JPH11168797A - スピーカ磁気回路 - Google Patents

スピーカ磁気回路

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JPH11168797A
JPH11168797A JP33424797A JP33424797A JPH11168797A JP H11168797 A JPH11168797 A JP H11168797A JP 33424797 A JP33424797 A JP 33424797A JP 33424797 A JP33424797 A JP 33424797A JP H11168797 A JPH11168797 A JP H11168797A
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magnetic
pole
speaker
voice coil
top plate
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JP33424797A
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English (en)
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Takeshi Araki
健 荒木
Shoji Murakami
省自 村上
Toshihisa Honda
俊久 本多
Kozo Hara
宏造 原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響歪みが小さいスピーカ磁気回路を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 振動板に直結されたボイスコイル5、磁
石3、および磁石3から発生した直流磁束をボイスコイ
ル5に導くための導磁部(プレート1、センターポール
2、ヨークなどの磁性部材)とを備えたスピーカ磁気回
路において、ボイスコイルの内側あるいは外側の磁極部
分の少なくとも一方に、その周囲の軟磁性部材よりも飽
和磁化が大きく、かつ磁界に対する磁化の線形性が良い
別質部材が用いられており、さらに、ボイスコイルの内
側の磁極部分を挟んで上下に材質が同じで外径が等しい
非磁性導電体リングが設置され、このうち磁気抵抗が高
い側に設置された非磁性導電体リングは、他方よりも長
さが短くかつ肉厚が大きいものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、振動板に直結さ
れたボイスコイル、磁石、および磁石から発生した直流
磁束をボイスコイルに導くための導磁部(プレート、セ
ンターポール、ヨークなどの磁性部材)とを備え、直流
磁界中のボイスコイルに電流が流れると生じるローレン
ツ力を利用して振動板を駆動することにより、電気信号
を音響に変換するスピーカ磁気回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図75に、従来の代表的な外磁型スピー
カ磁気回路について示す。円板上のボトムプレート10
1の上面にセンターポール102と環状の磁石103が
同心に取付られ、磁石103の上には環状のトッププレ
ート104がセンターポール102と一定の隙間をあけ
て設置されている。導磁部(ボトムプレート101、セ
ンターポール102、およびトッププレート104)の
材質は軟磁性材の炭素鋼や鋳鉄などであり、これらには
磁石103から発生した直流磁束が通って、トッププレ
ート104の内周面と、同面に対向しているセンターポ
ール102外周面に磁極が形成される。これらの磁極面
の間には、磁石からの直流磁束が集中して、磁気空隙1
08が形成され、この部分にボイスコイル105が挿入
設置される。振動板106はボビン107を介してボイ
スコイル105と接続されている。
【0003】また、図76に、従来の代表的な内磁型ス
ピーカ磁気回路について示す。ヨーク110の中央部上
面に円柱上の磁石103が取付られ、磁石103の上に
はセンターポール102が設置されている。ヨーク11
0の端部上面には、トッププレート104がセンターポ
ール102と一定の隙間をあけて設置されている。導磁
部(ヨーク110、センターポール102、およびトッ
ププレー104)の材質は軟磁性部材の炭素鋼や鋳鉄な
どであり、これらには磁石103から発生した直流磁束
が通って、トッププレート104の内周面と、同面に対
向しているセンターポール外周面に磁極が形成される。
これらの磁極面の間の磁気空隙108には、ボイスコイ
ル105が設置されており、振動板106はボビン10
7を介してボイスコイル105と接続されている。
【0004】スピーカ磁気回路は一般的に上記のごとく
構成されている。ボイスコイルは直流磁界中にあるた
め、ボイスコイルに電流が流れるとローレンツ力が生じ
て振動板が駆動される。この結果、電気信号が音響に変
換される。ボイスコイルに送られた電気信号Eと、駆動
力(ローレンツ力F)とには、F=B・Le・I ,I=E
/Z の関係がある。ここで、I はコイル電流、Zはコ
イルのインピーダンス、Bは磁束密度、Leは磁束と鎖
交するボイスコイルの実効長である。BやLeが変化し
たり、I が歪んだり(Zが歪んだり)すると駆動力Fに
歪みが生じる。
【0005】Leの変化を防止する策として、磁極部分
の直流磁束の分布の幅よりも十分に長いボイスコイルを
使用することにより、振動時にボイスコイルが上下に変
位しても直流磁束との鎖交量が変化しないようにする方
法が知られている。この方法によれば、直流磁束の分布
の幅が大きいと、振動時にボイスコイルの端部が直流磁
束の分布からはずれて鎖交量が変化する恐れがあるた
め、従来よりトッププレート104の磁極部分にテーパ
を設けるなどして磁極部分の面積を小さくして、直流磁
束の分布幅を縮小する工夫がなされている。図77に
は、図75で示した外磁型スピーカ磁気回路のトッププ
レート104の磁極部分にテーパを設けた構造を示す。
【0006】また、I の歪は、導磁部の磁性材料の磁化
が磁界に対して非線形であるために、透磁率が一定とな
らず、そのためにコイルのインダクタンスが変動してイ
ンピーダンスZが変化することに起因する。I の歪を防
ぐため、従来より磁極部に飽和磁化の低い材料を適用
し、飽和領域で使用することにより透磁率を一定にする
ことなどが行われている。
【0007】Bは、ボイスコイルより交流磁束が発生す
るために必ず変化する。さらに交流磁束が磁石の動作点
を変調させた場合には直流磁束も変動する。Bの変化を
防止するため、従来より、センターポールやトッププレ
ートなどに交流磁束抑制用の非磁性導電体リングが使用
されている。例えば図78のように非磁性導電体リング
109がセンターポール102外周部分に嵌合される。
同リングにはボイスコイルで発生した磁束の変化を妨げ
る方向に渦電流が流れ、この働きにより交流磁束が抑制
される。非磁性導電体リングの周方向の電気抵抗が小さ
いほど、また、ボイスコイルとの磁気結合度が大きいほ
どより多くの渦電流が流れるため交流磁束抑制効果が大
きくなる。さらにBの変化を強く防止するために、特開
平2ー72797号公報に示された図79もしくは図8
0に示すように、磁極部の上下にも非磁性導電体リング
109A、109Bを配置し、交流磁束分布の上下の対
称性を上げることが行われている。交流磁束分布の対称
性が高いほど駆動力の変動がボイスコイルの上下で相殺
されて駆動歪みが小さくなる効果がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特に磁極部分の平均磁
束密度が15000Gを越えるような高出力タイプのス
ピーカ磁気回路では、直流磁束の分布の幅を小さくする
ために磁極部分の面積を小さくすると、磁極部分の磁気
飽和が顕著になって磁束量が低下する。これにより、駆
動力が小さくなったり、交流磁束による駆動力変動量の
含有率が相対的に大きくなって駆動歪みが大きくなる問
題があった。また、磁極部分に磁気飽和が生じる分、直
流磁束の分布幅が広がり、この影響によっても駆動歪み
が増える問題があった。本願発明では、磁極部分の材質
を特定することにより、これらの問題を解決することを
目的とする。
【0009】また、交流磁束の変化を抑制するために、
そしてこの抑制効果を磁極の上下で等しくし交流磁束分
布の上下の対称性を向上させるために、従来技術で記載
したように、これまで、図79、80のように非磁性導
電体リングを磁極の上下に設置していた。この時の交流
磁束分布を図81、82に示すが、磁極を挟んで上下の
交流磁束分布は対称性は十分ではなく、図中矢印で示し
たように磁極の上方の交流磁束分布が下方よりもブロー
ドになってしまい、対称性が低くなっていた。これは以
下の理由による。交流磁束抑制効果の大きさは、非磁性
導電体リングの周方向の電気抵抗とボイスコイルとの磁
気結合度によって決まるが、従来用いられていた非磁性
導電体リングは、図79、80のように上下で同じ材質
で等しい内外径のものが使用される。上下のリングで異
なるのは、リング長と設置された部分の磁気抵抗であ
る。リング長の違いは主に電気抵抗の差に、磁気抵抗の
違いはボイスコイルとの磁気結合度の差になって表れ
る。電気抵抗がより大きいほど、また、ボイスコイルと
の磁気結合度がより低いほど交流磁束抑制効果がより小
さい。図79、80では、上部リングの長さが下部リン
グより短いので電気抵抗は上部リングの方が大きく、ま
た、磁気抵抗はボイスコイルの上方が下方よりも導磁部
が少ないために上部の方が高くなっており、このため、
磁気結合度は上部の方が小さい。この結果、上部の交流
磁束抑制効果は下部よりも小さくなり、図81、82に
示すように、ボイスコイルの上方の交流磁束分布が下方
よりもブロードになってしまい、対称性が低くなってい
た。
【0010】交流磁束分布の上下の対称性が低い問題を
解決する方法の一つにセンターポールあるいはトッププ
レートを挟んで上下に磁石を配置して、磁気回路の構造
を上下で対称にすることがある。しかし、この方法では
ボイスコイルと振動板を連結しているボビンが妨げにな
って、ヨークを効果的に設置することが困難であり、漏
れ磁束が多く磁束密度が低下するという欠点がある。ま
た別の解決策として、磁気回路中に直流磁束の通る向き
が正反対である2ヶ所の磁気空隙を設けて、それぞれに
ボイスコイルを挿入設置し、これら2つのボイスコイル
を極性を逆にして直列に接続することにより、駆動力の
変動を相殺する方法もある。しかし、変動の相殺のため
に2つのコイルは同じ仕様でなければならなく、内外径
を同じにする必要がある。このため、2つのコイルは磁
気回路の長手方向に上下に並べて配設するしかなく、こ
の結果、2つのコイルと振動板を連結するボビンは非常
に長いものとなり、ローリングを起こしやすいという欠
点がある。
【0011】本願発明は上記のような問題を解決するた
めになされたもので、磁束密度が低下することなく、ま
たローリング発生の問題もない、簡便な方法で、交流磁
束分布の対称性を向上させるものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るスピーカ磁気回路は、上方に磁石が配設されたボトム
プレートまたはヨークと、該ボトムプレートまたはヨー
クの中央部に配設されたセンターポールと、該センター
ポールとの間に、ボイスコイルが挿入され、磁気空隙を
形成するトッププレートを備えたスピーカ磁気回路にお
いて、前記センターポールあるいはトッププレートのう
ち少なくとも一方の磁気空隙を構成する磁極部を、該磁
極部の周囲の軟磁性部材よりも飽和磁化が大きく、かつ
磁界に対する磁化の線形性が良い部材で構成したもので
ある。
【0013】この発明の請求項2に係るスピーカ磁気回
路は、請求項1において、センターポールあるいはトッ
ププレートのうち少なくとも一方の磁気空隙を構成する
磁極部を、Fe-Co合金で構成したものである。
【0014】この発明の請求項3に係るスピーカ磁気回
路は、請求項1において、センターポールあるいはトッ
ププレートのうち少なくとも一方の磁気空隙を構成する
磁極部を、磁性体と非磁性体とが交互に積層された部材
で構成したものである。
【0015】この発明の請求項4に係るスピーカ磁気回
路は、上方に磁石が配設されたボトムプレートまたはヨ
ークと、該ボトムプレートまたはヨークの中央部に配設
されたセンターポールと、該センターポールとの間に、
ボイスコイルが挿入され、磁気空隙を形成するトッププ
レート、前記磁気空隙を形成する磁極部分を挟んで上下
に非磁性導電体リングとを備えたスピーカ磁気回路にお
いて、前記磁極部分の交流磁束分布を上下対称にする手
段を備えたものである。
【0016】この発明の請求項5に係るスピーカ磁気回
路は、請求項4において、磁極部分交流磁束分布を上下
対称にする手段として、磁気抵抗が高い側に設置された
非磁性導電体リングの長さを他方よりも短くかつ肉厚の
大きい部材で構成することを規定するものである。
【0017】この発明の請求項6に係るスピーカ磁気回
路は、請求項4において、磁極部分の交流磁束分布を上
下対称にする手段として、磁気抵抗が高い側に設置され
た非磁性導電体リングの長さを他方よりも短くかつ導電
率の大きい材料で構成することを規定するものである。
【0018】この発明の請求項7に係るスピーカ磁気回
路は、請求項4において、磁極部分の交流磁束分布を上
下対称にする手段として、磁極部分を挟んで、非磁性導
電体リングの設置されていない部位にさらに非磁性導体
リングを備えたことであることを規定するものである。
【0019】この発明の請求項8に係るスピーカ磁気回
路は、上方に磁石が配設されたボトムプレートまたはヨ
ークと、該ボトムプレートまたはヨークの中央部に配設
されたセンターポールと、該センターポールとの間に、
ボイスコイルが挿入され、磁気空隙を形成するトッププ
レートを備えたスピーカ磁気回路において、前記センタ
ーポールあるいはトッププレートのうち少なくとも一方
の磁気空隙を構成する磁極部を、該磁極部の周囲の軟磁
性部材よりも飽和磁化が大きく、かつ磁界に対する磁化
の線形性が良い部材で構成し、前記磁極部分の交流磁束
分布を上下対称にするようにさらに非磁性導体リングを
備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下に、この発明
の一実施の形態を図1に基づいて説明する。図1はこの
発明の一実施の形態のスピーカ磁気回路(外磁型)の構
成を示した断面図で、図において、円板状のボトムプレ
ート1(外径:210mm,板厚:13mm)の上面にセンター
ポール2(外径:99.4mm,内径:40mm,高さ:33mm)と
環状の磁石3(外径:220mm,内径:110mm,高さ:25m
m)が同心に取付られ、磁石3の上には環状のトッププ
レート4(外径:210mm,内径:102.3mm,板厚:7mm)
が設置されている。磁石3の材質は例えばフェライトで
ある。また、トッププレート4の内周下部にはテーパが
施されている。導磁部(ボトムプレート1、センターポ
ール2、およびトッププレート4)の材質は例えば炭素
鋼や鋳鉄などの軟磁性部材であり、これらは磁石3から
発生した直流磁束を通す磁路を形成する。センターポー
ル2とトッププレート4の間の磁気空隙8には、ボイス
コイル5(内径:100.2mm,長さ:13mm)がその長手方
向の中心とトッププレート4の板厚方向の中心とが一致
するように設置されている。ここで、トッププレート4
の磁極部分(内周より半径方向に5mm分)4aには、その
周囲の導磁部よりも飽和磁化が高く、かつ磁界に対する
磁化の線形性の良い別質部材が使用されている。別質部
材の材質は、例えば強加工を施して結晶粒を微細化した
純鉄である。
【0021】図2に、本実施の形態による磁気回路の磁
極部における直流磁束の密度とその分布を調べた結果を
示す。ここで、磁気空隙部中心における磁束の半径方向
成分がボイスコイル回転対称軸zに対して持つ値をBr
(z)で表し、Br(z)/Brmax=0.5を満たすz=z
1,z2について、|z1−z2|を直流磁束の分布幅wと
した。ただし、BrmaxはBr(z)の最大値であり、Zの
原点はトッププレート4の板厚の中心である。また平均
直流磁束密度は、次式(式1)で記載されるものとし
た。
【0022】
【数1】
【0023】ただし、(式1)において、Lmはトップ
プレートの板厚である。本実施の形態では、トッププレ
ートの磁極部4a(純鉄)の飽和磁化が高いため、別質
部材を用いない、従来例に比べて直流磁束密度Bdcが向
上する。また、磁気飽和の影響が少ないために直流磁束
分布の幅wが小さくなる。これらの作用により、駆動2
次歪みが図3に示すように従来に比べて低減される。ま
た、磁束密度の向上の作用は2次歪み低減の他に、ボイ
スコイルの駆動力の向上や電気機械変換効率の向上とい
った効果を奏する。
【0024】また、図4に別質部材として用いた純鉄の
磁化曲線を示す。同じ動作点比較した場合、結晶粒を微
細化した純鉄のマイナーループは他の材料に比べて線形
性が良いため、ボイスコイルのインダクタンスの変動が
小さくなり、この結果、本発明では図5に示すように3
次歪みが従来に比べて低減する。磁極部を他の部材に置
き換えた場合、その部材の磁化特性によってはボイスコ
イルのインダクタンスの変動量が増加して電流歪みが増
大してしまう場合あるが、本実施の形態においては、別
質部材の磁界に対する磁化の線形性がその周囲の部分よ
りも良いため、ボイスコイルのインダクタンスの変動は
従来よりもかえって小さくなることがわかる。なお、図
2、3、4には導磁部に炭素鋼と鋳鉄を用いた場合の2
例についてそれぞれ従来例との比較を示している。
【0025】なお、本実施の形態の磁極部分4aの別質
部材は、トッププレート4側の磁極4aのみならず、図
6に示すようにセンターポール2側の磁極部分2aに用
いても同様の効果を奏する。さらに、図7に示すように
両側の磁極部分2a,4aに用いれば、さらに大きな効果
が得られる。また、別質部材として、本実施の形態にお
いては純鉄を用いた例について示したが、純鉄に限られ
ることはなく、その周囲の導磁部の磁性部材よりも飽和
磁化が大きく、かつ磁界に対する磁化の線形性が良い材
料であれば、同様の効果を得ることができる。
【0026】上記のように、本実施の形態によれば、磁
極部分の別質部材の飽和磁化がその周囲の軟磁性部材よ
りも大きいため、磁極面積が小さくなっても磁気的に飽
和しにくく、従来よりも磁極部分の直流磁束密度が向上
するとともに分布幅が小さくなる。また、別質部材の磁
界に対する磁化の線形性がその周囲の部分よりも良いた
め、ボイスコイルのインダクタンスの変動は従来よりも
かえって小さくなる。そのため、ボイスコイルの駆動歪
みが小さくなり、音質が向上する効果を奏する。また、
磁束密度の向上の作用は音質向上の他に、スピーカの電
気機械変換効率の向上、すなわちボイスコイルの駆動力
の向上といった効果を奏する。
【0027】実施の形態2.以下に、この発明の別の実
施の形態を図8に基づいて説明する。図8はこの発明の
別の実施の形態であるスピーカ磁気回路(内磁型)の構
成を示した断面図で、図において、ヨーク10(外径:
100mm,高さ:28mm,板厚:5mm)の中央部上面に円柱状
の磁石3(外径:70mm,高さ:12mm)が取付られ、磁石
3の上にはセンターポール2(底面外径:70mm,上面外
径:50mm,高さ:15mm)が、ヨーク10の端部上面にト
ッププレート4(外径:100mm,内径:52.2mm,板厚:4
mm)が設置されている。磁石3の材質は例えばNd-Fe-B
である。また、トッププレート4の内周下部にはテーパ
が施されている。導磁部(ヨーク10、センターポール
2、およびトッププレート4)の材質は例えば炭素鋼や
鋳鉄などの軟磁性部材であり、これらは磁石3から発生
した直流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2
とトッププレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイ
ル5(内径:50.8mm,長さ:10mm)がその長手方向の中
心とトッププレート4の板厚方向の中心とが一致するよ
うに設置されている。ここで、トッププレート4の磁極
部分(内周より半径方向に5mm分)4aには、その周囲の
導磁部よりも飽和磁化が高く、かつ磁界に対する磁化の
線形性の良い別質部材が使用されている。この別質部材
の材質は、例えば強加工を施して結晶粒を微細化した純
鉄である。
【0028】図9に、本実施の形態の磁気回路の磁極部
における直流磁束の密度とその分布を調べた結果を示
す。本実施の形態は、磁極部に別質部材を用いない従来
例に比べて直流磁束密度Bdcが向上する。また、磁気飽
和の影響が少ないために直流磁束分布の幅wが小さくな
る。これらの作用により、駆動2次歪みが図10に示す
ように従来に比べて低減される。また、磁束密度の向上
の作用は2次歪み低減の他に、ボイスコイルの駆動力の
向上や電気機械変換効率の向上といった効果ももたら
す。
【0029】また、図4に示すように、結晶粒微細化処
理を施した純鉄のマイナーループは他の材料に比べて線
形性が良いため、ボイスコイルのインダクタンスの変動
が小さくなり、この結果、本実施の形態では図11に示
すように3次歪みも従来に比べて低減する。なお、図
9、10、11には導磁部に炭素鋼と鋳鉄を用いた場合
の2例についてそれぞれ従来例との比較を示している。
【0030】なお、本実施の形態の磁極部分の別質部材
は、トッププレート4側の磁極4aのみならず、図12
に別のスピーカ磁気回路を示すが、図に示すようにセン
ターポール2側の磁極部分2aに用いても同様の効果を
奏する。さらに、図13のスピーカ磁気回路のように両
側の磁極部分2a,4aに用いれば、さらに大きな効果が
得られる。また、別質部材として、本実施の形態におい
ては純鉄の例について述べたが、純鉄に限られることは
なく、その周囲の導磁部の軟磁性部材よりも飽和磁化が
大きく、かつ磁界に対する磁化の線形性が良い材料であ
れば、同様の効果を得ることができる。
【0031】上記のように、本実施の形態においては、
内磁型スピーカ磁気回路において、磁極部分の別質部材
の飽和磁化が周囲の軟磁性部材よりも大きく、磁界に対
する磁化の線形性が良いため、ボイスコイルのインダク
タンスの変動は従来よりもかえって小さくなる。そのた
め、実施の形態1と同様に、ボイスコイルの駆動歪みが
小さくなり、音質が向上する効果を奏する。また、磁束
密度の向上の作用は音質向上の他に、ボイスコイルの駆
動力の向上や、スピーカの電気機械変換効率の向上とい
った効果を奏する。
【0032】また、実施の形態1、2ではそれぞれ外磁
型と内磁型スピーカ磁気回路について示したが、図14
や図15に示すように、ラジアル方向に着磁された環状
磁石3をトッププレートあるいはセンターポールの少な
くとも一部に用いて構成された磁気回路についても、磁
極部にその周囲の軟磁性部材よりも飽和磁化が大きく、
かつ磁界に対する磁化線形性が良い材料を適用すれば、
上記実施の形態1、2と同様の効果を得ることができ
る。
【0033】実施の形態3.上記実施の形態1、2にお
いては、磁極を形成する部分の別質部材として純鉄を用
いた例について記載したが、本実施の形態においては別
質部材として、FeCo合金(パーメンジュール)を用いた
例について説明する。図1の磁極部分4aに上記FeCo合
金を用いた場合の磁極部分の直流磁束の密度とその分布
を図16に示す。FeCo合金の飽和磁化は実用合金中で最
も高いため、比較例に比べて磁束密度が最も向上し、か
つ分布の幅が小さくなる。この結果、2次歪みが図17
に示すように最も大きく低減する。なお、図16、17
中比較例1は実施の形態1−(1)に相当する。
【0034】なお、図6、7、8、12、13、14、
15のスピーカ磁気回路においても、磁極部2a,4aに
用いられる別質部材をFeCo合金とすることによって得ら
れる効果は上記と同様である。
【0035】上記のように、本実施の形態において、実
施の形態1、2の別質部材をFe-Co合金としているた
め、さらに磁極部分の直流磁束密度が向上し、かつ磁束
分布の幅が小さくなる。このため、ボイスコイルの駆動
歪みがさらに小さくなり、音質がさらに向上する効果を
奏する。また、スピーカの電気機械変換効率、すなわ
ち、ボイスコイルの駆動力がさらに向上する。
【0036】実施の形態4.上記実施の形態1〜3にお
いては、磁極を形成する部分の別質部材として純鉄やFe
Co合金を用いた例について記載したが、本実施の形態に
おいては別質部材として、積層された無方向けい素鋼鈑
を用いるものである。けい素鋼鈑の表面には非磁性樹脂
皮膜が塗布されているため、別質部材としては磁性体と
非磁性体とが交互に積み重なった構造となる。図18
は、無方向けい素鋼板の交流磁化特性を示した図である
が、積層された方向(磁性体と非磁性体とを交互に貫く
方向)の磁化曲線におけるマイナーループの直線性が図
18に示すように純鉄よりさらに良くなる。図19に、
図1の磁極部分4aに、このけい素鋼板積層材を、交流
磁束が積層方向を貫くように水平に積層して用いた時の
3次歪みを調べた結果を示すが、ボイスコイルのインダ
クタンスの変動が小さくなり、3次歪みがさらに低減す
る。なお、図19中比較例は実施の形態1−(1)に相
当する。
【0037】なお、図6、7、8、12、13、14、
15のスピーカ磁気回路においても、別質部材を積層さ
れた無方向けい素鋼鈑とすることによって得られる効果
は同様である。
【0038】また、別質部材としては積層された無方向
けい素鋼鈑に限られることはなく、磁性体と非磁性体と
を積層した部材であれば、同様の効果を得ることができ
る。磁性体としては、FeCo合金、純鉄、けい素鉄、けい
素鋼などを、非磁性体としては、樹脂、あるいは銅、ア
ルミニウムなどの金属やこれらの合金、あるいは各種酸
化物や窒化物などを用いることができる。
【0039】上記のように、本実施の形態においては、
実施の形態1、2の別質部材を、磁性体と非磁性体とが
交互に積層されてた部材としているため、磁界に対する
磁化の直線性がさらに良くなってボイスコイルのインダ
クタンスの変動がさらに小さくなり、音質がさらに向上
する効果を奏する。
【0040】実施の形態5.以下に、この発明の一実施
の形態を図20に基づいて説明する。図20は、この発
明の一実施の形態のスピーカ磁気回路(外磁型)を示し
たもので、図において、環状のボトムプレート1(外
径:210mm,内径:40mm,板厚:13mm)の上面に環状の
センターポール2(外径:99.4mm,内径:40mm,高さ:
44mm)と環状の磁石3(外径:220mm,内径:110mm,高
さ:25mm)が同心に取付られ、磁石3の上には環状のト
ッププレート4(外径:210mm,内径:102.3mm,板厚:
9mm)が設置されている。磁石3の材質は例えばフェラ
イトである。導磁部(ボトムプレート1、センターポー
ル2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性部材の
例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生した直流
磁束を通す磁路を形成する。センターポール2とトップ
プレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル5(内
径:100.2mm,長さ:23mm)がその長手方向の中心とト
ッププレート4の板厚方向の中心とが一致するように設
置されている。ここで、センターポール2の磁極部分の
上下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非磁性導
電体リング9A(外径:99.4mm,内径:75.4〜85.4mm,
長さ:9mm)と非磁性導電体リング9B(外径:99.4m
m,内径:87.4mm,長さ:24mm)が嵌合されており、非
磁性導電体リング9Aは、非磁性導電体リング9Bと外
径が等しく、長さは非磁性導電体リング9Bよりも短
く、肉厚:(外径−内径)/2は非磁性導電体リング9
Bよりも厚い。
【0041】交流磁束分布の対称性を、ΔBgにより評
価する。ここで、ΔBgはボイスコイル5を横切る正負
の交流磁束の差分(絶対値)の最大値から求まるもの
で、ボイスコイル全体でのみかけの磁束密度変動量であ
る。ΔBgが小さいほど対称性が良い。ΔBgを調べた結
果を図21に示すが、本実施の形態のΔBgは従来より
も小さくなる。磁界解析によれば、従来は上部の交流磁
束抑制効果が下部に比べて小さかったため、図81に示
すように交流磁束の分布がボイスコイルの上方でブロー
ドになっていた。本実施の形態では、上部リングの肉厚
を下部より大きくしているので、上部リングの電気抵抗
が従来より下がってより多くの渦電流が流れ、上部の交
流磁束抑制効果が従来より大きくなる。このため、上下
の交流磁束抑制効果のバランスが良くなり、図22に示
すように交流磁束分布の上下の対称性が向上する。図2
1の実施の形態5−(1)〜(3)に示すように上部リン
グの肉厚が厚いほどΔBgは減少するが、肉厚がさらに
大きくなると実施の形態5−(4)に示すようにΔBg
は増加に転じる。これは、上部の交流磁束抑制効果が過
剰になったためであり、この場合には実施の形態5−
(5)に示すようにリングの長さを短くすることにより
過剰を解消してΔBgを小さくすることができる。リン
グの長さを短くすることは、磁気回路上部のセンターポ
ールの突出部分を短くできるため、磁気回路の小型化に
つながる。なお、比較例に示すように上部リングの肉厚
が薄くなると、従来よりもΔBgが大きくなってしま
う。図23に2次歪みを調べた結果を示す。実施の形態
5(1)〜(5)はΔBgが小さいため、2次歪みが従来
よりも小さくなる。
【0042】なお、上記実施の形態において、アルミニ
ウムからなる非磁性導電体リングを用いた例について示
したが、非磁性導電体材料であれば、アルミニウムに限
ることなく、例えば、銅などであってもよい。
【0043】上記のように、本実施の形態によれば、ボ
イスコイルの内側の磁極部分を挟んで上下に非磁性導電
体リングを設ける際に、その上下の交流磁束が対称とな
るように、すなわち、上下の同材質、同外径の非磁性同
電体リングのうち、磁気抵抗が高い側に設置されている
非磁性導電体リングの長さを他方よりも短く、かつその
肉厚を他方よりも大きくしたので、その分リングの縦断
面積が大きくなり電気抵抗が下がり、渦電流がより多く
流れるように作用する。このため、従来は小さかった磁
気抵抗が高い側の交流磁束抑制効果が大きくなって上下
の交流磁束抑制効果のバランスが良くなり、ボイスコイ
ル部の交流磁束分布の上下の対称性が向上する。この結
果、ボイスコイルの駆動歪みが小さくなって音質が向上
する効果を奏する。また、肉厚をある値を越えて大きく
した分、リング長を短くすることができ、磁気回路の小
型化が可能となるという効果を奏する。
【0044】実施の形態6.以下に、この発明の別の実
施の形態を図24に基づいて説明する。図24は、この
発明の別の実施の形態のスピーカ磁気回路(内磁型)を
示したもので、図において、ヨーク10(外径:97.6m
m,内径:20mm,高さ:17mm,肉厚:5mm)の中央部上面
に環状の磁石3(外径:56mm,内径:20mm,高さ:12m
m)が取付られ、磁石3の上にはセンターポール2(外
径:61mm,内径:20mm,高さ:7mm)が、ヨーク10の
端部上面にトッププレート4(外径:97.6mm,内径:6
3.2mm,板厚:4mm)が設置されている。磁石3の材質は
例えばNd-Fe-Bある。導磁部(ヨーク10、センターポ
ール2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性部材
の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生した直
流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2とトッ
ププレート4の間の磁気空隙には、ボイスコイル5(内
径:61.8mm,長さ:3mm)がその長手方向の中心とトッ
ププレート4の板厚方向の中心とが一致するように設置
されている。ここで、センターポール2の磁極部分の上
下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非磁性導電
体リング9A(外径:61mm,内径:51〜55.5mm,長さ:
2mm)と非磁性導電体リング9B(外径:61mm,内径:5
6mm,長さ:12mm)が嵌合されており、非磁性導電体リ
ング9Aは、非磁性導電体リング9Bと外径が等しく、
長さは非磁性導電体リング9Bよりも短く、肉厚:(外
径−内径)/2は非磁性導電体リング9Bよりも厚い。
【0045】ΔBgを調べた結果を図25に示すが、本
実施の形態では、上下リングの肉厚が同じである従来の
磁気回路よりも上下の交流磁束抑制効果のバランスが良
くなるため、ΔBgが小さくなる。本実施の形態6−
(1)〜(4)に示すように上部リングの肉厚が厚くな
るにつれΔBgは減少する。なお、比較例に示すように
上部リングの肉厚が薄くなると、従来よりもΔBgが大
きくなってしまう。図26に2次歪みを調べた結果を示
す。本実施の形態ではΔBgが小さいため、2次歪みが
従来よりも小さくなる。
【0046】上記のように、本実施の形態の内磁型スピ
ーカ磁気回路においても、実施の形態5のように、ボイ
スコイルの内側の磁極部分を挟んで上下に非磁性導電体
リングを設ける際に、その上下の交流磁束が対称となる
ように、すなわち、上下の同材質、同外径の非磁性同電
体リングのうち、磁気抵抗が高い側に設置されている非
磁性導電体リングの長さを他方よりも短く、かつその肉
厚を他方よりも大きくしたので、実施の形態5と同様の
効果を奏する。
【0047】実施の形態7.以下に、この発明の別の実
施の形態を図27に基づいて説明する。図27は、この
発明の別の実施の形態のスピーカ磁気回路(外磁型)を
示したもので、図において、環状のボトムプレート1
(外径:210mm,内径:40mm,板厚:13mm)の上面に環
状のセンターポール2(外径:99.4mm,内径:40mm,高
さ:44mm)と環状の磁石3(外径:220mm,内径:110m
m,高さ:25mm)が同心に取付られ、磁石3の上には環
状のトッププレート4(外径:210mm,内径:102.3mm,
板厚:9mm)が設置されている。磁石3の材質は例えば
フェライトである。導磁部(ボトムプレート1、センタ
ーポール2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性
部材の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生し
た直流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2と
トッププレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル
5(内径:100.2mm,長さ:23mm)がその長手方向の中
心とトッププレート4の板厚方向の中心とが一致するよ
うに設置されている。ここで、トッププレート4の磁極
部分の上下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非
磁性導電体リング9A(外径:114.3〜124.3mm,内径:
102.3mm,長さ:5mm)と非磁性導電体リング9B(外
径:112.3mm,内径:102.3mm,長さ:25mm)が嵌合され
ており、非磁性導電体リング9Aは、非磁性導電体リン
グ9Bと内径が等しく、長さは非磁性導電体リング9B
よりも短く、肉厚:(外径−内径)/2は非磁性導電体
リング9Bよりも厚い。
【0048】ΔBgを調べた結果を図28に示すが、本
実施の形態では、上下リングの肉厚が同じである従来の
磁気回路よりも上下の交流磁束抑制効果のバランスが良
くなるため、ΔBgが小さくなる。実施の形態7−
(1)〜(3)に示すように上部リングの肉厚が厚いほ
どΔBgは減少する。肉厚がさらに大きくなると実施の
形態7−(4)に示すようにΔBgは増加に転じる。こ
れは、上部の交流磁束抑制効果が過剰になったためであ
り、この場合には本実施の形態7−(5)に示すように
リングの長さを短くすることにより過剰を解消してΔB
gを小さくすることができる。リングの長さを短くする
ことは、磁気回路の高さを減少できるため、磁気回路の
小型化につながる。図29に駆動2次歪みを調べた結果
を示す。本実施の形態7−(1)〜(5)はΔBgが小
さいため、2次歪みが従来よりも小さくなる。
【0049】上記のように、本実施の形態によれば、ボ
イスコイルの外側の磁極部分を挟んで上下に非磁性導電
体リングを設ける際に、その上下の交流磁束が対称とな
るように、すなわち、上下の同材質、同内径の非磁性同
電体リングのうち、磁気抵抗が高い側に設置されている
非磁性導電体リングの長さを他方よりも短く、かつその
肉厚を他方よりも大きくしたので、その分リングの縦断
面積が大きくなり電気抵抗が下がり、渦電流がより多く
流れるように作用する。このため、従来は小さかった磁
気抵抗が高い側の交流磁束抑制効果が大きくなって上下
の交流磁束抑制効果のバランスが良くなり、ボイスコイ
ル部の交流磁束分布の上下の対称性が向上する。この結
果、ボイスコイルの駆動歪みが小さくなって音質が向上
する効果を奏する。また、肉厚をある値を越えて大きく
した分、リング長を短くすることができ、磁気回路の小
型化が可能となるという効果を奏する。
【0050】実施の形態8.以下に、この発明の別の実
施の形態を図30に基づいて説明する。図30は、この
発明の別の実施の形態のスピーカ磁気回路(内磁型)を
示したもので、ヨーク10(外径:97.6mm,内径:20m
m,高さ:17mm,肉厚:5mm)の中央部上面に環状の磁石
3(外径:56mm,内径:20mm,高さ:12mm)が取付ら
れ、磁石3の上にはセンターポール2(外径:61mm,内
径:20mm,高さ:7mm)が、ヨーク10の端部上面にト
ッププレート4(外径:97.6mm,内径:63.2mm,板厚:
4mm)が設置されている。磁石3の材質は例えばNd-Fe-B
ある。導磁部(ヨーク10、センターポール2、および
トッププレート4)の材質は軟磁性部材の例えば炭素鋼
であり、これらは磁石3から発生した直流磁束を通す磁
路を形成する。センターポール2とトッププレート4の
間の磁気空隙8には、ボイスコイル5(内径:61.8mm,
長さ:3mm)がその長手方向の中心とトッププレート4
の板厚方向の中心とが一致するように設置されている。
ここで、トッププレート4の磁極部分の上下には材質が
同じ例えばアルミニウム(Al)の非磁性導電体リング9A
(外径:75.2〜85.2mm,内径:63.2mm,長さ:2mm)と
非磁性導電体リング9B(外径:73.2mm,内径:63.2m
m,長さ:4mm)が嵌合されており、非磁性導電体リング
9Aは、非磁性導電体リング9Bと内径が等しく、長さ
は非磁性導電体リング9Bよりも短く、肉厚:(外径−
内径)/2は非磁性導電体リング9Bよりも厚い。
【0051】ΔBgを調べた結果を図31に示すが、本
実施の形態では、上下リングの肉厚が同じである従来の
磁気回路よりも上下の交流磁束抑制効果のバランスが良
くなるため、ΔBgが小さくなる。実施の形態8−
(1)〜(4)に示すように上部リングの肉厚が厚いほ
どΔBgは減少する。図32に2次歪みを調べた結果を
示す。本実施の形態はΔBgが小さいため、2次歪みが
従来よりも小さくなる。
【0052】上記のように、本実施の形態の内磁型スピ
ーカ磁気回路においても、実施の形態7のように、ボイ
スコイルの外側の磁極部分を挟んで上下に非磁性導電体
リングを設ける際に、その上下の交流磁束が対称となる
ように、すなわち、上下の同材質、同内径の非磁性導電
体リングのうち、磁気抵抗が高い側に設置されている非
磁性導電体リングの長さを他方よりも短く、かつその肉
厚を他方よりも大きくしたので、実施の形態5と同様の
効果を奏する。
【0053】また、実施の形態5〜8は、外磁型と内磁
型スピーカ磁気回路について示したが、図33〜図36
に示すように、ラジアル方向に着磁された環状磁石3を
トッププレートあるいはセンターポールの少なくとも一
部に用いて構成された磁気回路についても、適用でき
る。すなわち、磁極部分の上下に非磁性導電体リングを
設置する際に、磁気抵抗が高い側に設置する非磁性導電
体リングの長さを他方よりも短く、かつその肉厚を他方
よりも大きくすれば、実施の形態5〜8と同様の効果を
得ることができる。
【0054】実施の形態9 以下に、この発明の一実施の形態を図37に基づいて説
明する。図37は、この発明の一実施の形態のスピーカ
磁気回路(外磁型)を示したもので、環状のボトムプレ
ート1(外径:210mm,内径:40mm,板厚:13mm)の上
面に環状のセンターポール2(外径:99.4mm,内径:40
mm,高さ:44mm)と環状の磁石3(外径:220mm,内
径:110mm,高さ:25mm)が同心に取付られ、磁石3の
上には環状のトッププレート4(外径:210mm,内径:1
02.3mm,板厚:9mm)が設置されている。磁石3の材質
は例えばフェライトである。導磁部(ボトムプレート
1、センターポール2、およびトッププレート4)の材
質は軟磁性部材の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3
から発生した直流磁束を通す磁路を形成する。センター
ポール2とトッププレート4の間の磁気空隙8には、ボ
イスコイル5(内径:100.2mm,長さ:23mm)がその長
手方向の中心とトッププレート4の板厚方向の中心とが
一致するように設置されている。ここで、センターポー
ル2の磁極部分の上下には材質の異なる非磁性導電体リ
ング9A(外径:99.4mm,内径:87.4mm,長さ:9mm)
と非磁性導電体リング9B(外径:99.4mm,内径:87.4
mm,長さ:24mm)が嵌合されており、非磁性導電体リン
グ9Aは、非磁性導電体リング9Bと内外径が等しく、
長さは非磁性導電体リング9Bよりも短い。非磁性導電
体リング9Aの材質は非磁性導電体リング9Bよりも導
電率が高いものを選択し、非磁性導電体リング9Aは例
えば銅(Cu)、非磁性導電体リング9Bの材質は例えばア
ルミニウム(Al)とする。
【0055】ΔBgを調べた結果を図38に示す。本実
施の形態9のΔBgは従来よりも小さい。磁界解析によ
れば、従来は上部の交流磁束抑制効果が下部に比べて小
さかったため、図81に示すように交流磁束の分布がボ
イスコイルの上方でブロードになっていた。本実施の形
態では、上部リングの導電率を下部より大きくしている
ので、上部リングの電気抵抗が従来より下がってより多
くの渦電流が流れ、上部の交流磁束抑制効果が従来より
大きくなる。このため、上下の交流磁束抑制効果のバラ
ンスが良くなり、図39のように交流磁束分布の上下の
対称性が向上する。この結果、本実施の形態のΔBgは
従来よりも小さくなる。図40に2次歪みを調べた結果
を示す。本実施の形態はΔBgが小さいため、2次歪み
が従来よりも小さくなる。
【0056】なお、上記の実施の形態において、9Aは
例えば銅(Cu)、9Bの材質は例えばアルミニウム(Al)と
したが、リング9Aは9Bよりも導電率が高い、非磁性
導電体ものを選択すれば他の材料の組み合わせ、例え
ば、9A:銅(Cu),9B:黄銅(Cu-Zn)や、9A:銅ジ
ルコニウム(Cu-Zr),9B:アルミニウム(Al)、などで
あっても良い。また、9Aとしては、銅に近い高導電率
を持つ、銅ジルコニウム(Cu-Zr)の他、銅クロム(Cu-C
r)、銀(Ag)、金(Au)のようなものであってもよい。
【0057】上記のように、本実施の形態において、ボ
イスコイルの内側あるいは外側の磁極部分を挟んで上下
に、内外径が等しく材質の異なる非磁性導電体リングを
設置する際に、磁気抵抗が高い側の非磁性導電体リング
に、導電率が他方よりも大きい材料を適用したので、そ
の分リングの電気抵抗が下がり、渦電流がより多く流れ
る。このため、従来は小さかった磁気抵抗が高い側の交
流磁束抑制効果が大きくなって上下の交流磁束抑制効果
のバランスが良くなり、ボイスコイル部の交流磁束分布
の上下の対称性が向上する。この結果、ボイスコイルの
駆動歪みが小さくなって音質が向上する効果を奏する。
また、磁気抵抗が高い側の非磁性導電体リングの導電率
を十分に大きくとって、上下の交流磁束抑制効果のバラ
ンスを維持しつつ、そのリング長を他方より短くしてい
るので、スピーカ磁気回路が小型化される効果がある。
【0058】実施の形態10.以下に、この発明の別の
実施の形態を図41に基づいて説明する。図41は、こ
の発明の別の実施の形態のスピーカ磁気回路(内磁型)
を示したもので、図において、ヨーク10(外径:97.6
mm,内径:20mm,高さ:17mm,肉厚:5mm)の中央部上
面に環状の磁石3(外径:56mm,内径:20mm,高さ:12
mm)が取付られ、磁石3の上にはセンターポール2(外
径:61mm,内径:20mm,高さ:7mm)が、ヨーク10の
端部上面にトッププレート4(外径:97.6mm,内径:6
3.2mm,板厚:4mm)が設置されている。磁石3の材質は
例えばNd-Fe-Bある。導磁部(ヨーク10、センターポ
ール2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性部材
の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生した直
流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2とトッ
ププレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル5
(内径:61.8mm,長さ:3mm)がその長手方向の中心と
トッププレート4の板厚方向の中心とが一致するように
設置されている。ここで、トッププレート4の磁極部分
の上下には材質の異なる非磁性導電体リング9A(外
径:61mm,内径:56mm,長さ:2mm)と非磁性導電体リ
ング9B(外径:61mm,内径:56mm,長さ:12mm)が嵌
合されており、非磁性導電体リング9Aは、非磁性導電
体リング9Bと内外径が等しく、長さは非磁性導電体リ
ング9Bよりも短い。非磁性導電体リング9Aの材質は
非磁性導電体リング9Bよりも導電率が高いものを選択
し、非磁性導電体リング9Aは例えば銅(Cu)、非磁性導
電体リング9Bの材質は例えばアルミニウム(Al)とす
る。
【0059】ΔBgを調べた結果を図42に示す。本発
明では、上下リングの導電率が同じである従来の磁気回
路よりも上下の交流磁束抑制効果のバランスが良くなる
ため、ΔBgが小さくなる。図43に2次歪みを調べた
結果を示す。本実施の形態はΔBgが小さいため、2次
歪みが従来よりも小さくなる。
【0060】上記のように、本実施の形態の内磁型スピ
ーカ磁気回路においても、実施の形態9のように、ボイ
スコイルの内側あるいは外側の磁極部分を挟んで上下
に、内外径が等しく材質の異なる非磁性導電体リングを
設置する際に、磁気抵抗が高い側の非磁性導電体リング
に、導電率が他方よりも大きい材料を適用し、かつその
リング長さを他方よりも短くしているので、実施の形態
9と同様の効果を奏する。
【0061】また、実施の形態9、10ではそれぞれ外
磁型と内磁型スピーカ磁気回路について示したが、図4
4や図45に示すように、ラジアル方向に着磁された環
状磁石3をトッププレートあるいはセンターポールの少
なくとも一部に用いて、構成された磁気回路について
も、適用できる。すなわち、磁極部分の上下に非磁性導
電体リングを設置する際に、磁気抵抗が高い側に設置す
る非磁性導電体リングの導電率を他方よりも大きく、か
つその長さを他方よりも短くすることにより、実施の形
態9、10と同様の効果を得ることができる。
【0062】実施の形態11.以下に、この発明の一実
施の形態を図46に基づいて説明する。図46は、この
発明の一実施の形態のスピーカ磁気回路(内磁型)を示
したもので、図において、ヨーク10(外径:97.6mm,
内径:20mm,高さ:17mm,肉厚:5mm)の中央部上面に
環状の磁石3(外径:56mm,内径:20mm,高さ:12mm)
が取付られ、磁石3の上にはセンターポール2(外径:
61mm,内径:20mm,高さ:7mm)が、ヨーク10の端部
上面にトッププレート4(外径:97.6mm,内径:63.2m
m,板厚:4mm)が設置されている。磁石3の材質は例え
ばNd-Fe-Bある。導磁部(ヨーク10、センターポール
2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性部材の例
えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生した直流磁
束を通す磁路を形成する。センターポール2とトッププ
レート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル5(内
径:61.8mm,長さ:3mm)がその長手方向の中心とトッ
ププレート4の板厚方向の中心とが一致するように設置
されている。ここで、センターポール2の磁極部分の上
下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非磁性導電
体リング9A(外径:61mm,内径:56mm,長さ:2mm)
と非磁性導電体リング9B(外径:61mm,内径:56mm,
長さ:12mm)が嵌合されており、非磁性導電体リング9
Aは、非磁性導電体リング9Bと内外径が等しく、長さ
は非磁性導電体リング9Bよりも短い。さらに、トップ
プレート4の磁極部分の上部に交流磁束の対称性調整用
のアルミニウム(Al)の非磁性導電体リング9C(外径:
79.2〜83.2mm,内径:63.2mm,長さ:0.5〜0.7mm)が設
置されている。
【0063】ΔBgを調べた結果を図47に示すが、本
発明では、非磁性導電体リングとして9Aと9Bのみを
用いた従来の場合よりもΔBgが小さくなる。磁界解析
によれば、従来ではセンターポールの磁極部分の上下に
材質と厚みが同じで長さは上部の方が短い非磁性導電体
リングが設置されている状態であったため、上部での交
流磁束抑制効果が下部よりも小さく、図82に示すよう
に、交流磁束の分布がボイスコイルの上方でブロードに
なっていた。本発明では、従来に加えてトッププレート
側の上部に交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導電体
リング9Cが増設されているため、上部での交流磁束抑
制効果が補強されて交流磁束抑制効果の上下のバランス
が良くなり、図48に示すように交流磁束の分布の対称
性が向上する。本実施の形態11−(1)〜(3)に示
すように、増設された非磁性導電体リング9Cの厚さや
長さを調整することによりΔBgをより小さな値に設定
することができる。図49に2次歪みを調べた結果を示
す。本実施の形態はΔBgが小さいため、2次歪みが従
来よりも小さくなる。
【0064】なお、上記実施の形態においては、非磁性
導電体リング9A、9Bをセンターポールの磁極部上下
に設置した後、交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導
電体リング9Cをトッププレート側の磁極部上部に増設
しているが、逆に、トッププレートの磁極部上下に非磁
性導電体リング9A、9Bを設置した後、センターポー
ル磁極部上部に交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導
電体リング9Cを増設した場合にも同様の効果が得られ
る。
【0065】上記のように、本実施の形態によれば、ボ
イスコイルの内側あるいは外側のどちらか一方の磁極部
分を挟んで上下に材質が同じで内外径が等しい非磁性導
電体リングを設置する際に、他方の磁極部分の上下のい
ずれか一方に交流磁束分布の対称性を調整するための非
磁性導電体リングをさらに設置したので、ボイスコイル
部分の交流磁束分布を微調整することができ、上下の対
称性をさらに向上させることができる。このため、さら
にボイスコイルの駆動歪みが小さくなって音質がさらに
向上する効果を奏する。
【0066】実施の形態12.以下に、この発明の別の
実施の形態を図50に基づいて説明する。図50は、こ
の発明の一実施の形態のスピーカ磁気回路(外磁型)を
示したもので、図において、環状のボトムプレート1
(外径:210mm,内径:40mm,板厚:13mm)の上面に環
状のセンターポール2(外径:99.4mm,内径:40mm,高
さ:44mm)と環状の磁石3(外径:220mm,内径:110m
m,高さ:25mm)が同心に取付られ、磁石3の上には環
状のトッププレート4(外径:210mm,内径:102.3mm,
板厚:9mm)が設置されている。磁石3の材質は例えば
フェライトである。導磁部(ボトムプレート1、センタ
ーポール2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性
部材の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生し
た直流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2と
トッププレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル
5(内径:100.2mm,長さ:23mm)がその長手方向の中
心とトッププレート4の板厚方向の中心とが一致するよ
うに設置されている。ここで、センターポール2の磁極
部分の上下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非
磁性導電体リング9A(外径:99.4mm,内径:87.4mm,
長さ:9mm)と非磁性導電体リング9B(外径:99.4m
m,内径:87.4mm,長さ:24mm)が嵌合されており、非
磁性導電体リング9Aは、非磁性導電体リング9Bと内
外径が等しく、長さは非磁性導電体リング9Bよりも短
い。さらに、トッププレート4の磁極部分の上部に交流
磁束の対称性調整用のアルミニウム(Al)の非磁性導電体
リング9C(外径:110〜112.3mm,内径:102.3mm,長
さ:5〜6.5mm)が設置されている。
【0067】ΔBgを調べた結果を図51に示す。本実
施の形態では、交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導
電体リング9Cが増設されているため、交流磁束抑制効
果の上下のバランスが良くなり、リングとして9Aと9
Bのみを用いた従来の場合よりもΔBgが小さくなる。
実施の形態12−(1)〜(3)に示すように、増設さ
れた非磁性導電体リング9Cの肉厚や長さを調整するこ
とによりΔBgをより小さな値にさらに設定することが
できる。図52に2次歪みを調べた結果を示す。本実施
の形態はΔBgが小さいため、2次歪みが従来よりも小
さくなる。
【0068】なお、本実施の形態では、非磁性導電体リ
ング9A、9Bをセンターポールの磁極部上下に設置し
た後、交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導電体リン
グ9Cをトッププレート側の磁極部上部に増設している
が、逆に、トッププレートの磁極部上下に非磁性導電体
リング9A、9Bを設置した後、センターポール磁極部
上部に交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導電体リン
グ9Cを増設した場合にも同様の効果が得られる。
【0069】上記のように、本実施の形態の外磁型スピ
ーカ磁気回路によれば、実施の形態11と同様に、ボイ
スコイルの内側あるいは外側のどちらか一方の磁極部分
を挟んで上下に材質が同じで内外径が等しい非磁性導電
体リングを設置する際に、他方の磁極部分の上下のいず
れか一方に交流磁束分布の対称性を調整するための非磁
性導電体リングをさらに設置したので、実施の形態11
と同様の効果を奏する。
【0070】実施の形態13.以下に、この発明の別の
実施の形態を図53に基づいて説明する。図53は、こ
の発明の別の実施の形態のスピーカ磁気回路(内磁型)
を示したもので、図において、ヨーク10(外径:97.6
mm,内径:20mm,高さ:17mm,肉厚:5mm)の中央部上
面に環状の磁石3(外径:56mm,内径:20mm,高さ:12
mm)が取付られ、磁石3の上にはセンターポール2(外
径:61mm,内径:20mm,高さ:7mm)が、ヨーク10の
端部上面にトッププレート4(外径:97.6mm,内径:6
3.2mm,板厚:4mm)が設置されている。磁石3の材質は
例えばNd-Fe-Bある。導磁部(ヨーク10、センターポ
ール2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性部材
の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生した直
流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2とトッ
ププレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル5
(内径:61.8mm,長さ:3mm)がその長手方向の中心と
トッププレート4の板厚方向の中心とが一致するように
設置されている。ここで、センターポール2の磁極部分
の上下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非磁性
導電体リング9A(外径:61mm,内径:56mm,長さ:2m
m)と非磁性導電体リング9B(外径:61mm,内径:56m
m,長さ:12mm)が嵌合されており、非磁性導電体リン
グ9Aは、非磁性導電体リング9Bと内外径が等しく、
長さは非磁性導電体リング9Bよりも短い。さらに、ト
ッププレート4の磁極部分の上部に交流磁束の対称性調
整用のアルミニウム(Al)の非磁性導電体リング9C(外
径:81.2〜85.2mm,内径:63.2mm,長さ:0.5mm)、非
磁性導電体リング9D(外径:73.2mm,内径:63.2mm,
長さ:0.5mm)が設置されており、非磁性導電体リング
9Cは、非磁性導電体リング9Dと内径と長さが等し
く、肉厚は非磁性導電体リング9Dよりも厚い。
【0071】ΔBgを調べた結果を図54に示すが、本
実施の形態では、非磁性導電体リングとして9Aと9B
のみを用いた従来の場合よりもΔBgが小さくなる。こ
れは、従来ではセンターポールの磁極部分の上下に材質
と厚みが同じで長さは上部の方が短い非磁性導電体リン
グが設置されている状態であったため、上部での交流磁
束抑制効果が下部よりも小さく、交流磁束の分布がボイ
スコイルの上方でブロードになっていた。本実施の形態
では、従来に加えてトッププレート側の磁極部分の上下
に交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導電体リング9
C、9Dを増設し、その肉厚は上部の方が厚いため、上
部での交流磁束抑制効果が補強されて交流磁束抑制効果
の上下のバランスが良くなり、交流磁束の分布の対称性
が向上したものである。本実施の形態13−(1)〜
(3)に示すように、増設された非磁性導電体リングの
厚さを調整することによりΔBgをより小さな値に設定
することができる。また、交流磁束分布の対称性調整用
の導電体リングを複数使用しているため、ひとつだけ使
用した場合(比較例)よりもΔBgを小さくできる。図
55に2次歪みを調べた結果を示す。本実施の形態はΔ
Bgが小さいため、2次歪みが従来よりも小さくなる。
【0072】なお、本実施の形態では、トッププレート
側の非磁性導電体リングを交流磁束分布の対称性調整用
として厚さを調節しているが、逆に、センターポール側
の非磁性導電体リングを交流磁束分布の対称性調整用と
し、磁極部上部のリングの厚さを大きくした場合にも同
様の効果が得られる。
【0073】上記のように、本実施の形態によれば、ボ
イスコイルの内側あるいは外側のどちらか一方の磁極部
分を挟んで上下に材質が同じで内外径が等しい非磁性導
電体リングを設置する際に、他方の磁極部分の上下の両
方に交流磁束分布の対称性を調整するための非磁性導電
体リングをさらに設置したので、ボイスコイル部分の交
流磁束分布を微調整することができ、上下の対称性をさ
らに向上させることができる。このため、さらにボイス
コイルの駆動歪みが小さくなって音質がさらに向上する
効果を奏する。
【0074】実施の形態14.以下に、この発明の別の
実施の形態を図56に基づいて説明する。図56は、こ
の発明の別の実施の形態のスピーカ磁気回路(外磁型)
を示したもので、図において、環状のボトムプレート1
(外径:210mm,内径:40mm,板厚:13mm)の上面に環
状のセンターポール2(外径:99.4mm,内径:40mm,高
さ:44mm)と環状の磁石3(外径:220mm,内径:110m
m,高さ:25mm)が同心に取付られ、磁石3の上には環
状のトッププレート4(外径:210mm,内径:102.3mm,
板厚:9mm)が設置されている。磁石3の材質は例えば
フェライトである。導磁部(ボトムプレート1、センタ
ーポール2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性
部材の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生し
た直流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2と
トッププレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル
5(内径:100.2mm,長さ:23mm)がその長手方向の中
心とトッププレート4の板厚方向の中心とが一致するよ
うに設置されている。ここで、センターポール2の磁極
部分の上下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非
磁性導電体リング9A(外径:99.4mm,内径:87.4mm,
長さ:9mm)と非磁性導電体リング9B(外径:99.4m
m,内径:87.4mm,長さ:24mm)が嵌合されており、非
磁性導電体リング9Aは、非磁性導電体リング9Bと内
外径が等しく、長さは非磁性導電体リング9Bよりも短
い。さらに、トッププレート4の磁極部分の上下部に交
流磁束の対称性調整用のアルミニウム(Al)の非磁性導電
体リング9C(外径:122.3〜126.3mm,内径:102.3m
m,長さ:5mm)、非磁性導電体リング9D(外径:110m
m,内径:102.3mm,長さ:5mm)が設置されており、非
磁性導電体リング9Cは、非磁性導電体リング9Dと内
径と長さが等しく、肉厚は非磁性導電体リング9Dより
も厚い。
【0075】ΔBgを調べた結果を図57に示すが、本
実施の形態では、非磁性導電体リングとして9Aと9B
のみを用いた従来の場合よりもΔBgが小さくなる。こ
れは、従来ではセンターポールの磁極部分の上下に材質
と厚みが同じで長さは上部の方が短い非磁性導電体リン
グが設置されている状態であったため、上部での交流磁
束抑制効果が下部よりも小さく、交流磁束の分布がボイ
スコイルの上方でブロードになっていた。本実施の形態
では、従来に加えてトッププレート側の磁極部分の上下
に交流磁束分布の対称性調整用の非磁性導電体リング9
C、9Dを増設し、その肉厚は上部の方が厚いため、上
部での交流磁束抑制効果が補強されて交流磁束抑制効果
の上下のバランスが良くなり、交流磁束の分布の対称性
が向上したものである。本実施の形態14−(1)〜
(3)に示すように、増設された非磁性導電体リングの
厚さを調整することによりΔBgをより小さな値にさら
に設定することができる。また、交流磁束分布の対称性
調整用の導電体リングを複数使用しているため、ひとつ
だけ使用した場合(比較例)よりもΔBgを小さくでき
る。図58に2次歪みを調べた結果を示す。本実施の形
態はΔBgが小さいため、2次歪みが従来よりも小さく
なる。
【0076】なお、本実施の形態では、トッププレート
側の非磁性導電体リングを交流磁束分布の対称性調整用
として厚さを調節しているが、逆に、センターポール側
の非磁性導電体リングを交流磁束分布の対称性調整用と
し、磁極部上部のリングの厚さを大きくした場合にも同
様の効果が得られる。
【0077】上記のように、本実施の形態の外磁型スピ
ーカ磁気回路によれば、実施の形態13のように、ボイ
スコイルの内側あるいは外側のどちらか一方の磁極部分
を挟んで上下に材質が同じで内外径が等しい非磁性導電
体リングを設置する際に、他方の磁極部分の上下の両方
に交流磁束分布の対称性を調整するための非磁性導電体
リングをさらに設置したので、実施の形態13と同様の
効果が得られる。
【0078】また、実施の形態11〜14では、外磁型
と内磁型スピーカ磁気回路について示したが、図59〜
図62に示すように、ラジアル方向に着磁された環状磁
石3をトッププレートあるいはセンターポールの少なく
とも一部に用いて構成されたものについても適用でき
る。すなわち、ボイスコイルの内側あるいは外側のいず
れか一方の磁極部分を挟んで上下に材質が同じで内外径
が等しい非磁性導電体リングを設置する際に、他方の磁
極部分に交流磁束分布の対称性を調整するための非磁性
導電体リングをさらに設置することにより、実施の形態
11〜14と同様の効果を得ることができる。
【0079】実施の形態15.以下に、この発明の一実
施の形態を図63に基づいて説明する。図63は、この
発明の一実施の形態のスピーカ磁気回路(外磁型)を示
したもので、図において、環状のボトムプレート1(外
径:210mm,内径:40mm,板厚:13mm)の上面に環状の
センターポール2(外径:99.4mm,内径:40mm,高さ:
44mm)と環状の磁石3(外径:220mm,内径:110mm,高
さ:25mm)が同心に取付られ、磁石3の上には環状のト
ッププレート4(外径:210mm,内径:102.3mm,板厚:
9mm)が設置されている。磁石3の材質は例えばフェラ
イトである。導磁部(ボトムプレート1、センターポー
ル2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性部材の
例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生した直流
磁束を通す磁路を形成する。センターポール2とトップ
プレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル5(内
径:100.2mm,長さ:23mm)がその長手方向の中心とト
ッププレート4の板厚方向の中心とが一致するように設
置されている。ここで、トッププレート4の磁極部分2
a(内周より半径方向に5mm分)には、その周囲の軟磁
性部材よりも飽和磁化が高く、かつ磁界に対する磁化の
線形性の良い別質部材が使用されている。別質部材の材
質は、例えば結晶粒微細化処理を施した純鉄やFeCo、け
い素鉄などである。 さらに、センターポール2の磁極
部分の上下には材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非
磁性導電体リング9A(外径:99.4mm,内径:81.4mm,
長さ:9mm)と非磁性導電体リング9B(外径:99.4m
m,内径:87.4mm,長さ:24mm)が嵌合されており、非
磁性導電体リング9Aは、非磁性導電体リング9Bと外
径が等しく、長さは非磁性導電体リング9Bよりも短
く、肉厚:(外径−内径)/2は非磁性導電体リング9
Bよりも厚い。
【0080】別質部材の飽和磁化が高いため、従来に比
べて磁極部分の直流磁束密度が向上する。また、磁気飽
和の影響が少ないために直流磁束分布の幅が小さくな
る。さらに、交流磁束は非磁性導電体リング9Aと非磁
性導電体リング9Bによってその発生量が抑えられると
ともに、交流磁束分布の対称性が向上する。これらの相
乗効果により、2次歪みが図64に示すように別質部材
や非磁性導電体リング9A、非磁性導電体リング9Bを
それぞれ単独に用いた場合(比較例ア、イ)よりもさら
に低減する。
【0081】また、本実施の形態では、磁気動作点での
マイナーループは従来に比べて線形性が良く、かつ交流
磁束の発生量が非磁性導電体リングにより抑制されてい
るため磁界の変動が小さい。このため、図65に示すよ
うに3次歪みも比較例ア、イに比べてさらに低減する。
【0082】なお、本実施の形態の磁極部分の別質部材
は、センターポール2側の磁極のみならず、図66に示
すようにトッププレート4側の磁極部分に用いても同様
の効果を奏する。さらに、図67に示すように両側の磁
極部分に用いれば、さらに大きな効果が得られる。ま
た、別質部材としては図64や図65に示した部材に限
られることはなく、磁極部周囲の磁性部材よりも飽和磁
化が大きく、かつ磁界に対する磁化の線形性が良い材料
であれば、同様の効果を得ることができる。
【0083】上記のように、本実施の形態によれば、ボ
イスコイルの内側あるいは外側の磁極部分の少なくとも
一方に、その周囲の軟磁性部材よりも飽和磁化が大き
く、かつ磁界に対する磁化の線形性が良い別質部材を用
い、さらに、ボイスコイルの内側の磁極部分を挟んで上
下に、材質が同じで外径が等しい非磁性導電体リングを
設置する際に、磁気抵抗が高い側の非磁性導電体リング
の長さを他方よりも短く、かつその肉厚を他方よりも大
きくしたので、従来よりも磁極部分の磁束密度が向上
し、かつボイスコイルのインダクタンスの変動が低下す
るとともに、交流磁束分布の対称性が向上する。これら
の複合作用により、ボイスコイルの駆動歪みがさらに小
さくなって音質がさらに向上する効果を奏する。
【0084】実施の形態16.以下に、この発明の別の
実施の形態を図68に基づいて説明する。図68は、こ
の発明の別の実施の形態のスピーカ磁気回路(内磁型)
を示したもので、図において、ヨーク10(外径:97.6
mm,内径:20mm,高さ:17mm,肉厚:5mm)の中央部上
面に環状の磁石3(外径:56mm,内径:20mm,高さ:12
mm)が取付られ、磁石3の上にはセンターポール2(外
径:61mm,内径:20mm,高さ:7mm)が、ヨーク10の
端部上面にトッププレート4(外径:97.6mm,内径:6
3.2mm,板厚:4mm)が設置されている。磁石3の材質は
例えばNd-Fe-Bある。導磁部(ヨーク10、センターポ
ール2、およびトッププレート4)の材質は軟磁性部材
の例えば炭素鋼であり、これらは磁石3から発生した直
流磁束を通す磁路を形成する。センターポール2とトッ
ププレート4の間の磁気空隙8には、ボイスコイル5
(内径:61.8mm,長さ:3mm)がその長手方向の中心と
トッププレート4の板厚方向の中心とが一致するように
設置されている。ここで、トッププレート4の磁極部分
2a(内周より半径方向に5mm分)には、その周囲の軟
磁性部材よりも飽和磁化が高く、かつ磁界に対する磁化
の線形性の良い別質部材が使用されている。別質部材の
材質は、例えば強加工を施して結晶粒を微細化した純鉄
である。さらに、センターポール2の磁極部分の上下に
は材質が同じ例えばアルミニウム(Al)の非磁性導電体リ
ング9A(外径:61mm,内径:51mm,長さ:2mm)と非
磁性導電体リング9B(外径:61mm,内径:56mm,長
さ:12mm)が嵌合されており、非磁性導電体リング9A
は、非磁性導電体リング9Bと外径が等しく、長さは非
磁性導電体リング9Bよりも短く、肉厚:(外径−内
径)/2は非磁性導電体リング9Bよりも厚い。
【0085】別質部材の飽和磁化が高いため、従来に比
べて磁極部分の直流磁束密度が向上する。また、磁気飽
和の影響が少ないために直流磁束分布の幅が小さくな
る。さらに、交流磁束は非磁性導電体リング9Aと非磁
性導電体リング9Bによってその発生量が抑えられると
ともに、交流磁束分布の対称性が向上する。これらの相
乗効果により、2次歪みが図69に示すように別質部材
や非磁性導電体リング9A、非磁性導電体リング9Bを
それぞれ単独に用いた場合(比較例ア、イ)よりもさら
に低減する。
【0086】また、本実施の形態では、磁気動作点での
マイナーループは従来に比べて線形性が良く、かつ交流
磁束の発生量が非磁性導電体リングにより抑制されてい
るため磁界の変動が小さい。このため、図70に示すよ
うに3次歪みも比較例ア、イに比べてさらに低減する。
【0087】なお、本実施の形態の磁極部分の別質部材
は、センターポール2側の磁極のみならず、図71に示
すようにトッププレート4側の磁極部分4aに用いても
同様の効果を奏する。さらに、図72に示すように両側
の磁極部分2a,4aに用いれば、さらに大きな効果が
得られる。また、別質部材としては純鉄に限られること
はなく、その周囲の部分の軟磁性部材よりも飽和磁化が
大きく、かつ磁界に対する磁化の線形性が良い材料であ
れば、同様の効果を得ることができる。
【0088】上記のように、本実施の形態の内磁型スピ
ーカ磁気回路によれば、実施の形態15のように、ボイ
スコイルの内側あるいは外側の磁極部分の少なくとも一
方に、その周囲の軟磁性部材よりも飽和磁化が大きく、
かつ磁界に対する磁化の線形性が良い別質部材を用い、
さらに、ボイスコイルの内側の磁極部分を挟んで上下
に、材質が同じで外径が等しい非磁性導電体リングを設
置する際に、磁気抵抗が高い側の非磁性導電体リングの
長さを他方よりも短く、かつその肉厚を他方よりも大き
くしたので、実施の形態15と同様の効果を奏する。
【0089】また、実施の形態15、16では、それぞ
れ外磁型と内磁型スピーカ磁気回路について示したが、
図73、図74に示すように、ラジアル方向に着磁され
た環状磁石3をトッププレートあるいはセンターポール
の少なくとも一部に用いて構成された磁気回路について
も適用できる。すなわち、ボイスコイルの内側あるいは
外側の磁極部分の少なくとも一方に、その周囲の軟磁性
部材よりも飽和磁化が大きく、かつ磁界に対する磁化の
線形性が良い別質部材を用い、さらにボイスコイルの内
側の磁極部分を挟んで、上下に材質が同じで外径が等し
い非磁性導電体リングを設置する際に、磁気抵抗が高い
側の非磁性導電体リングの長さを他方よりも短く、かつ
その肉厚を他方よりも大きくすることにより、実施の形
態15、16と同様の効果を得ることができる。
【0090】
【発明の効果】以上のように、本発明のスピーカ磁気回
路は、上方に磁石が配設されたボトムプレートまたはヨ
ークと、該ボトムプレートまたはヨークの中央部に配設
されたセンターポールと、該センターポールとの間に、
ボイスコイルが挿入され、磁気空隙を形成するトッププ
レートを備えたスピーカ磁気回路において、前記センタ
ーポールあるいはトッププレートのうち少なくとも一方
の磁気空隙を構成する磁極部を、該磁極部の周囲の軟磁
性部材よりも飽和磁化が大きく、かつ磁界に対する磁化
の線形性が良い別質部材で構成したので、また、前記別
質部材をFe-Co合金または、磁性体と非磁性体とが交互
に積層された部材とすることを規定したので、従来のス
ピーカ磁気回路に比べて磁極部分の直流磁束密度が向上
し、かつ磁束分布の幅が小さくなるとともに、ボイスコ
イルのインダクタンスの変動が小さくなる。このため、
従来よりボイスコイルの駆動歪みが小さくなり、音質が
向上する効果を奏する。また、磁束密度の向上の作用は
音質向上の他に、ボイスコイルの駆動力の向上やスピー
カの電気機械変換効率の向上という効果を奏する。
【0091】また、本発明のスピーカ磁気回路は、上方
に磁石が配設されたボトムプレートまたはヨークと、該
ボトムプレートまたはヨークの中央部に配設されたセン
ターポールと、該センターポールとの間に、ボイスコイ
ルが挿入され、磁気空隙を形成するトッププレート、前
記磁気空隙を形成する磁極部分を挟んで上下に非磁性導
電体リングとを備えたスピーカ磁気回路において、前記
磁極部分の交流磁束分布を上下対称にする手段を備えた
ので、また、該手段が、磁気抵抗が高い側に設置された
非磁性導電体リングの長さを他方よりも短くかつ肉厚の
大きい部材で構成することを規定し、あるいは、磁気抵
抗が高い側に設置された非磁性導電体リングの長さを他
方よりも短くかつ導電率の大きい材料で構成することを
規定し、あるいは、磁極部分を挟んで、非磁性導電体リ
ングの設置されていない部位にさらに非磁性導体リング
を備えたことを規定したので、従来は小さかった磁気抵
抗が高い側の交流磁束抑制効果が大きくなって上下の交
流磁束抑制効果のバランスが良くなり、ボイスコイル部
の交流磁束分布の上下の対称性が向上する。この結果、
ボイスコイルの駆動歪みが小さくなって音質が向上する
効果を奏する。また、磁気抵抗が高い側の非磁性導電体
リングの長さを短くしているので、磁気回路が小型化さ
れる効果を奏する。
【0092】さらに、本発明のスピーカ磁気回路は、上
方に磁石が配設されたボトムプレートまたはヨークと、
該ボトムプレートまたはヨークの中央部に配設されたセ
ンターポールと、該センターポールとの間に、ボイスコ
イルが挿入され、磁気空隙を形成するトッププレートを
備えたスピーカ磁気回路において、前記センターポール
あるいはトッププレートのうち少なくとも一方の磁気空
隙を構成する磁極部を、該磁極部の周囲の軟磁性部材よ
りも飽和磁化が大きく、かつ磁界に対する磁化の線形性
が良い部材で構成し、前記磁極部分を挟んで上下の交流
磁束分布を対称にするように非磁性導体リングを備えた
ので、従来よりも磁極部分の磁束密度が向上し、かつボ
イスコイルのインダクタンスの変動が低下するととも
に、交流磁束分布の対称性が向上する。これらの複合作
用により、ボイスコイルの駆動歪みがさらに小さくなっ
て音質がさらに向上する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に用いられる外磁型
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に用いられるスピー
カ磁気回路の磁極部における直流磁束の密度とその分布
を従来例と比較して示した図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に用いられるスピー
カ磁気回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示し
た図である。
【図4】 この発明の実施の形態1、2における別質部
材の直流磁化特性である。
【図5】 この発明の実施の形態1に用いられるスピー
カ磁気回路による駆動3次歪みを従来例と対比して示し
た図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に用いられる他の外
磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に用いられるさらに
他の外磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図で
ある。
【図8】 この発明の実施の形態2に用いられる内磁型
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2に用いられるスピー
カ磁気回路の磁極部における直流磁束の密度とその分布
を従来例と比較して示した図である。
【図10】 この発明の実施の形態2に用いられるスピ
ーカ磁気回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示
した図である。
【図11】 この発明の実施の形態2に用いられるスピ
ーカ磁気回路による駆動3次歪みを従来例と対比して示
した図である。
【図12】 この発明の実施の形態2に用いられる他の
内磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図であ
る。
【図13】 この発明の実施の形態2に用いられるさら
に他の内磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図
である。
【図14】 この発明の実施の形態1、2を、ラジアル
方向に着磁された環状磁石を用いて構成されたスピーカ
磁気回路に応用した例を示した図である。
【図15】 この発明の実施の形態1、2を、ラジアル
方向に着磁された環状磁石を用いて構成された他のスピ
ーカ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図16】 この発明の実施の形態3に用いられるスピ
ーカ磁気回路の磁極部における直流磁束の密度とその分
布を従来例と比較して示した図である。
【図17】 この発明の実施の形態3に用いられるスピ
ーカ磁気回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示
した図である。
【図18】 この発明の実施の形態4によるスピーカ磁
気回路の磁極部に用いられる別質部材の交流磁化特性を
示した図である。
【図19】 この発明の実施の形態4に用いられるスピ
ーカ磁気回路による駆動3次歪みを従来例と対比して示
した図である。
【図20】 この発明の実施の形態5における外磁型ス
ピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図21】 この発明の実施の形態5におけるスピーカ
磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁束
密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した図
である。
【図22】 この発明の実施の形態5(図20)のスピ
ーカ磁気回路における交流磁束分布を示した図である。
【図23】 この発明の実施の形態5のスピーカ磁気回
路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図であ
る。
【図24】 この発明の実施の形態6に用いられる内磁
型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図25】 この発明の実施の形態6におけるスピーカ
磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁束
密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した図
である。
【図26】 この発明の実施の形態6のスピーカ磁気回
路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図であ
る。
【図27】 この発明の実施の形態7に用いられる外磁
型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図28】 この発明の実施の形態7におけるスピーカ
磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁束
密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した図
である。
【図29】 この発明の実施の形態7のスピーカ磁気回
路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図であ
る。
【図30】 この発明の実施の形態8に用いられる内磁
型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図31】 この発明の実施の形態8におけるスピーカ
磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁束
密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した図
である。
【図32】 この発明の実施の形態8のスピーカ磁気回
路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図であ
る。
【図33】 この発明の実施の形態5〜8を、ラジアル
方向に着磁された環状磁石を用いて構成されたスピーカ
磁気回路に応用した例を示した図である。
【図34】 この発明の実施の形態5〜8を、ラジアル
方向に着磁された環状磁石を用いて構成されたスピーカ
磁気回路に応用した他の例を示した図である。
【図35】 この発明の実施の形態5〜8を、ラジアル
方向に着磁された環状磁石を用いて構成された他のスピ
ーカ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図36】 この発明の実施の形態5〜8を、ラジアル
方向に着磁された環状磁石を用いて構成された他のスピ
ーカ磁気回路に応用した他の例を示した図である。
【図37】 この発明の実施の形態9に用いられる外磁
型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図38】 この発明の実施の形態9におけるスピーカ
磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁束
密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した図
である。
【図39】 この発明の実施の形態9(図37)のスピ
ーカ磁気回路における交流磁束分布を示した図である。
【図40】 この発明の実施の形態9のスピーカ磁気回
路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図であ
る。
【図41】 この発明の実施の形態10における内磁型
スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図42】 この発明の実施の形態10におけるスピー
カ磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁
束密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した
図である。
【図43】 この発明の実施の形態10のスピーカ磁気
回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図で
ある。
【図44】 この発明の実施の形態9、10を、ラジア
ル方向に着磁された環状磁石を用いて構成されたスピー
カ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図45】 この発明の実施の形態9、10を、ラジア
ル方向に着磁された環状磁石を用いて構成された他のス
ピーカ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図46】 この発明の実施の形態11に用いられる内
磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図47】 この発明の実施の形態11におけるスピー
カ磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁
束密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した
図である。
【図48】 この発明の実施の形態11(図46)のス
ピーカ磁気回路における交流磁束分布を示した図であ
る。
【図49】 この発明の実施の形態11のスピーカ磁気
回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図で
ある。
【図50】 この発明の実施の形態12に用いられる外
磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図51】 この発明の実施の形態12におけるスピー
カ磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁
束密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した
図である。
【図52】 この発明の実施の形態12のスピーカ磁気
回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図で
ある。
【図53】 この発明の実施の形態13に用いられる内
磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図54】 この発明の実施の形態13におけるスピー
カ磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁
束密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した
図である。
【図55】 この発明の実施の形態13のスピーカ磁気
回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図で
ある。
【図56】 この発明の実施例14における外磁型磁気
回路の概略縦断面図である。
【図57】 この発明の実施の形態14におけるスピー
カ磁気回路において、ボイスコイル全体でのみかけの磁
束密度変動量であるΔBgを、従来例と比較して示した
図である。
【図58】 この発明の実施の形態14のスピーカ磁気
回路による駆動2次歪みを従来例と対比して示した図で
ある。
【図59】 この発明の実施の形態11〜14を、ラジ
アル方向に着磁された環状磁石を用いて構成されたスピ
ーカ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図60】 この発明の実施の形態11〜14を、ラジ
アル方向に着磁された環状磁石を用いて構成されたスピ
ーカ磁気回路に応用した他の例を示した図である。
【図61】 この発明の実施の形態11〜14を、ラジ
アル方向に着磁された環状磁石を用いて構成された他の
スピーカ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図62】 この発明の実施の形態11〜14を、ラジ
アル方向に着磁された環状磁石を用いて構成された他の
スピーカ磁気回路に応用した他の例を示した図である。
【図63】 この発明の実施の形態15に用いられる外
磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図64】 この発明の実施の形態15のスピーカ磁気
回路による駆動2次歪みを比較例と対比して示した図で
ある。
【図65】 この発明の実施の形態15のスピーカ磁気
回路による駆動3次歪みを比較例と対比して示した図で
ある。
【図66】 この発明の実施の形態15に用いられる他
の外磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図であ
る。
【図67】 この発明の実施の形態15に用いられるさ
らに他の外磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面
図である。
【図68】 この発明の実施の形態16に用いられる内
磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図である。
【図69】 この発明の実施の形態16のスピーカ磁気
回路による駆動2次歪みを比較例と対比して示した図で
ある。
【図70】 この発明の実施の形態16のスピーカ磁気
回路による駆動3次歪みを比較例と対比して示した図で
ある。
【図71】 この発明の実施の形態16に用いられる他
の内磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面図であ
る。
【図72】 この発明の実施の形態16に用いられるさ
らに他の内磁型スピーカ磁気回路の構成を示した縦断面
図である。
【図73】 この発明の実施の形態15、16を、ラジ
アル方向に着磁された環状磁石を用いて構成されたスピ
ーカ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図74】 この発明の実施の形態15、16を、ラジ
アル方向に着磁された環状磁石を用いて構成された他の
スピーカ磁気回路に応用した例を示した図である。
【図75】 従来の外磁型スピーカ磁気回路の構成を示
した断面図である。
【図76】 従来の内磁型スピーカ磁気回路の構成を示
した断面図である。
【図77】 従来の他の外磁型スピーカ磁気回路の構成
を示した断面図である。
【図78】 従来のさらに他の外磁型スピーカ磁気回路
の構成を示した断面図である。
【図79】 従来のさらに他の外磁型スピーカ磁気回路
の構成を示した断面図である。
【図80】 従来の他の内磁型スピーカ磁気回路の構成
を示した断面図である。
【図81】 図79に示された従来の外磁型スピーカ磁
気回路における交流磁束分布である。
【図82】 図80に示された従来の内磁型スピーカ磁
気回路における交流磁束分布である。
【符号の説明】
1 ボトムプレート、 2 センターポール、2a セ
ンターポールの磁極部分、 3 磁石、4 トッププレ
ート 、 4a トッププレートの磁極部分、5 ボイ
スコイル、 6 振動板、7 ボビン、
8 磁気空隙、9、9A、9B、9C、9D 非磁性導
電体リング、 10 ヨーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 宏造 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に磁石が配設されたボトムプレート
    またはヨークと、該ボトムプレートまたはヨークの中央
    部に配設されたセンターポールと、該センターポールと
    の間に、ボイスコイルが挿入され、磁気空隙を形成する
    トッププレートを備えたスピーカ磁気回路において、前
    記センターポールあるいはトッププレートのうち少なく
    とも一方の磁気空隙を構成する磁極部を、該磁極部の周
    囲の軟磁性部材よりも飽和磁化が大きく、かつ磁界に対
    する磁化の線形性が良い部材で構成したことを特徴とす
    るスピーカ磁気回路。
  2. 【請求項2】 センターポールあるいはトッププレート
    のうち少なくとも一方の磁気空隙を構成する磁極部を、
    Fe-Co合金で構成したことを特徴とする請求項1に記載
    のスピーカ磁気回路。
  3. 【請求項3】 センターポールあるいはトッププレート
    のうち少なくとも一方の磁気空隙を構成する磁極部を、
    磁性体と非磁性体とが交互に積層された部材で構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ磁気回路。
  4. 【請求項4】 上方に磁石が配設されたボトムプレート
    またはヨークと、該ボトムプレートまたはヨークの中央
    部に配設されたセンターポールと、該センターポールと
    の間に、ボイスコイルが挿入され、磁気空隙を形成する
    トッププレート、前記磁気空隙を形成する磁極部分を挟
    んで上下に非磁性導電体リングとを備えたスピーカ磁気
    回路において、前記磁極部分の交流磁束分布を上下対称
    にする手段を備えたことを特徴とするスピーカ磁気回
    路。
  5. 【請求項5】 磁極部分の交流磁束分布を上下対称にす
    る手段は、磁気抵抗が高い側に設置された非磁性導電体
    リングの長さを他方よりも短くかつ肉厚の大きい部材で
    構成することを特徴とする請求項4に記載のスピーカ磁
    気回路。
  6. 【請求項6】 磁極部分の交流磁束分布を上下対称にす
    る手段は、磁気抵抗が高い側に設置された非磁性導電体
    リングの長さを他方よりも短くかつ導電率の大きい材料
    で構成することを特徴とする請求項4に記載のスピーカ
    磁気回路。
  7. 【請求項7】 磁極部分の交流磁束分布を上下対称にす
    る手段は、磁極部分を挟んで、非磁性導電体リングの設
    置されていない部位にさらに非磁性導体リングを備えた
    ことであることを特徴とする請求項4に記載のスピーカ
    磁気回路。
  8. 【請求項8】 上方に磁石が配設されたボトムプレート
    またはヨークと、該ボトムプレートまたはヨークの中央
    部に配設されたセンターポールと、該センターポールと
    の間に、ボイスコイルが挿入され、磁気空隙を形成する
    トッププレートを備えたスピーカ磁気回路において、前
    記センターポールあるいはトッププレートのうち少なく
    とも一方の磁気空隙を構成する磁極部を、該磁極部の周
    囲の軟磁性部材よりも飽和磁化が大きく、かつ磁界に対
    する磁化の線形性が良い部材で構成し、さらに前記磁極
    部分の交流磁束分布を上下対称にするように非磁性導体
    リングを備えたことを特徴とするスピーカ磁気回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7272238B2 (en) 2004-10-12 2007-09-18 Alpine Electronics, Inc. Loudspeaker having cooling system
US10104475B2 (en) 2015-08-24 2018-10-16 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Loudspeaker magnetic circuit and loudspeaker equipped with same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7272238B2 (en) 2004-10-12 2007-09-18 Alpine Electronics, Inc. Loudspeaker having cooling system
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