JPH11199589A - 有機ケイ素化合物及びその製造方法 - Google Patents

有機ケイ素化合物及びその製造方法

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JPH11199589A
JPH11199589A JP10015024A JP1502498A JPH11199589A JP H11199589 A JPH11199589 A JP H11199589A JP 10015024 A JP10015024 A JP 10015024A JP 1502498 A JP1502498 A JP 1502498A JP H11199589 A JPH11199589 A JP H11199589A
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vinyl group
acrylic acid
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JP10015024A
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Hideyuki Takai
英行 高井
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コーティング剤、インキ、接着剤、シーラン
ト剤等に極めて有用な有機ケイ素化合物を提供する。 【解決手段】 式(1−1)または(1−2)で表わさ
れるビニル基含有脂環式アクリル酸系誘導体のビニル基
または1−メチル−ビニル基をシリル化して得られる有
機ケイ素化合物。 (式中、R〜R、R〜R10およびR13〜R
16は、同一でも異なってもよく、水素原子またはフェ
ニル基もしくは炭素数1〜8のアルキル基を示し、内R
14〜R16のいずれか1つはビニル基または1−メチ
ル−ビニル基を示し、R11は、水素原子またはメチル
基もしくはエチル基を示し、Xはメチレン基を示し、n
は1〜10の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、構造中に脂環式
骨格と(メタ)アクリロイルオキシ基等とを有する有機
ケイ素化合物であって、コーティング剤、インキ、接着
剤、シーラント剤等に有用な有機ケイ素化合物及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】(メ
タ)アクリレートは、一般にコーティング剤、インキ、
接着剤およびシーラント剤等の分野において有用な化合
物であって、(メタ)アクリレートにケイ素を結合させた
化合物は、シランカップリング剤となる。このようなシ
ランカップリング剤は、アクリロイルオキシ基が有機材
料と結合し、シラン基が無機材料と反応するため、有機
材料と無機材料との間に介在させれば両者を結合させる
ことができる。特に、ケイ素を含有させた(メタ)アク
リレートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、エチレンプロピレンゴム等のガラス繊維処理、塗
料、プライマー、接着剤等として有用である。従来よ
り、このような化合物として、3−メタクリロキシプロ
ピルメチルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン(以上、信越シリコーン社製)、
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキ
シ)シラン(以上、東芝シリコン社製)等がある。
【0003】一方、シクロヘキシル等で代表される脂環
式骨格を一部に有するアクリレートやイソボルニルアク
リレートは、耐熱性、透明性、その他良好な誘電特性を
有するため、電気、電子材料や塗料等に使用されてい
る。しかし、脂環式骨格とシリル基との両方持った(メ
タ)アクリレートは知られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、有機ケイ素
化合物について詳細に検討したところ、シリル基を含有
する特定構造の脂環式(メタ)アクリレートが、耐熱
性、透明性、誘電特性に優れ、かつ共重合用途に有用で
あることを見い出し、本発明を完成するに到った。
【0005】すなわち本発明は、式(1−1)または
(1−2)で表わされるビニル基含有脂環式アクリル酸
系誘導体のビニル基または1−メチル−ビニル基をシリ
ル化して得られる有機ケイ素化合物およびその製造方法
を提供するものである。
【0006】
【化4】
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の有機ケイ素化合物は、上
記式(1−1)または(1−2)で表されるビニル基含
有アクリル酸系誘導体をシリル化したものである。
【0008】本発明で使用するビニル基含有アクリル酸
系誘導体は、上記式(1−1)、(1−2)で表され
る。式中、R1〜R2、R7〜R10、およびR13〜R16
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基が例示で
き、R1〜R2、R7〜R10、およびR13〜R16として
は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。そ
の理由は工業的に入手しやすいからである。
【0009】本発明で使用するビニル基含有アクリル酸
系誘導体は、上記式(2)で表されるビニル基含有脂環
式エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸またはエタク
リル酸とをエポキシ基の開環付加反応により結合させて
製造することができる。ビニル基含有脂環式エポキシ化
合物としては、下記式(2−1)、(2−2;ビニルシ
クロヘキセンモノエポキシド)、(2−3;リモネンモ
ノエポキシド)等が例示でき、これらの中でも下記式
(2−1)、(2−2)または(2−3)で表されるビ
ニル基含有脂環式化合物を使用することが好ましい。こ
れらの化合物は市販され、入手が容易だからである。ま
た、(メタ)アクリル酸またはエタクリル酸に対する式
(2)で表されるビニル基含有脂環式エポキシ化合物の
モル比を調整することにより、上記式(1−1)および
(1−2)中のnを適宜選択することができる。以下
に、ビニルシクロヘキセンモノエポキシドとアクリル酸
とを用いた反応式を示す。
【0010】
【化5】
【0011】上記ビニル基含有脂環式エポキシ化合物と
(メタ)アクリル酸等との付加反応は、溶媒の存在下ま
たは非存在下、反応温度60〜140℃、特には70〜
120℃で反応させることが好ましい。また、反応時に
使用する溶媒に特に制限はないが、ヘキサン、シクロヘ
キサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、四塩化炭
素、クロロホルム等を用いることができ、更に、グリコ
ールエーテルやグリコールアセテート類等も使用でき
る。
【0012】付加反応時には触媒を使用することができ
る。例えば、トリフェニルホスフィン等のリン系化合
物、ジアザビシクロウンデセンやテトラエチルアンモニ
ウム等の4級アミン化合物、2−メチル−イミダゾール
や2−メチル−4−エチル−イミダゾール等のイミダゾ
ール系化合物を使用することができる。更に、ホウ酸エ
ステル、ルイス酸、有機金属化合物、有機酸金属塩等も
用いることができる。これら触媒の使用量は、上記エポ
キシ基含有脂環式化合物と(メタ)アクリル酸等との合
計重量に対し0.03〜5重量%、特には0.05〜3
重量%であることが好ましい。
【0013】付加反応には、アクリロイル基等の重合を
防止するため、メトキノン(p−メトキシフェノー
ル)、ハイドロキノン、フェノチアジン等の一般に使用
される重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤
の使用量は、アクリル酸等と上記エポキシ基含有脂環式
化合物との合計重量に対し0.03〜5重量%、特には
0.05〜3重量%であることが好ましい。
【0014】本発明の有機ケイ素化合物は、上記ビニル
基含有脂環式アクリル酸系誘導体をシリル化剤でシリル
化して製造することができ、シリル化剤として、Si−
H結合を有するものであり、アルコキシシランやオルガ
ノポリシロキサンを使用することができる。アルコキシ
シランとしては、トリメトキシシラン、トリエトキシシ
ラン、ジメトキシメチルシラン、ジアセトキシメチルシ
ラン、ブチルジメチルシラン、フェニルジメトキシシラ
ン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラ
ン、ペンタメチルジシロキサン等が例示できる。また、
メチル基やフェニル基を有するものやビス(2−クロロ
エトキシ)メチルシラン等のようなハロゲン原子を有す
るシラン化剤も使用することができる。また、オルガノ
ポリシロキサンとしては、下記式(3−1)〜(3−1
1)で表されるシリル化剤を使用することができる。本
発明では、アルコキシシランまたはアルコキシシランを
生成する構造を持つものが好ましい。無機基材に対する
接着性が良好だからである。
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】シリル化の際には、触媒を使用することが
できる。VIII族遷移金属およびその化合物、例え
ば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等とその
化合物、特にその錯体を好ましく用いることができる。
具体的には、PtCl4、H2PtCl6・6H2O、Pt
−ビニルシロキサン錯体(例えばPtr(ViMe2Si
OSiMe2Vi)sなど)、Pt−ホスフィン錯体(例
えばPt(PPh34など)、Pt−オレフィン錯体
(例えばPtCl2(cod)2、Pt(acac)2
PdCl2(PPh32、PdCl2(PhCN)2、R
hCl2(PPh33、[RhCl(cod)]2、Ru
(cpd)2が例示できる。尚、上記式中、Meはメチ
ル基、Viはビニル基、Phはフェニル基、Prはプロ
ピル基、codはシクロオクタジエン基、acacはア
セチルアセトナート、cpdはシクロペンタジエンを示
し、rは1〜20の整数を、sは1〜20の整数を示
す。本発明では、これらの中で白金触媒を使用すること
が好ましい。触媒の使用量は、5〜10,000ppm
であることが好ましい。5ppmを下回ると、触媒とし
ての効果が低く、その一方、10,000ppmを超え
ると製品が触媒の色で着色するおそれがあり、VIII
族遷移金属は高価なので製造コストもかさむ。これらの
触媒は、必要に応じてアルコール類、芳香族類または脂
肪族の炭化水素類、ケトン類、塩基性溶媒などの溶媒で
希釈して用いることができる。
【0018】反応時の溶媒としては、イソプロピルアル
コール、ブタノールなどのアルコール類、トルエン、キ
シレン等の芳香族系溶媒、ヘキサン、オクタンなどの脂
肪族系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶媒を用いることができる。また、反応温度
は、40〜120℃であること、特には50〜100℃
であることが好ましく、シリル化剤の使用量は、ビニル
基1モルに対して0.8〜1.2モル倍、特には0.9
〜1.1モル倍を使用することが好ましい。
【0019】本発明の有機ケイ素化合物は、上記により
得られた溶液をそのまま反応性溶媒、即ち、紫外線等で
硬化できる溶剤として用いることができる。また、減圧
下で水素と反応させて不飽和基を含有しない不活性溶媒
として有用な化合物を製造することもできる。更に、本
発明の有機ケイ素化合物は、ハロゲンと反応させること
によって難燃性添加剤として種々のポリマーや他の化合
物に添加することが可能である。
【0020】本発明の有機ケイ素化合物は、単独重合さ
せ、または他の共重合可能なモノマーと共重合させ、さ
らに他の化合物と反応させて、種々のコーティング剤、
インキ、接着剤、シーラント剤とすることができ、さら
に、これらを用いた他の用途のための中間体を生成する
ことができる。
【0021】例えば、本発明の有機ケイ素化合物を共重
合してまたは硬化性モノマーとして家具コーティング、
装飾コーティング、自動車下塗り、シーラー、仕上げ塗
り、飲料缶及びその他の缶コーティング、文字情報又は
画像情報のインキ、電子部品用のシーラント等とするこ
とができる。また、本発明の有機ケイ素化合物のケイ素
の反応性を用いて樹脂に組み込むことにより、印刷版又
は印刷回路版を開発するのに適したフォトレジスト、注
型印刷ロールとすることもできる。更に、不飽和ポリエ
ステル及びスチレンを主体とし、ガラス、炭素、グラフ
ァイト又は他の繊維によって強化された成形配合物とす
ることができる。加えて、これにさらにシート形成配合
物を添加して成形品を得ることができ、ケイ素含有アク
リレートとして使用することにより、溶媒、難燃剤など
にすることもできる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は 以下、実施例により本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」
を示す。
【0023】(実施例1)1リットルのジャケット付き
フラスコにビニルシクロヘキセンモノエポキシド(ダイ
セル化学工業社製「セロキサイド2000」、分子量1
24)180g、トリフェニルホスフィン1.36g、
メトキノン1.36g、トルエン245gを仕込んだ。
液中に空気を吹込みながら、反応系内の温度を80℃に
してからアクリル酸100gを約1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、系内の温度を100℃としさらに反応
させた。系内のオキシラン酸素が0.2%になった時点
で反応を終了させた。この反応液を水500gで水洗
し、メトキノンを1.36g追加した。この反応液を7
0℃/10mmHgで脱低沸を行い、アクリレート
(A)を271g得た。アクリレート(A)の1H−N
MRを測定したところ、δ2.9〜3.1ppmのエポ
キシ基のプロトンのピークがほぼ消失していることを確
認した。さらにGC−MSより脂環構造を1つ持つ分子
量196の単量体(A−1)、脂環構造を2つ持つ分子
量320の2量体(A−2)、脂環構造を3つ持つ分子
量444の3量体および4量体以上の多量体(A−3)
が、A−1:A−2:A−3=84.7:13.8:
1.5(面積%)の比率で生成していることを確認し
た。このアクリレート(A)100gとトルエン60
g、塩化白金酸のイソプロピルアルコール(IPA)溶
液0.05g(Pt含量2%)、p−メトキシフェノー
ル0.05gを反応器に仕込み、これを60℃に加熱し
ながら、メチルジイソプロペニルオキシシラン60.2
g(0.38mol)を約30分かけて滴下した。滴下
終了後、80℃で2時間付加反応を行った。反応液を減
圧下で蒸留したところ淡黄色の液体155.0gが得ら
れた。1H−NMRを測定したところ、δ4.8〜5.
2ppmの二重結合のピークがほぼ消失し、0.6pp
m付近にCH−Siに由来するピークが現れシリル化の
確認を行った。
【0024】(実施例2)1リットルのジャケット付き
フラスコにリモネンモノエポキシド(エルファトケム製
「リモネンモノオキシド」、分子量152)195g、
ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.3g、メト
キノン0.3gおよび溶媒としてメトキシプロパノール
アセテート300gを仕込んだ。液中に空気を吹込みな
がら、反応系内の温度を80℃にし、メタクリル酸10
8gを約1時間かけて滴下した。滴下終了後、系内の温
度を100℃としさらに反応させた。系内のオキシラン
酸素が0.23%になった時点で反応を終了させた。こ
の反応液を70℃/10mmHgで脱低沸を行い、アク
リレート(B)を293g得た。アクリレート(B)の
1H−NMRを測定したところ、δ2.9〜3.1pp
mのエポキシ基のプロトンのピークがほぼ消失している
ことを確認した。さらにGC−MSより、脂環構造を1
つ持つ分子量238の単量体(B−1)、脂環構造を2
つ持つ分子量390の2量体(B−2)、脂環構造を3
つ持つ分子量542の3量体および4量体以上の多量体
(B−3)が、B−1:B−2:B−3=80.6:1
7.8:1.6(面積%)の比率で生成していることを
確認した。このアクリレート(B)100gと、トルエ
ン60g、塩化白金酸のIPA溶液0.05g(Pt含
量2%)、p−メトキシフェノール0.05gを反応器
に仕込み、これを60℃に加熱しながらフェニルジメト
キシシラン87.4g(0.52mol)を約30分か
けて滴下した。滴下終了後、90℃で4時間付加反応を
行った。反応液を減圧下で蒸留したところ淡黄色の液体
が176.3gが得られた。1H−NMRを測定したと
ころ、δ4.8〜5.2ppmの二重結合のピークがほ
ぼ消失し、0.6ppm付近にCH−Siに由来するピ
ークが現れシリル化の確認を行った。
【0025】(実施例3)0.5リットルのジャケット
付きフラスコに5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン(サンアプロ社製「VBH」)100gと
酢酸エチル50gを仕込み、窒素を吹き込みながら反応
系内の温度を50℃とし、約1時間かけて過酢酸の酢酸
エチル溶液257.2g(過酢酸濃度;29.5%)を
滴下した。過酢酸滴下終了後、50℃で4時間熟成させ
反応を終了した。更に50℃で反応粗液を水洗し、70
℃/10mmHgで脱低沸を行い、エポキシ化したVB
H(分子量136、前記(2−1)の化合物に相当)9
9.7gを得た。エポキシ化したVBHの性状は、オキ
シラン酸素濃度10.6%、粘度12cP/25℃であ
り、1H−NMRを測定したところ、δ4.5〜5pp
mの内部二重結合に由来するピークがほぼ消失し、δ
2.9〜3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロ
トンのピークが生成していた。次いで、1リットルのジ
ャケット付きフラスコにエポキシ化したVBH(分子量
136)215g、トリフェニルホスフィン0.33
g、メトキノン0.33g、溶媒としてトルエン350
gを仕込んだ。液中に空気を吹込みながら、反応系内の
温度を80℃にし、アクリル酸114gを約1時間かけ
て滴下した。滴下終了後、系内の温度を100℃としさ
らに反応させた。系内のオキシラン酸素が0.22%に
なった時点で反応を終了させた。この反応液をイオン交
換水600g洗浄したあとメトキノンを0.33g仕込
んだ。この反応液を70℃/10mmHgで脱低沸を行
い、アクリレート(C)を321g得た。アクリレート
(C)の1H−NMRを測定したところ、δ2.9〜
3.2ppmのエポキシ基のプロトンのピークがほぼ消
失していることを確認した。さらにGC−MSより、脂
環構造を1つ持つ分子量208の単量体(C−1)、脂
環構造を2つ持つ分子量344の2量体(C−2)、脂
環構造を3つ持つ分子量480の3量体および4量体以
上の多量体(C−3)が、C−1:C−2:C−3=8
3.9:14.2:1.9(面積%)の比率で生成して
いることを確認した。このアクリレート(C)100g
と、トルエン60g、塩化白金酸のIPA溶液0.05
g(Pt含量2%)、p−メトキシフェノール0.05
gを反応器に仕込み、これを60℃に加熱しながら前記
化合物(3−9)184.1g(0.55mol)を約
30分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で3時間付
加反応を行った。反応液を減圧下で蒸留したところ淡黄
色の液体が278.9gが得られた。1H−NMRを測
定したところ、δ4.8〜5.2ppmの二重結合のピ
ークがほぼ消失し、0.6ppm付近にCH−Siに由
来するピークが現れシリル化の確認を行った。
【0026】(実施例4)1リットルのジャケット付き
フラスコにビニルシクロヘキセンモノエポキシド241
g、トリフェニルホスフィン0.36g、メトキノン
0.36gを仕込んだ。液中に空気を吹込みながら、反
応系内の温度を80℃にしてからアクリル酸100gを
約1時間かけて滴下した。滴下終了後、系内の温度を1
00℃としさらに反応させた。系内のオキシラン酸素が
0.18%になった時点で反応を終了させ、アクリレー
ト(D)を340g得た。アクリレート(D)の1H−
NMRを測定したところ、δ2.9〜3.2ppmのエ
ポキシ基のプロトンのピークがほぼ消失していることを
確認した。さらにGC−MSより脂環構造を1つ持つ分
子量196の単量体(D−1)、脂環構造を2つ持つ分
子量320の2量体(D−2)、脂環構造を3つ持つ分
子量444の3量体および4量体以上の多量体(D−
3)が、D−1:D−2:D−3=41.2:48.
6:10.2(面積%)の比率で生成していることを確
認した。このアクリレート(D)100gとトルエン6
0g、塩化白金酸のIPA溶液0.05g(Pt含量2
%)、p−メトキシフェノール0.05gを反応器に仕
込み、これを60℃に加熱しながら、前記化合物(3−
5)95.1g(0.58mol)を約30分かけて滴
下した。滴下終了後、80℃で3時間付加反応を行っ
た。反応液を減圧下で蒸留したところ淡黄色の液体18
3.2gが得られた。1H−NMRを測定したところ、
δ4.8〜5.2ppmの二重結合のピークがほぼ消失
し、0.6ppm付近にCH−Siに由来するピークが
現れシリル化の確認を行った。
【0027】
【発明の効果】本発明の有機ケイ素化合物は、構造中に
脂環式骨格と(メタ)アクリロイルオキシ基およびシリ
ル基とを有する。この為、当該化合物を使用すると、脂
環式骨格に由来する耐熱性、透明性、その他良好な誘電
特性が得られる。また、アクリロイルオキシ基およびシ
リル基とを有するため、有機材料と無機材料との間に介
在させれば両者を結合させることができる。従って、本
発明の有機ケイ素化合物は、コーティング剤、インキ、
接着剤、シーラント剤等に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 4/02 C09J 4/02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1−1)または(1−2)で表わさ
    れるビニル基含有脂環式アクリル酸系誘導体のビニル基
    または1−メチル−ビニル基をシリル化して得られる有
    機ケイ素化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 式(2)で表されるビニル基含有脂環式
    エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸またはエタクリル
    酸とを反応させ、次いでシリル化を行うことを特徴とす
    る請求項1記載の有機ケイ素化合物の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】 ビニル基含有脂環式エポキシ化合物が、
    式(2−1)、(2−2)または(2−3)のいずれか
    であることを特徴とする請求項2記載の有機ケイ素化合
    物の製造方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 アルコキシシランまたはオルガノポリシ
    ロキサンを用いてシリル化することを特徴とする請求項
    2または3記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021088689A (ja) * 2019-12-06 2021-06-10 信越化学工業株式会社 シロキサン化合物及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021088689A (ja) * 2019-12-06 2021-06-10 信越化学工業株式会社 シロキサン化合物及びその製造方法

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