JP4132293B2 - 耐疲労特性に優れたアルミニウム合金 - Google Patents

耐疲労特性に優れたアルミニウム合金 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が共に優れた合金,特に自動車用エンジンのシリンダヘッド鋳造に好適なアルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来技術】
近年,自動車には,その全体の軽量化が強く要望され,エンジンのシリンダヘッド鋳造用のアルミニウム合金も提案されている。
従来,かかる用途に用いるアルミニウム合金としては,例えば特開昭57−126944号公報に示されたものがある。このアルミニウム合金は,Si5〜8重量%,Cu2〜4重量%,Mg0.15〜0.4重量%,残部Alからなる。また,同じくかかる用途に用いる合金として,JIS AC2B 合金がある。このアルミニウム合金は,Si5〜8重量%,Cu2〜4重量%,Mg0.4重量%以下,残部Alからなり,不純物として,Ti0.2重量%以下を許容している。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のアルミニウム合金は,近年におけるエンジンの高温,高出力化に対して,充分な耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性を有しているとは言い難い。
本発明はかかる従来の問題に鑑み,耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性に優れた合金を提供しようとするものである。
【0004】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,Mg;0.2〜0.4重量%,Ti;0.15〜0.5重量%,Fe;0.3〜0.7重量%,Mn;0.3〜0.7重量%,Fe/Mn(質量%比)が2以下,残部Al及び不純物からなるアルミニウム合金であって,
基地相と該基地相より弾性率が高い晶出物とからなる亜共晶組織を有し,
上記合金の結晶粒度dと,上記晶出物によって取り囲まれた基地相の単位セルサイズとしての二次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASが24以下であることを特徴とする耐疲労特性に優れたアルミニウム合金にある。
【0005】
本発明の合金は,独立した結晶粒が集合してなる多結晶体である。また,本発明の合金は,凝固の過程で,まず基地相が初晶として凝固し,次いで,その基地相の周囲に共晶反応によって晶出物が生成する亜共晶組織を有する。ここで,上記晶出物は硬質粒子でもよい。
【0006】
図1(a)に示すごとく,各結晶粒1は,基地相30と,基地相30より弾性率及び降伏応力が高い晶出物または硬質粒子20とから構成されている。基地相の単位セル4の周囲は,晶出物または硬質粒子20が取り囲んでいる。これにより,多結晶体全体の中で,晶出物または硬質粒子20がネットワーク状の骨格を形成する。晶出物または硬質粒子20は弾性率及び降伏応力が高いため変形しにくく,これが連なってできたネットワーク状の骨格も変形しにくい。基地相30は,このような強固な骨格に囲まれているため変形の集中が生じにくい。
【0007】
また,本発明においては,合金の結晶粒度を,晶出物または硬質粒子によって取り囲まれた基地相の単位セルサイズの24倍以下に組織制御している。そのため,合金の結晶粒が微細化し,これに伴って,晶出物または硬質粒子の整列が乱れ,上記ネットワーク状の骨格が実質的に等方的になる(図4,図6参照)。これにより,合金中の変形が実質的に均一になり,それにより耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性の向上が実現される。
一方,上記骨格が方向性を持っていると,特定の方向にすべり変形を生じ易い欠点がある。
【0008】
また,本発明で用いている晶出物または硬質粒子は基地相よりも弾性率が高いので,これらが合金中に分散することにより分散強化の効果が得られ,基地相よりも高い応力を分担できる。よって疲労亀裂の発生源である基地相の応力分担が低くなるため,耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性が向上すると考えられる。
即ち,本合金は,合金の結晶粒度と基地相の単位セルサイズとの比の規定による変形の均一化と晶出物または硬質粒子による分散強化により,耐熱疲労性と高サイクル疲労強度を両立した優れた耐疲労特性を発揮するものと考えられる。
【0009】
本発明の用語を図1(a)を用いて定義説明する。
本発明において,「基地相」とは,合金のマトリックスをいう。例えば,アルミニウム合金の場合にはアルミニウム部が基地相に相当する。
「単位セル」とは,結晶粒1の中において,晶出物または硬質粒子20により囲まれた基地相30の最小単位のセルをいい,「単位セルサイズ」とは,基地相30の単位セルの短径Cをいう。
「合金の結晶粒度d」とは,合金の独立した結晶粒1の直径をいう。結晶粒度の求め方は,JIS−H−0501「伸銅品結晶粒度試験方法」に準じる。
【0010】
「晶出物」とは,合金が凝固する際に,液相中から生成する固体粒子をいい,例えば,アルミ鋳物においては,共晶Si,Al−Si−Fe−Mn化合物等が挙げられる。
「硬質粒子」とは,合金中に予め混入される,あるいは混入粒子と合金との反応によって生成される基地相よりも硬度の高い粒子をいい,例えば,SiC粒子,Al粒子,TiB粒子等が挙げられる。
【0011】
晶出物または硬質粒子は,基地相よりも弾性率が30%以上高いことが好ましい。これにより,変形の集中を抑制する晶出物または硬質粒子によるネットワーク状の骨格を強固にできる。一方,30%未満の場合には,局部変形を生じるおそれがある。
【0012】
晶出物または硬質粒子は,基地相よりも降伏応力が30%以上高いことが好ましい。これにより,晶出物又は硬質粒子によるネットワーク状の骨格を強固にできるため,合金の変形が均一になるという効果を発揮できる。一方,30%未満の場合には,晶出物又は硬質粒子が変形して破壊し,合金が局部変形するおそれがある。
【0014】
上記合金はアルミニウム合金であり,そして特に強調すべきことは,後に詳述するように,Ti量を上記範囲とすることにより,結晶粒が微細化し,これに伴って晶出物の分布が等方的になり(図4,図6参照),またTiが基地α−Al部中に固溶することである。
そして,この晶出物が形成する等方的な骨格構造と基地α−Al部の固溶強化,及び固溶Tiによる転位のピン止め効果とにより,アルミニウム合金全体の均一な変形を促す。そのため,アルミニウム合金の耐熱疲労性および高サイクル疲労強度が向上すると考えられる。
【0015】
また,特に上記範囲内でCuを添加した場合には,基地α−Al部が析出強化され,加えて熱的に安定なAl−Cu系の晶出物粒子により,粒子分散強化されるために,高サイクル疲労強度が向上する。
また,上記範囲内でもMg量を低くすると,延性に優れ,このため耐熱疲労性が向上する。
【0016】
ただし,後述するd/DASの組織制御がなされていないと,局部的なひずみ集中を生じ易く,必ずしも高い強度が得られない。
【0017】
即ち,本合金は,Ti添加,d/DASの規定による変形の均一化と,Cu添加による析出強化及び分散強化と,低Mgによる高延性化との相乗作用により,耐熱疲労性と高サイクル疲労強度とを両立した優れた特性を発揮するものと考えられる。
なお,上記d/DAS値における上記結晶粒度dの単位と,上記間隔DASの単位は同じである。
【0018】
また,本発明においては,上記比d/DASを24以下としている。そのため,上記晶出物からなるネットワーク状の骨格構造が一層等方的となり,アルミニウム合金の機械的応力及び熱歪みの繰り返しによる変形がより均一となる。そのため,上記Tiの特定範囲の添加と共に,一層耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が向上する。
したがって,本発明によれば,耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性が優れたアルミニウム合金を提供することができる。
次に,上記各アルミニウム合金に関して,各元素量の限定理由,及び比d/DASについて説明する。
【0019】
〔各合金元素量の限定理由〕
Si(シリコン);4〜12重量%
4重量%未満の場合,合金の鋳造性が悪く鋳造欠陥が生じやすい。また,熱膨張係数が大きい欠点がある。12重量%を越えると,凝固時の指向性が高まり,組織が不均質になるとともに,最終凝固部付近に多量の鋳造欠陥が生じるおそれがある。また,脆いSiの量が増加するため,延性や靭性が低下するおそれがある。
好ましい範囲は5〜8重量%である。この範囲において最も安定した鋳
造性が得られると共に,共晶Si相が適量であるため,適度な強度と延性が得られる。
【0020】
ただし,鋳造法を工夫すれば,8〜12重量%でもよい。この場合には,鋳造欠陥の生成を抑える鋳造法の工夫,あるいは鋳造後に局部再溶融処理などにより鋳造欠陥を除去する手法をとることが必要である。また,この場合には,高い高サイクル疲労強度も期待できる。
【0021】
なお,ダイカスト用の合金として用いる場合には,9〜12重量%であることが望ましい。これはダイカスト法では凝固速度が速いため,高Si量にしても晶出するSi粒子が小さいため適度な延性,強度及び高サイクル疲労強度が得られるからである。
【0022】
Cu(銅);0〜7重量%
7重量%を越えると,Cu化合物の生成量が多すぎるため,延性,靭性が低下するおそれがある。また,鋳造性の点からCuが低い方がポロシティの発生を抑制しやすい。好ましい範囲は3〜7重量%である。3重量%未満の場合,静的強度および疲労強度が十分でない場合がある。
鋳造性と疲労強度のバランスが必要な場合には,3〜4重量%が好ましい。また,高サイクル疲労強度が必要とされる場合には,4〜7重量%が好ましい。
【0023】
Mg(マグネシウム);0.1〜0.5重量%
0.5重量%を越えると,延性,靭性が低下する。
限定範囲は0.1〜0.5重量%である。0.1重量%未満の場合には,基地αアルミニウムの延性,靭性が高いため,熱疲労による亀裂発生寿命が極めて長くなる効果がある。
【0024】
Ti(チタン);0.15〜0.5重量%
0.15重量%未満の場合,組織の等方化が不十分なため,不均一な変形が生じやすく,熱疲労による亀裂発生寿命が低い。
0.5重量%を越えると,粗大な初晶Ti化合物を生成しやすく,延性や靭性が著しく低下するおそれがある。
【0025】
Tiの好ましい含有量は,Cu量と相関する。
即ち,Cu量が4重量%以下の場合のTi量の好ましい範囲は,0.25〜0.4重量%である。この範囲において,適度な延性や靱性を有し,かつ十分な組織の等方化効果が得られる。
【0026】
Cu量が4重量%を越える場合のTi量の好ましい範囲は,0.15〜0.4重量%である。この範囲において,適度な延性や靱性を有し,かつ十分な組織の等方化効果が得られる。
Cu量が低い場合に,必要なTi添加量が多いのは,Cu量が低い場合,DAS値が小さい上,Ti添加により結晶粒が微細化しにくい傾向があるからである。
なお,Ti-B合金,Ti-C合金などの他の結晶粒微細化用合金の添加により,d/DAS値24以下の条件を満足する場合には,Ti量は0.15重量%未満でも可とする。
【0027】
Fe(鉄);0〜0.7重量%
0.7重量%を越えると,粗大なFe化合物を生成し易く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。
好ましい範囲は,0.3〜0.7重量%である。0.3重量%未満の場合には,Fe化合物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小さくなる場合がある。
なお,Fe化合物とは,Feを含む化合物の総称として用いており,Al−Si−Fe化合物,Al−Si−Fe−Mn化合物などを含む。
【0028】
Mn(マンガン);0〜0.7重量%
0.7重量%を越えると,粗大なMn化合物を生成し易く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。
好ましい範囲は,0.3〜0.7重量%である。0.3重量%未満の場合には,Mn化合物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小さくなる場合がある。
なお,Mn化合物とは,Mnを含む化合物の総称として用いており,Al−Si−Mn化合物,Al−Si−Fe−Mn化合物などを含む。
【0029】
また,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,Mg;0.1重量%未満,Ti;0.15〜0.5重量%,残部Al及び不純物からなり,かつ合金中の基地相は結晶粒度dと二次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASが24以下であることを特徴とする耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が共に優れたアルミニウム合金がある。
【0030】
このアルミニウム合金は,Ti量が上記範囲内にあるため,結晶粒が微細化し,これに伴って晶出物または硬質粒子の分布が等方的になり骨格を形成し(図4,図6参照),またTiが基地α−Al部中に固溶する。上記骨格と基地α−Al部の固溶強化及び固溶Tiによる転位のピン止め効果とにより,合金全体の均一な変形を促し,耐熱疲労性及び高サイクル疲労強度が向上する。
【0031】
Siが4重量%未満の場合,鋳造性が悪く鋳造欠陥が生じやすい。また,熱膨張係数が大きい欠点がある。9重量%を越えると,凝固時の指向性が高まり,組織が不均質になるとともに,最終凝固部付近に多量の鋳造欠陥が生じるおそれがある。また,脆いSiの量が増加するため,延性や靭性が低下するおそれがある。
【0032】
Cuが3重量%未満の場合,静的強度および疲労強度が十分でない。7重量%を越えると,Cu化合物の生成量が多すぎるため,延性,靭性が低下するおそれがある。また,鋳造性の点からCuが低い方がポロシティの発生を抑制しやすい。
【0033】
Mgが0.1重量%未満では,基地αアルミニウムの延性,靭性が高いため,熱疲労による亀裂発生寿命が極めて長くなる。
Tiが0.15重量%未満の場合,組織の等方化が不十分なため,不均一な変形が生じやすく,熱疲労による亀裂発生寿命が低い。0.5重量%を越えると,粗大な初晶Ti化合物を生成しやすく,延性や靭性が著しく低下するおそれがある。
【0034】
また,上記アルミニウム合金に更にMn,Fe,Niから選択される元素を加え,そのFe/Mn(重量%比)を限定したアルミニウム合金として,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,Mg<0.1重量%,Ti;0.15〜0.5重量%を含有し,更に,Mn;0.3〜0.7重量%,Fe;0.3〜0.7重量%,Ni;0.3〜3重量%の一種以上を含有し,そのFe/Mn(重量%比)が2以下であり,残部Al及び不純物からなり,かつ合金の結晶粒度dと二次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASが24以下とした耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が共に優れたアルミニウム合金がある。
【0035】
このアルミニウム合金において特に強調すべきとは,後に詳述するように,上記の範囲のMn,Fe,Niを意図的に添加することにより,Mn化合物,Fe化合物,Ni化合物からなる晶出物を生成させ,前述した晶出物による骨格構造をより強化できることである。また,添加したMnの一部は,基地α−Al中に固溶する。
【0036】
そして,この強固な晶出物による骨格構造と基地α−Al部の固溶強化により,合金の変形が一層均一に生じるようになる。そのため,この合金は,上記合金に比べて更に優れた耐熱疲労性と高サイクル疲労強度を有すると考えられる。
なお,Fe/Mn(重量%)の上限を限定したのは,この比が大きすぎると針状のFe化合物が生成し,合金の延性が著しく低下して好ましくないからである。
【0037】
Mnが0.3重量%未満の場合,Mn化合物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小さくなるおそれがある。0.7重量%を越えると,粗大なMn化合物を生成し易く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。
【0038】
Feが0.3重量%未満の場合,Fe化合物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小さい。0.7重量%を越えると,粗大なFe化合物を生成し易く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。
【0039】
Niが0.3重量%未満の場合,Ni化合物の生成が少なく,晶出物の骨格構造強化への寄与が小さい。3重量%を越えると,粗大なNi化合物を生成し易く,延性や靱性が著しく低下するおそれがある。
【0040】
Fe/Mn(重量%)が2を越えると,針状のFe化合物が生成するため,合金の延性や靱性が著しく低下する。好ましくは,1.5以下である。この範囲であれば,Fe化合物は骸骨状や漢字状と称される複雑な形状となり,針状相は殆どなくなるため,合金の延性や靱性が優れている。
なお,その下限は,Mn量がFe量に比べて多すぎても針状化合物が生成する点から0.2とすることが好ましい。
【0041】
また,上記アルミニウム合金におけるMgの範囲を変え,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,Mg;0.2〜0.4重量%,Ti;0.15〜5重量%,残部Al及び不純物からなり,かつ合金中の基地相は結晶粒度dと二次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASが24以下とした静的強度,耐熱疲労性,高サイクル疲労強度が共に優れたアルミニウム合金がある。
【0042】
この合金は,熱処理によりMgを含む析出物を生成する。この析出強化によって,上記アルミニウム合金に比較して,常温における静的強度が向上する。また,請求項2と同様の効果を得ることができる。ただし,耐熱疲労性は上記合金の方がより優れている。
【0043】
また,この合金に更にMn,Fe,Niから選択される元素を加え,そのFe/Mn(重量%)を限定し,Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,Mg;0.2〜0.4重量%,Ti;0.15〜0.5重量%を含有し,更に,Mn;0.3〜0.7重量%,Fe;0.3〜0.7重量%,Ni;0.3〜3重量%の一種以上を含有し,そのFe/Mn(重量%比)が2以下であり,残部Al及び不純物DASが24以下とした静的強度,耐熱疲労性,高サイクル疲労強度に優れたアルミニウム合金がある。
【0044】
このアルミニウム合金において特に強調すべきことは,適量のMg添加による析出強化によって,同等の静的強度特性を有することに加え,前述したMn,Fe,Ni添加による骨格構造の強化と,d/DASにより規定した組織の等方化の相乗作用により,更に優れた耐熱疲労性と高サイクル疲労強度を有することである。
【0045】
〔結晶粒度dと二次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASについて〕本発明合金の基地相は,上記の比d/DASが24以下である。これにより,耐熱粒子(晶出物または硬質粒子)からなるネットワーク状の骨格構造が等方的になり,変形がより均一に生じるようになる。
【0046】
ここでは「二次デンドライトアーム間隔DAS」とは,「ダイカスト鋳物のデンドライトアームスペーシング分布に関する調査」,日本鋳物協会ダイカスト研究部会編,1990年,9頁の内容に準じて,計30個以上の二次デンドライトアームの間隔を実測し,平均して求めた値である。また,この値は,図1(b)に示すごとく,晶出物としてのデンドライト2によって囲まれる基地相の単位セル4の大きさをいう。なお,基地相のセルの大きさを表す他の指標を用いてもよい。
【0047】
また,同じ鋳造条件でもd及びDAS値は合金成分により変化する。たとえば,Cu量が少なくなると,dが大きくDAS値が小さくなるため,Ti添加量を増やして結晶粒度をより小さくするなどの手段を講じて,d/DASを24以下にする必要がある。
【0048】
ここにいう結晶粒度dとは,合金の結晶粒1の直径をいい(図1(b)),JlS−H−0501「伸銅品結晶粒度試験方法」に準じて測定した値である。
なお,結晶粒度の計算値又は観測値の求め方は,前記JIS−H−0501に準ずる。この場合において,dが0.1mmを超え0.6mm以下の場合には0.05mmの整数倍に最も近い値を用い,0.6mmを超える場合には,0.1mmの整数倍に最も近い値を用いることとする。但し,正確な測定値が必要な場合には前記JISに規定された求積法を用いることとする。
結晶粒はデンドライトセルより大きいため,d/DAS≧1である。また,組織の等方化の点よりd/DASは24以下であることが必要である。更に20以下であることが好ましい。
【0049】
本発明合金は,d/DASが小さいことを大きな特徴としている。図1(b)に示すごとく,結晶粒1の中心部には,デンドライトの二次枝のないコア部3が存在し,このコア部3から結晶粒の外周部に向かってデンドライト2が成長する。
このデンドライトの成長部に二次枝(二次デンドライトアーム)の整列が認められる。
本発明合金の図1(b)に示す結晶粒の構造は,図1(a)に示す結晶粒の一形態である。
【0050】
また,結晶粒の外周部ではこの整列が不明瞭になる。実際に観察される二次枝の整列数は,d/DASが24の場合に3個程度であり,d/DASが10以下の場合には殆ど0である。
したがって,d/DASが24以下であれば,二次枝の整列数が少ないため,組織が比較的等方的であり,変形が均一に生じ易いと考えられる。
【0051】
なお,基地α−Al部中には,0.1〜0.5重量%のTiが固溶していることが好ましい。これにより,基地α−Al部が固溶強化されるとともに,固溶しているTiが転位をピン止めするので,基地α−Al部の変形が均一化される効果がある。
固溶量が0.1重量%未満では固溶強化および転位のピン止め効果が十分でない。また,通常の凝固プロセスにおいては0.5重量%を越える量を固溶させることが困難である。
【0052】
次に,本発明合金が優れた耐熱疲労性及び高サイクル疲労強度を有するメカニズムについては,明確ではないが,次のように推定される。
まず,本発明合金の基地相は,上記比d/DASが24以下である。このように,本発明合金では,比d/DASが小さいのでアルミニウム合金に1000〜7000rpmの高い応力振動が加わったときでも,その変形が均一に生じる。また,0.5rpm以下の低い熱歪み振動が加わったときでも,変形が均一に生じる。そのため,高サイクル疲労及び熱疲労(低サイクル疲労の一種)による亀裂発生寿命が長い。このメカニズムを以下に述べる。
【0053】
図2,図3に局部的なひずみの集中によって,熱疲労破損に至った破断部の例を示す。熱ひずみの繰り返しを受けた試験片の表面には,ほとんど変形していない滑らかな部分と,局部的にひずみが集中した凹凸の激しい部分とが認められる。
凹凸の激しい部分には亀裂が発生しており,このような亀裂が合体して破断に至ったと推定できる。この観察結果より,「変形の均一性」が実用材料の耐熱疲労性を支配している重要因子であると判断できる。
【0054】
「変形の均一性」は,材料の組織の均質性と密接に関係している。即ち,図2,図3に示す試験片では,材料の組織が不均質なために局部的に大きな塑性ひずみが発生し,早期に亀裂が発生したと考えられる。
なお,上記図2,図3(部分拡大写真)に示す材料は,AC2C−T6アルミニウム合金で,凝固時間30秒,Na改良処理材であり,50〜250℃,5分/サイクル,Δε(全歪み範囲)約0.45%の試験条件における,局部変形に起因した,疲労破損の例である。
【0055】
次に,図4に本発明合金,図5に比較合金(Ti含有せず)の組織写真を比較して示す。
本発明の合金(図4)は,デンドライトセルの整列が不明瞭であり,晶出物の並びによって等方的なネットワーク状組織が形成されている。
一方,比較合金(図5)は,顕著なデンドライト状組織を呈しており,デンドライトセルが直線的に整列するとともに,デンドライトセルの間隙にある晶出物が直線的にある方位に連続して並んでおり,指向性のある不均質な組織を呈している。
【0056】
なお,本発明合金は,Al−6Si−5Cu−0.3Mg−0.2Ti−0.4Fe−0.3Mnの組成であり,一方比較合金はこの組成中の0.2Tiを含有していない。
【0057】
本発明では,このような組織の均質性,等方性を表す指標として,基地相の結晶粒度dと二次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASに着目した。
図5の比較合金では,比d/DASが70と大きく,デンドライトセルに比べて結晶粒が大きいため,デンドライトが大きく成長して指向性のある不均質な組織となっている。これに対して,図4の本発明合金の比d/DASは20と小さい。
このような合金では,結晶粒が少数のデンドライトセルから構成されるため,デンドライトの整列は不明瞭になる。これによって,本発明合金では,等方的で均質なネットワーク状組織が形成されることになる。
【0058】
また,図6には本発明合金を,一方図7には比較合金の組織形態を模式的に示した。両図において,結晶粒内の矢印は各粒におけるデンドライトの整列を表している。比d/DASが小さい本発明合金(図6)では,結晶粒内にデンドライトの整列が少なく,結晶粒数も多い。このため,組織が等方的で均質であり,変形が均一に生じる。
【0059】
一方,比d/DASが大きい比較合金(図7)では,結晶粒内のデンドライトの整列が顕著であり,各結晶粒が指向性を持っているとともに,結晶粒数が少ない。そのために,組織が不均質であり,不均一な変形が生じやすい。
このように,本発明合金では組織が等方的かつ均質で変形が均一に生じるため,応力や歪みの繰り返しを受けても亀裂発生が生じにくく,高サイクル疲労強度及び耐熱疲労性に優れていると考えられる。
【0060】
また,本発明の合金はCu及びMgを含有した析出強化型合金である。このような析出強化型合金ではCu及びMgの含有量の増加に伴い延性が低下するため,添加量の増量及び複合添加によって,必ずしも強度特性が向上するとは限らない。
【0061】
しかしながら,本発明の合金では,Ti添加,d/DASの規定により変形が均一に生じるようになり,これに伴い局部的な応力集中が緩和されるため,高Cu化及びMg添加による強化作用及び低Mg化による延性向上作用が,合金の特性向上に十分に反映される。とりわけ,応力集中や歪み集中が亀裂の発生主因となる高サイクル疲労や熱疲労においては,その特性の向上が顕著に現れる。
【0062】
以上に述べたように,本発明合金では,Ti添加,d/DASの規定による変形の均一化と,低Cu化による鋳造性の向上又はCu添加による析出強化及び分散強化と,低Mg化による延性の向上又は適量のMg添加による析出強化との相乗作用により,耐熱疲労性と高サイクル疲労強度を両立した優れた材料特性を有するものと考えられる。
【0063】
また,本発明にかかるアルミニウム合金は,エンジンのシリンダヘッド或いはシリンダブロックに用いたとき,特にその耐熱疲労性,高サイクル疲労強度に優れている。さらに,鋳造欠陥の少ない高級ダイキャスト部品にも適用でき,優れた高サイクル疲労強度を発揮する。
【0064】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
表1,表2に示す試料1〜23のアルミニウム合金を製造し,以下のごとく,それらの特性を測定した。
【0065】
(1)耐熱疲労性
熱疲労による亀裂発生寿命を測定した。その結果を表3に示す。
上記測定は,次のようにして行なった。
即ち,得られたAl合金試料,及び比較用Al合金試料に対して,T6処理(溶体化処理;500℃×2時間→水冷,時間処理;160℃×5時間)を施した後,試験片に加工して熱疲労試験を行なった。
【0066】
熱疲労試験は,低熱膨張の拘束ホルダと試験片を一体化して加熱・冷却を繰り返す方式で実施した(例えば,▲1▼特開平7−20031号公報〔特願平5−188818号〕,▲2▼「材料」,vol.45,(1996),pp.125−130,▲3▼「軽金属」,vol.45,(1995),pp.671−676に示される熱疲労試験方法)。
【0067】
試験温度範囲は,40〜260℃で,繰り返し速度は5min/サイクルとした。JIS−AC2B合金製の試験片を用いて,上記▲2▼に示される熱疲労試験方法により,高温歪みゲージで実測した試験初期の全歪み範囲は約0.6%であった。なお,試験片及びホルダは,前記▲2▼,▲3▼に示される中型のものを用いた。
熱疲労による亀裂発生寿命は,試験片表面の亀裂が急激に進展し始めるサイクル数と定義した。
【0068】
(2)高サイクル疲労強度
室温における高サイクル疲労試験に基づき,107 回疲労強度を求めた。その結果を表4に示す。
上記測定は,次のようにして行なった。
Al合金試料に対して,T6処理(条件は前述)を施した後,試験片に加工して室温において高サイクル疲労試験を行なった。
上記試験は,電気油圧制御方式の引張−圧縮型疲労試験機により実施した。
試験片平行部はφ4×6mmのものを用いた。応力比Rは−1,繰り返し速度は50Hzで評価した。
【0069】
(3)比d/DAS
各種アルミニウム合金につき,比d/DASを測定し,その結果を表5に示す。
【0070】
表1〜表5より知られるごとく,本発明にかかるアルミニウム合金は,優れた耐熱疲労性及び高サイクル疲労強度を有することが分かる。
また,表1,表2,表5より,本発明にかかるアルミニウム合金は比d/DASが20以下であることが分かる。
【0071】
【表1】
Figure 0004132293
【0072】
【表2】
Figure 0004132293
【0073】
【表3】
Figure 0004132293
【0074】
【表4】
Figure 0004132293
【0075】
【表5】
Figure 0004132293
【0076】
実施形態例2
アルミニウム合金中におけるMg量と熱疲労による亀裂発生寿命との関係につき図8に示す。
同図は,Si6重量%,Cu5重量%,Mg0〜1.5重量%,Ti0.2重量%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよりなる合金について示す。
同図より,Mgが0.4重量%以下の場合には優れた耐熱疲労性を有し,Mgが0.1重量%以下の場合に最も優れた耐熱疲労性を有することが分かる。
【0077】
実施形態例3
アルミニウム合金中における,Ti量と熱疲労による亀裂発生寿命との関係につき図9に示す。
同図は,Si6重量%,Cu5重量%,Mg0.3重量%,Ti0〜0.4重量%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよりなる合金について示す。
同図より,Tiが0.2〜0.4重量%の場合には優れた耐熱疲労性を有することが分かる。
【0078】
実施形態例4
アルミニウム合金中におけるCu量と107 回疲労強度との関係につき図10に示す。同図は,Si6重量%,Cu0〜7重量%,Mg0.3重量%,Ti0.2重量%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよりなる合金について示す。
同図より,Cuが4〜7重量%の場合には,優れた高サイクル疲労強度を有することが分かる。
【0079】
実施形態例5
アルミニウム合金中のMg量と室温における引張強さとの関係を,図11に示す。同図はSi6重量%,Cu5重量%,Mg0.3〜0.6重量%,Ti0.2重量%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよりなる合金についての結果である。
同図より,Mgが0.2重量%以上の場合には引張強度が高いことが分かる。
【0080】
実施形態例6
d/DAS比と引張強さおよび高サイクル疲労強度との関係を,図12に示す。同図はSi6重量%,Cu3重量%,Mg0.3重量%,Ti0〜0.3重量%,Fe0.4重量%,Mn0.3重量%,残部Alよりなる合金についての結果である。
【0081】
図12より,d/DAS比が24以下の場合に,高サイクル疲労強度が高いことが分かる。なお,引張強さはTi量が0.2重量%まではほぼ一定でそれ以上添加するとむしろ低下傾向にある。従来,引張強さと高サイクル疲労強度とは相関関係にあると考えられてきた。したがって,従来合金の特性から本発明の合金が高サイクル疲労強度に優れることを容易に予想することはできない。
また,Cu量が3重量%の本合金では,d/DASを安定して24以下にするにはTi量を0.25%以上にする必要があった。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば,耐熱疲労性及び高サイクル疲労強度に優れた合金を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における,結晶粒の結晶粒度と単位セルとの関係を示す説明図(a),及び結晶粒度と二次デンドライトアーム間隔との関係を示す模式図(b)。
【図2】局部変形に起因した熱疲労破損部分の説明図。
【図3】図2における,破損部分の中のA部の図面代用SEM写真(倍率80倍)。
【図4】本発明にかかるアルミニウム合金の組織状態を示す図面代用光学顕微鏡写真(倍率50倍)。
【図5】比較例のアルミニウム合金の組成状態を示す図面代用光学顕微鏡写真(倍率50倍)。
【図6】本発明にかかる,アルミニウム合金の組織形態とデンドライト整列状況を示す説明図。
【図7】比較例にかかる,アルミニウム合金の組織形態とデンドライト整列状況を示す説明図。
【図8】実施形態例2における,Mg量と熱疲労による亀裂発生寿命との関係を示す線図。
【図9】実施形態例3における,Ti量と熱疲労による亀裂発生寿命との関係を示す線図。
【図10】実施形態例4における,Cu量と室温疲労強度との関係を示す線図。
【図11】実施形態例5における,Mg量と室温引張強さとの関係を示す線図。
【図12】実施形態例6における,d/DAS比と引張強さおよび高サイクル疲労強度の関係を示す線図。
【符号の説明】
1...結晶粒,
2...デンドライト,
20...晶出物または硬質粒子,
3...コア部,
30...基地相,
4...単位セル,

Claims (1)

  1. Si;4〜9重量%,Cu;3〜7重量%,Mg;0.2〜0.4重量%,Ti;0.15〜0.5重量%,Fe;0.3〜0.7重量%,Mn;0.3〜0.7重量%,Fe/Mn(質量%比)が2以下,残部Al及び不純物からなるアルミニウム合金であって,
    基地相と該基地相より弾性率が高い晶出物とからなる亜共晶組織を有し,
    上記合金の結晶粒度dと,上記晶出物によって取り囲まれた基地相の単位セルサイズとしての二次デンドライトアーム間隔DASとの比d/DASが24以下であることを特徴とする耐疲労特性に優れたアルミニウム合金。
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