JPH11199664A - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の製造方法

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JPH11199664A
JPH11199664A JP33312297A JP33312297A JPH11199664A JP H11199664 A JPH11199664 A JP H11199664A JP 33312297 A JP33312297 A JP 33312297A JP 33312297 A JP33312297 A JP 33312297A JP H11199664 A JPH11199664 A JP H11199664A
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bis
hydroxyphenyl
phosgene
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Minoru Inada
稔 稲田
Hiroshi Nakai
宏 中井
Kazuaki Shiomi
一昭 塩見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色の少ないポリカーボネート樹脂の製造方
法を提供する。 【解決手段】 有機溶媒およびアルカリ水溶液の存在下
に、ビスフェノール化合物とホスゲンとを反応させてポ
リカーボネート樹脂を製造する界面重合法において、
ビスフェノール化合物を溶解する前の反応系内の溶液
に、還元剤を添加した後、該溶液にビスフェノール化
合物を溶解し、ホスゲンと反応させるポリカーボネー
ト樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒およびア
ルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化合物とホス
ゲンとを反応させてポリカーボネート樹脂を製造する方
法に関するものである。
【0002】ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱
性、機械的強度等のバランスのとれたエンジニアリング
プラスチックとして種々の用途に広く使用されている。
更に、近年、ポリカーボネート樹脂の透明性、耐熱性、
耐加水分解性、寸法安定性などの特徴を生かして、コン
パクトディスク、レーザーディスク、光カード、MOデ
ィスク、DVD等の光記録媒体として使用されている。
【0003】
【従来の技術】界面重合法によって、色調の改善された
ポリカーボネート樹脂を製造する方法として、アルカリ
水溶液にビスフェノールAを溶解する際に、ハイドロサ
ルファイトを同時に添加する方法が知られていた。
【0004】また、特開昭63-90536および特開平2-1855
30には、ポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液か
ら溶媒のジクロロメタンを蒸発除去する前に、該樹脂溶
液中の溶存酸素濃度を低減する方法が開示されている。
【0005】更に、ポリカーボネート樹脂の着色及びゲ
ル化を防止する方法として、特開昭60-184814 、特開昭
61-221225 および特開昭62-294528 には、界面重合法で
得られたポリカーボネート樹脂粉末を押出成形してペレ
ットにする際に、水を添加する方法が開示されており、
それなりの効果を上げている。
【0006】更にまた、特開平5-331277には、二価フェ
ノールをアルカリ水溶液に溶解し、有機溶媒の存在下、
又は非存在下でホスゲンを反応させて芳香族ポリカーボ
ネートを製造するに当り、使用するアルカリ水溶液及び
有機溶媒を予め窒素を吹き込むことにより脱酸素処理
し、色相の優れた芳香族ポリカーボネートの製造方法が
開示されている。しかし、これらの技術によっても、未
だ十分に着色の少ないポリカーボネート樹脂は得られて
いない。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】本発明者らは、有機溶
媒およびアルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化
合物とホスゲンとを反応させてポリカーボネート樹脂を
製造する界面重合法において、得られるポリカーボネー
ト樹脂の色調に変動が生ずる問題について種々検討した
結果、ビスフェノール化合物を溶解する前の溶液の溶存
酸素濃度が上記ポリカーボネート樹脂の色調に影響して
いることを解明した。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、有機溶
媒およびアルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化
合物とホスゲンとを反応させてポリカーボネート樹脂を
製造する界面重合法において、ビスフェノール化合物
を溶解する前の反応系内の溶液に、還元剤を添加した
後、該溶液にビスフェノール化合物を溶解し、次い
で、ホスゲンと反応させ重縮合を行わせるポリカーボネ
ート樹脂の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】即ち、本発明の要点は、反応系内
において、溶液に還元剤を添加し、溶存酸素が実質的に
存在しない状態にした後、ビスフェノール化合物を該溶
液に溶解させ、そののち重縮合を行い、反応が完結する
まで溶液中の溶存酸素が存在しない状態を維持すること
である。
【0010】本発明で使用されるビスフェノール化合物
としては、具体的にはビス(4-ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケト
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A:BPA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェノル)ブタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
(ビスフェノールZ:BPZ)、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シ−3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス
(4-ヒドロキシ−3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシ−3-クロロフェニル)プロパン、2,2-
ビス(4-ヒドロキシ−3-メチルフェニル)プロパン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)プロパ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1-フェニルエ
タン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニールメタ
ン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、α,ω−ビス[3-
(o-ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロ
キサンなどが例示され、これらは2種以上併用すること
も可能である。
【0011】これらの中で、好ましくは2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−
3,5-ジブロモフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)−1-フェニルエタン、ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)エーテル、4,4'−ジヒドロキシビフェニー
ルを挙げることができ、特に好ましくは2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパンである。
【0012】ホスゲンは上記ビスフェノール化合物10
0モルに対して、一般に102〜135モル、好ましく
は105〜115モルの範囲で使用される。本発明にお
いてホスゲンと呼ばれる塩化カルボニルが好ましく使用
されるが、塩素以外のハロゲン化カルボニルでもなんら
差し支えなく使用できる。また、ホスゲンの吹き込み時
間は、通常10〜120分、好ましくは15〜60分で
ある。
【0013】本発明で使用されるアルカリ水溶液の塩基
濃度は通常6〜10重量%で使用される。この塩基とし
ては水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物が使用されが、中でも水酸化ナトリ
ウムおよび水酸化カリウムが好ましい。ビスフェノール
化合物と上記のような塩基との当量比は1:1.1〜
1.6が好ましい。
【0014】さらに重縮合反応を円滑に進行させるため
有機溶媒が用いられる。この有機溶媒は、水に対して不
溶で且つ反応に対して不活性であり、しかも反応により
精製するポリカーボネート樹脂を溶解することができる
有機化合物である。このような有機溶媒としてはジクロ
ロメタン、1,2-ジクロロエチレン、クロロホルム、1,1,
2,2-テトラクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、四
塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロ
トルエンなどの塩素化炭化水素;ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチ
ルエーテル、アニソール等のエーテル類;アセトフェノ
ン等のケトン類を挙げることができ、単独あるいは混合
物が好ましく使用される。これらのうちジクロロメタン
が最も好ましく使用される。上記の有機溶媒は、ビスフ
ェノール化合物1モルに対して0.1〜1リットル使用
される。
【0015】本発明において使用される末端停止剤とし
ては、1価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げ
られ、具体的には、p-t-ブチルフェノール、p-t-オクチ
ルフェノール、トリブロムフェノール、p-クミルフェノ
ール、ノニルフェノール、ラウリルフェノール、ステア
リルフェノール、ヒドロキシ安息酸オクチル、ヒドロキ
シ安息酸ノニル、ヒドロキシ安息酸ラウリル、ヒドロキ
シ安息酸ステアリルなどが例示される。また、脂肪族カ
ルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボ
ン酸、芳香族カルボン酸クロライドなども挙げることが
できる。更に、反応性二重結合を有するものを末端停止
剤として用いてもよく、アクリル酸、ビニル酢酸、2-ペ
ンテン酸、3-ペンテン酸、5-ヘキセン酸、9-ウンデセン
酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、ソ
ルビン酸クロライド、アリルアルコールクロロホーメー
ト、イソプロペニルフェノールクロロホーメートまたは
ヒドロキシスチレンクロロホーメート等の酸クロライド
またはクロロホーメート;イソプロペニルフェノール、
ヒドロキシスチレン、ヒドロキシフェニルマレイミド、
ヒドロキシ安息酸アリルエステルまたはヒドロキシ安息
酸メチルアリルエステルなどの不飽和基を有するフェノ
ール類等が挙げられる。この中で、p-t-ブチルフェノー
ルが好ましい。
【0016】末端停止剤は、有機溶媒溶液あるいはアル
カリ水溶液の状態で添加することができるが、アルカリ
水溶液の状態で放置すると、赤く変色してポリカーボネ
ート樹脂の成形品の色相に影響を与えるため、有機溶媒
溶液として添加することが好ましく、通常10〜30重
量%の溶液として添加される。上記末端停止剤は所望の
分子量になるように適宜使用される。
【0017】本発明で得られるポリカーボネート樹脂の
粘度平均分子量は、通常、10,000〜50,000
であり、好ましくは、12,000〜40,000であ
り、更に好ましくは、15,000〜30,000であ
る。
【0018】更に、分岐化剤を併用して、分岐化ポリカ
ーボネート樹脂とすることができる。この分岐化剤とし
ては、フロログルシン、2,6-ジメチル-2,4,6−トリ(4
−ヒドロキシフェニル)ペンテン-3、4,6-ジメチル-2,
4,6−トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプテン-2、1,3,5
-トリ(2-ヒドロキシフェニル)エタン、2,6-ビス(2-
ヒドロキシ-5−メチルベンジル)−4-メチルフェノー
ル、α, α',α"-トリ(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5
−トリイソプロピルベンゼンなどで例示されるポリヒド
ロキシ化合物、及び5-クロルイサチンビスフェノール、
5,7-ジクロルイサチンビスフェノール、5-ブロモイサチ
ンビスフェノールなどが例示される。
【0019】本発明において、ビスフェノール化合物を
溶解する前の溶液の溶存酸素を除去する方法としては、
還元剤の添加する方法が好ましい。使用される還元剤と
しては、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜二
チオン酸ナトリウムおよびナトリウムボロハイドライド
などが例示されるが、その中でも亜二チオン酸ナトリウ
ムが好ましい。
【0020】還元剤の使用量としては、アルカリ水溶液
100重量部に対して、通常0.001〜0.3重量
部、好ましくは0.002〜0.2重量部の範囲で使用
される。還元剤は、水溶液または粉末の形態で使用でき
る。
【0021】溶存酸素が低減された溶液の存在する系内
の気相は、不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。系
内の気相を不活性ガス雰囲気とするための制限は特にな
いが、経済的面から一般に窒素ガスが用いられる。その
方法としては、不活性ガスを連続的に流通するか、また
は系内を減圧脱気後に不活性ガスを吹き込む操作を繰り
返し行うことにより達成されるが、操作性の点から不活
性ガスを連続的に流通する方法が好ましい。
【0022】本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法
は、連続法あるいはバッチ法のいずれでも実施可能であ
る。一例としてバッチ法の製造装置としては、攪拌装
置、ガス吹き込み管および凝縮器を備えたジャケト付き
反応釜が使用される。反応温度は、通常0〜40℃であ
るが、ホスゲン吹き込み時は15〜30℃、末端停止剤
及び触媒添加後から反応終了までは15〜30℃が好ま
しい。
【0023】ホスゲン吹き込み終了後に、重縮合反応を
促進するために触媒を添加することが好ましい。この触
媒としては、トリエチルアミンのような三級アミン、三
級ホスフィン、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム
塩、含窒素複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及
びその塩など使用される。その中で、トリエチルアミン
のような三級アミンが好ましい。触媒の添加量は、仕込
みビスフェノール化合物1モルに対して0.1〜100
ミリモルである。触媒は有機溶媒あるいは水に溶解し
て、添加することが好ましく、溶液の濃度としては、
0.2〜15重量%の範囲で調製して用いられる。
【0024】重合反応終了後、得られたポリカーボネー
ト樹脂反応溶液から有機溶媒相を分離し、触媒の除去、
中和、水洗および濃縮等を行うことにより精製したポリ
カーボネート樹脂溶液を得ることができる。精製したポ
リカーボネート樹脂溶液から固形物を得る方法として
は、公知の方法によって達成することができる。例え
ば、精製されたポリカーボネート樹脂溶液を、必要に応
じて貧溶媒を添加混合後、攪拌下の温水に滴下する方
法、あるいは、精製されたポリカーボネート樹脂溶液を
加熱ジャケット付きニーダーに投入して、造粒と乾燥を
同時に行う方法などが用いられる。
【0025】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0026】実施例1 ガス吹き込み管、凝縮器および反転式攪拌機(135回
/分)が設置された内容積50Lの反応槽を窒素雰囲気
とした後、8重量%の水酸化ナトリウム水溶液17.5
kgおよび亜二チオン酸ナトリウム24gを供給し、攪
拌しながら該水酸化ナトリウム水溶液の溶存酸素濃度
(東亜電波工業(株)製DO計:DO−11Pで測定)
を0mg/Lとした。その後、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)プロパン3.4kgを反応槽に供給して攪拌し溶
解した。次に、攪拌しながら反応槽にジクロロメタン1
0kgを供給した後、反応温度を20℃に保ちつつ、ガ
ス吹き込み管からホスゲンを1.7kgを30分かけて
吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、16重量%の
p-t-ブチルフェノールのジクロロメタン溶液0.4k
g、8重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.2kg、ジ
クロロメタン4.8kgおよび10重量%のトリエチル
アミンのジクロロメタン溶液30gを供給し、攪拌しな
がら、反応温度を26〜31℃に維持しながら約1時間
重合させた。
【0027】この重合溶液にジクロロメタン4kgおよ
び水を加えて攪拌した後、静置し水相と有機相を分離し
た。次に、分離した有機相をリン酸で中和した後、純水
で、有機相の洗浄水から塩素イオンが検出されなくなる
まで繰り返し洗浄した。得られたポリカーボネート樹脂
溶液にヘキサンを添加混合した後、攪拌下の温水に滴下
し沈澱化し、乾燥後粒状粉末(フレーク)を得た。
【0028】この得られた粒状粉末をL/D=28の3
0mmφベント付き単軸押出機を用いて270〜280
℃で可塑化し、ペレットとした。このペレットを、射出
成形機(型締力50トン、射出容量62cm3 )を用い
て、280〜310℃で、厚さ3.2mmの試験片を成
形した。この試験片を用いて色差計(日本電色工業
(株)製、製品名:SE−2000)によって色調(Y
I)を測定した。試験片のYI値は1.51であった。
【0029】実施例2 実施例1の反応槽を用いて、最初に8重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液17.5kg、亜二チオン酸ナトリウム
24gおよびジクロロメタン10kgを供給した。その
後、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3.4
kgを反応槽に供給して攪拌し溶解した。次に、攪拌し
ながら反応槽を反応温度を20℃に保ちつつ、ガス吹き
込み管からホスゲンを1.7kgを30分かけて吹き込
んだ。それ以後は実施例1と同様に行った。2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを溶解する前の反応
系内の溶液の溶存酸素濃度は0mg/Lであり、試験片のY
I値は1.56であった。
【0030】実施例3 最初に仕込む8重量%の水酸化ナトリウム水溶液17.
5kgと共に供給する亜二チオン酸ナトリウムの量を2
4gから0.3gに変更し、2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパン3.4kg供給時に亜二チオン酸ナト
リウム23.7gを添加した以外は実施例1と同様に行
った。2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを溶
解する前の水酸化ナトリウム水溶液の溶存酸素濃度は2m
g/Lであり、試験片のYI値は1.62であった。
【0031】実施例4 攪拌機付き槽型反応器を、段差をつけて7個直列に並べ
て、連続的にポリカーボネート樹脂の製造を行った。内
容積50Lの第1槽に、8重量%の水酸化ナトリウム水
溶液365kg/hおよび亜二チオン酸ナトリウム40
0g/hを供給した。内容積50Lの第2槽に、第1槽
から溢流する溶液および2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン63kg/hを供給した。内容積50Lの
第3槽に、第2槽から溢流する混合液およびジクロロメ
タン185kg/hを供給しつつ、ホスゲンを31kg
/hで吹き込んだ。内容積50Lの第4槽に、第3槽か
ら溢流する反応溶液、13.3重量%のp-t-ブチルフェ
ノールのジクロロメタン溶液8.9kg/h、8.8重
量%の水酸化ナトリウム水溶液55kg/hおよびジク
ロロメタン100kg/hを供給した。内容積50Lの
第5槽に、第4槽から溢流する反応溶液を供給した。内
容積100Lの第6槽に、第5槽から溢流する反応溶液
および10重量%のトリエチルアミンのジクロロメタン
溶液0.9kg/hを供給した。内容積100Lの第7
槽に、第6槽から溢流する反応溶液を供給した。ちなみ
に、第1槽から溢流した溶液の溶存酸素濃度は0mg/Lで
あった。
【0032】第7槽から溢流した重合溶液にジクロロメ
タンおよび水を加えて攪拌した後、静置し水相と有機相
を分離した。次に、分離した有機相をリン酸で中和した
後、純水で、有機相の洗浄水から塩素イオンが検出され
なくなるまで繰り返し洗浄した。得られたポリカーボネ
ート樹脂溶液にヘキサンを添加混合した後、攪拌下の温
水に滴下し沈澱化し乾燥後粒状粉末(フレーク)を得
た。該粒状粉末を実施例1と同様にして成形加工し、
3.2mmの試験片を作成し、YI値を測定した。試験
片のYI値は1.83であった。
【0033】比較例1 最初に8重量%の水酸化ナトリウム水溶液17.5kg
を仕込み、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
3.4kg供給時に亜二チオン酸ナトリウム24gを添
加した以外は実施例1と同様に行った。2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパンを溶解する前の水酸化ナト
リウム水溶液の溶存濃度7mg/Lであり、試験片のYI値
は2.47であった。
【0034】比較例2 最初に8重量%の水酸化ナトリウム水溶液17.5kg
を仕込み、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
3.4kg供給時に亜二チオン酸ナトリウム0.1gを
添加した以外は実施例1と同様に行った。2,2-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)プロパンを溶解する前の水酸化ナ
トリウム水溶液の溶存濃度7mg/Lであり、試験片のYI
値は4.95であった。
【0035】比較例3 実施例1の反応槽を用いて、最初に8重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液17.5kg及びジクロロメタン10k
gを仕込み、次いで窒素を該溶液に吹き込み溶存酸素濃
度が0mg/Lとなった後、窒素を流しながら、2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3.4kgを反応槽
に供給して攪拌し溶解した。次に、攪拌しながら反応槽
を反応温度を20℃に保ちつつ、ガス吹き込み管からホ
スゲンを1.7kgを30分かけて吹き込んだ。それ以
後は実施例1と同様に行った。2,2-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)プロパンを溶解する前の反応系内の溶液の溶
存酸素濃度は0mg/Lであり、試験片のYI値は5.01
であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によって得られるポリカーボネー
ト樹脂は、高温成形で着色の少ない成形品を得ることが
出来るので、従来品に比べ、その用途範囲を大きく拡大
できる利点を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒およびアルカリ水溶液の存在下
    に、ビスフェノール化合物とホスゲンとを反応させてポ
    リカーボネート樹脂を製造する界面重合法において、
    ビスフェノール化合物を溶解する前の反応系内の溶液
    に、還元剤を添加した後、該溶液にビスフェノール化
    合物を溶解し、次いで、ホスゲンと反応させることを
    特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 還元剤として、亜二チオン酸ナトリウム
    を使用する請求項1記載のポリカーボネート樹脂の製造
    方法。
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Cited By (2)

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JP2009096937A (ja) * 2007-10-19 2009-05-07 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリカーボネートの製造方法
WO2017159727A1 (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 出光興産株式会社 ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂の製造方法、塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置

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