JP2008043567A - 位置決め装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置決め時間が短縮され、精度の高い位置決めができる位置決め装置を得る。
【解決手段】患者支持台3上の患者2の位置決めを行うために用いる位置決め装置であって、患者体表面形状を、計測光11とカメラ14を用いて2次元計測および3次元計測し、位置データとなる2次元画像データおよび3次元位置データを得る体表面形状計測手段、上記体表面形状計測手段であらかじめ得た体表面基準位置データと、計測時に上記体表面形状計測手段によって得る体表面計測位置データとを比較照合して差異を算出するデータ照合手段、上記データ照合手段の出力情報を入力し、上記差異が許容範囲内となる方向に上記患者支持台を移動させて患者を位置決めする位置調整手段を備え、患者の位置決めを実施できるように構成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、放射線治療装置,粒子線治療装置,画像診断装置などに使用される患者の位置決め装置に関し、例えば、計測光とカメラを用いた2次元および3次元計測可能な光計測手段を用いて、治療時、治療計画時又は診断時に患者の患部を所定の位置及び角度に位置決めする位置決め装置に係わるものである。
放射線治療又は粒子線治療における患者の位置決め操作の従来の流れについて、図16を用いて説明する。放射線治療,粒子線治療,画像診断において、放射線の照射野あるいは粒子線の照射野は、治療の対象となる患部の位置と形状に一致させる必要がある。まずステップ1において、患者受け入れを行い、登録やインフォームドコンセントなどの作業を経て、ステップ2で、X線CT装置を用いてCT画像を取得する。治療計画作成のステップ3では照射する部位、すなわち治療標的領域を前記CT画像に基づいて設定する。治療計画が終了した後、前記治療計画に基づき、患者固定具や治療に必要なその他の治具を製作する。治療照射時には放射線あるいは粒子線をこの治療標的領域に精度よく照射する必要がある。このためにリハーサルと呼ばれるステップ4で以下の手順を踏む。
リハーサルは通常、治療照射の事前に、別の日に実施される。リハーサルにおいては、前記CT画像を加工し新たな画像を作成し、この加工画像に基づいて患者位置決めを行う。このようにして照射時の患者位置が確定した段階で、新たな2次元画像X線透視画像を撮影し、これを基準位置画像とし、それに伴う位置決め情報を基準位置データと呼ぶ。このような手順を踏む理由は、照射する前の位置決めステップで撮影するX線透視画像の画質がX線CT画像と異なるためである。
治療時においても、精度よく治療標的領域に照射するために照射直前に患者の位置決めを行う。このステップ5では通常、レーザポインタで粗い位置決めを行い、その後、X線透視画像を用いて、高精度位置決めを行う。このときに取得されるX線透視画像のことを位置決め画像と呼んでいる。粗い位置決めで使うレーザポインタの合せ位置は、リハーサル時に患者の体表面にマーキングされる。このとき、図9の(F)に示すように、画像診断で決定した患部の特定部位及び任意の部位を治療計画に対応した体表面に移し、その位置に患部位置マーカ及び位置マーカを付置し、そのマーカを参照し、レーザポインタなどと対応させ、目視か、2次元計測可能なビデオカメラを用いて観測し、患者を位置決めしていた。
2次元計測可能なビデオカメラで3次元的に患者の位置決めをするためには、ビデオカメラが2台以上必要である。異なる方向から患者の体表面に設けた3個以上の位置マーカを読みとることにより、患者の患部の3次元的な位置を推定し、照射の領域(照射野)の中心と患部の中心及び照射野の方向と患部の方向とが一致するように治療台を移動および回転させる方法で患者の位置決めを行っていた。
X線透視画像を用いた高精度位置決めにおいては、位置決め画像と基準位置画像との差が許容範囲内になるまで、治療台の設定位置や設定角度を調整する。患者の体位の補正、すなわち臥位の場合は、患者の治療台上での横たわりかたの補正、座位の場合は患者の治療台上での座りかたの補正が必要な場合もある。その後、ステップ6の照射が行われる。粒子線治療や放射線治療においては最大40回程度で何日かに分割して実施するため、位置決めの再現性は重要となる。照射の度に上記ステップの位置決め手順が繰り返される。なお、ここに記述した手順は一般的なものであり、他の手順も行われている。なお、この分野の患者の位置決め装置としては、例えば、特許文献1〜特許文献3がある。
特表2002−528168号公報 特表2000−515794号公報 特開平11−183143号公報 奥田 晴久,橋本 学,鷲見 和彦「参照画像を用いた空間コード化法のエラー低減手法」、第17回日本ロボット学会学術講演会、1999年9月9日〜11日
従来の放射線治療装置又は粒子線治療装置における患者の位置決め方法は、図9(F)、図14及び図15に示すように、患者の体表面に複数の病巣部位置表示マーカ(図9(F)中の50a、50b、50c、50d、50f、及び図15中の50e)を付置し、2次元計測可能なビデオカメラを2台以上用い、異なる方向からこれらの患部(病巣部)位置表示マーカを読みとることにより、患者の患部の3次元的な位置を推定し、照射領域(照射野)の中心と患部(ターゲット領域)の中心が一致するように治療台を移動および回転させて、患者の患部の位置及び角度と照射する放射線あるいは粒子線の照射野を合致させるような患者位置決めを行っていた。
しかし、この方法は2次元計測可能なビデオカメラを用いて患者の体表面に設けた複数の患部位置表示マーカを読み取ることにより、患者の患部の3次元位置を算定しているので、患者の体表面に設けた複数の患部中心位置表示マーカを参照し、患部の位置決めを精度良く行うには、体表面上の水平面及び垂直面上に高精度のマーキングが必要でかつ、体表面の患部位置表示マーカの数は、少なくとも3個以上必要である。
このような従来の方法ではマーカを体表面に付与する際に誤差が生じるという問題点があった。また、測定対象である人体は剛体ではないので、人体に非剛性的な変形があった場合、位置決め誤差が増大しやすいという問題点があった。また、カメラを2台以上設置する必要があり、設置に関する制約を受けやすいという問題点もあった。さらに、2次元情報の組み合わせだけでは、回転角度の誤差を取り除くことが困難なため、位置合わせが許容範囲内に集束するまでに時間がかかるという問題点があった。また、マーカや、局所的な情報のみに制限されているため、手足や首の傾きなど体位全体の再現性が悪いため、位置決めが集束するまでに時間がかかるという問題点があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、放射線治療、粒子線治療、治療計画、画像診断などに使用される患者の位置決め装置において、患者の体表面上に位置表示マーカを用いる必要がなく、従来の2次元データの計測では得られなかった立体的な回転角度の補正が可能となり、位置決め時間が短縮され、精度の高い位置決めができる位置決め装置を得ることを目的とする。
この発明に係わる位置決め装置は、計測光とカメラを用いた2次元計測および3次元計測により、患者支持台上の患者の体表面から反射された反射光を計測し、位置データとなる2次元画像データおよび3次元位置データを得る体表面形状計測手段、上記体表面形状計測手段であらかじめ得た上記患者の体表面基準位置データと、計測時に上記体表面形状計測手段によって得た上記患者の体表面計測位置データとを比較照合して差異を算出するデータ照合手段、上記データ照合手段の出力情報を入力し、上記差異が許容範囲内となる方向に上記患者支持台を移動させて位置決めを行う位置調整手段を備えたものである。
この発明の位置決め装置によれば、放射線治療,粒子線治療,治療計画,画像診断などに使用される患者の位置決め装置において、患者の体表面上に患部位置表示マーカを用いる必要がなく、カメラ視野内にある2次元画像データおよび3次元位置データよりなる体表面の位置データが得られるので、2次元画像データを用いて体表面の特徴領域を抽出した上で、その特徴領域に絞って3次元位置データを選択的に比較照合して患者を位置決めすることができるため、高い精度の位置決めを、短時間で実施することが可能となる。
実施の形態1.
以下に、この発明である位置決め装置の実施の形態1を図1、図2、図3、図4、図5及び図6に基づいて説明する。図1は、粒子線治療装置の照射ヘッド、治療台及び患者を示す配置図である。図2は、粒子線治療装置の粒子線加速器、照射ヘッド、治療台、それらの制御装置及び患者からなるシステムブロック図である。図3は、粒子線治療装置の照射ヘッドに搭載されている2次元及び3次元光計測装置のシステムブロック図である。図4は、2次元及び3次元光計測装置を用いて患者の位置決めをする際の光計測のタイミングチャートを示す図である。図5は、2次元及び3次元光計測装置を用いて患者体表面の特徴パターン(または特徴パターンを含む特徴領域)に特化し、この位置データを照合データとして、患者の位置決めをするときの機器配置図である。図6は、位置決め時における動作状態図である。
図1において、1は粒子線治療照射ヘッド、2は患者、3は治療台(患者支持台)、4はX線検出器、5は回転駆動機構、5aは照射ヘッドの水平方向の回転軸、5bはアイソセンタ、6は粒子線、7は偏向電磁石、8は散乱体、9はX線管、10は多葉コリメータ、11はパターン光源、13aはパターン状の光である走査パターン光、13cは患者体表面から反射された反射光である反射パターン光、14はビデオカメラ、15はビデオモニタ、16はキーボード、17はライトローカライザ及び18はレーザポインタである。なお、(A)は(B)のビデオモニタ15を取り除いて示す正面配置図、(B)は(A)の側面配置図である。
図2において、11aは、パターン光源制御器であり、パターン光源11へ制御のためのデータを与えている。また、20は粒子線加速器、21はビーム輸送系、22は加速器制御装置、23は回転制御装置、24は照射ヘッド制御装置、25は治療台制御装置、26は信号処理装置、27は画像処理計算機、28は加速器制御計算機及び29は照射系制御計算機である。図3において、12aは均一パターン光(部屋の照明光等の環境光)、31はレーザ変調回路、32はレーザ光源、33は変調レーザ光、34はパターン光生成器、35はパターン光、36はスキャナミラー、37はミラー駆動回路、38はドライバである。2次元画像データを得るために走査パターン光13aを用い、3次元位置データを得るために均一パターン光12aを用いる。患者体表面から反射された反射光(走査パターン光13aに起因する反射パターン光13cならびに均一パターン光に起因する反射パターン光13c)は、いずれの光源のものもビデオカメラ14によって撮影される。なお、本実施例ではパターン光源およびビデオカメラが照射ヘッドに搭載されているが、実施の形態7で述べるように、これらの装置を照射室の天井か壁、もしくは治療室に設置された架台に取り付ける方法で用いてもよい。
図3に示すように、体表面形状計測手段は、主に、パターン光源11、パターン光源制御器11a、ビデオカメラ14、信号処理装置26によって構成されている。また、画像処理計算機27は、データ照合手段に相当し、治療台制御装置25は、位置調整手段に相当している。患者の位置決めの際には、体表面形状計測手段において、患者体表面形状を、計測光とカメラを用いて2次元計測および3次元計測し、位置データとなる2次元画像データおよび3次元位置データを得、データ照合手段において、体表面形状計測手段であらかじめ得た治療または診断の対象である患者の体表面基準位置データと、計測時に体表面形状計測手段によって得た患者の体表面計測位置データとを比較照合して差異を算出し、さらにその差異が許容範囲内になるように患者支持台の調整量を求め、位置調整手段で、データ照合手段の出力情報を入力し、その差異が許容範囲内となる方向に、調整量に応じて患者支持台を移動させて患者を位置決めする。
次に動作について説明する。図1及び図2において、粒子線治療装置の粒子線加速器20で加速された粒子線6は、ビーム輸送系21で照射ヘッド1に導かれ、偏向電磁石7によって必要な方向に偏向され、散乱体8に入射され、治療照射に必要な散乱角を持った粒子線に広げられる。散乱体8を出た粒子線6は、多葉コリメータ10で粒子線の照射野が整形され、患者2の患部に照射される。照射ヘッド1は、回転駆動機構5によってアイソセンタ5bを含む水平回転軸5aのまわりに回転し、粒子線6は、アイソセンタ5bを含む回転軸5aに垂直の面内で、任意の方向から患者2に照射される。患者2は治療台天板(患者支持台天板)3aに固定され、治療台天板3aは、治療台3の支持脚3bに対し前後、左右及び上下方向に移動する他に支持脚を中心とした水平回転ができる。さらに支持脚3bは、アイソセンタ5bを含む垂直回転中心軸を中心に水平回転ができ、治療台天板3a上の患者2を、粒子線の照射野に対し任意の位置及び角度(方向)に置くことができる。
先述の図16において示したように、放射線治療、粒子線治療ステップ4のリハーサル時に2次元及び3次元光計測装置で、2次元計測および3次元計測を行い、患者の体表面の2次元画像データと3次元位置データを取得し、それぞれ体表面基準位置データとして画像処理計算機27のメモリーに記録する。ステップ5の放射線治療、粒子線治療の位置決め時に、2次元及び3次元光計測装置で取得する2次元画像データと3次元位置データ(これらの位置データを体表面計測位置データとする。)と予め計測しておいた体表面基準位置データを比較照合し、その差異がゼロ(または許容範囲内)になるように患者位置決めを行う。比較照合において、取得した2次元及び3次元位置データのうち、2次元画像データを体表面の特徴領域(または特徴領域内の特徴パターン)の抽出に用い、この特徴領域における患部位置の比較照合には3次元位置データのみを用いる場合と、2次元画像データ及び3次元位置データを全く同等に用いて位置の比較照合をする方法とがある。いずれにしても、特徴領域に絞って、位置決めのための照合を行うため、位置決め精度を保った上で、位置決めに要する時間を短縮することができる。
次に、3次元位置データの取得について述べる。図3に示すように、レーザ変調回路31で変調されたレーザ光源32から、変調レーザ光33が発射される。パターン光35は、変調レーザ光とスキャナミラー36の動作により走査パターン光13aとして患者2の体表面に入射される。患者2の体表面に入射された走査パターン光13aは、患者2の体表面から反射され、反射パターン光13cとなり、その一部を患者の体表面観測用のビデオカメラ14で観測する。ビデオカメラ14で患者の体表面から反射された反射パターン光13cを読み取ることにより、パターン光35に照射された患者2の体表面の形状を、3次元位置データとして計測できる。スキャナミラー36は、走査パターン光13aが、患者2の体表面の必要な計測領域をカバーするように、スキャナミラー36の回転軸を中心に振られ、パターン光35を走査パターン光13aに変換している。
ドライバ38は、レーザ変調回路31、ミラー駆動回路37及び信号処理装置26へ送るタイミング信号や制御の信号の生成回路である。スキャナミラー36の反射点とビデオカメラ14の受光点の距離及び走査パターン光13aの振り角度から体表面の3次元的な位置を求めることができる。走査パターン光13aの振り角度は、レーザ変調回路31に送られるタイミング信号のタイミングで決定される。ここで述べた計測方法の一例として、光切断法による空間コード化法があり、例えば「参照画像を用いた空間コード化法のエラー低減手法」奥田晴久、橋本学、鷲見和彦、第17回日本ロボット学会学術講演会(1999年9月9日〜11日)などがある。
なお、2次元画像データを得る場合は、その光源は均一パターン光12aである環境光(室内照明光等)であり、患者2の体表面の画像をビデオカメラ14で撮像することにより得ることができる。
図4は、2次元及び3次元光計測におけるパターン光のタイミングチャートを示す図である。A(T0)は均一パターン光12aが照射されるタイミングチャートで、時間T0で、環境光12aが点灯し、患者2の体表面が照明され、その反射光の一部をビデオカメラ14で観測し、2次元画像データを取得する。ビデオカメラ14による撮像領域は、3次元位置データの計測領域(パターン光35の照射領域)に相当する。B1(T1)、B2(T2)・・・Bn(Tn)は、時間T1以降に、レーザ光源32から発射される複数種の変調レーザ光33のタイミングチャートである。レーザ光源32から発射された変調レーザ光33は、パターン光生成器(図示せず)でパターン光35にパターン化され、スキャナミラー36を介して走査パターン光13aに変換され、角度情報を持った走査パターン光13aとして患者2の体表面に照射される。この走査パターン光13aによる体表面からの反射パターン光13cをビデオカメラ14で観測し、患者の体表面の3次元位置データを取得する。
粒子線照射時の位置決めの照合データとして、治療前位置決め時に照射ヘッド1に付置されている2次元及び3次元計測可能な光計測装置を用いて患者2の体表面を計測した2次元画像データ及び3次元位置データを取得し、画像処理計算機27に取り込み記録する。一方、治療計画時に予め、患者の体表面の2次元画像データ及び3次元位置データを取得し体表面基準位置データとして画像処理計算機27に取り込み記録する。
図5は、粒子線治療装置の照射ヘッド1に搭載された2次元及び3次元光計測装置を用いた患者の位置決め及び粒子線治療を実施する時の機器配置図である。
図6は2次元画像データ及び3次元位置データ(体表面基準位置データ)と患者の体表面を計測した3次元位置データ(体表面計測位置データ)を用いて、両者を比較照合し患者の位置決めをする説明図である。図5、図6において、2aは患部、2bは患部輪郭、2cは患部中心、2eは患者2が最初に治療台3に置かれた時の照射ヘッド1の2次元及び3次元光計測装置で計測された体表面のデータである基準体位、2dは体表面計測位置データである2次元画像データ及び3次元位置データから求めた体表面形状(現在の状態を示す体輪郭)、13bは3次元光計測装置の走査パターン光照射野をそれぞれ示している。図6では、上記の2次元及び3次元光計測装置を用いて取得した2次元画像データ及び3次元位置データのうち、2次元画像データを使って患者2の体表面の特徴パターン46(例えばヘソの周辺)、47(例えば右乳輪)及び48(例えば左乳輪)を抽出し、この特徴パターンおよびその近傍の領域をそれぞれの特徴領域とする。次に特徴領域における体表面の3次元位置データを使って体表面基準位置データと比較照合して、患者2の位置決めをする。
このとき2次元画像データ1個に対して、3次元位置データ1個が対応している。つまり、2次元画像データ上の体表面特徴パターン座標(u、v)に対して、3次元位置データ1個(x、y、z)が対応している。また、図5及び図6において、17aはライトローカライザの十字線、17bはライトローカライザ十字線の交点である。44aは体表面照射野中心点である。49aは患部中心を垂直方向(照射方向)に投影し体表面と交わる位置を示す体表面患部中心点(H)である。49bは、水平面での体表面患部中心点(V)である。
次に照合方法について述べる。照合の際には上述した2次元画像データに基づき抽出した特徴領域において、その領域内における3次元位置データの体表面基準位置データと体表面計測位置データとを比較照合し、近傍の3次元位置データ同士を仮対応させて、照合を繰り返して、調整量を算出し、その差が最小になるように治療台3を前後、左右、上下及び水平面内回転させて患者の位置決めを行う。特徴領域としては、2次元画像データ中において濃淡変化の大きな領域を特徴として選択する手法や、これに加えて該当する3次元位置データが示す体表面形状の変化が比較的大きくかつ連続して変化する領域を選択する手法などで選択される。
体表面の特徴領域を特徴パターン46(ヘソ周辺部)及び特徴パターン47(右乳輪部)を含む領域にとるとする。照射ヘッド1に付置されている3次元計測可能な光計測装置を用いて患者2の体表面を計測した3次元位置データの体表面計測位置データDbから、特徴パターン47の輪郭に沿って点P1、P2、P3…Pnをとるとする。同様に、3次元位置データの体表面基準位置データDaから、特徴パターン47の輪郭に沿って点P1´、P2´、P3´…Pn´とする。体表面上の複数位置の3次元位置データに関しては、3次元的に最も近傍に位置する位置データ同士を仮対応させ、これを一致させるため仮位置姿勢変換パラメータを求める処理を漸次行うことにより、最終的な位置姿勢変換パラメータを求める。
即ちP2―P2´、P3―P3´、Pn―Pn´間のx、y及びz方向の3次元空間における距離をそれぞれx1、x2、x3…xn、y1、y2、y3…yn、z1、z2、z3…znとし、図2の照射系制御計算機29及び治療台制御装置25を介して、距離xk、yk、zk(k=1…n)が最小、あるいはこれらの総和が最小になるように患者支持台3及び患者支持台天板3aを漸次移動または回転させ、患者の位置を基準位置データ取得時の位置の近傍にもってくることができる。さらに、特徴パターン47の位置データに特徴パターン46の位置データを加え、位置姿勢変換パラメータを求めることにより、患者支持台3上の患者2を、図6の(A)に示す患部の中心49aを(B)に示すように、照射野中心44aの近傍により高い精度で設定することができる。なお、図6の(A)は治療時前の治療台上の患者位置である。図6の(B)は上記の比較照合結果治療台3上の患者2の患部中心2cが照射野の中心49aの近傍により移動し、方向も治療計画時の方向の近傍に設定された状態(位置及び姿勢)を示している。
このようにして、照射ヘッド1に付置されている2次元及び3次元計測可能な光計測装置を用いて患者の体表面を計測し、2次元画像データ及び3次元位置データを取得し、2次元画像データから体表面特徴領域を抽出し、対応した位置の近傍に比較照合する3次元の位置データを絞り込むことができ、高精度の患者位置決めができると同時に短時間で照合結果を導くことができる。この結果に基づき、図6に示すように、治療台3を移動回転させ患者の位置決めを行う。
なお、治療台3の操作は、操作員によってその指示がなされるものであり、治療台3の近傍に配置されたビデオモニタ15の表示画面(あるいは、ビデオモニタ15とは別に設けられた表示画面でもよい)に、その調整量が表示されると、操作員は、キーボード16の操作によって調整量を入力することで指示を行い、患者支持台3を自動的に移動させて調整を行う。
なお、本実施例ではパターン光源11およびビデオカメラ14が照射ヘッド1に搭載されているが、これらの装置を照射室の天井か壁、もしくは治療室に設置された架台に取り付ける方法でもよい。
このようにして、2次元画像データのみによる特徴領域の絞込みが適切な場合においては、2次元画像データと3次元位置データを併用することによって、3次元位置データのみを使った場合に比べ、照合時間を短縮することができる。また、3次元計測を用いているため、2次元計測のみの照合に比べ、再現性が高い。
実施の形態2.
実施の形態1において、2次元画像データを用い3次元光計測領域内の特定の体表面特徴パターンを抽出し、治療時取得した3次元位置データ(体表面計測位置データのうち3次元位置データであるもの)と体表面基準位置デ―タと比較照合し、位置決めを行う例を示した。しかし、患部以外の部分、例えば上腕部、頭頸部、脚部の位置や体幹部全体のねじれなど、診断時または治療計画時の状態と著しく体位が異なる場合がある。このような場合、単に治療台を6軸方向に並進させたり、回転させたりすることでは十分な位置合わせができない場合がある。そこで、患者の患部周辺部以外の部位における体位状態(体幹ねじれ、手足の屈伸、頭頸部傾き等)を計測し、計測体位データを得て、患者の体位の変化を求め、体位を補正することでこの問題を解決する方法について述べる。
図5(C)は、患者2が治療中に比較的動かしやすい部位、かつ、患部周辺部以外の部位である腕部パターン48aを示している。その他、患者2が動かしやすい部位としては頭頸部や脚部などがある。患者の体位を検出する際に計測対象となる体表面特徴パターンを腕部パターン48aにとり、3次元光計測装置により体表面位置に関する3次元の体表面計測位置データ(計測位置データ)を、腕部パターン48aのデータも含めて取得し(この場合においては、腕部パターン48aの体表面計測位置データが計測体位データとなる。)、腕部パターン48aに該当する部位の3次元の体表面基準位置データと比較照合し、両者の位置の差異を算定する。算定した差異が許容値を超えている場合は、計測対象とする部位(この例では腕部)の体位を、治療台の移動以外の方法、例えば曲がっている腕を伸ばすなどの方法で、体表面基準位置データ取得時の体位に近づけ、一致させる方向に補正し、再度計測、照合しながら、体位の差異を許容範囲内にもっていくことにより、より高い精度の位置決めができる。なお、データ照合手段を構成する画像処理計算機27は、体位を検出する際に計測対象となる患部周辺部以外の部位を、治療部位に応じて特定するためのデータベースを有しており、計測対象となる部位のデータ(計測体位データ等)を取得する部位選定を短時間で適性に行えるよう構成されている。
このようにして患部2aの位置決めの前に、通常は患部位置決めに使わなかった患部周辺部以外の部位の体表面特徴領域(体表面特徴パターンを含む領域)を用い体位補正をする。患部位置に直接関係のない部位まで3次元計測を用いて基準位置を定めることで、患者の体位全体の再現性が高まり、従来の方法におけるマーカや、局所的な情報のみに制限された場合に比べて、手足や首の傾きなど体位全体の再現性が改善され、位置決めが集束するまでの時間が短縮できると共に位置決めの再現性向上の効果が得られる。また、これらの体位に関する照合において、3次元データを用いることで、照合時間の短縮化が可能となる。
実施の形態3.
上述の実施の形態1では、図16の位置決めのフローに従って説明を行い、ステップ4のリハーサル時に基準位置画像(体表面基準位置データ)を取得する例を示したが、図7のフローに示すように、ステップ2の治療計画CT画像取得時に、基準位置画像のデータである体表面基準位置データを取得することもできる。その場合は治療計画より下流の全てのステップにおいて、治療計画時の体表面基準位置データに合わせることができるため、再現性の点でより望ましい。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について説明する。上述の実施の形態1では2次元画像データは特徴領域を抽出するためにのみ使用しており、体表面計測位置データと体表面基準位置データの照合については3次元位置データのみを使用していた。これに代わる別の方法として、2次元画像データにおける、体表面上の色や輝度などの2次元画像的特徴に関わる情報を照合に用いることができる。2次元画像的特徴としては、例えばホクロやアザあるいは体輪郭の2次元画像的情報などがある。あるいは、事前に体表面にマーカを取り付けておく方法もある。非常に大雑把に考えると、人間の体幹は円柱として捉えることができる。円柱においては、端部以外には体軸方向の3次元的な特徴が全くないため、3次元体表面情報だけでは、この方向における位置決めはできない。人間の体幹は全くの円柱ではないため、体表面の微妙な曲面などを使えば体軸方向の位置決めも可能であるが、2次元画像的な情報と併用することで、計算の収束性が改善され、計算時間を短縮することと、位置決め精度を向上させることが可能となる。
実施の形態5.
以下に、この発明の実施の形態5を図8及び図9に基づいて説明する。図8は、パターン光源11及びビデオカメラ14を含む2次元及び3次元光計測装置を搭載した放射線あるいは粒子線で治療する前の断層撮影及び治療計画に用いるCT装置(ガントリ)39の機器配置図である。CT装置39は、粒子線治療装置のように実際の治療を行う装置ではないため照射のステップは含まず、検査時の断層撮影や、治療計画のために用いられる装置であり、複数回にわたって撮像を繰り返す場合には、患者の位置決めの再現性が必要となるものである。図9は、CT装置39で撮影した断層像と、3次元光計測装置で患者の体表面を計測し、位置データを取得、基準位置データと比較照合し、患者を照射可能な位置に設定し、治療計画を実施して線量分布を求めた結果を示す説明図である。図8において、9aはCT用X線管、9bはX線検出器(CT用)、43はCT画像の体幹中心、44aは、照射野中心を垂直方向に投影した照射野中心体表面投影点(V)、44bは、照射野中心を水平方向に投影した照射野中心体表面投影点(H)である。また、41は患者の移動架台、41aは移動架台天板をそれぞれ示している。
次に動作について説明する。断層撮影時及び治療計画時に、図8に示した2次元及び3次元光計測装置を用いて患者の体表面を計測し、体表面の位置データを取得する。取得した3次元位置データを体表面基準位置データとし、治療計画中に取得した3次元位置データを常に体表面基準位置データと比較照合し、患者位置姿勢を所定の位置及び姿勢に保つようにしている。2次元画像データ及び3次元位置データの計測及び照合の動作に関しては、実施の形態1の動作と同じである。このCT装置39では、初期の患者位置のデータを体表面基準位置データとし、次回に初期の患者位置を再現し、検査を行う場合の位置決め時に取る位置データを、体表面計測位置データとして、画像処理計算機27側に取り込み、両データを比較照合して差異を算出し、調整量を求めた上で調整し、位置決めを行う。
図9の(A)、(B)、及び(C)はCT装置39による患部を含むの横断断層像、体軸水平断層像及び体軸垂直断層像である。輪郭と中心位置を確定した後、患部を所定の位置及び方向に動かす手順で調整が行われる。(D)は2次元及び3次元光計測装置を用いて計測した体表面の3次元位置データである体表面計測位置データと体表面基準位置データとを比較照合し、基準位置(基準体位2e)に動かす前の体表面を示す図である。(E)は2次元及び3次元光計測装置を用いて計測した体表面の3次元位置データである体表面計測位置データと、体表面基準位置データとを比較照合し、患者を基準位置に設定し、治療計画CT装置で線量分布を計算した結果を示す図であり、符号6aは、照射野における等線量分布図を示している。
このようにして、粒子線治療時の必要な患者位置決めに必要な情報は、治療計画装置のモニタ画面上で設定することができる。以上により、粒子線治療を受ける患者の断層撮影及び治療計画の位置決めが、高い位置精度ででき、同時にCT画像による診断及び治療計画時の患者の位置をモニタすることができ、また患者の位置を所定の位置に保持する制御も容易に行うことができる。なお、図8(F)は、患者の体表面に複数の患部位置表示マーカ50a〜50d、50fを付置した従来方式を示す図である。
実施の形態6.
以下に、この発明の実施の形態6を図10に基づいて説明する。図10は、2次元及び3次元光計測装置を患者の位置決めの計測手段とした搭載したX線シミュレータ40の機器構成図で、X線シミュレータ40は、放射線あるいは粒子線で治療する前段階で、治療計画結果に基づき、治療を模擬した照射野の位置、方向、大きさ、形状及び照射方向の確認を行う装置である。2次元及び3次元光計測装置で患者の体表面を計測し、2次元画像データ及び3次元位置データを取得し、3次元の体表面基準位置データと比較照合し、患者を照射可能な位置に設定する患者位置決めは、実施の形態1と同様に行う。
図10において、5cはアイソセンタ(SM)、9dはディジタルラジオグラフィ用のX線検出器(SM)、40aはX線多葉コリメータ、41bは移動架台41の支持脚、41cは移動架台天板をそれぞれ示している。
次に動作について説明する。図10において、シミュレーション時にパターン光源11から放射されたパターン光は、患者2の体表面に照射され、患者体表面からの反射光をビデオカメラ14で計測し、2次元画像データおよび3次元位置データを取得する。取得された3次元の体表面計測位置データと体表面基準位置データとの比較照合の仕方は、実施の形態1と同様である。比較照合結果を用いて、患者2への治療照射をX線でシミュレーションできる位置及び姿勢に、患者2を、移動架台41を使って移動させる。図11の(A)は、走査パターン光照射野13b内のビデオカメラ14に写し出された2次元画像データに基づき、体輪郭2d及び体表面の特徴パターン46、47及び48を抽出した映像である。
図11の(B)は、(A)で取得された3次元位置データの内、特徴パターン46、47に対応した位置データ(体表面基準位置データと体表面計測位置データ)を比較照合し、患者2をX線シミュレーションできる位置及び姿勢に移動架台41を使って移動した時の体表面形状(体輪郭2d、体表面の特徴パターン46、47、48等)を表した説明図である。図11の(C)は、患者2を基準位置に設定した状態でX線シミュレーションを実施した患者の患部とその周辺の横断像である。42bはX線シミュレーション時に、患者が基準位置にある状態で、必要な照射野にX線を絞って2重照射したときの2重照射X線照射野を示している。また、図において、符号42aはX線照射野を示している。
このようにして治療に必要な照射野の位置、形状、大きさ、方向が確認でき、並行して患者2の位置及び姿勢データの取得及び確認が可能となる。以上の操作は、患者2の位置決めを、位置マーカを使わずモニタ画面のみで確認しつつ実施することができる。以上により、粒子線治療を受ける患者のX線シミュレーション時の位置決めも、無侵襲で高精度に行うことができる。
実施の形態7.
なお、上述の実施の形態1では、3次元光計測装置のパターン光源11とビデオカメラ14とを一体にして、回転する照射ヘッド1に装着し、照射ヘッド1の回転角度とは独立にパターン光源11とビデオカメラ14との間隔は一定として患者2の体表面を測定し位置決めするようにしている。しかしパターン光源11とビデオカメラ14は、必ずしも照射ヘッド1に搭載する必要はない。例えば3次元光計測装置のパターン光源11及びビデオカメラ14を治療室の側壁部などの固定側に装着してもよい。
図12は、3次元光計測装置のパターン光源11及びビデオカメラ14を治療室の側壁部に設置した治療照射系を示す機器配置図である。なお、(A)は(B)のビデオモニタ15を取り除いて示す正面図、(B)は(A)の側面配置図、治療台3上の患者2を上方から観察した上面図である。このパターン光源11とビデオカメラ14の配置では、体表面特徴パターンは、図13に示す体表面の特徴パターン48bにとる。符号48bで示すラインは、体側から観察可能な、例えば脚の付け根部分の輪郭である。
体表面基準位置データと体表面計測位置データの3次元位置データ同士の照合方法は、実施の形態1と同様である。治療照射系は、治療台3の上の患者を、その患部の中心を照射野中心の近傍に自動的にセットすることができる。位置決め前の状態を図13(A)、位置決め時の状態を図13(B)に示す。このようにして、患者位置決めは、照射ヘッド1の回転とは独立に患者位置決めが可能となる。以上により、粒子線治療を受ける患者2の位置決めは、比較的単純な制御となり、無侵襲で高い位置精度で患者の位置決めができる上に、回転照射中の患者の姿勢保持、姿勢の確認も連続して行うことができる。
実施の形態8.
体表面基準位置データと体表面計測位置データを比較照合するデータ照合手段としては、実施の形態1で記載の方法の他に、次の方法がある。即ち、異なる位置で計測された3次元計測データの照合手段として、体表面上の複数位置の3次元位置データに関し、最も近傍に位置する位置データ同士を仮対応させ、これを一致させるため仮位置姿勢変換パラメータを求める処理を漸次行うように処理する。さらに、最終的な位置姿勢変換パラメータを得る照合手段において、仮姿勢変換パラメータで変換した後の対応点間における位置偏差が、対応点群全体の位置偏差から著しく大きいと統計的に判断される点を除去した上で再度仮姿勢変換パラメータを求め、このパラメータで治療台3及び治療台天板3aを移動回転させる。
このようにして、治療照射系は、治療台3の上の患者2を、その患部2aの中心を照射野中心の近傍に自動的にセットすることができる。実施の形態1で述べた位置決めの方法と併用することで、高精度な位置決めを高速で行えるという効果が得られる。また、全体データを用いて補正することにより、非剛性的な体位の変動があった場合でも位置決めの再現性を確保することができる。
なお、実施の形態2のように、患部の位置決めを行う前に、患部周辺部以外の部位(腕部や頭頸部等)で体位の補正を行う場合においても、この照合方法を用いることも可能であり、位置偏差の特異点を除去した上で仮姿勢変換パラメータを求めることで、患者の位置決め精度を向上させることが可能となる。
この発明の実施の形態1における粒子線治療装置の照射ヘッド、治療台及び患者を示す配置図である。 実施の形態1における粒子線治療装置の粒子線加速器、照射ヘッド、治療台、それらの制御装置及び患者を示すシステムブロック図である。 実施の形態1における粒子線治療装置の照射ヘッドに搭載されている2次元及び3次元光計測装置のシステムブロック図である。 2次元及び3次元光計測装置を用いた光計測のタイミングチャートを示す図である。 2次元及び3次元光計測装置を用いて患者の位置決めをするときの機器配置図である。 実施の形態1であって、3次元光計測装置を用いて患者体表面の特徴領域を特化し、患者の位置決めをする説明図である。 実施の形態における、放射線治療又は粒子線治療における患者の位置決め操作の流れを示すフローチャートである。 実施の形態5であって、2次元及び3次元光計測装置を搭載し放射線あるいは粒子線で治療する前の治療計画と断層撮影に用いるCT装置の機器配置図である。 実施の形態5であって、治療計画用CT装置で、患者を照射可能な位置に調整し、治療計画を実施して線量分布を求める説明図である。
実施の形態6であって、2次元及び3次元光計測装置を患者の位置決め手段として搭載したX線シミュレータの配置図である。 実施の形態6であって、2次元及び3次元光計測装置を用いて計測した体表面計測位置データと体表面基準位置データとを比較照合し、患者を基準位置に調整し、X線シミュレーションを実施する説明図である。 実施の形態7であって、2次元及び3次元光計測装置のパターン光源及ビデオカメラを治療室の側壁に設置した治療照射系の配置図である。 実施の形態7であって、3次元光計測装置を用いて計測した体表面計測位置データと体表面基準位置データとを比較照合し、患者を基準位置に調整する説明図である。 従来において、放射線治療又は粒子線治療における患者の位置決め装置の配置図である。 従来において、患者を位置決めするための説明図である。 従来において、放射線治療又は粒子線治療における患者の位置決め操作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 照射ヘッド 2 患者
2a 患部 2b 患部輪郭
2c 患部中心 2d 体表面形状(体輪郭)
2e 基準体位 3 治療台(患者支持台)
3a 治療台天板(患者支持台天板) 3b、41b 支持脚
4、4a X線検出器 5 回転駆動機構
5a 回転軸 5b アイソセンタ
5c アイソセンタ(SM) 6 粒子線
6a 等線量分布図(照射野) 7 偏向電磁石
8 散乱体 9 X線管
9a CT用X線管 9b X線検出器(CT用)
9d X線検出器(SM) 10 多葉コリメータ
11 パターン光源 11a パターン光源制御器
12a 均一パターン光(環境光) 13a 走査パターン光
13b 走査パターン光照射野 13c 反射パターン光
14 ビデオカメラ 15 ビデオモニタ
16 キーボード 17 ライトローカライザ
17a ライトローカライザ十字線 17b ライトローカライザ十字線交点
18 レーザーポインタ 20 粒子線加速器
21 ビーム輸送系 22 加速器制御装置
23 回転制御装置 24 照射ヘッド制御装置
25 治療台制御装置 26 信号処理装置
27 画像処理計算機 28 加速器制御計算機
29 照射系制御計算機 31 レーザ変調回路
32 レーザ光源 33 変調レーザ光
35 パターン光 36 スキャナミラー
37 ミラー駆動回路 38 ドライバ
39 CT装置(ガントリ) 40 X線シミュレータ
40a X線多葉コリメータ 41 移動架台
41a、41c 移動架台天板 42a X線照射野
42b 2重照射X線照射野 43 体幹中心(CT画像)
44a 照射野中心体表面投影点(V) 44b 照射野中心体表面投影点(H)
46、47,48、48b 特徴パターン 48a 腕部パターン
49a 体表面患部中心点(H) 49b 体表面患部中心点(V)
50a、50b、50c、50d、50e、50f 体表面位置マーカ

Claims (13)

  1. 計測光とカメラを用いた2次元計測および3次元計測により、患者支持台上の患者の体表面から反射された反射光を計測し、位置データとなる2次元画像データおよび3次元位置データを得る体表面形状計測手段、上記体表面形状計測手段であらかじめ得た上記患者の体表面基準位置データと、計測時に上記体表面形状計測手段によって得た上記患者の体表面計測位置データとを比較照合して差異を算出するデータ照合手段、上記データ照合手段の出力情報を入力し、上記差異が許容範囲内となる方向に上記患者支持台を移動させて位置決めを行う位置調整手段を備えた位置決め装置。
  2. 上記体表面形状計測手段は、上記2次元画像データを取得するための上記計測光として均一パターン光を用い、上記3次元位置データを取得するための上記計測光としてパターン状の光を用いることを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
  3. 上記2次元画像データを、患者体表面の特徴部分の抽出に用い、上記特徴部分に該当する上記3次元位置データを、上記データ照合手段における比較照合に用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位置決め装置。
  4. 上記データ照合手段は、上記3次元位置データに加え、上記2次元画像データからの属性(色、輝度等)に関するデータを比較照合のために用いることを特徴とする請求項1または請求項3記載の位置決め装置。
  5. 上記データ照合手段に画像処理計算機を設け、上記画像処理計算機は、上記体表面基準位置データと上記体表面計測位置データとの差異が許容範囲になるように、上記患者支持台の位置および角度を調整する調整量を算出することを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
  6. 上記画像処理計算機において算出した、上記患者支持台の上記調整量を、上記患者支持台の近傍に設置された表示画面に表示することを特徴とする請求項5記載の位置決め装置。
  7. 上記表示画面に表示された上記調整量に基づき、操作員の操作により上記患者支持台を自動的に移動させることを特徴とする請求項6記載の位置決め装置。
  8. 上記データ照合手段は、上記体表面基準位置データと上記体表面計測位置データにおける対応する複数位置の3次元位置データに関し、最も近傍に位置する位置データ同士を仮対応させ、これを一致させるため仮位置姿勢変換パラメータを求める処理を漸次行うことにより、最終的な位置姿勢変換パラメータを得るものであることを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4のいずれか一項記載の位置決め装置。
  9. 上記データ照合手段は、上記体表面基準位置データと上記体表面計測位置データにおける対応する複数位置の3次元位置データに関し、最も近傍に位置する位置データ同士を仮対応させ、これを一致させるため仮位置姿勢変換パラメータを求め、上記仮姿勢変換パラメータで変換した後の対応点間における位置偏差が、対応点群全体の位置偏差から著しく大きいと統計的に判断される特異点を除去した上で、再度仮姿勢変換パラメータを求めることにより、最終的な位置姿勢変換パラメータを得るものであることを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4のいずれか一項記載の位置決め装置。
  10. 上記体表面形状計測手段を用いて、患者の患部周辺部以外の部位における体位状態(体幹ねじれ、手足の屈伸、頭頸部傾き等)を計測し、計測体位データを得、上記データ照合手段において、上記計測体位データと、それに該当する部位の上記体表面基準位置データとを比較照合して、差異を求めることを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
  11. 上記データ照合手段に画像処理計算機を設け、上記画像処理計算機は、上記計測体位データと、それに該当する部位の上記体表面基準位置データとの差異に基づき、その差異を許容範囲にすることを目的として同部位の調整量を算出することを特徴とする請求項10記載の位置決め装置。
  12. 上記データ照合手段は、上記計測体位データの計測対象となる患部周辺部以外の部位を、治療部位に応じて特定するためのデータベースを有することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の位置決め装置。
  13. 上記データ照合手段は、上記計測体位データと、これに対応する部位の上記体表面基準位置データにおける対応する複数位置の3次元位置データに関し、最も近傍に位置する位置データ同士を仮対応させ、これを一致させるため仮位置姿勢変換パラメータを求め、上記仮姿勢変換パラメータで変換した後の対応点間における位置偏差が、対応点群全体の位置偏差から著しく大きいと統計的に判断される特異点を除去した上で、再度仮姿勢変換パラメータを求めることにより、最終的な位置姿勢変換パラメータを得るものであることを特徴とする請求項10記載の位置決め装置。
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