JPH11197259A

JPH11197259A - 治療システムにおける患者の位置決め装置

Info

Publication number: JPH11197259A
Application number: JP10016468A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Nagaoka; 孝行長岡
Original assignee: Hitachi Medical Corp
Current assignee: Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Priority date: 1998-01-13
Filing date: 1998-01-13
Publication date: 1999-07-27

Abstract

(57)【要約】【課題】患者の診断時と治療時との体位の変化を捉
え、定量的に患者の体位のずれを判定し、さらに、患者
の任意の部位を位置決めの基準に使え、容易に患者を位
置合わせできる装置を提供するにある。【解決手段】上記目的を達成するために、患者を画像
診断装置で撮像して、病巣の位置を確定し、病巣位置を
治療装置の治療位置に設定する位置決め装置において、
ＴＶカメラと画像計測手段を有し、画像診断装置での診
断時および治療装置での治療時に、患者の体表面に貼り
付けたマーカまたは患者の体表面に描いたマークを、Ｔ
Ｖカメラによって撮影し、撮影画像中の患者の体表面に
貼り付けたマーカまたは患者の体表面に描いたマークの
画像中での位置を計測し、両画像中での夫々のマークの
位置をもとに診断時と治療時の患者の体位のずれを計測
する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像診断装置によ
る診断から、治療装置における治療までの間の位置決め
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の位置決めでは、まず、診断時に画
像診断装置付属の位置決め用のライト又はレーザーの光
を基準にして患者の皮膚上にマーカを貼り付け、あるい
はマークを描くことによって患者の体に基準点を移す。
そして、治療装置において、先に印したマークを、治療
装置のレーザーサイドポインタによって表示した治療位
置に術者の目で合わせることによって、患者の体に移し
た基準点を治療装置の基準と合わせることで位置合わせ
を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、レーザーの光
には通常１ｍｍ程度の幅があり、患者体表面のマークは
レーザーに対する位置のずれ量の大きさ、ひいては診断
時と治療時との患者の体位のずれ量の大きさが定量的に
判断できないという問題があった。

【０００４】また、診断時に画像診断装置によって決め
られる基準点に合わせて患者の体表面にマークをしなけ
ればならず、マークを設定する上での自由度が少なくな
ってしまうという問題点もある。

【０００５】本発明の目的は患者の診断時と治療時との
体位の変化を捉え、定量的に患者の体位のずれを判定
し、さらに、患者の任意の部位を位置決めの基準に使
え、容易に患者を位置合わせできる装置を提供すること
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、患者を画像診断装置で撮像して病巣の位置を確定
し、病巣位置を治療装置の治療位置に設定する位置決め
装置において、診断時、診断室に設置したＴＶカメラに
より患者の体表面に貼り付けたマーカまたはマークを撮
影し、画像計測手段によりこのマーカまたはマークの診
断時における位置を計測し、治療時、治療室に設置した
ＴＶカメラにより治療室に移動させられた患者の前記マ
ーカまたはマークを撮影し、画像計測手段によりこのマ
ーカまたはマークの治療時における位置を計測し、前記
診断時における位置とこの治療時における位置とを比較
演算することにより診断時と治療時の患者の体位のずれ
を計測する構成とした。

【０００７】さらに、患者を画像診断装置で撮像して、
病巣の位置を確定し、病巣位置を治療装置の治療位置に
設定する位置決め装置において、診断時、診断室に設置
したＴＶカメラにより患者の体表面に貼り付けたマーカ
またはマークを撮影し、その画像情報を画像記録手段に
記録する手段と、治療時、治療室に設置したプロジェク
ターにより前記画像情報を前記患者の体表面に投影する
手段とを備える構成とした。

【０００８】また、演算手段と、治療台の制御手段を備
え、撮影画像中の患者の体表面に貼り付けたマーカまた
は患者の体表面に描いたマークの画像中での位置を計測
し、両画像中での夫々のマークの位置のずれ量を計測
し、該ずれ量の２乗誤差の和が最小になるような治療台
の動作方向および動作量を演算手段において演算し、制
御手段を用いて演算した治療台の動作方向および動作量
で治療台を駆動する構成とした。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１を用いて、本発明の実施形態
を説明する。放射線治療において、治療の効果を向上さ
せるためには患者病巣部を精度良く治療装置の治療位置
（放射線の照射位置）に設定する必要がある。また、こ
れは、結石破砕の様な放射線を用いない治療においても
同様である。病巣が皮膚を介して確認できる場合を除
き、患者の病巣部は、一般に画像診断装置を用いなけれ
ばその位置を確定できない。

【００１０】図１は本発明の一実施例を示すブロック図
である。病院における診断室１００には画像診断装置の
例えばＸ線ＣＴ装置が設置されている。寝台１０には患
者１が載置され、その体表面にマーカ３を貼り付ける。
すなわち、図２に示すように、患者１の体表面にほぼ等
間隔に６個のマーカ３を貼り付ける。このマーカ３は鉛
またはタングステン材よりなるもので、画像診断装置９
（Ｘ線ＣＴ装置）で、患者１を撮影したときに、その画
像には患者１の病巣部とマーカ３が写し出されるように
して、病巣部とマーカ３との位置関係が分るようにす
る。診断室１００にあらかじめ撮影範囲，距離値の校正
をされたＴＶカメラ２ａを天井付近に設け、マーカ３を
撮影し、患者１の体位を記録できるようにする。この場
合、図２のように、患者１の体表面のほぼ中心部にマジ
ックインクなどでマーク１３を記すのがよい。ＴＶカメ
ラ２ａで患者１の体表面を撮影した場合、マーカ３のみ
の場合よりも、マーク１３を付加した方が撮影情報が多
くなり患者１の体位をさらに詳細に記録し、後述のよう
に治療時に患者１の位置決めをより容易に行うことが出
来る。画像処理手段５ａはＴＶカメラ２ａからの画像を
入力し、この画像のコントラスト処理や積算平均処理，
２値化処理，ノイズ除去等の処理を行うものである。例
えば、ＴＶカメラ２ａからの画像には、マーカ３，マー
ク１３，患者１の体表面などの背影が含まれているが、
画像処理手段５ａは、このような画像を入力し、これを
２値化した画像、すなわち、前記背影を消したマーカ
３，マーク１３のみの画像に処理するものである。画像
計測手段４ａは２値化した画像、すなわち、マーカ３と
マーク１３とを入力し、それらのｘ−ｙ座標を求め、そ
の座標を記録手段６に記録するものである。

【００１１】一方、治療室１１０には患者１の病巣部に
対して放射線を照射するための治療装置１１が設置され
ている。治療台１２には患者１が載置されている。この
患者１は診断室における患者１と同一患者であり、従っ
て、その体表面には、マーカ３が貼り付けられ、マーク
１３が記されている。ＴＶカメラ２ｂは、ＴＶカメラ２
ａと同一仕様のもので、ＴＶカメラ２ａと同様に、あら
かじめ撮影範囲，距離等の校正がなされている。画像処
理手段５ｂおよび画像計測手段４ｂは、それぞれ、画像
処理手段５ａおよび画像計測手段４ａと同じ機能を有す
るもので、ＴＶカメラ２ｂからの画像を２値化処理して
マーカ３，マーク１３のみの画像にしてその座標を求め
るものである。演算手段７は記録手段６からのマーカ３
およびマーク１３の座標情報と、画像計測手段４ｂから
のマーカ３およびマーク１３の座標情報を入力し、記録
手段６からの座標情報を基準にして、画像計測手段４ｂ
からの座標情報がどのくらいずれているかをモニタ８に
表示するものである。このモニタ８は治療室１１０およ
び操作室で、画像が見られるようになっている。

【００１２】つぎに動作を説明する。まず、診断室１０
０では病巣位置を患者１の体表面の基準にして記述でき
るように、患者１の体表面に画像診断装置９で確認でき
るマーカ３を貼り付け、患者を画像診断装置９の寝台１
０に載せ、撮像し、病巣の位置を体表面に貼り付けたマ
ーカ３を基準にして確定する。また、このときの患者１
の体位を記録するために、患者の皮膚に複数のマーク１
３を記する。

【００１３】画像診断装置９の診断室１００には、天井
付近にＴＶカメラ２ａが設置してあり、患者１の体表面
に設置したマーカ３および皮膚に描いたマーク１３を撮
影する。撮影された画像は、図２の様になる。この画像
は、画像計測手段４ａによって計測され、各マーカ３お
よびマーク１３の画像中での位置がここで得られる。こ
のとき、画像計測手段４ａに画像処理手段５ａを接続
し、撮影画像を処理し、マーカ３及びマーク１３の自動
抽出をすることも術者が画像を見ながらマニュアルで計
測すべきマーカ３およびマーク１３を指定することもど
ちらも可能である。こうして得られたマーカ３及びマー
ク１３の計測データは、記録手段６に記録される。

【００１４】次に、治療室１１０に患者１を移動し、患
者を治療装置１１の治療台１２に載せる。患者１の体表
面には、上述のマーカ３およびマーク１３が記されてい
る。

【００１５】治療装置１１の治療室には、天井付近にＴ
Ｖカメラ２ｂが設置してあり、患者１の体表面に設置し
たマーカ３および皮膚に描いたマーク１３を撮影する。
撮影された画像は、図３の様になる。

【００１６】この画像は、画像計測手段４ｂによって計
測され、各マーカおよびマーク１３の画像中での位置が
ここで得られる。このとき、画像計測手段４ｂに画像処
理手段５ｂを接続し、撮影画像を処理し、マーカ３及び
マーク１３の自動抽出をすることも、術者が画像を見な
がらマニュアルで計測すべきマーカ３およびマーク１３
を指定することもどちらも可能である。

【００１７】こうして得られた治療時のマーカ３および
マーク１３の計測データは、先に取得し、記録手段６に
記録しておいた診断時のマーカ３およびマーク１３の計
測データとともに演算手段７に送られる。

【００１８】演算手段７では、診断時の計測データを基
準にして、治療時の対応するマーカ３およびマーク１３
の位置のずれの大きさと方向を演算する。

【００１９】モニタ８には、図４の様に現在の患者１の
画像が表示され、患者１の体表面のマーカ３およびマー
ク１３に矢印１４でずれが表示される。矢印１４の大き
さは、ずれ量の大きさに比例し、術者に分かりやすく誇
張してある。矢印１４の方向はずれの方向を示し、術者
はこの矢印１４の方向に従って患者１を動かすことで患
者１を位置合わせする事ができる。また、特にずれ量の
大きな部分、例えば１ｍｍを越える様なずれに対しては
矢印１４の色を赤等の目立つ色で表示し術者に注意を促
す。

【００２０】次に、図５を用いて術者が患者の位置ずれ
を確認しやすくした実施例を説明する。全体構成の上述
の実施例との相違は、画像診断室側のＴＶカメラ２ａに
つながる画像記録手段１５と、治療室の天井にプロジェ
クター１６を備えた点である。画像記録手段１５は診断
室１００のＴＶカメラ２ａからの画像を２値化すること
なく直接記録するものである。プロジェクター１６は画
像記録手段１５から画像情報を入力し、その画像を患者
１の体表面に赤い光線で撮影するものである。また、プ
ロジェクター１６の投影範囲と治療室のＴＶカメラ２の
撮影範囲とが重なるように、ＴＶカメラ２ｂとプロジェ
クター１６は図５の様にハーフミラー１７で結合されて
いる。

【００２１】次にこの実施例の動作を説明する。診断室
１００のＴＶカメラ２ａは図６（ａ）に示すようなマー
カ３およびマーク１３を撮影し、その画像を画像記録手
段１５に直接記録する。画像記録手段１５によって記録
した画像を治療時にプロジェクター１６によって患者体
表面に赤い光線で投影する。患者体表面には、マーカ３
およびマーク１３がすでに設置されているため、これと
重なるように投影した格子状の画像との関係により、診
断時の画像とのずれが図６（ｂ）の様に容易に判別でき
る。図６（ａ）および（ｂ）の例では、体位のずれが判
別しやすいように格子状の皮膚マーク１３を描いてい
る。もちろん皮膚マーク１３はこのような格子状であっ
ても、先の実施例のような点状であっても構わない。

【００２２】また、プロジェクター１６で、投影する画
像は診断時の画像その物でなく、演算手段７で演算した
結果の処理画像でもよい。この場合には、治療室１１０
のＴＶカメラ２ｂはその入力側に赤い光線をカットする
フィルタをもっており、従って、ＴＶカメラ２ｂは格子
状のマーク１３をカットしてマーカのみを撮影し、その
画像を画像処理手段４ｂに出力する。以後は図１と同様
にしモニタ８に図７のように、それぞれのマーカ３に対
応するずれ量と方向を示す矢印１４が表示される。

【００２３】図８の実施例は演算手段７と、治療台１２
の制御手段１８を備え、治療台１２を体位のずれに応じ
て制御する実施例である。この例では、治療台の回転と
平行移動によって、患者の位置を補正する方法を示す。
まず、撮影画像中の患者１の体表面に貼り付けたマーカ
３または体表面に描いたマーク１３の画像中での位置を
計測し、両画像中での夫々のマーカ３およびマーク１３
の位置のずれ量を計測する。

【００２４】図９に原理を示す。マーク１３の数は３つ
に限定しないが、例の上で示しやすいので３つのマーク
とする。図９に示すように、元のマーク１３の位置ｐ
１，ｐ２，ｐ３に対して、治療時の３つのマークの位置
関係がｑ１，ｑ２，ｑ３の様にずれた場合を考える。

【００２５】今、元のマーク１３のｐ１，ｐ２，ｐ３が
一直線上で並んでいるとする。一般的に治療時には、患
者の体が動く為に、マークはｑ１，ｑ２，ｑ３の様に一
直線には並ばないと考えられる。治療台の回転と平行移
動だけで治療時の位置を補正するには、全てのマークが
平均して、元の位置の近くにある様に治療台を制御する
必要がある。制御方法の一例を以下に示す。

【００２６】図９の様にｐ１とｑ１の距離をｅ１，ｐ２
とｑ２の距離をｅ２，ｐ３とｑ３の距離をｅ３とする。

【００２７】距離の２乗和をＺとすると、Ｚ＝ｅ１²＋
ｅ２²＋ｅ３²と表わせる。また、治療時の患者の位置
は、治療台の位置によって変化するため、治療台の角度
をθ，Ｘ方向の移動量をＸ，Ｙ方向の移動量をＹとする
と、Ｚ＝ｆ（θ，Ｘ，Ｙ）として治療台の位置の関数と
して表わせる。

【００２８】Ｚを最小にする様にθ，Ｘ，Ｙの組み合わ
せを選び、治療台を駆動すれば、治療台の回転動と平行
移動によって全てのマークが平均して、元の位置の近く
にある様に治療台を制御することができる。

【００２９】このように最小値を実現するパラメータの
組み合わせを見つける方法は、数学的には線形計画法等
があり、最適化問題として知られている。治療台１２の
動作方向および動作量は、演算手段７において演算す
る。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、患者の診断時と治療時
との体位の変化を捉え、定量的に患者の体位のずれを判
定し、さらに、患者の任意の部位を位置決めの基準に使
え、容易に患者を位置合わせできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例を示すブロック図であ
る。

【図２】図１を説明するための患者の体位を示す概略図
である。

【図３】図１を説明するための患者の体位を示す概略図
である。

【図４】図１を説明するための患者の体位を示す概略図
である。

【図５】本発明の第二の実施例を示すブロック図であ
る。

【図６】図５を説明するための患者の体位を示す概略図
である。

【図７】図５を説明するための患者の体位を示す概略図
である。

【図８】本発明の第三の実施例を示すブロック図であ
る。

【図９】図８を説明するための説明図である。

【符号の説明】

１患者２ａ，２ｂＴＶカメラ３マーカ４ａ，４ｂ画像計測手段５ａ，５ｂ画像処理手段６記録手段７演算手段８モニタ９画像診断装置１０寝台１１治療装置１２治療台１３皮膚マーク１４矢印１５画像記録装置１６プロジェクター１７ハーフミラー１８制御手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】患者を画像診断装置で撮像して、病巣の
位置を確定し、病巣位置を治療装置の治療位置に設定す
る位置決め装置において、診断時、診断室に設置したＴ
Ｖカメラにより患者の体表面に貼り付けたマーカまたは
マークを撮影し、画像計測手段によりこのマーカまたは
マークの診断時における位置を計測し、治療時、治療室
に設置したＴＶカメラにより治療室に移動させられた患
者の前記マーカまたはマークを撮影し、画像計測手段に
よりこのマーカまたはマークの治療時における位置を計
測し、前記診断時における位置とこの治療時における位
置とを比較演算することにより診断時と治療時の患者の
体位のずれを計測することを特徴とする治療システムに
おける患者の位置決め装置。
【請求項２】患者を画像診断装置で撮像して、病巣の
位置を確定し、病巣位置を治療装置の治療位置に設定す
る位置決め装置において、診断時、診断室に設置したＴ
Ｖカメラにより患者の体表面に貼り付けたマーカまたは
マークを撮影し、その画像情報を画像記録手段に記録す
る手段と，治療時、治療室に設置したプロジェクターに
より前記画像情報を前記患者の体表面に投影する手段と
を備えてなることを特徴とする治療システムにおける患
者の位置決め装置。