JPH11198286A - 熱可塑性エラストマ−積層布の製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマ−積層布の製造方法

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JPH11198286A
JPH11198286A JP10016454A JP1645498A JPH11198286A JP H11198286 A JPH11198286 A JP H11198286A JP 10016454 A JP10016454 A JP 10016454A JP 1645498 A JP1645498 A JP 1645498A JP H11198286 A JPH11198286 A JP H11198286A
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JP
Japan
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thermoplastic elastomer
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woven fabric
adhesive
laminated
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JP10016454A
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Naoto Yukimoto
直人 行本
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織布の片面又は両面に、熱可塑性エラストマ
−層を圧着した積層布で、織布と熱可塑性エラストマ−
層とが高い剥離強度をもつ積層布を得る。 【解決手段】 接着剤を塗布した織布の接着剤塗布面
に、溶融状態にあるシ−ト状の熱可塑性エラストマ−を
圧着した後、気体圧力を加えた状態で加熱する熱可塑性
エラストマ−の製造方法であり、更に、前記織布が、1
260デニ−ル以上の高デニ−ルのナイロン織布で、前
記熱可塑性エラストマ−が熱可塑性ポリウレタンである
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織布の一面又は両
面に強い剥離強度を備えたエラストマ−層が形成された
熱可塑性エラストマ−積層布の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、織布の一面又は両面に熱可塑性エ
ラストマ−を積層して一体とした熱可塑性エラストマ−
積層布は優れた気密性及び防水性を有すると共に、熱融
着により製品加工ができることから、防水布や気密布用
等の広い範囲で用いられている。そして、これらの用途
に用いられる熱可塑性エラストマ−積層布は、織布に接
着剤を塗布することなしに、織布の繊維を押し出しラミ
ネ−ト機又はカレンダ−ロ−ル機の押圧で熱可塑性エラ
ストマ−層の中にめり込ませることにより、また、織物
の格子間隔の比較的大きい織布の両面に熱可塑性エラス
トマ−を熱圧着して織り目を通して両面の熱可塑性エラ
ストマ−を密着させることにより、織布と熱可塑性エラ
ストマ−層との接着強度が得られる。このような熱可塑
性エラストマ−積層布にあっては、織布は積層布の主と
して保形材としての役目を果たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、熱可塑性エラス
トマ−積層布は、熱融着加工ができ、また、気密性、防
水性等の従来の特性に加えて、耐摩耗性、耐候性にも富
む等の特性が生かされて遥かに厳しい環境下で使用され
る製品にも用途が広まっている。しかしながら、このよ
うな厳しい環境下での使用に供するには、織布には、単
に保形材としての機能だけではなく、積層布の強度を高
め維持する補強材としての機能をもたねばならない。こ
のような高い補強機能を満足させるためには、織布と熱
可塑性エラストマ−層とを強固に密着させなければなら
ないが、前記したような押し出しラミネ−ト機またはカ
レンダ−ロ−ル機の押圧によって織布と熱可塑性エラス
トマ−層との剥離強度が、例えば、50kgf/3cm
以上を必要とするものもあるが、このような50kgf
/3cm以上の剥離強度を満足させることは従来の製造
技術では困難であって、なお解決すべき課題があった。
【0004】従来の製造技術において、織布に、予め接
着剤を塗布してその接着剤塗布面に、押し出しラミネ−
ト機又はカレンダ−ロ−ル機で溶融した熱可塑性エラス
トマ−層を圧着する方法もあるが、この方法では、織布
と圧延され溶融状態にある熱可塑性エラストマ−層と
は、一緒に走行しつつ加熱加圧工程を経て一体となるの
で、前記接着剤と熱可塑性エラストマ−層とが必要とす
る接着強度、即ち、50kgf/3cm以上の剥離強度
を得るための十分な時間、圧力、温度等の圧着条件を与
えることが困難であり、なお解決すべき課題があった。
【0005】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、ナイロンのよう
な合成繊維の織布、特に、高デニ−ルの織布と熱可塑性
エラストマ−層とが強力に密着している熱可塑性エラス
トマ−積層布の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る熱可塑性エラストマ−積層布の製造方
法は、ナイロンのような合成繊維の織布の一面又は両面
に熱可塑性エラストマ−を溶剤で溶かした反応型接着剤
を塗布乾燥し、前記接着剤を塗布した面に、シ−ト状に
圧延した溶融状態の熱可塑性エラストマ−を圧着した
後、1〜6kgf/cm2 の気体圧力で、前記熱可塑性
エアラストマ−の融点よりも10〜30℃低い温度で加
熱処理する。
【0007】前記熱可塑性エラストマ−を熱可塑性ポリ
ウレタンとし、前記織布を1260デニ−ル以上の高デ
ニ−ルのナイロン織布とするのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、熱可塑性ポリウ
レタンをジメチルホルムアミドに溶解したものにイソシ
アネ−トを添加した溶液を接着剤とし、該接着剤を12
60デニ−ル(打込本数タテ20本/in×ヨコ20本
/in)、及び5040デニ−ル(打込本数タテ13本
/in×ヨコ13本/in)の2種類のナイロン織布の
それぞれの片面または両面に塗布乾燥し、これらの各織
布の接着剤を塗布した面に、押し出しラミネ−ト機によ
り、シ−ト状に圧延した溶液状態の熱可塑性ポリウレタ
ンを圧着した2種類の織布で計4種類の第一次加工熱可
塑性ポリウレタン積層布を得る。
【0009】また、前記第一次加工熱可塑性ポリウレタ
ン積層布とは別に、前記4種類の第一次加工熱可塑性ポ
リウレタン積層布を圧力釜に入れて、1kgf/cm2
の蒸気圧を加えて、前記熱可塑性ポリウレタンの融点よ
りも30℃低い130℃の温度で2時間、(条件1:1
kgfcm2 ×2hs)加圧加熱した4種類の第二次加工
熱可塑性ポリウレタン積層布を得る。
【0010】前記4種類の第一次加工熱可塑性ポリウレ
タン積層布と、前記4種類の第二次加工熱可塑性ポリウ
レタン積層布のそれぞれの剥離試験をしたところ、第一
次加工熱可塑性ポリウレタン積層布では50kgf/3
cmの値を中心に分布し、第二次加工熱可塑性ポリウレ
タン積層布では60kgf/3cmの値を中心に分布
し、第二次加工のものは、第一次加工のものよりも、2
0%以上も剥離強度が上昇することが判明した。
【0011】また、釜内の圧力、温度及び時間の条件を
変化させて、前記4種類の第一次熱可塑性ポリウレタン
積層布を処理して第二次加工熱可塑性ポリウレタン積層
布を製作し、それらにつき、それぞれの剥離強度を測定
した結果、下記の条件2乃至条件4で処理したものが、
第一次加工熱可塑性ポリウレタン積層布よりも20%以
上も上昇をすることが判明した。 条件2:1kgf/×150℃×2hs 条件3:6kgf/×130℃×2hs 条件4:6kgf/×150℃×2hs
【0012】更に、前記4種の第一次加工熱可塑性積層
布を熱可塑性ポリウレタンの積層布のそれぞれを、前記
条件1乃至4の中、加熱温度を熱可塑性ポリウレタンの
溶融温度に変えた下記の条件、即ち、 条件5:1kgf/×160℃×2hs 条件6:6kgf/×160℃×2hs で作成した第二次加工熱可塑性ポリウレタン積層布のそ
れぞれを前記条件1乃至4の各条件で作成した第二次加
工熱可塑性ポリウレタン積層布のそれぞれと比較試験し
たところ、後者の条件5乃至6の中、織布の両面に積層
した第二次加工熱可塑性ポリウレタン積層布には、発泡
による微細な痕跡が若干生じているのが確認され、ま
た、片面積層布及び両面積層布の両者ともに剥離強度は
第一次加工ポリウレタン積層布よりも上昇はするが、熱
可塑性ポリウレタンの溶融によって層の表面の平滑性が
失われることが判明した。
【0013】更にまた、105、210、420、84
0の各デニ−ルの各種ナイロン織布を使用して得た第二
次加工熱可塑性ポリウレタン積層布について、上述の各
試験を行った結果、剥離強度は確実に高くなるが、20
%には若干及ばないものもあり、それ故に、本発明の方
法は、1260デニ−ル以上の高デニ−ルの織布を使用
した場合に、剥離強度は特に顕著な効果がでることが判
明した。
【0014】
【発明の効果】本発明においては、合成繊維の織布に塗
布する接着剤として主成分である熱可塑性エラストマ−
を溶剤に溶かした反応型接着剤を用い、この接着剤に
は、化学反応で織布と結合する機能と接着剤層の上に圧
着される熱可塑性エラストマ−層と熱融着する機能を併
せもたせてある。接着剤に、斯様に両機能をもたせる場
合、いづれか一方の機能を優位にすると他方の機能は損
なわれ易い。即ち、織布と接着剤との高結合力を得るべ
く接着剤に高い機能をもたせると、接着剤と熱可塑性エ
ラストマ−層とが融着する機能が衰えるのが免れない。
一方、熱可塑性エラストマ−層と接着剤とが十分に熱融
着して一体となるべく接着剤に十分な機能を残しておく
と織布と接着剤とを結合する機能が損なわれる。斯様な
現象が生じるのを防止するため、本発明では接着剤の両
機能を均衡した中庸の段階のものにとどめて、前述した
第二次加工をするので、織布の引裂き強力を弱めること
なく均衡がとれ、且つ高い織布と接着剤との結合力及び
接着剤と熱可塑性ポリウレタンとの融着力が得られる。
【0015】また、織布の接着剤塗布面に、熱可塑性エ
ラストマ−を圧着させるときは、接着剤塗布面と押し出
しラミネ−ト機又はカレンダ−ロ−ル機から押し出され
た熱可塑性エラストマ−との両者の温度ができるだけ均
等であることが望ましく、そのため、接着剤を塗布した
織布を、熱可塑性エラストマ−を圧着させるに先立っ
て、別工程で予熱することが必要であるが、本発明で
は、織布を予熱処理しないでも、第二次加工を施すこと
により、予熱処理を施して得た第一次加工のみの積層布
よりも高い剥離強度をもつ積層布が得られる。
【0016】更に、織布に接着剤を塗布した後から熱可
塑性エラストマ−層を圧着させるまでの時間を十分に管
理し、且つ織布を予熱処理して、接着剤塗布面の温度を
圧着させる熱可塑性エラストマ−の温度と均等にし、更
に、押し出しラミネ−ト機又はカレンダ−ロ−ル機の許
容限度に近い高い押圧力をかけて作成した本発明に所謂
一次加工熱可塑性ポリウレタン積層布と、本発明の方法
で且つ押し出しラミネ−ト機及びカレンダ−ロ−ル機の
性能の使用許容限界内で十分余裕をもたせた押圧力で圧
着した積層布の両者を比較しても、本発明の方法で得ら
れる熱可塑性エラストマ−積層布は高い剥離強度を持
つ。従って、押し出しラミネ−ト機及びカレンダ−ロ−
ル機に過剰の負担を与えることがなくて済み、機械の稼
働年数を長く保つことができる等の効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイロンのような合成繊維の織布の一面
    又は両面に熱可塑性エラストマ−を溶剤で溶かした反応
    型接着剤を塗布乾燥し、前記接着剤を塗布した面に、シ
    −ト状に圧延した溶融状態の熱可塑性エラストマ−を圧
    着した後、1〜6kgf/cm2 の気体圧力で、前記熱
    可塑性エラストマ−の融点よりも10〜30℃低い温度
    で加熱処理することを特徴とする熱可塑性エラストマ−
    積層布の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマ−は熱可塑性ポ
    リウレタンであり、前記織布は1260デニ−ル以上の
    ナイロン織布である請求項1記載の熱可塑性エラストマ
    −積層布の製造方法。
JP10016454A 1998-01-13 1998-01-13 熱可塑性エラストマ−積層布の製造方法 Withdrawn JPH11198286A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101337448B1 (ko) * 2012-02-29 2013-12-05 황재우 열융착용 다층시트
JP2018167589A (ja) * 2017-02-06 2018-11-01 ダイヤテックス株式会社 積層体、積層体前駆体及び積層体の製造方法

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Effective date: 20050405