JPH11197703A - 帯状金属板の熱間または温間圧延方法及び熱間または温間圧延設備 - Google Patents

帯状金属板の熱間または温間圧延方法及び熱間または温間圧延設備

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JPH11197703A
JPH11197703A JP966198A JP966198A JPH11197703A JP H11197703 A JPH11197703 A JP H11197703A JP 966198 A JP966198 A JP 966198A JP 966198 A JP966198 A JP 966198A JP H11197703 A JPH11197703 A JP H11197703A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯状金属板の熱間または温間圧延において、均
一で微細な結晶組織を持ち、優れた表面性状と高い強度
と靭性を兼ね備えた帯状金属板を製造でき、さらに圧延
条件や材料組成の制約が少なく、広範囲な圧延条件及び
材料に適用可能にする。 【解決手段】熱間または温間圧延ライン中に、ワークロ
ールの軸心を圧延面に平行な面内において互いにクロス
する構成とした圧延機21,22を、圧延材料の進行方
向に対するワークロールのクロス方向が互いに反対とな
るように配置する。またこれら圧延機は、鋳造時の板厚
からの総圧下量が多くとも70%に到達する以前に、複数
方向の力の圧延を行い、少なくとも20%以上の圧下をす
るように配置し、更に帯状金属板の温度を少なくとも0.
8TS以下に制御し、θ′(圧延面に平行な面内において
金属板の進行方向とワークロールの軸心のなす角度)の
差を0.8゜以上6°以下に制御し、帯状金属板の圧延面に
かかる力の方向差を10゜以上45°以下に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一で微細な結晶
組織を持ち、優れた表面性状と高い強度と靭性を併せ持
つ帯状金属板を得るための熱間または温間圧延方法及び
熱間または温間圧延設備に関する。
【0002】
【従来の技術】スラブとして鋳造された後、圧延によっ
て生産される帯状金属板には様々な種類のものがある
が、優れた表面性状を持ち、高い強度と靭性を兼ね備え
た帯状金属板を得るためには、均一で微細な結晶構造と
することが有効である。しかしながら、金属あるいは合
金の種類や形状によっては、種々の制約によりそのよう
な結晶構造の帯状金属板を得ることが困難な場合も多
い。この代表的な材料としてフェライト系ステンレス鋼
が挙げられる。フェライト系ステンレス帯状鋼板の圧延
時には、リジング、ローピング、表面光沢の低下、低靭
性等が問題となるが、これらはすべて材料内結晶粒径の
不均一度の高さ、言うなれば粗大結晶粒の存在に起因し
ている。フェライト系ステンレス鋼はα相主体の組織で
あり、オーステナイトからの変態がほとんど生じないこ
と、動的回復が起こりやすいことなどから、熱間または
温間圧延後の再結晶が非常に遅く、充分な量の転位を結
晶粒内に蓄積しなければ再結晶による微細組織を得るこ
とは難しい。このことに加えて、圧延時に発達しやすい
集合組織が特に結晶粒内への転位の蓄積の弊害となるの
で、フェライト系ステンレス帯状鋼板の圧延時には、い
かにして集合組織の発達を回避するかが重要な課題とな
っている。
【0003】フェライト系ステンレス鋼のように冷却時
に変態を伴わない金属・合金でなくても、例えば双ロー
ルや双ベルト連続鋳造機等を用い、鋳造時の板厚が薄い
場合には、最終形状までの圧下量を大きく取れないため
に、充分な量の転位を結晶粒内に蓄積することが困難で
ある。さらに、鋳造時の板厚が薄い場合には、等軸晶に
比べて柱状晶の比率が非常に高く、帯状金属板の上面か
ら下面までが同一の柱状晶で構成されることも多いの
で、集合組織が非常に発達しやすく、上述と同様な問題
が生じる可能性が高い。
【0004】このような問題を回避して、優れた表面性
状を持ち、高い強度と靭性を兼ね備えた帯状金属板を製
造しようとする試みは、特にフェライト系ステンレス鋼
に対して、これまでにも種々行われてきている。
【0005】例えば特開平8-311557号公報には、熱間圧
延条件と圧延後の焼鈍条件を詳細に設定することによ
り、フェライト系ステンレス鋼の耐リジング性を高める
方法が開示されている。
【0006】また特開平6-81036号公報には、熱間加工
温度域でフェライト+オーステナイトの2相組織になる
ようにフェライト系ステンレス鋼の化学成分を調整し、
圧延温度と速度を詳細に制御してフェライト相を微細化
する方法が開示されている。
【0007】特開平8-283845号公報には、同期式鋳型に
よって鋳造された板厚10mm以下のフェライト系ステンレ
ス鋼板を、圧延条件、コイル焼鈍条件の制御と異周速圧
延を組み合わせることにより、靭性の優れたフェライト
系ステンレス鋼を製造する方法が開示されている。
【0008】また特開平5-337507号公報には、冷間タン
デム圧延機の最終スタンドをクロス圧延機とすること
で、また特開平5-245503号公報には最終の複数スタンド
をクロス圧延機としかつ各スタンドのワークロールのク
ロス方向を交互に逆にすることで、表面光沢の優れた鋼
板を製造する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術は、いずれも詳細な条件設定が必要であるか、適用範
囲がごく限定されているかのいずれかである点が問題と
なっている。
【0010】例えば特開平8-311557号公報による方法に
よれば、鋼板の加熱温度、熱間圧延圧下率、保持時間、
保持温度、冷却速度、巻き取り温度、焼鈍時の昇温速
度、再加熱温度等を全て詳細に制御しなければならな
い。
【0011】特開平6-81036号公報による方法によれ
ば、圧延条件の制約こそさほど多くはないが、組織制御
のために化学成分を調整するため、適用できるのは限ら
れた化学成分を持つステンレス鋼のみである。
【0012】特開平8-283845号公報による方法では、異
周速圧延の適用により圧延条件の制約もそれほど多くな
く、圧延材料の上下面で圧延材料の進行方向に剪断変形
を加えるので、比較的大きな歪みを圧延材料に加えるこ
とができる。しかしながら、異周速圧延を行う場合、上
下どちらかの駆動力が異周速圧延を行わない場合に比べ
て非常に大きくなるため、駆動系のスピンドル等の強度
上の問題が生じる。さらに、鋳造板厚が10mmを超えると
異周速圧延を行っても凝固組織が粗大になり、熱延焼鈍
後に微細な再結晶組織を得ることができなくなるとあ
る。加えて、この方法による変形は圧延材料の進行方向
の1方向のみであるという点が大きな問題である。
【0013】ISIJ International Vol.34 (1994),No.12
pp.1008によれば、フェライト系ステンレス鋼板の集合
組織でもある、圧延面に平行な面が{001}、圧延材料の
進行方向が<110>となる結晶粒は、90%の圧下を行っても
充分な量の転位が結晶粒内に蓄積されず、その後の焼鈍
で再結晶させても粗大結晶粒を生じるとある。フェライ
ト系ステンレス帯状鋼板の柱状晶は、圧延面に平行な面
が{001}、圧延材料の進行方向が<uv0>となるが、鋳造時
に柱状晶の結晶方位を制御することは極めて困難である
ので、圧延材料の進行方向が<110>方向と一致する結晶
粒の粒内に、いかにして充分な転位を蓄積し、その後の
再結晶により微細組織を得るかということが重要であ
る。しかしながら、この方法による1方向のみの変形で
は、上記の問題を解決することは不可能である。
【0014】特開平5-337507号公報や特開平5-245503号
公報による方法によれば、冷間タンデム圧延機の最終ス
タンドへのクロス圧延機の適用により、圧延材料の板幅
方向に剪断力が作用するため、ワークロールの研磨疵等
に起因する圧延材料の表面性状の低下を抑制することが
できる。しかし、この方法は冷間圧延における圧延材料
の表面光沢の向上のためのものであり、熱間または温間
圧延において圧延材料の内部組織を均一で微細な結晶構
造に制御し、高い強度と靭性を兼ね備えた圧延材料を生
成し得るものではない。
【0015】これまで述べてきたように、優れた表面性
状を持ち、高い強度と靭性を兼ね備えた帯状金属板を得
るためには、均一で微細な結晶構造とすることが有効で
ある。そしてこのためには、集合組織の発達を回避しつ
つ、全ての結晶粒内に、再結晶時に微細な結晶粒を得る
のに充分な量の転位を蓄積することが最も重要である。
ISIJ International Vol.32 (1992),No.12 pp.1319によ
れば、19%のCrを含有するフェライト系ステンレス鋼板
では、鋳造時の板厚から約70%の圧下を行うと、フェラ
イト系ステンレス鋼板表面の柱状晶が、圧延面に平行な
面を{001}、圧延材料の進行方向を<110>とする集合組織
を形成するとある。一度集合組織が形成されてしまう
と、その結晶粒の変形抵抗は大きいために、そこから充
分な量の転位を蓄積することは困難である。従って、鋳
造時の板厚からの総圧下量が約70%に到達する前に、集
合組織の形成を回避する必要がある。
【0016】本発明の目的は、上記課題に鑑み、帯状金
属板の熱間または温間圧延において、均一で微細な結晶
組織を持ち、優れた表面性状と高い強度と靭性を兼ね備
えた帯状金属板を製造でき、さらに圧延条件や材料組成
の制約が少なく、広範囲な圧延条件及び材料に適用可能
な熱間または温間圧延方法及び熱間または温間圧延設備
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明の熱間または温間圧延方法では、帯状
金属板を熱間または温間圧延する際に、該金属板に発達
した集合組織が形成される以前に、圧延面に平行な面内
において金属板の進行方向とワークロールの軸心のなす
角度θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行う。
【0018】(2)また、上記目的を達成するために、
本発明の熱間または温間圧延方法では、帯状金属板を熱
間または温間圧延する際に、鋳造時の板厚からの総圧下
量が多くとも70%に到達する以前に、圧延面に平行な面
内において金属板の進行方向とワークロールの軸心のな
す角度θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行う。
【0019】(3)更に、上記目的を達成するために、
本発明の熱間または温間圧延方法では、帯状金属板を熱
間または温間圧延する際に、粗圧延行程において、鋳造
時の板厚からの総圧下量が多くとも70%に到達する以前
に圧延面に平行な面内において金属板の進行方向とワー
クロールの軸心のなす角度θ′が異なる少なくとも2回
の圧延を行う。
【0020】(4)ここで、好ましくは、立方晶系の結
晶構造を持つ金属・合金からなる帯状金属板を圧延する
際に、上記(1)〜(3)の方法を用いる。
【0021】(5)また、好ましくは、鋳造後の冷却過
程において、結晶構造に変化の生じない金属・合金から
なる帯状金属板を圧延する際に、上記(1)〜(3)の
方法を用いる。
【0022】(6)更に、好ましくは、フェライト系ス
テンレス帯状鋼板を圧延する際に、上記(1)〜(3)
の方法を用いる。
【0023】(7)また、上記(1)〜(6)におい
て、好ましくは、圧延時の帯状金属板の温度を少なくと
も0.8TS(TS:固相線温度[K])以下に制御する。
【0024】(8)更に、上記(1)〜(6)におい
て、好ましくは、上記2回の圧延での角度θ′の差を0.
8゜以上6°以下に制御する。
【0025】(9)また、上記(1)〜(6)におい
て、好ましくは、上記2回の圧延での帯状金属板の圧延
面にかかる力の方向差を10゜以上45°以下に制御する。
【0026】(10)また、上記(1)〜(6)におい
て、好ましくは、上記2回の圧延により帯状金属板を少
なくとも20%圧下する。
【0027】(11)また、上記目的を達成するため
に、本発明の帯状金属板の熱間または温間圧延設備で
は、帯状金属板を熱間または温間圧延する圧延ライン
に、該金属板に発達した集合組織が形成される以前に金
属板が通過するよう、圧延面に平行な面内において金属
板の進行方向とワークロールの軸心のなす角度θ′が異
なる少なくとも2回の圧延を行える圧延装置を配置す
る。
【0028】(12)更に、上記目的を達成するため
に、本発明の帯状金属板の熱間または温間圧延設備で
は、帯状金属板を熱間または温間圧延する圧延ライン
に、鋳造時の板厚からの総圧下量が多くとも70%に到達
する以前に金属板が通過するよう、圧延面に平行な面内
において金属板の進行方向とワークロールの軸心のなす
角度θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行える圧延装
置を配置する。
【0029】(13)また、上記目的を達成するため
に、本発明の帯状金属板の熱間または温間圧延設備で
は、帯状金属板を熱間または温間圧延する圧延ラインの
粗圧延機列に、鋳造時の板厚からの総圧下量が多くとも
70%に到達する以前に金属板が通過するよう、圧延面に
平行な面内において金属板の進行方向とワークロールの
軸心のなす角度θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行
える圧延装置を配置する。
【0030】(14)ここで、上記(11)〜(13)
において、好ましくは、前記圧延装置は、圧延材料の進
行方向に対するワークロールのクロス方向が互いに反対
である少なくとも2台の圧延機を含む複数台の圧延機を
備える。
【0031】(15)上記(14)において、好ましく
は、前記2台の圧延機が、圧延機列の中で連続して配置
されている。
【0032】(16)上記(15)において、好ましく
は、前記2台の圧延機が、上記角度θ′の差が0.8゜以
上6°以下になるように配置されている。
【0033】(17)また、上記(14)において、好
ましくは、前記複数台の圧延機が、隣合う圧延機間のそ
れぞれで上記角度θ′が最も大きくなるように配置され
ている。
【0034】(18)また、上記(11)〜(13)に
おいて、前記圧延装置は、ワークロールがクロスした少
なくとも1台のリバース型圧延機を含むものであっても
よい。
【0035】(19)上記(18)において、好ましく
は、上記2回の圧延での角度θ′の差が0.8゜以上6°以
下になるように前記リバース型圧延機のワークロールの
クロス角度を設定する。
【0036】(20)更に、上記(11)〜(13)に
おいて、前記圧延装置は、圧延材料の進行方向に対する
ワークロールのクロス方向が互いに反対である少なくと
も2台のリバース型圧延機を含む複数台のリバース型圧
延機を備えるものであってもよい。
【0037】(21)上記(20)において、好ましく
は、前記2台のリバース型圧延機が、圧延機列の中で連
続して配置されている。
【0038】(22)上記(21)において、好ましく
は、前記2台のリバース型圧延機が、上記角度θ′の差
が0.8゜以上6°以下になるように配置されている。
【0039】(23)また、上記(20)において、好
ましくは、前記複数台のリバース型圧延機が、隣合う圧
延機間のそれぞれで上記角度θ′が最も大きくなるよう
に配置されている。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる熱間または
温間圧延方法及び圧延設備の好適な実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。ただし本発明は、この実施例に限
定されるものではない。
【0041】[実施例1]図1は実施例1の熱間または温
間圧延設備における本発明を利用した熱間または温間粗
圧延機列の側面方向の概略図であり、図2はその熱間ま
たは温間粗圧延機列を上から見た図である。ただし、図
が煩雑になるのを避けるため図2にはバックアップロー
ルは図示していない。図3は熱間または温間圧延設備の
圧延ライン中におけるその配置位置を示す図である。
【0042】図1において、上下一対のワークロール
1,2と上下一対のバックアップロール3,4からなる
圧延機21,22が圧延ライン方向に2台並べて設置さ
れており、これらの圧延機21,22はワークロールの
軸心を圧延面に平行な面内において互いにクロスする構
成となっている。また、2台の圧延機20,21は図2
に示すように圧延材料の進行方向に対するワークロール
のクロス方向が互いに反対である。粗圧延機列の前段部
分の構成は特に問わないので、図1においては1台のみ
で残りは省略している。5は圧下を行う前の帯状金属板
である。粗圧延機列の前段部分は、タンデム圧延機列で
あってもかまわないし、リバース型の圧延機が配置され
ていてもかまわない。もちろん本実施例と同様の構成が
粗圧延機列の前段部分からずっと続いていてもかまわな
い。また、ワークロールクロスの有無も問わない。6は
帯状金属板であり、各圧延機を通して矢印方向へと送ら
れる。
【0043】本実施例では、2台の圧延機20,21は
粗圧延機列(粗圧延行程)の最終段に設置されており、
圧延機20,21により圧延された帯状金属板6は仕上
圧延機列(仕上げ圧延行程)へと送られる。
【0044】前述したように、ISIJ International Vo
l.32 (1992),No.12 pp.1319によれば、19%のCrを含有す
るフェライト系ステンレス鋼板では、鋳造時の板厚から
約70%の圧下を行うと、フェライト系ステンレス鋼板
表面の柱状晶が、圧延面に平行な面を{001}、圧延
材料の進行方向を<110>とする集合組織を形成するとあ
る。一度集合組織が形成されてしまうと、その結晶粒の
変形抵抗は大きいために、そこから充分な量の転位を蓄
積することは困難である。従って、鋳造時の板厚からの
総圧下量が約70%に到達する前に、集合組織の形成を回
避する必要がある。従って、本発明で重要なことは、帯
状金属板6の総圧下量が多くとも70%に到達する以前に
圧延機20,21を通過するということである。
【0045】一般に熱間または温間圧延の場合、粗圧延
行程では70〜80%位まで圧下されることから、粗圧延機
列の最終段2段に圧延機20,21を配置すれば、帯状
金属板6は総圧下量が約70%に到達する以前に圧延機2
0,21を通過することになる。
【0046】なお、帯状金属板6は総圧下量が約70%に
到達する以前に圧延機20,21を通過すればよいので
あるから、粗圧延機20,21は粗圧延機列の最終段よ
りも前段部分に配置してもよい。また、薄板スラブの圧
延設備では板材の総圧下量が約70%に到達するのが仕上
圧延機列の前段になる場合もある。このような圧延設備
では、圧延機20,21を仕上圧延機列の前段に配置し
ても良いことは勿論である。
【0047】図4はワークロールのクロス角度に対する
θ′の関係を示したものである。ここで、θ′は圧延面
に平行な面内において金属板6の進行方向とワークロー
ルの軸心のなす角度である。図4(b)のようにワークロ
ールのクロスが行われなければ、θ′は90°であるが、
ワークロール1に着目すると、ワークロールのクロスが
行われた場合、θ′は(a)の場合90°よりも小さくな
り、(c)の場合90°よりも大きくなる。
【0048】これまで述べてきたように、均一で微細な
結晶構造を得るためには、集合組織の発達を回避しつ
つ、全ての結晶粒内に、再結晶時に微細な結晶粒を得る
のに充分な量の転位を蓄積することが必要である。この
ためには、複数方向に力が働く圧延を行うことが極めて
有効である。帯状金属板をある方向に対して圧延する
と、圧延時の力の方向が集合組織の方向と一致(例えば
フェライト系ステンレス帯状鋼板であれば圧延時の力の
方向が{001},<110>と一致する結晶粒)あるいはこれに
近い結晶粒内には、圧延により充分な量の転位が蓄積さ
れず、集合組織を形成しようとする。しかし一方で、圧
延時の力の方向が集合組織の方向と離れている結晶粒内
には、この圧延により多量の転位が蓄積される。次に力
の方向の異なる圧延を行うと、先の圧延で圧延時の力の
方向が集合組織の方向と一致していた結晶粒内にも、今
度は圧延時の力の方向が異なるため多量の転位が蓄積さ
れる。このようにして、複数の方向に力が働く圧延を行
うことにより、全ての結晶粒内に充分な量の転位を蓄積
することが可能となり、その後の再結晶によって均一で
微細な結晶構造を得ることができる。
【0049】再結晶によって均一で微細な結晶構造を得
るのに充分な量の転位を蓄積するために、どの程度の圧
下を加えればよいかということは、金属・合金の種類
や、添加元素、初期結晶粒径、圧延条件の影響もあるた
めに、一概に言うことはできないが、一般的には圧下量
で約20%は最低限必要であると言われている。また、圧
延方向が集合組織の方向からどの程度離れれば集合組織
が発達せず、結晶粒内に充分な量の転位が蓄積されるか
ということについても、同様に様々な因子の影響がある
ために一概に言うことはできないが、だいたい10°程度
離れればよいと言われている。立方晶系の金属・合金の
場合は、結晶構造の対称性から、最大方向差を与える角
度は45°であり、45°を越えると角度差の効果は逆に減
少していく。
【0050】発明者は、ワークロールをクロスすること
により圧延材料が幅方向に剪断変形することを確認し、
これを帯状金属板の圧延方法へ応用することを考え出し
た。ワークロールをクロスして圧延を行う際に、ワーク
ロールに表面疵があると圧延板にこの表面疵が転写され
ることがある(以降これをシュリンプマークと称す)。
図5はシュリンプマークを模式的に示したものである
が、図中のシュリンプマーク角度αに対して、圧延面上
に作用する力の方向はα/2と考えることができる。シ
ュリンプマーク角度αはワークロールクロス角度θの増
加に伴い大きくなる。なお、圧延面上に作用する力は、
剪断力、引張力、圧縮力等が考えられるが、本発明はこ
の力の種類で限定されるものでは無い。
【0051】図6は、ワークロール半径500mm、ワーク
ロール周速240m/min、摩擦係数0.35、板厚80mm→56mm
(圧下率30%)という圧延条件において、ワークロール
クロス角度θを変化させた場合のシュリンプマーク角度
α/2の値をシミュレーションにより求めた結果であ
る。結晶構造の対称性から、最大方向差を与える角度は
45゜であるので、方向差が45゜を超えると、その効果は
次第に薄れていく。従って、ある方向のワークロールク
ロスによってシュリンプマーク角度α/2の値が22.5゜
となれば、これと反対の方向のワークロールクロスを行
うことによって角度差の効果が最大となる45゜の方向差
が実現されることになる。
【0052】圧延条件によって図6の曲線は多少変化す
るが、様々な条件下でシミュレーションを行ったとこ
ろ、ワークロールクロス角度θが3゜程度でシュリンプ
マーク角度α/2の値は22.5゜となることが明らかにな
った。ワークロールのクロス方向が互いに反対で、ワー
クロールクロス角度θが3゜である2台の圧延機(図4
の(a)と(c)の組み合わせに相当)を組み合わせた
場合、圧延面に平行な面内において圧延材料の進行方向
とワークロールの軸心のなす角度θ′の差は6゜とな
る。従って、θ′の差は6゜以下とするのが好ましい。
このとき、ワークロールクロスを行わない圧延機と、6
゜のワークロールクロスを行う圧延機(図4の(b)と
(a)あるいは(c)の組み合わせに相当)を組み合わ
せてもよいが、ワークロールクロス角度θの絶対値が増
大すると、スラスト力も増大するため、圧延そのものの
安定性は損なわれていく。つまりスラスト力を低く抑え
るという観点からは、ワークロールクロス角度θの絶対
値は小さい方が好都合であるので、本実施例のように、
ワークロールのクロス方向が互いに反対である2台の圧
延機を組み合わせて、それぞれ±3゜のワークロールク
ロスを行った方が、θ′の差は同じ6゜でも、圧延機の
スラスト力の低減に関しては有利となる。従って、ワー
クロールのクロス方向が互いに反対である2台の圧延機
を組み合わせて配置することが好ましい。
【0053】前述したように、全ての結晶粒内に充分な
量の転位を蓄積するためには、圧延面上に作用する力の
方向差を10゜程度は確保する必要がある。そして、ある
方向のワークロールクロスによってシュリンプマーク角
度α/2の値が5゜となれば、これと反対の方向のワー
クロールクロスを行うことによって10゜の方向差が実現
されることになる。
【0054】同様に様々な条件下でシミュレーションを
行ったところ、図6からもわかるように、ワークロール
クロス角度θが0.4゜程度でシュリンプマーク角度α/
2の値は5゜となることが明らかになった。ワークロー
ルのクロス方向が互いに反対で、ワークロールクロス角
度θが0.4゜である2台の圧延機(図4の(a)と
(c)の組み合わせに相当)を組み合わせた場合、圧延
面に平行な面内において圧延材料の進行方向とワークロ
ールの軸心のなす角度θ′の差は0.8゜となるので、
θ′の差は0.8゜以上とするのが好ましい。またこの場
合においても、ワークロールクロスを行わない圧延機
と、0.8゜のワークロールクロスを行う圧延機(図4の
(b)と(a)あるいは(c)の組み合わせに相当)を
組み合わせるよりは、ワークロールのクロス方向が互い
に反対である2台の圧延機を組み合わせて、それぞれ±
0.4゜のワークロールクロスを行った方が、圧延機のス
ラスト力低減の観点から、より好ましい配置となる。
【0055】図1及び図2の本実施例の1台目の圧延機
20は図4(a)のようにワークロールのクロスを行って
おり、2台目の圧延機21は図4(c)のようにワークロ
ールのクロスを行っている。本実施例においてはθ′の
それぞれの値は87°と93°である。一度集合組織が形成
されてしまうと、その結晶粒の変形抵抗は大きいため
に、そこから充分な量の転位を蓄積することは困難にな
る。同一方向の圧延を連続して行うと、その方向が集合
組織の方向と一致している結晶粒において集合組織が発
達していくため、力の方向はできるだけ頻繁に変化させ
た方がよい。また、このとき圧延面にかかる力の方向差
は、少なくとも10゜程度は確保し、かつ45°を超えない
範囲でできるだけ大きくした方がよい。従って、本実施
例のように、ワークロールのクロス方向が互いに反対で
ある2台の圧延機20,21は、圧延機列の中で連続し
て配置されていることが好ましく、また実施例2で説明
するように、複数台の圧延機を圧延機列中に配置する際
は、隣り合う圧延機間のそれぞれでθ′の差が6°を超
えない範囲でなるべく大きくなるように圧延機を配置す
ることが好ましい。
【0056】前述したように、本実施例では圧延機2
0,21を熱間または温間粗圧延機列の最終段に配置し
ており、これにより帯状金属板6は鋳造時の板厚からの
総圧下量が多くとも70%に到達する以前、すなわち集合
組織が形成される前に帯状金属板6は複数方向の力の圧
延を受ける。また、この圧延では、再結晶微細化に必要
であると言われている少なくとも20%の圧下を受ける。
更に、このとき帯状金属板の温度は少なくとも0.8TS以
下に制御されることが好ましい。これは、圧延時の帯状
金属板の温度が高すぎると、動的回復が進行するため、
結晶粒内に充分な量の転位を蓄積することができないた
めである。例えばフェライト系ステンレス帯状鋼板の場
合は、950〜1100℃に圧延温度を設定するのが好まし
い。
【0057】本実施例では帯状金属板6は、本発明の最
初の圧延機20を通過する際に、図5に示すような方向
の力を受けて圧下される。ワークロールのクロスによ
り、板幅方向の剪断力が生じるため、圧延面にかかる力
の方向は圧延方向よりも左に傾く。このとき、力の方向
が集合組織の方向と一致もしくはこれに近い結晶粒内に
は、圧延により充分な量の転位は蓄積されず、集合組織
を形成しようとする。しかし一方で、力の方向が集合組
織の方向と離れている結晶粒内には、この圧延により多
量の転位が蓄積される。次に2台目の圧延機21を通過
する際には、ワークロールのクロス方向が1台目の圧延
機とはちょうど反対であるため、帯状金属板6は図5と
はちょうど反対の、圧延方向よりも右に傾いた方向の力
を受けて圧下される。このとき、最初の圧延機による圧
延時に、圧延面にかかる力の方向が集合組織の方向と一
致しており、粒内に充分な転位が導入されなかった結晶
粒についても、2台目の圧延機21の圧延面にかかる力
の方向は最初の圧延機20とは異なるために、この圧延
により多量の転位が蓄積される。これら2台の圧延機2
0,21による圧下量は、転位の蓄積に充分な、少なく
とも20%以上の値となっている。従って本実施例の圧延
機列を通過後の帯状金属板6は、全ての結晶粒内に再結
晶微細化に充分な量の転位が蓄積されており、その後の
再結晶により、均一で微細な結晶構造を得ることができ
る。そしてその結果、優れた表面性状と高い強度と靭性
を兼ね備えた帯状金属板を製造することができる。
【0058】本実施例では、ワークロールのクロス方向
が互いに反対である、隣接した2台の圧延機20,21
を設置することにより、帯状金属板6にかかる力の方向
を大きく変化させている。このため大量の転位を結晶粒
内に蓄積するための圧延温度、圧延速度、圧下量、昇温
速度や降温速度等の圧延条件の細かい設定が不要であ
り、また帯状金属板への添加元素の制限や組織制御の必
要性もほとんどない。従って広範囲な圧延条件及び材料
に対して適用可能であり、またその制御も従来の方法に
比べて極めて容易である。
【0059】[実施例2]図7は実施例1と同様な、本発
明を利用した熱間または温間粗圧延機列の側面方向の概
略図であるが、圧延機の数を2台よりも増やした例であ
る。
【0060】図7において、上下一対のワークロール
1,2と上下一対のバックアップロール3,4からなる
圧延機20,21,22,23が圧延ライン方向に4台
並べて設置されており、これらの圧延機はワークロール
の軸心を圧延面に平行な面内において互いにクロスする
構成となっている。また、圧延機20と圧延機22及び
圧延機21と圧延機23は、それぞれ、圧延材料の進行
方向に対するワークロールのクロス方向が同じであり、
圧延機20,22と圧延機21,23は圧延材料の進行
方向に対するワークロールのクロス方向が互いに反対で
ある。
【0061】つまり、圧延材料の進行方向に対するワー
クロールのクロス方向が互いに反対である圧延機20と
圧延機21、圧延機21と圧延機22、圧延機22と圧
延機23は、それぞれ、圧延機列の中で連続して配置さ
れている。また、圧延機20,21,22,23は隣合
う圧延機間のそれぞれで上記の角度θ′が最も大きくな
るように配置されている。
【0062】本実施例では、圧延機20と圧延機21、
圧延機21と圧延機22、圧延機22と圧延機23のそ
れぞれで、帯状金属板6に異なる2つの方向の力の圧延
を行うことができるので、実施例1の場合よりも一層効
果的に、全ての結晶粒内に再結晶微細化に充分な量の転
位を蓄積することができ、その結果優れた表面性状と高
い強度と靭性を兼ね備えた帯状金属板を製造することが
できる。
【0063】本実施例においても、鋳造時の板厚からの
総圧下量が多くとも70%に到達する以前に、複数方向の
力の圧延を行い、少なくとも20%以上の圧下をするこ
と、帯状金属板の温度を少なくとも0.8TS以下に制御す
ること、θ′の差を0.8゜以上6°以下に制御すること
(つまり、この場合ワークロールクロス角度を±0.4゜
以上±3°以下に制御すること)、及び帯状金属板の圧
延面にかかる力の方向差を10゜以上45°以下に制御する
ことが肝要であり、これらの条件を満たすことによっ
て、本発明の効果を十分に発揮することができる。
【0064】[実施例3]図8は本発明を利用したリバー
ス型の熱間または温間粗圧延機の側面方向の概略図であ
る。
【0065】図8において、上下一対のワークロール
1,2と上下一対のバックアップロール3,4からなる
圧延機24が圧延ライン中に1台設置され、この圧延機
24はワークロールの軸心を圧延面に平行な面内におい
て互いにクロスする構成となっている。本実施例におい
ても、圧延機24は粗圧延機列の最終段に配置されてい
る。また、粗圧延機列の前段部分の構成は特に問わない
ので、図8においては1台のみで残りは省略している。
実施例1と同様に、粗圧延機列の前段部分はどのような
構成であってもかまわない。5は圧下を行う前の帯状金
属板である。6は帯状金属板であり、この圧延機24を
往復することによって圧下を受けていく。
【0066】本実施例では、図8において帯状金属板6
が左方より右方へ進行する際は、図5に示すように圧延
面にかかる力の方向は圧延方向よりも左に傾いているの
に対し、帯状金属板6が右方より左方へ進行する際は、
圧延面にかかる力の方向は図5とはちょうど反対の、圧
延方向よりも右に傾いた方向となる。つまり、この圧延
機24で2パス以上の圧延を行うことによって、帯状金
属板6に異なる2つの方向の力の圧延を行うことが可能
であり、本発明の効果を得ることができるので、全ての
結晶粒内に再結晶微細化に充分な量の転位を蓄積するこ
とができ、その結果優れた表面性状と高い強度と靭性を
兼ね備えた帯状金属板を製造することができる。
【0067】上述したように、リバース型の圧延機24
を用いて2パス以上の圧延を行う場合は、ワークロール
クロスを行うことによって1台の圧延機で異なる2つの
方向の力の圧延を行うことが可能である。しかしながら
この場合においても、鋳造時の板厚からの総圧下量が多
くとも70%に到達する以前に、複数方向の力の圧延を行
い、少なくとも20%以上の圧下をすること、帯状金属板
の温度を少なくとも0.8TS以下に制御すること、θ′の
差を0.8゜以上6°以下に制御すること(つまり、この場
合ワークロールクロス角度を±0.4゜以上±3°以下に制
御すること)、及び帯状金属板の圧延面にかかる力の方
向差を10゜以上45°以下に制御することが肝要であり、
これらの条件を満たすことによって、本発明の効果を十
分に発揮することができる。
【0068】[実施例4]図9は実施例3と同様な、本発
明を利用したリバース型の熱間または温間粗圧延機の側
面方向の概略図であるが、圧延機の数を2台以上にした
例である。
【0069】図9において、上下一対のワークロール
1,2と上下一対のバックアップロール3,4からなる
圧延機24,25,26が圧延ライン中に3台並べて設
置されており、これらの圧延機はワークロールの軸心を
圧延面に平行な面内において互いにクロスする構成とな
っている。また、圧延機24と圧延機26は、圧延材料
の進行方向に対するワークロールのクロス方向が同じで
あり、圧延機24,26と圧延機25は圧延材料の進行
方向に対するワークロールのクロス方向が互いに反対で
ある。
【0070】つまり、圧延材料の進行方向に対するワー
クロールのクロス方向が互いに反対である圧延機24と
圧延機25、圧延機25と圧延機26は、それぞれ、圧
延機列の中で連続して配置されている。また、圧延機2
4,25,26は隣合う圧延機間のそれぞれで上記の角
度θ′が最も大きくなるように配置されている。
【0071】本実施例では、実施例3と同様、帯状金属
板6の進行方向を変えることによって帯状金属板6に異
なる2つの方向の力の圧延を行うことが可能であり、更
に、図9において帯状金属板6が左方より右方へ進行す
る際には、圧延機24と圧延機25、圧延機25と圧延
機26のそれぞれで、帯状金属板6に異なる2つの方向
の力の圧延を行うことができ、帯状金属板6が右方より
左方へ進行する際にも、圧延機26と圧延機25、圧延
機25と圧延機24のそれぞれで、帯状金属板6に異な
る2つの方向の力の圧延を行うことができ、実施例3の
場合よりも一層効果的に、全ての結晶粒内に再結晶微細
化に充分な量の転位を蓄積することができ、その結果優
れた表面性状と高い強度と靭性を兼ね備えた帯状金属板
を製造することができる。
【0072】本実施例においても、鋳造時の板厚からの
総圧下量が多くとも70%に到達する以前に、複数方向の
力の圧延を行い、少なくとも20%以上の圧下をするこ
と、帯状金属板の温度を少なくとも0.8TS以下に制御す
ること、θ′の差を0.8゜以上6°以下に制御すること、
及び帯状金属板の圧延面にかかる力の方向差を10゜以上
45°以下に制御することが肝要であり、これらの条件を
満たすことによって、本発明の効果を十分に発揮するこ
とができる。
【0073】[実施例5]図10は本発明を利用した熱間
または温間ステッケル圧延機の側面方向の概略図であ
る。
【0074】図10において、2つの保熱コイラ7及び
8の間に、上下一対のワークロール1,2と上下一対の
バックアップロール3,4からなる圧延機27が1台設
置され、この圧延機27はワークロールの軸心を圧延面
に平行な面内において互いにクロスする構成となってい
る。6は帯状金属板であり、保熱コイラ7内のコイル9
から圧延機27を経て保熱コイラ8内のドラム10に巻
き取られ、その後再び圧延機27を経て保熱コイラ7に
戻る。この過程を繰り返すことにより帯状金属板6は圧
下されていく。実施例3と同様に、ワークロールクロス
を行うことによって異なる2つの方向の力の圧延が行わ
れるため、全ての結晶粒内に再結晶微細化に充分な量の
転位を蓄積することができ、その結果優れた表面性状と
高い強度と靭性を兼ね備えた帯状金属板を製造すること
ができる。
【0075】本実施例においても、鋳造時の板厚からの
総圧下量が多くとも70%に到達する以前に、複数方向の
力の圧延を行い、少なくとも20%以上の圧下をするこ
と、帯状金属板の温度を少なくとも0.8TS以下に制御す
ること、θ′の差を0.8゜以上6°以下に制御すること、
及び帯状金属板の圧延面にかかる力の方向差を10゜以上
45°以下に制御することが肝要であり、これらの条件を
満たすことによって、本発明の効果を十分に発揮するこ
とができる。
【0076】[実施例6]図11は本発明を利用したスト
リップ連続鋳造機直結型の圧延機の側面方向の概略図で
ある。
【0077】図11において、上下一対のワークロール
1,2と上下一対のバックアップロール3,4、及び上
下一対の中間ロール11,12からなる6段圧延機2
8,29を圧延ライン方向に2台並べて設置している。
これら2台の圧延機28,29はワークロールの軸心を
圧延面に平行な面内において互いにクロスする構成とな
っており、図11の1台目の圧延機28は図4(a)のよ
うにワークロールのクロスを行っており、2台目の圧延
機29は図4(c)のようにワークロールのクロスを行っ
ている。本実施例においてはθ′はそれぞれ88°と92°
である。また、圧延ラインは双ロール式ストリップ連続
鋳造機13と直結している。5は圧下を行う前の帯状金
属板であり、ストリップ連続鋳造機13で鋳造された
後、各圧延機28,29を経て帯状金属板6となり、コ
イル9として巻き取られる。
【0078】本実施例ではストリップ連続鋳造機13を
用いているために、鋳造時の板厚が薄く、帯状金属板5
は最終形状までの圧下量を大きく取れないために、充分
な量の転位を結晶粒内に蓄積することが困難である。こ
のことに加えて、鋳造時の板厚が薄いために、圧下を行
う前の帯状金属板5は等軸晶に比べて柱状晶の比率が非
常に高く、帯状金属板の上面から下面までが同一の柱状
晶で構成されることも多くなり、集合組織が非常に発達
しやすい鋳造材となる。しかしながら、本実施例の圧延
機列を用いると、帯状金属板6にかかる力の方向を常に
大きく変化させることができるため、鋳造組織を効率的
に破壊し、全ての結晶粒内に再結晶微細化に充分な量の
転位を蓄積することができ、その結果優れた表面性状と
高い強度と靭性を兼ね備えた帯状金属板を製造すること
ができる。
【0079】また本実施例においても、圧延機列全体と
して少なくとも20%以上の圧下を行うこと、帯状金属板
の温度を少なくとも0.8TS以下に制御すること、θ′の
差を0.8゜以上6°以下に制御すること、及び帯状金属板
の圧延面にかかる力の方向差を10゜以上45°以下に制御
することが肝要であり、これらの条件を満たすことによ
って、本発明の効果を十分に発揮することができる。
【0080】[実施例7]図12は実施例1とほぼ同様
な、本発明を利用した熱間または温間粗圧延機列の側面
方向の概略図であるが、上下一対のワークロール1,2
と上下一対のバックアップロール3,4を一緒にクロス
させる圧延機30,31を用いている。
【0081】本実施例によっても、実施例1と同じ条件
を満たすことによって、本発明の効果を十分に発揮する
ことができる。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係わる熱間
または温間圧延方法及び熱間または温間圧延設備によれ
ば、帯状金属板の圧延において、均一で微細な結晶組織
を持ち、優れた表面性状と高い強度と靭性を兼ね備えた
帯状金属板を製造でき、さらに圧延条件や材料組成の制
約が少なく、広範囲な圧延条件及び材料に適用が可能で
あるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の熱間または温間圧延設備に
おける要部をなす熱間または温間粗圧延機列の側面方向
の概略図である。
【図2】図1に示した熱間または温間粗圧延機列を上か
ら見た図である。
【図3】図1に示した熱間または温間粗圧延機列の熱間
または温間圧延設備の圧延ライン中における配置位置を
示す図である。
【図4】ワークロールクロス角度に対する、圧延面に平
行な面内における圧延材料の進行方向とワークロールの
軸心のなす角度の関係を示す図である。
【図5】シュリンプマークと、本発明の実施例1の熱間
または温間粗圧延機列の1台目の圧延機を通過する際に
圧延面にかかる力の方向を示す概念図である。
【図6】ワークロールクロス角度に対するシュリンプマ
ーク角度の関係を示す図である。
【図7】本発明の実施例2の熱間または温間圧延設備に
おける要部をなす熱間または温間粗圧延機列の側面方向
の概略図である。
【図8】本発明の実施例3の熱間または温間圧延設備に
おける要部をなすリバース型の熱間または温間粗圧延機
の側面方向の概略図である。
【図9】本発明の実施例4の熱間または温間圧延設備に
おける要部をなすリバース型の熱間または温間粗圧延機
列の側面方向の概略図である。
【図10】本発明の実施例5の熱間または温間圧延設備
における要部をなす熱間または温間ステッケル圧延機の
側面方向の概略図である。
【図11】本発明の実施例6の熱間または温間圧延設備
における要部をなすストリップ連続鋳造機直結型の圧延
機列の側面方向の概略図である。
【図12】本発明の実施例7の熱間または温間圧延設備
における要部をなす熱間または温間粗圧延機列の側面方
向の概略図である。
【符号の説明】
1…ワークロール(上) 2…ワークロール(下) 3…バックアップロール(上) 4…バックアップロール(下) 5…圧下を行う前の帯状金属板 6…帯状金属板 7…入側保熱コイラ 8…出側保熱コイラ 9…コイル 10…ドラム 11…中間ロール(上) 12…中間ロール(下) 13…双ロール式ストリップ連続鋳造機 20〜31…圧延機
フロントページの続き (72)発明者 堀井 健治 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状金属板を熱間または温間圧延する際
    に、該金属板に発達した集合組織が形成される以前に、
    圧延面に平行な面内において金属板の進行方向とワーク
    ロールの軸心のなす角度θ′が異なる少なくとも2回の
    圧延を行うことを特徴とする帯状金属板の熱間または温
    間圧延方法。
  2. 【請求項2】帯状金属板を熱間または温間圧延する際
    に、鋳造時の板厚からの総圧下量が多くとも70%に到達
    する以前に、圧延面に平行な面内において金属板の進行
    方向とワークロールの軸心のなす角度θ′が異なる少な
    くとも2回の圧延を行うことを特徴とする帯状金属板の
    熱間または温間圧延方法。
  3. 【請求項3】帯状金属板を熱間または温間圧延する際
    に、粗圧延行程において、鋳造時の板厚からの総圧下量
    が多くとも70%に到達する以前に、圧延面に平行な面内
    において金属板の進行方向とワークロールの軸心のなす
    角度θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行うことを特
    徴とする帯状金属板の熱間または温間圧延方法。
  4. 【請求項4】立方晶系の結晶構造を持つ金属・合金から
    なる帯状金属板を圧延する際に、上記請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の方法を用いることを特徴とする帯状金
    属板の熱間または温間圧延方法。
  5. 【請求項5】鋳造後の冷却過程において、結晶構造に変
    化の生じない金属・合金からなる帯状金属板を圧延する
    際に、上記請求項1〜3のいずれか1項記載の方法を用
    いることを特徴とする帯状金属板の熱間または温間圧延
    方法。
  6. 【請求項6】フェライト系ステンレス帯状鋼板を圧延す
    る際に、上記請求項1〜3のいずれか1項記載の方法を
    用いることを特徴とする帯状鋼板の熱間または温間圧延
    方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項記載の熱間ま
    たは温間圧延方法において、圧延時の帯状金属板の温度
    を少なくとも0.8TS(TS:固相線温度[K])以下に制御す
    ることを特徴とする帯状金属板の熱間または温間圧延方
    法。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項記載の熱間ま
    たは温間または温間圧延方法において、上記2回の圧延
    での角度θ′の差を0.8゜以上6°以下に制御することを
    特徴とする帯状金属板の熱間または温間圧延方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜6のいずれか1項記載の熱間ま
    たは温間圧延方法において、上記2回の圧延での帯状金
    属板の圧延面にかかる力の方向差を10゜以上45°以下に
    制御することを特徴とする帯状金属板の熱間または温間
    圧延方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜6のいずれか1項記載の熱間
    または温間圧延方法において、上記2回の圧延により帯
    状金属板を少なくとも20%圧下することを特徴とする帯
    状金属板の熱間または温間圧延方法。
  11. 【請求項11】帯状金属板を熱間または温間圧延する圧
    延ラインに、該金属板に発達した集合組織が形成される
    以前に金属板が通過するよう、圧延面に平行な面内にお
    いて金属板の進行方向とワークロールの軸心のなす角度
    θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行える圧延装置を
    配置したことを特徴とする帯状金属板の熱間または温間
    圧延設備。
  12. 【請求項12】帯状金属板を熱間または温間圧延する圧
    延ラインに、鋳造時の板厚からの総圧下量が多くとも70
    %に到達する以前に金属板が通過するよう、圧延面に平
    行な面内において金属板の進行方向とワークロールの軸
    心のなす角度θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行え
    る圧延装置を配置したことを特徴とする帯状金属板の熱
    間または温間圧延設備。
  13. 【請求項13】帯状金属板を熱間または温間圧延する圧
    延ラインの粗圧延機列に、鋳造時の板厚からの総圧下量
    が多くとも70%に到達する以前に圧延面に平行な面内に
    おいて金属板の進行方向とワークロールの軸心のなす角
    度θ′が異なる少なくとも2回の圧延を行える圧延装置
    を配置したことを特徴とする帯状金属板の熱間または温
    間圧延設備。
  14. 【請求項14】請求項11〜13のいずれか1項記載の
    帯状金属板の熱間または温間圧延設備において、前記圧
    延装置は、圧延材料の進行方向に対するワークロールの
    クロス方向が互いに反対である少なくとも2台の圧延機
    を含む複数台の圧延機を備えることを特徴とする帯状金
    属板の熱間または温間圧延設備。
  15. 【請求項15】請求項14記載の帯状金属板の熱間また
    は温間圧延設備において、前記2台の圧延機が、圧延機
    列の中で連続して配置されていることを特徴とする帯状
    金属板の熱間または温間圧延設備。
  16. 【請求項16】請求項15記載の帯状金属板の熱間また
    は温間圧延設備において、前記2台の圧延機が、上記角
    度θ′の差が0.8゜以上6°以下になるように配置されて
    いることを特徴とする帯状金属板の熱間または温間圧延
    設備。
  17. 【請求項17】請求項14記載の帯状金属板の熱間また
    は温間圧延設備において、前記複数台の圧延機が、隣合
    う圧延機間のそれぞれで上記角度θ′が最も大きくなる
    ように配置されていることを特徴とする帯状金属板の熱
    間または温間圧延設備。
  18. 【請求項18】請求項11〜13のいずれか1項記載の
    帯状金属板の熱間または温間圧延設備において、前記圧
    延装置は、ワークロールがクロスした少なくとも1台の
    リバース型圧延機を含むことを特徴とする帯状金属板の
    熱間または温間圧延設備。
  19. 【請求項19】請求項18項記載の帯状金属板の熱間ま
    たは温間圧延設備において、上記2回の圧延での角度
    θ′の差が0.8゜以上6°以下になるように前記リバース
    型圧延機のワークロールのクロス角度を設定したことを
    特徴とする帯状金属板の熱間または温間圧延設備。
  20. 【請求項20】請求項11〜13のいずれか1項記載の
    帯状金属板の熱間または温間圧延設備において、前記圧
    延装置は、圧延材料の進行方向に対するワークロールの
    クロス方向が互いに反対である少なくとも2台のリバー
    ス型圧延機を含む複数台のリバース型圧延機を備えるこ
    とを特徴とする帯状金属板の熱間または温間圧延設備。
  21. 【請求項21】請求項20記載の帯状金属板の熱間また
    は温間圧延設備において、前記2台のリバース型圧延機
    が、圧延機列の中で連続して配置されていることを特徴
    とする帯状金属板の熱間または温間圧延設備。
  22. 【請求項22】請求項21記載の帯状金属板の熱間また
    は温間圧延設備において、前記2台のリバース型圧延機
    が、上記角度θ′の差が0.8゜以上6°以下になるように
    配置されていることを特徴とする帯状金属板の熱間また
    は温間圧延設備。
  23. 【請求項23】請求項20記載の帯状金属板の熱間また
    は温間圧延設備において、前記複数台のリバース型圧延
    機が、隣合う圧延機間のそれぞれで上記角度θ′が最も
    大きくなるように配置されていることを特徴とする帯状
    金属板の熱間または温間圧延設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001140016A (ja) * 1999-08-31 2001-05-22 Natl Research Inst For Metals Ministry Of Education Culture Sports Science & Technology 超微細組織鋼の製造方法
JP2009524526A (ja) * 2006-01-26 2009-07-02 アルヴェーディ、ジョヴァンニ 酸化防止の表面コーティングに適した鋼板の製造工程
CN110814031A (zh) * 2019-10-11 2020-02-21 山东盛阳金属科技股份有限公司 一种宽带薄板不锈钢轧钢设备及其热轧工艺

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