JPH111955A - 下水道の流出抑制装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の下水道の分水装置においては、オリフ
ィスを用いて処理場への汚水流量の増加を抑制している
ため閉塞を起こす欠点があった。 【解決手段】 本発明の下水道の分水装置においては、
被処理流体を流入する流入管に連通される流入口と流体
処理場等に連通される遮集管の入口間に渦流発生手段を
介挿し、汚水流量増大時、渦流を発生して流れを抑制
し、流れの一部をその上流側において放流管に流すよう
にする。上記渦流発生手段には渦流を安定させるための
通気口を設ける。また、上記放流管の上流側に越流堰を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は下水道の流出抑制装
置、特に、雨水と汚水とを合流して流す合流式下水道に
設けた汚水の流出を抑制する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来の流出抑制装置の平面図を示
し、１は雨水と汚水の流入管、２はポンプ場や下水処理
場へ通じる遮集管、３は放流管、４は流入管１と遮集管
２を放流管３から遮ぎるように配置した越流堰であっ
て、晴天時の汚水分は、越流堰４を越えずに、全て下水
処理場に接続される遮集管２を流下するが、雨天時には
流量と水位が増加し、雨水分が越流堰４を越え、放流管
３へ流下する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の流出抑制装置では、流入量の増加に伴い遮集管２に
流れる水量も増加し、遮集管下流のポンプ場や下水処理
場への流量が過大となる。このため、遮集管２の入口に
オリフィスを設け、遮集管２への流量の増加を抑制して
いるが、オリフィス径が小さくなると固形物によって閉
塞を起こすなどの維持管理上の問題が生じている。

【０００４】本発明はこのような欠点を除くようにした
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の下水道の流出抑
制装置は、被処理流体が流入する流入管に連通される流
入口と被処理流体を処理場等に導入する遮集管等に連通
される流出口とを有する渦流発生手段より成ることを特
徴とする。

【０００６】上記渦流発生手段には、渦流を安定させる
ための通気口を設けたことを特徴とする。

【０００７】また、上記流入管に連通する放流管を有す
ることを特徴とする。

【０００８】また、上記流入管と放流管との間には、越
流堰が形成されていることを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
例を説明する。

【００１０】本発明の下水道の流出抑制装置において
は、図１及び図２に示すように一端に遮集管２への流出
口５を設け、他端に雨水と汚水の流入管１に連通する流
入口６を設けた中空の円筒状もしくは円錐台状の筒体７
より成る渦流発生手段を用い、上記流入口６からの流体
を筒体７内に放射状に導入せしめる。

【００１１】上記流出口５は遮集管２へ接続し、また、
流入口６よりも上流側には、流入口６よりも高い位置に
越流堰で仕切るか、もしくは直接放流管３を配置する。

【００１２】また、必要に応じて図３に示すように渦流
を安定させるための通気口８を筒体７の端面中央部に連
通して設ける。

【００１３】本発明の下水道の流出抑制装置は、上記の
ような構成であるから、晴天時の汚水や初期降雨の路面
を洗浄した汚濁負荷の大きな雨水の場合は、流量が小さ
いため、渦流発生手段内には流れを抑制する渦流が発生
せず、下水はそのまま、渦流発生手段を通過するが、流
入量が多くなると渦流発生手段内で渦流が生じ流れが抑
制されるようになる。

【００１４】従って、本発明によれば流出口５の直径を
同等の流出抑制効果を有するオリフィスの場合と比較し
て大きくでき、そのため閉塞の可能性を低減でき、汚濁
負荷の高い下水を遮集管２等へと流下させることができ
る。

【００１５】また、放流管３や越流堰を設けた場合に
は、渦流により遮集管２等に対する雨水の流出量が抑制
されることにより、流入側の水位が上昇し、越流堰を介
して、または、直接接続された放流管３から雨水が放流
され、ポンプ場や汚水処理場への流出量を低減できるよ
うになる。

【００１６】上記渦流発生手段においては、その筒体７
に対する流入口６の角度は図２に示すように筒体７の端
面に斜めになるようにしても良く、また、図３に示すよ
うに筒体７の周辺から半径方向に向くようにしても良
い。

【００１７】また、上記筒体７は円錐台状としても良
く、円筒状としても良い。

【００１８】

【発明の効果】上記のように本発明の下水道の流出抑制
装置によれば、渦流を発生させることにより流体の流れ
を抑制するようにしたので、オリフィスを用いる場合に
比べ流出口の開口をより大きくでき、従って固形物によ
る閉塞のおそれを一掃することができる大きな利点があ
る。

【００１９】さらに、汚濁負荷の高い下水処理場へ流下
させることにより、流出抑制装置として機能しない場合
は貯留された雨水の汚濁負荷を低減し、流出抑制装置と
して機能する場合は公共用水域への汚濁負荷放流量を削
減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の下水道の流出抑制装置の説明用正面図
である。

【図２】本発明の下水道の流出抑制装置における渦流発
生手段の斜視図である。

【図３】本発明の下水道の流出抑制装置における渦流発
生手段の他の実施例の斜視図である。

【図４】従来の下水道の流出抑制装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 雨水と汚水の流入管 ２ ポンプ場や下水処理場へ通じる遮集管 ３ 放流管 ４ 越流堰 ５ 流出口 ６ 流入口 ７ 筒体 ８ 通気口

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被処理流体が流入する流入管に連通され
   る流入口と被処理流体を処理場等に導入する遮集管等に
   連通される流出口とを有する渦流発生手段より成ること
   を特徴とする下水道の流出抑制装置。
2. 【請求項２】 上記渦流発生手段に渦流を安定させるた
   めの通気口を設けたことを特徴とする請求項１記載の下
   水道の流出抑制装置。
3. 【請求項３】 上記流入管に連通する放流管を有するこ
   とを特徴とする請求項１または２記載の下水道の流出抑
   制装置。
4. 【請求項４】 上記流入管と放流管との間に越流堰が形
   成されていることを特徴とする請求項１、２または３記
   載の下水道の流出抑制装置。