JPH11195585A - 露光装置および露光方法 - Google Patents

露光装置および露光方法

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JPH11195585A
JPH11195585A JP9368441A JP36844197A JPH11195585A JP H11195585 A JPH11195585 A JP H11195585A JP 9368441 A JP9368441 A JP 9368441A JP 36844197 A JP36844197 A JP 36844197A JP H11195585 A JPH11195585 A JP H11195585A
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gas
exposure apparatus
exposure
blocks
closed
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JP9368441A
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Hisashi Nishinaga
壽 西永
Ken Ozawa
謙 小澤
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に遠紫外光の光を用いて露光を行う露光装
置において、大幅な設計変更を加えることなく、光学素
子に対する曇り物質の付着を防止でき、しかも運転時に
は窒息性ガスを用いず、運転コストが安価で安全な露光
装置を提供すること。 【解決手段】 露光装置30を構成する複数の要素の少
なくとも一部を覆うように実質的な密封空間を形成する
少なくとも1つの密閉ブロック32a〜32eと、密閉
ブロック内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給系5
0と、密閉ブロック内に、不活性ガスと異なるドライエ
アを供給するドライエア供給系51と、不活性ガス供給
系50により密閉ブロック32a〜32e内に供給され
る不活性ガスによる当該密閉ブロック内のガス置換率を
検出するガスセンサ33と、ガスセンサ33により検出
されたガス置換率のデータに基づき、ドライエア供給系
により密閉ブロック内に供給されるドライエアの流量を
制御する流量制御弁38とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば半導体素
子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他
のマイクロデバイスを製造するためなどに用いられる露
光装置および露光方法に係り、さらに詳しくは、特に遠
紫外光を用いて露光を行う露光装置および露光方法にお
いて、大幅な設計変更を加えることなく、光学素子に対
する曇り物質の付着を防止でき、しかも運転時には窒息
性ガスを用いず、運転コストが安価な露光装置および露
光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子などを製造するためのフォト
リソグラフィ工程において、フォトマスク(レチクル含
む)のパターン像を投影光学系を介して感光性基板上に
露光する露光装置が使用されている。近年、半導体集積
回路は、微細化の方向で開発が進み、フォトリソグラフ
ィ工程においては、フォトリソグラフィ光源の短波長化
が進んでいる。
【0003】しかしながら、たとえばKrFエキシマレ
ーザ(波長248nm)のような遠紫外(DUV)光を
露光用照明光として用いる場合には、露光用照明光が大
気中の微量な不純物を光化学反応によって活性化し、そ
れらの微量な不純物が光学系に付着し、レンズなどの光
学素子を曇らせ、光学系の性能(透過率など)を著しく
損なうことが知られている。
【0004】このようにDUV光による反応によって活
性化する物質としては、アンモニアや硫黄酸化物さらに
はシロキサンなどが挙げられ、これらの物質はクリーン
ルーム雰囲気から露光装置内に侵入してくることが一般
的である。また、通常の大気下の雰囲気中においては、
これらの物質を除去することは困難であり、また、クリ
ーンルーム全体をフィルタリングしてこれらの物質を除
去することはコストがかかる。したがって、このような
DUV光を光源とする露光装置では、光源からの照明光
を効率的に使用し、曇り物質の付着を防止するために
も、照明光の光路中をDUV光に不活性なガスで置換す
る必要がある。
【0005】このため、従来のDUV光を光源とする露
光装置では、特に照明光学系を構成する光路を密閉型と
し、内部のガス置換を行っている。ガス置換は、密閉型
内部の空気を真空ポンプなどで排気した後、任意のガス
を密閉型光路の内部に送り込むことにより行っていた
り、一般の大気圧雰囲気から置換ガスを密閉型光路内部
に送り込むことにより徐々に置換ガスで内部を置換して
いる。
【0006】密閉型光路内部に封入されるガスは、DU
V光に対して安定なものでなければならない。そのため
に、一般には、密閉型光路内部に封入されるガスとし
て、窒素ガスやヘリウムガスなどの不活性ガスが使用さ
れている。なお、密閉型光路とは言っても、完全に不活
性ガスを閉じこめておくことはできず、多少のリークが
存在する。そこで、従来では、不活性ガスの密閉型光路
の密閉空間からのリークを酸素センサにより、不活性ガ
スの置換率と言う形でリアルタイムにモニタリングし、
モニタリングしたガス置換率に応じて随時不活性ガスを
供給するように制御している。このように光路を密閉型
とすると共に、光路中に不活性ガスを封入することで、
特に照明光学系の光路内の光学素子を不純物の付着から
有効に保護することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、照明光
学系の光路内全体を不活性ガスで置換しようと考えた場
合、大容積の照明光学系の完全な密封は困難である。し
たがって、密閉部分からリークが発生することとなり、
照明光学系の光路内の全域を雰囲気を不活性ガスで保つ
ためには多量の不活性ガスの供給が必要となり、運転コ
ストが嵩むという課題を有する。
【0008】また、光路内に密封しようとしている不活
性ガスは、いずれも窒息性ガスであり、あっては成らな
いことではあるが、密閉された光路からリークする不活
性ガスが多い場合や、空気の循環がスムーズでない場合
などには、装置周囲の酸素濃度が低くなるおそれがあ
る。
【0009】そこで、ドライエアなどの窒息性でないケ
ミカルクリーンなガスを置換ガスとして用い、密封型光
路内を密封することも考えられるが、このガスには酸素
が含まれていることから、一般計測器を用いる限り、光
路内に密封した置換ガスの置換率を計測することは困難
である。置換ガスの置換率を計測することができなけれ
ば、所定のガス置換率で光路内を置換ガスで良好に密封
することはできない。
【0010】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、特に遠紫外光を用いて露光を行う露光装置におい
て、大幅な設計変更を加えることなく、光学素子に対す
る曇り物質の付着を防止でき、しかも運転時には窒息性
ガスを用いず、運転コストが安価で安全な露光装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下、この項に示す説明
では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に
対応つけて説明するが、本発明の各構成要件は、これら
部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものでは
ない。
【0012】請求項1 上記目的を達成するために、本発明に係る露光装置(請
求項1に対応)は、露光装置を構成する複数の要素の少
なくとも一部を覆うように実質的な密封空間を形成する
少なくとも1つの密閉ブロック(32a〜32e)と、
前記密閉ブロック内に第1のガスを供給する第1ガス供
給手段(50)と、前記密閉ブロック内に、前記第1の
ガスと異なる第2のガスを供給する第2ガス供給手段
(51)と、前記第1ガス供給手段(50)により前記
密閉ブロック内に供給される第1のガスによる当該密閉
ブロック内のガス置換率を検出するガスセンサ(33)
と、前記ガスセンサ(33)により検出されたガス置換
率のデータに基づき、前記第2ガス供給手段51により
前記密閉ブロック(32a〜32e)内に供給される第
2のガスの流量を制御する流量制御手段(38)とを有
することを特徴とする。
【0013】本発明において、第2のガスは、露光用照
明光に対して安定なガスであることが好ましく、第1の
ガスは、必ずしも露光用照明光に対して安定なガスであ
る必要はないが、安定なガスであることが好ましい。
【0014】本発明に係る露光装置では、露光装置の実
稼働前の調整段階で、密閉ブロック(32a〜32e)
内に第1のガスを、リーク検出用として供給し、当該密
閉ブロック(32a〜32e)における第1のガスの単
位時間当たりのリークを検出し、所望のガス置換率を得
るために必要な、単位時間当たりのガスの供給量を算出
する。密閉ブロック(32a〜32e)が複数ある場合
には、各密閉ブロック(32a〜32e)毎に、単位時
間当たりのリークが異なると考えられるため、各密閉ブ
ロック(32a〜32e)毎に、第1のガスの単位時間
当たりのリークを検出し、所望のガス置換率を得るため
に必要な、単位時間当たりのガスの供給量を算出する。
【0015】露光装置の実稼働時には、前記第1のガス
とは異なる第2のガスを密閉ブロック(32a〜32
e)内部に供給する。その際には、前記第1のガスを供
給した場合に求めた所望のガス置換率を実現するために
必要な、単位時間当たりのガスの供給量と同じ供給量
で、第2のガスを密閉ブロック(32a〜32e)の内
部に供給する。
【0016】実稼働時前の調整段階で、密閉ブロック
(32a〜32e)の密閉状態に変更がなければ、密閉
ブロック(32a〜32e)からのガスのリーク量は、
調整段階と実稼働時とでは、実質的に同じになると考え
られる。なぜなら、第1のガスと第2のガスとが異なる
場合には、ガスの粘性(リーク特性)が多少異なるが、
密閉ブロック(32a〜32e)から外部へのリーク量
は、ガスの粘性の差による影響よりも密閉ブロック(3
2a〜32e)の密閉度と、ブロック内外の圧力差とに
大きく依存するためである。
【0017】したがって、第1のガスと第2のガスとを
実質的に同じ圧力で供給する場合には、密閉ブロック
(32a〜32e)からのガスのリーク量が、調整段階
と実稼働時とで実質的に同じになり、実稼働時には、第
2のガスによる置換率をモニタリングする必要がなくな
る。すなわち、第1のガスを密閉ブロック(32a〜3
2e)内部に封入して目標となるガス置換率が得られる
場合の条件を記憶しておき、それと同じ条件で、第2の
ガスを封入すれば、間接的に第2のガスの置換率のモニ
タリングが可能になる。このため、第2のガスとして
は、後述するように、酸素を含むケミカルクリーンなガ
ス(好ましくはドライエア)を用いることが可能にな
る。このようなガスは、クリーンルーム内のエアをケミ
カルフィルタおよび除湿器を介して供給すれば良く、運
転コストの点でも安全性の点でも有利である。また、ド
ライエアであれば、ガスの循環も容易であり、製造ライ
ンの負担も軽くなる。
【0018】前記第1のガスを供給した場合に求めた所
望のガス置換率を実現するために必要な、単位時間当た
りのガスの供給量と同じ供給量で、第2のガスを密閉ブ
ロック(32a〜32e)の内部に供給すると、密閉ブ
ロック(32a〜32e)の内部は、第2のガスにより
所望のガス置換率で置換された状態となり、KrFエキ
シマレーザなどのDUV光を露光用照明光として用いて
も、光学素子の曇り物質を発生させることがない。
【0019】請求項2 本発明に係る露光装置において、露光用照明光を射出す
る光源(1)と、前記照明光をマスクに照射する照明光
学系(M1,M2,2,5,8,10)とを備え、前記
照明光学系の少なくとも一部が前記密閉ブロック(32
a〜32e)内に配置されていることが好ましい(請求
項2に対応)。なお、本発明において、マスクとは、レ
チクル(11)を含む概念で用いる。
【0020】照明光学系(M1,M2,2,5,8,1
0)においては、特にレンズなどの光学素子が数多く配
置され、これらの光学素子に、光の透過率を低下させる
ような曇り物質が付着すると、露光装置の性能を低下さ
せるおそれがあるが、本発明では、これを有効に防止す
ることができる。
【0021】請求項3 本発明に係る露光装置において、前記マスクから出射す
る照明光を感光性基板上に投射する投影光学系(13)
を備え、前記光源(1)と前記感光性基板(14)との
間に配置される複数の光学素子はそれぞれ複数の密閉ブ
ロック(32a〜32e)のいずれかに配置されている
ことが好ましい(請求項3に対応)。なお、本発明にお
いて、密閉ブロック(32a〜32e)の内部に配置さ
れる複数の光学素子とは、光源(1)と感光性基板(1
4)との間に配置される全ての光学素子を意味するもの
ではなく、照明光学系(M1,M2,2,5,8,1
0)および/または投影光学系(13)の内部に配置し
てある光学素子の内の複数の光学素子を意味する。すな
わち、本発明においての複数の光学素子とは、照明光学
系(M1,M2,2,5,8,10)または投影光学系
(13)を各々構成する複数の光学素子であっても良
く、あるいは照明光学系(M1,M2,2,5,8,1
0)の少なくとも一つと投影光学系(13)の少なくと
も一つの光学素子との合計であっても良い。
【0022】照明光学系(M1,M2,2,5,8,1
0)および/または投影光学系(13)においては、特
にレンズなどの光学素子が数多く配置され、これらの光
学素子に、光の透過率を低下させるような曇り物質が付
着すると、露光装置の性能を低下させるおそれがある
が、本発明では、これを有効に防止することができる。
【0023】請求項4 本発明に係る露光装置において、前記第1のガスが、酸
素を含まないガスであり、前記ガスセンサ(33)が酸
素の濃度を検出可能なセンサであることが好ましい(請
求項4に対応)。
【0024】前記第1のガスが、酸素を含まないガスで
ある場合には、たとえばガルバニ電池式の酸素濃度セン
サなどのように、露光装置において一般的なガスセンサ
(33)をそのまま用いて、密閉ブロック(32a〜3
2e)内の酸素の濃度を検出することにより、第1のガ
スによる密閉ブロック(32a〜32e)内のガス置換
率を算出することができる。そのため、特殊なガスセン
サを準備することなく、密閉ブロック内のガス置換率を
算出することができる。また、従来の露光装置における
不活性ガスの置換率のモニタリングなどとして使用して
いた酸素センサなどのガスセンサを、そのままガス置換
率算出用のセンサとして用いることができるので、従来
の露光装置を大幅に設計変更する必要がない。
【0025】請求項5 本発明に係る露光装置において、前記第1のガスが不活
性ガスであることが好ましい(請求項5に対応)。
【0026】不活性ガスとしては、特に限定されず、窒
素ガス、ヘリウムガスなどが例示されるが、窒素ガスが
好ましい。入手が容易であり安価であるためである。ま
た、不活性ガスは、酸素を含まないガスであるため、特
殊なガスセンサを準備することなく、第1のガスによる
密閉ブロック(32a〜32e)内のガス置換率を容易
に算出することができる。
【0027】請求項6および7 本発明に係る露光装置において、前記第2のガスが、酸
素を含む化学的にクリーンなガスであることが好ましい
(請求項6に対応)。特に好ましくは、本発明に係る露
光装置において、前記第2のガスは、ドライエアである
(請求項7に対応)。
【0028】前記第2のガスが、酸素を含む化学的にク
リーンなガス、たとえばドライエアである場合には、K
rFエキシマレーザ光などのDUV光を露光用照明光と
して用いても、光学素子の曇り物質を発生させることが
なく、しかも仮に密閉ブロック(32a〜32e)外に
多量に漏れたとしても、窒息性ガスではないので安全で
ある。また、化学的にクリーンなドライエアは、クリー
ンルーム内のエアをケミカルフィルタ(56)および除
湿器(54)を介して供給すれば良く、運転コストの点
でも安全性の点でも有利である。なお、本件明細書にお
いて、「ドライエア」とは、相対湿度で好ましくは3%
程度以下、さらに好ましくは0%に近い湿度を持つ空気
を意味するものとする。
【0029】請求項8 本発明に係る露光装置において、前記第1ガス供給手段
(50)から前記密閉ブロック(32a〜32e)へ至
る流路の開放と、前記第2ガス供給手段(51)から前
記密閉ブロック(32a〜32e)へ至る流路の開放と
を切り換えるガス切換手段(48)を有することが好ま
しい(請求項8に対応)。
【0030】ガス切換手段(48)を有することで、流
路の共用化を図ることができ、流路が複雑になることを
防止することができる。
【0031】請求項9 本発明に係る露光装置において、前記ガス切換手段(4
8)と複数の密閉ブロック(32a〜32e)との間に
は、当該ガス切換手段(48)で選択された第1のガス
または第2のガスを、複数の密閉ブロック(32a〜3
2e)内に分岐させて供給するガス分配手段(38)を
有することが好ましい(請求項9に対応)。
【0032】ガス分配手段(38)を有することで、流
路の共用化を図ることができ、流路が複雑になることを
防止することができる。
【0033】請求項10 本発明に係る露光装置において、前記ガス分配手段(3
8)が前記流量制御手段の一部を兼ねており、当該ガス
分配手段(38)により、各密閉ブロック(32a〜3
2e)内に供給される流量の制御を行うように構成して
あることが好ましい(請求項10に対応)。
【0034】ガス分配手段に流量制御の機能を持たせる
ことで、流量の制御を行うための部材を別に準備する必
要がなくなり、部品の共用化を図ることができる。
【0035】請求項11 本発明に係る露光装置において、前記密閉ブロック(3
2a〜32e)内に前記第1ガス供給手段(50)また
は第2ガス供給手段(51)からガスを供給する前に、
前記密閉ブロック(32a〜32e)内の圧力を大気圧
力よりも低くするための減圧手段(37)を有すること
が好ましい(請求項11に対応)。減圧手段としては、
特に限定されないが、たとえば真空ポンプなどを例示す
ることができる。
【0036】減圧手段により、密閉ブロック(32a〜
32e)の内部を減圧状態とした後に、前記第1ガス供
給手段(50)または第2ガス供給手段(51)から各
ガスを供給することで、ガス供給後に所望のガス置換率
となるまでの時間を短縮することができる。すなわち、
密閉ブロック(32a〜32e)の内部が大気圧状態か
らガスを封入して所望のガス置換率となるまでの時間よ
りも、密閉ブロック(32a〜32e)内部を一旦減圧
状態としてからガスを封入した方が、所望のガス置換率
が得られるまでの時間を短くすることができる。なお、
密閉ブロック(32a〜32e)内への第1のガスの供
給と第2のガスの供給とは、同じ条件で行うことが好ま
しい。同じ条件で行うことで、第2のガスの供給量の制
御を、第1のガスの供給の際のガス置換率のモニタリン
グに基づき容易に行うことができるからである。
【0037】請求項12および請求項13 本発明に係る露光装置において、200nm程度以上の
波長を持つ光を露光用照明光として出射する光源(1)
を有することが好ましい(請求項12に対応)。
【0038】本発明に係る露光装置において、前記照明
光はKrFエキシマレーザであることが好ましい(請求
項13に対応)。
【0039】本発明に係る露光装置(請求項12および
13以外)においては、露光装置としては、特に限定さ
れず、g線(436nm)、i線(365nm)、Kr
Fエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレー
ザ(193nm)、F2レーザ(157nm)、または
YAGレーザなどの高調波を露光用照明光源として用い
る露光装置に限らず、X線露光装置なども含む。しかし
ながら、200nmないしArFエキシマレーザの波長
(193nm)よりも短い波長を持つ光を露光用照明光
として用いた場合には、酸素を分解してオゾンを発生さ
せるおそれがあるため、本発明に係る露光装置として
は、200nm程度以上の波長を持つ光を露光用照明光
として出射する光源、特にKrFエキシマレーザである
場合に効果が大きい。
【0040】請求項14 上記目的を達成するために、本発明に係る露光方法(請
求項14に対応)は、露光装置を構成する複数の要素の
少なくとも一部を覆うように実質的な密封空間を形成す
る少なくとも1つの密閉ブロック(32a〜32e)内
に、露光装置の使用前に、第1のガスを供給し、前記密
閉ブロック(32a〜32e)内に供給される第1のガ
スが、密閉ブロック(32a〜32e)内に元々存在し
ていたガスを置換する割合であるガス置換率を検出し、
露光装置の使用時には、前記密閉ブロック(32a〜3
2e)内の第1のガスによるガス置換率が所定の目標ガ
ス置換率以上となる時の第1のガスの供給流量に基づ
き、前記密閉ブロック(32a〜32e)内に供給する
第2のガスの流量制御を行うことを特徴とする。
【0041】本発明において、第2のガスは、露光用照
明光に対して安定なガスであることが好ましく、第1の
ガスは、必ずしも露光用照明光に対して安定なガスであ
る必要はないが、安定なガスであることが好ましい。
【0042】本発明に係る露光方法では、露光装置の実
稼働前の調整段階で、密閉ブロック(32a〜32e)
内に第1のガスを、リーク検出用として供給し、当該密
閉ブロック(32a〜32e)における第1のガスの単
位時間当たりのリークを検出し、所望のガス置換率を得
るために必要な、単位時間当たりのガスの供給量を算出
する。密閉ブロック(32a〜32e)が複数ある場合
には、各密閉ブロック(32a〜32e)毎に、単位時
間当たりのリークが異なると考えられるため、各密閉ブ
ロック(32a〜32e)毎に、第1のガスの単位時間
当たりのリークを検出し、所望のガス置換率を得るため
に必要な、単位時間当たりのガスの供給量を算出する。
【0043】露光装置の実稼働時には、前記第1のガス
とは異なる第2のガスを密閉ブロック(32a〜32
e)内部に供給する。その際には、前記第1のガスを供
給した場合に求めた所望のガス置換率を実現するために
必要な、単位時間当たりのガスの供給量と同じ供給量
で、第2のガスを密閉ブロック(32a〜32e)の内
部に供給する。
【0044】実稼働時前の調整段階で、密閉ブロック
(32a〜32e)の密閉状態に変更がなければ、密閉
ブロック(32a〜32e)からのガスのリーク量は、
調整段階と実稼働時とでは、実質的に同じになると考え
られる。なぜなら、第1のガスと第2のガスとが異なる
場合には、ガスの粘性が多少異なるが、密閉ブロック
(32a〜32e)から外部へのリーク量は、ガスの粘
性の差による影響よりも密閉ブロック(32a〜32
e)の密閉度と、ブロック内外の圧力差とに大きく依存
するためである。
【0045】したがって、第1のガスと第2のガスとを
実質的に同じ圧力で供給する場合には、密閉ブロック
(32a〜32e)からのガスのリーク量が、調整段階
と実稼働時とで実質的に同じになり、実稼働時には、第
2のガスによる置換率をモニタリングする必要がなくな
る。すなわち、第1のガスを密閉ブロック(32a〜3
2e)内部に封入して目標となるガス置換率が得られる
場合の条件を記憶しておき、それと同じ条件で、第2の
ガスを封入すれば、間接的に第2のガスの置換率のモニ
タリングが可能になる。このため、第2のガスとして
は、前述したように、酸素を含むケミカルクリーンなガ
ス(好ましくはドライエア)を用いることが可能にな
る。このようなガスは、クリーンルーム内のエアをケミ
カルフィルタおよび除湿器を介して供給すれば良く、運
転コストの点でも安全性の点でも有利である。また、ド
ライエアであれば、ガスの循環も容易であり、製造ライ
ンの負担も軽くなる。
【0046】前記第1のガスを供給した場合に求めた所
望のガス置換率を実現するために必要な、単位時間当た
りのガスの供給量と同じ供給量で、第2のガスを密閉ブ
ロック(32a〜32e)の内部に供給すると、密閉ブ
ロック(32a〜32e)の内部は、第2のガスにより
所望のガス置換率で置換された状態となり、KrFエキ
シマレーザなどのDUV光を露光用照明光として用いて
も、光学素子の曇り物質を発生させることがない。
【0047】請求項15 本発明に係る露光方法において、光源から射出される露
光用照明光を感光性基板に導く複数の光学素子はそれぞ
れ複数の密閉ブロック(32a〜32e)のいずれかに
配置されており、前記密閉ブロック(32a〜32e)
毎に、前記第1のガスによるガス置換率が所定の目標ガ
ス置換率以上となるときの前記第1のガスの供給流量に
基づき、前記密閉ブロック(32a〜32e)内に供給
する前記第2ガスの流量制御を行うことが好ましい(請
求項15に対応)。
【0048】密閉ブロック(32a〜32e)を複数に
することで、各密閉ブロック(32a〜32e)の容量
を小さくすることができると共に、各密閉ブロック(3
2a〜32e)の密閉度を高くすることが容易になり、
各密閉ブロック(32a〜32e)に封入するガスの供
給量を少なくすることができる。また、第2ガスの流量
制御も容易になる。なお、照明光学系と投影光学系との
間、及び投影光学系と感光性基板との間をそれぞれほぼ
密閉して第2ガスを流入させるようにしてもよい。
【0049】請求項16 本発明に係る露光方法において、前記第1のガスを前記
密閉ブロック(32a〜32e)内に所定の流量で供給
し続けた場合に、平衡状態となるガス置換率の値が、前
記目標ガス置換率の値よりも高くなるように、第1のガ
スの供給流量を設定することが好ましい(請求項16に
対応)。
【0050】平衡状態となるガス置換率の値が、前記目
標ガス置換率の値よりも低い場合には、前記第1のガス
を前記密閉ブロック(32a〜32e)内に所定の流量
で供給し続けた場合に、平衡状態となっても、目標ガス
置換率に到達しない。この状態は、密閉ブロック(32
a〜32e)からの単位時間当たりのリーク量に対し
て、第1のガスの単位時間当たりの供給量(供給流量)
が少なすぎる場合と考えられ、第1のガスの供給流量を
増やす必要がある。第1のガスの供給流量を多くして、
第1のガスを前記密閉ブロック(32a〜32e)内に
所定の流量で供給し続けた場合に、平衡状態となるガス
置換率の値が、目標ガス置換率の値よりも高くなる場合
には、その時の供給流量とガス置換率との関係をモニタ
リングしておく。そして、そのモニタリングされた情報
に基づき、露光装置の実稼働時には、第2のガスの供給
流量を制御する。
【0051】請求項17 本発明に係る露光方法において、前記密閉ブロック(3
2a〜32e)内における第1のガスのガス置換率をモ
ニタし、ガス置換率が初期状態から目標ガス置換率(E
o)となるまでの時間(T0)を計測することが好まし
い(請求項17に対応)。
【0052】特定の密閉ブロック(32a〜32e)内
の第1のガスによるガス置換率が初期状態から目標ガス
置換率(Eo)となるまでの時間は、当該密閉ブロック
(32a〜32e)内に第2のガスを供給した場合に、
第2のガスによるガス置換率が初期状態から目標ガス置
換率となるまでの時間と実質的に同じであると考えられ
る。したがって、この時間を経過した後に、第2のガス
の存在下に、露光装置による露光を行うことで、KrF
エキシマレーザなどのDUV光を露光用照明光として用
いても、光学素子の曇り物質を発生させることがない。
【0053】請求項18 本発明に係る露光方法において、前記密閉ブロック(3
2a〜32e)内における第1のガスのガス置換率を、
密閉ブロック(32a〜32e)内の酸素濃度をモニタ
することで検出し、この酸素濃度が、目標酸素濃度以下
となる酸素濃度を前記目標ガス置換率とすることが好ま
しい(請求項18に対応)。
【0054】酸素濃度は、たとえばガルバニ電池式の酸
素濃度センサなどのように、露光装置において一般的な
ガスセンサにより検出することができる。そして、密閉
ブロック(32a〜32e)内の酸素の濃度を検出する
ことにより、第1のガスによる密閉ブロック(32a〜
32e)内の置換率を算出することができる。そのた
め、特殊なガスセンサを準備することなく、密閉ブロッ
ク(32a〜32e)内の置換率を算出することができ
る。また、従来の露光装置における不活性ガスの置換率
のモニタリングなどとして使用していた酸素センサなど
のガスセンサを、そのまま置換率算出用のセンサとして
用いることができるので、従来の露光装置を大幅に設計
変更する必要がない。
【0055】請求項1〜18 本発明において、露光装置としては、露光方式の分類に
よる露光装置のタイプも特に限定されず、いわゆるステ
ップ・アンド・リピート方式の露光装置でも、いわゆる
ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置でも良い。
いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置
は、レチクルなどのマスク上のパターンの一部を投影光
学系を介して感光性基板上に縮小投影露光した状態で、
マスクと感光性基板とを、投影光学系に対して同期移動
させることにより、マスク上のパターンの縮小像を逐次
感光性基板の各ショット領域に転写する方式の露光装置
である。この方式の露光装置は、いわゆるステップ・ア
ンド・リピート方式の露光装置に比較して、投影光学系
に対する負担を増大させることなく、転写対象パターン
を大面積化することができるという利点がある。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0057】図1は本発明の1実施形態に係る露光装置
の概略構成図、図2は図1に示す密閉ブロックへ第1の
ガスおよび第2のガスを供給するための配管系の概略構
成図、図3は密閉ブロック内に第1のガスを供給する場
合のガス置換率の時間経過を示すグラフ、図4は図1に
示す露光装置本体のより詳細な概略図である。
【0058】第1実施形態 図1に示すように、本発明の1実施形態に係る露光装置
30は、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の露
光装置であり、マスクとしてのレチクル11上のパター
ンの一部を投影光学系13を介して感光性基板としての
レジストが塗布されたウエハ14上に縮小投影露光した
状態で、レチクル11とウエハ14とを、投影光学系1
3に対して同期移動させることにより、レチクル11上
のパターンの縮小像を逐次ウエハ14の各ショット領域
に転写するようになっている。
【0059】本実施形態では、図1に示すように、この
ようなステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置
において、露光装置本体の照明光学系を複数の要素に分
割し、各要素毎に、密閉ブロック32a〜32dで覆
い、内部を実質的な密閉空間としている。各密閉ブロッ
ク32a〜32dは、たとえばステンレス、鋼鉄、アル
ミニウム、銅、真鍮などの電磁シールド材またはその他
の部材で構成してあり、露光用照明光が通過する部分に
は、その通過が可能なように、且つ内部が密閉されるよ
うに透明ガラス(平行平面板)などの透明部材が装着し
てある。なお、密閉空間毎にその両端に透明部材を装着
する代わりに、1つの密閉空間の少なくとも一端に、そ
の内部に配置される光学素子を装着して、その1つの密
閉空間を構成するようにしてもよい。
【0060】まず、本実施形態に係る露光装置30にお
ける露光装置本体について、図4に基づき説明する。
【0061】図4に示すように、本実施形態の露光装置
30の装置本体は、露光用光源1としてKrFエキシマ
レーザ(発振波長248nm)を有する。なお、露光用
光源1としては、金属蒸気レーザ光源やYAGレーザの
高調波発生装置等のパルス光源を使用しても良い。特
に、200nm程度以上の波長域に発振スペクトルを有
する光を射出する光源が好適である。
【0062】露光用光源1からパルス発光されたレーザ
ビームLBは、図1では図示省略してあるが図4には図
示してある光路折り曲げ用のミラーM1およびM2を介
して、ビーム整形・変調光学系2へ入射するようになっ
ている。本実施形態では、ビーム整形・変調光学系2
は、ビーム整形光学系2aと、エネルギー変調器2bと
から成る。ビーム整形光学系2aは、シリンダレンズや
ビームエキスパンダ等で構成してあり、これらにより、
後続のフライアイレンズ5に効率よく入射するようにビ
ームの断面形状が整形される。
【0063】図4に示すエネルギー変調器2bは、エネ
ルギー粗調器およびエネルギー微調器などで構成してあ
り、エネルギー粗調器は、回転自在なレボルバ上に透過
率(=(1−減光率)×100(%))の異なる複数個
のNDフィルタを配置したものであり、そのレボルバを
回転することにより、入射するレーザビームLBに対す
る透過率を100%から複数段階で切り換えることがで
きるようになっている。なお、そのレボルバと同様のレ
ボルバを2段配置し、2組のNDフィルタの組み合わせ
によってより細かく透過率を調整できるようにしてもよ
い。一方、エネルギー微調器は、ダブル・グレーティン
グ方式、または傾斜角可変の2枚の平行平板ガラスを組
み合わせた方式等で、所定範囲内でレーザビームLBに
対する透過率を連続的に微調整するものである。ただ
し、このエネルギー微調器を使用する代わりに、エキシ
マレーザ光源1の出力変調によってレーザビームLBの
エネルギーを微調整してもよい。
【0064】図4において、ビーム整形・変調光学系2
から射出されたレーザビームLBは、光路折り曲げ用の
ミラーMを介してフライアイレンズ5に入射する。な
お、図1では、ミラーMを省略している。
【0065】フライアイレンズ5は、後続のレチクル1
1を均一な照度分布で照明するために多数の2次光源を
形成する。図4に示すように、フライアイレンズ5の射
出面には照明系の開口絞り(いわゆるσ絞り)6が配置
してあり、その開口絞り6内の2次光源から射出される
レーザビーム(以下、「パルス照明光IL」と呼ぶ)
は、反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッタ7
に入射し、ビームスプリッタ7を透過した露光用照明光
としてのパルス照明光ILは、リレーレンズ8を介して
コンデンサレンズ10へ入射するようになっている。
【0066】図1ではリレーレンズ8を簡単に図示して
あるが、実際には、図4に示すように、リレーレンズ8
は、第1リレーレンズ8Aと、第2リレーレンズ8B
と、これらレンズ8A,8B間に配置される固定照明視
野絞り(固定レチクルブラインド)9Aおよび可動照明
視野絞り9Bとを有する。固定照明視野絞り9Aは、矩
形の開口部を有し、ビームスプリッタ7を透過したパル
ス照明光ILは、第1リレーレンズ8Aを経て固定照明
視野絞り9Aの矩形の開口部を通過するようになってい
る。また、この固定照明視野絞り9Aは、レチクルのパ
ターン面に対する共役面の近傍に配置してある。可動照
明視野絞り9Bは、走査方向の位置および幅が可変の開
口部を有し、固定照明視野絞り9Aの近くに配置してあ
り、走査露光の開始時および終了時にその可動照明視野
絞り9Bを介して照明視野フィールドをさらに制限する
ことによって、不要な部分(レクチルパターンが転写さ
れるウエハ上のショット領域以外)の露光が防止される
ようになっている。なお、図1では、これらの固定照明
視野絞り9Aおよび可動照明視野絞り9Bの図示を省略
してある。
【0067】図4に示すように、固定照明視野絞り9A
および可動照明視野絞り9Bを通過したパルス照明光I
Lは、第2リレーレンズ8Bおよびコンデンサレンズ1
0を経て、レチクルステージ15上に保持されたレチク
ル11上の矩形の照明領域12Rを均一な照度分布で照
明する。レチクル11上の照明領域12R内のパターン
を投影光学系13を介して投影倍率α(αは例えば1/
4,1/5等)で縮小した像が、フォトレジストが塗布
されたウエハ(感光性基板)14上の照明視野フィール
ド12Wに投影露光される。以下、投影光学系13の光
軸AXに平行にZ軸を取り、その光軸AXに垂直な平面
内で照明領域12Rに対するレチクル11の走査方向
(即ち、図4の紙面に平行な方向)をY方向、その走査
方向に垂直な非走査方向をX方向として説明する。
【0068】このとき、レチクルステージ15はレチク
ルステージ駆動部18によりY方向に走査される。外部
のレーザ干渉計16により計測されるレチクルステージ
15のY座標がステージコントローラ17に供給され、
ステージコントローラ17は供給された座標に基づいて
レチクルステージ駆動部18を介して、レチクルステー
ジ15の位置および速度を制御する。
【0069】一方、ウエハ14は、不図示のウエハホル
ダを介してZチルトステージ19上に載置され、Zチル
トステージ19はXYステージ20上に載置されてい
る。XYステージ20は、X方向およびY方向にウエハ
14の位置決めを行うと共に、Y方向にウエハ14を走
査する。また、Zチルトステージ19は、ウエハ14の
Z方向の位置(フォーカス位置)を調整すると共に、X
Y平面に対するウエハ14の傾斜角を調整する機能を有
する。Zチルトステージ19上に固定された移動鏡、お
よび外部のレーザ干渉計22により計測されるXYステ
ージ20(ウエハ14)のX座標、およびY座標がステ
ージコントローラ17に供給され、ステージコントロー
ラ17は、供給された座標に基づいてウエハステージ駆
動部23を介してXYステージ20の位置および速度を
制御する。
【0070】また、ステージコントローラ17の動作
は、不図示の装置全体を統轄制御する主制御系によって
制御されている。そして、走査露光時には、レチクル1
1がレチクルステージ15を介して+Y方向(または−
Y方向)に速度VR で走査されるのに同期して、XYス
テージ20を介してウエハ14は照明視野フィールド1
2Wに対して−Y方向(または+Y方向)に速度α・V
R (αはレチクル11からウエハ14に対する投影倍
率)で走査される。
【0071】また、Zチルトステージ19上のウエハ1
4の近傍に光電変換素子からなる照度むらセンサ21が
常設され、照度むらセンサ21の受光面はウエハ14の
表面と同じ高さに設定されている。照度むらセンサ21
としては、遠紫外で感度があり、且つパルス照明光を検
出するために高い応答周波数を有するPIN型のフォト
ダイオード等が使用できる。照度むらセンサ21の検出
信号が不図示のピークホールド回路、およびアナログ/
デジタル(A/D)変換器を介して露光コントローラ2
6に供給されている。
【0072】なお、図4に示すビームスプリッタ7で反
射されたパルス照明光ILは、集光レンズ24を介して
光電変換素子よりなるインテグレータセンサ25で受光
され、インテグレータセンサ25の光電変換信号が、不
図示のピークホールド回路およびA/D変換器を介して
出力DSとして露光コントローラ26に供給される。イ
ンテグレータセンサ25の出力DSと、ウエハ14の表
面上でのパルス照明光ILの照度(露光量)との相関係
数は予め求められて露光コントローラ26内に記憶され
ている。露光コントローラ26は、制御情報TSを露光
用光源1に供給することによって、露光用光源1の発光
タイミング、および発光パワー等を制御する。露光コン
トローラ26は、さらにエネルギー変調器3での減光率
を制御し、ステージコントローラ17はステージ系の動
作情報に同期して可動照明視野絞り9Bの開閉動作を制
御する。
【0073】本実施形態では、図1に示すように、以上
に示したように構成された露光装置30の装置本体の照
明光学系を、光路折り曲げ用のミラーM1およびM2、
照明光学系の光軸と光源1から射出されるレーザビーム
との位置関係を調整するビームマッチングユニット(不
図示)などを含む系と、ビーム整形・変調光学系2を含
む系と、フライアイレンズ5や開口絞6(図4)、さら
には互いに形状と大きさとの少なくとも一方が異なる複
数の開口絞り(輪帯絞り、小σ絞り、大σ絞り、変形照
明用絞りなど)を保持するターレット板などを含む系
と、リレーレンズ8およびコンデンサレンズ10や視野
絞り9A、9B(図4)を含む系とに分割し、これらの
系を別々の密閉ブロック32a〜32dで覆い、各ブロ
ックの内部を密閉構造としている。
【0074】図2に示すように、本実施形態では、各密
閉ブロック32a〜32dには、個別流路配管系34a
〜34dが接続してあり、各個別流路配管系34a〜3
4dを通して各密閉ブロック32a〜32d内部へガス
の供給が可能になっている。各個別流路配管系34a〜
34dには、電磁弁36が装着してあり、各密閉ブロッ
ク32a〜32d内部へのガスの供給および停止を制御
可能になっている。また、各密閉ブロック32a〜32
dの内部には、内部の酸素濃度を検出可能な酸素センサ
33と、内部の雰囲気圧力を検出可能なブロック内圧力
センサ35とが装着してある。酸素センサ33および圧
力センサ35の出力信号は、図示省略してある制御装置
(露光装置の主制御装置であっても良い)へ入力する。
また、電磁弁36は、その制御装置により制御される。
【0075】各個別流路配管系34a〜34dは、ガス
分配手段としての流量分岐ユニット38に接続してあ
る。流量分岐ユニット38は、共通流路配管系44から
流入してくるガスを各個別流路配管系34a〜34dへ
と分配する装置である。本実施形態では、流量分岐ユニ
ット38は、流量制御手段としての制御弁の一部を兼ね
ており、当該分岐ユニット38により、各密閉ブロック
32a〜32d内に供給される流量の制御を個別に行う
ことができるように構成してある。流量分岐ユニット3
8内の流量制御弁は、個別に設定が可能であり、手動ま
たは制御装置からの制御信号に基づき制御される。
【0076】共通流路配管系44には、流量分岐ユニッ
ト38側から、流量計40、圧力センサ42、減圧弁4
6およびガス切換ユニット(ガス切換手段)48が装着
してある。流量計40は、共通流路配管系44内を流れ
るガスの流量を計測し、圧力センサ42は、共通流路配
管系44内を流れるガスの圧力を計測し、減圧弁46
は、ガス切換ユニット48から送られてくるガスの圧力
を所定圧力に減圧するようになっている。
【0077】ガス切換ユニット48には、第1ガス供給
手段としての不活性ガス供給系50と、第2ガス供給手
段としてのドライエア供給系51とが接続してある。不
活性ガス供給系50は、たとえば不活性ガスタンクと供
給配管系とから成り、不活性ガスとして、たとえば窒素
ガスやヘリウムガスなどを所定圧力(工場供給可能圧力
以下)でガス切換ユニット48方向へ供給可能になって
いる。
【0078】ドライエア供給系51は、たとえばコンプ
レッサ52、除湿器54、ケミカルフィルタ56、およ
びこれらを結ぶ供給配管系などで構成してある。コンプ
レッサ52によりクリーンルームからのエアを除湿器5
4およびケミカルフィルタ56を通すことにより、切換
ユニット48へは、所定圧力のケミカルクリーンなドラ
イエアを供給可能になっている。なお、ケミカルフィル
タ56としては、特に限定されないが、そこを通すこと
により、ガスがケミカルクリーンなガスとなるフィル
タ、たとえば活性炭フィルタなどを用いることができ、
HEPAフィルタ(High Efficiency particle Air Fil
ter)を併用することもできる。また除湿器54として
は、一般的な除湿器を用いることができるが、この除湿
器54を通すことにより、湿度が0%近傍となる除湿器
を用いることが好ましい。
【0079】切換ユニット48では、不活性ガス供給系
50と共通流路配管系44との連通と、ドライエア供給
系51と共通流路配管系44との連通とを切り換え可能
になっており、その切換は、手動または制御装置からの
制御信号により行われる。
【0080】次に、本実施形態に係る露光装置30の使
用方法について説明する。本実施形態に係る露光装置3
0では、露光装置30の実稼働前の調整段階で、各密閉
ブロック32a〜32d内に、第1のガスとしての不活
性ガスを、リーク検出用として供給するために、ガス切
換ユニット48を制御し、不活性ガス供給系50と共通
流路配管系44とを連通させる。その結果、不活性ガス
供給系50内の不活性ガスは、共通流路配管系44へと
流れ、減圧弁46で所定圧力に減圧され、流量分岐ユニ
ット38へ至る。その際に、共通流路配管系44内を流
れる不活性ガスの圧力と流量とが圧力センサ42および
流量計40により各々計測される。
【0081】流量分岐ユニット38では、各密閉ブロッ
ク32a〜32d毎に、それらの容量に応じた適切な流
量をユニット38内の流量制御弁で設定し、各個別流路
配管系34a〜34dへと設定流量で不活性ガスを分配
して供給する。そして、電磁弁36を開けることによ
り、各密閉ブロック32a〜32dへと不活性ガスを所
定の流量で供給する。
【0082】特定の密閉ブロック32a〜32d内に不
活性ガスを供給した場合における酸素センサ33により
検出された酸素濃度の時間変化を図3に示す。図3に示
すように、不活性ガスを供給し始めた時点では、密閉ブ
ロック内部の酸素濃度は、大気中の酸素濃度と同じ21
%であるが、時間の経過と共に減少する。これは、密閉
ブロックの内部に不活性ガスを供給し続けることで、密
閉ブロックの内部の既存の空気が、密閉ブロックからリ
ークし、ブロック内部が徐々に不活性ガスで置換される
からである。密閉ブロックの内部の不活性ガスによるガ
ス置換率E(%)は、酸素濃度をD(%)とした場合
に、次の式により定義される。
【0083】
【数1】E(%)=(1−D/21)×100 上記数式中の21は、大気中の酸素濃度(%)である。
したがって、図3において、酸素濃度Dが低下すると、
ガス置換率Eは高くなり、酸素濃度Dとガス置換率Eと
は、一対一に対応し、図2に示す酸素センサ33により
酸素濃度を検出することで、不活性ガスのガス置換率を
算出することができる。
【0084】図3に示す酸素濃度の時間変化のカーブ
は、各密閉ブロック32a〜32d毎に異なる。各密閉
ブロック32a〜32d毎に、内部容量が異なると共
に、密閉度が異なり、しかも不活性ガスの設定流量が異
なるからである。
【0085】本実施形態では、全ての密閉ブロック32
a〜32dについて、それらの内部が、不活性ガスによ
り目標ガス置換率Eo(図3に示す目標濃度Doに対
応)に到達するまでの時間T0(置換所要時間)と、平
衡状態におけるガス置換率Esとを求める。目標ガス置
換率Eoと、平衡状態におけるガス置換率Esとは、前
記数式中の酸素濃度Dを、目標酸素濃度であるDo、ま
たは平衡状態における酸素濃度Dsで置き換えることに
より算出することができる。
【0086】本実施形態においては、目標ガス置換率E
oを、90〜98%に設定し、平衡状態におけるガス置
換率Esが、目標ガス置換率Eoよりも高くなるように
設定する。すなわち、図3のグラフにおいて、平衡状態
における酸素濃度Dsが、目標酸素濃度Doよりも下に
なるように設定する。
【0087】平衡状態となるガス置換率Esの値が、目
標ガス置換率Eoの値よりも低い場合には、不活性ガス
を密閉ブロック内に所定の流量で供給し続けた場合に、
平衡状態となっても、目標ガス置換率Eoに到達しな
い。この状態は、密閉ブロックからの単位時間当たりの
リーク量に対して、不活性ガスの単位時間当たりの供給
量(供給流量)が少なすぎる場合と考えられ、不活性ガ
スの供給流量を増やす必要がある。そのような場合に
は、図2に示す流量分岐ユニット38の制御弁を調節し
て、該当する密閉ブロックへの不活性ガスの供給流量が
増大するように設定し直す。このようにして、全ての密
閉ブロック32a〜32dについて、平衡状態における
ガス置換率Esが、目標ガス置換率Eoよりも高くなる
ように不活性ガスの供給流量を個別に設定し、各密閉ブ
ロック32a〜32dについて、置換所要時間T0と、
平衡状態におけるガス置換率Esとを求める。
【0088】そして、露光装置の実稼働時には、ガス切
換ユニット48を制御し、不活性ガス供給系50からの
ガスの流れを遮り、ドライエア供給系51から共通流路
配管系44へケミカルクリーンなドライエアを流す。ケ
ミカルクリーンなドライエアは、前述したように、コン
プレッサ52によりクリーンルームからのエアを除湿器
54およびケミカルフィルタ56を通すことにより得ら
れる。このドライエアは、共通流路配管系44の減圧弁
46を通して、不活性ガスが流通していた場合と同程度
の圧力に減圧され、流量分岐ユニット38へ至る。その
際に、共通流路配管系44内を流れるドライエアの圧力
と流量とが圧力センサ42および流量計40により各々
計測され、不活性ガスが流通していた場合と同程度の圧
力および流量に制御される。
【0089】流量分岐ユニット38では、各個別流路配
管系34a〜34dへの各流量制御弁が、不活性ガスを
供給した場合に求めた所望の目標ガス置換率Eoを実現
するために必要な供給流量に設定してあるので、不活性
ガスの供給量と同じ供給量で、ドライエアが、各密閉ブ
ロック32a〜32dへと供給される。
【0090】実稼働時前の調整段階で、各密閉ブロック
32a〜32dの密閉状態に変更がなければ、密閉ブロ
ック32a〜32dからのガスのリーク量は、調整段階
と実稼働時とでは、実質的に同じになると考えられる。
なぜなら、不活性ガスとドライエアとは、ガスの粘性が
多少異なるが、各密閉ブロック密閉ブロック32a〜3
2dから外部へのリーク量は、ガスの粘性の差による影
響よりも密閉ブロック32a〜32dの密閉度と、ブロ
ック内外の圧力差とに大きく依存するためである。
【0091】したがって、不活性ガスとドライエアとを
実質的に同じ圧力および供給流量で供給する場合には、
各密閉ブロック32a〜32dからのガスのリーク量
が、調整段階と実稼働時とで実質的に同じになり、実稼
働時には、ドライエアによる置換率をモニタリングする
必要がなくなる。ちなみに、ドライエア中の酸素濃度
は、大気中の酸素濃度と略同じであり、図2に示す酸素
センサ33によっては、ガス置換率をモニタリングする
ことは不可能であった。
【0092】本実施形態においては、不活性ガスを供給
した場合に求めた所望のガス置換率を実現するために必
要な、単位時間当たりのガスの供給量と同じ供給量で、
ドライエアを各密閉ブロック32a〜32dの内部に供
給すると、密閉ブロック32a〜32dの内部は、不活
性ガスの場合に求めた置換所要時間T0後には、ドライ
エアにより目標置換率Eo以上で置換された状態とな
る。全ての密閉ブロック32a〜32dについて、ドラ
イエアにより目標置換率Eo以上で置換された状態とな
った場合、すなわち密閉ブロック32a〜32dについ
ての最大の置換所要時間T0経過後には、露光装置から
稼働準備完了信号を出力することが好ましい。その出力
信号は、露光装置の操作者に知らせるための信号でも良
いし、露光装置の稼働制限を解除する信号に用いても良
い。
【0093】密閉ブロック32a〜32dについての最
大の置換所要時間T0経過後に露光を行うことで、全て
の密閉ブロック32a〜32dの内部が、目標ガス置換
率Eo以上のガス置換率でドライエアに置換してある。
すなわち、KrFエキシマレーザなどのDUV光から成
る照明光が、密閉ブロック32a〜32d内を通過して
も、そこにはDUV光に対して反応する物質が存在しな
い。したがって、これら密閉ブロック32a〜32dの
内部に配置してあるレンズやミラーなどの光学素子の曇
り物質を発生させることがない。なお、置換所要時間T
0は、具体的には数十分程度のオーダーである。
【0094】前述したように、本実施形態に係る露光装
置30では、露光装置の実稼働時には、酸素を含むケミ
カルクリーンなドライエアを用いることが可能になる。
このようなドライエアは、クリーンルーム内のエアをケ
ミカルフィルタ56および除湿器54を介して供給すれ
ば良く、運転コストの点でも安全性の点でも有利であ
る。すなわち、ドライエアとしては、クリーンルーム内
のエアを用いて安価に製造することができ、ドライエア
が各密閉ブロック32a〜32dから多量に漏れたとし
ても、作業者にとって安全である。
【0095】また、本実施形態に係る露光装置30で
は、各密閉ブロック32a〜32dの内部には、酸素セ
ンサ33以外に、ブロック内圧力センサ35が装着して
あるために、密閉ブロック32a〜32dの内部圧力が
低下した場合を検知することができる。密閉ブロック3
2a〜32dの内部圧力が低下する場合としては、何ら
かの事故により密閉ブロック32a〜32dの気密性が
低下し、多量のリークが発生する場合や、何らかの事故
によりドライエア供給系51により供給されるガス圧力
が低下する場合などが考えられる。これらの場合には、
密閉ブロック32a〜32d内でのガス置換率が大幅に
低下することから、露光装置の稼働を停止する必要があ
る。そこで、本実施形態に係る露光装置30では、圧力
センサ35を用いて、このような事態を検出し、アラー
ム信号を出力し、警告灯、ブザー、あるいはディスプレ
イ装置での表示により作業者に知らせたり、露光装置の
稼働を停止させたりすることができる。なお、何らかの
事故によりドライエア供給系51により供給されるガス
圧力が低下する事態は、共通流路配管系44に装着して
ある圧力センサ42によっても検出することができ、同
様にアラーム信号を出力することができる。
【0096】本実施形態に係る露光装置30において
は、ブロック内圧センサ35では、各密閉ブロック32
a〜32dの内部圧力が、調整段階で不活性ガスを封入
してガス置換率をモニタリングしていた場合の所定圧力
以上に、ドライエアのパージ圧力が保たれているかを検
出する。また、共通流路配管系44の圧力センサ42で
は、調整段階で不活性ガスを共通流路配管系44内に流
通させていた場合の所定圧力以上に、ドライエアのパー
ジ圧力が保たれているかを検出する。これらの所定圧力
が低下する場合には、各密閉ブロック32a〜32dの
内部のドライエアによるガス置換率が、不活性ガスを用
いてモニタリングしていた目標ガス置換率Eoよりも低
下している可能性が高いと判断できるからである。な
お、各密閉ブロック32a〜32dにおける所定圧力と
は、特に限定されないが、大気圧力よりも僅かに高い程
度であり、好ましくは大気圧力に対して、1〜10%程
度高い圧力である。
【0097】また、本実施形態に係る露光装置30にお
いて、酸素センサ33として、ガルバニ電池式の酸素濃
度計を用い、露光装置の実稼働時にも、各密閉ブロック
32a〜32dの内部の酸素濃度をモニタリングするこ
とで、各密閉ブロック32a〜32dの内部の圧力低下
を検出することもできる。これは、ガルバニ電池式の酸
素濃度計には、正比例関係の圧力依存性があるためであ
る。すなわち、何らかの原因で、いずれかの密閉ブロッ
ク32a〜32dに多量のリークが生じた場合、該当す
る密閉ブロックの内部の圧力が低下する。圧力低下の前
後での酸素濃度%が21%程度に同じだとしても、酸素
の絶対量が少なくなり、酸素濃度計により検出する値が
下がるからである。このようにして、酸素センサ33に
圧力依存性がある場合には、酸素センサ33により圧力
低下を検出することができる。
【0098】第2実施形態 本実施形態では、図2に示すように、減圧手段としての
真空ポンプ37を、各密閉ブロック32a〜32dに接
続する。真空ポンプ37は、各密閉ブロック32a〜3
2d毎に装着しても良いが、単一の真空ポンプ37を各
密閉ブロック32a〜32dに接続する方が経済的であ
る。なお、真空ポンプ37と各密閉ブロック32a〜3
2dとの間の配管系には、電磁弁などのバルブが装着し
てある。その他の構成は、前記第1実施形態の露光装置
と同じであり、前記実施形態の装置と同様な作用効果を
奏する。
【0099】本実施形態に係る露光装置では、各密閉ブ
ロック32a〜32dの内部に、不活性ガスを封入する
前と、ドライエアを封入する前に、それぞれ真空ポンプ
37を駆動して、各ブロック32a〜32dの内部を真
空引きして、内部を減圧状態下にする。その後、不活性
ガスまたはドライエアを封入することで、図3に示す目
標ガス置換率Eoに到達するまでの置換所要時間T0を
短くすることができ、スループットの向上に寄与する。
【0100】第3実施形態 本実施形態では、照明光学系のみでなく、図1に示す投
影光学系13をも密閉ブロック32eで覆い、前記第1
実施形態と同様にして、この投影光学系13を密閉する
密閉ブロック32eの内部に不活性ガスを封入してガス
置換率をモニタリングすると共に、実稼働時には、ドラ
イエアを供給する。その他の構成は、前記第1実施形態
の露光装置と同様であり、前記実施形態の装置と同様な
作用効果を奏する。
【0101】レンズなどの光学素子は、照明光学系のみ
でなく、投影光学系13にも多数配置してあることか
ら、このように投影光学系13をも密閉ブロック32e
で覆うことで、投影光学系13内部に配置してあるレン
ズなどの光学素子を有効に保護することができる。ま
た、KrFエキシマレーザ光などのDUV光が投影光学
系13を通過しても、光学素子の曇り物質を発生させる
ことがない。
【0102】なお、第3実施形態では複数の光学素子を
有する投影光学系13を単一の密閉ブロック32eに収
納するものとしたが、その複数の光学素子をいくつかの
群に分けてそれぞれ複数の密閉ブロックに収納するよう
にしてもよい。このとき、所定個数の光学素子をそれぞ
れ一体に保持する複数の分割鏡筒の各々を密閉ブロック
に収納するようにしてもよい。
【0103】以上の第1〜第3実施形態では、光源1と
ウエハ14との間で露光用照明光の光路上に配置される
複数の光学要素を複数の密閉ブロックにそれぞれ収納す
るものとしたが、その光路外に配置されるセンサなどを
含む光学要素、例えば集光レンズ24やインテグレータ
センサ25(図4)、あるいはウエハ14で反射されて
投影光学系13などを通過し、さらにビームスプリッタ
7で反射される露光用照明光を受光する光電検出器(反
射率モニタ)なども密閉ブロックに収納するようにして
もよい。また、光源1から射出される露光用照明光の一
部を分岐して、レチクルアライメント系などを始めとす
る光学センサに導く送光系の少なくとも一部を、前述の
実施形態と同様に少なくとも1つの密閉ブロックに収納
するようにしてもよい。ただし、その送光系が光ファイ
バーを含むときは、その光ファイバー以外の光学要素を
その密閉ブロックに収納するように構成すればよい。要
は、照明光学系、投影光学系、及びアライメント系など
を始めとする、露光用照明光、またはその波長とほぼ同
一の照明光が通過する全ての光学系に対して本発明を適
用することができる。
【0104】また、第1〜第3実施形態ではステップ・
アンド・スキャン方式の縮小投影型走査露光装置(スキ
ャニング・ステッパー)についての説明したが、例えば
レチクル11とウエハ14とを静止させた状態でレチク
ルパターンの全面に露光用照明光を照射して、そのレチ
クルパターンが転写されるべきウエハ14上の1つの区
画領域(ショット領域)を一括露光するステップ・アッ
プ・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパ
ー)、さらにはミラープロジェクション方式やプロキシ
ミティ方式などの露光装置にも同様に本発明を適用する
ことができる。なお、図1に示した投影光学系13はそ
の全ての光学素子が屈折素子(レンズ)であるものとし
たが、反射素子(ミラーなど)のみからなる光学系であ
ってもよいし、あるいは屈折素子と反射素子(凹面鏡、
ミラーなど)とからなるカタディオプトリック光学系で
あってもよい。また、投影光学系13は縮小光学系に限
られるものではなく、等倍光学系や拡大光学系であって
もよい。
【0105】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0106】たとえば、照明光学系および/または投影
光学系を分割して密閉する密閉ブロックの個数は、上述
した実施形態に限定されず、種々に改変することができ
る。特に照明光学系における密閉ブロックの個数を増や
すことで、照明光学系のメンテナンスが容易になり、密
閉ブロック内へのガスの封入を効率的に行うことができ
る。
【0107】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、特に遠紫外光の光を用いて露光を行う露光装置にお
いて、大幅な設計変更を加えることなく、光学素子に対
する曇り物質の付着を防止でき、しかも運転時には窒息
性ガスを用いず、運転コストが安価で安全な露光装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係る露光装置の
概略構成図である。
【図2】 図2は図1に示す密閉ブロックへ第1のガス
および第2のガスを供給するための配管系の概略構成図
である。
【図3】 図3は密閉ブロック内に第1のガスを供給す
る場合のガス置換率の時間経過を示すグラフである。
【図4】 図4は図1に示す露光装置本体のより詳細な
概略図である。
【符号の説明】
1… 露光用光源 2… ビーム整形・変調光学系 5… フライアイレンズ 8… リレーレンズ 10… コンデンサレンズ 11… レチクル(マスク) 13… 投影光学系 14… ウエハ(感光性基板) 30… 露光装置 32a〜32e… 密閉ブロック 33… 酸素センサ 34a〜34d… 個別流路配管系 35… ブロック内圧力センサ 37… 真空ポンプ(減圧手段) 38… 流量分岐ユニット(ガス分配手段) 40… 流量計 42… 圧力センサ 44… 共通流路配管系 46… 減圧弁 48… ガス切換ユニット(ガス切換手段) 50… 不活性ガス供給系(第1ガス供給手段) 51… ドライエア供給系(第2ガス供給手段)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光装置を構成する複数の要素の少なく
    とも一部を覆うように実質的な密封空間を形成する少な
    くとも1つの密閉ブロックと、 前記密閉ブロック内に第1のガスを供給する第1ガス供
    給手段と、 前記密閉ブロック内に、前記第1のガスと異なる第2の
    ガスを供給する第2ガス供給手段と、 前記第1ガス供給手段により前記密閉ブロック内に供給
    される第1のガスによる当該密閉ブロック内のガス置換
    率を検出するガスセンサと、 前記ガスセンサにより検出されたガス置換率のデータに
    基づき、前記第2ガス供給手段により前記密閉ブロック
    内に供給される第2のガスの流量を制御する流量制御手
    段とを有する露光装置。
  2. 【請求項2】 露光用照明光を射出する光源と、前記照
    明光をマスクに照射する照明光学系とを備え、前記照明
    光学系の少なくとも一部が前記密閉ブロック内に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記マスクから出射する照明光を感光性
    基板上に投射する投影光学系を備え、前記光源と前記感
    光性基板との間に配置される複数の光学素子はそれぞれ
    複数の密閉ブロックのいずれかに配置されていることを
    特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のガスが、酸素を含まないガス
    であり、前記ガスセンサが酸素の濃度を検出可能なセン
    サである請求項1〜3のいずれかに記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のガスが不活性ガスである請求
    項4に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記第2のガスが、酸素を含む化学的に
    クリーンなガスである請求項4または5に記載の露光装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第2のガスが、ドライエアである請
    求項6に記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 前記第1ガス供給手段から前記密閉ブロ
    ックへ至る流路の開放と、前記第2ガス供給手段から前
    記密閉ブロックへ至る流路の開放とを切り換えるガス切
    換手段を有する請求項1〜7のいずれかに記載の露光装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ガス切換手段と複数の密閉ブロック
    との間には、当該ガス切換手段で選択された第1のガス
    または第2のガスを、複数の密閉ブロック内に分岐させ
    て供給するガス分配手段を有する請求項8に記載の露光
    装置。
  10. 【請求項10】 前記ガス分配手段が前記流量制御手段
    の一部を兼ねており、当該ガス分配手段により、各密閉
    ブロック内に供給される流量の制御を行うように構成し
    てある請求項1〜9のいずれかに記載の露光装置。
  11. 【請求項11】 前記密閉ブロック内に前記第1ガス供
    給手段または第2ガス供給手段からガスを供給する前
    に、前記密閉ブロック内の圧力を大気圧力よりも低くす
    るための減圧手段を有する請求項1〜10のいずれかに
    記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 200nm程度以上の波長を持つ光を
    露光用照明光として出射する光源を有する請求項1〜1
    1のいずれかに記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 前記照明光はKrFエキシマレーザで
    あることを特徴とする請求項12に記載の露光装置。
  14. 【請求項14】 露光装置を構成する複数の要素の少な
    くとも一部を覆うように実質的な密封空間を形成する少
    なくとも1つの密閉ブロック内に、露光装置の使用前
    に、第1のガスを供給し、 前記密閉ブロック内に供給される第1のガスが、密閉ブ
    ロック内に元々存在していたガスを置換する割合である
    ガス置換率を検出し、 露光装置の使用時には、前記密閉ブロック内の第1のガ
    スによるガス置換率が所定の目標ガス置換率以上となる
    時の第1のガスの供給流量に基づき、前記密閉ブロック
    内に供給する第2のガスの流量制御を行う露光方法。
  15. 【請求項15】 光源から射出される露光用照明光を感
    光性基板に導く複数の光学素子はそれぞれ複数の密閉ブ
    ロックのいずれかに配置されており、 前記密閉ブロック毎に、前記第1のガスによるガス置換
    率が所定の目標ガス置換率以上となるときの前記第1の
    ガスの供給流量に基づき、前記密閉ブロック内に供給す
    る前記第2ガスの流量制御を行うことを特徴とする請求
    項14に記載の露光方法。
  16. 【請求項16】 前記第1のガスを前記密閉ブロック内
    に所定の流量で供給し続けた場合に、平衡状態となるガ
    ス置換率の値が、前記目標ガス置換率の値よりも高くな
    るように、第1のガスの供給流量を設定する請求項14
    または15に記載の露光方法。
  17. 【請求項17】 前記密閉ブロック内における第1のガ
    スのガス置換率をモニタし、ガス置換率が初期状態から
    目標ガス置換率となるまでの時間を計測する請求項14
    〜16のいずれかに記載の露光方法。
  18. 【請求項18】 前記密閉ブロック内における第1のガ
    スのガス置換率を、密閉ブロック内の酸素濃度をモニタ
    することで検出し、この酸素濃度が、目標酸素濃度以下
    となる酸素濃度を前記目標ガス置換率とする請求項14
    〜17のいずれかに記載の露光方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001008204A1 (fr) * 1999-07-23 2001-02-01 Nikon Corporation Procede et appareil d'exposition
JP2006286709A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toppan Printing Co Ltd 露光装置及び露光装置を用いたフォトレジストパターン形成方法
US7491473B2 (en) 2004-04-19 2009-02-17 Fujitsu Microelectronics Limited Photo mask and method for controlling the same
CN102681353A (zh) * 2011-03-14 2012-09-19 Asml荷兰有限公司 投影系统、光刻设备和器件制造方法

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