JPH11196491A - スピーカ磁気回路 - Google Patents

スピーカ磁気回路

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JPH11196491A
JPH11196491A JP36032097A JP36032097A JPH11196491A JP H11196491 A JPH11196491 A JP H11196491A JP 36032097 A JP36032097 A JP 36032097A JP 36032097 A JP36032097 A JP 36032097A JP H11196491 A JPH11196491 A JP H11196491A
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JP
Japan
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magnetic
magnet
height
yoke
outer diameter
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Application number
JP36032097A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Araki
健 荒木
Shoji Murakami
省自 村上
Toshihisa Honda
俊久 本多
Kozo Hara
宏造 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH11196491A publication Critical patent/JPH11196491A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響歪みが小さく空隙磁束密度の大きなスピ
ーカ磁気回路を提供することを目的とする。 【解決手段】 ラジアル方向に着磁された環状磁石3、
および磁石から発生した直流磁束を振動板に直結したボ
イスコイルに導くための導磁部とを備えたスピーカ磁気
回路において、環状磁石3の内側にセンターポール1、
外側にヨーク2が密着して設けられ、センターポール1
及び環状主磁石3と離間しかつヨークと接して防磁カバ
ー11が設置され、センターポールと防磁カバーとの間
には高さ方向に着磁された第2の円柱磁石3’が、その
上面の磁極が環状磁石3の内側面の磁極と同じになる向
き設置され、センターポール1とヨーク2の上面は環状
磁石3よりも上方に長く突き出ており、センターポール
1上部外周面とヨーク2上部内周面に磁極6が形成され
て両面の間の空隙にボイスコイル5が設置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、振動板に直結さ
れたボイスコイル、ラジアル方向に着磁された環状磁
石、および磁石から発生した直流磁束をボイスコイルに
導くための導磁部(プレート、センターポール、ヨーク
などの軟磁性部材)とを備え、直流磁界中のボイスコイ
ルに電流が流れると生じるローレンツ力を利用して振動
板を駆動することにより、電気信号を音響に変換するス
ピーカ磁気回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図30にラジアル方向に着磁された磁石
を用いた従来のスピーカ磁気回路について示す。導磁部
は回路中央に設置されたセンターポール101とその外
側に設置されたヨーク102から構成される。ラジアル
方向に着磁された環状磁石103はセンターポール10
1上部外側面に嵌合されており、リング磁石103の外
側面とヨーク102上部内側面とに磁極106が形成さ
れ、両面の間の空隙にボイスコイル105が設置され
る。振動板108はボビン107を介してボイスコイル
105と接続されており、これらはダンパー109(図
30では図示せず)によって支持される。
【0003】また、図31に、例えば特開昭64ー49
500号公報に記載された、ラジアル方向に着磁された
磁石を用いた従来のスピーカ磁気回路の別の例を示す。
導磁部は回路中央に設置されたセンターポール101と
その周囲に設置されたヨーク102から構成される。ラ
ジアル方向に着磁された環状磁石103はヨーク2上部
内側面に嵌合されており、環状磁石103の内側面とセ
ンターポール101上部外側面とに磁極106が形成さ
れ、両面の間の空隙にボイスコイル105が設置され
る。振動板108はボビン106を介してボイスコイル
105と接続されている。
【0004】図32、33には、ラジアル方向に着磁さ
れた磁石を用いた従来のスピーカ磁気回路のまた別の例
を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ラジアル方向に着磁さ
れた環状磁石を主磁石として用いている従来のスピーカ
磁気回路は一般的に上記のごとく構成されおり、いずれ
の場合も磁石は磁極部に設置されていた。このため、磁
石はボイスコイルで発生する交流磁界の影響を直接受
け、磁石内部の直流磁束密度が大きく変動してボイスコ
イルの駆動歪みが大きくなる問題があった。
【0006】また、高出力型のスピーカには、磁極部の
空隙磁束密度が高いことが要求さる。しかし、従来で
は、ラジアル着磁環状磁石の内側面、あるいは外側面が
磁極面であるため、磁石の形状寸法は磁極部の仕様によ
って制約される。このため、確保できる磁石体積には限
界があり、空隙磁束密度を容易に増加できないという問
題があった。
【0007】本発明では、上記の問題を解決するために
なされたもので、ラジアル方向に着磁した磁石を主磁石
として用いる磁気回路において、磁石を磁極部以外の場
所に設けることで、駆動歪みを低減し、さらに空隙磁束
密度の増大を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るスピーカ磁気回路は、ラジアル方向に着磁され、セン
ターポールの外周に接して設けられた環状磁石と、該環
状磁石の外周に接して設けられたヨークとを備え、前記
ヨークの内側面の一部と前記センターポールの外側面の
一部とに磁極が形成され、両磁極間にボイスコイルが挿
入されて構成されるものである。
【0009】この発明の請求項2に係るスピーカ磁気回
路は、請求項1において、環状磁石の高さが、センター
ポール外周部磁極面の高さとヨーク内周部磁極面の高さ
のいずれよりも大きいことを規定したものである。
【0010】この発明の請求項3に係るスピーカ磁気回
路は、請求項1または2において、ヨーク及び環状磁石
と離間して設置された、少なくとも軟磁性部材を含む部
材から構成された防磁カバーを備えたものである。
【0011】この発明の請求項4に係るスピーカ磁気回
路は、請求項1または2において、センターポール及び
環状磁石と離間し、かつヨークと接して設置された、少
なくとも軟磁性部材を含む部材から構成された防磁カバ
ーを備えたものである。
【0012】この発明の請求項5に係るスピーカ磁気回
路は、請求項3または4において、防磁カバーとセンタ
ーポールあるいは防磁カバーとヨークとの間であって、
閉磁路が形成されない位置に、環状磁石とは反発力が働
く向きに第2の磁石をさらに備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下に、この発明
の一実施の形態を図に基づいて説明する。図1はこの発
明の一実施の形態によるスピーカ磁気回路の構成を示し
た縦断面図である。図において、センターポール1(上
部外径:30mm,上部段高さ:8mm,下部外径:32mm,下
部段高さ:8mm,全体の高さ:32mm)の下部外側面に密
着して、ラジアル方向に着磁された環状磁石3(外径:
48mm,内径:32mm,高さ:8mm)が設置され、環状磁石
3の外側にヨーク2(外径:54mm,上部内径:32mm,上
部段高さ:8mm,下部内径:48mm,全体の高さ:32mm)
がその下部内側面を密着させて設けられている。導磁部
の材質は例えば炭素鋼であり、磁石3の材質は例えばNd
-Fe-B系合金である。センターポール1上部外側面とヨ
ーク2内側面に磁極6が形成され、両面間の磁気空隙に
ボイスコイル5(内径:30.8mm、長さ:5mm)が設置さ
れている。振動板8はボビン7でボイスコイル5に連結
されており、これらはヨーク2の上方3mmに位置するダ
ンパー9によって支持されている。
【0014】図2に、ボイスコイルの駆動2次歪みを調
べた結果を示す。ここで、従来例1とは、図33に相当
し、図33の磁気回路の外形寸法、磁石の形状寸法・材
質を本実施の形態と同じとする。すなわちセンターポー
ル101の外径:32mm,同上部段高さ:8mm,同下部外
径:48mm,同下部段高さ:8mm,同全体の高さ:32mm、
ヨーク102の外径:54mm,同内径:48mm,同高さ:32
mm、環状磁石103の外径:48mm,同内径:32mm,同高
さ:8mm、ボイスコイル105の内径:30.8mm、同長
さ:5mmとする。本実施の形態では、磁石3を磁極部5
に配置していないため、従来よりもボイスコイルによる
交流磁界の直接的な影響を受けにくい。このため、磁石
内部の直流磁束密度の変動が従来より小さくなり、図2
に示すように2次歪みが従来よりも小さくなる。センタ
ーポール外周部やヨーク内周部に非磁性導電体リングを
併用すれば歪みはさらに小さくなる。また、本実施の形
態では磁石がボイスコイルから離れているため、コイル
も発熱の影響を直接受けずに済み、特にNd-Fe-B系合金
磁石で問題となる熱減磁を避けることができる利点も有
する。
【0015】また、スピーカの高出力化のためにより大
きな空隙磁束密度が要求される場合、磁束の発生源であ
る磁石の体積を増す必要があるが、仮に磁石の高さを増
すとすれば、従来では図33より明らかなように、ヨー
ク上部に設置されたダンパーが妨げとなるため、ほとん
ど高さを増すことができない。ボビンを長くしてダンパ
ーの取り付け位置をさらに上方に移動させれば、その分
さらに磁石の高さを増すことが可能ではあるが、ボビン
を長くすることによるローリング発生の恐れがあり、好
ましくない。このように、磁極部分は種々の要因によっ
てその寸法が制約されるため、磁極部分に磁石を配設し
た従来型では磁石の寸法が制約される。これに対して本
発明では、図1に示すように磁石は磁気回路の下部に位
置し、さらに下方には妨げとなるものがないため、磁石
の高さを磁気回路下方へ向けて支障なく増やすことがで
きる。例えば、本実施の形態の磁石高さを8→12→16mm
などとと増すことができる(この際、ヨークとセンター
ポールの高さも合わせて増やされる)。図3に磁石の高
さと空隙磁束密度との関係を示すが、本願発明では、空
隙磁束密度を従来よりも高めることができる。従来型で
は磁石の高さは磁極部の高さに等しいため、本発明の磁
石の高さを少なくとも磁極部の高さよりも大きくするこ
とで、確実に従来よりも高い空隙磁束密度を得ることが
できる。なお、磁石3はフェライト磁石に限らず、金属
磁石や希土類系磁石、あるいは、樹脂やゴムを含んだ複
合磁石などを用いることができる。
【0016】実施の形態2.以下に、この発明の他の実
施の形態を図に基づいて説明する。図4はこの発明の他
の実施の形態によるスピーカ磁気回路の構成を示した縦
断面図である。図において、センターポール1(上部外
径:40mm,上部段高さ:8mm,下部外径:24mm,全体の
高さ:32mm)の下部外側面に密着して、ラジアル方向に
着磁された環状磁石3(外径:40mm,内径:24mm,高
さ:8mm)が設置され、環状磁石3の外側にヨーク2
(外径:54mm,上部内径:48mm,下部内径:40mm,下部
段高さ:8mm,全体の高さ:24mm)がその下部内側面を
密着させて設けられている。ヨーク2の上部には環状の
トップレート4(外径:54mm,内径42mm,高さ8mm)が
設置されている。導磁部の材質は例えば炭素鋼であり、
磁石3の材質は例えばNd-Fe-B系合金である。センター
ポール1上部外側面とトップレート4内側面に磁極6が
形成され、両面間の磁気空隙にボイスコイル5(内径:
40.8mm、長さ:5mm)が設置されている。
【0017】図5に、ボイスコイルの駆動2次歪みを調
べた結果を示す。ここで、従来例2とは、図32に相当
し、図32の磁気回路の外形寸法、磁石の形状寸法・材
質を本実施の形態と同じとする。すなわち、センターポ
ール101の外径:24mm,同高さ:32mm、ヨーク102
の外径:54mm,同上部内径:48mm,同下部内径:24mm,
同下部段高さ:8mm,同全体の高さ:24mm、環状磁石1
03の外径:40mm,同内径:24mm,同高さ:8mm、トッ
ププレート104の外径:54mm,同内径42mm,同高さ8m
m、ボイスコイル105の内径:40.8mm、同長さ:5mmと
する。この発明の磁気回路は、磁極部に磁石を配設しな
い構造となっているため、従来よりもボイスコイルによ
る交流磁界の直接的な影響を受けにくい。このため、磁
石内部の直流磁束密度の変動が従来より小さくなり、図
5に示すように2次歪みが従来よりも小さくなる。セン
ターポール外周部やヨーク内周部に非磁性導電体リング
を併用すれば歪みはさらに小さくなる。また、本実施の
形態では磁石がボイスコイルから離れているため、コイ
ルも発熱の影響を直接受けずに済み、特にNd-Fe-B系合
金磁石で問題となる熱減磁を避けることができる利点も
有する。
【0018】さらに、本実施の形態では、従来のように
磁石の寸法が磁極部の寸法に束縛されることはないの
で、磁石の高さを自由に設定することができる。例え
ば、本実施の形態の磁石の高さを8→12→16mmなどとと
増すことができる(この際、ヨークとセンターポールの
高さも合わせて増加される)。図6に磁石の高さと空隙
磁束密度との関係を示すが、本願発明では空隙磁束密度
を従来よりも高めることができる。従来型では磁石の高
さは磁極部の高さに等しいため、本発明の磁石の高さを
少なくとも磁極部の高さよりも大きくすることで、確実
に従来よりも高い空隙磁束密度を得ることができる。な
お、磁石3はフェライト磁石に限らず、金属磁石や希土
類系磁石、あるいは、樹脂やゴムを含んだ複合磁石など
を用いることができる。
【0019】実施の形態3.以下に、この発明のさらに
他の実施の形態を図に基づいて説明する。図7はこの発
明のさらに他の実施の形態によるスピーカ磁気回路の構
成を示した縦断面図である。図のように、振動板がドー
ム型である場合、振動板の外径は磁気回路の外径よりも
小さい。換言すれば、磁気回路の外径がスピーカの外径
を決める。スピーカの小型化の観点からすれば、磁気回
路の外径はできる限り小さいことが望まれる。一方、磁
気回路の外径を小さくするとボイスコイル部分の空隙磁
束密度が低下する問題がある。たとえば外径11mmのドー
ム型振動板を用いて磁気回路を構成する際、小型化のた
め、磁気回路の外径がたとえば24mmに制約される場合が
ある。従来の外磁型や内磁型では、この磁気回路外径で
は、仮に磁石の体積を増しても空隙磁束密度がほとんど
上がらない問題を抱えている。本発明では、この問題を
解決して空隙磁束密度の向上を図るものである。本発明
の構成は次の通りで、センターポール1(上部外径:10
mm,上部段高さ:4mm,下部外径:8mm,全体の高さ:19
〜29mm)の下部外側面に密着して、ラジアル方向に着磁
された環状磁石3(外径:17.5mm,内径:8mm,高さ:1
1〜21mm)が設置され、環状磁石3の外側にヨーク2
(外径:24mm,上部内径:21mm,下部内径:17.5mm,下
部段高さ:10〜20mm,全体の高さ:15〜25mm)がその下
部内側面を密着させて設けられている。ヨーク2の上部
には環状のトップレート4(外径:24mm,内径12mm,高
さ4mm)が設置されている。導磁部の材質は例えば炭素
鋼であり、磁石3は例えばNd-Fe-B系磁石である。セン
ターポール1上部外側面とトップレート4内側面に磁極
6が形成され、両面間の磁気空隙にボイスコイル5(内
径:10.7mm、長さ:3mm)が設置されている。ドーム型
の振動板8(外径:11mm)はボビン7を介してボイスコ
イル5と接続されている。
【0020】比較のため、図8(a)に従来の代表的な外
磁型磁気回路を示す。振動板として、上記実施の形態と
同じ外径11mmのドーム型を用いることとし、磁気回路の
外径も同じく24mmとする。また、導磁部や磁石の材質、
磁極部分の形状寸法も本発明と同じ仕様を用いる。構成
の詳細は次の通りで、円板状のボトムプレート10(外
径:22mm,高さ:5mm)の上面にセンターポール1(上
部外径:10mm,上部段高さ:4mm,下部外径:8mm,全体
の高さ:15〜25mm)と高さ方向に着磁された環状磁石3
(外径:24mm,内径:14mm,高さ:11〜21mm)が同心に
取付られ、磁石3の上部には環状のトッププレート4
(外径:22mm,内径12mm,高さ4mm)が設置されてい
る。センターポール1上部外側面とトップレート4内側
面に磁極6が形成され、両面間の磁気空隙にボイスコイ
ル5(内径:10.7mm、長さ:3mm)が設置されている。
ドーム型の振動板8(外径:11mm)はボビン7を介して
ボイスコイル5と接続されている。
【0021】さらに比較のため、図8(b)に従来の代表
的な内磁型磁気回路を示す。振動板として、上記実施の
形態と同じ外径11mmのドーム型を用いることとし、磁気
回路の外径も同じく24mmとする。また、導磁部や磁石の
材質、磁極部分の形状寸法やヨークの内外径も本発明と
同じ仕様を用いる。構成の詳細は次の通りで、断面U字
形状のヨーク2(外径:24mm,内径:21mm,底部肉厚:
5mm,高さ:24〜34mm)の上面中央に円柱状磁石3(外
径:16mm,高さ:11〜21mm)が取付られ、磁石3の上部
にはセンターポール1(上部外径:10mm,上部段高さ:
4mm,中部外径:8mm,下部外径:16mm,全体の高さ:12
mm)が設置されている。ヨーク2の上部には環状のトッ
ププレート4(外径:24mm,内径12mm,高さ4mm)が設
置されている。センターポール1上部外側面とトップレ
ート4内側面に磁極6が形成され、両面間の磁気空隙に
ボイスコイル5(内径:10.7mm、長さ:3mm)が設置さ
れている。ドーム型の振動板8(外径:11mm)はボビン
7を介してボイスコイル5と接続されている。
【0022】図9に本発明の磁気回路(実施の形態3)
と、従来の外磁型(従来例3A)、内磁型磁気回路(3
B)における空隙磁束密度を示す。図9の実施の形態3
−1と従来例3A-1、従来例3B-1を比較してわかる
ように、本発明では、磁石の体積が他の従来型よりも小
さいにもかかわらず、空隙磁束密度の値が最も大きい。
このことは、本発明の磁石の磁気利用効率が、他の従来
型の磁気回路よりも高いことを示している。また、図9
の実施の形態3-1、3−2、3-3、従来例3A-1、
3A−2、3A-3、従来例3B-1、3B−2、3B-
3では、それぞれ磁石の高さを11→16→21mmと増してい
るが、磁石高さの増加に対して2つの従来型では空隙磁
束密度がほとんど増加しないのに対し、本発明では磁石
高さの増加に対する空隙磁束密度の増加の割合が極めて
大きい。
【0023】図10には、振動板の口径が例えば30mmで
磁気回路の外径がたとえば44mmに制約される場合(実施
の形態3-4〜3-6、従来例3A-4〜3A-6、従来例
3B-4〜3B-6)、さらには、振動板の口径が例えば
80mmで磁気回路の外径がたとえば92mmに制約される場合
(実施の形態3-7〜3-9、従来例3A-7〜3A-9、
従来例3B-7〜3B-9)についても併せて示した。こ
れらの場合についても前述と同様に、本発明では、磁石
の体積が他の従来型よりも小さいにもかかわらず、空隙
磁束密度の値が最も大きく、また、磁石高さの増加に対
する空隙磁束密度の増加の割合が従来型よりも極めて大
きい。このように、磁気回路の外径が小さく制約されて
いる場合、本発明は従来の内磁型や外磁型よりも高い空
隙磁束密度が得られる。換言すれば、同じ空隙磁束密度
ならば、本発明の方が磁気回路の外径を小さくすること
ができる。
【0024】なお、図9、10中に示した各実施の形
態、従来例における各部品の寸法は以下の通りである。 実施の形態3-4〜3-6 センターポール1;上部外径:29mm,上部段高さ:4mm,下部外径:24mm, 全体の高さ:24〜34mm 磁石3 ;外径:36mm,内径:24mm,高さ:16〜26mm ヨーク2 ;外径:44mm,上部内径:37mm,下部内径:36mm, 下部段高さ:15〜25mm,全体の高さ:20〜30mm トップレート4 ;外径:44mm,内径31mm,高さ4mm ボイスコイル5 ;内径:29.7mm,長さ:3mm 振動板8 ;外径:30mm 導磁部の材質は例えば炭素鋼、磁石は例えばNd-Fe-B系磁石。 従来例3A-4〜3A-6(図8(a)) ボトムプレート10;外径:42mm,高さ:5mm センターポール1 ;上部外径:29mm,上部段高さ:4mm, 下部外径:24mm,全体の高さ:20〜30mm 磁石3 ;外径:44mm,内径:33mm,高さ:16〜26mm トッププレート4 ;外径:42mm,内径:31mm,高さ:4mm ボイスコイル5 ;内径:29.7mm、長さ:3mm 振動板8 ;外径:30mm 導磁部の材質は例えば炭素鋼、磁石は例えばNd-Fe-B系磁石。 従来例3B-4〜3B-6(図8(b)) ヨーク2 ;外径:44mm,内径:37mm,底部肉厚:5mm,高さ:29〜39mm 磁石3 ;外径:28mm,高さ:16〜26mm センターポール1;上部外径:29mm,上部段高さ:4mm,中部外径:24mm, 下部外径:28mm,全体の高さ:12mm トッププレート4;外径:44mm,内径31mm,高さ4mm ボイスコイル5 ;内径:29.7mm、長さ:3mm 振動板8 ;外径:30mm 導磁部の材質は例えば炭素鋼、磁石は例えばNd-Fe-B系磁石。 実施の形態3-7〜3-9 センターポール1;上部外径:79mm,上部段高さ:4mm,下部外径:45mm, 全体の高さ:53〜73mm 磁石3 ;外径:59mm,内径:45mm,高さ:45〜65mm ヨーク2 ;外径:92mm,上部内径:83mm,下部内径:59mm, 下部段高さ:44〜64mm,全体の高さ:49〜69mm トップレート4 ;外径:92mm,内径81mm,高さ4mm ボイスコイル5 ;内径:79.7mm、長さ:3mm 振動板8 ;外径:80mm 導磁部の材質は例えば炭素鋼、磁石は例えばNd-Fe-B系磁石。 従来例3A-7〜3A-9(図8(a)) ボトムプレート10;外径:90mm,高さ:5mm センターポール1 ;上部外径:79mm,上部段高さ:4mm, 下部外径:45mm,全体の高さ:49〜69mm 磁石3 ;外径:92mm,内径:83mm,高さ:45〜65mm トッププレート4 ;外径:90mm,内径81mm,高さ4mm ボイスコイル5 ;内径:79.7mm、長さ:3mm 振動板8 ;外径:80mm 導磁部の材質は例えば炭素鋼、磁石は例えばNd-Fe-B系磁石。 従来例3B-7〜3B-9(図8(b)) ヨーク2 ;外径:92mm,内径:83mm,底部肉厚:5mm,高さ:58〜78mm 磁石3 ;外径:63.5mm,高さ:45〜65mm センターポール1;上部外径:79mm,上部段高さ:4mm,中部外径:45mm, 下部外径:63.5mm,全体の高さ:12mm トッププレート4;外径:92mm,内径81mm,高さ4mm ボイスコイル5 ;内径:79.7mm、長さ:3mm 振動板8 ;外径:80mm 導磁部の材質は例えば炭素鋼、磁石は例えばNd-Fe-B系
磁石。なお、磁石はNd-Fe-B系磁石に限らず、他の希土
類系磁石や金属磁石やフェライト磁石、あるいは、樹脂
やゴムを含んだ複合磁石などを用いることができる。
【0025】実施の形態4.以下に、この発明の一実施
の形態を図に基づいて説明する。図11はこの発明の一
実施の形態によるスピーカ磁気回路の構成を示した縦断
面図である。図において、センターポール1(上部外
径:36mm,上部段高さ:6mm,下部外径:24mm,全体の
高さ:30mm)の下部外側面に密着して、ラジアル方向に
着磁された環状磁石3(外径:40mm,内径:24mm,高
さ:16mm)が設置され、環状磁石3の外側にヨーク2
(外径:46mm,上部内径:37.8mm,上部段高さ:6mm,
下部内径:40mm,全体の高さ:30mm)がその下部内側面
を密着させて設けられている。導磁部の材質は例えば炭
素鋼であり、磁石3の材質は例えばNd-Fe-B系合金であ
る。センターポール1上部外側面とヨーク2上部内側面
に磁極6が形成され、両面間の磁気空隙にボイスコイル
5(内径:36.7mm、長さ:3mm)が設置されている。そ
して、磁気回路の下方6mmの位置に円板状の防磁カバー
11(外径46mm、高さ3mm)が、ヨーク2及び環状磁石
3とは離間されて、非磁性材の連結部材12により取り
付けられている。防磁カバー11はたとえば軟鋼であ
り、連結部材12はたとえば樹脂である。連結部材12
が非磁性材のため、防磁カバー11はヨーク2及び環状
磁石3と磁気的にも離間されている。
【0026】また、図12では、導磁部と磁石、ボイス
コイルからなる磁気回路の主要部は図11と同じとし、
磁気回路の下方6mmの位置に断面U字形状の防磁カバー1
1(外径:58mm,内径:52mm,底部肉厚:3mm,高さ:2
4mm)が連結部材12により取り付けられている例を示
す。防磁カバー11はたとえば軟鋼であり、連結部材1
2はたとえば樹脂である。
【0027】また、図13では、導磁部と磁石、ボイス
コイルからなる磁気回路の主要部は図11と同じとし、
磁気回路の下方6mmの位置に断面凸形状の防磁カバー1
1(外径:46mm,凸部外径:24mm,凸部高さ6mm、全体
高さ:9mm)が連結部材12により取り付けられている
例を示す。防磁カバー11はたとえば軟鋼であり、連結
部材12はたとえば樹脂である。
【0028】さらに、図14では、導磁部と磁石、ボイ
スコイルからなる磁気回路の主要部は図11と同じと
し、磁気回路の下方6mmの位置に断面U字形状で中央に凸
部を有した防磁カバー11(外径:58mm,内径:52mm,
凸部外径:24mm,凸部高さ6mm、底部肉厚:3mm,全体高
さ:24mm)が連結部材12により取り付けられている例
を示す。防磁カバー11はたとえば軟鋼であり、連結部
材12はたとえば樹脂である。なお、図13、14にお
いては、防磁カバー11はセンターポール1と磁気的に
接続しているが、ヨーク2及び環状磁石3とは非磁性材
からなる連結部材12を介しているため、磁気的に離間
されていることになる。
【0029】この発明は、磁気回路の基本構成が実施の
形態1と同じであるため、実施の形態1と同様の効果を
有する。また、図15には、漏洩磁束密度を示すが、本
発明の実施の形態4−1〜4−4(それぞれ図11〜1
4に対応)では防磁カバーが設置されているため、防磁
カバーを用いていない場合(比較例4)に比べて磁気回
路外部への漏洩磁束が少ない。ここで、漏洩磁束密度は
リング磁石の底面から下方へ10mm離れた点(A)における
磁束密度を示す。なお、防磁カバーがセンターポールと
ヨークの両方に接触すると、磁気回路の下部で閉磁路が
形成されて磁束のほとんどが下部で環流し、磁極部の空
隙磁束密度が低下するため好ましくない。
【0030】また、図13、14では、防磁カバーに凸
部が設けられているが、防磁カバーの中央部は平らと
し、センターポールを下方に伸長して防磁カバーと密着
させた構造であってもよい。また、防磁カバー11は軟
鋼に限らず、Fe-Ni合金や、Fe-Co合金、けい素鋼鈑、さ
らに、これらの磁性材を樹脂などで覆ったものや、磁性
材と非磁性材の積層部材などを用いることができる。ま
た、連結部材は樹脂に限らず、アルミや銅などの非磁性
金属や、ゴム、炭素繊維複合材料など各種非磁性部材を
用いることができる。
【0031】実施の形態5.以下に、この発明の一実施
の形態を図16に基づいて説明する。図16はこの発明
の一実施の形態によるスピーカ磁気回路の構成を示した
縦断面図である。図において、導磁部と磁石、ボイスコ
イルからなる磁気回路の主要部は図11と同じとし、ヨ
ークの下部に断面U字形状の防磁カバー11(外径:46m
m,内径:40mm,底部肉厚:3mm,全体の高さ:9mm)が
密着して設けられている。防磁カバー11はたとえば軟
鋼である。
【0032】また、図17は、導磁部と磁石、ボイスコ
イルからなる磁気回路の主要部は図11と同じとし、ヨ
ークの下部外周に断面U字形状の防磁カバー11(外
径:52mm,内径:46mm,底部肉厚:3mm,全体の高さ:1
5mm)の上部内周を密着させて設けられている例を示
す。防磁カバーとセンターポールとは6mmの間隔があけ
られている。防磁カバー11はたとえば軟鋼である。
【0033】この発明は、磁気回路の基本構成が実施の
形態1と同じであるため、実施の形態1と同様の効果を
有する。これに加え、本発明の実施の形態5−1、5−
2(それぞれ図16、17に対応)では防磁カバーが設
置されてかつ、その外縁部がヨークと密着しているた
め、磁石の下方では磁性体で囲まれた閉空間が形成され
る。この結果、図18の漏洩磁束密度測定結果に示すよ
うに、比較例5−1〜5−4に比べて磁気回路外部への
漏洩磁束がさらに少なくなる。ここで、漏洩磁束密度は
リング磁石の底面から下方へ10mm離れた点(A)と防磁カ
バーの端面中央より外側へ6mm離れた点(B)における磁束
密度を示す。なお、防磁カバーがセンターポールに接触
すると、磁気回路の下部で閉磁路が形成されて磁束のほ
とんどが下部で環流し、磁極部の空隙磁束密度が低下す
るため好ましくない。また、図16、17では、防磁カ
バーの断面がU字形状となっているが、防磁カバーは円
板とし、ヨークを下方に伸長して防磁カバーと密着させ
た構造であってもよい。また、防磁カバー11は軟鋼に
限らず、Fe-Ni合金や、Fe-Co合金、けい素鋼鈑、さら
に、これらの磁性材を樹脂などで覆ったものや、磁性材
と非磁性材の積層部材などを用いることができる。
【0034】実施の形態6.以下に、この発明の一実施
の形態を図19に基づいて説明する。図19はこの発明
の一実施の形態によるスピーカ磁気回路の構成を示した
縦断面図で、図12における磁気回路のセンターポール
と防磁カバーの間に、さらに、高さ方向に着磁された第
2の円柱磁石3’(外径:24mm,高さ:6mm)が、その
上面の磁極がセンターポールの外側に配設された第1の
磁石の内側面の磁極と同じになる向き、すなわち、第1
の磁石と反発力が働く向きに設置されている。防磁カバ
ー11はたとえば軟鋼、連結部材12はたとえば樹脂、
第2の磁石3’はたとえばフェライト磁石である。
【0035】また、図20では、図12における磁気回
路のヨークの下面と防磁カバーの間に、さらに、高さ方
向に着磁された第2の環状磁石3’(外径:46mm,内
径:40mm,高さ:6mm)が、その上面の磁極がセンター
ポールの外側に配設された第1の磁石の外側面の磁極と
同じになる向き、すなわち、第1の磁石と反発力が働く
向きに設置されている。防磁カバー11はたとえば軟
鋼、連結部材12はたとえば樹脂、第2の磁石3’はた
とえばフェライト磁石である。
【0036】また、図21では、図12における磁気回
路のヨークの外側面と防磁カバーの間に、さらに、ラジ
アル方向に着磁された第2の環状磁石3’(外径:52m
m,内径:46mm,高さ:6mm)が、その内側面の磁極がセ
ンターポールの外側に配設された第1の磁石の外側面の
磁極と同じになる向き、すなわち、第1の磁石と反発力
が働く向きに設置されている。防磁カバー11はたとえ
ば軟鋼、連結部材12はたとえば樹脂、第2の磁石3’
はたとえばフェライト磁石である。
【0037】この発明は、磁気回路の基本構成が実施の
形態4と同じであるため、実施の形態4と同様の効果を
有する。図22には空隙磁束密度を示すが、本発明では
防磁カバーの内側に第2の磁石が、第1の磁石と反発力
を生じる向きに設置されているため、実施の形態6−1
〜6−3(それぞれ図19〜21に対応)に示すよう
に、これらに第2の磁石を用いていない場合(比較例
6)に比べて、空隙磁束密度が大きい。
【0038】なお、図19では第2の磁石として円柱磁
石を用いているが、環状磁石を用いることも可能であ
る。また、防磁カバー11は軟鋼に限らず、Fe-Ni合金
や、Fe-Co合金、けい素鋼鈑、さらに、これらの磁性材
を樹脂などで覆ったものや、磁性材と非磁性材の積層部
材などを用いることができる。また、連結部材は樹脂に
限らず、アルミや銅などの非磁性金属や、ゴム、炭素繊
維複合材料など各種部材を用いることができる。さら
に、磁石3,13はフェライト磁石に限らず、金属磁石
や希土類系磁石、あるいは、樹脂やゴムを含んだ複合磁
石でもよい。
【0039】実施の形態7.以下に、この発明の他の実
施の形態を図23に基づいて説明する。図23はこの発
明の他の実施の形態によるスピーカ磁気回路の構成を示
した縦断面図で、図14における磁気回路の防磁カバー
の凸部外径が12mmに縮小され、凸部の外側には高さ方向
に着磁された第2の環状磁石3’(外径:24mm,内径:
12mm,高さ:6mm)が、その上面の磁極がセンターポー
ルの外側に配設された第1の磁石の内側面の磁極と同じ
になる向き、すなわち、第1の磁石と反発力が働く向き
に設置されている。第2の磁石の上面と下面は、それぞ
れセンターポールの下面と防磁カバーに密着している。
防磁カバー11はたとえば軟鋼、連結部材12はたとえ
ば樹脂、第2の磁石3’はたとえばフェライト磁石であ
る。
【0040】また、図24は、図14における磁気回路
のヨーク下面と防磁カバーの間に、さらに、高さ方向に
着磁された第2の環状磁石3’(外径:46mm,内径:40
mm,高さ:6mm)が、その上面の磁極がセンターポール
の外側に配設された第1の磁石の外側面の磁極と同じに
なる向き、すなわち、第1の磁石と反発力が働く向きに
設置されている例について示す。防磁カバー11はたと
えば軟鋼、連結部材12はたとえば樹脂、第2の磁石
3’はたとえばフェライト磁石である。
【0041】またさらに、図25は、図14における磁
気回路のヨーク外側面と防磁カバーの間に、さらに、ラ
ジアル方向に着磁された第2の環状磁石3’(外径:52
mm,内径:46mm,高さ:6mm)が、その内側面の磁極が
センターポールの外側に配設された第1の磁石の外側面
の磁極と同じになる向き、すなわち、第1の磁石と反発
力が働く向きに設置されている例について示す。防磁カ
バー11はたとえば軟鋼、連結部材12はたとえば樹
脂、第2の磁石3’はたとえばフェライト磁石である。
【0042】この発明は、磁気回路の基本構成が実施の
形態4と同じであるため、実施の形態4と同様の効果を
有する。図26には空隙磁気密度を示すが、実施の形態
7−1〜7−3(それぞれ図23〜25に対応)とこれ
らに第2の磁石を用いていない場合(比較例7)とを比
較しても、やはり前者の方が空隙磁束密度が大きい。な
お、防磁カバーがセンターポールとヨークの両方に接触
すると、磁気回路の下部で閉磁路が形成されて磁束のほ
とんどが下部で環流し、磁極部の空隙磁束密度が低下す
るため好ましくない。また、図23〜25では、防磁カ
バーに凸部が設けられているが、防磁カバーの中央部は
平らとし、センターポールを下方に伸長して防磁カバー
と密着させた構造であってもよい。また、防磁カバー1
1は軟鋼に限らず、Fe-Ni合金や、Fe-Co合金、けい素鋼
鈑、さらに、これらの磁性材を樹脂などで覆ったもの
や、磁性材と非磁性材の積層部材などを用いることがで
きる。また、連結部材は樹脂に限らず、アルミや銅など
の非磁性金属や、ゴム、炭素繊維複合材料など各種非磁
性部材を用いることができる。さらに、磁石3,13は
フェライト磁石に限らず、金属磁石や希土類系磁石、あ
るいは、樹脂やゴムを含んだ複合磁石でもよい。
【0043】実施の形態8.以下に、この発明の一実施
の形態を図27に基づいて説明する。図27は、この発
明の一実施の形態によるスピーカ磁気回路の構成を示し
た縦断面図で、図16におけるセンターポールと防磁カ
バー11の間に、高さ方向に着磁された第2の円柱磁石
3’(外径:24mm,高さ:6mm)が、その上面の磁極が
センターポールの外側に配設された第1の磁石の内側面
の磁極と同じになる向き、すなわち、第1の磁石と反発
力が働く向きに設置されている。防磁カバー11はたと
えば軟鋼、第2の磁石3’はたとえばフェライト磁石で
ある。
【0044】また、図28では、図17におけるセンタ
ーポールと防磁カバー11の間に、高さ方向に着磁され
た第2の円柱磁石3’(外径:24mm,高さ:6mm)が、
その上面の磁極がセンターポールの外側に配設された第
1の磁石の内側面の磁極と同じになる向き、すなわち、
第1の磁石と反発力が働く向きに設置されている例を示
す。防磁カバー11はたとえば軟鋼、第2の磁石3’は
たとえばフェライト磁石である。
【0045】この発明は、磁気回路の基本構成が実施の
形態5と同じであるため、実施の形態5と同様の効果を
有する。これに加え、本発明では防磁カバーの内側に第
2の磁石が、第1の磁石と反発力を生じる向きに設置さ
れているため、図29の実施の形態8−1や8−2(そ
れぞれ図27、28に対応)に示すように、第2の磁石
を用いていない場合(比較例8−1、8−2)に比べて
磁気空隙中心部の磁束密度が大きい。なお、図27、2
8では、第2の磁石として円柱磁石を用いているが、環
状磁石を用いることも可能である。また、防磁カバーの
断面がU字形状となっているが、防磁カバーは円板と
し、ヨークを下方に伸長して防磁カバーと密着させた構
造であってもよい。また、防磁カバーは11軟鉄に限ら
ず、Fe-Ni合金や、Fe-Co合金、けい素鋼鈑、さらに、こ
れらの磁性材を樹脂などで覆ったものや、磁性材と非磁
性材の積層部材などを用いることができる。また、磁石
3,13はフェライト磁石に限らず、金属磁石や希土類
系磁石、あるいは、樹脂やゴムを含んだ複合磁石でもよ
い。一方、図28において、第2の磁石3’を環状磁石
とし、ヨークの下に配置した場合、その周囲にヨークと
防磁カバーが密着して存在するために磁路が生じる。こ
のように閉磁路が形成される位置に第2の磁石を配置し
てもその磁束は閉磁路を環流するため、空隙磁束密度は
ほとんど向上しない。従って、第2の磁石3’は閉磁路
が形成されない位置に設けることが望ましい。また、防
磁カバーがセンターポールに接触すると、磁気回路の下
部で閉磁路が形成されて磁束のほとんどが下部で環流
し、磁極部の空隙磁束密度が低下するため好ましくな
い。
【0046】なお、上記実施の形態1〜8において示し
た各構成部品の大きさは例示であって、この大きさにと
らわれるものではない。
【0047】
【発明の効果】以上、説明したとおり、この発明に係る
スピーカ磁気回路は、ラジアル方向に着磁された環状磁
石を磁気空隙を形成する磁極部外に配置したので、磁石
はボイスコイルによる交流磁界や発熱の直接的な影響を
受けずに済む。このため、磁石内部の直流磁束密度の変
動が従来より小さくなってボイスコイルの駆動歪みが低
減され、音質が向上する効果や、Nd-Fe-B系合金磁石で
問題となる熱減磁を避けることができる利点を持つ。ま
た、本発明の環状磁石の高さをセンターポール外周部磁
極面の高さとヨーク内周部磁極面の高さのいずれよりも
大きくすれば、ラジアル方向に着磁された環状磁石を配
置した従来の磁気回路よりも高い空隙磁束密度を得るこ
とができ、さらには、外磁型や内磁型の磁気回路に対し
てもより高い空隙磁束密度を得ることができるため、よ
り高出力のスピーカを実現できる。換言すれば、同じ出
力ならば磁気回路をより小型化することができる。
【0048】また、この発明に係るスピーカ磁気回路
は、上述の構成に加え、センターポールやヨークの下方
に離間して防磁カバーがさらに配設されているので、磁
気回路外部への漏洩磁束が少ないといった効果も有す
る。
【0049】さらに、この発明に係るスピーカ磁気回路
は、上述の構成に加え、第2の磁石が防磁カバーとセン
ターポール、あるいは防磁カバーとヨークとの間に、第
1の磁石(環状磁石)と反発力が生じる向きに設置され
ているため、磁気回路外部への漏洩磁束が低減されると
ともに、空隙磁束密度が向上するといった効果も有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に用いられるスピー
カ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に用いられるスピー
カ磁気回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示し
た図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に用いられるスピー
カ磁気回路による空隙磁束密度を従来例と対比して示し
た図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に用いられるスピー
カ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に用いられるスピー
カ磁気回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示し
た図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に用いられるスピー
カ磁気回路による空隙磁束密度を従来例と対比して示し
た図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に用いられるスピー
カ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3と対比される従来型
のスピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図で、(a)は
外磁型、(b)は内磁型のスピーカ磁気回路である。
【図9】 この発明の実施の形態3に用いられるスピー
カ磁気回路による空隙磁束密度を従来例と対比して示し
た図である。
【図10】 この発明の実施の形態3に用いられるスピ
ーカ磁気回路による空隙磁束密度を従来例と対比して示
した別の図である。
【図11】 この発明の実施の形態4に用いられるスピ
ーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態4に用いられる別の
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態4に用いられるまた
別のスピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態4に用いられるさら
にまた別スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図であ
る。
【図15】 この発明の実施の形態4に用いられる4種
類のスピーカ磁気回路による漏洩磁束密度を比較例と対
比して示した図である。
【図16】 この発明の実施の形態5に用いられるスピ
ーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態5に用いられる別の
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態5に用いられる2種
類のスピーカ磁気回路による漏洩磁束密度を比較例と対
比して示した図である。
【図19】 この発明の実施の形態6に用いられるスピ
ーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図20】 この発明の実施の形態6に用いられる別の
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図21】 この発明の実施の形態6に用いられるまた
別のスピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図22】 この発明の実施の形態6に用いられる3種
類のスピーカ磁気回路による空隙磁束密度を比較例と対
比して示した図である。
【図23】 この発明の実施の形態7に用いられるスピ
ーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図24】 この発明の実施の形態7に用いられる別の
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図25】 この発明の実施の形態7に用いられるさら
にまた別スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図であ
る。
【図26】 この発明の実施の形態7に用いられる3種
類のスピーカ磁気回路による空隙磁束密度を比較例と対
比して示した図である。
【図27】 この発明の実施の形態8に用いられるスピ
ーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図28】 この発明の実施の形態8に用いられる別の
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図29】 この発明の実施の形態8に用いられる2種
類のスピーカ磁気回路による空隙磁束密度を比較例と対
比して示した図である。
【図30】 従来のラジアル方向に着磁された磁石を用
いたスピーカ磁気回路の構成を示した断面図である。
【図31】 従来のラジアル方向に着磁された磁石を用
いた別のスピーカ磁気回路の構成を示した断面図であ
る。
【図32】 従来のラジアル方向に着磁された磁石を用
いたまた別のスピーカ磁気回路の構成を示した断面図で
ある。
【図33】 従来のラジアル方向に着磁された磁石を用
いたさらにまた別のスピーカ磁気回路の構成を示した断
面図である。
【符号の説明】
1 センターポール、 2 ヨーク、 3、
3’ 磁石、4 トッププレート、 5 ボイスコイ
ル、 6 磁極部、7 ボビン、 8 振動
板、 9 ダンパー、10 ボトムプレート、
11 防磁カバー、 12 連結部材。
フロントページの続き (72)発明者 原 宏造 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジアル方向に着磁され、センターポー
    ルの外周に接して設けられた環状磁石と、該環状磁石の
    外周に接して設けられたヨークとを備え、前記ヨークの
    内側面の一部と前記センターポールの外側面の一部とに
    磁極が形成され、両磁極間にボイスコイルが挿入されて
    構成されることを特徴とするスピーカ磁気回路。
  2. 【請求項2】 環状磁石の高さは、センターポール外周
    部磁極面の高さとヨーク内周部磁極面の高さのいずれよ
    りも大きいことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ
    磁気回路。
  3. 【請求項3】 ヨーク及び環状磁石と離間して設けら
    れ、少なくとも軟磁性部材を含む部材から構成された防
    磁カバーを備えたことを特徴とする請求項1または2に
    記載のスピーカ磁気回路。
  4. 【請求項4】 センターポール及び環状磁石と離間さ
    れ、かつヨークと接して設置された、少なくとも軟磁性
    部材を含む部材から構成された防磁カバーを備えたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ磁気回
    路。
  5. 【請求項5】 防磁カバーとセンターポールあるいは防
    磁カバーとヨークとの間であって、閉磁路が形成されな
    い位置に、環状磁石とは反発力が働く向きに第2の磁石
    をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記
    載のスピーカ磁気回路。
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