JPH1119527A - 石膏ボード廃材の破砕処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 破砕された石膏ボード廃材を石膏と厚紙片に
分離して処理することができる石膏ボード廃材の破砕処
理装置を提供する。 【構成】 ケーシング１５内に、爪刃ａを有する一対の
の破砕輪７、８を設ける。上記ケーシング１５の上部一
端に廃材Ｗの投入口１８を、下端に破砕物の排出口１９
を設ける。排出口１９の下方には、破砕物の流動面ｃを
有し、かつ多数の小孔ｄを設けた仕分け部材Ｂを対応し
て配設する。小孔ｄの下部に、粉砕した石膏片の収集用
ホッパー２０を設け、流動面ｃの端部に粉砕した厚紙片
の収集用ホッパー２１を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建築施工現場な
どにおいて排出される石膏ボード廃材を破砕し、石膏と
厚紙片とに分離して処理することができる廃材の破砕処
理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】木造あるいは鉄骨建築における壁、天井
などの下地材として石膏ボード（プラスターボード）が
用いられる。このボードの張付け施工は、建築現場にお
いて現物合せで行われることが多く、この結果を端材
（廃材）を生ずる。このボードは、石膏を心材とし外側
を厚紙によって被覆したものであって、破砕処理が困難
でありほとんどは、他の廃棄物と共にそのままの姿で処
理されていた。

【０００３】しかし、埋立処理場での猛毒物質の溶出な
どの環境問題が報告されるに至って、近年では石膏ボー
ドだけを分別して減容処理し、リサイクルに供して製品
に還元するなどの動きが見られている。この処理のため
の破砕機械の一例が特開平６−２７７５３７号公報によ
って提案される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この従来の粉砕機は、
回転破砕刃と強力な押圧力によりボードを細かく粉砕す
ることができるが、石膏と厚紙片とが混在したまま回収
処理されるので、十分な減容化を達成しているとは言え
ず、またリサイクル利用するにあたって別工程で仕分け
処理する必要があった。

【０００５】本発明は、上記した従来技術の問題点に着
目してなされたものであり、石膏と厚紙片とを仕分けて
処理することができる石膏ボード廃材の破砕処理装置を
提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る石膏ボード廃材の破砕処理装置は次
のように構成したものである。

【０００７】すなわちその要旨とするところは、ケーシ
ング内に爪刃を有する破砕輪を設けると共に、上記ケー
シングの一端に材料の投入口を、他端に排出口を設けた
破砕装置において、上記の排出口の下方領域に、破砕物
の流動面を有し、かつこの流動面に多数の小孔を設けた
仕分け部材を配設したことにある。

【０００８】また本発明に係る破砕処理装置は、請求項
２において流動面における小孔の下方領域に、粉砕した
石膏片の収集用ホッパーを、流動面の端部に、粉砕した
厚紙片の収集用ホッパーを備えたことを要旨とする。

【０００９】流動面に落下した破砕物のうち、性状の細
かい石膏は小孔を通して下方へ排出される。また性状の
粗い厚紙片は流動面を移動して、その端部から排出され
る。なお、これらの排出部にそれぞれに収集用ホッパー
を備えることにより、仕分け処理を円滑に行うことがで
きる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る石膏ボード廃
材の破砕処理装置を一実施例について具体的に説明す
る。図１は全体の構成を示す縦断側面図 図２は要部の
構成を示す横断平面図である。

【００１１】図において、１は平板状のベース ２、２
はベース１の両側に樹立した一対のフレーム ３、３は
ベース１の下面部に取りつけたキャスターホイール ４
および５はフレーム２、２の上部にそれぞれ設けた軸受
板 ６ａ及び６ｂはベアリングによって軸受板４、５に
回転自在に設けた前後一対の軸である。

【００１２】７及び８は軸６ａ、６ｂの長手方向に間隔
的に取りつけた多数の破砕輪 この破砕輪７、８はスプ
ロケットホイール状であり、周面に多数の爪刃ａ、ａを
有する。９及び１０は軸６ａ、６ｂの端部に取りつけた
ギヤであり、両者のかみ合いにより破砕輪７、８を連動
的に回転する。

【００１３】１１はベース１上に取りつけた減速機付の
駆動モータ １２は減速機の出力軸に取りつけたスプロ
ケットホイール １３は破砕ローラ８の軸端に取りつけ
たスプロケットホイール １４は両スプロケットホイー
ル１２、１３を連係したチェンである。

【００１４】１５は破砕輪７、８を囲うようにしてフレ
ーム２、２の上部内側に設けたケーシング １６および
１７はケーシング１５内に所定の間隔をもって配設した
一対のガイド壁 このガイド壁１６、１７は廃材（以
下、材料Ｗという）の送材路Ａを構成している。

【００１５】１８は送材路Ａの上端部に設けたホッパー
状の投入口 １９は送材路Ａの下端部に設けた排出口で
ある。また前記のガイド壁１６、１７には多数のスリッ
ト状の切欠孔ｂ、ｂを形成してあり、ここから送材路Ａ
内に破砕輪７、８の爪刃ａ、ａが突出するようになって
いる。

【００１６】Ｂは排出口１９の下方に対応して設けた仕
分け部材 この仕分け部材Ｂは、僅かに傾斜した破砕物
の流動面ｃを有し、かつこの流動面ｃに多数の小孔ｄ、
ｄを穿設する。この仕分け部材Ｂには、流動面ｃを振動
して破砕物を下端方向に移動する振動手段Ｄを関連して
設ける。

【００１７】この振動手段Ｄは、仕分け部材Ｂの支持枠
に結合した偏心輪２４と、この偏心輪２４を回転駆動す
る伝動手段２５を備える。この振動手段Ｄへの動力伝達
は前記した駆動モータ１１によってなされる。

【００１８】２０は流動面ｃにおける小孔ｄ、ｄの下方
領域に対応して設けた石膏片の収集用ホッパー ２１は
流動面ｃの下端部に接続して設けた厚紙片の収集用ホッ
パー２２は上記のホッパー２０、２１に着脱自在に取り
つけた破砕片の収容袋 ２３はフレーム２、２の上部に
設けた移動用の操作ハンドルである。

【００１９】一実施例に係る廃材の破砕処理装置の構成
は上記の通りであり、次のようにして石膏ボードの処理
作業を行う。

【００２０】それには、図示しない操作スイッチにより
駆動モータ１１を起動し、破砕輪７、８を図３の矢印方
向に回転駆動する。そして、投入口１８から落とし込む
ようにして材料Ｗを供給する。この材料Ｗは、送材路Ａ
に沿って下方へ送られ、切欠孔ｂ、ｂから突出する爪刃
ａ、ａにより順次に破砕処理される。

【００２１】上記の爪刃ａ、ａの切断あるいは打撃作用
によって、材料Ｗは細かい石膏片とそれより大きい厚紙
片に破砕され、分離された状態で下部の排出口１９から
落下する。破砕物はガイド壁１６、１７に案内されて円
滑に排出される。

【００２２】落下して仕分け部材Ｂの流動面ｃに供給さ
れた破砕物は振動によってふるい分けられ、石膏は小孔
ｄ、ｄを通過して収集用ホッパー２０に回収され、収容
袋２２ａに収容される。また厚紙片は小孔ｄ、ｄを通過
せず、流動面ｃを端面に移動して収集用ホッパー２１に
回収され、収容袋２２ｂに収容される。

【００２３】なお上記の一実施例では、送材路Ａを上下
方向に形成したが、これを水平方向に設計することは容
易である。送材路を水平にした場合は、破砕輪の前側に
材料の送り込みローラを備えることが好ましい。

【００２４】また一実施例では、一組の破砕輪７、８と
一つの仕分け部材Ｂによって破砕処理などを行ったが、
二組以上の破砕輪を備えたり、或は二つ以上の仕分け部
材を備えるようにしても良いことは勿論である。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明に係る石膏ボード廃
材の破砕処理装置によれば、石膏と厚紙片とに粉砕され
たものをそれぞれに仕分けして分別して処理することが
できるという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る廃材の破砕処理装置の一実施例
を示す縦断側面図である。

【図２】同じく、要部の構成を示す横断平面図である。

【図３】同じく、要部の構成を示す側面図である。

【符号の説明】

７ 破砕輪 ８ 破砕輪 １５ ケーシング １６ ガイド壁 １７ ガイド壁 １８ 投入口 １９ 排出口 ２０ 石膏片の収集用ホッパー ２１ 厚紙片の収集用ホッパー ａ 爪刃 ｂ 切欠孔 ｃ 流動面 ｄ 小孔 Ａ 送材路 Ｂ 仕分け部材 Ｄ 振動手段 Ｗ 廃材（材料）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング内に爪刃を有する破砕輪を設
   けると共に、上記ケーシングの一端に材料の投入口を、
   他端に破砕物の排出口を設けた石膏ボードの破砕装置に
   おいて、 上記の排出口の下方領域に、破砕物の流動面を有し、か
   つこの流動面に多数の小孔を設けた仕分け部材を配設し
   たことを特徴とする石膏ボード廃材の破砕処理装置。
2. 【請求項２】 流動面における小孔の下方領域に、粉砕
   した石膏の収集用ホッパーを、流動面の端部に、粉砕し
   た厚紙片の収集用ホッパーをそれぞれ備えたことを特徴
   とする請求項１の石膏ボード廃材の破砕処理装置。