JP2004002987A - 高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Cu:4.0〜7.0%、Mg:0.2〜0.4%、Ag:0.05〜0.7%を含み、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金鍛造材であって、この組成からなる鋳造材を500〜535℃の温度で均質化熱処理後、280〜430℃の温度で熱間鍛造され、その後510〜545℃の温度で溶体化および焼入れ処理されており、その後の人工時効硬化処理後の室温での耐力が400MPa以上であることであることである。
【選択図】 無し
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2000系アルミニウム合金鍛造材 (以下、アルミニウムを単にAlと言う)に関し、高温特性 (耐熱性および高温耐力)に優れたAl合金鍛造材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロケットや航空機などの航空・宇宙機材用、鉄道車両、自動車、船舶などの輸送機材用、あるいはエンジン部品、コンプレッサーなどの機械部品用、具体的には、回転ローターや回転インペラー或いはピストンなどの、特に100℃を超える高温の使用環境となるAl合金製部品には、高温特性に優れたAl合金鍛造材が用いられる。この高温特性とは、前記高温下での耐クリープ特性および高温耐力である。
【0003】
従来、これらの所謂耐熱性Al合金鍛造材には、AA規格乃至JIS規格の 2000系(以下、単に2000系と言う)Al合金が用いられている。この種Al合金としては、2219、2618などがある。しかし、これらの2000系 Al合金は、120℃を越える高温では、長時間使用すると強度の低下が著しい。
【0004】
このため、120℃を越える高温使用環境でのクリープ特性や高温耐力を改善するために、近年では、2219Al合金にMgを0.3%添加した2519Al合金(Al−6.1Cu−0.3Mn−0.15Zr−0.1V)が開発されている。また、この2519Al合金にAgを添加した2519(Ag)Al合金も開発されている。そして、これら2519Al合金や2519(Ag)Al合金に関連したAl合金も多数提案されている (例えば、特許文献1、2参照)。また、本発明者らも、高い高温特性を再現性良く保証することが可能な耐熱Al合金材を提案した。この内容は、Cu:1.5〜7.0%、Mg:0.01〜2.0%を含み、更に、選択的にAg:0.05〜0.7%を含む耐熱Al合金の、θ’相および/またはΩ相について、θ’相の平均サイズを120 nm以下およびθ’相の析出物間の平均間隔を100 nm以下とすること、Ω相の平均サイズを100 nm以下およびΩ相の析出物間の平均間隔を150 nm以下とすることである (特許文献3、非特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−112748号公報
【特許文献2】
米国特許第4610733号明細書
【特許文献3】
特開平11−302764号公報
【非特許文献1】
軽金属学会第93回秋期大会講演概要(1997年 10月20日発行、233〜234 頁)
【0006】
また、前記高温特性が要求される用途部品は、基本的に肉厚の円筒形状や多数の羽根を周囲に設けた複雑形状を有している。このため、Al合金材によりこれらの部品を製造する場合には、Al合金のバルク状 (塊状)の鋳塊を熱間鍛造加工(熱間鍛造後冷間鍛造することも含む)した鍛造材から切削加工により部品とされている。そして、これら用途部品は、狭い空間乃至クリアランスを高速で摺動乃至回転するため、高い寸法精度や平滑性が厳しく要求される。このため、これら用途に使用されるAl合金材には、前記高温特性に加えて高い精密切削加工性、即ち被削性が要求される。
【0007】
このため、本発明者らは、高速動部品用の耐熱Al合金鍛造材の高い高温特性とともに高速動部品への切削加工における被削性を保証するために、Al合金鍛造材の溶体化処理後のミクロ組織がθ’相および/またはΩ相を有するとともに、結晶粒径を500μm以下の等軸再結晶粒とすることも提案した (特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献4】
特開2000−119786号公報
【0009】
しかし、これらの技術により、高温特性に優れたAl合金鍛造材を冶金的に設計したとしても、実際に製造されるAl合金鍛造材において、溶体化処理および焼入れ処理後の高温の人工時効硬化処理を施しても、耐力が向上せず、この種Al合金鍛造材 (耐熱Al合金鍛造材)に要求される人工時効硬化処理後の耐力が低くなり、高温使用時の耐力も低くなる場合が生じる。このため、本発明者らは、溶体化処理後の焼入れ速度の影響に注目し、400℃から290℃の間の平均冷却速度が30000℃/分以下と焼入れ速度 (冷却速度)が遅く (小さく)なる場合には、特に、Al合金鍛造材中のZr、Cr、Mnを、Zr:0.09%以下、Cr:0.05%以下、Mn:0.6%以下に各々規制することを提案した (特許文献5参照)。
【0010】
【特許文献5】
特開2001−181771号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、高温特性に優れるように冶金的に設計されたAl合金鍛造材を、その設計高温特性通りに再現性良く製造できるためには、なお、熱間鍛造条件や溶体化焼入れ処理条件などの、実際の製造条件の改良が必要であり、開発要素が残されていた。
【0012】
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、熱間鍛造条件や溶体化焼入れ処理条件などの製造条件を改良し、その設計高温特性通りに再現性良く製造できるAl合金鍛造材を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明アルミニウム合金鍛造材の請求項1の要旨は、Cu:4.0〜7.0%、Mg:0.2〜0.4%、Ag:0.05〜0.7%を含み、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金鍛造材であって、この組成からなる鋳造材を500〜535℃の温度で均質化熱処理後、280〜430℃の温度で熱間鍛造され、その後510〜545℃の温度で溶体化および焼入れ処理されており、その後の人工時効硬化処理後の室温での耐力が400MPa以上であることとする。なお、合金元素含有量の%表示は全て質量%を意味する。
【0014】
ここにおいて、前記冶金的に設計されたAl合金鍛造材を、その設計高温特性通りに再現性良く製造するためには、熱間鍛造条件や溶体化焼入れ処理条件などが重要であることは疑いがない。しかし、本発明者らは、これら熱間鍛造や溶体化焼入れ処理の最適条件が存在することを知見した。
【0015】
即ち、先ず、熱間鍛造の温度は、その設計高温特性通りに再現性良く製造するためには、一般的な熱間鍛造温度の条件範囲からより低温側である必要がある。また、溶体化処理温度及び溶体化処理後の焼入れ温度は、その設計高温特性通りに再現性良く製造するためには、後述する通り、本発明者らが知見した上記温度範囲にて処理することが必要である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の各要件の意義について説明する。
本発明におけるAl合金鍛造材の製造工程自体は、従来と基本的に同じである。即ち、本発明の成分範囲内に溶解調整されたAl合金溶湯を、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造して鋳塊を製作する。この鋳塊を500〜535℃の温度で均質化熱処理後、熱間鍛造してAl合金鍛造材を製造する。なお、鍛造用の素材としては、鋳塊を押出、圧延加工した、押出材や圧延材を使用しても良い。ここにおいて、前記均質化熱処理の温度が500℃未満では鋳塊の晶出物が固溶せず、均質化が不十分となる。一方、前記均質化熱処理の温度が535℃を越えると、バーニングが生じる可能性が高くなる。したがって、前記均質化熱処理の温度は500〜535℃の範囲とする。
【0017】
ここにおいて、本発明におけるAl合金鍛造材の製造条件や製造手段は、以下に詳述する熱間鍛造温度や溶体化処理温度や溶体化後の焼入れ温度及び必要に応じて行う冷間圧縮条件などを除き、従来方法と基本的には同じである。言い換えると、Al合金鍛造材の製造条件や製造手段を大きく変えない点が、本発明の利点でもある。
【0018】
まず、熱間鍛造の温度条件は、その設計高温特性通りに、Al合金鍛造材を再現性良く製造するために重要である。従来では、自由鍛造や型鍛造 (鍛伸鍛造)などの公知の鍛造手段を単独あるいは組み合わせて、適宜採るにせよ、Al合金鍛造材の溶体化処理後のミクロ組織を等軸結晶粒とするために、熱間鍛造温度を380〜430℃程度としていた。この熱間鍛造温度が低いと、Al合金鍛造材の組織が局部的に混粒となりやすく、高温特性が低下すると認識していたためである。
【0019】
この点、本発明では、熱間鍛造温度を再結晶温度以下の280〜430℃の温度範囲とする。熱間鍛造温度が430℃を越えると、本発明の成分範囲内のAl合金鍛造材には粗大粒が生じやすくなる。このため、Al合金鍛造材の高温特性が低下し、高温特性に優れたAl合金鍛造材を再現性良く製造することができない。一方、熱間鍛造温度が280℃未満では、熱間鍛造時に割れが生じ易く、鍛造加工自体が困難となる。
【0020】
本発明では、熱間鍛造の温度を280〜430℃としても、本発明の成分範囲内のAl合金鍛造材では、溶体化および焼入れ処理の適切化により、Al合金鍛造材の調質後のミクロ組織は等軸結晶粒となり、混粒とはならない。
【0021】
なお、Al合金鍛造材の前記ミクロ組織は、熱間鍛造の鍛練比にも影響される。したがって、Al合金鍛造材の場合に、前記ミクロ組織を等軸結晶粒とするためには、前記適宜の熱間鍛造の鍛練比を1.5以上とすることが好ましい。鍛練比が1.5未満であれば、Al合金鍛造材の組織が混粒となりやすい。さらに、鍛練の方向は一方向だけではなく、少なくとも、異なる2方向で行い、各方向での鍛練比を1.5以上とすることが更に好ましい。
【0022】
次に、溶体化および焼入れ処理について説明する。この溶体化および焼入れ処理において、可溶性金属間化合物を再固溶し、かつ冷却中の再析出を可能な限り抑制するためには、JIS−H−4140、AMS−H−6088などに規定された条件内にて行うことが好ましい。ただし、たとえAMS−H−6088等の規格によって熱処理を行っても、溶体化処理温度が高すぎるとバーニングを生じ、機械的性質を著しく低下させる。そして、溶体化処理温度が下限以下の温度であると人工時効硬化処理後の室温での耐力が400MPa以上とならず、また溶体化自体も困難となる。従って、溶体化処理温度の上限は545℃とし、下限は510℃とする。
【0023】
ここで、φ100 mm程度までの小物部品やピストンなどの用途において、残留応力が比較的大きくても、例えば切削などの加工上問題とならない製品については、溶体化および焼入れ処理後に人工時効硬化処理を施し、調質T6材とすることが望ましい。この場合、残留応力が比較的大きくなっても、高い強度特性及び高温特性を得る為に、焼入れ温度は40℃以下であることが望ましい。また、この焼入れ温度が高いと、人工時効硬化処理後の室温での耐力を400MPa以上とするのが困難となる。
【0024】
一方、ロータなど大型の製品では、焼入れ処理時に、製品表面と中央部との冷却速度が大きく異なるため、製品表面には10kgf/mm2を越える高い残留応力が発生する。このような高い残留応力が発生すると、製品の切削加工時に大きな歪みが生じ、精密な切削加工が極めて困難となる。また、最悪の場合、切削加工中に残留応力による割れなどの破壊が生じることもある。例え、切削加工中に割れなどの破壊が生じなくても、材料中に残存する晶出物等の金属間化合物を起点として、あるいは製品搬送中に生じた僅かな表面傷等を起点として、製品の長期間使用中に、き裂が伝播成長しやすく、最終破断に至る可能性もある。したがって、ロータなど残留応力が問題となる製品については、残留応力を好ましくは3.0kgf/mm2以下に除去乃至低減するため、溶体化処理後の水焼入れ温度を90℃以上の比較的高温とし、その後人工時効硬化処理を施し、調質T61材とすることが好ましい。
【0025】
また、用途によっては、製品の大小に関わらず、残留応力が厳しく管理される製品もある。このような製品については、残留応力を極力小さくすべく、冷間圧縮乃至冷間加工を加えて、残留応力を好ましくは3kgf/mm2以下に除去乃至低減し、人工時効硬化処理を施して調質T652材とすることが好ましい。これらの製品では、残留応力を好ましくは3kgf/mm2以下に除去乃至低減し、高い強度特性及び高温特性を得る為、焼入れ温度は40℃以下であることが好ましい。この焼入れ温度が高いと、人工時効硬化処理後の室温での耐力を400MPa以上とするのが困難となる。前記冷間圧縮乃至冷間加工の冷間圧縮 (加工)量が小さいと十分な残留応力の低減効果が得られない。一方、冷間圧縮量が大きいと、人工時効硬化処理中や高温での使用中に、θ’相の析出量が増加する為、耐力が低下しやすい。従って、冷間圧縮 (加工)は、圧縮 (加工)率1〜5 %とすることが好ましい。
【0026】
その後、これらAl合金鍛造材は前記用途部品に加工される。勿論、Al合金鍛造材を、前記用途製品に加工後に、溶体化、焼入れ処理および冷間圧縮や人工時効硬化処理などを適宜行っても良い。
【0027】
溶体化処理および焼入れ処理などの調質 (熱処理)に用いる炉はバッチ炉、連続焼鈍炉、溶融塩浴炉、オイル炉などが適宜使用可能である。また、焼入れに際しての冷却手段も、ユーコンクウェルチャント、水浸漬、温水浸漬、沸騰水浸漬、水噴射、空気噴射などの手段が適宜選択可能となる。
【0028】
このようにして得られた本発明Al合金鍛造材のミクロ組織は、500μm以下の、好ましくは10〜500μmの範囲の、更に好ましくは50〜300μmの範囲の、ほぼ一定サイズの微細な再結晶粒 (等軸再結晶粒)である。そして前記混粒組織に見られるような、粒径が1μm以下の微細な再結晶粒(或いは亜結晶粒)が集合体化した集団や、数mm〜数cm程度の粗大な再結晶粒、あるいは残存する鋳塊組織もなく、良好なクリープ特性などの高温特性と被削性とを兼ね備える。
【0029】
ただ、本発明における好ましい等軸再結晶粒の組織とは、前記一定サイズの等軸再結晶粒が100%のみの組織を必ずしも意味するものではなく、前記被削性やクリープ破断強度などの高温特性を低下させない範囲での、鋳造組織や混粒組織の混入は許容する。例えば、粒径が1μm以下の微細な再結晶粒(或いは亜結晶粒)は、単一の結晶粒が個々に分散して存在しても、前記被削性やクリープ破断強度などの高温特性を低下させない。しかし、これがお互いにくっついた形で集団化乃至集合体化した場合に被削性や高温特性を低下させるようになる。したがって、この点からは、溶体化処理後のミクロ組織において、集合体化している1μm以下の微細再結晶粒の面積率は10%以下とすることが好ましい。
【0030】
なお、本発明で言う等軸再結晶粒の特定および混粒組織の有無は、試料を電解エッチング等によりミクロエッチングを行い、これを50〜400倍の光学顕微鏡により観察乃至測定可能である。
【0031】
次に、本発明のAl合金鍛造材組織において、高温耐力やクリープ破断強さなどの高温特性をより高めるためには、溶体化処理および焼入れ処理後に、160〜190℃×7〜60時間の範囲から選択することによって、Al合金の(100)面に析出するθ’相、(111)面に析出するΩ相を析出させることが、好ましい。人工時効硬化処理によるこれらの析出がないと、前記人工時効硬化処理された場合でも180℃などの温度での高温耐力が低くなる。
【0032】
なお、Al合金鍛造材組織中のθ’相とΩ相の析出状態の同定は、50000倍の透過型電子顕微鏡(TEM)により、組織を観察して行える。
【0033】
本発明Al合金鍛造材における、化学成分組成について説明する。本発明のAl合金の化学成分組成は、基本的に2519 或いは2618などのAl合金および2519にAgを加えた2519(Ag)系Al合金の成分規格として良いが、より具体的な用途および要求特性に応じて、以下に説明する成分組成範囲から適宜選択しうる。先ず、積極的含有元素について述べる。
【0034】
(Cu:4.0〜7.0%)
Cuは本発明Al合金鍛造材の基本成分であり、固溶強化及び析出強化の双方の作用により、主としてAl合金鍛造材の本発明用途において要求される、常温と高温のクリープ特性および高温耐力を確保するために必須である。より具体的には、Cuは、前記した通り、高温の人工時効硬化処理時に、θ’相やΩ相を、Al合金の(100)面や(111)面に微細でかつ高密度に析出させ、人工時効硬化処理後のAl合金鍛造材の強度を向上させる。この効果は4.0%以上で発揮され、Cuの含有量が4.0%未満では上述の効果が小さく、Al合金鍛造材の常温と高温での十分なクリープ特性および高温耐力が得られない。一方、Cuの含有量が7.0%を越えると、強度が高くなりすぎ、Al合金鍛造材の鍛造性が低下する。したがって、Cuの含有量は4.0〜7.0%の範囲とする。
【0035】
(Mg:0.2〜0.4%)
MgもCuと同様に、固溶強化及び析出強化の双方の作用により、主としてAl合金鍛造材の常温と高温での十分なクリープ特性および高温耐力を確保するために必須である。より具体的には、MgもCuと同様に、高温の人工時効硬化処理時に、θ’相やΩ相を、Al合金鍛造材の(100)面や(111)面に微細でかつ高密度に析出させ、人工時効硬化処理後のAl合金鍛造材の強度を向上させる。この効果は0.2%以上で発揮され、Mgの含有量が0.21%未満ではこの効果が発揮されず、Al合金鍛造材の常温と高温での十分なクリープ特性および高温耐力が得られない。一方、Mgの含有量が0.4%を越えると、強度が高くなりすぎ、溶体化処理時にバーニングと称される割れが発生したり、鍛造性を低下させる可能性が高くなる。したがって、Mgの含有量は0.2〜0.4%の範囲とする。
【0036】
(Ag:0.05〜0.7%)
AgはAl合金鍛造材中において、微細で均一なΩ相を形成するとともに、析出物相が存在しない領域(PFZ;solute−depleted precipitate free zone)の幅を極めて狭くすることによりAl合金鍛造材の常温および高温強度を向上させるために必須である。Agの含有量が0.05%未満ではこの効果がなく、また一方でAgの含有量が0.7%を越えて含有しても効果は飽和する。したがって、Agの含有量は0.05〜0.7%の範囲とする。
【0037】
(V:0.15%以下)
Vは、Zr、Cr、Mnと同様に、均質化加熱処理時に、Al合金鍛造材組織中で熱的に安定な化合物であるAl−V系分散粒子を析出させ、この分散粒子が再結晶後の粒界移動を妨げる作用があるため、結晶粒の粗大化防止の効果がある。この結果、Al合金鍛造材のミクロ組織を繊維組織化して、常温強度および高温強度を向上させる効果がある。そして、安定相を粗大に析出させる作用がZr、Cr、Mnに比して比較的小さい。したがって、Al合金鍛造材の被削性や高温特性の確保をより確実に保証する目的で、結晶粒径を500μm以下に微細化させるために、本発明の好ましい態様では、Vを0.15%以下を選択的に含有させることが好ましい。V含有量が0.05%未満ではこれらの効果が得られにくく、一方、V:0.15%を越えると、溶解鋳造時に粗大な不溶性金属間化合物を生成しやすく、成形不良および破壊の原因となる。したがって、Vは0.15%以下、好ましくは0.05%〜0.15%の範囲で含有させる。
【0038】
以下に、規制することが好ましい元素について説明する。
Zr 、Cr、Mnは、前記Vと同様に、均質化加熱処理時にそれぞれAl合金鍛造材組織中で熱的に安定な化合物であるAl−Zr系、Al−Cr系、Al−Mn系の分散粒子を析出させる。そして、この分散粒子が、Al合金鍛造材のミクロ組織を繊維組織化して、常温強度および高温強度を向上させる効果を有する。
【0039】
しかし、溶体化処理後の焼入れ処理において、400℃から290℃の間の平均冷却速度が30000℃/分以下に遅くなった場合、これらZr、Cr、Mnを含有していると、溶体化処理後の焼入れ処理において、焼入れの過程で、AlCu2などの安定相が、前記Al−Cr系、Al−Zr系、Al−Mn系の分散粒子の周囲に粗大に析出してしまう。この結果、次に高温の前記人工時効硬化処理を行っても、120℃の温度で100時間使用された後に310MPa以上などの高温での耐力が得られない。したがって、Al合金鍛造材の焼入れ感受性を下げるために、好ましくは、Zr:0.09%以下、Cr:0.05%以下、Mn:0.8%以下、各々に規制することが好ましい。
【0040】
Feは0.15%以下に規制することが好ましい。ただ、スクラップ等からの混入もあり、Al合金鍛造材の高温特性を向上させる効果もあるので、0.15%の含有までは許容する。0.15%を越えて含有すると、不溶性金属間化合物を生成し、成形不良および破壊の原因となりやすい。
【0041】
SiはMgと結合してAl合金鍛造材組織中にMg2SiおよびAl−Fe−Si系の晶出物を形成する。このため、高温の人工時効硬化処理時にθ’相やΩ相を析出させ、人工時効硬化処理後のAl合金鍛造材の強度を向上させるために必要なMgが消費されてしまうので、人工時効硬化処理後のAl合金材の強度が低下する。Mgの含有量はCuに比して、元々少ないので、このSiによる影響は大きい。また、溶体化処理により、前記大部分の晶出物は固溶するが、過剰なMg2Siが形成されると溶体化処理においても残存して破断の起点になるため、成形性が低下する。したがって、Siは0.1%以下に規制することが好ましい。
【0042】
この他、Tiは、結晶粒を微細化するが、過剰に添加すると粗大な金属間化合物を形成し成形加工時の破断の起点になるため、成形性が低下する。したがって、Tiは0.1%以下までの含有は許容される。
【0043】
したがって、本発明の好ましい態様では、Al合金鍛造材の人工時効硬化処理後の耐力が低くなり、高温使用時の耐力も低くなることを防止するために、Al合金鍛造材合金中の以下の元素を、Si:0.1%以下、Fe:0.15%以下、Zr:0.09%以下、Cr:0.05%以下、Mn:0.8%以下、Ti: 0.1%以下に各々規制することが好ましい。
【0044】
また、上記以外のZn、Ni、Bなどの元素については、本発明に係るAl合金鍛造材の高温特性やその他の特性を阻害しない範囲での含有あるいは2000系Al合金の上限規格程度は許容される。
【0045】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明する。表1に示す、A〜Gの本発明範囲内の化学成分組成、H〜Lの本発明範囲外の化学成分組成のAl合金鋳塊 (500mmφ×2000mml)を各々溶製した後、表3の比較例29を除いて、全て510℃×8 hrの均質化熱処理 (空気炉)を施した (比較例29は490℃×8 hr)。この均質化熱処理後の鋳塊を熱間鍛造にて、各方向での鍛練比が1.5以上となるように、150 mm角(厚み)の角棒および80mm角 (厚み)の角棒としたものを、300mmlの長さに切断してAl合金鍛造材を製造した。このAl合金鍛造材を空気炉で加熱速度200℃/hrで昇温し、発明例は表2、比較例は表3に各々示す種々の溶体化温度で、かつ時間は共通して6 hrの溶体化処理後、表2、3に示す種々の焼入れ温度で水焼入れを行い(400℃から290℃の間の平均冷却速度は30000℃/分以上)水中で10分保持後に取り出した。
【0046】
前記厚みが80mmのAl合金鍛造材については、小物部品やピストンなどの残留応力が比較的大きくても良い用途を模擬して、溶体化処理後に30〜45℃の低温の水焼入れ処理し、その後に175℃×18hrの人工時効硬化処理を施した、調質T6材とした。
【0047】
一方、前記厚みが150mmのAl合金鍛造材については、残留応力が問題となる用途を模擬して、溶体化処理後に70〜91℃の温水焼入れして残留応力を低減し、冷間圧縮加工を加えずに、175℃×18hrの人工時効硬化処理を施した、調質T61材とした。また、同じく、残留応力が問題となる用途を模擬して、溶体化処理後に30〜60℃の水焼入れ処理し、表2、3に示す冷間圧縮率で冷間圧縮加工を加えて残留応力を低減し、175℃×18hrの人工時効硬化処理を施し、調質T652材とした。
【0048】
これらの調質Al合金鍛造材から供試体を採取し、ASTM837に規定される小孔穴あけ法にて、残留応力低減の必要がある調質T61材、調質T652材についてのみ残留応力を測定した。また、供試材の引張特性として、室温での機械的特性 (σB、耐力、伸び)と、高温特性として、180℃×100hrの高温に供試材を暴露した際の、その温度での機械的特性 (σB、耐力、伸び)、更に、204℃での1000hrクリープ破断強度を測定した。これら試験片は平行部10mmΦ×28mmlとした。これらの供試材の引張特性の測定結果を、発明例は表2、比較例は表3に各々示す。なお、溶体化処理中にバーニングや、熱間鍛造中に割れが生じたものは、これら特性を測定しなかった。なお、発明例の中から選択して、発明例9と発明例13および発明例14については、更に、シャルピー衝撃値(J/cm2)と疲労強度(rpm、応力: 190MPa、室温)についても調査した。
【0049】
以下に、表1と、表2、3から明らかな事項を述べる。
表1に示すA〜GおよびM、Nの本発明範囲内の化学成分組成を有し、表2に示す本発明範囲内の鍛造温度、溶体化温度で処理した、発明例1〜8までの調質T6材、発明例9の調質T61材、発明例10の調質T652材、発明例11、12の調質T6材は、各々室温での耐力が400MPa以上で、室温強度および高温強度、更にクリープ破断強度が高い。なお、発明例の中から選択された、発明例9、発明例13および発明例14については、シャルピー衝撃値(J/cm2)は各々3.0、4.5、4.3であり、疲労強度(rpm)は各々3.0e6、5.5e6、5.8e6であった。
【0050】
これに対し、表1に示すAの本発明範囲内の合金を用いても、表3に示す鍛造温度が435℃と本発明範囲を高めに外れる比較例20 (調質T6材)は、上記発明例1〜8までの調質T6材に比して、特にクリープ破断強度が低い。また、表3に示す鍛造温度が260℃と本発明範囲を低めに外れる比較例21 (調質T6材)は、鍛造割れが生じた。したがって、鍛造温度の本発明範囲の意義が裏付けられる。
【0051】
同じく、表1に示すAの本発明範囲内の合金を用いても、表3に示す溶体化処理温度が550℃と本発明範囲を高めに外れる比較例22 (調質T6材)と比較例25 (調質T61材)は溶体化処理中にバーニングが生じた。また、表3に示す溶体化処理温度が500℃と本発明範囲を低めに外れる比較例23 (調質T6材)と比較例26 (調質T61材)は、上記発明例1〜9の調質T6材や調質T61材同士での比較で、室温強度および高温強度と、特にクリープ破断強度が低い。したがって、溶体化処理温度の本発明範囲の意義が裏付けられる。
【0052】
また、製造条件が略同じ場合で、合金成分のみが違う場合について、以下に比較する。
発明例の中でも、Agの含有量が比較的少ない合金Bを用いた発明例2は、Agの含有量が下限未満の合金Jを用いた比較例17よりも、室温強度および高温強度、更にクリープ破断強度が著しく高い。しかし、よりAgの含有量が多い合金Aを用いた発明例1などよりも、室温強度および高温強度、更にクリープ破断強度が比較的低い。したがって、Agの含有効果と0.05%の下限含有量の意義が裏付けられる。
【0053】
Si含有量が比較的高い合金Cを用いた発明例3や、Fe含有量が比較的高い合金Dを用いた発明例4、 Cr含有量が比較的高い合金Eを用いた発明例5、Zr含有量が比較的高い合金Fを用いた発明例6、Mn含有量が比較的高い合金Gを用いた発明例7は、これらの含有量が低い発明例1に比較して室温強度および高温強度、更にクリープ破断強度が比較的低い。したがって、これら不純物を各々所定量以下に規制する意義が裏付けられる。
【0054】
Cu含有量が4.1%、5.3%と比較的少ない合金MやNを用いた発明例11、12 (調質T6材)および発明例13、14 (調質T61材)は、Cu含有量が6.3%と比較的多く、製造条件が各々同じ発明例1、2(調質T6材)および発明例9(調質T61材)などに比して、高温強度またはクリープ破断強度などの高温特性が比較的低い。また、Cu含有量が少なすぎる合金Hを用いた比較例15 (調質T6材)、Mg含有量が少なすぎる少なすぎる合金Iを用いた比較例16 (調質T6材)は、製造条件が同じ発明例1、2などに比較して、特に、高温強度またはクリープ破断強度などの高温特性が著しく低い。Mg含有量が多すぎる合金Kを用いた比較例18 (調質T6材)は溶体化処理中にバーニングが生じた。また、比較のために本発明組成範囲を外れたJIS 2618合金 Lを用いた比較例19 (調質T61材)は発明例に比較して、特に、高温強度またはクリープ破断強度などの高温特性が著しく低い。したがって、これらの結果から本発明成分組成範囲や好ましい成分組成範囲の意義が裏付けられる。
【0055】
次に、焼入れ温度条件以外の条件が略同じ場合について、焼入れ温度条件の違いについて比較する。調質T6材において焼入れ温度が45℃と高い比較例24、調質T652材において焼入れ温度が60℃と高い比較例28は、調質T6材において焼入れ温度が30℃と低い発明例1、8や、調質T652材において焼入れ温度が30℃と低い発明例10の同じ調質材同士で比較して、特に、室温強度や、高温強度、クリープ破断強度などの高温特性が著しく低い。したがって、焼入れ温度が40℃以下と低い方が、室温強度や、高温強度またはクリープ破断強度などの高温特性が高いことが分かる。
【0056】
また、調質T61材において、焼入れ温度が70℃と低すぎる比較例27は、他の焼入れ温度が91℃の発明例9などに比して、残留応力が大きすぎるため、前記した残留応力が問題となる用途では使用できない。
【0057】
更に、調質T652材において、冷間圧縮率が低すぎる比較例29は、他の調質T652材に比して、室温強度や、高温強度またはクリープ破断強度などの高温特性は高いものの、残留応力が大きすぎるため、前記した残留応力が問題となる用途では使用できない。一方、冷間圧縮率が大きすぎる比較例30は、調質T652材の発明例10に比して、室温強度や、高温強度またはクリープ破断強度などの高温特性は遜色ないものの、残留応力が大きすぎるため、前記した残留応力が問題となる用途では使用できない。したがって、残留応力を除去する冷間圧縮率には前記した適正範囲があることが分かる。また、発明合金Aを用いているものの、均質化熱処理温度が490℃と本発明範囲よりも低過ぎる比較例31は、均質化不足のために、発明例に比して、室温、高温の引張特性やクリープ破断強度が著しく劣る。
【0058】
上記各発明例と一部比較例の前記した方法でのミクロ組織観察の結果、発明例のいずれもが、Al合金組織が等軸で、平均結晶粒径が50〜500μmmの範囲の一定サイズの粒径であり、更に(100)面上にθ’相、(110)面上にΩ相が各々析出していた。これに対して、特に、鍛造温度が上限を越えている前記比較例20では、サブグレインが生じ、等軸再結晶粒も一部存在するものの、再結晶粒が集合体化した粗大な再結晶粒とからなっていた。したがって、室温強度や、高温強度またはクリープ破断強度などの高温特性が同様に低い他の比較例も、前記好ましい本発明のミクロ組織から外れたミクロ組織となっていると考えられる。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、冶金的に設計されたAl合金鍛造材を、その設計高温特性通りに再現性良く製造できるAl合金鍛造材を提供することができる。
Claims (6)
- Cu:4.0〜7.0%、Mg:0.2〜0.4%、Ag:0.05〜0.7%を含み、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金鍛造材であって、この組成からなる鋳造材を500〜535℃の温度で均質化熱処理後、280〜430℃の温度で熱間鍛造され、その後510〜545℃の温度で溶体化および焼入れ処理されており、その後の人工時効硬化処理後の室温での耐力が400MPa以上であることを特徴とする高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材。
- 前記アルミニウム合金鍛造材が、更にV:0.15%以下を含む請求項1に記載の高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材。
- 前記アルミニウム合金鍛造材が、合金中の以下の元素を、Si:0.1%以下、Fe:0.15%以下、Zr:0.09%以下、Cr:0.05%以下、Mn:0.8%以下、Ti: 0.1%以下に各々規制した請求項1または2に記載の高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材。
- 前記アルミニウム合金鍛造材が、前記溶体化処理後の焼入れ温度を40℃以下とした調質T6材である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材。
- 前記アルミニウム合金鍛造材が、前記溶体化処理後の焼入れ温度を90℃以上とした調質T61材である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材。
- 前記アルミニウム合金鍛造材が、前記溶体化処理後の焼入れ温度を40℃以下とした焼入れ処理後に1〜5%の冷間圧縮率で冷間圧縮率された調質T652材である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材。
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