Ti0.
2重量%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部
Alよりなる合金について示す。同図より,Mgが0.
4重量%以下の場合には優れた耐熱疲労性を有し,Mg
が0.1重量%以下の場合に最も優れた耐熱疲労性を有
することが分かる。
【0077】実施形態例3 アルミニウム合金中における,Ti量と熱疲労による亀
裂発生寿命との関係につき図9に示す。同図は,Si6
重量%,Cu5重量%,Mg0.3重量%,Ti0〜
0.4重量%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,
残部Alよりなる合金について示す。同図より,Tiが
0.2〜0.4重量%の場合には優れた耐熱疲労性を有
することが分かる。
【0078】実施形態例4 アルミニウム合金中におけるCu量と107 回疲労強度
との関係につき図10に示す。同図は,Si6重量%,
Cu0〜7重量%,Mg0.3重量%,Ti0.2重量
%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよ
りなる合金について示す。同図より,Cuが4〜7重量
%の場合には,優れた高サイクル疲労強度を有すること
が分かる。
【0079】実施形態例5 アルミニウム合金中のMg量と室温における引張強さと
の関係を,図11に示す。同図はSi6重量%,Cu5
重量%,Mg0.3〜0.6重量%,Ti0.2重量
%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよ
りなる合金についての結果である。同図より,Mgが
0.2重量%以上の場合には引張強度が高いことが分か
る。
【0080】実施形態例6 d/DAS比と引張強さおよび高サイクル疲労強度との
関係を,図12に示す。同図はSi6重量%,Cu3重
量%,Mg0.3重量%,Ti0〜0.3重量%,Fe
0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよりなる合
金についての結果である。
【0081】図12より,d/DAS比が24以下の場
合に,高サイクル疲労強度が高いことが分かる。なお,
引張強さはTi量が0.2重量%まではほぼ一定でそれ
以上添加するとむしろ低下傾向にある。従来,引張強さ
と高サイクル疲労強度とは相関関係にあると考えられて
きた。したがって,従来合金の特性から本発明の合金が
高サイクル疲労強度に優れることを容易に予想すること
はできない。また,Cu量が3重量%の本合金では,d
/DASを安定して24以下にするにはTi量を0.2
5%以上にする必要があった。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば,耐熱疲労性及び高サイ
クル疲労強度に優れた合金を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における,結晶粒の結晶粒度と単位セル
との関係を示す説明図(a),及び結晶粒度と二次デン
ドライトアーム間隔との関係を示す模式図(b)。
【図2】局部変形に起因した熱疲労破損部分の説明図。
【図3】図2における,破損部分の中のA部の図面代用
SEM写真(倍率80倍)。
【図4】本発明にかかるアルミニウム合金の組織状態を
示す図面代用光学顕微鏡写真(倍率50倍)。
【図5】比較例のアルミニウム合金の組成状態を示す図
面代用光学顕微鏡写真(倍率50倍)。
【図6】本発明にかかる,アルミニウム合金の組織形態
とデンドライト整列状況を示す説明図。
【図7】比較例にかかる,アルミニウム合金の組織形態
とデンドライト整列状況を示す説明図。
【図8】実施形態例2における,Mg量と熱疲労による
亀裂発生寿命との関係を示す線図。
【図9】実施形態例3における,Ti量と熱疲労による
亀裂発生寿命との関係を示す線図。
【図10】実施形態例4における,Cu量と室温疲労強
度との関係を示す線図。
【図11】実施形態例5における,Mg量と室温引張強
さとの関係を示す線図。
【図12】実施形態例6における,d/DAS比と引張
強さおよび高サイクル疲労強度の関係を示す線図。
【符号の説明】
1...結晶粒, 2...デンドライト, 20...晶出物または硬質粒子, 3...コア部, 30...基地相, 4...単位セル,

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地相と該基地相より弾性率が高い晶出
    物または硬質粒子とからなる亜共晶組織を有する合金で
    あって,上記合金の結晶粒度は,上記晶出物または硬質
    粒子によって取り囲まれた基地相の単位セルサイズの2
    4倍以下であることを特徴とする耐疲労特性に優れた合
    金。
  2. 【請求項2】 請求項1において,Si;4〜12重量
    %,Cu;0〜7重量%,Mg;0〜0.5重量%,T
    i;0.15〜0.5重量%,Fe;0〜0.7重量
    %,Mn;0〜0.7重量%,残部Al及び不純物から
    なり,かつ合金の結晶粒度dと二次デンドライトアーム
    間隔DASとの比d/DASが24以下であることを特
    徴とする耐疲労特性に優れた合金。
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